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悪趣味と狂闘の異邦人

#ダークセイヴァー #地底都市 #第五の貴族

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#第五の貴族


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●ある兄弟の最後
 壮麗な造りを感じさせる白亜の邸宅。その入り口に二人の少年が立っていた。
 一人はしっかりした雰囲気の、もう一人は大人しさを感じをさせる以外はそっくりな双子の兄弟だった。
  彼らの前で重々しい音と共に扉が開く。少年たちは意を決して互いに手をしっかりとつなぎながら屋敷へと入っていく。
 そして、二度と出てくることはなかった・・・・

●悪趣味なる貴族
「新たな第五の貴族の拠点が発見された。」
 そういうのはエハド・ショウヘル(統御の一・f31086)、彼女は集まった猟兵達に立体映像を展開しながら状況説明を開始する。
「今回発見された第五の貴族の拠点は比較的小規模な邸宅で『番犬』が放し飼いされている広大な庭園を擁している以外は取り立てて特筆することはない。問題は『番犬』達だ。」
 続けて彼女は人間がごた混ぜになった肉塊としか形容しようがない『番犬』達を投影する。
「番犬の紋章というのを知っているか?ダークセイヴァーの地上世界で目撃され地底都市の番人が身に着けていた寄生虫型オブリビオンの総称だ。この屋敷の番犬達はその紋章で強化されている。」
 『番犬』の一部を拡大すると赤く輝く十字架のような形の紋章が見て取れる。
「敵の『番犬』達の体のどこかには必ずこの紋章がある。不定形の肉の塊故場所は安定していないが形が形故非常に目立つから見つけて狙い撃ちにするのはそう難しくないはずだ。しかし、数が膨大だから全滅させられると思うな。一時的にでも突入経路を確保出来たら屋敷に突入することを優先せよ!」
 続けて彼女は映像を切り替えて胸元に十字架の紋章を輝かせた白装束の少女を映し出す。
「この娘がターゲットだ。魅了の魔眼からの吸血で動きを封じ、周囲に侍らせる使い魔たちを利用して戦う狡猾な奴だ。例によって紋章を持っているから決して容赦するな!」
 転送ゲートを開きながら彼女は最後に不吉なことを口にする。
 「私の予知では見ることはできないが、おそらくこの屋敷の主を倒すだけでは終わらんだろう。何が起きてもいいように油断だけはするなよ・・・」


紅時雨
●こんにちは又は初めまして。
 紅時雨と申します。
 初のダークセイヴァーシナリオとなります。
 新たに発見された第五の貴族を倒してください。

 各章は断章を投稿した後プレイング受付を開始しますのでそれ以前に来たプレイングは申し訳ありませんが流します。
 全ての章の敵は紋章で強化されており強敵です。必ず敵のどこかにある紋章を狙ったプレイングをお願いします。なお、第1章はキリがないのである程度相手にしたら屋敷に突入してください。
 第2章の敵はボス戦で屋敷の主と戦うことになります。紋章をつけているため強敵ですが同時に紋章が弱点ですので確実に狙うと効果的です。
 第3章では何かが起こります。詳細は断章でお伝えいたします。
それでは貴族の悪趣味に終止符を。
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第1章 集団戦 『弄ばれた肉の玩具』

POW   :    食らい付き融合する
自身の身体部位ひとつを【絶叫を発する被害者】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
SPD   :    植えつけられた無数の生存本能
【破損した肉体に向かって】【蟲が這うように肉片が集まり】【高速再生しつつ、その部分に耐性】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ   :    その身体は既に人では無い
自身の肉体を【しならせ、鞭のような身体】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵達が転移した先は広大な庭園だった。枝葉を切り揃えられ手入れの行き届いた植木並木、道は掃き清められており落ち葉一枚もなく清潔感のある風情。
 来客を持て成すお茶会でも開かれそうな雰囲気だが、猟兵達を出迎えたのは悍ましき番犬達・・・・・
 助けてたすけてタスケテシネ助けてタスケテたすけて・・・・・
 元は何であるかもわからない悍ましき肉の塊が這いずり迫る
 苦しいくるしいクルシイモシネ苦しいくるしいクルシイ・・・・・・
 あるものは腕であったであろう所にあるものは頭であったであろう所に十字架の紋章を赤く輝かせながら
 殺してころしてコロシテマエモシネ殺してころしてコロシテ・・・・・
 猟兵達の目的地である邸宅への道を塞ぐように後から後から文字通り湧き出てくる。
 お前も死ねおまえもしねオマエモシネお前も死ねおまえもしねオマエモシネシネ死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!
 生者に対する怨嗟を剥き出しにして迫ってくる!
 唐突に屋敷の扉が開きまるでゴミでも捨てるかのように新たな肉塊が追加された。
 その肉塊はまるで先に行く群れに加わろうとしているかのように這いずり猟兵達に迫りくる。
タスケテ、クルシイよ、イタイヨ、ヤメテ、コロシテ、タスケテ、ニイチャ・・・・
その肉塊は何かを懇願するかのように他の肉塊ともども猟兵達に襲い掛かってきた!


*MSから
・OPやコメントでも記述したようにこの敵は紋章によって強化されています。
紋章のある場所はある個体は腕らしき場所だったり、頭らしき場所だったりと個体によって違いますが隠されているわけではなく目立ちますので狙うのは容易です。
・紋章のある部位を狙うプレイングでしたらボーナスになります。
・敵は無尽蔵に沸き続けます。ある程度倒して道が開けたら即座に屋敷に突入してください。幸いカギはかかっていませんので普通に入れます(罠もないです)
・念のため、この敵を助けることはできません。
 それではご武運を・・・・
ニクロム・チタノ
これが番犬、気味の悪い姿をしてるね。
ここの貴族とやらはとても悪趣味なんだね。
ボク一人だと苦戦しそうだし反抗の竜の加護を借りよう!
重力波や蒼焔で動きを止めてる間にその身体に刻まれてる紋章に妖刀の一撃を食らわせてあげる。
ある程度数が減ったら一気に屋敷に突入するか。
これより反抗を開始する
どうか反抗の竜チタノの加護と導きを




 「これが番犬、気味の悪い姿をしてるね。」
 普段は無表情を崩さないニクロム・チタノ(反抗者・f32208)が思わず顔を顰める。
 タスケテクルシイころしてオマエモシネたすけて苦しいコロシテお前も死ね!
 哀願、懇願、呪詛、様々な感情をないまぜにして迫りくる肉塊達には言い知れぬ悍ましさがあった。
 「ここの貴族とやらはとても悪趣味なんだね。」
 肉塊達はニクロムめがけて自身の体を鞭のようにしならせて容赦なく襲い掛かる!
彼女を挽肉の仲間入りさせるべく放たれる鞭のような一撃を彼女はかろうじて躱すがいかんせん数が多すぎる、自分だけでは持たないことは容易に想像できた・・・・。
 彼女は即座に決断する。
 「ボク一人だと苦戦しそうだし反抗の竜の加護を借りよう!」
 そして自身に宿る反抗の竜チタノを召喚する。
 「私は明日が欲しい。」
 彼女の切実な願いを叶える為に反抗の竜は容赦なく蒼焔で肉塊を薙ぎ払い、それでもなお迫りくる彼らを超重力で容赦なく押さえつけ動きを封じる。
「ボクには君達にこういう事しかできない。許してくれとは言わないよ!」
 この機会を逃す訳にはいかない。愛用の妖刀を装備しなおして彼女は次々と番犬達の紋章を突き或いは切り払い元の肉塊へと戻していく・・・・。
そうして目的地への進路が開けた。
 「これより反抗を開始する。」
 道が開けた以上もうとどまる必要はない。ニクロムは道を塞ごうと迫りくる肉塊を振り払うかのように屋敷へと駆け抜けていった。
(どうか反抗の竜チタノの加護と導きを!)
 この悪趣味な支配者に反抗するためにーーー

成功 🔵​🔵​🔴​

イリヤ・クニーガ
貴族がたるもの狡猾なのは良いとして己自身で戦おうとせぬのはいただけませんね。ノブレス・オブリージュと言うものを「紳士的」にお教えしますよ。

さてと、『番犬』の皆さんにはパンジャンドラムにてお相手します。紋章を狙ってパンジャンドラムを射出、紋章ごと爆破して差し上げます。爆発で周囲へのダメージも狙いつつ突入ルートを確保しましょう。
可哀想な姿ですが、早めにあの世に送って差し上げた方が紳士的と言えますでしょう……どうぞ善き黄泉路を。

お屋敷には紳士的にお邪魔します……先ほどの爆発でノックは十分かと存じます。

※アドリブ・連携歓迎です※


アレクサンドラ・ヴォルコヴァ
何て悍ましく、そして冒涜的なんだ…。
同情するよ…だけどその怨嗟は生者に向けて良いものじゃない。
せめて僕の一撃が君たちの痛みを終わらせられる事を願うよ。

ウラディミールに跨がって騎乗攻撃による切り込みを仕掛ける。
群がる敵をヴィーチャで斬り伏せ、再生を始めたら呪殺弾の貫通攻撃で紋章を打ち抜いてとどめを刺す。

敵が包囲する素振りを見せたら指定UCを発動して一掃、敵の死体の上を悪路走破で切り抜け屋敷への突入を敢行する!




 肉塊達が飛び散った肉片をより集めて形を成し、再び屋敷への道を塞いだちょうどその時に二人の猟兵が転移してきた。
「貴族がたるもの狡猾なのは良いとして己自身で戦おうとせぬのはいただけませんね。」
 そう言って姿を現した一人は愛用のベーカーライフルを構え一部の隙なく軍服を着こなす紳士イリヤ・クニーガ(銃剣突撃系紅茶紳士・f32101)。彼は青き瞳に憂いを宿し『番犬達』を否、その先にある屋敷の主に言葉を紡ぐ。
 「ノブレス・オブリージュと言うものを「紳士的」にお教えしますよ。」言いながら彼は傍らにいる駿馬に跨る少女に声をかける。
 「レディ、準備はよろしいでしょうか?」
 そう語りかけた少女は普通の少女ではなかった。軍服を思わせる衣装を着こなす少女の耳はイヌ科の・・オオカミを思わせる耳が生え、臀部からは尻尾が生えている。
 彼女の名はアレクサンドラ・ヴォルコヴァ(凍原の狼戦士・f31784)、コサックの末裔たる人狼である。
 彼女はイリヤの問いかけに頷きつつもその意識は目の前にいる肉塊達に向けられていた。
(何て悍ましく、そして冒涜的なんだ…。)
 たすけて死ねクルシイお前もイタイたすけ死ね死ね死ね死ね死ね死ね!
(同情するよ…だけどその怨嗟は生者に向けて良いものじゃない。)
 懇願、怨嗟、それらをないまぜにして迫る肉塊達・・かつて人だった者たちに思いを馳せながら彼女は決意を固める。
(せめて僕の一撃が君たちの痛みを終わらせられる事を願うよ。)
 「レディ?」
 「大丈夫です。行きましょう!え~と・・・・」
 気遣うかのようなイリヤの言葉にアレクサンドラは応えようとして相手の名前を知らないことに気づいて言い淀む。それに気づいたイリヤは優雅に微笑みながら
 「イリヤ・クニーガと申します。レディ、失礼ながら貴方は初の実戦とお見受けします。ですが、この戦場を突破するには貴方の騎兵としての力は必要不可欠です。
やれますか?」
 できるかではなくやれるかとアレクサンドラに問いかけるイリヤ。それは歴戦のベテランが新兵に向けるそれに似ていた。
 戦場に身を置く者としての覚悟を問う問いかけ。それに気づいたアレクサンドラは笑みを浮かべて応じて見せる。
「大丈夫、行けるよ。あ、僕はアレクサンドラよろしくね。それじゃ行くよ、ウラディミール!」
 自己紹介を交え彼女は愛馬ウラディミールと共に肉塊達へ吶喊する!
「では、援護いたしましょう。『渚にて偉大なパンジャンドラムと踊ろう』」
 それを援護するべくイリヤは己がコードで395機もの自走式爆雷・・・バンジャンドラムを召喚する!
かつて存在したコントロール困難で挙句の果てに味方陣地に突っ込むという失態を演じたイギリスの秘密兵器はコードによって完全に制御されアレクサンドラと愛馬を追い抜き過たず肉塊達を紋章事蹂躙し、爆裂し、焼き払っていく。
 「!?」
 唐突にイリヤは背後から殺気を感じ取り咄嗟に右に飛びのく!次の瞬間、彼がいた場所を肉塊の鞭が砕いていた。
「成程、無尽蔵にいましたよね。背後に回り込まれる可能性を考えるべきでした。」
 彼が振り向いてみれば背後の方からも肉塊達が迫るところであった。
 イリヤは肉塊達に警戒しながらじりじりと屋敷のほうへ下がり始めた。どちらにしても彼らには前進するしか道がないのだから・・・

 一方、アレクサンドラは愛馬ウラディミールを駆ってイリヤのバンジャンドラムに焼かれてなお生き残った肉塊の群れの中に突入していた。戦場で鍛え抜かれた愛馬は延焼する炎を、敵を恐れることなく駆け、彼女は迫りくる肉塊を紋章事象撃ち銃から放つ呪殺弾で撃ち抜き或いはバルディッシュ『ヴィーチャ』で薙ぎ払っていく!
 (とはいえ数が多い!)
 彼女は奮戦していたがいかんせん数は圧倒的に敵が多い。このままでは開きかけた道が閉ざされてしまう!
 (ならば!)
 彼女は象撃ち銃と『ヴィーチャ』を構えなおし、己がコードを開放する!
「お前たちのような存在は、一人とて生かしてはおかない…っ!」
 愛馬と共に駆ける彼女の斬撃は紋章事肉塊を宙へと弾き飛ばし、銃撃は肉塊をまとめて撃ち貫いていく!
ーー愛馬と共に戦場を駆け抜けた後には肉塊は散り、屋敷への道が開けていた。

 「どうやらひと段落突いたようですね。」
 声がしたほうへアレクサンドラが振り向くと丁度イリヤが傍に近づいてくるところだった。
 「背後からも敵が迫ってきています。道が開けた以上は長居は無用でしょう。」
 「うん、そうだね。・・・あ、イリヤさん乗ります?鞍が一人用ですから窮屈かもしれませんけど・・・」
 彼女は分散するのは危険と判断して鞍の前のほうににじり寄って何とか座れる場所を確保しながら提案するがイリヤは優雅に微笑みながら
 「いえ、ご厚意はありがたいですが既に屋敷は目と鼻の先。ノックも済ませましたし、私が先導いたしましょう。アレクサンドラ殿は後方の警戒を。」
 本来なら自身が後方を警戒し、前方を彼女に任せるのをあえて逆にしたのは彼なりの彼女への信頼か或いは紳士としての矜持か。
 こうして二人は屋敷へと突入していく、元凶たる屋敷の主を討ち果たすためにーー

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アウレリア・ウィスタリア
【夜空を貫く希望の軌跡】
上空から降下しつつ
翼から魔力弾を放ち
進路を塞ぐ敵を一掃しましょう

番犬の紋章を狙いますが
外すことも見越してその周囲に複数
流星群のように撃ち込みましょう

道が開けば空から勢いをつけて屋敷へ突入しましょう

『コロシテ』…えぇ、ボクは死を与えましょう
『タスケテ』…そう呼んでも助けは来ません
『ヤメテ』…やめるわけには……

あぁ、この世界には理不尽が多すぎる
私の時もそうだった
どれだけ助けを求めても無駄だった
だからボクは忘れた

ボクと君たちの違いは……
ボクはまだ生きていて
君たちはもう生きてはいない
ただ動くだけの残滓……

だから私は精一杯
アナタたちをコロそう

そして復讐を遂げよう

アドリブ歓迎




 屋敷の上空に転送され舞い降りる黒き翼。アウレリア・ウィスタリア(憂愛ラピス・ラズリ・f00068)は地上で蠢き、集まりなおも増殖する肉塊達を仮面越しに見据えふと思う。
(あぁ、この世界には理不尽が多すぎる)
 肉塊達は上空にいる彼女に気づいたのかうめき声をあげながら手と思しきものを伸ばす。まるで助けを求めるように、まるで道連れを求めるように・・・・
(私の時もそうだった。どれだけ助けを求めても無駄だった)
 悪魔と忌み嫌われた自分が生き延び、眼下のおそらくは平凡に、平穏に生きていたであろう人であった肉塊。ほんの些細な掛け違いが生んだ結末・・・。
(ボクと君たちの違いは……ボクはまだ生きていて、君たちはもう生きてはいないただ動くだけの残滓……)
 見るまでも無く分かりきっていたことだ。自分にできることは一つだけ
「だから私は精一杯、アナタたちをコロそう」
 その決意を告げ彼女は肉塊達めがけて急降下する!
 タスケテクルシイオマエモシネヤメテコロシテ助けて殺しておまえもしねやめてシネ死ね死ね死ね死ね!
 密集する肉塊達は互いの傷を修復し、肉体を強化していたがアウレリアは肉塊達の間合いの外の上空から魔力弾を流星の如く降らせ容赦なく紋章事貫き殲滅していく・・・
 コロシテ
(えぇ、ボクは死を与えましょう)
 懇願に彼女は応える
 タスケテ
(そう呼んでも助けは来ません)
 嘆願を彼女は否定する
 ヤメテ
(やめるわけには……)
 哀願を彼女は拒絶する

 そうして後には物言わぬ肉塊の残骸だけが残っていた。だが、道は開けたがなおも肉塊達は湧き出るように現れる。
 道が開けた以上長居は無用とばかりにアウレリアは一気に降下しその勢いのままに屋敷へと突入する。

 屋敷の主に復讐を遂げるためにーーー

成功 🔵​🔵​🔴​

リーヴァルディ・カーライル
…悪戯に傷付けるつもりは無いわ
待っていなさい。今、楽にしてあげる…

過去の戦闘知識から敵の能力を先読みして見切り、
残像のように攻撃を回避する最小限の早業で攻撃を受け流しUC発動
全ての魔刃に光属性攻撃の魔力を溜め、
空中戦機動の早業で敵集団の周囲を乱れ撃ち武器改造
敵を浄化する光の結界を展開して動きを封じた隙に切り込み、
紋章目掛けて大鎌をなぎ払い切断して回り心の中で祈りを捧げるわ

…貴方達をこんな姿にした元凶は必ず報いを与える
だからもう苦しみ惑う必要は無いわ。眠りなさい、安らかに…

第六感が好機を捉えたら"精霊結晶"を砕き魔法の"闇"を展開して視界を閉ざし、
自身は暗視能力で周囲を見通し闇に紛れて突破する




 殺して助けてヤメテクルシイオマエモシネお前も死ねシネ死ね死ね死ね死ね!
 蠢く肉塊達がそれまでに蹴散らされたことなどなかったかのように膨大な数が現れて再度侵入者の行く手を塞ぐ。
 その様をリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は暗澹たる思いで見つめていた。
 どれほどの人間を犠牲にしたらこれほどの規模になるのか、おそらく百は下っていないだろうに・・・
「…悪戯に傷付けるつもりは無いわ。待っていなさい。今、楽にしてあげる…」
グリムリーパー『過去を刻むもの』を構えて彼女は肉塊達に吶喊する!
 シネ死ね死ね死ね死ね死ねシネ死ね死ね死ね死ね死ね!
 体を鞭のようにしならせて襲い掛かる肉塊達、だが攻撃は残像しか捉えられず空を切る、彼女は己の血肉と化した経験を元に敵の攻撃を見切り、躱し、早業で受け流しそのまま空中に躍り出て102本の魔力結晶刃を召喚する!
 「……この刀身に力を与えよ。」
 たちまちに魔力を増幅され光の魔法を込められた剣へと変化していく結晶刃を即座に射出!
 剣は肉塊達を囲み動きを封じる結界と化していく、そしてそれを逃すリーヴァルディではない。
 「・・・終わらせるよ!」
 『過去を刻むもの』を構えて結界事肉塊達の紋章を死神の如く薙ぎ払い、両断していく。
 (…貴方達をこんな姿にした元凶は必ず報いを与える。だからもう苦しみ惑う必要は無いわ。眠りなさい、安らかに…)
 胸の内で人でなくなった者たちに祈りながら、彼女は精霊結晶を砕き、闇で周囲の視界を塞ぎ自身は暗視をもって闇が晴れる前に屋敷へと侵入を果たしていく。

 己の使命、ヴァンパイア狩りを果たしこの悲劇を終わらせるために!

成功 🔵​🔵​🔴​

フォルク・リア
『弄ばれた肉の玩具』を見据えつつ。
「悪いな。非力な俺にはお前達全てを殺してやる事も出来なければ。
望み通り死んでやる程に達観しても居ない。」
俺に出来る事はこの場を無理にでも押し通り、
屋敷の主を葬ってやる事くらいだ。

敵の様子をよく観察し、動きや
各個体の紋章の場所を把握。
身体の伸縮のタイミングを【見切り】
敵の間を縫う様に攻撃を躱して進みながら。
その道のりに零下の碧玉を使った【範囲攻撃】で
氷や雪を残して敵を凍結させ、伸縮力を奪う。
動きを制限したところで敵の紋章に向けて
蒼霊焔視を発動。
攻撃で敵に隙が出来たら屋敷まで
【ダッシュ】で駆け抜ける。
「これだけやって気付いてないとは思えないが。
どう出て来るやら。」


森宮・陽太
【WIZ】
アドリブ連携大歓迎

こいつら、おそらくこの館に迷い込んだ人々の末路なんじゃねえのか?
悪趣味すぎて反吐がでらぁ

「高速詠唱」から【悪魔召喚「スパーダ」】
スパーダ、紅い短剣で十字架の紋章を狙い撃ちだ!!
撃ち抜いたら「制圧射撃」で短剣の雨を降らせて徹底的に殲滅してやれ!

他の肉塊を殲滅しつつ
懇願する肉塊を見つけたら話は聞いてやりてえ
おい、領主はどんな姿の奴だ

すまねえ
俺はあんたらを戻す術を持ってない
せめて…安らかに眠ってくれ

スパーダの短剣で十字架を撃ち抜いた後
アスモデウスの獄炎を封じたデビルカードを「属性攻撃(炎)、投擲」し焼き尽くす
せめて…これで魂だけでも解放されれば

…あんたらの仇は取るからよ




 クルシイオマエモシネお前も助けてやめてシネ死ね死ね死ね死ね死ねオマエモシネコロシテ!
蠢く肉塊達はただひたすらに互いを補い増殖し行く手を塞ぎ続ける。それは守る意思の表れなのかそれ以外の何かなのか?
 その前に現れた二人の猟兵達。
 「悪いな。非力な俺にはお前達全てを殺してやる事も出来なければ。望み通り死んでやる程に達観しても居ない。」
 一人はフードを目深にかぶった男フォルク・リア(黄泉への導・f05375)。
表情が伺い知れないが、先に進むという意思は固い。
「俺達に出来る事はこの場を無理にでも押し通り、屋敷の主を葬ってやる事くらいだ。」
「なぁ、こいつら、この館に迷い込んだ人々の末路なんじゃねえのか?」
そう押し殺したような声でフォルクに問いかけるのは森宮・陽太(人間のアリスナイト・f23693)。
 普段の軽いノリを感じさせない憤怒を滲ませる陽太にフォルクは少しの沈黙の後に口を開く
「おそらく、いや、ほぼ間違いはなかろう。・・・いったいどれほどの人間が犠牲になったのか・・・・」
 根っからの根っからの研究者を自認する彼だからこそ、その口調は苦い。何らかの実験の果てなのか?或いは・・・どちらにしても碌な結論になりそうにないからだ。
「クソっ!悪趣味すぎて反吐がでらぁ!」
思わず罵声を上げる陽太を落ち着かせフォルクは
「一斉攻撃を仕掛けて一点突破で行くぞ。できるか?」
 極めてシンプルな作戦を提案し
「ああ、いつでも行けるぜ!」
陽太は不敵な笑みを浮かべ了承した。
かくして二人は悍ましき肉塊の群れに突入する!

 助けてヤメテクルシイオマエモシネお前もタスケテクルシイオマエモシネお前もシネ死ね死ね死ね死ね死ね!
 肉塊達は体を鞭のように伸ばししならせ二人の猟兵を肉塊に仲間入りさせるべく襲い掛かっていく!
 その攻撃を見切りフォルクは敵の間を縫うように躱しながら進み肉塊達の門層の位置を把握していく。
 彼が通り過ぎた瞬間、次々と肉塊達が凍り付いていく!その手にあるのは冷気を纏いし死霊を宿すサファイア『零下の碧』。宝石に宿りし悪霊の力はすさまじく瞬く間に肉塊達を凍らせ動きを封じていく。
 一方、陽太は肉塊達の攻撃を躱しながら虚空に陣を描き早口で詠唱する、悪魔を呼ぶ呪文を。
「紅き剣を司りし悪魔の剣士よ、我が声に応え顕現せよ。そして己が紅き剣を無数の雨として解き放て!」
 高速で悪魔召喚の呪文を唱える陽太の声に応え召喚陣から双角の悪魔が顕現する。
漆黒と紅のコントラストを織りなす悪魔の剣士、その名をスパーダ。
「いけるか、陽太!?」
「ああ!」
 ほんの僅かなやり取り、それで二人には十分だった。
「その魂を焼く青藍の炎。怨霊の如く追い縋れ。」
 フォルクが視線を紋章に向けるのと
「スパーダ、紅い短剣で十字架の紋章を狙い撃ちだ!!徹底的に殲滅してやれ!」
 陽太が悪魔に攻撃を命じるのはほぼ同時だった。
フォルクの蒼炎が肉塊を紋章事焼き払い、スパーダの紅き短剣が紋章を刺し穿つ!
 その中を陽太は疾走する!
 「!?何をしている、陽太!?」
 陽太の無謀な行動に思わず声を上げるフォルクを無視し、陽太はがむしゃらに探し回る。
(どこだ・・・・どこに!?)

タスケテ、クルシイよ、イタイヨ、ヤメテ、コロシテ、タスケテ、ニイチャ・・・・
(見つけた!)
 陽太が見つけたそれはもはや死にかけていた。
 紋章を貫かれ炎で焼かれ、崩れ去ろうとしている一つの肉塊。それを抱え上げて陽太は問う。
「おい、領主はどんな姿の奴だ!?」
 己が倒すべき敵の姿を・・・・
 オヤサシイ、リョウシュサマ、マズs、民、スクウため、コドモアツメ、オナカ、イッパ、タベレ、ボクタ、リョウ、シュ、サママネカレ・・・・
 肉塊はたどたどしく言葉を発していく、それは問いかけに応えるというより何が起こったかの独白かのように思えた。
 デモ、チガッ、オニイチャ、ジャナイ、ナンデ、ボクタc、ウリフタツ、ナノニ、ナンデ?ナンデボクダケ?クルシイ、タスケテ、ヤメテ、イタイヨ、イヤダ、ボクダケナンテ、シクショ、コロ、シネシネシネシネシネ死ね死ね死ね死ね死ね!
 段々その声に怨嗟が混じり始め、その殺意を憎悪を陽太へと向け始める。
「・・・すまねえ、俺はあんたらを戻す術を持ってない。
せめて…安らかに眠ってくれ。」
 デビルカードを抜き放ちそれを肉塊に張り付ける。途端にアスモデウスの獄炎が肉塊を焼き尽くし灰も残さず現世から消し去る!
 「せめて…安らかに眠ってくれ」
 それが陽太ができる精一杯の手向けだった・・・

 「用件は済んだか?」
 声が聞こえたほうに陽太が振り向くとそこにはフォルクがいた。どうやら待っていてくれていたらしい。
 「ああ、すまねえ。待たせてしまって。」
 「気にするな。奴らが集まってくるまで時間があっただけだからな。」
 謝意を示す陽太に応えながらフォルクは屋敷を目指し疾走し陽太もそれに続く。
 「これだけやって気付いてないとは思えないが。どう出て来るやら。」
 疾走しながらフォルクは相手の動きを思索する。これまでに自分たちを含めて猟兵達が幾度も戦闘し突破しているのだ。屋敷の主が気づいていないとは思えない。
それなのに何も動きがないことに不気味さを覚えていたのだ。
 「何、俺達のやることは変わらないさ・・・」
 言って陽太は先ほどまでいた場所に目をやりながら
 「…あんたらの仇は取るからよ。」
 静かな決意を口にしていたーー

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『兄を探し求める吸血鬼『カヤ』』

POW   :    お兄ちゃん、あたしと一緒に行こう?
【紅い瞳による魅了】【優しき抱擁】【吸血の為の首筋への噛みつき】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
SPD   :    お兄ちゃん、助けて!
【「お兄ちゃん」からの助言を受けたように】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    お兄ちゃんとはいつも一緒だよ?
【かつて自身が篭絡した若い少年の吸血鬼】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[かつて自身が篭絡した若い少年の吸血鬼]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠館野・敬輔です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 突入を果たした猟兵達が辿り着いたのは屋敷のエントランスともいうべき場所だった。壁には剣や斧、槍、刀といった古今東西の武器や鎧が飾られ物々しい雰囲気が漂い威圧感すら感じられる。
 「あら?外が騒がしいと思っていたら、お客さんだったの?ノックもせずに無礼な人達ね。」
 その声は2階へと続く階段から聞こえていた。声の主は貴族のイメージとはかけ離れたシンプルな白いドレスを纏い、青い髪をなびかせ傍らにいる 少年と腕を組み親しげに寄りかかりながらゆっくりと階段を下りていく。その背後には様々な少年達が寄り添うように或いは付き従うかのように続いていく・・・
 「カヤ、彼らは猟兵という連中だよ。地上で愚民共を扇動し、他者の領地を侵し、更には地下にまで下りて狼藉を働くならず者共さ。」
 傍らにいる少年が屋敷の主・・・カヤと呼ばれた少女に説明し彼女は驚いて見せ
「まあっ!あの野蛮な人達が私達の家にまで!?お兄ちゃん、私怖い!」
そういって怯え傍らの少年に縋り付くさまは演技ではなく本心からと猟兵達は感じ取った。
 縋り付かれた少年は猟兵達を無視して青と赤のオッドアイを優し気に緩めカヤを優しく抱き寄せる。
 「大丈夫だよ、カヤ。野蛮な猟兵達はお兄ちゃんが皆殺しにしてあげるからね。今度こそ君を守るよ、カヤ。」
 その言葉を合図としたかのように付き従っていた少年達も口々に
‘大丈夫だよ、カヤ。`
‘お兄ちゃんが守ってあげるね`
‘愛しい妹よ、心配いらないよ`
 と優しげに語りかけていく。
「ありがとう、お兄ちゃん達。今度こそ私を守ってね。・・・そうだ!イイ事閃いちゃった!」
 黙って先を促す『お兄ちゃん達』に対してカヤは心底無邪気そうに
 「皆殺しにした猟兵は番犬の材料にしちゃおう!女は私以外いらないから手足を捥いでから番犬にしちゃえばいいし・・・・あ、それと男の猟兵はなるべく殺さないでね。もしかしたら新しい『お兄ちゃん』かもしれないから」
 悍ましいことを平然と言ってのける。
 『お兄ちゃん達』は‘カヤはわがままだなぁ`と呆れながらも‘もちろんだとも、お兄ちゃんはカヤの願いを叶える為にいるんだからね`そう言いながら猟兵達へ向けて殺意を剥き出しにしていく。
「頑張ってね!お兄ちゃん達!カヤ、お兄ちゃん達の事応援しているよ!」
 無邪気に声援を送る彼女の胸元には十字架の紋章が赤々と輝いていたーー


*MSから
・戦闘の舞台は屋敷内のエントランスになります。武器とか鎧が飾られていますが、戦闘を行うには十分な広さです。猟兵達は特に支障なく動くことができます。
・今回のボス、カヤの紋章は胸元にあります。しかし彼女は木石ではありませんので単純に狙っただけでは普通に回避し、或いは周りの少年たちを盾にします。如何に紋章に当てるか工夫しなければなりません。紋章を狙ったプレイングにボーナスが入ります。
・周囲の少年は上述の通りカヤの盾であり、SPD、WIZのUC発動のための要員でもあります。戦闘能力ははっきり言って低く倒す旨が記述されていればあっさり死にます。プレイングを工夫すれば纏めて片付けることもできます。
 なお、戦闘開始時点では10人ほどいますが、補充用人員はいますのでキリがないです。(外の番犬達と違って無尽蔵ではありませんが全滅を狙うのは得策ではないでしょう)
 仮に少年たちが全滅しても彼女は強引にSPDやWIZのUCは発動できるようです。
・男の猟兵には配慮をにじませるような発言をしていますが、手加減せずに普通に攻撃してきます(最終的に死ななければいいため)ので注意してください。
・少年たちを救うのは不可能です(眷属となっているため)
それでは第2幕開始です。
フォルク・リア
少年達の攻撃を躱し
「兄だ妹だというのなら確り守ってやれよ。
吸血鬼の傀儡としてよりも妹の為に勇敢に戦って死んだ
と言う方が救いがある。」
例えそれが幻だとしても。

少年が一箇所に纏まった時を見計らい
デモニックロッドから闇の魔弾を撃ち一掃。
そのまま【2回攻撃】でカヤを呪装銃「カオスエンペラー」で
狙い撃つ。
躱されたら生命を喰らう漆黒の息吹を発動。
銃と杖を花びらにし敵に接近。花びらで紋章を狙う。
「お前一人の身勝手でこれ以上人の命を失う訳にはいかない。」

花びらに【残像】を纏わせその範囲を誤認させ
態とその外にカヤを逃し。
自身は銃を元に戻しつつ花びらで姿を隠しカヤを狙える所に移動。
死角から【誘導弾】で紋章を撃つ。




 5人ほどの『お兄ちゃん達』がフォルク・リア(黄泉への導・f05375)へと襲い掛かる。
「痛いだけで済むから大人しくしているんだ!」
「カヤの兄になれることの栄誉をなぜ受け入れない!?」
 爪を振るいながら口々に責め立てる『お兄ちゃん達』の攻撃を躱しながらフォルクは思わず毒づく
「兄だ妹だというのなら確り守ってやれよ。
吸血鬼の傀儡としてよりも妹の為に勇敢に戦って死んだと言う方が救いがある。」
例えそれが幻だとしても。だが、それに対して『お兄ちゃん』が反論する。
「何を言うか!?カヤの為に働くこそがお兄ちゃんの幸せであろうが!!それが理解できぬ愚か者め、カヤの偉大さをその身に刻み付けてやるから動くな!」
 怒りを爆発させ更にがむしゃらに攻めてくる『お兄ちゃん達』その様は明らかに実践慣れしておらず連携すら取れていないのが見て取れた。
それに気づいたフォルクはのらりくらりと躱しながら巧みに敵を誘導していき・・・
 「受けよ!」
 一ヶ所に固まるよう誘導したところに黒杖デモニックロッドから魔力弾を放ち一掃を図る。
 『お兄ちゃん達』はひとたまりもなく頭を、体を吹き飛ばされ内容物をまき散らし息絶えていく、更にフォルクは抜く手も見せずに空いている手に呪装銃「カオスエンペラー」を構えて容赦なくカヤを狙い撃つ!
 だが、カヤの周囲にいる『お兄ちゃん達』の反応は素早かった。
一人は躊躇なくカヤを守るべく射線上に身を投げ出し、傍らにいた一人はカヤを抱きかかえて飛び上がる。身を投げ出した『お兄ちゃん』は上半身が消し飛んで中身を撒き散らし、カヤを抱えた方はフォルクの間合いの外へと着地して見せる。
「すっごーい!流石お兄ちゃん!お兄ちゃんとはいつも一緒だよ?」
 感極まったかのように『お兄ちゃん』を抱きしめるカヤに生き残った『お兄ちゃん達』は
「当たり前だよ。お兄ちゃんはカヤを守るためにいるのだからね。」
「もちろんさ。カヤはお兄ちゃんが守るよ。」
 と口々に語り彼らの力が飛躍的に高まっていくのが感じられた。
 (成程、数がそろえばそろう程力が高まるのか・・・)
 5人程度でこの能力、更に集まれば脅威になるだろう、何より・・・
「お前一人の身勝手でこれ以上人の命を失う訳にはいかない。」
 その決意を言葉にするとともに手にした杖と銃を無数の鳳仙花の花びらへと変えてカヤへと吶喊する。
 その予想以上に広い範囲を警戒してカヤは『お兄ちゃん達』と共に範囲外へと逃げるがそれはフォルクの仕掛けた罠だった。花びらそのものを残像で水増しして範囲を誤認させ態と外へと逃がし、その隙に彼女の死角へと回り込んでいた彼の手には元の銃の姿に戻した呪装銃「カオスエンペラー」。
「よく見ておけ。これが、お前の命を刈り取る手向けの花だ。」
 構えた銃から放った魔弾は過たずカヤの紋章に命中し、カヤは派手に吹き飛ぶ!
「痛い!よくもっ!お前はよく見るとお兄ちゃんに似てないし、殺して番犬にしてやる!!」
 紋章を押さえて苦しそうに喚くカヤ。押さえた手の隙間から覗く紋章が不気味に明滅始めるのをフォルクは見逃さなかった・・・・

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
両眼を瞑って"精霊結晶"を砕き強烈な閃光を放って敵の視界と魔眼を封じ、
第六感が捉えた敵の殺気を元に今までの戦闘知識から行動を予測して見切り、
弾丸のように"黄金の楔"を投擲する早業で男達を乱れ撃ち、拷問具化して捕縛する

…お前達と語る舌は持たないけど1つだけ訂正するわ

…私は野蛮な猟兵なんかじゃない。猟兵より恐ろしいお前達を狩る者よ

大鎌の刃に限界突破した光属性の魔力を溜めてUCを発動
戦場全体を照らす太陽光のオーラで防御を無視して吸血鬼を灼き敵の無力化を試み、
敵が怯んだ隙に切り込み怪力任せに大鎌をなぎ払う光属性攻撃で紋章を切断する

…番犬にされた人々の報いよ。お前は手足を捥いでから殺してあげるわ


アウレリア・ウィスタリア
兄と慕うものさえ盾とするのですか

敵を牽制しつつ紋章の位置を確認
【今は届かぬ希望の光】を発動

七つの光剣を操り少年たちを蹴散らし
敵への道を開き、地と空を駆け抜けて一気に接近する
右手に持つ鞭剣で敵の防御を切り開き
左手の魔銃で紋章を撃ち抜く

ボクには半身がいます
血と魂をわけた私の片割れ
彼を盾にするなんてありえない

彼が兄なのか弟なのか覚えていないけど
それでも私たちがお互いを盾にするなんてありえない

私は彼を守る
きっと彼は私を守る

互いに守り合う
大切な存在

アナタにとって彼らは
自分より大切だと、そう言える存在ですか?

いえ、聞くだけ無駄なことでしたね

アドリブ歓迎


アレクサンドラ・ヴォルコヴァ
…そうか、つまり君達が表の彼らを生み出したんだね?
やはりケダモノの本性は何処でも同じと言う訳だ。
それで何だっけ?女は手足を捥いで番犬にする?

…狼を嘗めるなよクソバケモノ。

指定UCを発動しヴェーレスに変身、【範囲攻撃】で取り巻きの少年達を巻き込んで攻撃を仕掛ける。
獣毛を操り助言を行う少年を【切断】、数で押してくるなら巨体を活かした【捨て身の一撃+吹き飛ばし】で蹴散らす。

カヤが乱戦に紛れて離れようとしたら【追跡】し、足を【切断】。
動けなくなったところで紋章目掛けて獣毛による【貫通攻撃】を加える。

助けて?命が惜しい?ケダモノが人のフリをするなよ。
ケダモノはケダモノらしく死ぬべきだろう?

アドリブ歓迎


森宮・陽太
【WIZ】
アドリブ連携大歓迎

おーおー、ワザとらしい反応だことで

てめえ、双子を兄と弟というだけで
お兄ちゃんと肉塊に分けやがったな?
何とも悪趣味だな、あぁ?

…怒りが治まらねえ

アスモデウス!
少年たちを悪辣な吸血鬼と一緒に、獄炎で纏めて焼き尽くせ!!(魔力溜め、属性攻撃(炎))
カバーされても構わず焼き続けろ!!
…こいつらはもう助けられねえからよ

俺は獄炎に紛れつつカヤの死角を取り
紋章目がけて「串刺し、ランスチャージ」
獄炎に炙られる痛みは「火炎耐性」で耐える
肉塊の苦しみに比べたら痛くもねえよ
…仇取るって誓ったからな

紋章がある以上、てめえを倒して終わりとは思ってねえ
さあ、てめえの正体を明かしやがれ!!


イリヤ・クニーガ
敵を前にしたこの期に及んでも猶、自分で戦おうとせぬとは貴族の風上にも置けませんね。ノブレス・オブリージュと言うものを本当にわかっていない。他の猟兵の皆さんと一緒に銃剣にて教育して差し上げましょう。

盾にされた「お兄ちゃん」方には気の毒ですが、パンジャンドラムにて包囲、爆散していただきます。
あぁ、ご存知かもしれませんが爆発で飛び散った肉体の破片というのは鋭利でしてね。よく刺さるのですよ。

(真の姿の赤瞳のヴァンパイアになりつつ)
「お兄ちゃん」と共に逝け。お前にはそれがお似合いだ。

※アドリブ・連携歓迎です※




「それにしても『お兄ちゃん達』をあっさりと殺すなんてホントひどい人たちだね。流石野蛮人というべきかしら?」
 カヤはプリプリ怒りながら傍らの『お兄ちゃん』も寄り添い同意を求めるように視線を向ける。
「言ったとおりだったろう、カヤ?奴らに情けは無用だ。幸い僕達はまだ大勢いる。今度こそ猟兵達を皆殺しにしよう。」
 『お兄ちゃん』の言葉を合図としたかのように2階から、或いは他の部屋から次々と新しい『お兄ちゃん達』が補充されるように集まってくる。その数は優に50を超えていた。
 「「「「さあ、覚悟しろ猟兵共。今度こそカヤの為に死ね!」」」」
 見事なユニゾンで宣言する『お兄ちゃん達』はそれゆえに不気味に過ぎてそしてどこか滑稽だった。

「敵を前にしたこの期に及んでも猶、自分で戦おうとせぬとは貴族の風上にも置けませんね。ノブレス・オブリージュと言うものを本当にわかっていない。他の猟兵の皆さんと一緒に銃剣にて教育して差し上げましょう。」
誇り高き貴族たるイリヤ・クニーガ(銃剣突撃系紅茶紳士・f32101)は憤激する。貴族の称号を持ちながらもその責務を放棄したも同然の彼女の有様に。
 他方、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)はその様を無感情に眺めていたがやがてぽつりと口を開いた。
「…お前達と語る舌は持たないけど1つだけ訂正するわ。」
 グリムリーパー『過去を刻むもの』を構え殺意を込めて決然と言い放つ。
「…私は野蛮な猟兵なんかじゃない。猟兵より恐ろしいお前達を狩る者よ!」
 その憤激を、その殺意をカヤは涼しげに受け止め
「お兄ちゃん!変なおじさんや、特にあの女怖いわ!あいつだけは手足を捥ぐだけじゃ足りないよ、串刺しにして体の芯まで念入りに焼かないと!でないとカヤ怖くて眠れないよ!」
 『お兄ちゃん』に怯えたように縋り付きながら悍ましいことを平然とお願いする様は口にした内容以上に悍ましかった。

「…そうか、つまり君達が表の彼らを生み出したんだね?」
愛馬ウラディミールから降りたアレクサンドラ・ヴォルコヴァ(凍原の狼戦士・f31784)がカヤとの間合いを図りながら愛想よさそうに掛ける声には憤怒が入り混じる・・・。
「やはりケダモノの本性は何処でも同じと言う訳だ。それで何だっけ?女は手足を捥いで番犬にする?」
 そこまで浮かべていたにこやかな表情をかなぐり捨て彼女は憤怒の形相で言い放つ。
 「…狼を嘗めるなよクソバケモノ。」
誇りを傷つけられた狼が剝き出しにする殺意をカヤはそれまでとは一転嗤いながら受け止め
「あら?躾けがなっていない野良犬ね。それなら番犬にする前にお兄ちゃん達に躾けてもらわないと。どんな声で啼くか今から楽しみ♪」
 その言葉と共に周囲の『お兄ちゃん達』がぎらついた眼差しでアレクサンドラを見つめ始めて思わず尻尾の毛が逆立つが彼女は怯むことなく睨み返す。

 彼女達との間で交わされる舌戦を森宮・陽太(人間のアリスナイト・f23693)は冷めた眼差しで見つめていた。
「おーおー、ワザとらしい反応だことで」
 やり取りが途切れたのを見て取って大げさ気味に肩をすくめながら皮肉った。
カヤがようやく自分のほうに無感情な視線を向けたのを幸いに言い募る。
 「てめえ、双子を兄と弟というだけで、お兄ちゃんと肉塊に分けやがったな?
何とも悪趣味だな、あぁ?」
 最後には呪詛を向けながら死んでいった少年を思い返し、やり場のない怒りをぶちまける陽太に対しカヤははて?と首をかしげる。本気で何のことか分からなかったのだ。それに答えたのはカヤの傍らにいる赤と青の目を持つ『お兄ちゃん』だった。
 「カヤ、彼はボクの弟を番犬にしたことを怒っているんだよ。」
 それを聞いてようやく合点がいったような表情を浮かべ
 「ああ、あの子の事?あの子ね、お兄ちゃんにそっくりだったんだよ?特に目のいろなんて瓜二つだったし。けどね・・・・」
そこでカヤは言葉を切り一息に言い切った。
「その子、左手の小指の爪先が欠けていたのよ!」
「・・・・・・は?・・・・」
 答えなんか期待していなかった理由。そのあまりの内容に陽太は思わず言葉を失う。
「だから、左手の小指の爪先が欠けていたのよ!そんな奴がお兄ちゃんの訳がないでしょ?だから番犬になったの!お兄ちゃんじゃない奴は皆そうなる運命なの!!」
 ヒステリック気味にい放つカヤを陽太は呆然としばし見つめ
「…怒りが治まらねえ」
 憤怒に顔をゆがめて吐き捨てる。
「兄と慕うものさえ盾とする者に真面な情を期待するだけ無駄でしたね。」
陽太を落ち着かせるように肩に手を置いたアウレリア・ウィスタリア(憂愛ラピス・ラズリ・f00068)は仮面越しにカヤを見据え決然と言い放つ!
「アナタの悪趣味はここで終わらせます。私達が、今日ここで!」
 その言葉を聞いたカヤが殺意に満ちた笑みを浮かべ同調するように『お兄ちゃん達』の殺意もエントランス内に満ちてゆき・・・
 戦いが始まったーーー

●現われる者
 最初に動いたのはリーヴァルディだった。両目を瞑り"精霊結晶"を砕き放たれる強烈な閃光が吸血鬼たちの目を封じ、その隙に陽太がダイモンデバイスから悪魔アスモデウスを召喚し
 「アスモデウス!少年たちを悪辣な吸血鬼と一緒に、獄炎で纏めて焼き尽くせ!!」
 憤怒と共に下す命令を‘構わないのか?`と愉悦を含んだ眼差しで見つめる悪魔に対して陽太は重ねて命令した。
 「…こいつらはもう助けられねえからよ。援軍が来ようとカバーされても構わず焼き続けろ!!」
 「では私も合わせましょう。渚にて偉大なパンジャンドラムと踊ろう!」
陽太に合わせイリヤはバンジャンドラムを解き放ち、陽太の言葉に歓喜するかのようにアスモデウスは獄炎を放ち嬉々として殺戮を開始する。『お兄ちゃん達』の悲鳴が木霊し、炭の塊と化し爆散していく中をリーヴァルディが駆け生き残った『お兄ちゃん達』に『黄金の楔』を投擲し突き立てられたそれが拷問器具に姿を変じ彼らの動きを止めーー
「なにものにも染まり、なにものにも染まらぬ七色の光。貫け、天空の光剣!」
 それでも挑んでくる生き残りの『お兄ちゃん達』にはアウレリアが光剣を放ち、鞭剣『ソード・グレイプニル-thorn-』を振るって体を引き裂き血と絶叫が周囲に木霊する。

 ボクには半身がいます
 血と魂をわけた私の片割れ
 彼を盾にするなんてありえない
 次々と補充され襲い掛かる『お兄ちゃん達』を薙ぎ払いながらアウレリアは思う。

 彼が兄なのか弟なのか覚えていないけど
 それでも私たちがお互いを盾にするなんてありえない
 だが、彼女は盾にした。自身が生き残るために。

 私は彼を守る
 きっと彼は私を守る

 互いに守り合う
 大切な存在

 アナタにとって彼らは
 自分より大切だと、そう言える存在ですか?
 それは心の中で掛ける虚しい問いかけ。分かりきっていた筈のもの。
 己のエゴで『お兄ちゃん』を追い求める彼女に問いかけても無駄と分かりきったものだった。

 「いいかい、カヤ?このまま屋敷にいる僕達全てを動員して距離を取るんだ。いくら猟兵でも僕達の物量は支えきれない。僕達を盾にしてカヤは消耗した猟兵を一気に仕留めるんだ、いいね?」
 次々と援軍が到着する中、カヤ一番のお気に入りの『お兄ちゃん』が助言を行いカヤに一時退避を促す。それに対してカヤは笑みを浮かべて
「うん、わかった。それじゃ、お兄ちゃんもカヤと一緒に」
 逃げよう、という言葉は紡がれなかった。何故なら『お兄ちゃん』は刃物のように鋭い獣毛が伸びてきてその首が飛ぶところを目撃したのだから。
色のない目でその獣毛の先を追うとその先にいたのは血の涙を流す巨大な狼。異端なる外法、神憑りの秘技で獣の神ヴェーレスへと姿を変えたアレクサンドラだった。
「ケダモノが人のフリをするなよ。ケダモノはケダモノらしく死ぬべきだろう?」
 くぐもった声で言う彼女にカヤは返り血を浴びながら、傍らにいる『お兄ちゃん』だったものに興味を無くし巨狼へと向き直る。
「そう、貴方狩人なのね。己に疑問を持たず、寧ろ忠実で、何より血によ酔っている。良い狩人ね。」
 そこでいったん言葉を切り、見る間に凶相へと顔を歪めて
「そんな獣はなおさら狩らないとね!自身が獣と気づいていないなら尚更!」
 その言葉と共に周囲の『お兄ちゃん達』が動き出そうとしたまさにその瞬間
「……天地を照らす日輪よ、我が手に光を宿すがいい!」
 限界まで光の魔力を込めた『過去を刻むもの』をリーヴァルディが振りかざし放った吸血鬼のみを焼却する疑似太陽光が
 カヤと『お兄ちゃん達』を照らした!
Ugyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaっ!
体を焼かれるような苦しみを受け悶えるカヤ達の動きは止まっていた。
「今よ、皆!そんなに長く持たない!」
 リーヴァルディの言葉に応え残った4人が一斉に仕掛ける!
 イリヤのバンジャンドラムが『お兄ちゃん達』を轢殺して爆散し
 アレクサンドラは巨体に任せたぶちかましで挽肉に変え
 陽太はアスモデウスの獄炎で焼き尽くし自身は獄炎に身を隠して動き出す
 そして、アウレリアはその地獄絵図を文字通り空から飛び越えカヤへと迫った!
 無防備だったカヤに精霊を宿した魔銃『ヴィスカム-sigel-』から放たれる弾丸を避けることはできず胸元の紋章を直撃する!
「痛いっ!おまっ!?」
 痛みのあまり怯んだ彼女がアウレリアをにらみつけようとした視線の先で見たのはアウレリアと入れ替わるようにして前に出た大鎌を振りかざしたリーヴァルディの姿。
 瞬間、回避する間もなく光の魔力が込められた力任せの一撃がカヤの両腕を切り飛ばした!
 宙を舞うそれが自分のだとカヤが理解した瞬間切断面から大出血と激痛が襲い掛かる!
「Agyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaっ!腕がっ!お兄ちゃんを抱きしめるためのカヤの腕がaaaaaaaaaaaaaaaっ!」 
 辺りに血を撒き散らして狂乱する彼女にリーヴァルディは冷ややかに言い捨てた。
「…番犬にされた人々の報いよ。お前は手足を捥いでから殺してあげるわ!」
 殺意を剥き出しにするリーヴァルディに恐れをなし後退しようとするカヤは足元に不意に衝撃を受け倒れこむ。
 それが自身の足を切断されたことによるものと気づいた彼女に更なる激痛が襲う!
 「Ugyoooooooooooooooooooooooっ!脚がっ!お兄ちゃんに駆け寄るための脚gagagagagagagagagagagaggagagagaggagagっ!助けてっ!お兄ちゃん!」
 喚き散らすカヤの元にばらばらになった『お兄ちゃん達』が放り出される。
 その先にいたのは巨狼と化したアレクサンドラ、先の脚を奪った一撃も彼女の放った獣毛の刃だった 
「助けて?ケダモノが人のフリをするなよ。」
 薄れる理性の中思い返すのは助けを求め解放を願った肉塊達・・・カヤの気まぐれでせその生を終わらされた者たちの変わり果てた姿。
「ケダモノはケダモノらしく死ぬべきだろう?」
無慈悲に言い放つアレクサンドラにカヤは狂気を滲ませて応える。
「?何を言っているの?お兄ちゃんは何時だって私を助けてくれる!現に!」
 途端、彼女は切断された手足でバネのように体を跳ね宙を舞う!
それと同時に切断面から血が伸び切り飛ばされた手足を掴み瞬時に接着する。
 その一連の動作を空中でやってのけたカヤは華麗に着地して見せた。
「ほら!お兄ちゃんの言った通り、カヤはできたよ!!」
 胸元の紋章の明滅が激しくなっているのに気づいていないのか、カヤは空を見ながら言い放つ。
 まるでそこに『お兄ちゃん達』がいるかのように・・・
「・・・どういうことでしょう?」
アウレリアが感じた疑問にイリヤが自身の推測を語ることで答えた。
「恐らく、イマジナリーフレンドというものでしょうね・・・。」
「要するに妄想かよ!!」
 イリヤの推測にアレクサンドラは吐き捨てますます怒りを募らせる。
 要するにカヤは今も生きているかすら定かでない幻想の兄を追い求めていたのだ。
 それで彼女は片端から少年たちを集めて『お兄ちゃん』にし、基準に満たないものは片端から番犬にしていたのだろう。
「…仇取るって誓ったからな。」
 唐突に響いたその声は今なお燃え盛る獄炎の中から聞こえた。
 飛び出てくるのは濃紺のアリスランスを構えて吶喊する陽太!
(紋章がある以上、てめえを倒して終わりとは思ってねえ)
「さあ、てめえの正体を明かしやがっ!?」
 紋章に狙いを定めて突進しようとした陽太はいきなり後ろ襟首をつかまれて中断を余儀なくされた。
「ゲホッ、ゴホッ・・・なにすんだよ!?」
 引き留めた当人ーーイリヤに抗議の声を上げる陽太だが彼は視線をまっすぐに固定したまま動かなかった。
「?」
 不思議に思ったようだが視線の先・・・カヤを見て彼と同様に硬直する。
何故ならカヤの口から青白い手が伸びていたのだから・・・・
「な、なんだこりゃあ?どうなってやがる!?」
 飛び出た手と格闘するかのように苦しみ暴れるカヤを見て動揺する陽太にイリヤはかすれた声で呟く
「紋章とは寄生虫型オブリビオンの総称です。ですが第五の貴族たちはどうやってそれを作っているのでしょうね?」
「言っている意味が分かんないよ、どういう事なんだい?」
 元の姿に戻って一糸まとわぬ姿のアレクサンドラが訳も分からずに嚙みつくとイリヤはその推測を語る。
「恐らくですが、カヤの紋章は別のオブリビオンを素材にして作られているのではないでしょうか?或いは紋章の形にして封印をしているのかもしれません。そうしなければいけないほど強大で手のつけようのない存在を。」
 イリヤの推測に耳を傾けていたリーヴァルディは表情を険しくして皆に告げた。
「・・・来るよ!」
 皆がカヤに視線を向けると口からもう片方の腕が飛び出していて片方が上顎にもう片方が下顎に手をかけ扉を開けるかの如くこじ開けようとしているところだった。
ー助けて、お兄ちゃん!ー
 最早抵抗する力なく絶望に満ちた表情のカヤはそう猟兵達に訴えているような気がした・・・。

次の瞬間、カヤは縦に爆ぜ割れ辺りに血と肉片を撒き散らし
その中心にそいつが姿を現したのだーーーー

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『狂笑戦姫ダエナ』

POW   :    不死者殺しのクルースニクと絶死槍バルドル
【どちらか片方の武器による必殺の一撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【もう片方の武器による致命の一撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    追想の果て
戦闘用の、自身と同じ強さの【嘗て共に戦った灼滅者】と【嘗て戦ったダークネス】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
WIZ   :    夢の狭間
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【無数の光の鎖】が出現してそれを180秒封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠白石・明日香です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「ふむ、ようやく出られたか・・・・我を封じ込めるとは味な真似をしてくれる。」
 血だまりの上に立つ女は自分の手を握りしめながら呟き辺りを見回す。
 そして壁に掛けられた武器に目をやるとそこに歩み寄り掛けられた赤き日本刀を手に取り懐かしそうに見つめ
「ほう、手入れはされていたのか・・・・」
 そういうと無造作に刀を振るって見せた、すると振るった衝撃波は床を抉り射線上の壁を吹き飛ばす!その余波は外に残っていた番犬達の一角を吹き飛ばしていた。
「・・・目覚めたばかりか力加減が難しいな・・・。」
 そういう彼女の首にかけられた十字架のペンダントが赤く輝く。
 彼女は床に転がっていた槍を拾い上げこれも懐かし気に見つめる。その槍はあれだけの激闘が展開されていたにもかかわらず傷どころか歪みすら見られなかった。
「フフッ、我の武器がすぐ取り戻せたのは大きいな。一から探すの面倒だしな。」
 そう言ってようやく今気づいたとばかりに猟兵達へと向き直った。
「汝らかな?我を開放してくれたのは?だとしたら礼はすべきだろうか?」
 穏やかな口調だが真紅の凶眼が猟兵達を見つめる視線は獲物を見定めた肉食獣のそれだった。
「まあ、金銭の礼は持ち合わせがないからそうだな・・・我との命のやり取りはどうかな?汝らのとってはチャンスだろう?目覚めたばかりの我を相手どれば或いは勝てるかもしれんぞ?」
 そういう彼女にあるのは絶対の自信。そして見知らぬ強敵との熾烈な戦いに対する期待だった。
 「この辺り一面の死体の山と血の池を視ればわかる。汝らも血に飢えているのだろう?故に敵と戦い、殺し、その血を浴びて酔いしれ、己を高める糧とし、次なる戦いに身を投じる。そう、戦いこそが人を更なる高みへと誘う。それをあやつらときたら!」
 忌々しそうに何かを思い出しながらもそれを振り払うかのように赤く輝く日本刀『不死者殺しのクルースニク』と禍々しき槍『絶死槍バルドル』を構え言い放つ。
「我が名はダエナ。さあ、来るがいい人間達よ。そして、戦いの果てに人を捨て更なる高みへ至れ、できないのならここで我の糧となれ!」
 その表情は戦いの狂悦に歪んでいた・・・・


*MSから
・戦場は前章から引き続き屋敷のエントランスになります。辺り一面に死体や血だまりがありますが猟兵の皆様の行動に支障はありません(足を取られる演出とかするのはOKです)
・ダエナの紋章は首にかけた十字架のペンダントになります。うまく狙うプレイングにボーナスが入ります。
・外に至る亀裂ができていますが外にいる番犬達が中に入ってくることはありません。

それでは参加お待ちしております。
 
ニクロム・チタノ
うーん、この屋敷広くて迷うよね?
それに厄介な奴が現れたあの刀すごい威力だ!
槍の方も厄介そうだね?
無傷じゃ勝てんねこりゃ
だけどそんな相手にこそ反抗するのがボク達反抗者だ!
ヒトを超えるんじゃなく人として超えさせてもらうよ!
覚悟はある、私は戦う
今こそ反抗の加護を、流血の超強化で闘おう!
誰かの血が流れるならボクが血を流す!
これより強大な敵に反抗を開始する!
どうかチタノの加護と導きを


アレクサンドラ・ヴォルコヴァ
あの女…全くの別格だってひしひしと伝わってくるよ。紛れもない怪物の殺気だ。

戦いに歓びを見出すのは理解できるよ。
だけど君は血を求め、戦いを目的にしてしまったのと違うかい?
いつの時代も怪物に成り果てた戦士は厄災を運ぶ。封印されていたのも納得だよ。

だからこそ君はここで散らなきゃいけない。

狼戦士、アレクサンドラ…参る!


ヴィーチャを構え【ランスチャージ】を仕掛ける。
止められるだろうから力で押し切り【体勢を崩す】、さらに足元の血を浴びせて【目潰し】を試みる。

激昂したなら御の字だけど、避けられたら【零距離射撃】で牽制し仕切り直しだ。

ダエナの攻撃を【見切り】、指定UCを発動。
ペンダントを抉るように貫手を放つ!


フォルク・リア
「皆が皆お前と同類と思うなよ悪鬼。
人は人のまま、神も悪魔も討ち果たすから強いんだ。」
踏みしめる血だまりの感覚に顔を顰め。

紋章を狙う為にまずは敵を捕らえようと
拘束する闇の黒鎖を発動し指先から黒鎖を放って攻撃。

黒鎖は、黒鎖に触れたものが魂を拘束される前に
黒鎖を通じて同じ術式を発動すると術者が逆に捕らわれる
弱点を持つ。

術を返されると
「この術を瞬時に見切って返すなど。」

「しかし、俺は一人で戦ってる訳じゃない。」
ファントムレギオンの死霊や
死霊に持たせたデモニックロッド、
カオスエンペラー、スカイロッドで攻撃させ隙を作ると
今度は十指から鎖を放ち
「俺に捕われるか俺を捕えて死霊に討たれるか好きな方を選べ。」




 「うーん、この屋敷広くて迷うよね?」
 ニクロム・チタノ(反抗者・f32208)が散々屋敷を徘徊してエントランスに戻ってきたときには新たな戦いが始まっていた。
「ほう?新たな兵が追加か?我は構わぬぞ。一人増えたとて同じことよ・・・」
 ダエナはチラリと新たな闖入者に目をやると再び目の前の猟兵達に向き直る。
「どうする?一人ずつ来るか?纏めてくるか?我はどちらでも構わんぞ?」
不敵に言い放つダエナの放つ殺気がたちまち膨れ上がっていくのをアレクサンドラ・ヴォルコヴァ(凍原の狼戦士・f31784)は尻尾の毛が逆立つのを感じながらも踏みとどまる。
「あの女…全くの別格だってひしひしと伝わってくるよ。紛れもない怪物の殺気だ。」
 だが、フォルク・リア(黄泉への導・f05375)はその殺意に怯むものの己を奮い立たせるが如く決然と言い放つ。
「皆が皆お前と同類と思うなよ悪鬼。人は人のまま、神も悪魔も討ち果たすから強いんだ。」
 その言葉に勇気づけられたようにアレクサンドラも己を奮い立たせ
「戦いに歓びを見出すのは理解できるよ。
だけど君は血を求め、戦いを目的にしてしまったのと違うかい?
いつの時代も怪物に成り果てた戦士は厄災を運ぶ。封印されていたのも納得だよ。」
 愛用のバルディッシュ『ヴィーチャ』を構えて
「だからこそ君はここで散らなきゃいけない!」
その言葉にダエナは皮肉気に嗤い
「ならば来い、そして思い知るがいいさ・・・・汝らも所詮・・・」
 最後の言葉は聞き取ることができないほど弱弱しくか細いものだった。


 最初に動いたのはフォルク彼は指先をダエナに向け
 「影より現れし漆黒の鎖よ。その魂を闇へと堕とせ。」
 その指先から鎖が伸びようとした瞬間、いきなり伸びてきた無数の光の鎖に指先から雁字搦めに縛られコードごと動きを封じられた!
「!?」
 動揺するフォルクにダエナは淡々と言葉を紡ぐ
 「術には疎いがその技、我の動きを召喚した鎖で封じるのだろうがいずれにしても指先からしか出せぬのだろう?なら発生元から封じてしまえば問題あるまい。」
「この術を瞬時に見切るとは!」
 思わず臍を噛むフォルクに止めを刺すべく動こうとしたダエナを阻むかのように自身に施した超強化で全身から流血するチタノが肉薄する!
 無傷で勝てないのは承知の上
 「だけどそんな相手にこそ反抗するのがボク達反抗者だ!
ヒトを超えるんじゃなく人として超えさせてもらうよ!」
 反抗の妖刀を構えて吶喊する彼女を阻んだのは真紅の大剣を携えた金髪の大男だった。鍛え抜かれた鋼の肉体から繰り出される剣技と拳は容赦なく彼女の体を吹き飛ばし血だまりの中に叩き落す!
 「見事だ。大老■■■■■■■、さすが我を苦戦させただけある・・・とはいえ汝は己が力だけを頼りに何も考えず力押しか?少しは戦術を考えた方がいいぞ?まあ、次など与えるつもりなどないが」
 そういうダエナの傍らには彼女と似た、寧ろより豪奢な感じにした白装束の女がまるで盟友を守らんとばかりに立っていた。
 彼女の牽制でアレクサンドラが動くことができない中、動きを封じられダエナの意識から外れていたフォルクは不敵に笑って見せ
 「しかし、俺達は一人で戦ってる訳じゃない。」
 言うや否や死霊の集合体ファントムレギオンを解き放ち、彼らがフォルクの代わりにデモニックロッドから闇の魔弾を放ち
 カオスエンペラーで銃撃し、スカイロッドが巻き起こす風が彼を縛る鎖を砕き、召喚により身動きできないダエナを巻き込んで大老と盟友を消滅させる!
そして、この機会を逃すアレクサンドラではなかった。
 「狼戦士、アレクサンドラ…参る!」
 ヴィーチャを構え吶喊する彼女を迎撃しようとするダエナに対してフォルクは10本の影の鎖を放ち牽制する。
 「俺に捕われるか俺を捕えて彼女に討たれるか好きな方を選べ。」
 「冗談!どちらもごめんだな!」
 フォルクの言葉を売り言葉に買い言葉で返し鎖を躱しながら吶喊してくるアレクサンドラを迎撃すべく絶死槍バルドルを振りかざし・・・
 「がら空きだよ!」
 象撃ち銃から放たれた怪物退治の麻痺弾の直撃を受け、彼女は怯み膝をつく。
 「覚悟っ!」
 その隙を逃さずに放った彼女の貫手がペンダント諸共ダエナを貫いたのだ!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

アウレリア・ウィスタリア
1対多数
でもさっきより危険
だったらボクは歌おう

【空想音盤:葛藤】
共に戦う猟兵には癒しを敵には狂気を奏でよう

ただ歌っているだけでは良い的になるだけ
だからボクは動き続ける
駆けて飛びまわる

仲間をフォローするように魔銃と歌を奏でよう
歌いながらでは紋章を狙うのは難しいかもしれない
でもそれを狙っているのに当てることができない
この行為は敵の油断を誘えるかもしれない
隙を作れるかもしれない

だからボクはボクのできることを
ボクの役割をこなしていこう

でも魔銃を叩きこむ隙が見えたのなら
歌を止めてそのペンダントを撃ち貫こう

アドリブ歓迎


北条・優希斗
……何か嫌な予感がしてみれば
……『君達』か
あなたが共に戦ってきた灼滅者……そして屠った六六六(ダークネス)
其れを引き寄せたのはその赤い十字架のペンダントか?
……良いだろう
ならば『俺』が相手になろう
先制攻撃+早業+UC発動
現れた灼滅者及び六六六(ダークネス)達の行動に見切り+残像+地形の利用+オーラ防御+戦闘知識+第六感で対応
ジャンプ+ダッシュで肉薄、蒼月・月下美人を抜刀
2回攻撃+なぎ払い+騙し討ち+範囲攻撃+鎧無視攻撃+属性攻撃:蒼+串刺し+早業でダエナと現れた過去の幻影達を纏めて斬り、ペンダントを貫く
……追想の果てのあなた達を、俺はよく知っている
……何でかって?
『俺』はあなた達の類同だからさ


リーヴァルディ・カーライル
…生憎だけど更なる高みとやらに興味は無いし、お前の糧となる気も毛頭無いわ

…私の使命は今を生きる人達を害するお前を討ち、この地を解放する。それだけよ

"写し身の呪詛"を乱れ撃ち無数の残像で敵の攻撃を受け流し、
UCを発動して後ろに下がらせた残像達に【追想の果て】を使わせる

…お前達がどんな存在で、どんな過去があったとしても関係無い

…さあ、お前にも見せてあげるわ。吸血鬼狩りの業を…

102秒間、戦闘知識を頼りに召喚獣達を連携させて敵を攻撃し、
その隙に魔力を溜めた大鎌を投擲して闇に紛れて切り込み、
紋章を狙い"黄金の楔"を怪力任せに突き刺し拷問具化して生命力を吸収する

…無明の世界に還るが良いわ、第五の貴族


森宮・陽太
【POW】
アドリブ連携大歓迎

なるほど
紋章の封印を破って出てきたのは戦狂いのねーちゃんと来たか
俺もあんなもん見せつけられて虫の居所が悪いからよ
俺という名の『敵』が全力で相手してやるぜ

『敵』と口にした瞬間指定UC発動
白のマスケラを被った無感情の暗殺者に変貌

全力で相手すると言いつつ
狙うはダエナの「暗殺」
槍や刀の軌道を「見切り」つつ適当に二槍であしらい
頃合い見て「ジャンプ、闇に紛れる」で背後を取り
「ランスチャージ、串刺し」で首を狙って背中から紋章ごと貫いてやる
戦乱を渇望する戦闘狂め、ここで血だまりに沈め!

誰がダエナを封じたのかは気になるな
聞けそうなら一応聞いてみる
ダエナがまともに答える気はしないが


イリヤ・クニーガ
封印されるほど強大な敵とは…当たって欲しくない推理が当たりましたね。いったいこんな封印をした黒幕は誰なのやら…
えぇ、血には飢えますよ。こんななりですから(真の姿の赤瞳のヴァンパイアになり)。だが、貴様のように戦に狂うことはない!

俺が前に出よう。この姿だ、回復手段はある。その隙に皆で攻撃してくれ。
では「Charge!!」UC銃剣突撃で紋章を狙う。
その武器では懐に飛び込まれたら苦しいだろう!
…よしんば刃が届かずとも盾となれればヨシ、だ。

どんなに戦いに倦もうとも人は捨てぬ。己の意志を貫き、絶望の淵に立たされようとも、もがき、あがくことこそ人の強さだろう!

※アレンジアドリブコラボ歓迎※




 激しい出血がダエナの足元に新たな血だまりを作っていく。だが、ダエナはなおも立ち上がり、ペンダントが赤々と輝くと傷が見る間に塞がって行った!
 その様子を見てアウレリア・ウィスタリア(憂愛ラピス・ラズリ・f00068)は仮面越しに表情を硬くする。
(1対多数、でもさっきより危険)
 酷くふらついている様から表面上の傷が治っているだけでダメージそのものが回復しているわけではないようだが、浮かべる笑みに獰猛さが増していることからも戦意は衰えるどころかむしろ高まっているのは感じられた。

「封印されるほど強大な敵とは…当たって欲しくない推理が当たりましたね。いったいこんな封印をした黒幕は誰なのやら…」
 イリヤ・クニーガ(銃剣突撃系紅茶紳士・f32101)は苦虫を噛み潰したかのような表情を浮かべていた。ダエナが強大なヴァンパイアだというのは先に仕掛けた3人との激闘を見ればわかるが、彼女を封印した存在はそれより上位に位置するというのだろうか?答えの出ない推測を振り払うかのように頭を振る彼の隣にリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)が立ちダエナを睨みつけ
「…生憎だけど更なる高みとやらに興味は無いし、お前の糧となる気も毛頭無いわ。」
 敵意を剥き出しにした彼女に対してダエナは静かに問いかける。
「ほう、では汝は何を為すというのだ?」
 それに対して彼女は『過去を刻むもの』を構えて答える!
「…私の使命は今を生きる人達を害するお前を討ち、この地を解放する。それだけよ
。」
 その答えにダエナは莞爾と笑い
「ああ、素晴らしい答えだ。懐かしい言葉を聞いた気がするよ。だが、結局・・・」
「えぇ、血には飢えますよ。こんななりですから。」
 ダエナの言葉を遮るようにそう言ってイリヤはマントで己の姿を隠し瞬時に姿を現す。そこにいたのは真紅の瞳を持つヴァンパイア。
「だが、貴様のように戦に狂うことはない!」
 人としての己を捨てぬという矜持を彼は高らかに謳って見せたのだ。

「なるほど、紋章の封印を破って出てきたのは戦狂いのねーちゃんと来たか。」
 森宮・陽太(人間のアリスナイト・f23693)不機嫌そのものといった表情でダエナを睨みつけていた。その脳裏に浮かぶのは絶望のどん底で骸の海へと消えたカヤの最後。自業自得と言えばそれまでだが何とも言えぬやりきれなさが彼の胸中に存在していた。
「俺もあんなもん見せつけられて虫の居所が悪いからよ。俺という・・・なんだ?」
自己暗示の言葉を口にしようとして背後から転送ゲートが開く気配がして振り向き・・・
「な、なんでこんなところに!?」
 驚く陽太の目の前にいたのは『蒼月・零式』と『月下美人』の二刀を帯びた北条・優希斗(人間の妖剣士・f02283)。
彼はダエナを見据え驚く陽太の疑問に答えた。
「……何か嫌な予感がしてね。」
見つめられたダエナは怪訝な表情を浮かべ
「汝、どこかで会ったことがあったか?」
「さて、ね。」
彼女の疑問を優希斗は曖昧な笑みではぐらかす。
「・・・・お前、不快だな、来い。◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆!そして■■■■■■■■!」
 急激に不機嫌になった彼女が呼び出したのは殺人位階第2位の巨大ハンマーを手にしたライダースーツの女、殺戮の意志に選ばれし大悪魔。
 そして・・・
「……『君達』か」
 優希斗が微かに表情を曇らせる。
 はたして彼らの目の前に現れたのは二人の灼滅者、一人は修羅道に堕ちた羅刹の少女、一人は・・・
「・・・・・」
 優希斗の表情に浮かぶ憂いが更に深くなる。
 そこにいたのは在りし日の幻、儚き歌姫の姿があった。
「あなたが共に戦ってきた灼滅者……そして屠った六六六(ダークネス)
其れを引き寄せたのはその赤い十字架のペンダントか?」
 胸中に去来するものを意識して振り払いダエナの紋章、赤く輝く十字架のペンダントに視線を向ける。
「・・・・・・・」
 対するダエナは無言。
「……良いだろう。」
 それ以上言う事はなく彼は瞳を閉じ・・・
「ならば『俺』が相手になろう。」
 次に開いたときはそこに蒼穹を宿していた。
「一々不快な奴だ。そのまま滅びるがいい!」
 殺意の籠ったダエナの言葉に呼応するようにダークネスと灼滅者の殺意も急速に膨れ上がる。
 戦いの幕が今上がったのだーー


 ダークネスと灼滅者が吶喊する中、最初に動いた猟兵はアウレリアだった。
「奏でよう、白と黒の幻想を。狂気と浄化の二重奏を!」
 だが、彼女の行動をダエナは見逃さない。
 「歌えなければその技使えまい・・・・」
 その言葉と共に虚空から現れる光の鎖を回避するかのように駆けて、飛び、ひたすら動き続け歌い続ける。
(歌いながらでは紋章を狙うのは難しいかもしれない)
 実際無数の光の鎖が飛び交う中、狙うのはほとんど不可能だった。
だが、彼女は気にしない。
 (ボクはボクのできることを、ボクの役割をこなしていこう!)
 今この場に集った仲間達を信じ、彼女は黒翼と白翼から狂気の波動と浄化の鼓動を放ち続け歌い続けた。

 一方、吶喊したダークネスと灼滅者は二手に分かれるリーヴァルディの前に立ちはだかったのは殺戮の意志に選ばれし大悪魔と修羅道に堕ちた羅刹の少女だった。
 「…お前達がどんな存在で、どんな過去があったとしても関係無い。」
 写し見の呪詛で残像を生み出しながら彼女はその中に紛れて退がり、それと同時に大悪魔と羅刹の少女が仕掛けてくる!
 大悪魔の赤々とした進撃の翼が、羅刹の少女の抜き放つ刀の一閃が、次々と残像を消し飛ばしリーヴァルディに迫る中彼女は慌てる事なく残像を追加して距離を取り時間を稼ぎ
 「……魔力同調。返礼よ、受け取りなさい。」
 彼女がコードを解き放った瞬間、写し見達が連動し次々とその身に受けたコードをコピーして羅刹の少女と大悪魔を召喚していく
 「…さあ、お前にも見せてあげるわ。吸血鬼狩りの業を…」
 アウレリアの歌が響く中、告げた彼女の言葉と共に複製された羅刹の少女と大悪魔が動き出す。
 その時間はわずか102秒。だが、彼女が『過去を刻むもの』に魔力を溜めるのに十分な時間。
 次の瞬間彼女は闇に紛れてダエナに肉薄していった・・・

 他方、優希斗はライダースーツの女と儚き歌姫と交戦していた。それは傍から見たら一方的に押し込まれいるように見えたであろう。
 女の巨大ハンマーの鉄槌を紙一重で避け、歌姫の放つ死の魔法により齎される全てを奪い尽くす冷気の範囲を見切って離脱する。
 だが、それだけであった。鉄槌で砕けた破片が彼の皮膚を裂き、歌姫の魔法が彼に死をもたらそうとするがいずれもアウレリアの放つ浄化の鼓動に癒され回復していく。
 彼の蒼穹の瞳は数秒後の未来を視る。だが、ここまでほぼ完璧に回避していたのは別の要因からであった。
 「やはり、銃撃がない分楽だな。」
 戦略級殺人鬼グラン・ギニョール。目の前にいるライダースーツの女は嘗てアルダワで戦った殺人鬼と似ていた、否、同一だといっていいほど戦い方まで瓜二つであった。
 それを踏まえて剣王の瞳を用いた優希斗ならば致命を受けないのも道理であった。
 そして、儚き歌姫はーーー
 「・・・・・」
 それ以上の思考を敢えて封じ優希斗は二人目掛けて突進、蒼月・月下美人を抜刀し飛び込んでいった!

 「陽太、俺が前に出よう。その隙に攻撃してくれ。」
 簡単な作戦の打ち合わせをするイリヤに陽太は頷き。
 「ああ任せてくれ。あの『敵』は俺が全力で相手してやるぜ。」
 自己暗示のキーワードを口にした瞬間、白いマスケラが顔を覆い隠し彼は闇に紛れて姿を消す。
 「お願いします。・・・では。」
 それを見届けてからイリヤは愛用のベーカーライフルを構えて
 「Charge!!」
 鬨の声を上げて吶喊する。
 「どんなに戦いに倦もうとも人は捨てぬ。己の意志を貫き、絶望の淵に立たされようとも、もがき、あがくことこそ人の強さだろう!」
 その言葉に続くかのように
 敵陣を闇に紛れて突破したリーヴァルディが姿を現し
 殺人鬼と歌姫を切り伏せて突破した優希斗も姿を見せそれに続く
「そんな分かりやすい銃剣突撃、オレが対処できないとでも思ったのかぁ!?」
 ダークネスと灼滅者が灼滅されたことでダエナはバルドルの横薙ぎで銃剣突撃してきたイリヤを咄嗟に受け止めたライフル事吹き飛ばす!
 だが、味方の盾になることも辞さなかった彼は敢えて不敵に言って見せる。
 「・・・かかりましたね!」
 その言葉に続くかのように謳うのを止めたアウレリアが魔銃『ヴィスカム-sigel-』から放った魔弾がダエナを貫き彼女の体勢が大きく崩れる。
 「…無明の世界に還るが良いわ、第五の貴族!」
 その隙を突き先に突っ込んできたリーヴァルディが怪力任せに黄金の楔をペンダントに突き立て拷問具へと姿を変えて自身は勢いを殺さずにダエナを飛び越える!
 「戦乱を渇望する戦闘狂め、ここで血だまりに沈め!」
 そして、飛び越えるリーヴァルディと入れ替わるように闇に紛れて暗殺の機会を伺っていた陽太が背後からリッパーナイフを突き立て
 「・・・・」
 優希斗の神速の踏み込みから繰り出される蒼月・零式からの突きが駆けたペンダント事ダエナを貫いたのだ!

 勝敗は決した。
 ペンダントを破壊され生命力も尽きたダエナは体が少しづつ崩れ出し灰となっていく。
 「おい、あんたを封じた奴はどこの誰なんだ!?」
 無駄を承知で陽太がかけた問いかけをダエナは聞いていないようだった。
 「・・・お前、あいつらの事知っていたのか?」
 彼女の意識は目の前にいる自身を貫いた優希斗に向けられていた。彼女にとっては心底不思議だったのだ。
 ライダースーツの女だけでなく、もはや自分しか知らないはずの儚き歌姫を知らなければあそこまで迅速に対応できなかっただろうに・・・
 「……追想の果てのあなた達を、俺はよく知っている。」
 微かな間をおいて答えた彼に彼女はさらに問いかける
 「何故だ?」
 それに対して彼は・・・
 「……何でかって?『俺』はあなた達の同類だからさ。」
 周囲の猟兵達には理解できない答えを返す。
 「・・・・く、クフフフフッ!成程、どおりで見覚えがあったわけだ。」
 だが、ダエナだけは理解したかのように或いは思い出したかのように笑みを漏らす。
 「正直戦うとは思っていなかったなぁ。タロットは辞めたのかい?そちらの方がお前らしかったぞ、■■■?」
 最後に妙に親し気に彼女が優希斗に向けて言った言葉はなぜか猟兵達は聞き取ることができなかった。それは名前だったのだろうか?
 「思ったよりも楽しめたぞ、お前達。またどこかで会えるのかと思うと正直オレは楽しみで仕方ないよ。
 ふ、フフフフフフッ、アッハハハハハハハハハハハハハハハハ、アーハッハッハッハッハッハッハッハッハッ・・・・!」
 再戦の望みを残して狂笑戦姫は灰となって崩れ落ちていく・・・

 こうして第五の貴族の一人がまた一人討ち果たされた。
 猟兵達が齎した微かな光はやがて大きなうねりとなりこの暗黒の世界に変革をもたらそうとしていたーーー

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年03月12日
宿敵 『兄を探し求める吸血鬼『カヤ』』 を撃破!


挿絵イラスト