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羅針盤戦争〜カルロスのコスプレコレクション・ドラゴン編

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #カルロス・グリード #オブリビオン・フォーミュラ #五の王笏島 #カルロスのコスプレコレクション

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「いよいよ我が五の王笏島まで探し当てたか。見事と言う他ない」
 自然豊かな島の中、見目麗しい男が衣装棚を開く。
「この島は野生の残る島。ここで王を名乗るならば生命力あふれる装いをせねばなるまい」
 その中から、爬虫類の皮革を繋ぎ合わせたような全身スーツを取り出し身に纏う男。
「流石は竜の体より作られし鎧。その力を振るうは頂点に立った者の権利であり義務といえよう」
 力が全てという絶対の掟。正邪なきその自然のルールに従うかの如く、男はスーツが伝えてくる力に身を委ねる。
「古竜どもを制したるは帝竜ベルセルクドラゴン。そしてその帝竜を制するのはこのカルロス・グリード。この島の、そしてこの世界の頂点は我よ。多くの言葉は必要あるまい。猟兵よ、ただ我の力の前に潰えよ!」
 王の力強き言葉が、生存をかけた戦いの始まりを告げた。


「皆さん、お疲れ様です……今日も、羅針盤戦争の、依頼です……」
 アレクサンドラ・ヒュンディン(狗孤鈍狼・f25572)が集まった猟兵に頭を下げる。
「本日はオブリビオン・フォーミュラのカルロス・グリード、その本拠地の一つである五の王笏島へ向かっていただきます」
 いよいよ後半戦となった島めぐり。その行く先はアックス&ウィザーズの力を持つ島だ。
「彼はここで帝竜ベルセルクドラゴンを素材とした鎧を纏い、その力を自分の物にしています。皆さんには彼と戦い、討伐していただきます」
 それは帝竜戦役にて現れた帝竜の一体。超高速の思考力と圧倒的な戦闘力を持つ帝竜……あるいは読みづらい早口言葉ドラゴンとして覚えている者も多いだろう。
「彼はベルセルクドラゴンと同様の超高速思考と超戦闘力を持って皆さんに挑んできます。さらに、ベルセルクドラゴンに滅ぼされた古竜たちの骨(スケルトン・エルダー・ドラゴン)を配下として従え、けしかけてきます。彼らは特殊能力はなく、骨ゆえに体も脆いですが、攻撃力はそのままなので放置しておいてよい相手ではないでしょう。こちらの対処もお願いします」
 本来は帝竜と敵対するものであったはずだが、アンデッドとして使役された今自分の意思などないということだろう。あるいは自身を滅ぼした強者、そしてそれさえ鎧として扱う超強者に従うのが力の掟とでもいうのだろうか。
「カルロスは強化された戦闘力による攻撃や、オーラやドラゴン化によるさらなる超強化、さらには当たった者にルールを強いるブレスも吐いてきます。ルールに関しては搦手を封じ、小細工なしの勝負に持ち込むタイプのものが多いようです……作戦主体に戦う方は、気を付けてください……もちろん、これらはすべて先制で放たれます……」
 力比べを好むが、強化された思考力で的確な攻撃を繰り出しても来る頭脳派でもある。脳筋と侮ればその力を余すところなく叩きつけられることになるだろう。
「彼を倒してもこの島を直接解放は出来ませんが、代わりに彼が衣装の素材であるドラゴン系をはじめとするモンスターを狩っていた島が一つ解放されます。もし平和になった暁には行く機会があるかもしれませんので、よろしければ……」
 そう言ってアレクサンドラは、五の王笏島へ向けて猟兵を送るのであった。


鳴声海矢
 こんにちは、鳴声海矢です。今日のカルロス氏はベルセルクドラゴン一式装備。オトモに古竜。
 今回のプレイングボーナスはこちら。

『プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処し、同時に「白骨化した古竜」にも対応する』

 いつもの先制攻撃に加え、白骨化した古竜(スケルトン・エルダー・ドラゴン)が配下として襲ってきます。彼らは特殊能力はありませんが、凄まじい力で殴ったり噛みついたりしてきます。防御力は低く攻撃特化のピーキーな性能、かつアンデッド属性なので、その辺りをうまくついてください。
 このカルロスは真っ向勝負を好みますが、脳筋と言うわけではなくこちらの搦手にも超高速思考で対応してきます。相手を土俵から引きずり下ろすか、あえて相手のフィールドで力を見せつけるか、腕の見せ所です。
 ちなみにカルロス氏は早口言葉は使いません。だって書くのも読むのも大変だし。
 それでは、生態系の頂点を奪い取るプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『七大海嘯『五の王笏』カルロス・グリード』

POW   :    アリエント・ドラゴーン
【鎧から放射される凶暴化ブレス】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    エスパーダ・ドラゴーン
【鎧の身体強化】による素早い一撃を放つ。また、【肉体をドラゴン化する】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    イーラ・ドラゴーン
【自身または竜に対する敵意】を向けた対象に、【負傷の分だけ威力を増す狂える竜のオーラ】でダメージを与える。命中率が高い。

イラスト:hoi

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

黒城・魅夜
その超高速思考とやらは
ご自分のピエロめいた格好に疑問を抱かなかったのですか?
あなたの力を侮りはしませんがその美的センスは大いに侮りますよ、ふふ

竜の骸どもをまともに相手にする気はありません
「オーラ」を展開し「残像」を投影
隙だらけのように見せて「誘惑」しそちらへ向かってもらいましょう

ではスピード勝負と行きましょうか
高速の一撃に対し鎖を舞わせ「衝撃波」を放ちます
攻勢防御であると同時にその反動で私自身の体を後方へ飛ばし
敵の速さを多少なりとも相殺
さらに「第六感」も併用した「見切り」で攻撃を回避します
では今度はこちらの番
超高速? ふふ、止まった時の中では無意味な言葉です
道化舞台もここで終幕ですね



 自然の趣溢れる緑の島に、大量の骨と一人の王が立つ。竜装を纏いしその王の前に、何も怖じることなく黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は立った。
「その超高速思考とやらはご自分のピエロめいた格好に疑問を抱かなかったのですか? あなたの力を侮りはしませんがその美的センスは大いに侮りますよ、ふふ」
 赤青二色という極端な色合いの全身スーツという姿は、ほぼどこの世界の感覚に照らし合わせても普通とは言い難い。
「逆だな。この装いあればこその超高速思考だ。必要なもののために必要なものを纏う。それを恥じるのであれば待っているのはただ敗死のみ」
 己の姿に一切の疑問など無し、と言わんばかりにカルロスは言い、その言葉に呼応するように周囲から骨だけの竜が現れた。
 魅夜はその骨たちを一瞥すると、興味なさそうにすぐにカルロスへと視線を戻した。
「竜の骸どもをまともに相手にする気はありません」
 オーラを展開し、そこに自身の残像を投影する。いわばオーラをプロジェクターにしたような形で、魅夜は隙だらけの自分の映像を古竜たちの前に披露した。
 既に骨と化し、あらゆる能力を失った竜たちにそれを見破る術はない。空の眼窩で物が見えているかも分からないが、あるいはオーラの方に引き寄せられているのか、その骨だけとなった前足や牙をその映像へ向けて振り回しては虚しく空だけを切った。
「遅く重い牙では捕らえられぬと。ではこれならばどうか?」
 古竜が交わされたのを見て、間髪入れず自身での攻撃に移るカルロス。その圧倒的速さに、魅夜は考えていた対策を取らんとする。
「ではスピード勝負と行きましょうか」
 それに合わせ、鎖を衝撃波が出るほどの勢いで前方へ回せる魅夜。その衝撃の向かう先は敵だけではなく、自分自身にも同等の力が向くように振り回す。
 強い衝撃は敵を押しとどめ、自分を遠くへ運んでくれるはず。どちらか片方だけでは追いつかれるだろう。故に、双方に衝撃を放った。その狙い通り、二人の距離は離れていく。
「ほう……しからば」
 カルロスの纏うスーツが脈打ち、隆起する。それは下の肉体と一体化し、その身をドラゴンへと変える恐るべき呪法。カルロスはより獣性の増した目で魅夜を睨みつけ、衝撃を切り裂くが如き速さで彼女へと迫った。
「……早い!」
 スピード勝負と言ったが、ここまでの加速度とは。スーツによる強化と肉体変化に任せることで、高速化時の無駄をなくしているのだろうか。爪を立てる形にしたての引っかくような一撃が、魅夜の肌を深く切り裂いた。来る、という直観に従ったおかげで致命傷こそ免れたが、このまま打ち合いになれば確実に競り負ける速さだ。
「くっ……なれど今度はこちらの番。時よ脈打つ血を流せ、汝は無敵無傷にあらぬもの」
 次の一撃を貰ってしまう前に、これだけは。ダンピールである魅夜は、血を啜り相手を支配下に置いた。その相手とは、即ち『時間』。
 【我が白き牙に喘ぎ悶えよ時の花嫁】の力で、一時的に時間を意のままに操る力を得た。四の王笏の未来予知然り、『先』を制する動きは、『今』に縫い留められてしまえばたちまち無力と化す。命令に従い止まった時の中を魅夜は軽々と動き、自分が与えられたものよりもはるかに深い一撃をカルロスへと刻んだ。
「超高速? ふふ、止まった時の中では無意味な言葉です。道化舞台もここで終幕ですね」
 時の止まったカルロスにその言葉は聞こえない。ただ時が流れ出した時思考も追いつかぬ場所で刻まれた傷に、その理由を瞬間的に弾き出す事しかできないのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
難敵が続きますが、何とか頑張ってみましょう。

『FBS』を四肢に嵌め飛行、『FCS』経由で『FRS』のエネルギーを『FMS』に回し[結界術]も重ねバリアを強化、『王錫』の居る側を頂点にした『円錐型』のバリアを形成した上で旋盤状に回転、『ブレス』に対し『障壁』と『吹き散らし』の多重防御を行いますねぇ。
その間の『骨』の攻撃は『FSS』で[盾受け]、可能なら[カウンター]の[砲撃]を重ねますぅ。

先制攻撃を凌いだら【処檻】を発動、高速思考で読んでも防げない『全方位への波動』で、『骨』諸共『対象の強さ』に比例する『超重力の檻』と『棘』で拘束、『F●S』各種による追撃を加えますねぇ。



「難敵が続きますが、何とか頑張ってみましょう」
 装いを変え、幾度となく猟兵の前に立ちはだかるカルロス・グリード。続く戦いに夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はくじけることなく、宙に浮きながら彼を迎え撃つ。彼女の周りには、脳波でコントロールできる浮遊兵装が何種類も浮き彼女を守っていた。
「兵装が多いな。折角強き肉体があるのだ、直に来るがよい」
 その兵装を煩わしいと見たカルロスの言葉と共に、彼の纏うスーツから激しいブレスが放たれる。るこるはそれに対し円盤『FMS』に砲台『FRS』のエネルギーを供給、円錐型に配置しバリアとすることで効率的に吹き散らすバリアとすることでそれを防ごうとする。
 一方で後ろからは、骨となった古竜の軍団が彼女を襲うが、それに対しては浮遊盾『FSS』を差し向け自分を守らせることでその攻撃を凌ごうとした。
 古竜の攻撃は強くFSSさえ砕けそうになるが、付属の砲台を放つことで相手に対してもカウンターを行い、爪や牙を破壊することでその動きを鈍らせる。
 一方ブレスの方は、効果的に配置したバリアのお陰もあってそのほとんどを散らしきることができたが、カルロス自身の圧倒的力故についにその防壁を突破、るこるの体を取り巻きその身をルールで縛ることとなった。
「よかろう……では来い!」
「わかりましたぁ。大いなる豊饒の女神の名に於いて、仇なす者達に厳格なる裁きを」
 ならばとるこるは兵装での攻撃を止め、自身のユーベルコード【豊乳女神の加護・処檻】を放つ。全方位を隙間なく波動で覆い、カルロスと古竜全てをその範囲内に捕らえた。
 波動の効果として超重力空間が構成され、さらにその中に生えた棘によって古竜たちは次々と潰されていく。
「ほう……避けられぬ攻撃からの戒め、俗にいう嵌め殺しというやつか。だが……!」
 実力に応じた攻撃力を持つ檻によって捕らえられたカルロスが強引に足を動かす。そのまま自身にかかる重さ全てを吹き飛ばすが如き脚力で一瞬にして間を詰め、竜の爪の如き鋭い一撃をるこるに放った。
「だめですよぉ……くぅっ……!」
 その攻撃に対し、るこるは残った兵装を差し向けることで迎え撃たんとする。だが、FRSはエネルギー切れ、FBSは飛行に使っており、FMSは防御用と迎撃には使い難く、古竜を倒し自由となったFSSの砲撃のみがカルロスへの妨害へと回った。
 一方でブレスの入りは浅くルール違反によるダメージは小さい。攻めきれると踏んだカルロスと、守り切れると踏んだるこるの刹那の攻防。その結果は。
「……甘かった、か」
 カルロスの爪は確かにるこるを捕らえた。だが、その一撃は致命には遠く、そのまま重力に捕らわれたカルロスは膝をつき棘に突き刺される。
「凄い力ですねぇ……」
 重力と防御すら貫いた力。それをどうにか防ぎきったるこるは、相手の強さに大きく息をつくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

栗花落・澪
敵の先制攻撃は【激痛耐性】を乗せた【オーラ防御】で身を護りつつ
【高速詠唱】で放出する風魔法の【属性攻撃】で相殺
それが無理でも軽減を狙い、ダメージを最小限に留め

数では負けてても諦めないよ
【聞き耳】で音を聞き分けることでドラゴンの位置を探りながら
【空中戦】で敵の間をすり抜けるように移動
その際足元に【破魔】を宿した★花園を生成する事で
足場に現れた無数の花達がフラワーシャワーのように古竜達に降り注ぐように

ほんの少し足止め出来ればいい
アンデッドなら破魔には弱い筈だから
一瞬の隙をついて【指定UC】
破魔の鳥達をそれぞれ古竜に向かわせ、焼き尽くし
残る鳥達は全てカルロス本体に

数の暴力は
こっちにも出来るんだよ



 次にカルロスの前に立ったのは栗花落・澪(泡沫の花・f03165)。猟兵にかけた賞金の主催者であるカルロスは、高額賞金首である彼の顔を当然見知っていた。
「その敵意……今まで如何程の我を屠ったか。然らばこれにも耐えて見よ!」
 その言葉と共に放たれる、狂える竜のオーラ。狂戦士の名を持つドラゴンの力にて放たれるオーラを、澪は正面から受け止める。
「これくらいなら……!」
 オーラの攻撃ならばオーラで防ぐと、自身の前方にオーラの幕を高速で張る澪。さらにそれを抜かれることも考え、風の属性を周囲に放つことでの押し返しも重ね、それでもだめなら後は己の体を信じて耐えきるのみ。
 多重に構えた防御は狂えるオーラを弾き返し、痛みこそあれ深い傷は負わずに済んだ。だが、この場にいる敵はカルロスだけではない。
 澪の後ろから古竜の骨たちが、彼を物理的に踏み潰さんと巨大な骨の足を上げる。
「数では負けてても諦めないよ」
 そちらの存在も、澪は正しく気にかけていた。音から動きを察した澪は、素早く空中を舞い、その骨の間をすり抜け古竜の上に回る。そしてその間を抜ける際に、聖痕から出る花園を骨の中に残していった。花たちはフラワーシャワーのように古竜に纏わりつき、その動きを妨げる。
「鳥たちよ、どうかあの人を導いてあげて」
 そして動きの鈍った古竜たちに放たれる【浄化と祝福】の炎の鳥。
 鳥たちは古竜の骨を取り巻き、その身を浄化と破魔の骨で焼き尽くした。
 澪の読み通り、アンデッドである古竜たちにとってはまさに天敵と言えるほどの相性。その炎は瞬く間に古竜たちを焼き、その骨を焼き清めていった。
「足止めからの殲滅は踏んでいたが、まさかここまでとはな」
 その瞬間、澪の正面から聞こえるカルロスの声。瞬間思考力により止めた古竜へのとどめは読んでいたのだろう、早々に彼らに見切りをつけ、その骨を踏み台にし澪の元へとすでに彼は跳躍していた。
 そのまま大きく足を振るい、澪を蹴りつけるカルロス。正面からの重い一撃が、空中の澪のバランスを大きく崩した。
「……数の暴力はこっちにも出来るんだよ」
 それに動じず、澪は冷静に言う。その言葉に呼ばれるかのように、燃え崩れていく古竜の体から新たに炎の鳥が多数舞い上がり、カルロスを包み込んだ。
「なんと……ぐぅっ!?」
 それは澪の任意に燃える炎が飛び来た形であるが、まるで炎の中鳥となった竜が、己を滅ぼし辱めたカルロスに復讐するかのようにも見える。思考の外から燃え広がってきた炎に包まれ、傲慢なる王は地に落ちるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナイ・デス
古竜の骨……群竜大陸のあの骨を思い出しますが、ユーベルコード軽減の力は、ないでしょうね……?
いえ……あったとしても、脆いのなら!

「ダイウルゴス」の中、視界は0
【第六感】で感じるままに【念動力】で動かして
光を噴いて【推力移動】そのまま、突っ込む!
【重量攻撃】攻防一体の単純な質量攻撃で砕き、カルロスさんへ
【武器改造、継戦能力】合体の組み換えや「聖なる光」での再生で隙間をなくしブレスを遮断

できなくても【覚悟、激痛耐性】どんなルール宣告されても、私は、死なない。私の、すべきことを

帝竜の力には、帝竜の力!
『リベレイション』
望みの、小細工なしの格闘戦です!

何度砕かれても諦めない
再生繰り返し、上回って倒す!



 帝竜ベルセルクドラゴンの力を模したスーツを身に纏い戦場に立つカルロス。その前に、また別の帝竜が姿を見せていた。
「ほう、これはこれは……」
 その名は帝竜ダイウルゴス。帝竜戦役時の配置を当てはめれば序列はベルセルクドラゴンよりも上とも言える強力な帝竜だ。
 無論本物ではない。ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)が操る、彼の帝竜を模したサイキックキャバリアだ。その体は無数の彫像を合成させることで作られており、多数の文明を従えるダイウルゴスの再現度は高い。
「古竜の骨……群竜大陸のあの骨を思い出しますが、ユーベルコード軽減の力は、ないでしょうね……? いえ……あったとしても、脆いのなら!」
 その巨体を前進させるナイの前に、まるで捨て石の壁のように古竜が立ちふさがる。だが、それにも構わずナイは光を放つ水力移動で前進を続け、ダイウルゴスの巨体によってその古竜たちを強引に踏み砕いて進み続けた。
 壊されるのも構わず爪や牙が振るわれ、ダイウルゴスを構成する彫像を削ぎ落していく。だがそれでもダイウルゴスの歩みは止まらない。カルロスに操られた弊害かユーベルコード軽減能力は失っているようだが、彼の弁通り例え残っていようとこの状況なら関係ない。どこまでも単純な質量が、脆い骨を砕いて進んでいった。
 それを好ましげに見ながら、カルロスは言う。
「素晴らしい力だ。だが、貴様自身の体はどうだ? 己の身一つで来てもらおう!」
 スーツより放たれる、相手をルールで縛るブレス。それを彫像の位置を組み替え破壊された部位を塞ぎ、残る穴は光の力で埋めて防ぐ。
 視界を失う代わりに完全密閉となるダイウルゴスはブレスをもほぼ遮断するが、それでも古竜によって作られた僅かな隙間を通し、そのブレスは対に中のナイに届いた。途端、ナイの体を激痛が蝕み、ダイウルゴスから降りることを強要してくる。
「私は、死なない。私の、すべきことを」
 その呟きを聞いてか、あるいは賞金首の情報か、カルロスはナイの行動に予想を立てる。
「不死性に任せ強引に操作し続けるつもりか。だが痛みに苛まれ動きは鈍ろう」
 死なないということだけで全てを踏み倒せるわけではない。そう考えたカルロスは次なる一手を悠々放たんとする。
 だが、ナイの取った行動は違った。
「帝竜の力には、帝竜の力! 『リベレイション』……望みの、小細工なしの格闘戦です!」
 その声と共に、ダイウルゴスを構成する彫像全てがナイと融合、その身となり力となった。そしてそれと同時にナイの体からダメージは消える。武装を脱ぐのではなく、武装と一体になることでの結果的な裸一貫。ルールを順守した上での絶大な力がカルロスへと迫った。
「素晴らしい力だ……よかろう、来い!」
 その姿に驚愕と、それ以上の感心を持って迎え撃つカルロス。
「何度砕かれても諦めない。再生繰り返し、上回って倒す!」
 代理戦争の如くぶつけあわされる帝竜同士の強大な力が、互いの体と命を容赦なく削り合う。そして、その果てに残ったのは。
「……見事!」
 真っ向勝負の末、カルロス……ベルセルクドラゴンがついに膝を折った。ナイの再生能力を与えられたダイウルゴスが、力のみを継承したカルロスに打ち勝った形であった。
 帝竜の獅子身中の虫であった文明竜は、ここに人の力としてかつての同胞を下したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

水桐・或
人の趣味を否定する気はないけど……、王様がそんな妙なコスプレしてると配下の士気に影響しない……?

初撃は発煙筒の【目潰し】で狙いを逸らし、略奪の腕で受けて攻撃の勢いを【略奪】
……と言ってもこのくらいじゃあ手酷くやられるだろう

わざと古竜の方に飛ばされて古竜に触れてアンデット属性を略奪
【肉体改造】による【化術】で骨の見えた死体のふりをしてカルロスが近づくのを待つ
来い……、せめて跳ね上がって両手が届く距離までバレないでくれ……
同族化すればたぶん古竜は襲ってこない……と思う

カルロスが近づいてきたらUCで敵の身体強化UCを奪って、敵の弱体化&こちらの強化
そうしたらあとは格闘戦
竜のように獰猛に攻めよう



 支配する島ごとに様々な装いをするカルロス・グリード。その中でも、この五の王笏島での衣装は本家アックス&ウィザーズでもなかなか見ないとりわけ奇抜な装いであった。
「人の趣味を否定する気はないけど……王様がそんな妙なコスプレしてると配下の士気に影響しない……?」
 水桐・或(剥奪と獲得・f31627)のその言葉に、カルロスは平然とした顔で答える。
「礼服で寝床に入る者はおるまい? 装いとは見た目のみならず。必要と内実を含めてこそ。そう、この様に!」
 これこそがこの場に相応しい姿なのだと言いながら、カルロスは竜の力を身に滾らせ素早い一撃を放つ。その一撃を、或は発煙筒の煙を巻きつつ『略奪の腕』にて衝撃そのものを略奪、そのダメージを軽減する。
 だが、多少狙いがずれたところでその威力は絶大。奪いきれなかったダメージと衝撃のみで或の体は吹き飛ばされ、後方の古竜の群れへと叩き込まれた。
 一体の古竜にぶつかり、そのまま倒れ込む或。その体は皮膚が破れ、あらぬ場所から骨が飛び出し、明らかに命にかかわる負傷を負っているように見えた。
 そして古竜も、自分の中に飛び込んだ或を攻撃しない。死した者は攻撃対象と認識しないのだろうか。
「他愛ない……が、猟兵とは何をするか分からぬ。その身を微塵に砕くまで安心は出来ぬな」
 確実なとどめを刺すため、カルロスはゆっくりと或に近づいていく。そのカルロスの眼前で、屍のようになった或は、やはり思考の奥でこう考えていた。
「来い……せめて跳ね上がって両手が届く距離までバレないでくれ……」
 ダメージを抑えきれず吹き飛ばされたのはわざと。そうすることで古竜の場所まで行き、そのアンデッドの属性を奪い取ると同時に、崩れた体を違和感なく見せるのが狙いであった。もし古竜が何にでも見境なく襲い掛かるならカルロスや同族にも襲い掛かっているはずだし、カルロス自身が細かく操作している様子もない。つまりは何かしらの基準で自動で攻撃対象を判断しているはずだ。同族としての属性を奪うことでそのターゲットから外れるという目論見は当たった。後はカルロス自身をどうにかするのみ。
 そしてまずは或の頭を砕かんと、カルロスが足を高く上げた。その瞬間。
「奪わないという戒めを、今だけは破るよ。今だけ……、これで何度目の"今だけ"かは分からないけど」
 或は全身を跳ね上げ、抱き着くように両腕でカルロスを挟み込んだ。そしてそれと同時に放つのは【合掌印・偸盗破戒】。剥奪と獲得の力を持つ両腕が、カルロスの【エスパーダ・ドラゴーン】の力を吸い上げる。
「やはり生きていたか……なれど!」
 その抱き着きを、カルロスは力づくで振りほどく。これは竜の力ではない。オブリビオン・フォーミュラたる彼自身の地力。
「竜のように獰猛に攻めよう」
 その言葉通り、赤と青の鱗が体を覆い、或が竜の如き姿へと変わっていく。戦前妙なコスプレと称したこの姿になってしまうのは皮肉だが、しかし確かに力は滾るし、必要な装いと言うのも着てみればわかった。
「あなたの言ったこと少しだけ理解できたよ……やっぱり好き好んで着たくはないけど」
「奪っておいて盗人猛々しい……いや、我がそれを言う方がより厚顔か。良い、潰し合おうぞ!」
 略奪の悪魔たる或と、強奪と侵略の権化たる海賊王。奪う者同士の戦いは奪い奪われたことで実力が拮抗、壮絶なる真正面からの殴り合いとなった。
 両者が最後に行うのは命の奪い合い。それは竜の不死の分で最後に或のみがその場に立つことになるまで壮絶に続くのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

地籠・陵也
【アドリブ連携歓迎】
骨になってまで戦わないといけないというのは悲しいものだな……
眠らせてやらないと。俺のエゴだとしても。

敵の先制UCを含めた攻撃は全部【結界術】を【高速詠唱】で使用、【拠点防御】の応用でその場で踏みとどまって受けよう。
【破魔】の力で【オーラ防御】も身に纏わせておく。うっかり触ればアンデッドなら【カウンター】でダメージを与えられるハズだ。痛いのは【激痛耐性・継戦能力】で無理やり踏ん張るよ。

防御しながら【指定UC】を使った【浄化】の【範囲攻撃・全力魔法】を【多重詠唱】しておいて、相手のUCが終わったタイミングで発動する!
……骨になるまで十分戦ったんだろう?だから眠ってくれ!


リーヴァルディ・カーライル
…正直、最初に姿を見た時はあまり詳しく無いけど、
英雄(ヒーロー)達が闘う世界の悪役(ヴィラン)かと思ったわ

第六感が敵の微かな殺気や闘争心を捉えたら、
"怪力の呪詛"と"影精霊装"を限界突破させた闇の魔力流で、
狂竜のオーラを防御して受け流し吸血鬼化してUC発動

…殺されて、死後も同じ力を持つ者に操られて…哀れな

…行き掛けの駄賃よ。その呪縛から解放してあげるわ

全ての黒騎士霊の黒剣を武器改造して長弓化して、
古竜達に黒炎の矢を乱れ撃ちする闇属性攻撃を行った後、
黒騎士と撃破した古竜達の魂を大鎌に降霊し、
極限まで魔力を溜めた黒炎の斬撃をなぎ払い敵を切断する

…古き竜達の魂よ。我が下に集いて大敵を打ち砕く力となれ



 幾度となくその力を弾き返されようと、諦めることなくこの場に立つ五の王笏カルロス・グリード。古竜を従えるその姿は、どんな装いをしていようとまごうことなき『王』……いや『帝』の姿であった。
「……正直、最初に姿を見た時はあまり詳しく無いけど、英雄(ヒーロー)達が闘う世界の悪役(ヴィラン)かと思ったわ」
「彼の地は確か『舵輪』が欲していただろうか。ああ、あの者はそう言えばついに息絶えたのであったな。骨も残らぬ我らだが、その海に船の欠片でも流してやっても良かろう」
 確かに彼の装いは、全身スーツのヒーローか、あるいはヴィランにも似ている。だがその言葉を聞いて彼が思うのはその世界への侵略さえ視野に入れることであり、彼の本質はやはり竜でも悪役でもなく海賊であることが伺えた。
 そしてその海賊に今目の前で安息を奪われた者がいる。古竜の骨を見て、悲し気に目を伏せるのは地籠・陵也(心壊無穢の白き竜・f27047)だ。
「骨になってまで戦わないといけないというのは悲しいものだな……眠らせてやらないと。俺のエゴだとしても」
 死とは最大の『喪失』である一方、最後に許される永遠の安寧でもある。それさえも奪われてしまえば、残るのは死の恐るべき側面のみ。物静かで誠実なる男は、それから古竜を解放するため彼らを虐げる悪逆の徒に向かい合った。
 二人の戦う意思はカルロスへと届き、それを彼は鋭敏に感じ取る。
「最早言葉はいるまい。竜の力よ、奴らを噛み砕け!」
 カルロスの前身から発せられる狂える竜のオーラ。それを二人は、二色の力で迎え撃った。
「ここは踏ん張る……行くぞ!」
 陵也は高速で自身の前に結界を広げ、その場を一時の防衛拠点とするかの如く隔離する。さらに自分自身にも破魔の力を持ったオーラを纏い、結界を抜けた分のダメージはそれで軽減しようと試みた。無論カルロスの力は強く、それさえ軽々と踏み越えかねない。それ以上は、痛みに耐え戦い続ける精神力だけが頼みの綱だ。
 一方リーヴァルディもまた、光を拒む衣に力の呪詛を乗せ、守るものから外部へと喰らうほどに力を溢れさせ、全身から闇の奔流を溢れさせる。衣装は身を守るだけのものではない。今まさにカルロス自身が示して見せていることを、リーヴァルディは闇の魔力流をもって敵のオーラを押し返すことで示し返して見せた。
 光で守り、闇で押す、二色の力が竜のオーラを凌ぐ中、カルロスは次の一手を配下に命じる。
「なれば命なき暴力よ。奴らを喰らえ!」
 その指示に従い、古竜たちが骨の四肢や牙を二人へと向ける。しかしその開かれた顎は己の運命に泣き、振り上げられた爪は救いを求めて差し伸べる、二人にはそう見えた。
 その差し伸べられた手を、陵也は甘んじて受け入れた。爪が結界を抉り、中の陵也までをも引き裂く。だが、この程度の痛みが何程のものか。死してなお操られる彼らの苦しみに比べれば。
 そして彼の纏う破魔のオーラに触れたことで、その爪の先から竜の骨はぼろぼろと崩れていった。その瞬間、ずっと耐えてきた陵也が動く。
「其は生命の理。灰は灰に、塵は塵に、死者は死に――招かれざる者を在るべき場所へ……!」
 広く、強く、濃く、守りを固めている間に溜め続けた力を乗せて、【【昇華】魔を斬り祓う生命の光剣】が発動された。あるべき者をあるべき場所に返す浄化の力を込めた精気の剣が、竜の爪よりも長く広くなり、周囲全てを一薙ぎにした。
「……骨になるまで十分戦ったんだろう? だから眠ってくれ!」
 帝竜ベルセルクドラゴンに滅ぼされ、その後もカルロス・グリードに使役された古竜たち。まさに在るべき場所から引きずりだされた彼らの為に、陵也の剣は敵の攻撃の間をついて竜たちを清めていった。
 光が浄化を齎すなら、闇は。
「……殺されて、死後も同じ力を持つ者に操られて……哀れな……行き掛けの駄賃よ。その呪縛から解放してあげるわ」
 リーヴァルディの体が吸血鬼のものへと変わる。眩しいグリードオーシャンの陽光も、溢れた闇が遮り気にならない。
「……限定解放。来たれ、戦場に倒れし騎士の魂よ」
 その声に応えてきた騎士たちが、黒剣を変じさせた弓を一斉に撃ちかける。それは黒剣の力にて黒炎の矢となり、骨とは言え巨体である古竜の体を突き崩していった。
 その炎にて火葬されたかのように崩れる古竜の体へ、リーヴァルディは鎌を向ける。死者の想念を吸収するその鎌に宿るのは、黒騎士の力と古竜たちの無念。
「……古き竜達の魂よ。我が下に集いて大敵を打ち砕く力となれ」
 光の中安らかに眠る前に、残った暗い感情をここで吐いていけ。極限まで溜めた魔力が黒炎を燃え滾らせ、最後の一撃となってなぎ払われる。
「報いを、受ける時だ……!」
 そこに陵也が光の剣でカルロスの足をそこに縫い留め、避けることすら許さない。竜の力を宿した黒き一撃が、竜の装い諸共にカルロスの体を両断した。
「……やはり、そうか。最強たる帝竜もすべて猟兵に滅ぼされた……竜は、所詮勇者に勝てぬが定め……!」
 最後にその思考がはじき出したのは、誰もが知る手垢のついたお約束。それに従うように、炎に包まれカルロスは消滅した。
 最後に陵也が光を広げ、古竜たちは天へと帰っていく。エゴだと彼は言ったが、きっとこの結果に彼らは満足していよう。リーヴァルディは影精霊装を頭から被りそれを避けつつ、天に還る古竜を見送るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月21日


挿絵イラスト