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銀河帝国攻略戦⑥~艦内の歌姫

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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 皆さま、集まって下さり有難うございます。私はダンピールの聖者、赤月・句穏です。ご存知の通りグリモア猟兵のプルミエール・ラヴィンスさんからの呼びかけにより、銀河皇帝を打倒する為の大決戦が始まりました。この戦闘において、敵戦力は大多数。敵皇帝のいるであろう戦場へ我々だけで進むのは困難です。1隻でも多く味方に引き入れる必要がございます。プルミエールさんがおっしゃった通り、私達は伝説の『解放軍』のように人々の協力を得て戦わなければなりません。しかし、帝国もまた私達の戦力を削ごうと動いているようなのです。

●歌姫
 そこは、ミディア・スターゲイザーのいる艦よりさらに後方に位置する。大宇宙の概念からみれば後方と位置付けるのは難しい。だが、これから起こる激しい戦場から遠く離れているという意味ではまだ安全といえる場所である。

 戦艦の居住区。集まる怪しい熱気の中心にその少女はいた。帝国との戦争に反対を唱え、戦争に参じるはずのこの艦は未だ動くことができない。それどころか、戦域を離脱しようとする動きすらみえた。
「はーい!皆、のってるぅー?」
ピンク髪のくるくるヘアーが愛らしいきゃるるんとした少女。自称宇宙アイドル、ウラ・ギリーである。
「うぇーい。」
「うぇーい。」
「うぇーい。」
艦内で、そこそこ人気を誇る彼女を中心に、戦争参加に反対をしている。
「私、危ないところ、行きたくない。それに、ファンの皆を危ない目にあわせたくないの。だからここで、応援のライブしていましょう?…危なくなったらすぐ離脱できるし、良いと思うの。」
潤んだ瞳で訴えるとファンまで一緒に涙ぐむ。彼女の言い分はこうだ。後方にて、応援ライブと称し時間を潰している間に猟兵達が負けそうなら逃げましょう。そして、戦争に負けても、参加さえしていなければ帝国にも慈悲ある対応を望める。だから、ここに留まるのが1番である。この訴えで、事もあろうか政治家達を黙らせてしまった。

●裏切り
 コンサートを終えて、少女は1人になる。その懐には皇帝のフォログラフィー、3次元像を記録した写真ホログラムを持っている。
「うふっ。この作戦を上手くこなせば私は宇宙の歌姫になれる!帝国の使者様がお約束したのだもの。その証として頂いたこのお姿、神々しいわ―。」
首尾よく事を運んだならば―。彼女はピンク色に染まった自室にこもり何やら準備をしていた―。

●願い
 私がみた予知では、裏切り者が我々の結束を乱し仲間割れを誘っているようです。
「アイドルのウラ・ギリーさんは、定期的にコンサートを開き人々を洗脳しているようです。彼女のファンは通常の説得では、聞く耳を持ちません。それ以上の熱気や熱意であれば説得は可能でしょう。」
皆さまの力ならば、これを解決し敵帝国の陰謀を阻止できるはずだと句穏は猟兵達に向き直る。
「あまり時間はありません、一隻でも多くの艦をミディアさんの元へ―。」
そして、よろしくお願い致しますと深く頭を下げた。


月灯
●戦争シナリオの6番になります。

OPの情報が全てです。よろしくお願い致します。
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第1章 冒険 『⑥裏切者を暴け!』

POW   :    多くの市民の集まるイベントに乗り込み、情熱的な演説等で『解放軍』参加への機運を盛り上げます。

SPD   :    銀河帝国派の政治家の事務所などを捜索し、汚職や銀河帝国との内通に関する証拠を見つけ出し、公開します。

WIZ   :    反戦集会や公開討論等に乗り込み、銀河帝国の息を受けた反戦派政治家の意見を論破します。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

テラ・ウィンディア
こういうのって本当はよく解らないんだよな
だから…今起きてる事をおれなりの解釈でやってみるか

おれは知っているぞ
帝国が何をしようとしているのか

奴らに慈悲は無い
負ければ…皆…肉体を削られ…骨を削られ戦うだけの生き人形だ

こうして皆で楽しむ事もできなくなる
楽しむための明日もなくなっちまう

それにな…帝国は言ったか?戦闘不参加の者達への慈悲を
つまり…何の保証もない
いや…既に銃を以て迫ってきている!
奴らはけして逃がさないし許さない!ただ戦うだけの人形になりたいならそれもいいだろう!だがおれは嫌だそんなの!
美味しい物も食べたいしもっと色んな事がしたい!
そんな未来が閉ざされるなんてまっぴらごめんだ!!



●扉の向こう
 艦の中枢部を担う政治家達が会議室に集まっていた。重苦しい会議が行われる扉の前に、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は居た。
「こういうのって本当はよく解らないんだよな。だから…今起きてる事をおれなりの解釈でやってみるか。」
パチンと自らの両頬を叩いて気合入れをしたテラは―。勢いよく、扉を蹴破る。扉の向こうへレッツゴーである。
「おれは知っているぞ。帝国が何をしようとしているのか!」
室内の政治家達の視線を一心に浴びて勢いのまま会議室の中へ乗り込んだ。
「奴らに慈悲は無い。負ければ…皆…肉体を削られ…骨を削られ戦うだけの生き人形だ!」
奴らというのは無論、帝国を差す。突然の猟兵の入室に戸惑っていた政治家達は並んで一斉に息をのんだ。
「こうして皆で楽しむ事もできなくなる。楽しむための明日もなくなっちまう。」
感情を込めた言葉に一緒になってしょんぼりする政治家さん達。
「それにな…帝国は言ったか?戦闘不参加の者達への慈悲を、つまり…何の保証もない。」
ざわざわと、困惑するなか一人の政治家さんが手を挙げた。
「では、我々は一体どうすればっ。今すぐ逃げれば、逃げ切れるのではないのですかっ」
テラはうむと頷く。―大の大人が10歳そこそこの少女に対して、いつの間にか椅子の上に正座している。
「いや…既に銃を以て迫ってきている!奴らはけして逃がさないし許さない!ただ戦うだけの人形になりたいならそれもいいだろう!だがおれは嫌だそんなの!」
此処までくるともうテラの独壇場。
「私達だって嫌です。」
頷く政治家さん達。
「美味しい物も食べたいしもっと色んな事がしたい!」
だんだんと、即物的になってきている。
「そんな未来が閉ざされるなんてまっぴらごめんだ!!」
カッっと見開かれた瞳に同意を示す政治家さん達。

 ―隔して、テラは演説しきった。

成功 🔵​🔵​🔴​

河原崎・修羅雪姫
POW
多くの市民の集まるイベントに乗り込み、情熱的な演説等で『解放軍』参加への機運を盛り上げます。

「銀河帝国の圧制をひっくり返す音……。それはMUSIC(ミュージック)!」

ヘビーメタルの重低音ギグで、市民のハートをHOTにする。
【楽器演奏14】【誘惑14】【鼓舞15】で、
全世界サイボーグ連盟の戦旗をバックに、
熱く、情熱的にシャウトし、演奏し、観衆を魅惑し、
ウラのマヤカシを喝破する。

UCはヘビーメタル・シャウト。
【エレキギターの旋律】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強させ、
平凡な一般市民たちを、勇敢なる反逆者へと変貌させる。

「許すな帝国の圧制! つかみ取れ銀河の自由! 銀河皇帝を倒せ!!」



●ライブバトル
 艦内中央―。ウラ・ギリ―のライブの絶頂のタイミング。湧き上がるファン。鉢巻きにメガホンが古式ゆかしきスタイル。
「L・O・V・E!ウ・ラ!たーん」
はぁとが飛びまくる会場でウラ・ギリーが歌う。
「みんな、ありがとぉー!皆のこと大好きぃ。だから私のお願いきいてー!戦争なんてダメッ!平和が一番!」
「うぉー。ウラー!」
「わかったよ!ウラ―!」
「間違いないよ!ウラー!」
熱狂する会場、このままラストソングへと昇り詰めるはずだった。大きな音とともに会場は暗転―。暗闇に呑まれる。

 「銀河帝国の圧制をひっくり返す音……。それはMUSIC(ミュージック)!」
ヘビーメタルの重低音ギグが響く。ファン―。いや、市民のハートをHOTにする音楽は艦内にライブ中継されていた。河原崎・修羅雪姫(スノーブラッド・f00298)が
【楽器演奏14】の巧みな指さばきの演奏、【誘惑14】の魅惑的なボディでファン達を釘付けにした。バックには全世界サイボーグ連盟の戦旗をバックに舞台は鮮やかであって苛烈―。【鼓舞15】で、
「ぅああぁーーーーー!」
ウラのアイドルとしての歌が霞むほどの、魂を揺さぶるヘビーメタル・シャウト。
『私は半人半機のメタルモンスター!心臓はビス止めで、クロームの3重構造で出来ている!』
修羅雪姫の叫びは共感した人々全ての戦闘力を増強させる。ファンを始め市民たちの戦闘力を増強させる事で、戦いへの士気を高めた―。平凡な一般市民達は、勇敢なる反逆者へと変貌する。
「許すな帝国の圧制! つかみ取れ銀河の自由! 銀河皇帝を倒せ!!」
「うぉー!」
「やってやるぜー!」
「修羅雪姫さまぁー!」
頭をぶんぶん振って熱狂する中、舞台は再び暗転した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フォルティ・アルディリア
●後悔させない、そのために
あたしは別にライブを開いて静かなメロディと共に、歌うよ。
「……Flowing Memories」
『♪いつか君が 行きたいと話した艦で
♪一人きり 嘘みたいに 音もなく静かに流れた
♪君は想い出に残り 僕はひとり想い出と共に流れていくよ』

そして、間奏で
「戦う事は怖い。うん、分かるよ。あたしも怖い。けれど、全て終わって、親しい人はいない世界はどうかな?妥協しなければ、笑いあえたかもしれなかったら。あたしは、みんなにそんな後悔をしてほしくないなって思うんだ。……だから」

『♪いつか君と 語りあった笑顔を 
♪僕はそれを 思い出して
♪大丈夫 僕は歩いてゆけるよ』

アドリブ・共闘OK



●後悔させない、そのために
 暗転した舞台に、スポットライトが降り注ぐ。明るく優しい笑顔に青い綺麗な髪、フォルティ・アルディリア(ヴァリアブル☆シンフォニッカー・f05860)がライトに照らされた。
「か、かわいい。」
「俺、好みだ。」
会場が騒めく中、フォルティの曲が流れてくる。―会場が、シンと静まり返った。響くのはフォルティの声だけ。
(あたしは、静かなメロディと共に、歌うよ。)
本当であれば別の会場でライブを開くつもりだったフォルティだったが、艦内でライブができそうな場所が此処しかなかった。
「……Flowing Memories」
歌いだすフォルティへさらに違う色のスポットライトが降り注ぐ。
『♪いつか君が 行きたいと話した艦で
 ♪一人きり 嘘みたいに 音もなく静かに流れた
 ♪君は想い出に残り 僕はひとり想い出と共に流れていくよ』
静かな歌に耳を傾ける。
「戦う事は怖い。うん、分かるよ。あたしも怖い。けれど、全て終わって、親しい人はいない世界はどうかな?妥協しなければ、笑いあえたかもしれなかったら。あたしは、みんなにそんな後悔をしてほしくないなって思うんだ。……だから。」
語り掛ける姿はまさに天使。ファン達が号泣である。
「うぉー!フォルティちゃーん!」
「うぉーー!好きだ―!」
ファンの叫びの中再び歌い始めるフォルティ。
『♪いつか君と 語りあった笑顔を 
♪僕はそれを 思い出して
♪大丈夫 僕は歩いてゆけるよ』
歌い終わる頃には、会場は再び静けさに包まれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イルミ・ウェスタレス
アイドル志望の身としては、アイドルという立場や人気を悪用しようだなんて許せない…
【POW】はそこそこですが、【歌唱】と【楽器演奏】の技能を活かして、「逃げちゃいけない、前を向いて戦わなければいけないときもある」というテーマの歌を歌って対抗します!スペースシップワールドで知名度のある歌にそういうものがあれば、それの方がいいですね
アイドルはみんな憧れの的にはなっても、現実から逃避する先になっちゃいけないんです!
…あ、他に同じようなパフォーマンスをする人がいれば、私はBGMやコーラスに回ってもいいかな…恥ずかしいし…



●逃げちゃいけないから
 舞台の片隅でカタカタ震えるイルミ・ウェスタレス(アイドル志望の恥ずかしがり屋・f08058)は中央になかなか出られない。
(…あ、他に同じようなパフォーマンスをする人がいれば、私はBGMやコーラスに回ってもよかったな…恥ずかしいし…)
しかし、時はすでに遅かった。再び明るく照明がついた会場。
「アイドル志望の身としては、アイドルという立場や人気を悪用しようだなんて許せない…。」
ぐっと拳を握り、気合を入れるイルミは、恥ずかしさのあまり前に進み出れずにいた。それでも、アイドルの志望の意地がある。おずおずと、舞台中央に出ていくとバックミュージックがかかる。
「逃げちゃいけない、前を向いて戦わなければいけないときもある。」
イルミの【歌唱】が舞台に響き渡り、【楽器演奏】で音楽を奏でる。
「恥じらってるの、いいな。」
「うん、応援したくなる。」
「一生懸命なの、いいよね。」
スペースシップワールドで知名度のある歌を選曲しアレンジを入れたイルミの歌にファン達の好感度は上々だ。
「アイドルはみんな憧れの的にはなっても、現実から逃避する先になっちゃいけないんです!」
前を向いて、立ち向かわなきゃいけない。決して逃げの口実にしてはならない。イルミの歌に、人々の心が前を向く。逃げてはいけない、その心は確かに届いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

花菱・真紀
ある意味正しい事を言ってるように見えるし訴えるのは自由だだがやってる事は洗脳だし本人の動機は聞いて呆れるようなもんだ。…アイドルに、歌姫になりたいんなら本気で戦いな。
まっ、それはアニメ見過ぎの俺の理想だけどな。

さて、【電脳ゴーグル】さんの
本領発揮だ。【情報収集】であたりをつけて隠されたデータがあるようなら【ハッキング】で対応。見つけたデータは【撮影】して…これを煽り文句でもつけて戦艦居住区内で公開、と。
さぁ、これがあんたらのアイドルの真実だ。


有澤・頼
「アイドルがたくさんの人に与える影響って大きいよね…」
【SPD】
通常の説得だとみんなは耳を貸さないそれならば証拠を叩きつけてやれば良いかな?
アイドルの自室に忍び込んで彼女が帝国と繋がっていることの証拠を見つけ出すよ。勿論「忍び足」で見つからないようにね。彼女の自室には必ず帝国とのやり取りがされている資料があるはずだからね。見つけた資料をファンたちの目の前で叩きつければ、彼女がみんなの為に戦うことを止めている訳ではないってことに気づくからね。

「夢を壊すようで悪いけどこれが現実だからね。戦わなければ生きることができないよ。さあ、君たちはどうする?」



●ピンクの花園
 艦内を探索しながら、有澤・頼(人間の剣豪・f02198)はため息をついた。
「アイドルがたくさんの人に与える影響って大きいよね…」
しみじみとした、その言葉に、花菱・真紀(都市伝説蒐集家・f06119)も頷く。
「ある意味正しい事を言ってるように見えるし訴えるのは自由だだがやってる事は洗脳だし本人の動機は聞いて呆れるようなもんだ。…アイドルに、歌姫になりたいんなら本気で戦いな。まっ、それはアニメ見過ぎの俺の理想だけどな。」
ここに本人がいれば、心にくる台詞に間違いない言葉だっただろう。彼の脳裏にはアニメの歴代の歌姫たちが順番に出てきていた。
「通常の説得だとみんなは耳を貸さないそれならば証拠を叩きつけてやれば良いかな?」
頼の問いかけに真紀は頷く。そう、目的地はウラ・ギリーの私室だ。

 アイドルの自室に【忍び足】で入りこんだ頼は、ウラが帝国と繋がっていることの証拠を探す。そして、頼は見つけてしまった。真ピンクに彩られたヒラヒラの部屋の机の上に山のようになった書きかけのラヴレター。
『皇帝様へー。貴方のお姿をみた…(以下省略)』
(!?)
頼の表情は固まる。まさかこんなに分かりやすい所にあるなんて思わなかった。同じく、一緒に踏み込んだ真紀はウラのパソコンをチェックしていた。
「さて、【電脳ゴーグル】さんの本領発揮だ。」
パソコンのデスクトップからデータを漁る。【情報収集】であたりをつけた真紀は、直ぐに隠しデータをいくつも見つけた。【ハッキング】する手間が省けたというか拍子抜けである。見つけたデータを外部デバイスで【撮影】。
「…これを煽り文句でもつけて戦艦居住区内で公開、と。」
真紀の準備は整った。頼もまた帝国とのやり取りがされている資料ではないものの、皇帝へのラヴレターをファンたちの目の前で叩きつければ、ファンの目は間違いなく覚めそうである。
「夢を壊すようで悪いけどこれが現実だからね。戦わなければ生きることができないよ。さあ、
データを手に真紀がモニター越しにファン達をみる。
「夢を壊すようで悪いけどこれが現実だからね。戦わなければ生きることができないよ。」
データの送信準備は万端、スイッチ一つで艦内に情報は垂れ流される手筈だ。
「―君たちはどうする?」
二人の声が重なる。
(さぁ、これがあんたらのアイドルの真実だ。)
そして―。アイドルの化けの皮が剥がされることになるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


●ピンクの花園
 艦内を探索しながら、有澤・頼(人間の剣豪・f02198)はため息をついた。
「アイドルがたくさんの人に与える影響って大きいよね…」
しみじみとした、その言葉に、花菱・真紀(都市伝説蒐集家・f06119)も頷く。
「ある意味正しい事を言ってるように見えるし訴えるのは自由だだがやってる事は洗脳だし本人の動機は聞いて呆れるようなもんだ。…アイドルに、歌姫になりたいんなら本気で戦いな。まっ、それはアニメ見過ぎの俺の理想だけどな。」
ここに本人がいれば、心にくる台詞に間違いない言葉だっただろう。彼の脳裏にはアニメの歴代の歌姫たちが順番に出てきていた。
「通常の説得だとみんなは耳を貸さないそれならば証拠を叩きつけてやれば良いかな?」
頼の問いかけに真紀は頷く。そう、目的地はウラ・ギリーの私室だ。

 アイドルの自室に【忍び足】で入りこんだ頼は、ウラが帝国と繋がっていることの証拠を探す。そして、頼は見つけてしまった。真ピンクに彩られたヒラヒラの部屋の机の上に山のようになった書きかけのラヴレター。
『皇帝様へー。貴方のお姿をみた…(以下省略)』
(!?)
頼の表情は固まる。まさかこんなに分かりやすい所にあるなんて思わなかった。同じく、一緒に踏み込んだ真紀はウラのパソコンをチェックしていた。
「さて、【電脳ゴーグル】さんの本領発揮だ。」
パソコンのデスクトップからデータを漁る。【情報収集】であたりをつけた真紀は、直ぐに隠しデータをいくつも見つけた。【ハッキング】する手間が省けたというか拍子抜けである。見つけたデータを外部デバイスで【撮影】。
「…これを煽り文句でもつけて戦艦居住区内で公開、と。」
真紀の準備は整った。頼もまた帝国とのやり取りがされている資料ではないものの、皇帝へのラヴレターをファンたちの目の前で叩きつければ、ファンの目は間違いなく覚めそうである。データを手に真紀がモニター越しにファン達をみる。
「夢を壊すようで悪いけどこれが現実だからね。戦わなければ生きることができないよ。」
データの送信準備は万端、スイッチ一つで艦内に情報は垂れ流される手筈だ。
「―君たちはどうする?」
「さぁ、これがあんたらのアイドルの真実だ。」
二人の声が重なる。

 そして―。アイドルの化けの皮が剥がされることになるのだった。
木目・一葉
ウラ・ギリー……
まんまだ
マトモな名はなかったのか
兎に角この裏切り行為を止めよう

【SPD】
事務所の情報を得る為、ファンに【変装】し【コミュ力】で【情報収集】
またアイドルは目立つ姿だろうから、彼女を見つけたら『影の追跡者の召喚』で後を追わせ、事務所の場所を明らかにする
場所と入り方が分かれば【忍び足】で【目立たない】よう潜入し、証拠を探す
あと彼女自身の内情も探る

これら証拠を仲間と共に提示し、罪を明らかにする
また調べた彼女自身の内情と【コミュ力】で、説得も試みよう
「私達に協力しないか?
危険なのは君だ
君は捨石で、利用されてるだけだ
君の歌は失われてほしくない
歌い続けて欲しい」
応じないなら捕らえるしかない



●一方そのころ―
 木目・一葉(生真面目すぎる平凡な戦士・f04853)は悩んでいた。問題のアイドルの名前はウラ・ギリー。裏切りのウラ・ギリーである。
「ウラ・ギリー……まんまだ。マトモな名はなかったのか?兎に角この裏切り行為を止めよう。」
生真面目すぎる剣士は、やれやれと任務にあたる。一葉は、先ずウラの所属する事務所の情報を得る為、ファンに【変装】した。『影の追跡者の召喚』で後を追わせ、事務所の場所まで案内させると、持前の【コミュ力】で【情報収集】する。事務所は、すぐに見つかった。【忍び足】で【目立たない】よう潜入し、証拠を探す。しかし、事務所にある情報はどれもチグハグで確証に至らなかった。一葉は諦めずに事務所の中を探し続ける。そして、一つ気になる事に気が付いた。スケジュールがなかった。正確には、来月のスケジュールに全てバッテンがつけられている。さらに、事務所にあるピンクの旅行鞄。逃げるつもりだったのだろう。
「これら証拠を仲間と共に提示し、罪を明らかにする。」
一葉は証拠を手に舞台に向かった。

 舞台では猟兵達がゲリラライブを繰り広げている。その舞台の横に動けないまま座り込んだウラがいた。
「私達に協力しないか?危険なのは君だ。君は捨石で、利用されてるだけだ。」
一葉の手には、来月の予定が全てキャンセルされたスケジュール表。ウラは息をのむ。
「君の歌は失われてほしくない。歌い続けて欲しい。」
ウラはぐっと唇をかむ。
「もちろん、歌い続けるわ。でも!」
一葉の言葉に揺らいだ思いを抱えて、ウラは立ち尽くす。
もう一押しだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヘルガ・リープフラウ
ウラ・ギリーのライブ会場に乗り込み、「祈り」と「優しさ」を込めた【シンフォニック・キュア】を「歌唱」、人々の心を掴んで説得します。

今最も応援と癒しを必要としているのは、前線で戦っている兵士の皆さんのはず。
わたくしは行きます。彼らの許へ。
人々を癒し、勇気づけることを使命とする『戦場の歌姫』として、同胞を見捨てることなど誰が出来ましょう?

仮に降伏したとしても、帝国は決して許すことはない。
「一度裏切った者は二度裏切る」と、真っ先に切り捨てる。
わたくしが実際に『故郷』で見た、戦争の現実です。

行きましょう。大切な人を守るため、後悔することのないように。
大丈夫。わたくしがついています。

※アドリブ、絡み歓迎



●戦場の歌姫
 静かな声が会場を包み込んだ。真っ白い髪に蒼い菫の花が咲く、天使の歌声が空気を響かせた。歌姫の【祈り】は【優しさ】で満ちる。ヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)が舞台にあがる。彼女の持つユーベルコード、『シンフォニック・キュア』は共感した対象を全て癒していく。ひだまりの温かさの中で頬を撫でる風の如き歌声はこの会場内の全ての人々を、ウラ・ギリ―すら例外なく等しく癒していく。ヘルガは求め手を差し伸べる。舞台に設置されたスポットライトがその手の先へと集まった。その手の先にいたのはウラ・ギリーである。
「今最も応援と癒しを必要としているのは、前線で戦っている兵士の皆さんのはず。わたくしは行きます。彼らの許へ。」
凛とした彼女の声に、全ての人は静まりかえる。静寂の中で、ヘルガは求める。
「人々を癒し、勇気づけることを使命とする『戦場の歌姫』として、同胞を見捨てることなど誰が出来ましょう?」
歌姫の澄んだ瞳は優しい。しかし、その瞳には確固たる強さと意思があった。
(もう誰も、泣くことのない世界を…。)
「仮に降伏したとしても、帝国は決して許すことはない。『一度裏切った者は二度裏切る』と、真っ先に切り捨てる。」
ウラの肩が震える。
「わたくしが実際に『故郷』で見た、戦争の現実です。」
会場の、艦内の誰もが自らを省みる。
「幸せや平和は他人に預けて享受すべきものではなかったわ。私、間違っていました。…ごめんなさい。」
ウラ・ギリ―は、罵倒を覚悟の上で全てを語る。彼女もまた被害者には違いないのだろう。少女の浅はかな甘言に騙されて盲目に従った人々の心にもまた、同じ罪はある。ヘルガは、微笑みそして、歌う。
「行きましょう。大切な人を守るため、後悔することのないように。」
差し伸べられた手。その【優しさ】に、ウラ・ギリ―は前を向く。
「大丈夫。わたくしがついています。」
一度失った信頼を取り戻すのは大変だろう。それでも、ウラは目の前の歌姫に誓った。
「私、がんばります。今度は、きちんと。そして、いつか貴女のような歌姫に。」

 本物の歌姫がそこにはいた。戦場を駆ける美しい白の歌姫―。そして、人々の心を奮い立たせた数々の歌声。猟兵たちの歌声は、確かに人々を動かした。魂を震わせたライブは、これで幕を下ろす。そして―少女、ウラの心に強い憧れを残した天使は、次の戦場へと向かうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月09日


挿絵イラスト