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羅針盤戦争〜まっそぅ・ざ・ぱわー

#グリードオーシャン #羅針盤戦争

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 爽やかな海の匂い。
 清々しい風を切りながら、船は進む。
 煌めく様なオーシャンブルーを目に映し、彼らは――。

『ふんっ!ふんっ!』
『がっはっは!今日も大腿四頭筋がキレッキレじゃのう!』
『お前こそ!大胸筋、上腕二頭筋……くぅ、たまんねぇ!』
『ナイスバルクッ!』
『土台が違ぇっす、アニキ達!』
 船上で、筋力トレーニングに勤しんでいた。
 ソイヤッ!セイヤッ!白い歯を輝かせて、彼らは吼える。
 照り付ける日差しが……彼らの汗を、輝かせていて……。

 ――いやいや、ムッサイわ!!!


「まっそぅ……」
 別室に居る、知人のクリスタリアンとハモった気がした。
 リン・イスハガル(幼き凶星・f02495)は汚泥のような瞳をさらに濁らせ、皆に呟く。
「コンキスタドールの群れ、というか大艦隊が蒼海羅針域の破壊を試みているの。……そこで、貴方たちには……この敵たちをどうにかしてほしい」
 リンは濁り切った瞳で皆をまっすぐ見つめ、猟兵たちには船の上で戦い、少しでも敵の数を減らし、渦潮に迫ろうとする動きを食い止めてほしいとさらに付け加える。
「それでね…それでね…今回戦ってほしい敵のことなんだけど……」
 持っていた紙を皆に見せるリン。無表情な彼女の表情が若干引きつっている!
 紙に描かれていたのはまっそぅ!!そう、筋肉を愛し、筋肉に愛されたオブリビオンである!!
 こんがりと焼いた肌。隆起する筋肉。そしてなにより、いついかなる時もポージングを欠かさない。
 リンが言うにはこのオブリビオン、船の上でもトレーニングに励んでいるという。
「まっそぅと戦ってほしいの。しかもね、このまっそぅ。筋トレのおかげで……その……」
 言い淀むリンにその先を促す声。意を決し、リンは今出せる全力の大声で叫んだ!
「一撃が重いパワー系まっそぅ!!」
 え?なに?パワー系まっそぅって……ほかにもスピード特化とかウィズ特化とかいるの……?
「しかも、こいつら、筋トレしている間はほぼ無敵」
 何やらとんでもない爆弾を投下するリン。だが、やりようによってはその筋トレを解除させることが出来るという。
「こいつら、プロテインとか、ナイスバルクな人物とか、筋肉の話題を振られると気が散るみたい。そこ、狙い目」

 筋トレさえ止めてしまえばこっちのもの。あとは煮るなり焼くなり好きに出来るらしい。
「まっそぅ、手ごわいけど、きっとみんななら大丈夫……信じてる」
 プロテイン入りおにぎりをもぐもぐと食べながら、リンは皆の転移準備を行うのだった。


朱珠
●挨拶。
 こんにちは、こんばんは、初めましての方は初めまして!朱珠と申します。
 今回はマッスルの大群との戦いをお送りいたします。
 なお、このシナリオはろここMS様(https://tw6.jp/scenario/master/show?master_id=msf0008465)との合わせになります。合わせですがゆるゆるですので両方の参加もOKです。

●依頼について。
 今回のシナリオについてですが、プレイングボーナスが存在いたします。それは海上戦、船上戦を工夫することとなります。なお、海上では飛行や転移が阻害されておりますので、そういった技能を使用されたプレイングは不採用となる可能性がありますのでご了承ください。

●シナリオについて。
 戦争シナリオという事で、採用は最低人数とさせていただきます。
 非常に恐れ入りますが、そのことを念頭に置いての参加をお願いいたします。
 参加者が多くなってしまった場合は、抽選とさせていただきます。
 長々と失礼いたしました。皆様の熱いプレイング、お待ちしております。
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第1章 集団戦 『迷惑マッチョトレーナー』

POW   :    筋骨隆々!それ以外に何が必要だ?
全身を【使ってポージングし、攻撃を跳ね返す筋肉】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    余った時間は筋トレに使う!それ以外に何に使う?
【筋トレとコーチング】を給仕している間、戦場にいる筋トレとコーチングを楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
WIZ   :    筋肉は裏切らない。その為に筋トレをするのだ!
非戦闘行為に没頭している間、自身の【全身の筋肉】が【激しくパンプアップし】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。

イラスト:黒メガネ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アリアケ・ヴィオレータ
アドリブ・連携OK
【POW】

『夜白丸』を使い相手の船に接近。
『鉤付きロープ』を投げて乗り込めたらまずは《船上戦》と行こうか!

「筋肉の名前とかよくわかんないけどマッスルなのは好きだぜ!
見せ筋じゃなきゃあな!」
相手に向かってUC発動。ポージングで無敵になるだろうが、
狙いは敵自体じゃなくて船。
海への落下狙いだ。
ポージング決めてちゃ泳げないだろうし、
無敵とはいえ、流石に海に沈んだらどうにもならないんじゃねえか?
オレはほら、深海人だし泳ぎは得意なんでな。
UCを使わない奴らや泳ぎ出す奴らには『強靭鰭』や拳に『覇気』を纏わせて対抗だ。
《船上戦》も《水中戦》もオーシャンハンターの十八番だっての!



●まっそぅ!
 それは、海戦というには異常だった。それは、海戦とは名ばかりの別物であると確信を持って言える。何しろ、このオブリビオンの船団……乗っている奴ら全員筋トレばかりしている。
 船の上でふんぬぅ、とか言いながら筋トレしているマッスル軍団。正直扱いに困るが、アリアケ・ヴィオレータ(夜明けの漁り人・f26240)はそんなマッスルが眼前に広がる光景に動じることはなかった。
「筋肉の名前とかよくわかんないけどマッスルなのは好きだぜ!見せ筋じゃなきゃあな!」
 自身の船である《夜白丸》の上、オブリビオンの船団を見やりそんな事を呟くアリアケ。己が動かす船が徐々に近づいているのにも関わらず筋トレに勤しんでいる姿には思うところがあるものの、妨害されないというなら、僥倖なのかもしれない。
「しっかし、気付かないにも程があるだろ!」
 夜白丸を敵の船へと近づけて鉤付きロープでオブリビオンの船に乗り込んだアリアケだったが、あまりにも簡単に乗り込めたため、思わず叫んでしまった。

 実際、彼が叫ぶまでオブリビオンは猟兵の接近を知りもしなかったので、叫んで正解かもしれない。
「はっ!いつの間に乗り込んできた猟兵!筋トレと蒼海羅針域の破壊の邪魔をしに来たのだな!」
「結構あっさり乗り込めたぞ!筋トレにのめり込みすぎじゃね!?」
「くっ……ここまで乗り込まれてしまったら仕方ない、俺たちの圧倒的筋肉パワーで葬ってやる!何しろ俺たちにはお前らの攻撃が効かないからな」
 ぺらぺらと重要な事項まで喋ってくれるあたり、こいつら脳みそまで筋肉で出来てんのかよ、と悪態をつくアリアケだが、敵もやる気を出したなら、もちろん、迎え撃つつもりだ。
 アリアケは己の拳に力を籠める。そして、その拳を筋トレ中のオブリビオンどもに向かってブチかます。
「そら!食らいやがれ!」
「はーっはっはっは!筋トレ中は無敵だといっただろ!」
 アリアケの拳はオブリビオンを貫くことはなかったが、代わりに別のものを貫いていた。
「誰がアンタらを狙うと言った?」
 彼女が貫いたのは船の底。穴の開いた船はみるみるうちに浸水し、沈んでいく。
「お前の狙いはこれかあああああ!!」
 哀れ、筋トレ中のマッチョどもは海に投げ出されてしまった。しかも筋肉は脂肪とは違いあまり水には浮かない。泳げないマッチョどもも多く、なす術も無く沈んでいく。
 対するアリアケは深海人。水中戦もお手の物。
 泳げるマッチョどもは猛スピードで泳いで接近してくるアリアケの強靭な鰭によって切り裂かれたり、拳でぶん殴られて消えていった。
「オーシャンハンター舐めんなよ」
 アリアケは海の中、消えていくマッチョたちを見ながら吼えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

紫崎・宗田
上等だ
俺の筋肉とどっちが上か、相撲で勝負しようぜ
不規則に揺れる船の上じゃあ
強い力で押されたら体幹がなきゃあっさり倒れて終わりだろ
それとも自信が無ェか?
それなら俺はテメェらの筋肉も所詮張りぼてと認識するが

挑発でその気にさせ【決闘】に持ち込む
勝負中にポーズなんか取れねぇだろ
隙見せるも同然だからな
それを利用し【指定UC】
【戦闘知識】で敵の狙いを推測、【見切り】
【カウンター】でより有利な場所を掴み返し
【怪力】も組み合わせてぶん投げる

おら次!さっさとかかって来い!

強敵ほど【闘争心】が燃え上がり
揺れは【サーフィン】の経験でバランスを取り次々撃破

あぁ…そういや言ってなかったか
格闘家兼元ヤンの鬼だ
よろしくな



●まっそぅ!
 すでに何隻かの船が沈められるのを見た紫崎・宗田(孤高の獣・f03527)は胸の前で拳を突き合わせながら、次は俺の番だとばかりにもう一つの船へと乗り込む。
 筋トレ中のマッスルたちはいきなり現れた宗田の姿に驚きながらも、筋トレをやめることはなかった。なぜなら、彼らにとって筋トレはすでに生命活動。筋トレやめると死ぬレベルで筋トレが好きだから。
 そんな様子のマッスルたちに宗田は呆れたような表情を浮かべながらも、彼らに向かって叫んだ。
「上等だ!俺の筋肉とどっちが上か、相撲で勝負しようぜ」
「貴様なかなかの筋肉の持ち主と見た!だがなぜ相撲!!!!」
 なぜ相撲か、宗田には考えがあるからだ。
 不規則に揺れる船の上、強い力で押されれば、体幹が無ければあっさり負ける。体幹に自身があるからこそ、相撲という提案をしたのだった。
 ついでに相撲を提案することで、オブリビオンの筋トレを食い止めることもできる。まさに一石二鳥。
 相撲の提案について渋りを見せるマッスルどもだが、宗田の一言で彼らは表情を変えた。
「自信が無ェか?それなら俺はテメェらの筋肉も所詮張りぼてと認識するが」
「張りぼて……だと?この素晴らしい筋肉が張りぼてに見えるとでもいうのか?いいだろう、受けてやる!」
 貴様のその貧弱なマッチョなぞ俺が投げ飛ばしてやるわ!と挑発に乗ったマッチョが構えを取る。
「どこからでもかかってこいよ」
 待ちの姿勢を取る宗田。マッスルが張り手を繰り出してきたが、それを見切って腰を掴む。
「なっ……!!」
「おらぁあああっ!!」
 秘めた力と怪力を組み合わせ、軽々とマッチョを持ち上げる宗田。そして、そのまま振り回し、海へと投げ飛ばした。
「マッチョの兄貴ぃいいいいいい!!!!」
 どぼん、と海の藻屑になるマッチョその1を見ながらほかのマッチョが焦りを見せ始める。
「あぁ…そういや言ってなかったか格闘家兼元ヤンの鬼だよろしくな 」
 実践向け筋肉の宗田と見せ筋肉のマッチョ軍団。どちらが勝つかは一目瞭然。しかも宗田はサーフィンの経験を生かしてバランスを取っている。
「おら次!さっさとかかって来い!」
 宗田の気迫に押され、彼と次々と相撲を取るマッチョ軍団。だが、マッチョ軍団は次から次へと海へと投げ飛ばされていく。
 船に乗っていた全員を投げ飛ばした宗田は、どこか清々しそうであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エィミー・ロストリンク
【POW】
すごい筋肉モリモリマッチョマンだーー!
わたしもパワーある方だけど、本物のビルダーは違うねー!

船に乗り込んで、筋トレに興味がある幼女を装って、質問をする
必要ならサンドバッグを殴り飛ばして、パワーあるよーみたいなアピールもする
そして油断している所にプロテインが入っている容器を配って飲んでもらおうとするが、実はそれはラクチェの要石で鉄水に変えたものだ!
腹部に入って、メガリス攻撃を当てたら、UC「引き寄せる怪力を振るう姫君」を発動して、全員を片手に集めて、人間筋肉団子を作り出す
そのまま船に叩きつけて、攻撃と同時に艦船破壊も試みる

筋肉は罪じゃないけど、コンキスタドールは罪なんだよ!



●まっそぅ!
「すごい筋肉モリモリマッチョマンだーー!わたしもパワーある方だけど、本物のビルダーは違うねー!」
 船に乗り込んだエィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)が目にしたマッチョたちに驚きの声を上げる。
「はっ!お前誰だ!マッチョじゃないようだが……!」
 むさくるしいマッチョの男しか集まっていないこの船の中で紅一点となっているエィミー。彼女は筋トレに興味があるように装って、彼らを油断させるために質問をしていく。
「ねえ、どんなトレーニングを積んだらそんなすごい身体になるのー?」
 白い髪が太陽光に反射し、きらきらと光る。そんな少女の赤い純粋な瞳で質問されれば、まんざらでもない様子のマッチョが筋トレを止め、秘訣を語り始めた。
「それは日々バーベルを持ったりハードでストイックなトレーニングを重ねているからだよ」
 にこりと笑いながらエィミーを見る筋肉マッチョオブリビオン。正直……犯罪臭が漂っているが……マッチョオブリビオンは気にしていない様子。
 マッチョたちがエィミーの周りに集まり、ここぞとばかりに筋肉について語っていくのを、ニコニコと聞いていたエィミーだが、ぱん、と手を叩くと何かを思い出したのか、カバンをごそごそ。
「そんな日頃頑張っているマッチョの皆さんに、プロテインの差し入れですよー!」
 陽だまりのような笑顔を浮かべてプロテインを配っていくエィミーに気を良くしたマッチョども。それが本当にプロテインか確かめずにごくごくと飲み干していく。
 ……マッチョたちは知らない。そのプロテインは『ラクチェの要石』によって鉄水へと作り替えられていることを。
 マッチョどもがプロテインを飲み干したのを見計らって、エィミーは行動を開始。ラクチェの要石がマッチョどもの腹部を犯していく。
 それを見たエィミー。ここぞとばかりにユーベルコード【引き寄せる怪力を振るう姫君】を発動。マッチョどもの腹がエィミーへの腕へと引き寄せられ、あっという間にエィミーの右腕に人間筋肉団子が出来上がっていった。
「はい、わたし、パワーあるアピールしたかったのでちょっと楽しいです!」
 笑顔のまま筋肉団子の塊を船へと叩きつけるエィミー。その衝撃で艦船が真っ二つに割れた。
「筋肉は罪じゃないけど、コンキスタドールは罪なんだよ!」
 海へと沈んでいく筋肉オブリビオンを見ながら、エィミーは自身も船からの脱出を図る。
 だが、彼女はセイレーン。水には慣れ親しんだもの。優雅に泳ぎ自身が乗ってきた船へと戻っていく。
「これで一段落着きましたねー!」
 沈んでいく敵の船を背に、エィミーはにこりと笑うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アーネスト・シートン
……はぁ。
人間の筋肉なんて趣味じゃないですよ。
ともかくとして、筋肉の話…
「ところで、あなた方、ゴリマッチョとかいう言葉もあるけど、ゴリラさんの筋肉ってどう思いますか??」
連中がこの話を語り始めたら、ここで、鼬に変身して後ろ周り、そして、後ろに回ったら人間大の鼬獣人モードに変身、そして、爪で切り裂き、そして振り向いた連中の首を噛み切る。
「硬てぇわ…まぁ、牙で噛み切ることは出来ましたけど」



●まっそぅ!
「……はぁ。人間の筋肉なんて趣味じゃないですよ」
 敵の船に乗り込むなり、そのようにマッチョどもに向かって言い放つのは、アーネスト・シートン(動物愛好家・f11928)。獣医志望の動物好き男性である。
 マッチョ側からしたらいきなり現れた人間に趣味じゃない呼ばわりされるのは流石に腹が立つ。
 それなら貴様はどんな筋肉が好みなんだ!という話になるわけだが……。
「ところで、あなた方、ゴリマッチョとかいう言葉もあるけど、ゴリラさんの筋肉ってどう思いますか??」
 相手のほうから話を振ってきてくれた!筋肉どもはゴリラの筋肉について聞かれると、うんうんと唸りながらも答えをひねり出す。
「いきなりゴリラの筋肉の話をされても……」
「いや、でも動物って結構しっかり均衡のとれた筋肉の持ち主が多いような……ゴリラ然り、カンガルー然り」
「そもそも動物と我らオブリビオン筋肉隊の筋肉って使い方違うし比べようもないのでは……?」
 などなど、真剣に語り合い始め、筋トレどころではない。
「脳筋で助かるといいますか、なんといいうか……」
 アーネストは討論や言い争いを始めだすマッチョに向かってやれやれと両手でポーズを取りながらも、今がチャンスとばかりにユーベルコードを使用して自身の姿を鼬へと変化させる。
 筋肉どもは動物と人間の筋肉の解釈違いを起こし仲間内で殴り始めたりとカオスと化しているため、小さい鼬へとなったアーネストに気付かない。彼はそのままオブリビオンの後ろに回り、自身の姿を人間大の鼬獣人へと変化させた。
「解釈違いで仲間割れしてくれる辺り、バカなのか賢いのか良くわかりませんが、オブリビオンである以上はやらせてもらいますね」
 ざしゅ、と後ろからその鋭い爪で筋肉を切り裂くアーネスト。そう、筋肉など鋭い爪の前では無力。
 切られた筋肉は痛みに悶えながらも切り裂いてきた人物を確認するために振り返るマッチョその1だった……が、そこでアーネストは鋭い牙をマッチョの首筋に突き立て、噛み切った。
「硬てぇわ…まぁ、牙で噛み切ることができましたけど」
 ぺっ、と噛み切った肉を吐き出して呟いたアーネスト。そんな様子を見た筋肉どもは蜘蛛の子を散らしたかの如く逃げだす。
 まぁ、逃げだした奴ら一体残らず鼬の鋭い爪の餌食になりましたけどね!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィクトル・サリヴァン
筋肉は無敵?暑苦しそうだけどどうにかしないとねー。

基本水中戦。水泳や素潜りで船の間を自在に泳ぎ回る。
へーいマッソゥ!なお兄さん達元気してる?とか海の仲間ですよー的な感じで声をかけて。
ところで筋肉学的に尻尾を鍛えるにはどんなトレーニングが効果的か知ってる?
もっと泳ぎの速度出したくって。
やっぱ泳ぎで負荷かけるのがいい?実演して貰えないかなー。
…あ、そうそう。この海域シャチだらけだからご注意ねー。
UC使用、空が得意で水中もそこそこな空シャチ達にコンキスタドール達と遊んでもらうね。
バレーのボールになって貰ったり。
筋肉過多だと沈み易くて泳ぎ下手になるとか…何事もバランス大事だよね。

※アドリブ絡み等お任せ



●まっそぅ!
「筋肉は無敵?なんだか暑苦しそうだけどどうにかしないとねー」
 人懐っこそうな声でそういうのは、ヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)。彼は船の周りをくるくると回るように泳ぎながら筋肉たちに話しかけていた。
「へーいマッソゥ!全身の筋肉を鍛える方法知ってるー?」
「どこだ!どこからか声が聞こえてくるぞ!!」
「お兄さんたちここですよー!」
 ようやく船の外、海の中から声が聞こえてくると気付いたマッチョ。優雅に泳ぐヴィクトルの様子に警戒心を剥き出しにするが、彼が次に紡いだ言葉によってマッチョどもの警戒心が解ける。
「もっと泳ぎの速度出したくて……でもどんなトレーニングをすれば良いか分からないから実践してほしいなー」
 やっぱり泳ぐことで負荷をかけて筋肉鍛えるのがいいのかな?と明るい声色で言うヴィクトルにマッチョは呆気にとられつつも指導者マッチョとしての血が燃えるのか、筋肉をぴくぴく動かしながら海に飛び込む!
 つられてほかのマッチョたちもこのシャチのキマイラに泳ぎの極意を教えるべく海中へと飛び込んでいった。
「いいか、俺たちは泳ぎも出来て指導も出来る素晴らしいマッチョだ、俺たちの真似をすればきっとメカジキのごときスピードで泳げるようになる」
 飛び込んだマッチョは上手く足を使い海中に停滞しつつ、ヴィクトルに偉そうに指導を始める。それこそ、ヴィクトルの罠とも知らずに。
「でも、この海域シャチだらけだからご注意ねー?」
 本来は空を泳ぐシャチたちを呼ぶものだが、水の中もそれなり。そんな空泳ぎたちの狂宴(スカイ・オルカ)たちを召喚したヴィクトル。
 筋肉ダルマたちの相手を空シャチにしてもらうことにし、自身はそれを観戦。
「ぎゃあああああ!やめろー!俺はボールじゃねぇ!」
「やめろ食べるな!食い物じゃない!」
「ぶくぶくぶく………」
 空シャチたちが思い思いに遊んで(攻撃して)いる様子をニコニコと眺めながら、ヴィクトルは海をすいすいと泳ぐ。
 遊び相手から外れた筋肉たちを探すために。
「筋肉過多だと沈みやすくて泳ぎ下手になるらしいよー?何事もバランス大事だよねー」
 沈んでいた筋肉をボコしながら、ヴィクトルは鰭を巧みに使って再び泳ぎだすのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クロム・エルフェルト
アドリブ◎

『水は一滴を束ねて河を成し、下りて終に大海へ注ぐ』
お師様の言葉
別々の場所を流れる河も、終着は同じ海
――善い、ね
直向に高みを目指して己と向き合い、鍛錬を積む
剣の道も、筋の道も、目指す所は同じなのかも

足りない筋力を速度で補うのが私の戦い方
だから、もう少し筋力が付けば……もっと強くなれる、筈
時には敵に教えを請うのも武人の有り様
私にも、鍛錬の方法。教えて。

半分策略、半分本気
尾の揺れにこっそり[催眠術]を仕込み
同志だと認識させた上での[騙し討ち]
共に筋トレに励み、プロテイン休憩と同時に仰向けになって息を整え
UC発動の瞑想へ
目を開けるのは別離の合図

――さらば、同志。大丈夫、筋の鍛錬は続けるよ。



●まっそぅ!
 クロム・エルフェルト(縮地灼閃の剣狐・f09031)は師匠の言葉を思い出していた。
『水は一滴を束ねて河を成し、下りて終に大海へ注ぐ』。その真意は、たとえ別々の場所を流れる川とて、執着は海であるという事。
 高みを目指して己を鍛えるという一点に関しては、筋肉を鍛えるという道も剣の頂へと至る道も、目指す場所は同じなのかもしれない。

「……善い、ね」
 クロムは敵の艦隊に乗り込むと、周りを見渡してそう呟いた。
「今度はいったい誰だこのっ!」
 いきなりやってきたクロムを見てぎゃあぎゃあと叫びだすマッチョ軍団。叫ぶだけで筋トレはやめていないが。
「私は、足りない筋肉を、速度で補ってきた。……もう少し筋肉が付けば……もっと強くなれる筈」
 だから……私にも鍛錬の方法を教えて。と続けたクロム。強くなるためには敵に教えを乞うことも辞さないその精神は、とても清く、美しかった。
 マッチョたちはそんなクロムの武士道精神に感銘を受け、彼女の力になろうと筋トレの方法を教える事にした。
 決して下心などはないので安心してほしい。
 道を究めるもの同士、何か思うところがあっただけなのだから。
 ……ただし、クロムには他に考えがあった。ゆらゆら、と尾を揺らし集まってきた筋肉ダルマどもに催眠術をかけていく。
 生まれつき妖力薄弱の妖術不能者でも、単純明快な筋肉どもに催眠術を掛けることはできる。
 実際、脳みそまで筋肉で出来ているオブリビオンたちは簡単に催眠術にかかってしまっていた。クロムを共に筋肉道へと励む同士へと認識させることに成功。
「くっ……筋トレ、つらい……けど、頑張って見せる」
「筋トレをした後はプロテインの時間だ!30分以内に取ると効果的だぞ」
 筋トレを終え、差し出されたプロテインを受け取ると、仰向けになって息を整えるクロム。
 そして、瞳を開ける。――別離の合図だ。
「神速剣閃、伍ノ太刀――儚と散らす」
 視認しているすべてのマッスルたちを亜音速の斬撃で切り伏せた。
 血肉すら断つ一撃必殺の広範囲技に、マッスルたちは手も足も出ず、全滅した。
「さらば、同志。……大丈夫、筋の鍛錬は続けるよ」
 刀を鞘に戻しながら、クロムは筋肉ダルマたちから受けたであろう教訓を、胸に抱き進むのだった。

 こうして、マッスルの大艦隊は猟兵たちによって滅ぼされた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月20日


挿絵イラスト