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誰か助けてと呼ぶ声あれば

#クロムキャバリア #シャインキングダム #エビルガーロボ #量産型神機『ケートス』 #水際防衛戦

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#クロムキャバリア
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#量産型神機『ケートス』
#水際防衛戦


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●かの国は太陽の国
 シャインキングダム。
 誰が読んだか善なる避難所、光の国と呼ばれる彼の国は、島国であるその立地を生かし島の出土品であるスーパーロボット達によって守られていた。
 周辺海域を通る輸送部隊への自発的な警護サービス、交易の中間地点。
 侵略と不義理を許さず、超兵器による鉄壁の守りを持つこの国は、物資を巡って世界を行きかう、様々な事情を変えた多くの人々が一息つけるような、美しい自然と海に囲まれた平和の国であった。
 …今日までは。

●正義一輪、咲き誇り
「カブトロン…バースト!」
 シャインキングダムの入り口の一つである港町ソレイユを背にした一角の巨人が、片膝を地面に付きながらも、頭部の大角から雷光を解き放つ。
 迸る雷がソレイユへと迫りくる侵略者を薙ぎ払い、爆散せしめる。
「はぁ…!はぁ…!避難進捗は、まだ三割…このままじゃ…」
 雷の巨人【雷角巨兵カブトロン】の操縦者【花道・ライコ(14歳)】が肩で息をしながら駐在部隊へ確認を取る…敵機いまだ数多く、守るべき人々はその背に未だ多く。
 林間学校で多くの子供達が浜辺で遊んでいる最中での敵襲。
 無数の飛行艇や戦艦、中にはキャバリアに似た魚型の起動兵器まで混在した大軍勢。
 これほどの大軍勢がどうやって警備網の穴をすり抜けられたのか全く想像がつかず、たまたま非番であった自分とカブトロンが間に合っていなければ、多くの子供達が戦火に襲われていただろう…考えただけで怒りがこみ上げる。
 頼みの綱の救援要請は未だ繋がらず、不慣れな戦場での連戦で機体のエネルギーは減少する一方。
 それでも、その背に守るべき人がいるならば。
 こみ上げる弱気を振り払い、雷角巨兵は軋む機体に無理を言わせて立ち上がるのだった。

●助けての声を聞いたなら
「…だがまぁ、結局立ち上がったはいいものの、数の暴力に加えてその後に控える連中に力及ばず、スーパーロボットはやられちまうんだよなぁ…このまま行けば」
 無残にも破壊されていく巨兵の姿を見せた所で、貴司・忍はグリモアに映る光景を締めくくった。
「時間がないからサクッと説明するぜ。これが起こる島国の名はシャインキングダム。クロムキャバリアじゃ今日日珍しいぐらいに平和な国だ。保有する戦力も珍しいことに量産型のキャバリアとかじゃなく、島から掘り起こされたり遺跡から見つかったりしたスーパーロボット隊。いわゆる中立国だ…その戦力の特異さに加え立地を生かした防衛網から今まで攻撃を受けることはなかったみたいだが」
 その平和が破られた。
 それも、侵入を許したのは多くの子供達が林間学校等で遊びに来ていた港町【ソレイユ】だという。
 たまたま林間学校に参加していたスーパーロボット隊の一人が出撃したが、多勢に無勢。
「その上子供達の中にゃレクリエーションとして船で海に出たり、武装船の見学行ってたりってタイミングでの襲撃だ。避難も間に合わない中、民間人を守りながらの戦闘じゃ勝てるもんも勝てないわな…で、まぁおおよそ察していると思うが、こいつはオブリビオンマシンの案件だ」
 鉄壁の防衛網悠々とすり抜け、様々な任務が重なりスーパーロボット隊の増援がまず見込めない、針の穴のようなタイミングを狙った大軍勢。
 まず間違いなく敵の頭はオブリビオンマシンであり、この国の関係者だ。
 街を襲う軍勢はその黒幕が用意した戦力であり、嬉々として子供達を狙うその行動からこの国の外の人間である事までは忍の予知で読み取れた…残念ながら、黒幕がだれかまでは読み取れなかったが。
 故に、まずすべきは戦場への即座の介入、救助。
 港の観光施設や船などに取り残され戦火に晒されている子供達を保護し、孤軍奮闘する少女へ助力。
 街を破壊する飛行艇や武装艦の撃滅し迫るキャバリア部隊への迎撃態勢を整えるのだ。
「悪いが事態は一刻を争う。敵の数は多く、噂のスーパーロボット軍団は間に合わない。助けての悲鳴は届くことはなく消えていく…そのはずが、あたしらに届いた。なら、助けに行くのがあたしたち猟兵ってもんだとあたしは思う」
 だから助けてやってくれ。
 逃げ惑う子供達を、歯を食いしばって立つ女の子を。
 助けに行ってやれない自分の分まで子供達を助けてやってほしいという願いを込めて、忍は異世界への道を開くのだった。


とま太郎
 めっっっっっちゃお久しぶりですとま太郎です!
 気が付けば前回から早二か月以上、世間はすっかり戦争一色ですが私は下手だろうがメカに突き進む。
 今回の舞台はクロムキャバリアの島国【シャインキングダム】は港町【ソレイユ】になります。
 第一章では、海から迫りくる武装船やら飛行艇やら魚みたいな起動兵器やらから、逃げ遅れた子供達とそれを守ろうとしているスーパーロボットの救出が目標になります。
 敵機は基本的に有人機ではあるものの猟兵の敵ではないのですが、避難に手間取る人々も大勢いる上に上陸を許せばすぐ市街地へと進行を許してしまうような状況です。
 今回はいかに救出対象を助けるか、いかに上陸、進行を許さず水際ギリギリで敵を押し留められるかが鍵となっております。
 第二章では黒幕が雇い入れたキャバリア部隊との戦闘、第三章ではいよいよ黒幕との決戦が待っています。
 なお、プレイング募集の受け付け開始はマスターシーン掲載後になりますのでよろしくお願いします。

 今、助けての声を聞き届けられるのは、猟兵達を置いてほかになく。
 迫りくる軍勢から子供達を守れるのは皆様だけです。
 それでは、皆様のプレイングお待ちしてます。

●おまけ【雷角巨兵カブトロン】
 シャインキングダムを守護する超兵器の一体。
 パイロットは機体に選ばれた女子中学生の【花道・ライコ】が担っており、スーパーロボット隊の中でも特に鈍重ながらもビームと実弾を織り交ぜた豊富な砲撃、射撃武装によって仲間のスーパーロボットを援護を担う。
 猟兵ほどの力はなくとも通常のキャバリアを十分上回る性能を持つが、慣れぬ水際での防衛戦に加え街を庇いながらの戦闘に苦戦を強いられている。
 猟兵の介入がなければ破壊され、パイロットは機体と共に海の藻屑となる未来が待っている。
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第1章 冒険 『小さな防衛線』

POW   :    子供たちを守る

SPD   :    子供たちを守る

WIZ   :    子供たちを守る

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●正義、散華
 ライコの耳元にレッドアラームが鳴り響く。
 既に切り札たるカブトロンバーストの使用回数は十を超え、迎撃に酷使したカブトメガバルカン、カブトギガマグナムの銃身は焼け付き、フレア代わりにばら撒いていたショルダーボルトミサイル残弾数、零。
 仲間たちとの連絡は未だつかず、今もなお機体そのものを盾にしてフェリーに取り残された民間人を守る巨兵は、砲火に晒され至る所から火花を散らしていた。
 敗北を覚悟しながらも、ライコは背にした船を振り返る。
 背にした船に取り残された、幼い自分よりもさらに幼い少年少女たちの視線は、平和を守り悪に屈せぬスーパーロボットへの信頼をありありと映していた。
 どんな絶望の淵にあろうとも、自分たちが諦めない限り、スーパーロボットは絶対に負けやしないと信じていた。
「─何を弱気になってるの、花道ライコ!シャインの戦士の名が泣くよ!」
 子供たちが諦めないのに自分が諦めていいはずがないだろう!一瞬でも敗北を覚悟してしまった自分を叱咤し、カブトロンはガンアームを振り上げ、渾身のストレートで突っ込んできた魚型メカを粉砕して見せた。
 飛行艇、武装船、魚型の起動兵器。
 敵の数は未だに数え切れず、エネルギーは残り僅か。
 それがどうした、決して負けてなるものかとカブトロンとライコは雄叫びを上げ迫りくる無数の砲火に立ち向かっていく。

 子供達の声が戦場に響いた。
 誰か、助けて。
 誰か、僕らのヒーローを助けて。
 その声は…確かに、遠いどこかの誰かへ届いたのだ。
黒木・摩那
呼ばれて参上! 猟兵です。

早速ですが、侵略者たちを蹴散らしましょうか。

まずは撃破した敵キャバリアや船舶をUC【胡蝶天翔】で黒蝶に変換して、子供達やカブトロンの避難路を作ります。
そして、その黒蝶の群れを敵群に突っ込ませることで、キャバリアのセンサーを無効化します。

敵キャバリアのセンサーを潰したところで、キャバリア『エクアトゥール』の両肩の大型シールドを前面に押し立てて【ダッシュ】。そのまま【シールドバッシュ】して、海に叩き落とします。

そのままサメのエサになってください。


我原・介司
【心情】なるほど、子供達を敵の手から守るか…シンプルな依頼だ。さて、始めようかね。

【作戦】シルバーレイズを呼び出し敵の上陸を阻止するのに協力するぜ。「お嬢ちゃん、よく頑張った。俺も加勢するぜ」とライコの嬢ちゃんには声かけとくか。【落ち着き】つつ冷静に敵を見極めてガトリングランチャー掃射の【弾幕】で飛空艇や戦艦を撃ち落とすかな。近くの敵にはアームブレードスラッシュだ。敵の攻撃が子供達に当たりそうなときは迷わず食らって防ぐぜ。「子供達はやらせねえよ!」(絡み・アドリブOK)



「ま…だまだぁ!逃げ帰るなら今のうちだよ!」
 砲火飛び交う戦場の中、未だ抵抗を続けるカブトロンに業を煮やした傭兵の頭目が、ついにカブトロンを無視して子供達のみを狙った攻撃に切り替え始めた。
「お前ら、雇い主の方針は覚えてるな!ガキどもぶっ殺せばぶっ殺すほど報酬は上がってくんだ。そのデカ物は後回しにしろ!」
 結果として、子供達を庇うカブトロンはその攻撃を全て受け止め、その末に敗北を迎えてしまうのがこの事件の未来だった。
「なるほどそれがお前たちの依頼か…お互いずいぶんとシンプルな依頼を受けたものだな」
 その未来に、銀のマシンが介入する。
 広域通信で戦場に割り込むと同時、フェリー横へと着水したキャバリア【シルバーレイズ】が、その手に備えたガトリングを掃射しフェリーへと迫る砲撃をすべて撃ち落として見せた。
「ま、こっちの依頼は子供達を守る。お前らとは正反対でな。どうせ受けるなら、こういう依頼の方がいいと思うがさて…それじゃ始めようかね」
 銀の装甲に身を包むシルバーレイズの中で、一服を終えコクピットの灰皿に煙草を突っ込んだ我原・介司(フリーキャバリアパイロット・f30102)が、こちらに視線を向けているであろうカブトロン内のライコへと通信を飛ばした。
「ようお嬢ちゃん。ここまでよく頑張った、加勢するぜ…その分じゃ、一旦下がった方が良さそうに見えるが、それともまだ行けるか?」
「援軍!?……もちのろんです!私は大丈夫、皆をお願いします!」
「いや、お嬢ちゃんも救出対象なんだがね…まぁ言っても聞きそうになさそうだな。そっちは安心しておけ、来たのは俺以外にも…っと、そら来るぞ!」

 フェリーの中から銀のキャバリアを見上げた子供たちが、歓声を上げる。
「やった!キャバリアが来てくれたよ!」
「でも、悪い人たち、まだあんなに…」
 この場において、もっとも足手纏いである子供達にできることは、フェリーを動かす大人たちの邪魔にならないよう固まって応援の声を上げるだけ。
 子供たちは信じて諦めないでいる、不安に必死に抗い戦っている。
「呼ばれて参上!」
 その子供達の後ろから声が響く、誰かが走ってきた。
 子供達がそちらを振り向いた直後、海中から姿を現した魚型のキャバリア擬きが魚雷をフェリーへと発射…子供達がそれに気づくよりも早く、その誰かは子供達の頭を大きく飛び越え、海上へと飛び出した。
 フェリーへと魚雷が突き刺さる直前に割り込み、その魚雷を受け止めたそのキャバリアの名は【エクアトゥール】キャバリアすら覆い隠せるのではと錯覚するほどの巨大盾を有する漆黒のキャバリアだ。
「どうも子供達。猟兵です。貴方達を助けに来ました…マリオネットを配置しておいて正解でしたね」
 そのコクピットから声をかけた誰か――黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)が子供達に声をかけ、フェリーの守りに加わるとそこにシルバーレイズから通信が入る。
「よう、助かったぜ…しかし、ずいぶん派手な登場だな。見てみろよ、子供達の目がキラキラしてるぜ」
「事前情報にあった魚型のあれを警戒して備えていただけです。他意はありません…やや照れますが」
 摩耶はガリレオが捕らえた子供達の憧憬の視線にむず痒いものを感じながらも、想定していた作戦内容を僚機へと転送、それを受け取った介司とライコは思わず笑ってしまった。
「良いね、悪くない。こういう状況だ、派手にやってやろう」
「そうですね…痺れるような思い、させてあげます!」
 シルバーレイズのガトリングランチャーが唸りを上げ弾幕を形成する。
 先ほどよりもさらに速度を増して回転し、卓越した判断力で飛行する敵の機動を読み解き流れるように撃ち落とす。
 人海戦術を敵がとる以上、熟練の技をもってしてもその弾幕と爆風の中を潜り抜けた武装船や飛行艇もごく僅かに存在してしまう…が。
「よし、少しなら撃てる…カブトメガバルカン、発射!」
 ライコの叫びと共にどうにか冷却できたカブトロンの左腕機関砲が軋みを上げながらも再起動。レーザーバルカンによる第二の弾幕が、その特攻を許さない。
「これだけあれば十分です。では、後は私が…天に漂いし精霊よ」

 弾幕に次々と撃墜されゆく部隊を見て、洋平たちは再び魚型をひそかに接近させ不意打ちの機会を狙おうとし…突如として、魚型からの通信にノイズが発生し、センサー類が一気にダウンする。
 慌てふためく傭兵たちが目視で魚型を見てみれば…そこには、魚に群がる無数の黒蝶。
 戦場に、海上に存在するはずもない蝶が、ありえないほどの数でキャバリア擬きを覆い隠していた。
 摩耶のユーべルコード【胡蝶天翔(パピヨン・ノワール)】によってシルバーレイズとカブトロンが撃墜した敵機が次々に黒蝶に変換され、不意をうかがっていた魚型を次々無力化していたのだ。
 そして蝶の導きで場所が割れてしまえば…キャバリア擬きなど撃墜するにはあまりにたやすく。
 水の抵抗を全く感じさせない超高速でエクアトゥールが肉薄。
 そのまま両肩のシールドを叩き付ければ、魚型は海の藻屑に姿を変え海中に没していく。
「そのままサメのえさになってください…あ、無人機でしたか、まぁいいです。今のうちに退避を、こちら側は私たちが」
「他の子供達もやらせねぇ。だからその子たちは頼んだぜ」
「…ありがとう!」
 無数の黒蝶による導きを受け、フェリーを持ち上げたカブトロンが子供達を逃がそうと陸地へと離脱していく。
 その姿を見守りながら、未だ性懲りもなく攻撃を仕掛けてくる侵略者に己の獲物を向ける二人なのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シーカ・アネモーン
たった一機で、戦っていたのか
無謀だけど、それがヒーローの在り方なのか。
哀しいな
戦うのは兵でいい
アンヘルは守りに特化した機体ではないが、防衛は守るだけではない
友軍機カブトロンを援護する
逃げ遅れたものの情報を聞き、離れた場所から急行する
足の速さが強みだ。間に合うはずだ
敵機の進路を塞ぐべくコルセスカで制圧射撃
貴様らの相手は、あのロボットでも子供でもない。私だ
子供たちが逃げ切るまでは、盾とベイツァーセルで守り主体にしながら戦う
民間人がいるうちは、あまり派手な武装は使えないな
敵が海中に潜り込むようなら、サイコキネシスで射程内に引き寄せてみようか

邪魔だからさっさと避難しろ
……守るのは苦手だ


リリウム・マーセナリー
※アドリブ・連携歓迎

昔取った杵柄というものでしょうか。軍人時代は主に国境警備に就いていましたし、敵機の進行を押しとどめる事に注力致しましょう。

愛機『ホワイトアウト』で救出対象と侵攻してくる敵機とを視認しやすい場所をとって、そこからのロングレンジレーザーライフルを用いた長距離狙撃(スナイパー)に専念する(援護射撃)。
決定打とならなくとも精度の高い狙撃であれば、足止めくらいの意味を持つ筈です。その間に少しでも避難が進めばそれで良し、友軍が決定打を与えられるならそちらも良し。

「私は私のできる事をするまでです。――私みたいに国を無くす人はもう出てきてほしくないですから」


朱鷺透・小枝子
そこが戦場ならば、行きましょう。

回点号に搭乗操縦
『劫火業臨』高速移動からの10m程に巨大化
自らの存在を誇示するように、シールドを展開した状態で海上をスラスターの推力移動で飛び攻撃をオーラ防御
瞬間思考力で敵機を確認、マシンガンで破壊して周る!
壊してみせろ。それが出来ないのなら、壊してやる!

継戦能力、機体から発する霊物質が、カブトロンの破損を修復・消耗した武装を補充する

そこなキャバリア!戦えますか!!?
ス-パーロボットの様に、魚兵器を拳で殴り壊し、
飛び交う飛行艇をマシンガンで撃ち落とし、問う

戦えるならば、防御は任せます
行け、回点号!つっこめーー!!
吶喊シールドバッシュ、敵を巨体で吹き飛ばし壊す!


ヴィクター・ホリディ
アドリブ連携歓迎

もう大丈夫だ、よく頑張ったな
後は俺と、ヒーロー達に任せておきな

■方針
とはいえ我が相棒には広範囲武装は無しか
さてさてそれなら…

周囲の情報を【情報収集/戦闘知識】で探りつつ
カブトロンに合流

「いいかいヒーロー、この作戦はお前が肝だ。
 お前は行動不能のふりして待機、ギリギリまで動くな」
カブトロンを【鼓舞】、作戦を伝える

「俺が敵をひきつけて、お前の前まで連れて来る」
敵がカブトロンの正面に固まって進軍してくるように
【弾幕/制圧射撃/推力移動】で敵を誘導する

「そうしたら…」
作戦通りに敵が固まったら【推進移動】でカブトロンの射線を抜けて回避しつつ、【援護射撃】

「ヒーローの全力を叩き込んでやれ」



「でやぁあああっ!!」
 無事フェリーの子供達を陸地に戻し、すぐさま戻ってきて戦闘を再開するカブトロン。
 まだ、逃げ遅れている子供たちは大勢いる。カブトロンのレーダーが捉えている自国民の反応は未だ数多く、最後の一人を助けきるまでどれだけ傷つこうが彼女は戦うだろう。自分を信じてくれる誰かがいる限り。
「たった一機で、戦っていたのか。無謀だけど、それがヒーローの在り方なのか。哀しいな」
 その姿に感じ入るところがあったのか、孤独を知る猟兵、シーカ・アネモーン(忘れられた刃・f32230)はどこか憐れみを持って呟いた。
 あそこで戦う少女もまた、本来であれば守られるべき善意の人であり、兵士ではないのだから。
「まぁそう言いなさんな。ああいう事が出来るやつがいるからこの世の中には、希望ってやつがまだあるんだろうさ。とは言っても、俺にああいうのはなかなかできないがねぇ」
 そんな彼女に苦笑しながら声をかけたのはヴィクター・ホリディ(ドク・ホリディ・f30339)だ。
「あれだけ数がいるとなると、わが相棒じゃちょっと相性が悪いかね…広範囲武装はなし、さてどうしたものか」
 愛機の武装を再確認し頭をひねる彼の隣には、入念に狙撃銃の動作確認と、補正システムのチェックを終えたリリウム・マーセナリー(白百合の傭兵/ホワイトアウト・f29990)も入る。
「システムオールグリーン。駐屯部隊とのデータ連携、確立完了。各自救出対象の位置把握をお願いします…私たちは私たちに出来る事をしに行きましょう」
「では御三方。戦場です、行きましょう」
 朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)が音頭を取れば、四人の兵士が駆る四基のキャバリアが、戦場へと飛び込んでいくのだった。

「呑み込め、呑み込め呑み込め呑み込めぇー!!」
 真っ先に、この戦場で最も速い機体となった回点号がカブトロンの横を通り過ぎ、海上を滑るように敵陣へと斬りこんでいく。
 オーラを纏うがごとくサイキックシールドを展開する回点号。
 重装備であり規格外であるはずのカブトロンをさらに上回る10m級の巨大キャバリアが超高速で突っ込めば、それはもはや質量兵器と言っていいだろう。
「どうした私を壊して見せろ壊せないかなら壊してやる壊れてしまえ壊れろー!」
 思考を加速させ感情の赴くままに捲し立てながら、敵機を次々と補足しては盾を構えての体当たりで粉砕し、マシンガンの雨で蹂躙する。
 そんな小枝子の後に続く形で戦場にエントリーしたのはシーカの搭乗する空戦キャバリア【アンセル】だ。
 空戦機であるアンセルは安定した加速力で戦場に到達し、カブトロンに接近、その肩に手を置き、接触で秘匿回線を開き、通信を試みる。
「こちらは猟兵だ、聞こえるかカブトロン。一応確認するが、要救助者の位置はこれで構わないか」
「救援…うん、大体あってます!補正データを送りますから、リンクしますので救出をお願いします。援護は私が!」 
「いや、不要だ。あなたはこちらの後続からの指示を待て…息が乱れてるぞ、整えておくことを推奨する…悪いが守るのは苦手だ」
「えっ、いやそれは」
 言うが早いか、ライコの返事も聞かずアンセルもまた戦場へと飛び込んでいく。
 回点号と同様、盾と防御用の移送転換フィールドを展開し戦場を飛ぶアンセル。
 守りに特化しているとは言えない彼女の機体だが、その分速さはずば抜けている。
 超能力に頼らず、純粋な技術力によって安定した高速を成し遂げているアンセルは、戦場で暴れまわる小枝子と、飛行艇の弾幕の中をすり抜け時にその弾幕を捻じ曲げ迎撃。
 パルスマシンガンによる牽制で戦火を民間人に一切近づけさせず、要救助者の元へ到達。ピストン輸送のごとく救出作業に当たり始めた。
「はやっ…ってそうじゃなくて!いやいや私も援護しないと…危ない!」
 二人の両極端な航空戦闘とつっけんどんな言葉に呆けてしまったカブトロン─ライコであったが、何とか正気を取り戻す。その視線の先には、救助者を保護しようと止まったところを魚型メカに狙われた、アンセルがいた。
 間に合わない、せめて車線に割り込めれば、そう思って機体を動かそうとして…。
「大丈夫だ、一人でよく頑張った。閃光が走る。
「……昔取った杵柄というものでしょうか。こういった状況ならば、覚えがあります」
 レーザーライフルのスコープ越しに、風穴を開け無力化した魚型を見据えながら、リリウムが呟く。
「私のように国をなくす人は、もう出てほしくないので…いえ、この国の気風に合わせて言うなら─私の目の前では、絶対に出しません」
 国を守る戦士たちが出払っている中を狙ったこの現状に、確かな怒りを抱いて、引き金を引く。
キャバリア『ホワイトアウト』と共に、ソレイユの高台にある灯台から戦場を見下ろし、油断なくレーザーライフルに次弾をチャージ、アンセルに対する超長距離狙撃支援を続行。
 確実に撃破できる程度の相手に対しては、確実に撃破できる部分を狙い撃ちし、そうでないならばその鼻先を掠めるようにレーザーを撃ち込む。
 そうして僅かにでも動きを鈍らせてしまえば、大乱戦中の小枝子の餌食だ。
 回点号の拳を振り上げ、スーパーロボットもかくやとばかりの鉄拳制裁で敵兵器を叩き潰す。
「すごい…あの距離、あの精度に判断力、もしかしたら私以上の…」
 それと並行してカブトロンに接近しようとしている敵機の牽制までやってのけているやってのける技量に、本来であれば砲撃支援を担っているライコは思わず息を飲み、そして感謝の思いを抱いた。
 ならばこそ、自分も力にならねば。コクピットのレバーを握りしめ、カブトロンを再び鮮烈に参加させようとする。
「おっとと待った待った。あんたが動くのは今じゃないって」
 そんな彼女を、突如として通信に割り込んできたヴィクターが静止した。
「いやぁ悪い悪い、遅くなったな。まだ無事なようで何よりだ…さて」
 へらへらとした笑みを浮かべて、出ばなをくじかれたことに疑問を呈するライコにその理由を説明するヴィクター。
「いいかいヒーロー、この作戦はお前が肝だ。お前は行動不能のふりして待機、ギリギリまで動くな」
 いきなり動くなと言われ、硬直、膝をつくカブトロン。
 それを隠すようにヴィクターのキャバリアであるPrecesがカブトロンの眼前に着水。スピーカーを使用し、周囲の人々を鼓舞し混乱を防いだ。
「いやいや若い子たちは元気でいいねぇ…よーし子供達!もう大丈夫だ、よく頑張ったな!後は俺と、ヒーロー達に任せておきな!…いきなりこんなこと言われて困ると思うが、俺たちの作戦を聞いてくれ」
 こちらに近づく飛行艇をショットガンで撃ち落とし、ミサイルポッドからミサイルを適度にばら撒いて敵を警戒させる。
「俺たちが敵を引き連れて、お前の前まで連れてくる。できる限り一纏めにしてな」
 周辺の救出作業を粗方終えたのだろう、ヴィクターにシーカが合流、カブトロン周囲を飛行し攻撃に加わった。
「邪魔だったからな。非難は終わらせてきたぞ…こんな状況だというのに、元気な連中だったな」
 救出した人々の感謝の言葉を思い出し、敵である傭兵部隊に対してなんかイラっと来たシーカはサイキックエナジーを全開にし、魚型を海中から釣り上げコルセスカとソードスレイヴの一斉射撃を撃ち込み撃破していく。
 そこでライコは、徐々にだがカブトロンの損耗レベルが回復していることに気が付いた。
「そこなキャバリア!戦えますか!?」
 小枝子と回点号が放つ霊的物質が引き起こす超常現象が本来このダメージでは大規模な整備が必要なカブトロンを修復し、エネルギーまで補填したのだ…そしてその小枝子もまたカブトロンの前へと合流する。
 行きがけの駄賃とばかりに飛行艇を数機纏めて体当たりで粉砕してきた回点号まで集結したことにより敵部隊もまた集結、一斉攻撃の態勢に入った。
「いけますかどうですか?!行けそうにないなら全力で守りますがどうですか!!」
「いえ…これなら、行けます!」
 そう、これならば。
 避難が済んでいないがゆえに、消耗が激しかったがゆえに使えなかったものが使えると、ライコはレバーを握りしめる。
「よーしよーし、準備はいいな…そうしたら」
 敵の数は未だ多く、終結し迎撃に徹するキャバリア隊に対し、大攻勢に出ようとしている。
 この状況こそ、ヴィクターの狙い通り。ならば後は…。
「ヒーローの全力、叩き込んでやれ」
「─皆さん、飛んでっ!!」
 ライコの合図。
 それに合わせ猟兵達は一斉に離脱、危険域ぎりぎりまで一気に空へと飛びあがる。
 彼らを見上げながら、ライコは思う。
 こんな不甲斐ない自分に、ここまでお膳立てしてもらえたのであれば…やって見せねば、シャインの戦士の名が廃ると。
 悪に対する義憤と、猟兵達への感謝を込めて、今全力の!
「カブトロン…テラバーストッ!!」
 雷光が迸る。
 猟兵達が予知で見た切り札の、それよりもさらに強大な一撃が、集結していた敵兵器を纏めて消し飛ばして見せたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

朱皇・ラヴィニア
多勢に無勢か
ならばこっちも数を用意しよう
こちらラヴィニア、貴官を援護する
シュラウゼル――セパレートブラディエル
ボクは機体には乗らず子供たちの避難を手伝おう
両機を遠隔操縦し作戦開始だよ

装甲の厚いブラディエルを囮に323の乱れ撃ちで牽制し
シュラウゼルの147を直剣にして貫通攻撃、各個撃破を試みる
両機ともデモンヘイロゥの推力移動で速さはある
カブトロンからこちらに敵を引き寄せて
最終的にはシュラウゼルで相手をしようか

カブトロンのダメージが酷ければ……奥の手だ
ブラディエル、限定解除
強化外骨格形態に変形しカブトロンに装着
まあちょっと無理があるだろうけど、弾除けぐらいにはなるでしょ
さあライコさん、反撃の時間だ


卜一・アンリ
雷角巨兵!波を起こすわ、船を護りなさい!
行くわよ、牡丹!

海面【地形の利用】よ、敵武装船が密集しているところに
UC【頼れる相棒】の大【ジャンプ】からの【踏みつけ】【重量攻撃】!
キャバリアとしての大質量で小規模の津波を起こして【吹き飛ばし】転覆させるわ。

そのまま牡丹は【推力移動】で【水上歩行】しつつ周囲の敵機動兵器を格闘戦で迎撃。
牡丹の肩に乗ってた私は生き残った敵船に乗船、拳銃の【クイックドロウ】【乱れ撃ち】で銃撃戦よ。
手早く制圧できたら他の敵船にぶつけてやりましょう。

大の大人が寄ってたかって、それも子供を手にかけようなんて…
恥を知りなさい、下衆共が!


クルル・ハンドゥーレ
連携アドリブ歓迎

(敵傭兵の話を聞き)…ぶっ潰す、粉々にぶっ叩く
あんたら外道に渡す酸素はこれ以上あらへん

ライコさんはよう頑張った
子供らも挫けずよう諦めへんかった
これに応えへんかったら猟兵ちゃうやろ?

子供らに攻撃が及ばんようキャバリアで敵の前に立ち塞がり、攻撃が来たらかばう+オーラ防御
ジャミングで敵センサーを潰しつつ範囲攻撃+なぎ払い+吹き飛ばしで迫った敵を遠くへ吹っ飛ばす
教育に悪いブツは、いたいけな子供らの視界から出てけ!
とどめにUC使用、蝶で包囲攻撃
海の藻屑になってまえ!



 敵勢力の一部を撃滅し、猟兵達と別れ別地域の防衛に向かったカブトロン。
 中の船員たちが負傷してしまったために未だ逃げ遅れていた船を発見し、救助のため再び戦闘を開始したライコ。
 しかし如何に回復したとはいえ先ほどのテラバースト発動に加え、弾切れによりエネルギー兵器しか使用できない現状、波状攻撃に苦戦を強いられてしまっていた。
「多勢に無勢か。だがよくやっている」
 そんな光景を黙って見過ごさないのが彼女達、猟兵だ。
「シュラウゼル――セパレートブラディエル」
 海上に飛び込んできた鉛の巨人が、あいさつ代わりとばかりに武装船を蹴り飛ばす。
「ブラディエル、限定解除…ちょっと無理があるけど行けそうかい?」
 カブトロンを襲った砲撃を、主の命に応えた紅の巨人が鎧へと姿を変え、その頑強な装甲で防ぎきって見せる。
 カブトロンと共に船を守るように立つ二機のキャバリア…鉛色の【シュラウゼル】と紅の【ブラディエル】に指示を出しながら、彼らの手を借りて船へと乗り込んでいったのは朱皇・ラヴィニア(骸の虚・f29974)だ。
 そこへ、二機が蹴り飛ばした蹴り飛ばした武装船を、海をかき分けて走ってきた重厚な外見のキャバリア【牡丹】が殴って粉砕。
「遅くなったわ。子供達は無事?」
 牡丹の肩に腰掛ける卜一・アンリ(今も帰らぬ大正桜のアリス・f23623)がカブトロンに肩を貸す。
 カブトロンと船を庇うように、シュラウゼルとブラディエルはそれぞれの獲物で敵を牽制、睨みを利かせ…そこに、厳かな、どこか神のようなキャバリア…機械仕掛けの神も降り立つ。
「あ、貴方達も猟兵ですか?こんなにたくさんの人たちが…」
 猟兵、世界に噂される超級戦力。それが、先の戦場も含めこれほどの人達がこの場に集まってくれた事に、ライコは思わず感極まっていた。
「えろう遅くなってごめんなぁ。ライコさん、あなたよう頑張った。子供らも挫けずよう諦めへんかった…せやから、私ら間に合ったわぁ。これに応えへんかったら猟兵ちゃうやろ?」
 クルル・ハンドゥーレ(逆しまノスタルジア・f04053)が、涙を浮かべるライコに優しく声をかけ、集まった三人の猟兵に目を配れば、牡丹が力強く拳をぶつけ、シュラウゼルとブラディエルはその機械の目に光を迸らせた。
「まったくその通りね。これ以上指一本だって触れさせやしないわ…そうよね、牡丹」
【ヴォ!】
「気合、十分みたいやな。ところで船の方は?」
 船に視線を向ければ、すでに操舵室へ移動していたラヴィニアから通信が入る。
「こっちで確認中、ちょっと失礼するよ…こちらはラヴィニア、貴官を援護する。もう所属は言わなくても大丈夫かな?」
「…本当に、ありがとうございます!離脱はできそうですか!?」
「うーん…幸いエンコーダを応用すれば自分でもなんとか操縦できそうだし、最悪キャバリアに後ろから押させればいい。だとすれば問題は…」
「敵の数よね…おいそれと逃がしてはくれなさそうね。いったいどこから湧いてくるのやら…」
「ええ、全くです。これほどの数が此処までたどり着けるなんて、いったいどうして…?」
 ライコとトーが疑問の声を上げていたその時、ふと敵の部隊長がキャバリア達の睨みに竦む周囲の傭兵たちへ檄を飛ばす。
「お前らびびってんじゃねぇ!獲物はまだまだたんまり残ってんだ稼ぎ時だぞ!雇い主からの連絡だ、落とすのはあの角のキャバリアと子供達だけでいい!そうすりゃ俺たちは億万長者だ。わざわざガキしかいない時間帯に穴を作ってくれた雇い主様の心意気に応えてやろうじゃねーかぁ!殺せぇ!」

「…ぶっ潰す、粉々にぶっ叩く」
 クルルが、キレた。
 機械仕掛けの神から怒りのオーラが立ち上る。
 その光景に戦場が凍り付く中、真っ先に、牡丹が大きく海上から跳躍する。
「─雷角巨兵!波を起こすわ、船を護りなさい!行くわよ、牡丹!」
 牡丹が大跳躍で敵陣へと飛び込み、ただでさえ戦火で荒れ狂う海にさらなる津波を引き起こして見せた。
 ライコが慌ててカブトロンで船を担ぎ上げれば、目の据わったクルルが立ち上るオーラを壁にして波を防ぐ。
「…ライコさん、ここは私たちが何とかするから、はよ逃げ」
「……任せても、良いですか」
 歯を食いしばりながら、ライコが頼む。
「もちろんや…ほんま、よう頑張ったなぁ」
 牡丹が引き起こした戦場の混乱に乗じて、シュラウゼルブラディエルも、それぞれに備わる片翼の翼で低空を飛び、斬りこんでいく。
「…よろしく、お願いします…ラヴィニアさん、行きましょう!」
 ラヴィニアが船を動かし、陸地に向け進路を取る。
 その様子を見届けたクルルは…それまでライコに向けた優しげな表情を消して、傭兵たちを睨みつけた。
「あんたら外道に渡す酸素はこれ以上あらへん…生きて帰れると思うな」

「大の大人が寄ってたかって、それも子供を手にかけようなんて…」
【ヴォォォ!ヴォォォォ!!】
 一方こちらは最前線、クルルと同様、先程の言葉に怒りを露にしていトーと牡丹が暴れまわって戦場をかき乱していた。
 重量級である牡丹が跳躍し、海を駆け回ればそれだけで幾度となく津波が発生する。
 その為、波に煽られ武装船は次々に転覆し、海中の魚型も下手に顔を出せずにいた。
「…まぁ正直、ボクもだいぶ怒っているんだよね…加減は無用だよ、ゼル、エル」
 牡丹に対して、編隊による一斉射撃で押し込もうとする飛行艇の部隊。
 それを、牡丹と共に格闘戦を繰り広げ、巧みなカバーをなしていたブラディエルが電磁速射砲をばら撒いてその編隊をかき乱し、強襲したシュラウゼルが撃破する。
 空と海、傭兵たちはその両方の主導権を完全に奪われてしまっていた。
 おまけに…。
「恥を知りなさい、この下種共が!!」
 後方に逃げ延びようとしていた隊長用の船に、トーが奇襲を仕掛ける。
 牡丹に投げ飛ばされ一気に戦場をぶち抜いての奇襲、人外の速度で繰り広げられた早撃ちに情人である傭兵が叶うはずもなく、数的不利をものともしない銃撃戦の末制圧してしまったことにより、いよいよ傭兵たちに逃げ場はなくなった。
 だがそれでも、敵の攻撃は止まらない。
 やけくそか、あるいは金に目がくらんだか。
「まったく、まったくやんなるなぁ…子供達の教育に悪いわ、あんたら」
 その姿を冷ややかな目で見下していたクルルが、子供達の手前とセーブしていたユーベルコードを起動する。
「教育に悪いブツは、いたいけな子供らの視界から出てけ!…海の藻屑になってしまえ!」
 無数に飛び立つ銀炎の蝶が、微塵の容赦もなく傭兵たちを焼き殺す。
 操縦者も司令塔もない兵器群などもはやただの案山子でしかなく…。
 これ以上悪用されてたまるかとばかりに、入念に破壊しつくされるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

シホ・イオア
助けを求める声がするなら
駆けつけるのが猟兵だよね。

「輝石解放、ゴールド! おいでませ、妖精のお宿!」
海岸線にドーンと城壁を作っちゃおう。
身を隠す場所があればスーパーロボットも守りながら戦えるだろうし
飛行艇以外は侵入を遅らせらことができると思うしね。
ついでに避難に必要な橋とかトンネルとか避難所とか作れるよ。

さて、守りを固めたら空へ。
飛空艇のお相手だね。
ガトリングの弾幕? 空飛ぶハートの射撃? 光輪で切り刻む?
何なら乗り込んで剣で制圧しちゃおうか。

アドリブ連携歓迎。


テラ・ウィンディア
ああ…助けが来るか分からないのに
いや…そんなもの関係なくずっと守ってたんだな…
ならば!
助けに来るのが道理だな!

【戦闘知識】
侵攻する敵陣の動きの捕捉
更に水際からの防衛に適した位置の捕捉

よぅ
どんな手品を使ったか分からないけど
お前らが物量で来るなら
こっちも遠慮しなくていいよな?
UC発動
70機
【属性攻撃・砲撃・重量攻撃】
各自防衛に適した位置に配置
海の敵機に向けて重力波砲撃を掃射!
残りと本体
【空中戦・見切り・第六感・盾受け・残像】
機神を引き連れ突撃しながら敵の反撃は飛び回り残像を残し回避
更に盾で受け止め
【串刺し・二回攻撃・早業】
槍で串刺しにして他の機体が切り裂き
殲滅に掛かる

基本不殺は心がける



 一方此方は【ソレイユ】の海岸線。
 猟兵達の参戦と、それまでのカブトロンの奮闘によって何とか陸地へ非難ができた人々が、まだ避難できてない人々をどうにかして助けねばと走り回っていた。
 そんな行きかう人々の中で、二人の猟兵は今も戦っているであろうスーパーロボットと少女を想う。
「この場の人達もそうだが、誰一人として諦めていないな」
「うんうん、皆戦ってるね」
 テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)が呟けば、その周囲を飛ぶシホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)も同意する。
 道行く大人や子供が、彼女たちに声をかけてくる。
 避難を促す人もいれば、こちらを心配してくれる人もいた。
 誰もが、助けを信じて動いていたし、今も戦う戦士を信じていた。

「助けを求める声がするなら、駆けつけるのが猟兵だよね」
 海岸線の向こうに、避難している船を守る傷だらけのカブトロンがやってくきている。
「ああ…助けが来るか分からないのにいや…そんなもの関係なくずっと守ってたんだな…自分一人でも絶対助けると、どっちこもっちも諦めてないな…」
 シホが、テラが、海岸線へと飛び込み、その力を開放する。
「ならば!助けに来るのが道理だな!」

 最後の船が港へ向かう姿を見て、傷だらけのカブトロンが此方を追ってきた侵略者へ向き直る。
「あと少し…あと少しで非難が完了する…少なくとももう海に人はいない…!」
 だからこそ、この敵を街へと入れてはいけないと、再び自身に喝を入れる…と、突如として、背にした海岸線から轟音。
「輝石解放、ゴールド! おいでませ、妖精のお宿!今回はいつもより豪華に言ってみよー!」
 振り返れば、海岸線にずらりと並ぶ幻想の城塞、城壁。
 その壁の上から此方を見下ろす、スーパーロボットの姿があった。
 スーパーロボット、三界神機の一角、白の機神の名を【ヘカテイア】。
 そのコクピットの中で、テラが此方に攻めてくる最後の敵部隊の動きを補足した。
「よぅ、驚いたかお前ら。そっちがどんな手品を使ったか分からないけど、お前らが物量で来るなら」
 水飛沫が上がる、地響きを立て、城塞が揺れる。
「こっちも遠慮しなくていいよな?」
 複製された100機のスーパーロボット【ヘカテイア】が、居並ぶ侵略者をにらみつけ、立ち上がった。
 戦場も、数的優位も、敵を利するすべての要素が、たった二人の猟兵の手によって覆された光景に、呆然とその雄姿を見るライコはもはや笑うしかない。
 ヘカテイアたちが、それぞれの持ち場でそれぞれの武器を構える。
「さーて、それじゃあ…大どんでん返しの、始まりだぁ!」
 ソレイユの民間人の歓声を背に、戦いの火蓋は落とされた。

「えーと、こっちにトンネルを用意しておいて…後、船が通れるようにこっちには隠し水路を…あ、いっそ船から降りて貰って橋を架ければ!うわーやることがいっぱいだよー!?」
 敵味方の砲撃が入り乱れる中、シホは城壁の中を走り回り次々と必要なもの、思いついたものを形にしていく。
 なにせキャバリア百機分という大戦力まで想定したつくりにしないといけないのだ、広げても広げてもまだ足りない。
 一周回って作り甲斐すら感じながら、息をヒィヒィ切らせて漸く満足の行く程度に戦場を整えた彼女は、空で激闘を繰り広げる31機のキャバリアを見上げる。
 下を見下ろせば、70機のヘカテイアがそれぞれテラが割り出し、シホが作り上げた最適なポジションに陣取り、重力波砲撃を休みなく撃ち込み続けて海上はおろか海中の敵戦力を撃破している。
 ようやっと自分の本来のポジションに戻れたカブトロンもそれに加わり、複製キャバリア達と共に即席の合体攻撃を作り上げ、城塞の中でひとまずの補給を受け今までのうっ憤を晴らすがごとく撃ちまくっていた。
 そんな蹂躙劇の中でも、できる限り死なせぬようにと兵器、武装、戦力のみの破壊に集中しているというのだからよくやるなぁと思いつつ、まぁそこまでやるな自分もやるかとシホも空中の戦いに参戦する。
 シホが合流すれば、そこではテラが操縦するヘカテイア本体に引き連れられた30機の複製ヘカテイアが、飛行船を翻弄し撃破していた。
 重力を操るヘカテイアの、慣性やら物理法則やらを振り切った軌道に、従来兵器である飛行艇が追いつけるはずもなく、漸くとらえたと思ったそれすら残像。
「数に頼ってばかりだから、こうなるんだよっ!!」
 それまで複数で一基を攻撃していた付けと言うべきか、一対一になると飛行艇部隊はてんでなっておらず、宝剣によって串刺しにされたうえでコクピットを刈り取られ、ご丁寧に海まで放り落とされている。
 卓越した空中戦の腕前と、超人的直観、更に加えるならそれを100もの複製隊に共有できる経験にかかれば、既存兵器の軍団など敵ではない。

 そして、合流したシホをレーダーで捉えたのだろう、その小ささゆえに、新手のドローンか何かだと油断し、その容姿ゆえに、金になるとこの期に及んで欲を出して所を攻撃する飛行艇も現れた。
「ん~、下の守りはもう万全みたいだし…よーし、シホも頑張っちゃうぞー!」
 ブーツに仕込まれたやたらカラフルな弾幕が、空飛ぶ不思議極まりないハートが、光り輝く光輪が、機関銃をばら撒いている飛行艇が哀れに見えてくるほどの火力が一機の飛行艇に叩き込まれる。
 一体その小さい体のどこにそんな大火力を隠していたんだとばかりの一斉砲撃で、あっという間に飛行艇を落としつつもパイロットを死なせず海へ抛り捨てたシホも次なる目標を探して空を飛ぶ。
 いかな大部隊とはいえ、最後のゴールが難攻不落になってしまえば…そもそもの前提として、防衛に穴が開いているからこその大攻勢だったわけであり。
 その大前提が完全に崩れ去った今、傭兵たちはついに降伏。
 猟兵達の参戦により、敵の第一陣は見事撃滅され、まず一つ、未来が変わったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『量産型神機『ケートス』』

POW   :    対海上兵器鎮圧機構『絶海への誘い』
命中した【砲台より射出される超合金ワイヤーアンカー】の【先端】が【無数の針】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
SPD   :    海中戦術機構『エノシガイオスの刺客』
敵より【水中戦に特化している】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
WIZ   :    海中集団戦術機構『海獣達の狩り』
【砲台から打ち出される水中特化ビーム砲撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【同じケートス達からの集中ビーム砲撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 無数とも思えるような侵略者の大軍は、猟兵達の活躍によって撃滅された。
 だが、これで終わりではないことを猟兵達は知っている。
 最後の敵傭兵部隊撃破を確認したにも関わらず、何かを警戒している彼ら彼女らの様子にカブトロンもまた、動力炉の火を落とさずじっと戦場を見据え…カブトロンの長距離レーダーが複数の【よく見知った】高エネルギー反応をキャッチした。
「これは…このエネルギー波形って、まさか!?」
 ソレイユの町に、海から無数の砲撃が降り注ぐ。
「ま、にあえぇぇぇ!!」
 既に登録済みの反応であったが故に、その初動をこの場のだれよりも早く察知できたライコは即座にカブトロンのエンジンをオーバーロードさせ、雷光を放ってそれを迎撃する。
 すべての砲撃を打ち落として見せた代わりに、損耗の激しい状態で過剰出力を出してしまったカブトロンは炉心の安全装置が機動…動力が停止し、糸が切れたかのように倒れ伏す愛機の中で、ライコは怒りに震えていた。
「…その子たちは、私たちの仲間だったんですよ…それが、それがどうして、貴方達なんかに…!」
 高波と共に、ソレイユの町を襲った存在が海上に飛び出す。
 鯨もかくやの巨体を持つ、7mはあろう魚型のシルエット。
 先ほどまで相手をしていた魚型マシンとは、大きさも武装の量も桁違いであるその機体の名は【神機・ケートス】。
 先ほどまでの既存兵器とは大きく違う、超兵器らしい超兵器であるそれらを、ライコはよく知っていた。
 なにせあの子は、このソレイユの町をはじめとした港町を守るため配備された、れっきとしたシャインキングダムの防衛戦力であったからだ。
 量において他国より劣るこの国において、貴重な量と質を両立できる機体としてこの近辺で発掘され、この国の防衛戦力として登録されていた、友軍として登録されていた機体であったからだ。
 そんなあの子が、この国にその砲台を向けていた。
「はっ、俺たちはついてるぜ。こんな良い物大金出したって手に入んねぇんだからよぉ!まったく雇い主様万歳だぜ、前払いで現物ポンと用意してくれてよぉ!」
 げらげらと、下卑た笑い声がケートスの広域通信で流されている。
 挑発か、あるいは動けぬカブトロンを嘲笑ってか。
「噂に名高いシャインの超兵器が●っと手に入っちまったんだからなぁ、笑いが止まんねぇぜおい!」
「まったくですねぇ…えー、それでは皆さん。一区画壊滅に付き固定額は増額、指定された避難シェルターを破壊すれば別途増額、スコアによっては個別に上乗せしてくれるそうですので、張り切っていきましょう」
 一機、また一機と海中からその姿を現し、それまでソレイユを守ってきたその砲台を街に向けるケートスの群れ。
「やめて…その子達で、この町を壊さないで!」
 再度、主砲にエネルギーがチャージされる。
 ライコ一人では、もう守れない。
 だが、この場にいるのは彼女だけではない。
 その蹂躙を許さないとばかりに立ちはだかる猟兵達を前にして、先程の戦闘を見ていた傭兵たちはその狙いを猟兵に変える。
 この町を守っていた守護神達が、この町を地獄に作り替える。
 そんな悲劇を決して起こしてはならないと、猟兵達は再び海へと飛び込んっで行くのだった。
朱皇・ラヴィニア
ごめんね、ライコさん
機体も街も直せば元に戻る
でも、生命だけはそうはいかない……だから
少し荒っぽくやらせて貰うね

オブリビオンマシンが無くても
人はこうも度し難い行動を取るんだね
勉強になったよ。それじゃあお返しだ

砲撃を止めればいいかな? だったら……
ヘイロゥで推力移動し敵群の直上へ
狙いをこちらに絞らせながらヴォイドを起動
やってごらんよ。出来るものならね

さあどうする? 何が起こっているのか理解出来ないでしょ
目的は敵部隊を海上へ誘い出す事
姿が視えれば海の上からでも十分に攻撃が届く
タイミングを合わせてヴォイドを解除し323の乱れ撃ちの貫通攻撃
早く逃げないと溺れちゃうよ?
尤も……手加減するつもりはないけどね


シホ・イオア
「来て、たいやき! 力を貸して!」
まずは熱帯魚に乗って海へダイブ!
狙いは敵神機に侵入しての制圧だよ。
うーん、この海賊戦法☆
観察したところお腹の方には武装がないっぽい?
陸上との戦闘に夢中で隙のありそうなのを狙ってー
排水溝とかエアダクトとかいざとなったら穴をあけて内部にエントリー。
侵入が無理ならUCで小さくして力比べで水中から引きずりだす。
あとはシホの火力で制圧するお仕事です。

乗務員の無力化に成功したらUCで小さくして島に運びます。
戦後の防衛力は多いほうがいいもんね。
戦況次第では何回か繰り返せるかな?

アドリブ連携歓迎。


クルル・ハンドゥーレ
アドリブ・連携歓迎

黒幕はあとで引きずり出して
ギタギタにどつきまわしてから骸の海に叩き返すとして。
今嬉々として攻撃してる輩にも
ここに来たこと、必ず後悔させたる
かならず
あんたらがあんたらに相応しいものを手にしますように

ジャミングしつつUC花逍遙展開
迷路の高さと幅はケートスがようよう通れる程度とし
迷宮により初撃の射線の自由度を限定
初撃は戦闘知識で計算・見切り
もし見切れなくとも
初撃に続く砲撃は迷宮で迷子もしくは密集してたら…自分等の仲間撃ってまうんちゃう?
誘爆したらこっちのもの
見切り成功なら出口で待ち潰す
敵UC凌げばドローンとともに範囲攻撃・マヒ攻撃・鎧無視・毒使い
可能ならケートスをマヒ攻撃で取り返す



「…ごめん、ライコさん。機体も街も直せば元に戻る。でも、生命だけはそうはいかない……だから」
「黒幕はあとで引きずり出して、ギタギタにどつきまわしてから骸の海に叩き返す……あの連中もここに来たこと、必ず後悔させたる。堪忍な」
 朱皇・ラヴィニア(骸の虚・f29974)とクルル・ハンドゥーレ(逆しまノスタルジア・f04053)が、静かに、食いしばるように背にしたライコに向けて謝罪し、言外に宣言する。
 ケートスを、攻撃すると。
「……お願いします。あの子達を止めてあげてください」
 ライコの、絞り出すような言葉を聞いた二人はさらなる怒りををケートス達に、その搭乗者たちに向ける。
 さてどうしてくれようかこいつらと二人が視線をかわした所で…。
「来て、たいやき! 力を貸して!」
 ちっちゃな熱帯魚にライドしたちっちゃなシホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)が海へとダイブしていった。
「「…………ん?」」

(うわわわわ…思った以上に海流やばーい!?)
 単身、精霊と共に海中から敵陣に突っ込んだシホ。
 選管のごとき砲台をメイン武装に持つケートスであれば、腹回りからの武装も少ないであろうと予想してのダイブだったが…予想外の事態が三つ。
 一つは、先の戦闘で発生してしまった大量の漂流物に乱れた海流。
 一つは、予想を上回る、ケートスの機動性。
 なにせ、シホの数十倍のスケールを持つ巨体が所狭しと海中を移動し回っているのだ、流れに乗ろうとしてもまた別の流れに捕まってしまう。
 そして最後の一つは…予想以上にシホが警戒されていたことだった。
「あのサイズであれほどの火力…キャバリアの天敵ですが、いると分かれば対策もできるというもの。伊達酔狂で逐次投入してるわけじゃないんですよねぇ我々も!!」
 先の戦闘でシホが見せた、キャバリアにも匹敵する大火力。
 その小さな体で航空機を落とすその姿は、傭兵の幹部を警戒させるには十分であり、シホが飛び込んできた時点で複数のケートスが彼女の周りを泳ぎ回ることでその自由を封じていた。
 あとはこのまま疲弊した所をケートスの質量で物理的に潰せばいい、いやあれほど珍しい生き物、その手の好事家に売れば高く売れるかも…と、インテリ系幹部が構想を練りながら、合図を出すタイミングを見計らう。
「…キャッキャッキャッキャと、本当に腹立つわぁ」
 ガチン、と。
 無数の漂流物を巻き込みながら、海中に花が咲き誇り、鋼の茨がケートスの装甲に傷をつけながら巨大な壁となる。
「………は?」
「百花繚乱、徒然に、廻り廻りてゆく末は――このあたりがちょうど良さそうやね。まったく、節穴やなぁ」 
 【花逍遙】クルルのユーべルコードが創り出す、茨の迷路。
 シホばかりに気を取られていた傭兵たちが混乱し、茨にぶつかっては機体を損傷させていく。
「お…おお、落ち着きなさい!ケートスは海戦機、各自ソナーを使用すればこの程度、脱出は容易です!」
 混乱しながらもどうにかソナーを起動、迷路を抜けようと泳ぎ、通路に詰まりそうになりながらも集結しゴールを目指す。
 ゴールの先、冷めた視線をケートスに向けるクルルを集まった傭兵たちは一斉にターゲティング、その砲台をクルルに向けた。
「所詮は生身…撃てぇ!」
 一斉にトリガーを引く。反応なし。
「……撃てぇ!!」
 もう一度トリガーを引く、反応なし。
 カチカチとむなしい音がそれぞれのコクピットに響く。
「なんだ…いったい何が起きている!?」
 突如として発生した異常なシステムエラー。
 慌てふためいているのか、広域通信で喚き散らす敵幹部に溜息をつきながら、クルルはそっと海上を指差した。
 海上、直上。
 そこには、傭兵たちが知る由もない、青い海を侵食するもう一つの海。
「オブリビオンマシンが無くても、人はこうも度し難い行動を取るんだね…勉強になったよ」
 そこには混乱するケートス達を上から見下ろすシュラウゼルとラヴィニアが居た。
 オブリビオン・ヴォイド─合体し、双翼となった翼と光の輪を背に空に佇むシュラウゼルが骸の海を放出し、ケートスが持つ射撃武装の全てを無力化している。
「もういいよ、ゼル。それ以上は僕らが持たない…さて、どうでるかな?」
 骸の海が消えていく。
 射撃武装がメインのケートスにとって骸の海の汚染は致命的だが、過剰な放出はそのままシュラウゼルとラヴィニアをも汚染しその命を奪う、諸刃の刃。
 だからこそ、クルルの迷路によって混乱した所に使用し、さらなる混乱の呼び水として使用した。
 結果、海上で発生した未知の超エネルギーに、泡を食ったように進路を変え、海上へと殺到、茨の壁に何度もぶつかりながらも海上のシュラウゼルへ砲撃を放とうとする。
「あぁ、やっぱりそう来るよね。何が起こっているのか理解できなければ、それは怖いよね…でもさ」
 再びトリガーが引かれる、今度こそ砲撃が放たれ…同士撃ちを始めた。
「そら、そんだけ密集してやたらめったら撃ちまくれば、そうなるわなぁ…あーあー、ご自慢の砲台がぼろぼろ…ま、仲間を仲間と思わんあんたらにはふさわしいんちゃう?」
 道の減少が引き起こした恐怖は、傭兵たちにその狙いを定めさせず、結果ケートスは海上を撃とうとして我先にと飛び出した味方を撃つ羽目になった。
 そうして、仲間に撃たれる形で海上に顔を出したケートスに対して、ラヴィニアは一切容赦しない。
「君らがやろうとしたことはこういう、一方的な事だろう?それじゃあ、お返しだ」
 合体し出力の向上したシュラウゼルが、電磁速射砲【323Fラピッドラプター】を片手に一丁ずつ構え迎え撃つ。
 降り注ぐレールガンの雨が、傷ついたケートスの装甲を穿ち風穴を開けていく。
 静かな怒りと共に手加減無用と撃ちまくるラヴィニアだが…ふと、海上に浮かんでいたケートスの姿が掻き消えた。
「ステルス機能…?いや、これは…」
 小さな反応を追って視線を陸上に向ければ、轟音と共に、消えたはずのケートスが陸上に打ち上げられる。
 ご丁寧に、中の傭兵は茨で簀巻きにされ浜辺に転がされており、いつのまにか海から上がっていたクルルが毒花の香気で失神させていた。
「あの妖精さん、うちの茨の中でようやるわなぁほんと」
「…なるほど、その手があったか」
 感心する二人…一方、その光景を見ていたライコは何が何やらと目を白黒させるばかり。
 そこに、また一機浜辺にケートスが打ち上げられ…その陰から、肩で息をするシホが現れた。
「せ、戦後の防衛戦力は、多い方が、良いもんね…」
 シホのユーベルコード【小さくなあれ】。
 メダルを張り付けた相手を、シホと同サイズにまで小さくしてしまう打ち出の小槌の力。
 混乱でさらに荒れ狂う海流の中、シホは精霊と共に迷路の中で必死に海流に乗りながら隙を伺い、その力を使うタイミングを伺っていたのだ。
 そして、混乱がピークに達した所でケートス内部にエントリー…この時点で複雑な内部機構や海水の排出機能にだいぶひどい目にあわされたが、それでも何のこれしきと突破し、コクピット内の傭兵を海賊よろしくサクッと無力化して捕縛。
 打ち出の小槌で小さくして引きずり出した後、ケートスへメダルを張り付け小さくし浜辺まで運んでは打ち上げ運んでは打ち上げ…を繰り返していたのだ。
「彼女サイズまで小さくなれば、消えたように見えても当然か…しかし」
 ラヴィニアが浜辺に打ち上げられたケートスの数を数えれば、その数は一機や二機ではない。
「中に入ってまた出てきて、だけでも時間がかかるというのに、よくもまぁあの数を…」
「えへへへ…ブイ!」
「……ありがとう、ございます…!」
 ケートスの中で被ったのであろう煤をぬぐい、カブトロン内部で涙を滲ませるライコに向け、ブイサインを向けるシホなのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

黒木・摩那
サメのエサにするはずでしたが、釣れたのはクジラでしたか。
味方のはずたった機体が寝返ってしまった経緯は不明ですが、パイロットについては遠慮する必要はなさそうです。

水中戦は得意ではないですが、それもやり方次第。
地上は攻撃させません。

ヨーヨー『エクリプス』をキャバリアサイズにアップします。
それを水中で操って、砲台を破壊します【武器落とし】。

ケートスにヨーヨーのワイヤーを絡めたり、相手からのアンカーが盾に刺さったところでUC【獅子剛力】を発動。
逆にケートスを振り回して、釣り上げます。

一度、クジラ釣ってみたかったんですよね。


卜一・アンリ
…結局はキャバリアですもの。使い手次第で神にも悪魔にもなるわ。
中に入れてちょうだい、私の牡丹。奴らの好きにはさせられない。

牡丹の背部パーツにUC【悪魔召喚「フォカロル」】!
80超の魔獣の翼を生やした、牡丹【水中戦】形態!

海を泳ぐのがご自慢のようだけど、その程度じゃ私と牡丹の敵じゃなくてよ!

UCの翼で支配した周囲の海水を高速回転することで作る渦潮による【範囲攻撃】!
【吹き飛ばし】てしまえば足並み崩れて集団戦術どころじゃないでしょう。
それに耐えるようなら渦潮の流れを操作、逆に此方に【おびき寄せ】たところを牡丹の【怪力】で叩き壊してやるわ。

こんな事をしでかすのですもの…覚悟はできているのでしょうね!


テラ・ウィンディア
そっか…あれはお前らの友だったんだな?
うん?ヘカテ…お前もなんか悲しいのか?
乗り手には逆らえないもんな?
【戦闘知識】
敵の陣形と動きと癖の把握
【空中戦・属性攻撃】
重力属性を機体に付与
海上を飛び
【見切り・第六感・残像・盾受け」】
動きを見切り残像を残し飛び回り攻撃は回避
アンカーは盾で受け止め即座に盾パージ

お前等さぁ…甘い話には裏があるって事を教えてやるよ
直接お前らにな?

UC発動
【結界術・呪詛・化術・催眠術】
結界で機体を閉じ込め…そこに恐怖を巻き起こす呪い…更に周囲に化け物達が機体の中に現れて襲う悪夢を見させ自ら脱出させるよう促し

可能な限り機体は傷つけずに中の人間だけを引きずりだすよう努める



 少数と言えど、ケートスは量産型神機。
 その数は未だ多く、撃破された部隊を見た一部の傭兵が海中へと潜水、猟兵からの攻撃に備えるべく体制を整えようとしていた。
 海中にひそみ、猟兵を待ち構えるケートス達。
 海中で手ぐすね引いて待っていることが理解できてもなお、早く対処せねば別の部隊が街を砲撃してしまうだろうし、放っておいて街を守っている間に横槍を入れられるのもよろしくない。
 ならば、と一部の猟兵達が他の猟兵に街への対処を任せ、上等だといわんばかりに海へと飛び出していく。
 そうやって飛び出した猟兵の中で、空中を飛びながらライコに通信を開きケートスの情報を確認しているのはテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)だ。
「そっか…あれはお前らの友だったんだな?うん?」
 ふと、コクピット越しに自らの機体から感情のようなものを感じ取った。
 無念、哀悼、冷たい思い。
「ヘカテ…お前もなんか悲しいのか?…乗り手には逆らえないもんな?」
「…結局はキャバリアですもの。使い手次第で神にも悪魔にもなるわ。例外はオブリビオンマシンだけ」
「だからこそ、ああいった連中に渡ってしまうと、厄介極まりないといったところでしょうか…お話を聞く限り、味方のはずたった機体が寝返ってしまった経緯は不明ですが」
 テラのヘカテイアに抱えられて空を飛ぶのは黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)の駆るエクアトゥールと、卜一・アンリ(今も帰らぬ大正桜のアリス・f23623)を肩に乗せた牡丹だ。
「あの言動を聞く限り、パイロットについては遠慮する必要はなさそうです」
「ええ、そうね…中に入れてちょうだい、私の牡丹。奴らの好きにはさせられない。徹底的にやってやるわ!」
【ヴォ!!】
 自身も怒り心頭だと言わんばかりに応えた牡丹が、ついにそのコクピットを開きトーを中へと迎え入れる。
 それを確認したヘカテイアが手を離せば、重力に従い二機は落下。
「水中戦は得意とは言えませんが…では、先鋒は私が」
 超能力によって落下速度を加速し、水泳の飛び込み選手のような奇麗なフォームでエクアトゥールが海中へと飛び込む。
「フォロカル!」
 牡丹もまた飛び込む。その最中、トーが叫び、悪魔召喚を執行。霊力によって導かれた魔獣たちが牡丹の背へと集結し、無数の翼へと姿を変えていく。
 これぞ悪魔召喚、これぞ【牡丹】水中戦形態。
 翼をはやしながらもさらに重量を重くした牡丹も続けて水中へと飛び込み、高い水飛沫を上げたのだった。

「さて、得意とは言えないですが…ううむ、やはり待ち構えてましたか」
 先に飛び込んだエクアトゥールを、待ってましたとばかりに陣形を張っていたケートス達が四方八方からアンカーを撃ち込む。
「ですが、どんな戦いもやり方次第でどうにでもなります…地上は攻撃させませんよ」
 襲撃を受け怯える子供達の顔が、自分たちを見て希望に目を輝かせた子供達の顔が摩那の脳裏によぎる。
 超能力廃止の力、絶対に、こいつらをここから通さないという意思が、摩耶の超能力を増幅させる…コクピットからエクアトゥールの手元へと飛ばされたヨーヨー【エクリプス】が、そのままエクアトゥールが扱える大きさにまでサイズアップ。
「はぁっ!?ヨーヨーだぁ!?」
 傭兵の部隊長らしき男が何か叫んだが、そんなものはどうでもいい。
 エクアトゥールにエクリプスをキャッチさせ、それを素早く振り回す。
 ストリングに至るまですべてが謎金属で構成されたエクリプスの頑強さはケートスのアンカーのそれを上回る程。
 それを念力で加速させれば、水中であろうと地上と同様のパフォーマンスを発揮することができる。
「まったく、サメのエサにするはずでしたが、釣れたのはクジラでしたか……それはそれで、釣り甲斐がありますね!」
 唸りを上げて水中を走るヨーヨー。
 アンカーを絡めとり、巻き取って縛り上げてしまうことでケートスの方が引っ張られていく。
 しかし、如何にエクアトゥールの力が強くとも、複数の巨大キャバリアと纏めて力比べをするのはいささか難しい。
「さて、そろそろいいでしょうか…ではお願いします」
「ええ、任されたわ…海を泳ぐのがご自慢のようだけど、その程度じゃ私と牡丹の敵じゃなくてよ!」
 選手交代、待ってましたとばかりに水中へ飛び込んできた牡丹が続く。
 悪魔【フォロカル】より与えられた翼は、水と風を支配する力を持つ。
 であればこそ、水中戦でその力は生きる。
 全身を捻るように回転し、牡丹が海中に波を起こす。
 一回転、二回転と回れば回る程に波は強まり…瞬く間に、波は渦潮へと変わる。
 こうなってしまえば、人型ではないケートスに、抵抗することは難しく。
 自慢の集団戦術も、この大渦の中ではまるで機能することもできない。
「大渦だと…!?やべぇぞお前ら、一旦下がれ!距離を取ればどうとでも…っ!?」
 隊長の指示の下、アンカーに絡めとられた機体たちを見捨て距離を取ろうとする傭兵たち。
 だが、下がれない。
 トーが動けばそう来ると直感していたテラが、そうはさせないと逃げ道を塞いでいる。
 下がろうと思ったはずなのに、見えない檻のようななにかがそこにはある。
 ぶち破ろうとビームを撃ち込んでもそれは壊れず、見えない何かがただそこをふさいでいる。
「逃がしはしねぇよ…!」
 魔術の神、ヘカテイア・ウィザードモード。
 テラの魔力を媒体に、キャバリアサイズまでその魔術を拡大する神機ならではの超機能。
 同胞への扱いに怒りを覚えていたヘカテイアが、テラの心意気に応え全力で作り出した結界は、ケートスの全力攻撃を受けてもびくともしなかった。
 それならば、とアンカーを上空の何かやっているであろうキャバリアに、ヘカテイアに撃ちだすケートス。そう言った判断ができるあたり、そこそこ腕利きなのだろう。
 だが猟兵は、そこそこどころではない腕利き揃い。
 遮二無二放ったアンカーなど、結界を維持しながらでも避ける事など造作もない。
 ましてや、重力操作由来の飛行能力を持つヘカテイアと、超人的直観を持つテラのコンビにかかれば、アンカーの軌道を先読みすることなどたやすく、海上へ飛び出した時点で、アンカーはその勢いを殺されてしまう。これでは万に一つも突き立てることはできないだろう。
「お前等さぁ…甘い話には裏があるって事を教えてやるよ」
  ダメ押しとばかりに、結界を狭めていくテラ。悪党どもに、容赦はしない。
 「おお、良い波です。これなら、十機で二十機でも…!」
 右往左往しているケートス達をついに渦潮が捉える。
 それを見た摩那はエクアトゥールの出力を最大にし、エクリプスのストリングを巻き戻しアンカーごとケートス達を引き寄せる。
「な…めんじゃねぇぞ小娘どもぉっ!!」
 そこに、一機のケートスが突出してきた。
 エクリプスを避け、大渦に乗って見せたそれは、この場の傭兵たちを率いていた隊長であり、実力も頭一つ抜けていたようだ。
(ゼロ距離でアンカーをぶち込んでやれば、どんなキャバリアだろうがっ!!)
「ガキが大人の仕事の邪魔しやがって!覚悟はできてんだろうなぁ!!」
 加速する隊長機のケートス…そこに、牡丹が立ちふさがる。
「此方のセリフよ、大人気ない大人さん。こんな事をしでかすのですもの…覚悟はできているのでしょうね!」
 答えは聞かず、求めず。
 振りかぶられた牡丹の拳が、真正面からケートスのアンカーと衝突し…これを鉄拳にて粉砕。
 そのまま、隊長機のケートスまで一撃で殴り壊して見せた。
「知ってる情報、キリキリ履いてもらうわよ!!」
 コクピットをもぎ取り、海上へと上がる牡丹。
 指揮官が居なくなり、ワイヤー越しにケートスに乗る傭兵たちの混乱を感じ取った摩那は、ここが勝負どころと念動力を全開、渦潮に巻き込まれたすべてのケートスを絡めとる。
「力場…解放っ!!」
 大渦の勢いを乗せ、ジャイアントスイングよろしくケートス達を纏めて振り回しながら会場へと上昇するエクアトゥール。
「一回やってみたかったんですよ、鯨の一本釣り…そぉれ!」
 海上へと飛ぶと同時、エクリプスのストリングが解かれ、美しい放物線を描いてケートス達が地上へと釣り上げられ放り投げこまれた。
「さて動けはしないが…ついでだ」
 近づいたヘカテイアがケートス達に手を翳す。
 再びの魔法、ートスを素通りし中の傭兵たちに直接撃ち込まれたそれは幻惑の呪い。
 夥しい数の海の化け物が、コクピットの下から次々と湧いて出てくる悪夢を見せてやれば、傭兵たちはたまらずコクピットを開放し飛び出してきたのを確認したテラは、三度目の魔法で傭兵たちを拘束。
 戻ってきた摩那、トーと共に無人となったケートスを安全な所へ運び込むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
花道殿にあの機体の名を問います。自分はまだ知りません

機械は、使う者次第。それだけの事…だが!それでも苛立たしい!!

故に。
深海適応、回点号を操縦し水圧を軽減する事で水中戦に対応
スラスター推力移動、シールドを展開、オーラ防御と海中機動を合わせて、敵機に接近し、そのまま接触

『3番目の加速機』その機体、返してもらうぞ!
ケートスにスラスター増設、操縦権奪取
早業、戦闘能力を増加させた機体を掴み、推力移動で回避機動
念動力、水圧軽減をケートスに付与

進め、ケートス!!
瞬間思考力で両機体を操り、敵機へ弾幕や砲撃を行い、
呪詛、命中した機体へスラスター増設、操縦権を奪取し追従させ、
折を見てケートスに脱出装置あれば作動


ヴィクター・ホリディ
アドリブ連携歓迎

「ヒーロー、お前は少し休んでな。
 何、俺達を信じて待ってろってだけさ。悪いようにはしないよ、多分ね?」

■方針
シャインキングダムにあるケートスの情報を【情報収集】し【戦闘知識】で解析する
戦力としての登録があるなら機体の性能や構造情報もあるはずだ
知りたいのは攻撃範囲、そしてコクピットの位置

海面ぎりぎりから【推進移動/限界突破】で接近
敵の攻撃範囲に入った瞬間にUCを発動
一気に接近し、ダインスレイフの【重量/貫通攻撃/部位破壊】でコックピットの一点を貫く

傷は最小限に、撃ち抜くべきは病巣のみ

「子供を泣かしっぱなしって訳にもいかないんでね。
 喜んでるいるところ悪いが、この子は返してもらう」



「…花道殿。かの機体の名は、なんと」
 朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)が、ライコに問う。
「倒すべき機械の名を、自分は知りません」
「…ケートス、神機ケートス。昔の人達はそう呼んでいたみたいで、私たちもそう呼ぶことにしました…あの子たちの名前は、ケートスです」
「ケートス、認識しました…では、自分はこれで」
 言葉を切って回点号と共に海中へ潜っていく小枝子。
 それをを見送りながら、カブトロンの横で通信を繰り返しているのはヴィクター・ホリディ(ドク・ホリディ・f30339)のキャバリア、Preces(プレケス)だ。
「うーん、あれは相当きてるねぇ…ま、ヒーロー、お前は少し休んでな」
 カブトロンの肩に手を置き、この場において数少ない大人として、努めて優しい声でライコに声をかける。
「何、俺達を信じて待ってろってだけさ。悪いようにはしないよ、多分ね?」
(貰うもんは十分貰ってるし、これでできなきゃ笑いものだな)
 ライコを安心させつつ、駐屯部隊から送られてくるデータを精査し解析にかける。
「さーて、傭兵崩れに、本職の意地ってやつを見せてやりますか」

 回点号が、爆発的な速度で海中を突き進む。
「機械は、使う者次第。それだけの事…」
 自分自身に言い聞かせるように、思考を巡らせる。
 戦場を把握しようとカメラアイに視線を巡らせれば、迎え撃とうとやってくるケートス達の姿。
「だが!それでも苛立たしい!!」
 瞬間、沸騰。
 さっきまでの冷静な様子を即座にぶん投げた小枝子が、滾る感情そのままにスラスターの推力を全開にした。
 怒りが、超能力を増幅させる。
 回点号の周囲を球場のサイキックシールドが覆い、水を受け流しながら加速。
 それに応戦したかのように一機のケートスが前に出た…激突。
 魚型と人型、形状のまったく違う両機が水中で戦闘機さながらのドッグファイトを繰り広げる。
「おおおおお!その機体、お前たちが持っていていいものではない!!」
 数度の激突の中、小枝子が叫ぶ。
 体当たりで機体を揺さぶりつつ、できる限り機体そのものにはダメージを負わせない。
 此方を粉砕する期の相手に対し、ケートスを取り返すという鉄の意志で無茶を押し通し、タイミングを計る小枝子。
 しかし、目の前の相手は傭兵の中でも格上なのだろう…周囲を旋回する他のケートス達からのちまちまとした横槍も相まって、タイミングが掴めない。
「はいはいもしもーし、聞こえてるか~」
 そこに、味方からのなんとも気の抜けた通信。
「何でありますか今忙しいんでありますが切っていいですか斬りますよこの通信!!」
「おいおい待て待て、とっておきを持ってきてやったから、そのまま泳ぎ回りながら聞いてくれって」
 港から戦況を観測していたヴィクターからの通信。とっておきと言う一言に、小枝子は視線をケートスから外さず、しかししっかりと耳を傾ける。
「ヤァ、聞いてくれているようだな、ありがとう。ちょっと精査に手間取ってな…ケートス、乗っ取るんだろう?そいつの情報、構造、全部纏めてきたぜ」
 そう言って回点号にデータを送信するヴィクター。回点号がデータを受け取ると同時に、それを反映…敵武装の射程距離が、コクピットの位置が、各機体ごとの微妙な癖までもがモニタリングされる。
 これこそヴィクターのとっておき。先程助けた駐屯部隊の職員らからケートス関連の情報を片っ端から受け取り、この短時間で纏め切って見せたのだ。
 そして、もう一つのとっておき。
「子供を泣かしっぱなしって訳にもいかないんでね。喜んでるいるところ悪いが、この子は返してもらう」
 周囲を回遊するケートスの一機に、風穴が開く。
 それは、コクピットのみを狙ったすれ違いざまの一撃。
 最小限の一撃でケートスを無力化したPrecesは、そのまま瞬く間に海上へと引き返していく。
【Doorway to Nowhere】
 リミッター解除によってあっという間に海中の戦場まで到達し、切り札であるダインスレイフを叩き込み無力化、すぐさま離脱する鮮やかな手並みに傭兵たちの間に動揺が走る。
 無茶な加速で肉体を傷つけ少なくないダメージを負いながらも、あからさまな動揺を見せた傭兵たちを見て、一応ヴィクターは小枝子に確認を取ることにした。
「これだけあれば、行けそうか?」
「潤沢すぎるでありますな!」
 どの武装が、どのあたりに、どう来るのか。
 その情報さえわかれば、常人を大きく上回る速度の思考力を持つ小枝子にとって予測を立てるのは容易いこと…であれば、タイミングも読めるというもの!
「その機体、返してもらう!!」
 再度の激突の瞬間、超能力を増幅し加速。
 隠し持っていたメガスラスターを、ケートスへ無理矢理接続させた。
 無理矢理に増設されたスラスターを通じて、ケートスの操縦権がパイロットから小枝子へと移り変わる。
 こうなってしまえばもはやどれだけ操縦桿を動かそうとケートスはもはや反応しない。
 今この瞬間、この時だけは、このケートスの主は、小枝子なのだから。
「進め、ケートス!その本懐を、存分に果たすであります!」
 了解したとばかりに、ケートスが吠える。
 回天号をケートスに跨らせ、二機の機動力を合わせて急発進。遠隔操縦でケートスを操り、横槍を入れてきていたケートス達を追い立てる小枝子。
 一番の実力者を無力化された傭兵たちにその逆襲を対処することは難しく撤退しようと散開するケートス達。
 一機たりとてにがしてなるものかと、それを追いかける小枝子なのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

天音・優歌
あなたの助けを求める声
その声に応えましょう
いくよ、メソテース
魔導書からメソテースを召喚し乗り込みます
優しき歌より来たりて!无音の世界に……天からの音を降らせよ我が半身!汝、无に還す者!メソテース!

攻撃が命中した対象に追撃を加えるのね
なら、複製したフロネシス・スパーダを盾にして接近させてもらうかな
UCを発動し複製したフロネシス・スパーダを盾にしつつ接近
UCで牽制し動きを封じた相手に剣で攻撃します
攻撃は最小限に
なるべく武器だけ破壊してパイロットも殺さないように
敵とはいえ殺したくないし



 ケートス達は、量産型の機体である。
 であればこそ、時に悪事に使われ時には会に使われることも少なくない。
 そんな中で、このシャインキングダムに発掘されたケートス達は、人々の平和を守る役割を与えられていた。
 量産型であるがゆえに、人工知能などと言う高尚な物を搭載しているわけでもなく。
 それでも、街を守るその姿はどこか誇らしげで。
 街を襲うその姿は、どこか悲しげであった。
「あなたの助けを求める声、その声に応えましょう」
 だからこそ、彼女もまたこの戦場へと参戦する。
「行くよ、メソテース」
 子供達の、少女の、誰かの助けを求める声に導かれ、天音・優歌(メソテースの書・f30005)が戦場へ降り立つ。
 そして、彼女が戦場へ降り立つとき。
「優しき歌より来たりて!无音の世界に……天からの音を降らせよ我が半身!」
 白亜の機神もまた、その姿を現すのだ。
「汝、无に還す者!メソテース!」
 白光に包まれて出現する機神、メソテース。
 その姿は、街の人々にシャインキングダムを守る英雄たちの姿を想起させる。
 振り向き、守るべき人々の姿を確認したメソテースは、優歌を自らに搭乗させ、街へと降り注ごうとしていた砲撃に立ち向かっていった。

「初弾が命中した目標に対して、集中して追撃を仕掛けるのが彼らの戦術みたいね…それなら、こうしてあげるわ!」
 魔法の力によって空を行くメソテースがその剣を掲げれば、その剣と同形状の剣が魔力によって複製され、無数の盾となって空を走る。
 街へと降り注ごうとしていた砲撃をすべて迎撃させながら、自身を狙う砲撃に対しても剣を割り込ませて防ぐメソテース。
 ぐんぐんと距離を詰めていき、砲撃をかわし、うち落としながらついにケートスを見下ろせる位置にまでたどり着いた。
 だが、その姿を見たケートス達は海へと逃げようとする。
 かなわないと見るや、即座の逃亡。
「逃がしはしないわ。貴方達にこれ以上、日常を壊させはしない!」
 メソテースが再び剣を掲げれば、魔力が注ぎ込まれ刀身が宝石のごとく輝きだし、さらに巨大な剣へと姿を変える。
 自身の身の丈を超えるほどになったその剣…フロシネス・スパーダを、ケートスが逃げようとする海に振り下ろす。

 斬!!
 風切り音が陸上まで響き渡り、海もろともケートスの砲台が斬り落とされた。
 半身を切られバランスの崩壊したケートスはまともに泳ぐこともできず。
「できれば、敵だろうと殺したくないから武装だけ斬ったわ…でも、次は」
 今度は完全に両断される、そう確信した傭兵たちは油断なく再び剣を振り上げていたメソテースに、降伏の通信を入れたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『エビルガーロボ』

POW   :    チェンジ・ダゴン「メイルシュトロム」
自身の【超高速回転する八本の腕】から【あらゆる物を飲み込む、激しく大きな渦潮】を放出し、戦場内全ての【キャバリアの防御力と機動力】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
SPD   :    チェンジ・パズス「エビルマッハ」
【腕から生える巨大なドリル】で攻撃する。[腕から生える巨大なドリル]に施された【超音速による分身と残像攻撃】の封印を解除する毎に威力が増加するが、解除度に応じた寿命を削る。
WIZ   :    チェンジ・サタン「オブリビオンスパーク」
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【光り輝く全身】から【あらゆる生物を一瞬で消滅させる邪悪な閃光】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は仇死原・アンナです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「降参だ、降参する!!!命だけは助けてくれ!!」
 ケートスから逃げ出した猟兵達を確保し、ついでに生き残りもまとめて縛り上げた猟兵達。
 迫りくる神機からソレイユをの町を無事守り切った彼ら彼女らだが、戦いはまだ終わっていない。
 この町の守護神を傭兵たちに手渡したのは誰だ?
 この国の警護の穴を縫うかのごとく手引きしたのは誰だ?
 その元凶を絶たない限り、この悲劇は再び訪れるだろう。そう直感した猟兵達がその黒幕を探そうと動き始めたその時、深海より現れようとする機影に、誰かが気が付いた。
「チェーンジダゴン、トリガーセット!!」
 深海より飛翔する、異形の機影。悪魔のごとき羽を持ち、どこか生物を感じさせる装甲に身を包んだキャバリア。
 カブトロンより、ケートスよりもさらに大きい、20m以上はあるのではないかという巨体は、あるいは、スーパーロボットと呼ぶべき存在なのか。
 否、悪魔の羽を広げて猟兵達を見下ろすその姿、その気配は…。
「ちょっとは消耗させられると思ったけど…前金あんなに積んだのに、進捗一割とは、笑わせてくれるよまったく」
 猟兵達は直感した…やつこそがオブリビオンマシン、ならばそのパイロットこそ!
「初めまして、猟兵諸君!…とは言っても、ぽっと出の僕がいきなり話しかけても誰だって顔をさせてしまうだろうなぁ、と言うわけで自己紹介を」
「その声……イール・ライザー先輩?遺物研究局のイール先輩ですよね!?」
 カブトロン、ライコの声が響く。前向上を遮られたパイロット…イール・ライザーは苛立たし気に舌打ちした。
「……チッ、正義おバカはこれだから困る。ご紹介に預かりましたシャインキングダム遺物研究局長官の娘でそこのガキの先輩のイール・ライザーとその愛機イビルガーロボだ…さて」
 こちらに武器を向ける猟兵達に、八本腕の一部で腕組をしながら残りの腕で万歳しながら器用に拍手をするイビルガー。
「まず敬意を表するよ、余計なお節介をどうもありがとう、えーと、猟兵だっけ?よくもまぁこんな辺境の島国にまで首を突っ込みに来るよね、噂には聞いていたけど君ら暇なの?まったく僕らの計画にこんなところで歪みが…おっと口が滑った」
 ゆっくりと降下し、海面に立つイビルガー、戦場に、涙交じりに叫ぶライコの声が響き渡る。
「いったいなぜこんなことを…貴方も平和のために、一緒に頑張ってたじゃないですか!ケートスだって、先輩が研究して見つけて、街を守るために配備してくれたのに…この町に何の恨みがあって、こんな!!」
「あーうるさいうるさい、そう言うの大っ嫌いなんだよ僕。とにかくだ、薄々察していると思うけど、この機体こそ君たちが探し求めているっていうオブリビオンマシンってやつさ。いろいろ喋りたいけどまずは…ごみを処分、と」
 器用に動き回っていた腕が、突如として渦を巻き、空中に竜巻を描く…その先には拘束された傭兵の生き残り達。
 だが、その竜巻を、復帰したカブトロンの雷鳴が相殺する。傭兵たちを守るようにその前に立つカブトロン。
「……役立たずのゴミだよ?」
「それでも、もう戦えない人たちです……私が、手出しをさせません」
「…話を戻そうか。僕が何でこんなことをしてるのかと言えば、僕個人の理由はヒーローヒーロー騒いで夢見るガキどもを潰したかったってだけ。いろいろ根回ししたけど、政治的なあれそれとかそう言うの期待してたのなら残念僕は外れ」
 コクピットが開く。中には、けらけらと笑う黒幕、先輩と呼ばれるにはあまりに小柄な、小学生のような見た目の少女、イール・ライザーの姿がある。
 瞳には卑屈さが宿り、それでいて、周りの物を馬鹿にしているようにも見える。
 オブリビオンマシンの洗脳を受けたからなのか、あるいは元からそうだったのか。
 彼女の詳しい生い立ちも、その性格も猟兵達の知る由ではない。
 だが、ひとつわかるとすれば…目の前の少女は、心からの悪意と身勝手を持って、多くの犠牲を出そうとしていたこと。
 悪魔のごとき機体に相応しい邪悪さを、今その身に秘めているという事だ。
「御覧の通りこんな見た目だからねぇ!!皆の憧れキャバリア乗りなんかにはなれなくてさぁ、体育じゃいつもびりっけつ!18にもなって調べ物しか能の無いインテリってやつ!?」
 声を荒げコクピットを閉じたイール。イビルガーの目に暗い光が灯った。
「あー喋った喋った、これだけ説明すれば十分かな!?そーんな僕でも、こいつに乗ればこんな港町の一つや二つ、簡単にぶっ壊せるんだ…君たちも、ぶっ殺せるんだよ、猟兵」
 八腕をソレイユに向けるイビルガー。だが、それにカブトロンが立ち塞がる。
「…猟兵の皆さん。ソレイユはカブトロンが、雷角巨兵が何が何でも守り抜きます。だから……決着を、頼みます」
 ライコが、怒りをこらえるような声で猟兵達に告げる。
 彼女は察している、損耗の激しい自分たちは足手纏いだと。
 だからもう一度力を貸して、代わりに戦ってくれと、情けないと思いながら頼み込む。
「……第一目標、雷角巨兵も倒しきれないとか、マジで雇った意味ないなあいつら。何度も何度も助けてなんて呼ばれて君たちも大変だねぇ猟兵!今なら逃げても背中は追わないし笑わないよ。人間誰だって死にたくないからね!……で、どうする?」
 猟兵達は、武器を構えカブトロンの前に立つ、それが答え。
「OK、この国の連中以外にもバカ入るんだ、勉強になったよ…じゃあ死んでくれよヒーロー諸君!!」
 邪悪なるマシンが咆哮する。
 シャインキングダム、ソレイユ防衛線。
 その最後の戦いの幕が、今開かれた。
クルル・ハンドゥーレ
アドリブ・連携歓迎

事情はよう分からへんけど
手段は思いっきり下衆やし
…業の深いことやねえ
どつくんは決定事項やけど

でもテカテカ光るって…
害虫っぽいし、厨にわくG目指しとるん?


WIZ
先制攻撃+見切り
敵UC完全発動前に当UC迷宮の光が漏れぬ奥深く放り込む
超スピードでも狭い場所での小回りは別のはず、高速で壁にぶつかるダメージを期待
光は迷宮の鋼荊で敵に反射

出口で待ち構え
まだ光が続いているなら隙間をドローンでカバーしつつ全力で盾受け+オーラ防御+武器受けし反射
反撃はフェイント+毒使い+マヒ攻撃+鎧無視攻撃でどつく

ふん、バカ言うても脳天気な全能気取りやのうて
手の届く範囲はどうにかしたいゆう欲張りなバカなだけや


我原・介司
【心情】くっシルバーレイズを調整してたら出遅れちまった…だが会話は聞いてたぜ。だがちょっと言いすぎだなクソガキが…ライコの嬢ちゃんの為にもお前は倒させてもらうぜ…!てめえの所業に落とし前をつけてもらう!

【作戦】冷静に【落ち着き】つつ対処していくぜ。敵の攻撃は【見切り】で回避するか、ブレードで【武器受け】か【受け流し】て防御だ。そしてレーザーで奴の翼を【部位破壊】して動きを緩めた所を【2回攻撃】のガトリングランチャー掃射で攻撃だ…
「笑わせんなガキが…そんなに暴れたきゃ家でお遊戯でもしてな。」(絡み・アドリブOK)


黒木・摩那
これは大きなオブリビオンマシンですね。
まるで、あなたの野心そのものが体現したようです。
しかし、大きすぎる野心もキャバリアも置く場所がなくて、迷惑なだけなんですよね。

もう少し小さくしたほうが世のため人のためです。

キャバリア『エクアトール』を囮にします。
【ダッシュ】&【シールドバッシュ】で近接して、オブリビオンと戦います。
オブリビオンが「メイルシュトロム」を使ったら、キャバリアを乗り捨てて、マジカルボード『アキレウス』に乗り換えます。
あとは渦巻に乗って、再度、オブリビオンに接近。
魔法剣『緋月燭欄』からのUC【波紋共鳴】で多すぎる腕を減らします。



「これは…大きなオブリビオンマシンですね」
 黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)がキャバリア越しに、相対するする巨大兵器を見上げながら呟く。
「まるで、あなたの野心そのものが体現したようです」
「野心、野心。言ってくれるねぇ。でも大なり小なり野心ってのは普通の人間は持っているものだろ?エビルガーロボ、深海の邪神を参考に造られたという超兵器、その同型機であり僕専用の超兵器がこのイビルガー…僕から見れば君たちの方が小さいと思うがねぇ、大人と子供かな?」
 摩那の言葉に反応したのか、イビルガーを起動させたイールがイビルガーの視線を直接下に向けさせ、見下し嘲笑する。
「なるほど、野心を持つのは確かに普通の事でしたね…しかし、大きすぎる野心も無駄に大きいキャバリアも置く場所がなくて、迷惑なだけなんですよね」
「……おい」
「もう少し小さくしたほうが」
「ちょっとまて」
 イールが静止するが、摩那は特に気にしない。
「世のため人のためです」
「…じゃあまず君が小さくなればいいんじゃないかなぁ!チェンジダゴン!!」
 ガギン、音を立てて両腕が八腕へと展開する。
「僕はその言葉が大っ嫌いなんだよぉ!!消し飛べ、イビルガーメイルシュトロム!!!」
 八腕が唸りを上げる。水をまき上げ戦場全体に破壊を齎すキャバリア殺しの超兵器【メイルシュトロム】が作り上げた渦潮が、指向性を持って摩那へと放たれた。
  エクアトゥールの出力を最大にし、盾を構え突貫する摩那……激突。
 激しい水飛沫にエクアトゥールが捕らわれる。
 摩那が即座にコクピットから脱出、ボードへと飛び乗ったのを見たイビルガーが、追撃のためにさらに腕を広げた。
「…やっとこさ調整終わったわぁ、ええタイミング、ありがとなぁ」
 二発目のメイルシュトロムを撃つまでの僅かなクールタイム。
 摩那が乗機を囮にし、注意を引くことで作り出したその隙を狙って、クルル・ハンドゥーレ(逆しまノスタルジア・f04053)が自らのユーベルコードを差し込んだ。
 戦場を、鋼の茨が覆い尽くす、対イビルガーに調整した特製の迷宮。
 超巨大キャバリアという規格外の、それも戦場全体を崩壊させる力を持つ存在が一機のキャバリアに集中した瞬間を狙っての割り込みにイビルガーが硬直する。
「…面倒なことをしてくれるね」
 八腕を収納するイビルガー。今この状況でメイルシュトロムを起動すれば、崩壊した茨が自機にも傷をつける可能性が浮かんだからだ。
「これで僕を封じたつもりなら、ちょっと見通しが甘すぎるんじゃないかな?」
「さてはて、どうやろなぁ…ところであんさん、ちょっと質問なんやけど」
「答える義理があるとでも?」
 光も届かぬ迷宮の深層がにわかに照らし出される。イビルガーの出力が増大し、装甲から光が漏れ出しているのだ。
「…やっぱりそう来るわなぁ。いやな、ちょっと気になったんやけど…なんでわざわざそんなてかてかするん?ほんまは厨に湧く黒いあれでも目指しとるん?」
「───だぁれがGだぁぁぁぁぁ!!!!チェンジサタン!!」
 多少は乙女らしい恥らいでも持っていたのか、絶叫したイールがトリガーの引き金を引き、迷宮を飛び出した。
 【オブリビオン・スパーク】命そのものを消滅させる邪悪な光を撒き散らしながら、迷宮の茨で傷がつくのもお構いなしに我武者羅にイビルガーが飛ぶ。
「君たち猟兵ってのは人をおちょくるのが趣味なのかなぁ!今そっちに行くからちょっと待ってろ!!!」
 がりがりがりがり、装甲が削れるのもお構いなしにイビルガーは飛ぶ。無茶苦茶な光の軌道を描きながら迷宮を踏破するその反応に、冷めた視線を向けつつも内心で冷や汗を流すクルル。
(事情はよう分からへんけど手段は思いっきり下衆やし…業の深いことやねえ。しかしほんまに子供っぽいけど…思った以上に硬いし、でかいし、えぐいわぁ)
 迷宮を構成する茨が次々消滅していく。反射でイビルガーにダメージを与えようとしているが…イビルガーは生物の範疇にないのか、いまいち効果が薄い。
(どつくんは決定事項やけど、さて間に合うか)
 油断なくドローンを展開し、盾を構え待ち構える。
 轟音が何度も響き渡り…光の塊が海上に飛び出した。
 咄嗟にドローンと連携し、光を街へ届かないよう反射するクルル。
「光ってるだけで害になるってほんま、けったいやなぁ!!」
 そんな彼女にイールは、イビルガーは容赦なく襲い掛かる。

「─すまん、出遅れた!!」
 飛び出したイビルガーにミサイルが降り注ぐ。
 ありったけのミサイルを吐き出しながらクルルの元へと着水したのは我原・介司(フリーキャバリアパイロット・f30102)とその乗機シルバーレイズだ。
「まったく、せっかく補充したミサイル、もう使い切っちまったぜ…話は聞かせてもらったぜクソガキ」
 先の傭兵との戦いで消費した弾薬を補給し乗機の調整のために一度下がっていた介司だったが、どうやら通信でこれまでの会話をしっかり聞いていたようだ…随分と怒っている。
「事情は俺も知らんが、ちょっと言いすぎだなクソガキが…ライコの嬢ちゃんの為にもお前は倒させてもらうぜ!てめえの所業に落とし前をつけてもらう!」
「クソガキってのはそこの諦めない中毒のバカの事を言うと思うんだけどねぇ!…くそ、炉心に無茶させ過ぎたか、なら…チェンジパズス!」
 生物実のある腕の装甲が展開、内部からイビルガーの腕を覆うように巨大なドリルが生えてくる。
 そして、イビルガーが加速した。
 音速に近い速度での突撃戦法【エビルマッハ】だ。
「ハハハハハ!君たちにこれが見切れるかい!?」
 無数の残像を並べながら海上を走るイビルガー。その視線の先には、自信を挑発してきたシルバーレイズの姿。
「なるほど、確かに早い…だがその速度なら、なんとかなるな」
 残像を解析し、息を整え、集中する。
 介司はこちらを威圧するかの如く残像を増やし此方に迫るイビルガーを見ながら、焦ることなくブレードを構えた。
 音速に近い速度でイビルガーが走り、すれ違いざまにシルバーレイズへ攻撃を加えていく。巨大兵器からの音速の攻撃を完全に避け切る事は、流石に最新鋭機でも難しい。
 だが、介助の経験による軌道の見切りがシルバーレイズへの致命傷を防いでいた。
「小さいやつはほんとちょこまかしてくれるよねぇ!」
 苛立ちを隠さない罵声と共に迫るドリルの一撃に、介司はブレイドを構え、努めて冷静に受け流す。
「おいおい、笑わせんなガキが…そんなに暴れたきゃ家でお遊戯でもしてな。ほらそこだ!」
 ドリルを受け流し、イビルガーが離れた瞬間捉えた背中にガトリングの弾幕を叩き込む。
 羽の付け根を狙った一撃は、破壊こそできなかったものの明確なダメージを負わせたのか、イビルガーの動きが静止した。
「……本当に、本当に君たちは言ってくれるねぇ。真正面からねじ伏せてやろうと思ったけどもう面倒だ、全部消し飛ばしてやる!」
 八腕が展開する。それぞれの腕には先ほどまでいびるマッハに使用していたドリルが備わっている。
「チェンジダゴン&パズス!!メイルシュトロム、最大出力!」
 両腕が回り、ドリルが回る。海をかき乱す荒波が渦潮となり戦場を崩壊させようと唸りを上げる。
「……ここまで波に乗るのは本当に疲れたのですが」
 その渦潮を乗りこなす影が一つ。
 マジカルボード【アキレウス】で荒波を乗りこなし、高波で飛び上がって渦巻く腕に肉薄する。
「お前はっ!?」
「ずいぶん時間はかかりましたが…周波数同調完了。発振」
 超振動を伴う衝撃波がイビルガーの腕に飛ぶ。
「まずは、二本」
 斬!!
 回り続けていたイビルガーの腕が二本、勢いよく斬り飛ばされたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

卜一・アンリ
貴女の身の上話とかどうでもいいわ。
私は、人の人生滅茶苦茶にする「それ」に恨み骨髄というだけだもの。

…叩き潰してやるわ、オブリビオン。

UC【悪魔召喚「フォカロル」】、今度は【空中戦】よ。
先程と同じく支配した海水と風を纏い飛翔。
敵UCについては牡丹に供給する私の霊力に退魔刀の【破魔】を載せ、それを支配する海水を通し【オーラ防御】【武器受け】!

ご存じかしら、インテリさん。光って水を通れば減衰するそうよ!
増してや邪悪という概念名乗るならば、それこそこちらの領分というもの!
牡丹、機関全開!

そのまま風を操る【範囲攻撃】で牽制。
こちらの間合いで失速した瞬間を【見切り】【ダッシュ】、牡丹の【怪力】で打ち砕く!



 轟音が海に響き渡る。
 それは、鉄の拳と鉄の拳がぶつかり合う音。
 怪力無双の巨人同士が激突する音だ。
【ヴォオ!!】
 卜一・アンリ(今も帰らぬ大正桜のアリス・f23623)の乗り込んだ【牡丹】が、海水を纏いながら空を行く。
 再び大渦を起こそうとしたイビルガーを阻まんと、背に備えられた翼を広げ飛翔し、イビルガーの拳と熾烈な格闘戦を繰り広げている牡丹。
 牡丹の怪力をもってしても、巨大兵器であるイビルガーが相手では拮抗するのがやっとだが…それでも、牡丹の意志は怯まない。
「貴女の身の上話とかどうでもいいわ。私は、人の人生滅茶苦茶にする「それ」に恨み骨髄というだけだもの」
 それは、内に乗せた主の、正しき怒りを知っているが故に。
「…叩き潰してやるわ、オブリビオン」
【ヴォオオ!!】
 主の意志を果たさんと、牡丹が咆哮する。
「人生なんて、ちょっとしたことで無茶苦茶になると思うがねぇ…まぁ、僕も君が乗る「それ」は大っ嫌いだから、お互い様かな…」
 牡丹との激突を繰り返しながら、イビルガーの中でイールが呟く。
「この国じゃあ古代兵器がもてはやされてさぁ、それを操れる奴はアイドルもびっくりのスター扱いさ…だから、僕もそれが嫌いだ」
 イビルガーが羽を広げ、牡丹から距離を取る。
「だからさぁ…消えてくれよ猟兵!!チェンジサタン、トリガーセット!!」
 イビルガーが光り輝く。
 全身に邪悪の光を纏った特攻形態へと至ったそれが、命を見境なく奪う閃光と共に牡丹へ突っ込んだ。
「ご存じかしら、インテリさん。光って水を通れば減衰するそうよ!」
 だが、牡丹はそれでも怯まない。
 主の力がそんなものに負けるはずがないと、信じているから。
 悪魔の翼が操る海水が、牡丹を覆うように巨大な球体となる。
「増してや邪悪という概念名乗るならば、それこそこちらの領分というもの!」
 魔を打ち破る霊力を注ぎ込まれた海水が、光で蒸発しながら邪悪の光を相殺する。
 牡丹が纏っていた海水がすべて蒸発した頃には、邪悪な選考もまた力尽きていた。
「今よ牡丹、機関全開!」
 牡丹が加速する。
「それを許すと思うかなぁ!?」
 イビルガーが加速…しようとして、突風に押し戻された。
 魔中の翼は水と風を操る。
 今の今まで温存されていたそれが、風の塊となってイビルガーを押し留める。
 そしてその突風は、そのまま牡丹の背を押し、さらに加速させる。
【ヴォオオオオ!!】
 剛腕、直撃。
 トーの意志を込めた、牡丹渾身の右ストレートがイビルガーの顔に突き刺さり、そのカメラアイを砕き、恐ろしげな顔にに大きな罅を作り出したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

朱皇・ラヴィニア
厄介なマシンが相手だね……
ボクは君の事を詳しくは知らない
けれど、ここにいる人達は皆悲しんでいる
だから、先ずはそれを止めるよ

シュラウゼル、セパレートブラディエル
レコードブレイカー……イグニッション
操縦したままリミッター解除
自らを肉体改造、真の姿の一端を見せようか

そのまま推力移動で敵機に近付きつつUC発動
これを使わざるを得ないとはね――行くよ、ゼル
巨人の手にした事象を書き換える槍で全ての残像を打ち消し
真正面からドリルを貫通攻撃、近付いてグラップル
430展開、拘束対象を敵機に変更して捕縛する
それじゃあお話をしようか、先輩
相手はボクじゃ無いけど……さあ、ライコさん!
ボクが正気でいられるうちに、決着を!


朱鷺透・小枝子
デモニック・ララバイに搭乗操縦

つまり…嫉妬ですか?
羨ましかったのですか?
『歌操器』で敵搭乗者へ淡々と問いかける
聴覚に直接掛る声は防げない。魔音の催眠術
魔音は敵搭乗者の心の聞かれたくない問いへと変化し
相手の心の闇を曝け出させ怒りを引き出す

それが貴女の本心ですか?
呪詛、魔音で荒ぶる彼女の認識を歪め
遠隔操縦でディスポーザブル02群を適当に戦わせ、破壊させて猟兵を倒したと誤認させ油断させる

透明化迷彩で隠した02数機で、敵機の全身に組み付き、
重力制御での重量攻撃。機動力を奪い
ララバイの衝撃波音で高周波振動刃化した戦鎌を振るい、マシンの首を切断

自分はマシンを破壊する。彼女の処遇は花道殿達にまかせます



「厄介なマシンが相手だね……」
 海に墜落したイビルガーの起こした水飛沫を見やりながら朱皇・ラヴィニア(骸の虚・f29974)は自分の愛機に語り掛ける。
「ボクは君の事を詳しくは知らない。けれど、ここにいる人達は皆悲しんでいる」
 海の中からイビルガーが立ち上がった。
「だから、先ずはそれを止めるよ」
 決意を込めて、彼女はこの戦場で初めて自らのキャバリアに乗り込んだ。
「シュラウゼル、セパレートブラディエル」
 深紅の鎧【ブラディエル】をパージ、赤の巨人がシュラウゼルの傍に控える。
「レコードブレイカー……イグニッション」
 内から現れたのは、戒めを解かれ光り輝く鋼の巨人。
 アカシックレコーダによって絶えず変質していく肉体に精神を削られながら、ラヴィニアはシュラウゼルの真の力の、その一端を使うために歯を食いしばってその苦しみに耐える。
 黒い槍を携え、ブラディエルが見送る中、シュラウゼルが飛翔する。
 重力を無視したかのように、光によって押し出されていくシュラウゼル。
「…猟兵ってのも、ずいぶん物騒なものを持ってるじゃないか。チェンジパズス、トリガーセット!」
 腕からドリルを生やし、無数の残像と共にイビルガーが迎え撃つ。
「これを使わざるを得ないとはね――行くよ、ゼル」
巨人が槍を翳す。ただそれだけで、全ての残像が掻き消える。
「その力──僕らと同質か!?」
 シュラウゼルが手にする槍は事象を書き換える黒の槍。
 骸の海の力を収束した、あらゆるバッドエンドを認めぬ禁忌の槍。
 その力に正気を削り取られながらも、ラヴィニアが槍を突き出しドリルと真っ向から勝負する。
 僅かに、拮抗。
 やがてドリルと槍が、オブリビオンの力同士が互いを崩壊させ合い、最後にはゼロ距離へ。
 ドリルを再生させるため下がろうとしたイビルガーを、シュラウゼルから伸びた無数の帯が拘束する。
「それじゃあお話をしようか、先輩相手はボクじゃ無いけど……」
 街を守るライコへと通信を飛ばす。歯を食いしばりながら思い出すのは、最初の戦闘で見せた雷角巨兵の一撃。
「さあ、ライコさん!ボクが正気でいられるうちに、決着を!」
「おいおい…喋る事なんか何もないんだよ!!」
 両腕の装甲が、生き物のように脈動し波打つ。
 展開された六腕から、無数のドリルが生えてきた。
「僕も君に、習おうか…!」
 自らの正気を邪悪のマシンに差し出し、対話を拒否するイール。
 逃がしはしないと、ドリルに機体を貫かれながらも拘束を強めるシュラウゼル。

「ならばまずは、自分とお話しして頂きましょう」
 精神を削り合う二人の間に、その聴覚に、音が割り込んだ。

 正気を差し出したイールの精神に、直接語り掛ける音。
 音を鳴らすのは、魔音を操るデモニック・ララバイ。
 亡霊、朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)はサイキックキャバリアの音を借りて、邪神を超えてイールに語り掛ける。
「なるほど。貴方の生い立ちと言動からしてつまり…嫉妬ですか?羨ましかったのですか?」
 淡々と音は響く。
 聴覚に直接掛る声は防げない。それは魔音の催眠術。
 無視することも許されない、耳を塞いでもその問いからは逃げられない。
 亡霊は淡々とイールの闇へと踏み込んでいく。
「それが貴方の本心ですか?」

「─黙ってくれよお願いだからさぁ!!」
 少女の心の闇が噴出し、邪神に差し出された正気がその心に無理矢理戻されていく。
 否が応でも正気を取り戻させるその音を払うように、シュラウゼルに向けていたドリルを周囲へやたら目ったら振り回すイビルガー。
 その周囲に突如、異形の、それもイビルガーと同じ六椀のキャバリアがイビルガーへと飛び掛かった。
「ひ─いィィィ!!」
 ドリルが、細身のキャバリア達を薙ぎ払う。
「なんなんだ…なんなんだお前たちはさぁ!!!」
「ぐ、う…君は一体、何を見ているんだい?」
 薙ぎ払い、破壊したキャバリア達を睨みつけ、息を荒げながらせわしなく周囲を見回すイビルガーに、歯を食い縛りながらラヴィニアが問いかける。
 その足元に忍び寄る影。
「う…うわぁあ!?なんでだ、なんでだよ!?今壊したじゃないか!?」
 キャバリア達の名を、ディスポーザブル02。
 小枝子によって遠隔で操縦される青いキャバリア達が、魔音によって歪められたイールの認識の間を潜り抜け、その機体へ取りついていく。
 ディスポーザブル02に備わる重力制御装置がフル稼働し、重圧でドリルを押し留める。
 長くはもたない、だが、ドリルは抑え込める。
「さて、その質問には答えかねます。自分はただ、戦場に来て、マシンを破壊するのみであります」
 飛翔するデモニック・ララバイ。
 ひび割れた顔面に戦鎌を振るい、その頭部を斬って落とす。
「処遇の方は任せますよ、花道殿」
 頭部を失い痙攣するかのようにうごめくイビルガー。
 その拘束をディスポーザブルたちに任せ、光を失ったシュラウゼルとラヴィニアを回収して離脱する小枝子。
 その視線の先には、街を背にブラディエルに支えられながら、必殺の一撃をちゃーいしていたカブトロンが入る。
「猟兵さんが一体どんな人たちなのかは、私もわかりません…だけどきっと、この人たちは…とっても、良い人たちです!」
 ブラディエルが、自らに残されていたエネルギーをカブトロンに流し込み、ぼろぼろの巨兵を支え続ける。
「いい加減…止まってください先輩!カブトロンテラバースト!!」
 再び雷光が迸る。
 イビルガーを飲み込むほどの雷が、その巨体を海に叩き付けたのであった。 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シホ・イオア
うーん、決めた☆
シホはライコちゃんを信じるよ。
イールちゃんは悪い子じゃない!
さあ、頑張ってイールちゃんをあのマシンから引っ張り出そう!
コックピットの場所も教えてくれたしね。

ヒーローが嫌い? うそでしょ。
諦めないで、逃げないで、目の前のライコちゃんを見て。
決してあきらめないヒーローを。

なんか警戒されてるっぽいからこっそりは無理かな?
何とかコックピットをこじ開けて救出したい。

「輝石解放、ルビー! 愛の炎よ、舞い踊れ!」
収束させた炎の後をついていき接近してみる。

敵の攻撃は空中戦と残像で回避。
炎を面で展開し移動の妨害も狙う。

アドリブ連携歓迎。



 雷光に焼かれ、海へと没したイビルガー。
「おいおいまだだろ…そいつにだけは、終わらせられてたまるかー!!」
 魂を絞り出すかのようなイールの叫び声と共に、首を失ったイビルガーが立ち上がる。
 首を無くし、腕の一部をもぎ取られ、装甲を焼かれながらもなおその炉心は健在であり、邪悪なる光を蓄えるイビルガー。
「先輩…なんで、そこまで私たちが嫌いだったんですか…!?」
 渾身の一撃を決めてなお立ち上がるその姿を見て、ライコの胸中にかつての思い出がよぎる。
 カブトロンの必殺技を一緒に解明してくれた先輩、仲間とのフォーメーションを考案してくれた先輩。自分を励ますその思い出も、全部嘘だったのか。
「ライコちゃんは、どう思うかな?」
 ふと、自分以外誰もいないはずのコクピットで問い掛けられた。
 視線を上げれば、いつの間にか侵入していたシホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)が入る。
「ライコちゃんはその思い出が、噓だったと思うかな?あの人はそんなに悪い人だと思うかな?」
「……いいえ、いいえ!あの人は私たちの友達で、いっつも後ろで見守ってくれた、頼れる先輩です!!」
「そっか…うーん、決めた☆」
 ウインクひとつ、ライコの涙を拭ってシホは吠えむ。
「シホはライコちゃんを信じるよ。イールちゃんは悪い子じゃない!」
 ライコの言葉に嘘はないと、シホは胸を張って断言する。
「そうと決まれば!さあ、頑張ってイールちゃんをあのマシンから引っ張り出そう!」
「はい…あ、でもどうやって」
 シホが目線を外のイビルガーに向ける。
 視線の先、開戦前にイールが顔を覗かせた、イビルガーのコクピット。
「コクピットの場所は彼女が教えてくれたからね。まずは近づかないとだけど、でも、ちょっと警戒されてるし…」
 すると、出力を回復させたカブトロンがエネルギー残量をモニターに映し出す。
「…私が援護します、先輩をお願いします!」

「輝石解放、ルビー! 愛の炎よ、舞い踊れ!」
 愛の炎が戦場に舞う。
 ライコに、そしてイールにすら向けられた愛の心が炎となって一枚の壁となりイビルガーへと展開する。
「そんなちゃちなものぉ!チェンジサタン!!」
 オブリビオンスパーク、邪悪な光と愛の炎がせめぎ合う中シホが炎の合間を縫ってイビルガーへと飛ぶ…それを見逃すほど、今のイールに傲慢はない。
「頭がなくても僕が見えてるんだよ、猟兵!!」
 イビルガーの飛翔速度はシホのそれを大きく上回る。
 一度飛翔を許せば、その突風だけでシホの小さな体は吹き飛ばされてしまうだろう。
「そうはさせません!行くよカブトロン!」
 だが、それを無数の砲撃が阻む。
 最後の力を振り絞ったカブトロンの再びの猛襲に、イビルガーが怯む。
「ついたー!ちょっと待っててねイールちゃん!」
 遂にシホがイビルガーへたどり着き、ぼろぼろになった装甲を宝石剣で叩き切って、コクピットをこじ開けた。
「お待たせ!」
「……待ってなんかいないよ。ほんと、そう言うのが僕は嫌いなんだよ…!」
 シホが真正面からイールの目を見る。
「ううん、違うと思う。ヒーローが嫌い?うそでしょ。諦めないで、逃げないで、目の前のライコちゃんを見て」
 イールが、シホの後ろを見た。黒煙を吹きながらも、雄々しく立つカブトロンを見た。
「貴方のために、皆のために、決してあきらめないヒーローを」
 ふらり、イールが手を伸ばす。無意識か、憧憬か。
 だが、その手は届かない。
 コクピットの背部から飛び出してきた無数の触手が、イールを絡めとり、縛り付ける。
 藻掻くイール、触手にコクピットが埋め尽くされる中邪悪な光にはじき出されたシホが、それでもと声を飛ばした。
「大丈夫!私が届けるから!私たちが、ライコちゃんがきっと!貴方を助けるから!」
 シホは確かに聞いた。
 イール・ライザーの『助けて』の声を、確かに聞き届けたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィクター・ホリディ
アドリブ連携歓迎

なるほどな、そりゃひねくれるする
だがそれで? 可哀相なお嬢さんを皆で慰めろとでも?
悪いがそいつは俺の仕事じゃない、俺は俺の仕事を果たさせてもらうよ

■方針
【援護射撃/制圧射撃/戦闘知識】で方々援護・牽制をしつつ
UCを発動させ、イビルガーの【情報収集】を開始
情報収集中【推進移動/継戦能力/覚悟】で耐え、回避する

情報収集完了にあわせ【制圧射撃/弾幕】を張り、タイミングを見計らって【推進移動/限界突破】で全力吶喊
各装備を駆使し、【重量/貫通攻撃/部位破壊】で敵機の戦闘不能を狙う

「お前を救うのは俺達(猟兵)じゃない。
 お前を助けるのはヒーロー(仲間)とお前の中にいるヒーローだけだよ」


テラ・ウィンディア
成程なー
自分にないものを持ってる奴に憧れるのはおれも判るぞ

そんなに自分が嫌いなのか?

まぁいい

お前が痛みにあえぐならおれもまた痛みを以て挑むとしよう

【戦闘知識】
敵の動きと癖の把握

【属性攻撃】
火属性を機体と剣に付与

【見切り・第六感・残像・空中戦・盾受け】
高速で飛び回りながらも最小の動きで敵の猛攻をかいくぐる
同時に何度も剣で反撃
【二回攻撃・早業】
高速斬撃を下しつつ今迄の戦いで行われた斬撃全てを頭に叩き込む

敵がメイルシュトロムを使ったら
【レーザー射撃・遊撃】
ガンドライドでビームを打ちながらもあえて突破ルートを晒す
但し最も斬撃の記憶が残ったポイント

着た瞬間消えざる過去の痛み発動

(斬斬斬斬斬斬斬斬!!!



「「…なるほどな」」
 揃って同じ言葉を口にしたテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)とヴィクター・ホリディ(ドク・ホリディ・f30339)。
 前者は同情、後者は呆れ。
 まったく同じ言葉でも、その中に込められた感情はまるで正反対だった。
「自分にないものを持ってる奴に憧れるのはおれも判るぞ。そんなに自分が嫌いなのか?」
「いやー、ありゃあもう聞こえてないと思うな。しかしまぁ、聞く分にはそりゃひねくれるのも納得だ。だがそれで? 可哀相なお嬢さんを皆で慰めろとでも?悪いがそいつは俺の仕事じゃない」
 ヴィクターが視線を向ければ、暴れ狂うように手を振り回し狂乱するイビルガーの巨体。
「見た限り、もうほぼほぼ取り込まれちまってるな…さてそうなれば、俺は俺の仕事を果たさせてもらうよ…お前さんはどうする?」
 愛機に銃を構えさせ、狙いを定めながら傍らに立つテラへと問いかけるヴィクター。
「…あいつが痛みにあえぐなら」
 乗機の腰に携えていた宝剣を、テラが引き抜く。
「おれもまた痛みを以て挑むとしよう」
 抜剣、飛翔。
 狂乱するイビルガーの影響で荒れ狂う海へと、ヘカテイアは飛び込んでいくのだった。
「……若いっていいねぇ、おっといけね、年寄みたいなこと言っちまった」

 剣とその背に炎を纏いながら飛翔するヘカテイア。
 暴れ狂うイビルガーが起こす竜巻を、右へ左へとぎりぎりのところで回避する。
(…軌道も何もあったものじゃないな…!)
 すんでのところで大ぶりの猛攻を躱しては剣で切りつける…一撃二撃程度では、強化されつつあるその装甲は切り裂けない。
 炎の力を付与して漸く刃が通るかと言うその装甲、間違いなく強化…否、進化している。
「パイロットを取り込もうとしているのか…?そうはさせない!」
 斬り付ける速度を上げる。
 飛翔速度も上げ、すれ違いざまに何度も傷をつけ勝負を急ぐ。
 そこに、暴走が加速したのかイビルガーの拳の軌道が変化した。
 これまでイビルガーの動きを徹底的に頭に叩き込んできたテラだからこそ確信できた…これは、避けきれない!
「ようやっと解析完了かよ…そこだ!」
 ショットガンの一撃が拳に叩き込まれる。
 僅かにそれた拳の軌道、テラは咄嗟に剣を差し込むことでその拳をさらにそらせ、受け流して見せた。
「こちらヴィクター、間に合ったか?奴の暴走の加速具合含めようやく産出が終わったんでな、そっちにデータを送る。どうにかさんこうにしてくれ…うぉっと!?」
 攻撃してきたキャバリア…Preces、ヴィクターへターゲットを変え六椀で襲い掛かるイビルガー。
 その間に、テラが送信された解析結果を読み解いた。
 ヘカテイアとイビルガーの戦闘を解析し、その暴走、反応速度、変化する攻撃パターンの予測。
 超人的な目と感覚を持つテラに今、最も必要な情報がそこにある。

「まったく、そのでかさで早くて腕も多いとか反則だろう!?おら、お前の相手はこっちだ!!」
 スラスターを吹かして回り込み、大急ぎで補充してきた小型ミサイルを、イビルガーの側面に向けありったけ叩き込む…敵、損傷軽微。
「いよいよ本性だしてきたかっていうわけね…そんじゃなおさら助けないとだよなぁ!」
 ミサイルポッドを海中へパージ、できる限りの軽装になって四方八方から攻撃を繰り返し、イビルガーの注意を引くヴィクター。
(ショットガンの残弾は…やべぇなそろそろ一桁か。パイロットを取られないよう、何が何でも近づかせない気だなこいつ!!)
 パイロット、イールを取り込むまで誰も近づかせないと暴れるイビルガー。
 超巨大マシンの拳をもろに食らってしまえば、如何に猟兵のキャバリアとてもたないだろう…なんとも近寄りがたい。
「すまない、今度は俺が遅れた」
 そこへヘカテイアが復帰、攻撃へと合流する。
 炎の剣による猛襲と、的確に差し込まれるショットガンの援護射撃。
 それでもなお、イビルガーは止まらないが、その動きを読み続けるテラの斬撃は先ほどよりもさらに鋭く、それでいてイビルガーに捕らえられることはない。
 じれたのだろう、ついにイビルガーがその六椀を展開する…辺り一面を破壊する必殺兵器【メイルシュトロム】の予兆だ。
「…待ってたぞ、それ。奴の俺が隙を作る、その後は任せた!」
 それを見たテラが飛び出した。
 急激に加速しイビルガーのコクピットに近づこうとして…大渦に阻まれ、吹き飛ばされる。
 吹き飛ばされる中、藻掻くように何度も空中を切りつけそして墜落。
 動きを止めたヘカテイアに、イビルガーが狙いを定めた。
 大渦を纏った猛進は、それを阻まんとする浮遊砲台【ガンドライト】の砲撃も意に介さない。
 砲撃を受け続けながらもヘカテイアを見下ろすイビルガーが、拳を振り上げる。
 その姿を見て、テラはにやりと笑って見せた。
「……それは本当に痛いからな、良く味わっておけ」
 瞬間、空間から突如発生した斬撃がイビルガーへと殺到する。
 その斬撃は、かつてテラが痛みと共に覚えた記憶の再現。
 一撃二撃でだめなら、無数でごり押すとばかりの斬撃、それを集中して叩き込める場所こそ、今イビルガーが誘い込まれた、ヘカテイアの墜落した場所だった。
 空間を埋め尽くすほどの斬撃がついに、進化しかけていたイビルガーの腕を二本切り落とす。
 頭の無いはずのイビルガーが咆哮する。
 恐ろしい悪魔のような異音と共に、残った腕でテラをひねりつぶそうと、斬撃の中から抜け出して再度拳を振り上げ…。
「二本も減れば、そりゃビビるよなぁ!」
 追撃。
 任されたならと、ここぞという時を見計らっていたヴィクターが後ろから仕掛けた。
 底をつきかけていたスラスターの燃料をすべて放出し最大加速、うっかり死んでしまいかねないほどの加速に耐え、ダインスレイヴを発動する。
 一撃、続いて二撃!
 徹底したデータ収集が導き出した破損個所を的確に付き、さらに腕を二本切り落とす。
 残る腕は二本…しかし、連戦でのダインスレイヴ発動で流石にエネルギーがもうない。
 これ以上の戦闘継続は厳しいと判断したヴィクターがヘカテイアを担いで戦場を離脱する。
 その最中で、こっそりイビルガーをハッキングしメッセージを送っておくヴィクター。
 送られたのは単なる音声メッセージ、ウィルスでもないために素通りされたその内容がコクピットに響く。
「よう、まだ生きてるか?いいか、お前を救うのは俺達(猟兵)じゃない。俺たちだけじゃないんだ…お前を助けるのはヒーロー(仲間)とお前の中にいるヒーローだけだよ。生きて帰れたら、それを教えてくれる連中はこの国に山ほどいるんだろう?だから、もう少し辛抱して歯を食い縛っておけ。じゃ、頑張れよ」
 どこか素っ気ないし愛想もない激励。
 しかし、触手に飲まれつつあるイールの拳には、少しだけ力が戻っていたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

天音・優歌
アレンジ連携歓迎

憧れを貶めても空しいだけなのに
眩しいから目を背けちゃったんだね
彼女に罪を犯させるわけにはいかない
彼女を止めるよ、メソテース!

煽りに弱そうだから正論と煽りを混ぜつつ挑発し
ソレイユから引き離します
相手や自分のUCに巻き込んじゃったらいけないしね

詠唱しながら暴走や周りを可能な限り巻き込まないよう魔力制御に集中
魔力制御のために集中しますので援護してくださると助かります
準備が出来たらUCを敵に向かって放ちます

助けてと呼ぶ声があるのなら何度だって応えよう
だってそれがヒーローだから
だから、あなたの叫びにも応えるよ
さぁ、自分の本当の気持ちと向き合う時だ!



「憧れを貶めても空しいだけなのに、眩しいから目を背けちゃったんだね」
 天音・優歌(メソテースの書・f30005)が、頭部を失い六腕を失い、パイロットからの抵抗を受けているのか動きの鈍い…されど再び輝こうとしているイビルガーを真正面から見据える。
「ライコちゃんの思いも、貴方の声も、私たちは確かに聞いた…これ以上、貴方に罪を犯させるわけにはいかない」
 優歌の意志に応えるのは、善と悪の両道を認める中庸の機神。
「彼女を止めるよ…これ以上その道を、歪めさせはしない。さぁ目覚めて、汝、无に還す者!メソテース!」

「街の近くで光らせちゃいけない…引き離すよ!」
 動きの鈍いイビルガーに機体を叩き付け、街からさらに引き離そうとする優歌。
 だが、イビルガーはそれを無視するようにゆっくりと歩みを続ける。
「こんの…でっかい見た目して、私一人に怖気づいてるのかな!?それとももうやけくそなのかな!?」
 一度飛翔を許せば、メソテース一機では押し返せないと直感した優歌が此方に注意を引こうと声を荒げるがイビルガーは無反応。
(中途半端に取り込んでいるから、意思が鈍ってるのかな…ってまずい!?)
 イビルガーが翼を広げた。切り札のゼロ距離使用が頭をよぎる。
「カブトローン…スナイパー!」
 後方からの必殺の叫び、次いで光弾がイビルガーの羽に焦げ跡を作る。
「いい加減、先輩を返してください…よっ!」
 スーパーロボットど根性、絞り出したエネルギーで光弾を放ち続けるカブトロン。

「…猟兵、も、お前、も、ほんと、お節介、だな…!!」
 威力もくそもないはずのその攻撃が、イビルガーの動きを止めた。
「そういう貴方も、本当は似たり寄ったりだったんじゃないかな…そのまま、少しだけ耐えてね!」
 メソテースが空高く飛ぶ。
 危険硬度ぎりぎりまで飛び上がり天に向かって剣を突き出せば、それを起点に美しく広がる魔法陣が太陽の光を吸収する。
「其は開闢、其は終焉。全てが始まり、全てが終わり。全てが生まれ、全てが帰する…」
 極めて危ういバランスの魔方陣を制御するための詠唱、それに少しだけ心を加える。
「助けてと呼ぶ声があるのなら何度だって応えよう。だってそれがヒーローだから。だから、貴方の叫びにも答えるよ」
「は、はは…だったら、やって見せて貰おう、じゃ、ない、か」
 太陽が齎す光と、イビルガーが解放した死の光。
 それらすべてがメソテースへと収束されていく。
「さぁ、自分の本当の気持ちと向き合う時だ!…今こそ未来を救え。至尊の頂、究極の光!やぁぁぁあ!!」
 魔法陣が収束した剣を、一気にイビルガーへと振り下ろす。
 極光が、戦場を包み込んだ。

「先輩、先輩。起きてくださいよ、先輩!!」
 ぺしぺしぺしべし、砂浜に頬を叩く音が響く。
「ん、ぐ…いた、おい、やめ、やめろ、やめろ!?」
 微睡から覚めたイールが痛みに目を覚ました…そして、呆然と辺りを見回す。
 視線をさまよわせ見つけたのは、黒煙を吹き上げ鎮座するカブトロンと、かつてイビルガーロボだったのであろう、溶解した巨大な鉄くず。
「……そうか、負けたか、僕は」
「良かった生きてたー!!」
「んぐぉっ!?」
 ライコがイールへ飛び付いた。
 かと思えば、緊張が解けたのだろう、滝のように涙を流して気絶してしまった。
「夏枯れてるわね、貴方。良い後輩持ってるじゃない」
 ライコの後ろから、ひょっこり顔を出した優歌が、イールへと問いかける。
「で、どう?盛大にやらかして洗いざらいぶちまけちゃったし、今度は正直になれるかな?」
「ふん、大きなお世話だ。やっぱり僕は猟兵が嫌いだね…おいこら離せよ」
 ライコをどうにか引っぺがして立ち上がったイールが、優歌たちに背を向けて歩き出す。
「例も詫びも言わないよ、猟兵。僕はちょっとやる事が出来た。代わりに…忠告だけはしておいてやる」
 背を向けたまま、真剣な声色でイールが有価に、彼女を通じてここまで戦ってきた猟兵達に告げる。
「僕はただの前座さ。増援が来なかったのは、僕の采配が旨かったからだけじゃない…本当の戦いは、ここからだ」
「待って、それは一体…」
「忠告はここまでだ!なれ合いも嫌いでね、失礼するよ…せいぜい、勝手に首突っ込んで死なないよう気を付けるんだね」
 そう吐き捨てるように言うと、そのまま歩き去っていくイール。
「…何が来ようと、守り続けるよ、私たちは」
 その背を見送りながら、優歌は決意を新たにするのだった。

 死に行くヒーローの運命は覆され、子供達の未来は守られた。
 港町【ソレイユ】に一時の平和が戻っていく。

 だが。
 平和の国、シャインキングダムを狙う驚異の連鎖は…今、始まったのだと。
 更なる戦いの予感を、この戦場に立ったすべての猟兵達が、確かに感じたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年03月19日


挿絵イラスト