2
羅針盤戦争〜双頭四腕と単細胞

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #バルバロス兄弟 #三つ目島

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#グリードオーシャン
🔒
#羅針盤戦争
🔒
#七大海嘯
🔒
#バルバロス兄弟
🔒
#三つ目島


0




●グリモアベースにて
「七大海嘯『三つ目』バルバロス兄弟との決戦だ。奴の本拠地、『三つ目島』に向かってくれ」
 宙夢・拓未(未知の運び手・f03032)は、集まった猟兵たちに向けて告げる。
「バルバロス兄弟は、身長5mの巨人のコンキスタドールだ。頭が二つ、腕が四本ある。二つの頭は、それぞれ別々の意識を持ってる。名前は、隻眼の方がオルチ、赤髭の方がハイレディンだ。オルチが兄、ハイレディンが弟みたいだな」
 語る拓未の表情は、硬い。
「この、弟ハイレディンの方は、眼窩に『オルキヌスの瞳』ってのがはまってる。ここから奴は、生物退化ビームを放つことができるんだ。しかも、島の中央にある『三つ目の石碑』からそのビームを増幅して撃つこともできるっていうオマケつきだ。皆には、バルバロス兄弟の他に、その石碑からのビームを浴びて『原始の魔物』と化した島の生物たちも相手してもらうことになるぜ」
 『原始の魔物』について、拓未はこう補足した。
「襲ってくるのは、巨大なアメーバの群れだ。島の生物が、増幅された生物退化ビームを浴びて、退化しまくった結果だろうな。動きは遅いが、侮って放置してると、囲まれて捕食されちまう。皆なら大丈夫だと俺は信じてるが、決して油断しないで対応してくれ」
 さらに、拓未は続ける。
「それと、忘れちゃいけないことがもう一つ。それは、バルバロス兄弟のユーベルコードが、必ず先制攻撃として発動するってことだ。回避や防御のユーベルコードを猟兵が使おうとしても、バルバロス兄弟のユーベルコードが発動するのが先だ。必ず、頭に入れておいてくれ」
 トントン、と自分のこめかみを人差し指で叩いてみせて、それから拓未は言う。
「最後に。バルバロス兄弟の、通常の能力の一つ……ハイレディンがユーベルコードとして撃ってくる生物退化ビームについても、用心してくれ。当たったからといって即座にアメーバ化することはないが、肉体も精神も退化させられちまうからな」
 キューブ型のグリモアが彼の手のひらの上で輝き、『三つ目島』に向かう鉄甲船へと、猟兵たちの転送を開始した。
「健闘を祈るぜ、皆」


地斬理々亜
 地斬です。
 よろしくお願いします。

 このシナリオは、グリードオーシャンの戦争『羅針盤戦争』のシナリオです。
 第1章のみで完結します。
 難易度は『やや難』です。どうか、気を引き締めてあたってください。

●プレイングボーナス
『敵の先制攻撃ユーベルコードと、「原始の魔物」に対処する』
 これに基づく行動をすると有利になります。

●プレイング受付期間
 2/18(木)、8:31に募集開始とします。その日時以降であれば、システム上送信可能な間は、いつでもお送りください。
 ただ、全員採用のお約束は致しかねます。あらかじめご了承ください。

●リプレイでのアドリブについて
 アドリブ多め希望の方は、お手数ですが、プレイング冒頭に『◎』の記号をお入れください。
 何もなければ、可能な限り、プレイングに忠実なリプレイに仕上げます。

 それでは、皆様のプレイングを楽しみにお待ちしております。
49




第1章 ボス戦 『七大海嘯『三つ目』バルバロス兄弟』

POW   :    フォーアームズ・ストーム
【四腕で振るった武器】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    「オルキヌスの瞳」
【弟ハイレディン(左頭部)の凝視】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【肉体、精神の両面に及ぶ「退化」】で攻撃する。
WIZ   :    バルバロス・パワー
敵より【身体が大きい】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。

イラスト:ちーせん

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ニィエン・バハムート

・先制対策
首飾りとオーラで強化された電撃【属性・範囲・マヒ攻撃】を【カウンター】で放つことにより、敵の攻撃を鈍らせながら【オーラ防御】で威力を減衰させ【限界突破】した【怪力】で受け止めます。ダメージは【激痛耐性】で耐える。
電撃は電光も強化させ、【目潰し】で大元のビームを初撃だけでも妨害。
少しでも敵のパワーアップに対抗できれば…!

対処後にUC発動。何かたちにアメーバを雷と【捕食】で駆除させながら、兄弟にも突撃させる。
何かたちの物量攻撃で兄弟を翻弄させダメージを与えながら、私も【空中浮遊】から【衝撃波】を放ってその勢いで飛び、顔面にガントレットによる【部位破壊】を叩き込む。

私は今ここで進化する!



●彼女の矜持
 ニィエン・バハムート(竜王のドラゴニアン(自称)・f26511)を、バルバロス兄弟が見下ろす。
「こんな小せぇ癖に、歯向かう気か!」
「とんだ身の程知らずだぜ!」
 ユーベルコードの発動条件を満たしたバルバロス兄弟の、全身の筋肉が膨れ上がった。
「……竜王のドラゴニアンを馬鹿にしましたわね?」
 ニィエンの胸元で、首飾りがきらめく。彼女の発電能力を強化する『バハムート・オーラ』の力が、この首飾りによってさらに強められていた。
「行くぜ、ハイレディン!」
「ああオルチ兄、真っ二つにしてやるぜ!」
 兄弟は声を掛け合い、腕の一本に握った大斧を振りかぶる。
 ニィエンは振り下ろされる大斧に向けて両手をかざし、オーラを展開した。同時に、兄弟へのカウンターとして、電撃を放つ。
 電撃は腕に命中。痺れとオーラによりやや勢いが削がれたものの、大斧はそのまま振り下ろされる。手の代わりに移植されたガントレットで、ニィエンは大斧を受け止めた。
 ニィエンの身体が断ち割られることはなく、刃は止まる。全身を襲った衝撃による痛みにも、耐えきった。
「……あ?」
「なんだと……?」
 驚きに見開かれた敵の瞳を、ニィエンの電光が焼く。
「ぐぁ!」
「ハイレディン!」
 その隙をニィエンは見逃さない。彼女は素早く、ユーベルコードを発動した。
「現れよ! 雷纏いし竜王の眷属! サンダー・バハムート・レギオン!」
 雷を纏った、鯰のようであり、鮫にも似た何かの群れが出現する。それらは、近くに迫っていた周辺の巨大アメーバたちを雷で焼き、喰らった。それから、その何かはバルバロス兄弟にも向かう。
「ぐっ、なんだこいつら!」
「竜じゃねぇじゃねぇか!」
 飛翔し押し寄せ、包囲攻撃する何かの群れに、兄弟は揃って顔をしかめる。
「竜王への侮辱、その罪の重さ……」
 ふわりと浮いたニィエンは衝撃波を放ち、飛ぶ。
「思い知るがいいですの!」
 ガントレットの拳が、ハイレディンの顔面にめり込んだ。
 退化のビームなど撃たせない。ニィエンが望むのは、進化なのだから。

成功 🔵​🔵​🔴​

片桐・公明

【POW】
人を射殺すほどの冷たい表情と視線で敵に相対する
相手の先制攻撃は正面から妖刀と[オーラ防御]で防御する
ただし正面から防ぐのではなく、斜めにすることで相手の力を逃がし受ける衝撃を最小限に抑える
「強い攻撃も、こうされてちゃ形無しね。」
「少し独りよがりが過ぎたのではなくって?」

原始の魔物に対しては拳銃で牽制する他に敵の攻撃を誘導して同士討ちを狙う

以降こちらのUCで攻撃する
攻撃は相手の死角から急所を狙い、無理に連撃は行わない
初撃以降、敵UCも通常攻撃も少々過剰気味に回避に徹する
「腕が多かろうと、頭が2つあろうと、人体が基礎にあるのであれば、殺せぬ通りは無いわ。」



●どこまでも冷たく
 片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)の赤い瞳が、眼鏡のレンズ越しにバルバロス兄弟を見据える。
 常人なら、それだけで射殺されるのではないかと思うほどのその冷たい眼差しは、父親譲りだ。
「次の猟兵だ! 態勢は立て直したか、ハイレディン!」
「もちろんだぜ、オルチ兄!」
 バルバロス兄弟は四腕を振り上げ、それぞれに持った武器を公明に向かわせた。
 嵐のごとき、四連続の重い攻撃。それらを公明は、正面から、妖刀『血吸』とオーラを用いて受け止めた。
 無策で受けたわけではない。斜めに妖刀を構えることで、相手の力を逃がしている。
 大斧と、続く大剣を斜め下に。フレイルとトライデントを斜め横に、いなす。
「強い攻撃も、こうされてちゃ形無しね」
「何か言ってるぜ、オルチ兄!」
「気にすんな、ハイレディン。潰しゃあ良いだけだ!」
 再び武器を構えたバルバロス兄弟に、公明は言葉を続ける。
「少し独りよがりが過ぎたのではなくって?」
「……ああん!? 誰が『独り』だ!? 俺たちも甘く見られたもんだな、ハイレディン!」
「全くだぜ、オルチ兄! 俺たちは『二人』なのにな!」
「うるさいわよ」
 大声で会話する兄弟へと冷ややかに言うと、公明は二丁の拳銃を抜く。
 銃口を向けた先は、周囲から迫り来るアメーバの群れだ。
 銃声が響き、アメーバたちの体に弾丸が埋もれてゆく。ダメージを受けた様子は見られないが、前方に障害物があるとアメーバに認識させるだけで、十分。移動方向を変えたアメーバは、互いを捕食し始めた。
 公明は駆け、兄弟の死角に回る。そこから、美しく舞い踊るようにステップを踏み、オルチの頭部へと銃弾を放った。
「兄者!? 兄者!」
「……心配要らねぇ、ハイレディン!」
 オルチは頭から血を流す。弾丸は、敵の頭蓋を貫かなかった。けれど、脳に強い衝撃を与えたであろうことは予測できる。
「人体が基礎にあるのであれば、殺せぬ道理はないわ」
 公明は、敵の追撃を回避してゆく。凍てついたような表情のまま。

成功 🔵​🔵​🔴​

パトリシア・パープル


敵と対峙すると同時に『バリアパラソル』の【リミッター解除】
防御フィールドを4層のドーム状に多重展開し【盾受け】
敵のUCが命中した個所を破壊するなら、これで破壊されるのは私じゃなくてフィールドになるはず
最悪、こっちのUCを発動する時間が稼げればOK

UCさえ発動できればこっちのもの!
量子化して不確定な存在になった私に物理的攻撃は効かないし、下手に触ったら侵食して情報を上書きして制御を奪っちゃうからね

私に触ったアメーバの制御を奪って兄弟に襲い掛からせたり、私に攻撃した兄弟の腕を侵食して兄弟同士で互いの拳で殴り合いさせたり
「これが! サイズ差も物量差も跳ね返す、量子魔術の力よ!



●シュレディンガーのスカンク
 パトリシア・パープル(スカンクガール・f03038)は、バルバロス兄弟と対峙するのと同時に、傘を広げた。
「そんな傘一本で!」
「どうにかできると思うなよ!」
 兄弟はトライデントを突き出す。けれど、最初の一撃は、見えない障壁に弾かれた。
 パトリシアの傘は、ただの傘ではない。防御フィールドを展開できる傘、『バリアパラソル』なのである。
「どうする兄者!?」
「ええい、壁ごと潰しちまえ!」
 大斧と大剣が続けて振るわれ、四層のドーム状に多重展開された防御フィールドを砕いていく。
 それから振り下ろされたフレイルは、障壁の最後の一層を砕き、そのままパトリシアに向かった。
「危ないっ」
 間一髪、横に跳躍してパトリシアは回避する。
「ちょっとギリギリだったけど……どうにか、しのげたみたいね。それじゃ、次はわたしの番よ!」
 時間を稼ぐことに成功したパトリシアは、ユーベルコードを発動する。
 量子魔術、『MOF式接触禁止令』。これによってパトリシアの全身は量子化し、不確定な存在となった。
「何をしやがった!?」
「構わねぇ、やるぜハイレディン!」
 バルバロス兄弟は、大剣でパトリシアを両断すべく、上から斬り下ろす。
 平時のパトリシアなら、彼女が真っ二つになるという事象は確定していただろう。だが、今のパトリシアは量子的存在。その事象は、確定しない。
「……!?」
「何が起きた!?」
 混乱する兄弟。大剣を握るその腕が、ハイレディンの顔を殴った。
「何すんだ兄者!」
「俺じゃねぇ!」
 その腕は、パトリシアに侵食され、情報を上書きされ、制御を奪われているのだ。 さらに、パトリシアに触れたアメーバも同様に制御を奪われ、バルバロス兄弟を襲い始めた。
「くそっ、一体全体……!」
「どうなってやがるんだ!」
 アメーバを振り払おうと、兄弟は武器を振るう。その拳が、今度はオルチの頬にぶつかった。
「これが! サイズ差も物量差も跳ね返す、量子魔術の力よ!」
 パトリシアは、誇らしげに言い放つのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エドゥアルト・ルーデル
ウキー!ウキキー!
ホホッホホホホ!

…という訳で凝視され絶賛【退化】している最中の拙者だ
まあ流石に猿までは退化してない内に動くでござるが!
勝利の鍵は【流体金属】君!コイツは自分の意思で自由に、考えて動けるお利口さんでござる!
オルキヌスの瞳で凝視されたらこいつにコピーさせ放り投げるして設置、拙者はバルバロス兄弟の横へと移動しますぞ!

退化UCの力は凝視していなければ硬化は発揮されないでござろう!なので拙者と流体金属君で挟み撃ちにする!退化させる首はひとつな訳でござるから…
流体金属君を退化させようとすれば拙者が撃つ
拙者を退化させようとすれば流体金属君が兄弟を退化させる
詰みである



●自信満々にて
「なんか胡散臭い奴が来たな、ハイレディン!」
「全くだオルチ兄!」
 エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)の姿を、バルバロス兄弟は見下ろす。ハイレディンの『オルキヌスの瞳』が、生物退化ビームを放った。
 エドゥアルトは、そのままビームを浴びる。
「ウキー! ウキキー! ホホッホホホホ!」
 エドゥアルトがふざけているわけではなく、肉体と精神の退化が始まったのだ。
 このままビームを浴び続けたら、猿はおろか、エドゥアルトまでアメーバになりかねない。
 人間としての意識が残っているうちに、エドゥアルトは動いた。
 まず、流体金属生命体、『オウガメタル・Spitfire』を自分の目の前にかざす。生物退化ビームを受け止めることで、ユーベルコードをコピーする――『アマルガム』の本領発揮だ。
 自らの意思を持つ流体金属。それをエドゥアルトはバルバロス兄弟の右方へ向けて放り投げ、自身は左方に向かって走る。
 エドゥアルトと流体金属生命体とで、バルバロス兄弟を左右から挟み撃ちにした形だ。
 生物退化ビームを撃てる『オルキヌスの瞳』を持つのは、ハイレディン、すなわち兄弟の片方の首だけである。よって、同時に一つの方向しか向くことができない。
 ハイレディンが、『オルキヌスの瞳』をコピーした流体金属生命体を退化させようとしたなら、エドゥアルトが兄弟を攻撃する。逆に、ハイレディンがエドゥアルトを退化させようとしたなら、流体金属生命体が兄弟を退化させる。
「詰みである」
 エドゥアルトは、にやりと笑う。流体金属生命体にビームを撃つことを選んだハイレディンの、その後頭部に狙いを定め、彼はライフルの引き金に指を掛けた。
 その時。ぐい、と片足が後ろに引っ張られ、狙いが大きくぶれた。弾丸は、兄弟の脇腹を貫く。
「何をするんでござる!」
 振り向いた彼が見たのは、巨大アメーバの群れである。
 優れた作戦だったと言えるが、『原始の魔物』への対処がなかったのだ。
「……。ウ、ウキー!」
 エドゥアルト、退却。

成功 🔵​🔵​🔴​

トリテレイア・ゼロナイン


機械馬に●騎乗し騎馬の●推力移動も合わせた機動力で原始の魔物の包囲を突破
騎馬から飛び降り、遠隔●操縦するロシナンテⅡの●踏みつけやランス機関砲の●乱れ撃ちで原始の魔物を処理させつつ巨人と相対

これ以上のこの世界での略奪、許しはしません
七大海嘯『三つ目』……騎士として討ち取らせて頂きます

センサーでの情報収集からの瞬間思考力で武器の振るう軌道●見切り盾受け武器受けで防御
受け止めた際に怪力で敵武装を跳ね上げ次の腕の攻撃の支障となるよう妨害

武器の嵐から抜け出し距離を取りUC使用

未来予測演算に基づく攻撃で騎馬を突破した周囲の原始の魔物を処理しつつ巨人に肉薄
完全に剣閃を見切り武装を全て武器落としし剣を一閃



●巨人退治の騎士
 機械の白馬、『ロシナンテⅡ』を駆る巨体のウォーマシンが、一人。トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)である。
 その機械馬に備わった大出力のスラスターも用い、非凡な機動力で、彼はアメーバの包囲を脱した。
 それから、ひらり……とは形容しがたい重い金属音を立てて、トリテレイアは機械馬から飛び降りる。
 彼の遠隔操縦によって、機械馬はその大きな鋼の蹄でアメーバたちを踏み散らしてゆく。さらに、馬上槍に備わった機関砲を乱射することで、機械馬はアメーバたちの体を四散させていった。
 アメーバが『処理』される光景を背負い、トリテレイアはバルバロス兄弟の正面に立つ。
「これ以上のこの世界での略奪、許しはしません。七大海嘯『三つ目』……騎士として討ち取らせていただきます」
 発せられるのは、そんな機械音声だ。
「あんなこと言ってるぜ、ハイレディン!」
「そうだなオルチ兄、だがああいう奴は嫌いじゃねぇな!」
 兄弟は笑い、四腕を掲げる。
(「……まず大斧」)
 トリテレイアの全身にあるマルチセンサーが、兄弟のわずかな筋肉の動きを察知した。
(「その次にフレイル。その後にトライデント」)
 瞬間思考を、トリテレイアは胴部の電子頭脳で行う。
 次々と繰り出される、兄弟の武器の軌道を見切った彼は、儀礼用長剣と大型シールドでそれらを受けてゆく。受け止めると同時、怪力で跳ね上げることで、敵の連続攻撃を阻んだ。
 一瞬にも満たない隙を見逃さず、トリテレイアは兄弟から距離を取る。
「コード入力【ディアブロ】、戦域全体の未来予測演算を開始」
 ユーベルコード発動。彼の電脳が、10秒余りの未来予測結果を弾き出す。
 騎士兜から突き出る機銃でアメーバの生き残りを処理しつつ、彼は兄弟へと肉薄する。
 彼目がけて振るわれる兄弟の大剣の軌道を、トリテレイアは完全に見切っていた。
 盾が振るわれ、兄弟の持つ武器が全て叩き落とされる。
 続いて一閃された儀礼剣は、オルチとハイレディンの首を、正確に、斬り落としていた。

 トリテレイアは、討ち取った敵に対して黙礼する。
 三つ目島には、夕暮れが訪れようとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月19日


挿絵イラスト