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羅針盤戦争〜黄金の太陽

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #ピサロ将軍 #邪剣島

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「ついに七大海嘯である『邪剣』ピサロ将軍の本拠地、邪剣島が発見されたようじゃな」

 ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)は海図から視線を上げ、改めて猟兵達と向き合った。

「今回は、七大海嘯『邪剣』ピサロ将軍の対処となるのじゃが――」

 猟兵に島に到達された時点で、ピサロの「別世界に逃げる計画」は頓挫してしまった。だが、ピサロ将軍もただでは転ばない――儀式でエネルギーを得た背中の「黄金太陽神」に、島全域に届くほどの激しい「めくらましの光」を放出させ続けているのだ。

「その上、八艘飛びで高速移動しておる。太陽を背にしたピサロ将軍をいかに見切りながら、この速度に対処するかが重要になるじゃろう」

 加えて、邪剣島では様々な世界の剣が無造作に生えている。目くらましを受けた上で、この危険な足場で戦わなければいけないのだ。

 視覚、速度、戦場――ただでさえ強敵なピサロ将軍を相手に、更に対処しなくてはならない要素が追加されているのだ。一筋縄ではいかないだろう。

「この戦い、勝利すれば七大海嘯に支配された一つの島を開放できる。開放できる島は、UDCアース島の廃ビル郡の並ぶ島のようじゃな」

 何にせよ、ここまで来ればピサロ将軍も倒しておきたい。特に異世界へ逃亡を試み、ピサロ将軍は侵略行為を行なうと確定している……他の世界に、あんな危険な存在を逃しては後々大きな禍根になるだろう。

「カルロスの王笏島はもちろん、七大海嘯も潰せるところは潰しておきたいところじゃ。どうか頼んだぞ」


波多野志郎
逃さんという決意を感じる……! どうも、波多野志郎です。
邪剣島の本拠地にて、七大海嘯『邪剣』ピサロ将軍との決戦となります。

プレイングボーナスは「敵の先制攻撃+八艘飛び+めくらましの光+地面から生える剣に対処する」となります。ただ、先制攻撃への対処だけではありません。アイデア勝負となりますので、ふるってプレイングをお送りください。


それでは、邪剣島でお会いしましょう!
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第1章 ボス戦 『七大海嘯『邪剣』ピサロ将軍』

POW   :    太陽の征服者
全身を【黄金色のまばゆい光】で覆い、自身の【『八艘飛び』による加速度】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    八艘九連飛び
自身の【背後の黄金太陽神】が輝く間、【「八艘飛び」による超高速斬撃】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    三千邪剣世界
自身からレベルm半径内の無機物を【ピサロの意のままに宙を舞い、敵を襲う邪剣】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。

イラスト:もりのえるこ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ
【アドリブ・連係歓迎】POW
滅茶苦茶過ぎない?大丈夫?
無茶苦茶には無茶苦茶で対応しようね☆

事前に「肉体改造」を施し、再生能力と弾性、防刃能力を獲得し、眼に遮光能力を付与!
敵の先制攻撃を『お肉みーと』を切り離して障壁として切り離す事で受け止め、「捕食」「カウンター」で動きを止めてる間に「シェフスカリバー」でを突き刺す!
その後は【使用UC】で突き刺した「シェフスカリバー」が変形して敵を自動的に「料理」!どんなに素早くても関係なく「料理」しちゃおうね!
どっちが「料理」されるか、根競べだよ!
「料理」された『邪剣』を食べて、その力をオイラのものにしてやる!

勝利の暁には邪剣肉で「宴会」だよ☆


久遠寺・遥翔
アドリブ連携歓迎

イグニシオンに【騎乗】
この上ない強敵だ
なんとか連携して場を乱すしかない

事前に【メカニック】で機体のメインカメラを切り
代わりにレーダーの情報をモニタに反映させるよう調整
【結界術】を展開し結界内の状況を把握し情報の精度を高める

島の上でなら【空中戦】も可能だ
生えている剣には触れないように戦える

さらに剣の丘という【地形の利用】
殺気を【第六感】で拾い敵の動きを【見切り】
ワイヤーを剣に引っ掛けてつかみばら撒く形の【範囲攻撃】で
八艘飛びで突っ込んでくる相手を【カウンター】で迎撃しつつ【残像】でかわし
避けきれないものを【オーラ防御】で耐える
初手を防いだらあとはUCで真っ向勝負だ


大豪傑・麗刃
めくらまし対策
目に頼らず、気合を入れて聞き耳を立てる事で対処。

先制攻撃ならびに地面からの剣対策
超気合を入れ、聞き耳を立て、敵が先制攻撃してくる音、ならびに剣が地面から生える音を見切、いや聞き切り、来たら早業で連続ジャストガードすることにより削りダメージも拒否する。レッツゴージャスティーン(格ゲー脳)受け切れない分はオーラで無理やり防御。

ユベコ解禁後は無理やりにでも足を止めてもらおう。ということで召喚するのはピサロの主君にしてその死に大きく関わった

スペイン王カルロス1世(カール5世)

彼を見、あるいは一喝でもされたなら、喜怒哀楽恐いずれかの感情で思わず足を止めてほしい。そこを聞き切り、駆けて切る。


ミュゲット・ストロベリー
お前の『邪剣』とミュゲの『霊剣』、どちらが上かハッキリさせてあげるわ。

敵の先制攻撃は、【結界術】と【オーラ防御】による防御と、【衝撃波】による相殺で防ぎきるわ。先制攻撃を防御できればあとはこちらの番よ。

地面から生える剣は【地形破壊】で破壊しつつ、【空中浮遊】による【空中戦】メインで応戦するわ。目眩しの光と八艘飛びの高速移動も、目を瞑って【第六感】と【索敵】の技能を駆使して戦えば問題ないはずよ。

技能を使って相手の位置を正確に把握出来れば、あとは攻撃あるのみよ。UCを発動して連続攻撃よ。
code : mistilteinn・解放。散れ。


ヴィクティム・ウィンターミュート
ハッ、これはこれは…随分と面白いロケーションになってやがる
あれこれと手練手管を尽くして、これだけ有利な環境にするとはな
敵ながら嫌いじゃないぜ、そういうの
だが残念ことに…相手が悪かったな

まず目くらまし…生身の眼じゃねえんだ
フラッシュバンの類を無力化する光量の調節機能を使えば、どうとでもなる
地面の剣は……派手に動かなきゃさして影響もない
どうせ八艘跳びで接近してくるんだし、待ちだ

高速移動と言っても、ワープじゃねえ…移動は直線だ
だからこいつを置いておく──『運命転換』
身を捻って致命傷を避ける
多少の負傷は許容範囲さ
クロスレンジで水弾食らわせて、ひっくり返す
これでテメェの速度は9分の1…鈍くなったな?


ミア・ウィスタリア
えぇ〜太陽神ってもっとこう神々しいもんじゃない?
少なくともアタシの知り合いの太陽神の方がもうちょっと神様っぽいわよ。
まぁ? 概念的には? アタシも神なんだけどね!

キャバリアの頭上に立ち、戦場にIN
逆光って言っても光はアンタの後ろから来るんでしょ。
ならばこの位置に入れば角度的にキャバリアで陰を作り出せるわ。
序にアタシの機体は浮遊移動式。例え地面が剣山だろうと関係ないわね。

飛んでくる邪険はキャバリア武装とレーザーで撃ち落としてUC発動。
相手の方向感覚を狂わせる。
ほぉーらこれでどっちに進むか解らないわよ?
うっかり足元の剣とか踏まないようにね!

最も、アタシは逆に狙い放題なんだけどね?


ヨナルデ・パズトーリ
アレンジ歓迎

疾く滅びよ下郎!

魔法等は※高速詠唱※範囲攻撃前提

対策
目を閉じ※聞き耳の要領で聴覚強化
※野生の勘と※第六感も駆使し敵の動きを※見切る
剣は※空中戦徹底で対応

敵視界を封じ地面や剣を凍結させ事で滑り易く跳躍しにくくする為※天候操作
※目潰しの※呪詛と氷※属性攻撃※全力魔法を織り交ぜた※地形破壊級の1m先も見えない地吹雪を
其処に※式神使いと※結界術を応用
※殺気と※存在感を持たせた※マヒ攻撃を放ち※オーラ防御を纏う※残像を幾つも放ち攪乱
此は八艘飛びの障害物や邪剣の攻撃の盾にする目的も

自身は※存在感を弱め※目立たない様にし凌ぎUC発動
※不意打ちで高速飛行の※空中戦で肉薄
※怪力の※鎧無視攻撃で※切断


稷沈・リプス
自称人間な男。

うーん、対処っすか。
念動力で浮かんで空中戦の要領で地面の剣を避けて。
目をつぶって結界術で攻撃はじきつつ、蝕神権能分け持つ『明け呑む蛇』、背後の太陽呑むっすよ。
皆既日食か金環日食になれっす。

隼ライドで反撃っす。太陽封じてるっすからね、月に協力してもらうっすよ!
島の上っすから、ある程度飛べるっすし。
隼よ、その嘴でつつき、爪にて抉れ。相手の位置は、明け呑む蛇が教えてくれるっす…!

我は蝕神■■■■。太陽を一時機能不全にするは、権能のうちよ。

※隼『貴様ごときが、傲るな!』
出身世界や神群として別であるが、太陽神利用されてて、激おこ状態。


バルタン・ノーヴェ
POW 連携アドリブOKデス!

逃がしマセンヨ、将軍! ワタシたちが来マシタ!
眩しいので、特注のサングラスをかけマース!
これで目くらましは通じマセンネー! 勝負デース!

空中でも滑れるよう出力を上げた滑走靴で宙にを走りながら、警戒態勢デース!
これまでとは違う、本気の速度で向かってくることを想定して、ファルシオンを抜き放って目をそらしマセーン!
前後左右どこからでも、こちらに突っ込んできたところで、ファルシオンで受け流しマース!
初撃を受けられれば、今度はこちらのカウンターフェイズデスヨ!

受け流したファルシオンの勢いを利用して、加速した回転切りでのUC《剣刃一閃》!
叩き切って上げマス、ジェネラルピサロ!


レジーナ・ドミナトリクス
この刃を向ける理由はオブリビオンというだけで充分ですが、別世界に逃げようというのでしたら尚のこと看過できません。
あなたの計画はここで止めさせてもらいます。

……とはいったものの、この足下の中で目視も覚束ないとなると、迂闊に動くのは危険ですね。
逃げようとしていた相手に待ちの戦法は下策なのでしょうが、踵を返されないように祈りましょう。

敵が先制して斬り込んで来るのをその場で待ち構え、【襲刃瞰視】で斬撃を【見切り】躱します。
全てを避けるのは難しいかもしれませんが、致命傷でなければ充分です。
相手が攻撃した瞬間でしたら、目で見ずとも捉えられるはず。
斬撃モードのフォースセイバー、その返す刀の一太刀に賭けます。


ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎

わーい!じょうりくーっ!
わーっまぶしーっ!

●諸々対応
UCを使うよ!
ためつすがめつしてこれは…下からがいいね!
と、何もかもすり抜けるけど『黄金太陽神の出す光』と『地面から生えた剣』だけ透過しない、邪剣島と同サイズの[超重浮遊鉄球]くんに島の地下から顔を出してもらって…
剣をドッパーンと弾き飛ばして、かつ、黄金太陽神の光が封じられる結界になってもらうよ!
あ、いたーっ!!みんなーいたよー!
やっちゃえー!!

先制攻撃にも同様に!
早くても攻撃回数が少なければ【第六感】で感じるままに初手を避ければ十分!

いっくぞー!
最後は高速移動しても単純に逃げられないサイズの[鉄球]くんをドーンッ!


楜沢・紺
ボクの菖蒲ヶ原と同じような術だ!
範囲も反応速度も向こうが上か。
相手は身軽で、眩しくて影しか見えない
まずい……何も良い事がない

でも少しずつ考えて戦おう。
まず身を守る、剣を両手に二つ。尻尾に四つの6刀流だ。
ただの鉄剣ならさっぱりだけど邪剣だというなら
結界に触れる感触で反応し弾き落とす。
それを凌げば生えてる剣は菖蒲ヶ原で支配権を得る。

ボクは陰陽道の心得がある。
吉凶を占う為に黒点の観測もした。
光に向き合うのではなく、光に背を向け、自身の影の伸び方から相手の座標を探るんだ。影が伸びるのと逆の方向にヤツはいる。

相手が支配したと思わせた剣に菖蒲ヶ原を重ね
防戦一方のボクに油断した隙を突いて罠のように突き刺すよ



●黄金の太陽

 ――ある世界のアステカ神話において。太陽とは、決してひとつではなかった。例えばアステカ神話の太陽神トナティウは、五番目の太陽とされている。

 七大海嘯である『邪剣』ピサロ将軍に取り憑く黄金太陽神もその中の一柱である、はずなのだが――。

「見ろ! お前が遅いから見つかってしまったぞ!?」

 ……そんな恨みのある相手に、文句を言われていた訳で。

「逃がしマセンヨ、将軍! ワタシたちが来マシタ!」

 スチャ、と特製のサングラスをかけたバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)が、そう告げた。ピサロ将軍は、黄金に輝く太陽の光を背負ったまま言い捨てる。

「いや、帰ってくれ。どうせ、間に合わないだろう? 諦めろ」
「わーい! じょうりくーっ! わーっまぶしーっ!」
「喜んで上陸するな!?」

 はしゃぐロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)に、ピサロ将軍もそう文句をつけた。何せ、背負っている黄金太陽神によって邪剣島自体が輝きに輝いているのだ。眩しいどころの話ではない。

「これで目くらましは通じマセンネー! 勝負デース!」
「えぇ~、太陽神ってもっとこう神々しいもんじゃない? 少なくともアタシの知り合いの太陽神の方がもうちょっと神様っぽいわよ。まぁ? 概念的には? アタシも神なんだけどね!」

 サングラス姿のバルタンが言い、ミア・ウィスタリア(天上天下唯画独尊・f05179)が土偶の様な不気味なシルエットを持つGnosticisの頭上に立って笑い飛ばす。

「ハッ、これはこれは…随分と面白いロケーションになってやがる。あれこれと手練手管を尽くして、これだけ有利な環境にするとはな。敵ながら嫌いじゃないぜ、そういうの。だが残念ことに……相手が悪かったな」

 ヴィクティム・ウィンターミュート(Winter is Reborn・f01172)のその言葉に、ピサロ将軍は口の端を持ち上げる――ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ! その異名となっている邪剣を周囲に展開しながら、言い放つ。

「まだ、負けていないぞ? 私は。勝負はここからだ」
「ええ。お前の『邪剣』とミュゲの『霊剣』、どちらが上かハッキリさせてあげるわ」

 ミュゲット・ストロベリー(ふわふわわたあめ・f32048)の言葉と同時、ピサロ将軍の姿が黄金の輝きに解けて消える――それは邪剣島を舞台として戦いの始まりだった。

●黄金の剣士

(「ボクの菖蒲ヶ原と同じような術だ!」)

 楜沢・紺(四ツ尾の妖狐・f01279)は、息を飲む。ピサロ将軍の高速機動、それに付随する黄金太陽神の輝きによる目眩まし――文字通り、影さえつかめなかった。

「範囲も反応速度も向こうが上か。相手は身軽で、眩しくて影しか見えない――まずい……何も良い事がない」

 咄嗟に紺は剣を両手に二つ、尻尾に四つの六刀流で防御を固める。直後、ガギン! と音を響かせ、弾き飛ばされた。

「受け止めるか、やるな!」

 ピサロ将軍の声で、自分が防御に成功したのだと紺は知る。ピサロ将軍は咄嗟に身をかがめ、『回避』する――そこに置かれた、レジーナ・ドミナトリクス(密獄の女王・f12121)の襲刃瞰視(クレアヴォイアント・アイ)による先読みの刃を。

「この刃を向ける理由はオブリビオンというだけで充分ですが、別世界に逃げようというのでしたら尚のこと看過できません。あなたの計画はここで止めさせてもらいます」
「断る!」

 ヒュオン! とピサロ将軍の周囲に邪剣が浮かぶ――そして、黄金の輝きの中を邪剣が豪雨のように猟兵達へ降り注いだ。

「させない!」

 そのピサロ将軍の刃の雨を、ミュゲットの結界術が受け止める! すかさず放つミュゲットの霊剣ミストルティンを振るう衝撃波が、邪剣の群れを吹き飛ばした。

「レッツゴージャスティーン!」

 そこへ、音を頼りに大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)が駆ける。地面に突き立つ刃、ピサロ将軍の位置、障害物を音から察しようと――もちろん、すべてを回避するのは不可能で、だからこそ後はオーラで身を包み、気合と根性で突っ込む!

 ガキン! と麗刃のサムライブレイドが、ピサロ将軍の邪剣と激突した。空中に浮かぶ一本を掴み、ピサロ将軍が防御に使用したのだ。

「滅茶苦茶過ぎない?大丈夫? 無茶苦茶には無茶苦茶で対応しようね☆」

 次の瞬間、聖剣シェフスカリバーで自身の一部をラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ(ハラペコかわいいコックさん(可食・高栄養・美味)・f31483)は切り落とす。ぶよぶよと肉塊が膨れ上がり、遮蔽物となってそびえ立った。

「疾く滅びよ下郎!」

 その肉塊を足場に、ヨナルデ・パズトーリ(テスカトリポカにしてケツァルペトラトル・f16451)が跳ぶ。繰り出すのは、高速詠唱からなる範囲魔法。ガキン! とヨナルデの魔法によって地面が邪剣ごと凍りついていった。

「――む!」

 ピサロ将軍の表情が変わる。地面に突き刺さった邪剣が、これでは意味がなさない――そこへ念動力で宙に浮かんだ稷沈・リプス(明を食らう者・f27495)が、明け呑む蛇を放った。

「皆既日食か金環日食になれっす」
「させる――か!!」

 その瞬間、生み出した邪剣を足場にピサロ将軍が跳ぶ。刃を船に見立てた八艘飛び、その高速機動に明け呑む蛇を踏み越えた。

「この上ない強敵だ――なんとか連携して場を乱すしかない」

 そこへ一機のキャバリアが迫る――久遠寺・遥翔(焔黒転身フレアライザー/『黒鋼』の騎士・f01190)のイグニシオンだ。機体のメインカメラを切り、代わりにレーダーの情報をモニタに反映させるよう調整したイグニシオンは、その斬撃で押し潰すようにピサロ将軍を叩き潰した。

「――ぐ!」

 だが、イグニオンの斬撃を、ピサロ将軍は受けきった。ガゴン! と凍った足場を砕きながら踏みとどまったピサロ将軍へ、バルタンが駆けた。

「こっちのフェイズデス!」

 受け止めた瞬間、動きが止まったピサロ将軍へバルタンのファルシオンが繰り出される。横薙ぎの一閃を、ピサロ将軍は踏み砕いて露出させた邪剣を逆手で抜いて防御――弾かれるまま、後退する。

「この位置に入れば角度的にキャバリアで陰を作り出せるわ」

 Gnosticisの頭上から、ミアのレーザーが追撃する。ピサロ将軍は凍った場所以外から呼び寄せた邪剣で、それを迎撃――次の瞬間、ヴィクティムが身構える。

(「高速移動と言っても、ワープじゃねえ……移動は直線だ」)

 ヴィクティムは待つ、決定的なその瞬間を。そして、ピサロ将軍もまた、それに気付いていた。

「本当に、骨が折れるぞ――猟兵どもめ!」

 心の底からの悲鳴を上げて、ピサロ将軍は加速した。


●黄金の呪いの果てに

 黄金の輝きの中を、紺が駆ける。左右から繰り出される斬撃を、ピサロ将軍は邪剣を地面から抜いて迎撃――両手を弾かれた紺は、そのまま横回転。尾の四本の剣が、次々とピサロ将軍へ襲いかかった。

「く、お、のれ――しつこい!」

 ガキン! と邪剣を足場に、ピサロ将軍が跳ぶ。速い、眩しさがないとしてもその動きを追うのは困難だった。

(「……強い、すごく」)

 紺は、その強さを肌で感じ取っていた。あるいは、この目くらましがなくともまともに戦うのが困難なぐらいに――強い。

 だが、強者と思わせないのはピサロ将軍の言動や行動だ。弱音は吐くし、迷わず逃げようとする――そこにあるのは強者の振る舞いとは、逆の印象だ。

「いや、違うよな。アレは」

 だが、ヴィクティムはその考えを否定する。ピサロ将軍の強さを支えるのは、能力や技能ではなく――あの臆病とも言うべき慎重さだと、彼は理解していた。

 賭けない、迷わない、失敗しない――石橋を叩いて渡る、と言うが強者だというのに弱者の思考をする。それこそが、このコンキスタドールのもっとも恐ろしい『怖さ』なのだ、と。

「あああああああああああああああああああああああ、もう! 面倒だ、逃げたい!」

 損切が出来る、逃げるという行為に躊躇いがない。だから、一か八かの行動がない。常に成功を確信する行動だけをする……だからこそ、厄介だ。

「なら、そこを覆す!」

 同じ土俵に上がるのではなく、こちらの土俵に叩き落とす――その必要を感じて、賭けに出たのはミュゲットだった。

「code : mistilteinn・解放。散れ」
「く、お――!?」

 ピサロ将軍の場所を見極め、ミュゲットが第参術式【霊王の神装】(ナンバースリー・ミストルティン)を開放。霊剣の擬似神装によって、斬りかかる!

 ギ、ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギン! と邪剣と霊剣がしのぎを削る。寿命を代償にそれに追随するミュゲットは、強引に手数でピサロ将軍を圧す!

「ぐ、お、お、お、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」

 対処しきれない、そう思った時、ピサロ将軍は退こうとする。危ない橋を渡らないからこその、素早い割り切り――その時を、ヴィクティムは待っていた。

「これでテメェの速度は九分の一……鈍くなったな?」

 電霊幻想:《運命転換》(ザ・リバース)――八艘九連飛びの発動を予期して展開していたヴィクティムのユーベルコードに、ピサロ将軍の動きが目に見えて鈍る。そこへ飛び込んだのは、遥翔のイグニシオンが太陽を灼く黄昏の剣(ラグナレク・キャリバー)を振るった。

「行くぜ相棒! 今はただ全霊を以てこの空を翔ける――ラグナレク・キャリバーッ!!」

 ギャ、ギギギギギギギギギギギギギギギギギン! とイグニシオンの繰り出される連続斬りが、ピサロ将軍の邪剣の群れを斬り伏せていく! 間に合わない――手数が、圧倒的に違う! ピサロ将軍はそのまま切り裂かれ、燃えながら後方へ跳んだ。

「ぐ、う――ただ、の一度で――」

 ミュゲットが強引に生んだ一瞬、ヴィクティムがそれを広げ、遥翔が繋ぎ――。

「去ってゆくものはみんなうそ!あしたくる、鬼だけがほんとう!」
「――は?」

 ロニの神罰(ゴッドパニッシュメント)に、邪剣島が揺れる。ここまでコツコツと用意していたのだ――超重浮遊鉄球を、邪剣島よりも大きなサイズへと。

「いっくぞー!」
「ふっざけるなあああああああああああああああああああああああああああああああ!!?」

 ヴィン! と落下するロニの超重浮遊鉄球――それをピサロ将軍は全力の三千邪剣世界で迎え撃った。頭上へと放たれる邪剣、邪剣、邪剣! だが、ここまでロニが整えていた用意は周到で――ピサロ将軍の数を、凌駕した。

 ゴォ! と島を砕くほどの一撃が、落ちた。その衝撃に、ピサロ将軍が吹き飛ばされる。それでも、空中で体勢を整えようと試みた。

「ほぉーらこれでどっちに進むか解らないわよ?」

 だが、ピサロ将軍は自ら地面に頭から突っ込んだ。ミアの領域改編:シャッフル――毎秒位置が入れ替わる曼陀羅方陣に触れて、方向感覚を逆転されたからだ。

「が、あ!?」

 ピサロ将軍は、起き上がろうと試みる。そこへ、一つの手が差し伸ばされる。反射的に、ピサロ将軍はその手を借りた――借りてしまった。

「……はい?」

 起き上がるのに手を貸してくれたのは、スペイン王カルロス1世――カール5世だった。パクパク、と口を開閉させるピサロ将軍。麗刃がその隙に、サムライブレイドで斬りつけた。

「きみに是非とも会いたいというのでね!」

 麗刃のユーベルコードが生み出した複製だが、効果は抜群だ。そして、麗刃にバルタンも続いた。

「叩き切って上げマス、ジェネラルピサロ!」

 麗刃の斬撃とバルタンの剣刃一閃に切り裂かれ、ピサロ将軍が膝を揺らす。もうカール5世の姿が見えなくなったのは、不幸中の幸いである。

「おま……お前ぇ!?」

 その瞬間、黄金の輝きが消えた――リプスの明け呑む蛇が、飲み込んだのだ。

「我は蝕神■■■■。太陽を一時機能不全にするは、権能のうちよ」
『貴様ごときが、傲るな!』

 リプスと白銀の隼によるコンビネーションが、ピサロ将軍を襲った。切り裂かれ、刻まれ、それでもなお、ピサロ将軍は膝を折らない。

「ま、だ、まだあああああああああああああああああああああああああ!!」

 ジャガガガガガガガガガガガガガガガガ! とピサロ将軍が、邪剣を展開していく。それを紺は菖蒲ヶ原で迎え撃つ!

「妖狐多刀流、いざ尋常に勝負!」
「舐めるなぁ!」

 ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ! 互いの刃が、空中で激突する。ピサロ将軍はその間に横へ回り込もうとし――フォースセイバー・レジーナカスタムの鞭の一閃に打ち据えられた。

「ぐ、う!?」
「今です!」

 レジーナの声に突撃したのは、ラヴィラヴァだ。猫の手も肉肉しい万能包丁(ラ・クトー・デ・ラ・ヴィアンド)によって対象を食材として自動的に調理する調理器具に変形したシェフスカリバーを、ピサロ将軍へ突き刺す!

「が、ああ、あ!?」
「ちょっと手が離せないから猫の手オートで調理するよ☆」

 ラヴィラヴァの言葉と同時、ジャガーを模した黒曜石の鎧に身を包んだ姿のヨナルデが迫る!

「我ジャガーにして煙吐く鏡、テスカトリポカにしてケツァルペトラトルたる者! 民と共に在った嘗ての妾の猛き力、目に焼き付けるが良い!」

 ヨナルデの振るわれた黒曜石の斧、その一撃が止めとなった。ピサロ将軍がその場に崩れ落ち、ラヴィラヴァは笑っていった。

「邪剣肉で「宴会」だよ☆」
「ぐ、ろい、だろ、それ……!?」

 ピサロ将軍は、そう言って倒れた。全力を持って相対した、猟兵達の一撃に賭けた賭けに勝った瞬間であった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月24日


挿絵イラスト