羅針盤戦争〜意味不明言語バトル!
●どうしてこうなった
「ばはぬい!」
「ぱるまも!」
「まももっへ!」
『終の王笏島』の豪華絢爛な王宮の中、コンキスタドール達が大笑いする。
今の一連の流れはどうやら、会話らしい。
しかし普通に喋れるはずのコンキスタドール達なのだが、何故こうなったのか。
答えは、そう……『王』にあった……。
「ウェルテ共が我々をパーバルに来るようだ。皆の者、セーロットの用意だ」
「ぱるも!」
「ぱるも!」
「ぱるも!」
そう、既にカルロス・グリードの言語がバグっているのだ。
ちなみにカルロスは『猟兵達が我々を倒しに来るようだ。皆の者、戦闘の用意だ』と言ってるらしいのだが、適当に作られた固有名詞が強すぎて何を言っているのかよくわからないというのが現状である。
一体どうしてこうなってしまったのかはわからないが、カルロス・グリードの討伐に変わりはない。
だがこの空間ではどうしても、意味不明言語が強くないといけないようだ。
これから始まるのは、終わりにして始まりの意味不明バトル……。
●どうして……こうなった……?
「突然ですが、皆さんには意味不明な言語を作っていただきたいのです」
グリモアベースに集まった猟兵達にそう告げるのは金宮・燦斗(《奈落を好む医者》[Dr.アビス]・f29268)。
どうしたんだ一体。疲れたか。といった声がかかる中で、彼は見た予知を全て伝える。
今回討伐に向かうのは《終の王笏》らしいのだが、終と言うだけあって威圧感が半端ないし、呼び出すコンキスタドールも恐ろしいメガリスを携えた者達ばかりだ。
だが度重なる討伐と撤退を繰り返したカルロス・グリードが、ちょっとだけ頭ぱーちくりんになったとのこと。
「何ていうんですかね。こう……適当なひらがなとカタカナを混ぜて、何かの固有名詞みたいに扱い始めてて……。よくわからないんですよ……」
普通に喋れば良いところなのに、かっこつけなのか単純な寝不足なのか、それともメガリスのせいなのか。
ともあれ何らかの影響でその場所だけが固有名詞意味不明空間になるのだという。
そして、何が恐ろしいのかと言うと、この場所では入り込んだ者も意味不明言語を喋りたくなってしまうという。
もちろん口にしなければ良いだけの話だが、口にした瞬間出てきた言葉が頭で浮かんでいたものと違う物が出てくるという恐ろしい場所に変化しているという。
「なので、喋りたい人は喋っていいですし、喋りたくない人は喋らなくて結構です。……カルロスを前に、喋るのを耐えれる人がいれば、ですが……」
そっと目を伏せた燦斗は、本当にすみません、とだけ呟いて猟兵達を戦場へ送り出す。
意味不明言語空間へ送り出す罪悪感を拵えつつ、帰ってきた時に影響が出ないことを祈りながら……。
御影イズミ
閲覧ありがとうございます、御影イズミです。
これ採用されるんだろうか。採用されたらすいません、脳が疲れて遊びに走りました。
元ネタは某ちゃんねるの意味不明な言葉を言った人が勝ちっていうアレです。
今シナリオも採用数を絞……れれるかな……。
一応、必ずしも採用が出来るとは限りません。ご理解の程をよろしくお願いします。
●受付日:2/21 8:31~
採用は「シナリオの成功数に到達する🔵の確保が確定した時点」で締め切ります。
……が、今シナリオはギャグなので、3日間は待ちます。
全員採用ではない点にはご注意ください。
採用が難しいと判断したプレイングはお返し致しますのでご了承ください。
●プレイングボーナス:敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。
今作難易度は「やや難」となっております。
そのためプレイングボーナス有効だとしても、判定は少し厳し目になります。
……ギャグですけども! ギャグですけども!!
●その他
意味不明言語は本当に意味不明です。適当なカタカナとひらがなを混ぜ合わせて一つの文章にしましょう。
どういうのがいいのかは、カルロスをお手本にすると良いかも知れません。
意味不明言語を作れないよ!という方はプレイングの何処かに「お任せ」を入れていただければ、こちらで台詞を吟味した上で適当な意味不明言語を作ります。
皆様の素敵なプレイング、お待ちしております。
第1章 ボス戦
『七大海嘯『終の王笏』カルロス・グリード』
|
POW : メガリス『鉄鎖ドローミ』
命中した【対象1体のユーベルコードを封じる鉄鎖】の【全長】が【対象を束縛するのに充分な長さ】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
SPD : メガリス『オーシャンオーブ』
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【王宮にある大量のメガリス】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
WIZ : メガリス『さまよえる舵輪』
【様々なメガリス】で武装した【コンキスタドール】の幽霊をレベル×5体乗せた【空飛ぶ幽霊船】を召喚する。
イラスト:hoi
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ロート・カニーンヒェン
「キミのとても素晴らしい!まるで伝染病!!激しく微笑んで握手キメテ!!」
意味がわからかいYO!
ということで脊髄反射で頭を過ったものを口にしてみることにした!ついでに「ウィー・アー・ロート」のユベコで二人に増えて二倍!交互にしゃべって四倍!意味不明さで8倍猟兵パワーだ!
(アドリブ歓迎です。)
●1人より2人、2倍より4倍。
「キミのとても素晴らしい! まるで伝染病!! 激しく微笑んで握手キメテ!!」
わけわからん適当フィールドに転送されたロート・カニーンヒェン(グリーディー・ファントム・f00141)は、なんだかわけがわからなくなって適当な言葉を喋る。
到達時点ではまともに喋れていたはずなのだが、時間経過によって言語侵蝕が進んでしまっているようだ。頭で考えている言葉と口から出ている言葉が違うことについては、ロートもちゃんと気づいている。
「いやでもカルロスってあまれーれなんだっけ? まるもっそいだし、さっさとケスしなきゃね~」
【意訳:いやでもカルロスってラスボスなんだっけ? 急がなきゃだし、さっさと倒さなきゃね~】
ここまで来ると言語侵蝕というよりも、もはや精神汚染のなにかに近い。だがそれでもロートは頭に浮かんだ言葉を喋ることを止めなかった。
そこへ現れた『王笏』カルロス・グリード。メガリス『オーシャンオーブ』の輝きが一層強くなると、彼もまた頭に浮かんだ言語をつらつらと並べた。
「まるもっそいはこちらのベルスだ、ウェルテ。我をケスれると思うなッ!!」
【意訳:急がなきゃはこちらの台詞だ、猟兵。我を倒せると思うなッ!!】
精神汚染の激しい(というよりバグってる)カルロスは、自身の王宮にある大量のメガリスを犠牲に、攻撃行動を完全成功させてゆく。その攻撃の一撃一撃はロートの身体を叩きつけるように真上から振り下ろされているため、ロートは膝をついて防御態勢をとった。
コレで勝った。……そう、カルロスが確信して油断したその瞬間。ロートはユーベルコード『ウィー・アー・ロート』の力を解放し、もうひとりのロート・カーニンヒェンを呼び出した。
「なっ……!?」
「いやぁ、ちょっとペベレーかったなあ。でもあるあろーんが出てきたので2倍!」
【意訳:いやぁ、ちょっと痛かったなあ。でももう1人の私が出てきたので2倍!】
「く、我はしゅれねね!! グリードオーシャンをぬーとるあるすまでは!!」
【意訳:く、我は負けれぬ!! グリードオーシャンを元に戻すまでは!!】
「おっ? それじゃあ私とカルロスくん、くっくるぴーでどっちがしゅれんとーか勝負だ!」
【意訳:おっ? それじゃあ私とカルロスくん、口喧嘩でどっちが勝てるか勝負だ!】
「望むところっ!!」
それから、しばらく。
1人のカルロスと2人のロートの口喧嘩(と言う名前の意味不明言語バトル)が続いたという。
2人のロートは片方があれやこれやを言ってる間に、もう片方が言いくるめるように別の言葉で囃し立てる戦法を取り、カルロスを涙目で退散させることに成功したのだった……。
成功
🔵🔵🔴
終夜・日明
【アドリブ連携歓迎お任せ】
電脳魔術士は某ch語とAAが基礎教養です(※そんなことはない)
とりあえず日本語でおk感半端ないですね、カルロス・グリードはゆとり世代だった?(違
先制UCとかいうチートでgkbrする程度の覚悟キメてイェーガーってるワケじゃありませんしおすし。
ゴースティップが囲ってきた?【乱れ撃ち・地形破壊】でsageて(降りてと言いたいらしい)くるだろう地点をバルスって阻害。
【砲撃】【なぎ払い】で攻撃はあぼーん、無理なら【見切り】でアウェイ。
【制圧射撃】で煽りマウント取りながら【指定UC】ですよ。
自分で言ってて電波ぱっぱらぱーすぎるな……怖。
とりあえずカルロスは半年ROMってください。
●ようこそ……
「電脳魔術士は某ch語とAAが基礎教養ですから余裕でしょう」
えっへん、と胸を張る終夜・日明(終わりの夜明けの先導者・f28722)。別にそういう教養が基礎というわけではないのだが。
ともあれ、彼もまた意味不明言語フィールドへと放り込まれる。当然ながら頭の中を少しずつ侵蝕されていくのだが、彼の場合は強度が若干違う。なにせ『プロ』だからだ。
「……む?」
カルロス・グリードが見つめる先、そこには既に日明の姿があった。流石にこのまま近づかれるのはまずいと、カルロスは様々なメガリスで武装したコンキスタドールの幽霊を大量に乗せた空飛ぶ幽霊船を召喚した。
「ぱぱるも!」
「ぱぱるも!!」
「ぱぱるも!!!」
幽霊たちも既に言語侵蝕の影響を受けているのか、何を言っているのか日明にはわからない。
……なので、日明は彼らを嘲笑うように、某ch語を混ぜながら一言。
「チートでgkbrする程度の覚悟キメてイェーガーってるわけじゃないですしおすし。っていうかこっち1人でそっち船とかありえないだろjk。sageろ!!」
突撃してくる幽霊船に向けてライフルスピアによる連射と、連射による地形破壊で船の到着地点諸共吹き飛ばす。船が壊れたとコンキスタドール達がわらわら溢れ出てくるが、それも全て砲撃と薙ぎ払いであぼーん。
その様子を眺めているカルロスだったが、何を考えているのか同じように前線に出てきて武器をふるい始めた。ちなみにその時、彼はこう言っていた。
「やあ。ようこそ、しろねりハウスへ。このメガリスはサービスだから、まずは落ち着いて喰らって死んで欲しい」
「うん、またなんだ、すまない。って言わせねえよ!?」
思わずツッコミを入れてしまった日明、ライフルスピアを大きく振るってカルロスと距離を取る。
流石に死んでリセットするのは勘弁したいところなので、十分に距離をとってカルロスとコンキスタドール達の距離も引き剥がしておいた。
「カルロス・グリード(笑)」
「は?」
離れる間際に日明は目一杯、カルロスを煽る。
その煽りにはコンキスタドールの力を使わないと、あるいはメガリスの力がないと戦えないのかという、最後の嘲笑だけで表現出来る十分な煽りが混ざっていた。
そしてカルロスとコンキスタドール達が一直線に並んだところで、日明はユーベルコード『神聖なる裁きの雷撃』の発動準備に取り掛かった。
「天光m……じゃない! 違う!! 我に仇為す者に聖なる裁きの雷撃を与えん!!」
危うく侵蝕された方の詠唱を唱えそうになったが、寸前で正しい詠唱を思い出したためセーフ。裁きの雷が一直線に迸り、コンキスタドールとカルロスを一気に滅ぼしにかかった。
「お前の方こそありえないだろjk―――!」
カルロスが何かを言って吹っ飛んでいった。が、日明はそんなカルロスに向けてただ一言、こう言い放った。
「半年ROMってろ」
成功
🔵🔵🔴
ゲニウス・サガレン
えんダぁうぃあウィルおえぃずらぁビゅ!
「ほんのリング・まオか」
まそっぽの効かないペポいから迎撃!
ウンもを狂わせろ!
ゾゴじゅではアッジュのんぐを狙え!
ウヴォああのきたベッポを合わさせるな!
(幽霊船に対し、アイテム「フライングシュリンプ」で、視界の効かない船底から迎撃。舵を狂わせろ!船内では幽霊の顔を狙え、メガリスの照準を合わさせるな!)
UC「おーソなるもノー召喚」
がるうを操りだばだばだを起こすんだ!
おーソなるもノー! ウヴォああやにゃっコンを押し流し、るるぶさせよ!
(UC「水魔アプサラー召喚」、流水を操り小規模な津波を起こすんだ、アプサラー! メガリスや王たちを押し流し、混乱させよ!)
えんダぁ!
●意味不明王者決定戦!!
「えんっっっだあああああああああうぃあああああああああああああ!!!」
歌を披露しながら意味不明フィールドに降り立ったのはゲニウス・サガレン(探検家を気取る駆け出し学者・f30902)。某防衛を成し遂げた者のテーマソングだが、意味不明現場に持ち込む第一陣としては最高の出だしだ。
しかしカルロスも負けず劣らず、同じ歌で対抗している。が、埒が明かないと判断したカルロスは、メガリスの力を解放してコンキスタドール達を呼び寄せる。様々なメガリスを持っている彼らは、素早くゲニウスを取り囲み、一斉攻撃を初めた。
だが、ゲニウスとて意味不明空間にただ遊びに来たわけではない。主人と認めた者に従うエビの大群フライング・シュリンプを呼び出し、コンキスタドール達の乗ってきた空飛ぶ幽霊船へと突撃させる!
「まそっぽの効かないペポいから迎撃! ウンもを狂わせろ! ウヴォああのきたベッポを合わさせるな!」
【意訳:視界の効かない船底から迎撃! 舵を狂わせろ! メガリスの照準を合わさせるな!】
フライング・シュリンプ群はゲニウスの意味不明な言葉を理解しているのか、それとも大体のニュアンスはつかめているのか、彼の指示通りに動き出す。
空飛ぶ幽霊船は到着前に空飛ぶエビの大群に取り囲まれ、コンキスタドール達はエビの大群をはたき落とそうと必死に手に持ったメガリスを振るい続けている。しかし社会性を有した知性のあるフライング・シュリンプはコンキスタドールの攻撃を華麗に避けては、1人ずつ顔面を叩いて地上へと強引に引きずり下ろし、大地とキスさせた。
「馬鹿な! ぺぺもすのぬるぇ厚き、あのぬぇめーが!!」
【意訳:馬鹿な! メガリスの加護厚き、あの船が!!】
流石のカルロスもそんな行動で船に乗っていたコンキスタドール全員が叩き落されるとは思ってもいなかったようで、衝撃の表情を見せている。何を言っているのかはよくわからないが。
ゲニウスは今が好機と見て、ユーベルコード『水魔アプサラー召喚』を発動させ、飼育用の壺から流水の術を操る悪魔アプサラーを呼び出す。……が、やっぱりアプサラーもこの意味不明空間に侵蝕されてしまっていたようで……。
「がるうを操りだばだばだを起こすんだ、おーソなるもノー! ウヴォああやにゃっコンを押し流し、るるぶさせよ!」
【意訳:流水を操り小規模な津波を起こすんだ、アプサラー! メガリスや王たちを押し流し、混乱させよ!】
この意味不明な羅列言葉をきっちりしっかり理解したアプサラーは、メガリス諸共コンキスタドール、カルロス・グリードを水流で押し流す。広い範囲に流れる水流は島々へ大きく流れ、やがてはコンキスタドール達に混乱を招いた。
「くっ……ウェルテめ! ままぬんも!!」
【意訳:くっ……猟兵め! 覚えてろ!!】
捨て台詞を吐いたカルロスは、一時撤退。残されたコンキスタドールを全て掃討するため、ゲニウスはアプサラーと共に攻撃を続けたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
加々見・久慈彦
●SPDのユーベルコードに対抗
【言いくるめ】の技術を以て「メガリスを代償にするのは惜しい」と思わせることができれば、失敗させることができるかもしれませんね。
「カルロスさん、メガリスを再チャイスするのはパラテントですよ。複合クッピルもデラムース気味ですしね。まさに『アンチョビヘッドの三回蒸し』(西班牙の格言)ですな」
そして、敵がメガリスの消費を躊躇している隙にカードを投擲!
なむかき!(掛け声)
これべろ!(同)
ぢうわけ!(同)
このままフルパックスしたいところですが、今日はミルチョイスに留めておきましょう。『痩せ将棋はささくれの元』(日本の諺)と言いますからね」
※煮るな焼くなとご自由に扱ってください
●アンチョビヘッドの三回蒸し
「ふむ……意味不明な言語……」
グリモア猟兵によって意味不明フィールドに送られた加々見・久慈彦(クレイジーエイト・f23516)は、少し考える。カルロスの力を少しでも弱める方法を。
そして久慈彦は思いついた。カルロスの持つメガリスに対抗する手段を―――。
「ふむ……」
時は少し過ぎ、島のとある場所にて。カルロス・グリードは猟兵の出方を伺っていた。
この島にいる限りは頭に浮かんだ言葉が口に出たときには意味不明な言語へと切り替わってしまうため、どこからどんな言葉が飛んでくるかもわからない。
カルロス自身も「まさかこんなことになるとは」と思っていたらしいが、時既に遅し。彼もまた、脳内で浮かんだ言葉が全て意味不明な言葉になっているのだから。
そんな風に思案を繰り返していると、カルロスの目に久慈彦が映り込んだ。敵である猟兵が島に存在する、その時点でカルロスの目的は唯一つ。
「ウェルテは我のあぱとぅん!!!」
【意訳:猟兵は我の敵なり!!!】
もはや何言ってるのかわからない。彼はその手に携えたメガリスの力を発揮させると、いきなり久慈彦に向けて武器を振り下ろし、彼に反撃の暇を与えぬよう立ち回る。
久慈彦は腕を前に出して武器を弾いたが、多少の怪我はもとより覚悟の上。彼はカルロスの次の攻撃が来る前に、言いくるめ行動を始めた。
「カルロスさん、メガリスを再チャイスするのはパラテントですよ。複合クッピルもデラムース気味ですしね。まさに『アンチョビヘッドの三回蒸し』ですな」
【意訳:???】
……意訳が出来ない。カルロスは、久慈彦の言葉の意味が理解できていない! 某国の言葉を使われているようだが、意味不明言語の意味不明さについていけていない!
だがメガリスを代償にするのは惜しいだろう、という言葉のニュアンスは受け取ったようだ。が、カルロスにとってはメガリスの消費は痛手でもなんでもなく、むしろ消費してでもこの世界を侵略形態に戻すという意気込みのようだ。
意気込みを聞いた久慈彦は、それなら仕方ないと縁に刃を仕込んだトランプ・Garra de Gatitoを投射。もちろんこの投擲時にも、意味不明な掛け声がかけられている。
「なむかき! これべろ!! ぢうわけ!!!」
次々に投射されるトランプをなんとか回避するカルロス。王宮にあるメガリスを消費しながらも回避行動を成功させるという手段を取っているようで、反撃の意思は見せていない。今は耐え続ける、ということなのだろうか。
連続してトランプを投げ続ける久慈彦も、流石にこれ以上の攻撃はトランプの消費が激しいと気づいたのだろう。その手を止め、カルロスに向けて言葉を投げる。
「このままフルパックスしたいところですが、今日はミルチョイスに留めておきましょう。『痩せ将棋はささくれの元』と言いますからね」
負け惜しみ、といえばそうなるかもしれない。が、久慈彦にとってはこれは戦略的撤退だ。
次があるならばもう少し対策を考えなくてはならない。そう感じたことだろう……。
成功
🔵🔵🔴
シゥ・フリージア
シゥ、ファル(母狼)達ともニィア(コトバ)つくった!
なつかしい、だね!
でもシゥ達のはフツウだから、新しいニィアつくるよ!
言語へは【恥ずかしさ耐性】
先制は★ぴよちゃん隊長と★ファルに守ってもらいながら
【オーラ防御】でがんばるの
シゥは小さいだから、【空中戦】で動いてたら当てにくい?
★Amaryllisで光まほーの【属性攻撃】
オバケにちょっとでも【カウンター】する
対処しきれなくても、ケガ気にしないよ
カゾクいっしょだからこわくないの
カル(カルロス)、なにが好き?
シゥはね、花と星が好き!
だから見せてあげる!
【花星世界】を発動
多量の流れ星と花嵐を生み出し
幽霊船ごとカルロスに攻撃
※記載文以外の言語完全お任せ
●何が好き?
「シゥ、ファル達と共にニィアつくった! なつかしい、だね!」
シゥ・フリージア(純真無垢な野生姫・f03749)は思い出す。昔、母である灰色狼のファルと共に新しい言葉を作ったことを。わかりやすくて、普通な言葉を作っていたことを。
今回シゥが向かう戦場は『普通』とは全く違う。言葉の意味さえも捉えることが難しくなるフィールドだ。だがそれさえもポジティブに捉えている彼は、一歩、島へと降り立った。
「……む?」
カルロス・グリードがシゥに気づく。ようやく来たかと構えるカルロスは、メガリスによって呼び出したコンキスタドール達に命令を下す。
「シェルウェルテだ。我らのカルーチャよ、あーとぬーせ!!」
【意訳:新たな猟兵だ。我らの同胞よ、撃ち落とせ!!】
「「「ぱるも!」」」
【意訳:了解!】
呼び出されたコンキスタドール達は皆、多種多様なメガリスを携え空飛ぶ海賊船に乗り込んでいる。突撃寸前で霊体となった義理の母である灰色狼のファルといつもそばに居てくれている特攻服を羽織ったサングラスのぴよちゃん隊長が飛び出し、シゥを守る。
しかしその衝撃波は思った以上に強く、シゥを軽く吹き飛ばすほどには威力があった。小さな身体は空を舞い、空へと高く登ったかと思えば急速に大地に向かって降り始める。
「わわっ! カル、かるみぇな!」
【意訳:わわっ! カル、危ないよ!】
地上に到達する前に、シゥはAmaryllisの花の中に魔力を溜め、一気に放出。襲いかかってくるコンキスタドールを光の矢で貫いて痛手を負わせつつ、コンキスタドールの攻撃をカウンターの要領でファルやぴよちゃん隊長と連携をとって攻撃を押し返した。
そんな緊張感のある中で、シゥはカルロスの周りをふわふわと飛びながらも、彼に問いかける。
「カル、カルは何が好き? シゥはね、ひゅーるとニェラが好き!」
【意訳:カル、カルは何が好き? シゥはね、花と星が好き!】
「む? ……だからなんだと?」
「だからね、ひゅーるとニェラを見せてあげる! りあろさん、おねがい!」
【意訳:だからね、花と星を見せてあげる! 精霊さん、おねがい!】
そうして使うはユーベルコード『花星世界』。シゥを中心に半径91mの範囲にいる敵を全て流れ星と花嵐の柱で包み込み、全てを押し流す。キラキラと煌めく世界はシゥの思うがままに操られ、コンキスタドールの乗った幽霊船諸共カルロスへと攻撃する。
幽霊船は星々の欠片に、コンキスタドール達は花嵐の柱に巻き込まれ、その力が完全に発揮される前に墜落。多くのコンキスタドールはなんとか地上にたどり着けたものの、被害は甚大だ。
「馬鹿な!! ぺぺもすのぬるぇ厚き、あのぬぇめーが!?」
【意訳:馬鹿な! メガリスの加護厚き、あの船が!?】
墜落した船から這いずるコンキスタドール達に、なんとか指示を送るカルロス。数を減らされながらも戦うその姿は、まさに『王笏』と呼ぶにふさわしい……はずの姿だった。言語さえ間違ってなければ。
●終わりを迎える意味不明言語バトル
「馬鹿な、馬鹿な……我が、この我が……!!」
打ちのめされたカルロス・グリード。バグ的存在として扱われていた彼だが、流石に意味不明言語バトルでも負けるとは思ってもいなかったようだ。
なお本人、死に際になって「第2、第3の我が……」と言い残していたが、おそらくもう現れることはないだろう。
これにて意味不明言語バトルは終わりを迎える。
……全ては、ただの夢だったのかもしれない……。
成功
🔵🔵🔴