羅針盤戦争~マンティコアキッズはご飯が食べたい
●大丈夫じゃありませんでした
「みんな、聞いたか!? もう蒼海羅針域の破壊は無理みたいだって!」
船の上でコンキスタドール、マンティコアキッズの一人が仲間達に呼びかける。
猟兵の快進撃は既に奴らの間にも轟いているようだ。
「うーん……そうなったら猟兵をやっつけに行くしかないよな!」
「そうと決まれば転進だ! 猟兵のいそうな海域へ行くぞー!」
「おー!!」
元気いっぱいと言った感じで、モフィンクス号が進路を変える。
……ただ、いくつか問題があるとしたら。
「あれ、でも猟兵のいそうなところってどこなんだろ?」
「そう言えばそうだった……おれ、その辺りの事はよくわかんないや」
「とりあえず、どこかの島にでも行けばいるんじゃないの?」
こいつらの知能は低く、だいたいの行動は行き当たりばったりであると言う事と。
「……おなか、へった」
「食べ物は……さっき全部食べちゃったね」
「ひもじい……なんかたべたい……」
船上に腹の虫の大合唱が起こる。
いつも腹ペコなのが災いしてか、戦力が大分低いと言う事であった。
……大丈夫なの、こいつら?
●死ぬ前に美味しい物を食べたいってよく言いますよね
「皆さんの活躍で、コンキスタドールの大半が蒼海羅針域の破壊を諦めたみたいなんですが、今度は猟兵の撃滅に動き出したようです」
今月も折り返しを過ぎ、グリモアベースの熱気も増す中でアーニャ・クレサンジュ(ソング・フロム・アンダーウォーター・f26357)が今回の任務について説明を始める。
「皆さんにはすぐ迎撃に出てもらいたいんですけど……その、今回の相手が……」
が、途端にどこか言いづらそうな様子になるアーニャ。
何か問題でもあるのだろうか?
「アルダワから落ちてきたマンティコアの幼体、マンティコアキッズって言うんです」
マンティコアキッズ。
見た目は小さな子供達、それでいて常に腹ペコと言う何ともやりづらいであろう敵だ。
知性と戦闘力は共に低く、雑魚同然のコンキスタドールである。
「ハッキリ言ってしまえば、皆さんの力なら何の苦労もなく倒せる相手です。……でも、それじゃさすがに可哀相だと思うので……」
と、グッと溜めを作って……。
「あの子達に何か美味しい物を食べさせた上で……倒してください」
せめてもの情けと言う奴か。
向こうはこちらがご飯を用意すればホイホイ釣られて鉄甲船に乗り込んでくるし、逆にこちらから何かを作って相手の船に乗り込むと言う手もアリだ。
そしてお腹いっぱいにさせてから、(少し罪悪感もあるだろうか)倒してしまう。
それが今回のやり方となるようだ。
「えっと、説明はこんな感じでしょうか。相手は子供達でやりづらいかもしれませんけど、よろしくお願いします……ね?」
NS
はいどうも、NS(えぬえす)でございます。
今回の戦争も後半戦になってきた感がありますね。
戦争シナリオ五本目、今回もどうぞよろしくお願いします。
●目的
マンティコアキッズに『美味しい物を食べさせた上で』倒す。
今回は戦争シナリオにつき、一章(集団戦)のみの構成となっております。
なおプレイングボーナスは『海上戦、船上戦を工夫する』です。
また今回のみ『何か美味しそうな物を用意する』もボーナス対象となります。
OPの通り、鉄甲船上に美味しそうな物を用意したり、自分で作った物を向こうの船へデリバリーするなどすればすぐに食いついてくれます。
ただし、ちゃんと倒すプレイングもお忘れなく。
なお『邪剣』ピサロ将軍が逃走に成功したら、この残存戦力を連れて行くようです……え、マジですか? お荷物にしかならなくない?
●ご注意
戦争シナリオは戦況に影響するため、なる早で完結を目標としております。
リプレイは出来るだけ早めにお返し出来ればと思います。
それとNSは料理に詳しくないので、その辺りの描写はあまり細かく書けません。
なんとなくそれっぽい感じに出来るようには頑張りますが、一応。
また、クリアに必要な人数が集まり次第プレイング受付を締め切る方針です。
状況を見てタグに締め切りの時間or受付終了と入れますのでご確認下さい。
もし参加人数が多い場合、不採用も出る事を予めご了承の上でご参加下さい。
それでは、マンティコアキッズに最後の晩餐と行きましょう。
第1章 集団戦
『マンティコアキッズ』
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POW : こいつをたおしたらご飯にしような!
【食欲】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
SPD : もうちょっとだけがんばる!
【お昼寝の時間までがんばる気持ち】を一時的に増強し、全ての能力を6倍にする。ただし、レベル秒後に1分間の昏睡状態に陥る。
WIZ : 今がチャンスだけどおやつが食べたい…
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【おやつ】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
イラスト:芳乃弥生
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●一方その頃、マンティコアキッズは……
「うぅ、腹減った……」
「……ねえ、やっぱり猟兵を探しに行くのやめた方が良かったんじゃ?」
「なんでもいいからうまい物が食いたい……」
モフィンクス号の上ではマンティコアキッズが空腹に耐えていた。
こいつら、さっきからずっとこんな調子である。
「……あ、みんな! アレを見て、アレ!!」
そんな中、船首部分にいたマンティコアキッズの一人が仲間を呼ぶ。
何かを見つけたようだ。
「なんだよ、何かうまそうな物でも見つけ……あ、あぁーっ!」
「ふ、船だ! 確かアレに乗ってるのは……」
「猟兵だ、猟兵に違いない! やっと見つけたぞー!!」
探していた猟兵の乗る鉄甲船を見つけ、マンティコアキッズが歓喜する。
やっとメシにありつける、と。
「よーし、オレ達があいつらをやっつけて骨も残さず食い尽くしてやるぞー!」
「もしかしたら船に食べ物があるかもしれないね!」
「みんな、あとちょっとの辛抱だ! やってやろーぜー!」
ようやく食べ物が見つかったともなれば、俄然やる気になるのは当然と言えよう。
……まあ、こいつらの強さじゃ返り討ちに遭うのがオチなんでけどもね!
だが、奴らはまだ知らない。
あの船には美味しいご飯と言う罠が、或いは猟兵が食べ物と死をデリバリーにやってくるであろうと言う事を……
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
確かに、最後の晩餐くらいは楽しんで頂きましょう。
『効果弱め・効果時間長め』の『秘薬』を摂取し【霊結】を使用、船上での『バランス感覚』と[料理]用の『集中力』を強化しますねぇ。
そして、用意してきた『BBQセット』を準備、彼方の船に匂いが伝わる様『BBQ』を始めましょう。
波などで倒れて事故に繋がらない様、しっかり固定しますねぇ。
一般的な『スペアリブ』や『BBQチキン』に加え、チーズのせのハンバーグを焼いて、グリルで温めたバンズに挟んだ『チーズバーガー』等も如何でしょうかぁ?
勿論、野菜類も忘れずに。
一通りお食事を終えたら『F●S』各種を展開、苦しめない様一気に仕留めますねぇ。
●船上BBQパーティー
モフィンクス号が鉄甲船の行く手を塞ぐように船を横向きにすると、衝突してはたまらないとばかりに鉄甲船の航行が止まった。
「よーし、あいつらの船を止めたぞ! みんな、乗り込む準備はいいか?」
「いつでもバッチリ……ん、ちょっと待って。なんかいい匂いしない?」
いざ鉄甲船に乗船と言うところで、マンティコアキッズの(主に食べ物に対する)嗅覚が鋭く反応する。
何か肉が焼けるようないい匂いを、奴らは見逃さなかった。
「あいつら、こんな時にメシ食ってるのかな?」
「なんでもいいからとにかく乗り込もうよ!」
何故、船の上からこんな匂いがしてきたのかと言う疑問を抱く者もいたのはいたが、何よりも食欲の方が勝るマンティコアキッズ。
とにかく鉄甲船に何があるのかを確かめようと、早速飛び乗ってみれば。
「はぁい、お待ちしてましたよぉ」
鉄甲船の上にはBBQセットを用意し、既に肉やら何やらを焼いていた夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)の姿が。
もちろんこれが罠であるのは言うまでもないが……
「……に、肉だー!」
「すっげぇうまそう!」
よだれをじゅるりと、乗り込んできたマンティコアキッズがまっしぐら。
極度の空腹状態でこんな物を出されては、食欲に抗う事など誰が出来ようか。
因みに停船中の鉄甲船は波に揺られているが、揺れて倒れないよう固定はバッチリ。
なおかつ、るこるも『豊乳女神の加護・霊結(チチガミサマノカゴ・ミタマムスビ)』で秘薬を事前に摂取する事で船上でのバランス感覚と料理用の集中をブーストしている事から、場所を問わずBBQが出来る状態だ。
……エクストリームBBQかな?
「色々用意してありますから、お好きな物をどうぞ」
「マジか! うっひょー、どれにしようか迷うなー!」
「おれ、この骨付き肉にする!」
好きな物を食べていいと言われ、マンティコアキッズは喜び勇んで目の前のご馳走に殺到!
スペアリブやチキンを我先にと確保しては、その場で夢中になって食べていく。
「皆さん凄い食べっぷりですねぇ。あ、今チーズバーガーも出来ましたけど、如何ですかぁ? それと野菜もありますけど……」
「た、食べたい!」
向こうの食べっぷりにるこるは軽く驚きつつも、更に追加でチーズバーガーや串焼きの野菜も用意すれば、あっという間に取りに来て食べ尽くしてしまう。
……そして。
「くぁー……うまかったぁ……」
「お腹いっぱいで眠くなってきちゃったなー……Zzz」
ガッツリ食べて満腹になったマンティコアキッズは満足した様子で横になる。
これが罠である事はすっかり忘れているようだ。
「喜んでもらえたようで何よりですぅ。……さて、それでは」
るこるが浮遊武装を一斉に展開すると、照準を満腹で眠りこけているマンティコアキッズに向けると容赦なく発射した。
何も知らないまま、奴らは吹き飛ばされてグリードオーシャンの大空にキラリと星のように消えてしまいましたとさ。
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
【料理】なら!任せて!
とりあえず待ち時間につまめるように
★Candy popは蓋を開けたまま甲板に置いておき
炎魔法と氷魔法を使えば時短で簡単に量産できるクッキーと
お野菜…は嫌いかなぁ
生姜焼きでも作っとく?
僕一人だと同時進行大変だから
【指定UC】で分身達を召喚し手伝ってもらうね
僕がお肉焼いてる間にそっちを混ぜて
型抜きは好きなだけ遊びな
出来たものは甲板へ
好きなだけ召し上がれー
お代わりもあるからね
その間に僕は【催眠術】を乗せた【歌唱】を
食べるのに夢中な間に蓄積した睡魔は
いつしか瞼を降ろして
自分の死を見つめさせるには、まだ早いから
分身達と共に、痛みも感じさせぬまま
【破魔】を乗せた光魔法の【属性攻撃】
●おやつタイム
次のマンティコアキッズの集団が鉄甲船に乗り込んできた。
甲板上には誰もおらず、その代わりに……
「……なんだこれ?」
「『ご自由にどうぞ』? ……これ、食べてもいいのか?」
「あ、『蓋を叩けば中身が増えるので、ケンカせずに食べてね』ってあるよ!」
ぽつんと可愛らしい飴玉が沢山入った小瓶が置かれていた。
しかもご丁寧に波で倒れないように固定した上で、書置きも瓶の下に挟んである。
小さな飴玉とは言え、極度の空腹状態の今となってはありがたいおやつだ。
……さて、この瓶を置いた張本人は今何をしているのかと言うと。
「さあさあ、遊んでる暇はないよ! どんどん作ってどんどん焼く!」
鉄甲船内の厨房で、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)が大忙しと言った様子でクッキーを作っていた。
さすがに一人では手が足りないと言う事からか『極めて小さい天使の物量アタック(キワメテチイサイツユリンノカワイイアタック)』で召喚した大勢のミニ澪も総動員体制である。
なお、そのミニ澪は型抜きで遊んでいるようにしか見えないのはご愛敬だ。
「うーん、何か他に良さそうな物は……生姜焼きでも作っとく?」
クッキー制作を炎魔法と氷魔法で時短するとは言え、前にもマンティコアキッズと戦った事のある澪は奴らの大食いっぷりをよく理解している。
そこから急に生姜焼きってどうなの、と思われるやもしれないが……ぶっちゃけると、あいつら食える物なら何でも大丈夫なので特に問題は無いから安心だ!
「手早く作るとして……ん、どうしたの? ……え、クッキー焼けた?」
澪がフライパンに具材を入れた辺りで、ミニ澪から袖をくいくいと引っ張られる。
どうやら最初のクッキー達が焼き上がったようだ。
「じゃあ、これを届けてから続きだね。忙しくなるなぁ」
澪がクッキーを皿の上に山のように乗せると甲板へ向かう。
「……はいはーい、クッキー持ってきたよー。好きなだけ召し上がれー」
「えっ、クッキー!?」
「わーい、おやつだー!」
「しかもいっぱいあるよ!」
そろそろ飴玉だけでは飽きてきた頃にやってきたクッキーを前に、マンティコアキッズが目を輝かせる。
山のように皿の上に積まれたクッキーはあっと言う間に無くなってしまう。
「好きなだけ召し上がれー。お代わりもあるからね」
それだけ言い残し澪は再び厨房へ戻ると、次のクッキーを持ってくる。
そして夢中になってクッキーの山を食べるマンティコアキッズ。
……その途中、澪が催眠術を乗せた歌唱を行っている事に、奴らは気付かない。
満腹感と共に睡魔に襲われてしまえば、それに抗う事など出来はせず。
「むにゃ……もっと食べたい、ぞー……」
「おかわりー……にへへー……」
「お前、敵だけどいい奴だな……くかー……」
その場で眠りこけてしまう。
「眠っちゃったみたいだね。……自分の死を見つめさせるには、まだ早いから」
厨房から連れてきたミニ澪らも交え、一斉に破魔の力を乗せた光魔法を放つ。
マンティコアキッズは痛みを感じぬまま、光の中へと消えていった。
大成功
🔵🔵🔵
エィミー・ロストリンク
【POW】
美味しい物で引き寄せればいいんだねー
ならわたしに考えがあるよー。まっかせてー!
今年のバレンタインでも用意した全長5mのキャバリアチョコをスペースシップ「ブラックゴースト」の甲板に設置
その甘い匂いでおびき寄せる
だが食べ進めたその下は、エィミーが搭乗するキャバリア・アカハガネ
引っかかったなー! 君たちはすでに包囲されているー!
ブラックゴーストの甲板装備による一斉射撃でマンティコアを狙う
さらにUC「姫君を守護する灼熱の鋼鉄騎士」を発動させておくことで、両腕のガトリングキャノンの連射能力を上げておくことで、殲滅スピードを上げる
可哀そうだけど、逃がすわけにはいかないよー!
そう言いながら無邪気に
●待て、あわてるな。これはエィミーの罠だ
「よっしゃー、早速乗り込むぞー!」
「……って、ちょっと待って。あれ、あれ!」
今まさに鉄甲船へ乗り込もうとしているマンティコアキッズ。
だが、その内の一人が何か新しい物に気付いてしまう。
「なんだ、何か見つけ……え?」
仲間が指差した先に目を向ければ、鉄甲船の隣にはいつの間にか『黒い幽霊船』が浮かんでいたではないか。
しかも何故か鉄甲船からタラップがかけられており、『さあどうぞ乗って下さい』と言わんばかりのそれは、どう見ても罠としか思えなかった……ん、ですが。
「……船の上になんかでっかいチョコがあるぞ!」
「しかもいい匂いがするよ! これはあっちに乗り込んだ方がいいかも!」
そう、チョコがあったのだ。
しかも全長5m……あっ、これってもしかして(察し)
甘い匂いに誘われて、罠だと疑う事もないまま幽霊船へ直行する。
「ひゃー、近くで見ると凄いでっかいなぁ!」
「まるでチョコの像みたい! これ、みんなで食べきれるかな?」
まるで甘い物に群がるアリのごとく、5mのチョコに噛り付く。
かじかじかじ……
かじかじかじ……
「うーん、甘くてうめーな!」
「ホントだね、これならいくらでも食べられ……っ!?」
何かガキンと硬い物を齧った感覚。
その直後、噛り付かれてあちこちが欠けつつあったチョコにヒビが入り、その中からは……真紅のスーパーロボットの姿が!
「引っかかったなー! 君たちはすでに包囲されているー!」
まさにこの時を待っていたかのごとく、スーパーロボット――『スーパーロボット型メガリス「アカハガネ」』に乗り込んでいたエィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)が外部スピーカーを通じて喋る。
え、このキャバリアチョコに乗り込んで待ってたんです!?
「うわぁ!? な、なんだこれー!」
「チョコの中から……でっかい巨人が出てきたー!?」
まさかこんな事になるとは思わず、ただ驚きビビり散らすマンティコアキッズ。
……さて、ここでネタバラしをすると、今エィミー達が乗っている黒い幽霊船。
これは彼女の所持品であるボトルシップ型メガリス『ブラックゴースト』だ。
当然ながら幽霊船としての戦闘能力も兼ね備えており、船上には無数の甲板装備がマンティコアキッズに向けられていた。
「さあ、楽しいおやつの時間はおしまいだよ。ここから先は……情け無用ファイアー!」
なんだかノリノリな様子でエィミーが命ずると、ブラックゴーストの甲板装備が一斉に火を噴きマンティコアキッズを撃つ。
辺りに響く悲鳴! 吹き飛ばされ消滅するマンティコアキッズ!!
「可哀そうだけど、逃がすわけにはいかないよー! と言う訳で……アカハガネちゃん! 一気に決めに行くよ!」
エィミーが『姫君を守護する灼熱の鋼鉄騎士(バーニング・オブ・ガーディアン)』を起動すると、両腕のガトリングキャノンが更なる高速回転で弾丸を吐き出し、逃げ惑うマンティコアキッズを消滅させていく。
その様子はなんとも無邪気で楽しそうであったと言う……
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。
第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
武器:灰遠雷
持ってきた食べ物:三角おにぎり(焼き肉や鮭やツナ入ってる。もちろん海苔つき)
腹ペコってつらいですよねー。
手で掴めて食べやすいのがいいと思いましてー。
ええ、おにぎり。…私たちの中でも喧嘩の起きない食べ物の一つですー(好みは人それぞれ)
あ、海苔は普通のと味付海苔のがありますからねー。
で、食べてる間にマストに上りましてー。
上から下へと【四天境地・雷】。時間がかかればかかるほど、私有利になりますしねー。
防御は四天霊障による結界術とオーラ防御ですよー。
はは、利用できるのなら、利用するのが忍びってものですよ。
●人は何かに夢中になっていると、別の事に気付かない法則
鉄甲船に乗り込んでいったマンティコアキッズは次々と美味しい物を口にした後に、骸の海へと還っていく。
「……よっと。変わった形の船ですが、乗り込んでしまうと普通ですねー」
そんな中で、奴らの乗る船『モフィンクス号』に乗り込む猟兵の姿もあった。
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)である。
妙に大荷物気味なのは、その中に食べ物が入っているためなのだろう。
「あっ、猟兵だ! オレ達の船に乗り込んでくるとはいい度胸してるな!」
「一人でわざわざやってくるとは、よっぽどあたし達に食べられたいようね!」
「覚悟しろよぉ、お前なんかあっという間に……」
きゅるる~……と腹の虫が鳴る。
それも一人や二人だけではなく、この場に出てきたマンティコアキッズ全員だ。
最早、腹が減りすぎて戦うどころではないレベルでの空腹状態である。
「腹ペコってつらいですよねー」
向こうの本音を義透が代弁すると、荷物の中からもぞもぞと何かを取り出す。
「手で掴めて食べやすいのがいいと思いましてー」
「な、なんだ……これ?」
「ええ、おにぎり。……私たちの中でも喧嘩の起きない食べ物の一つですー」
おにぎり。
中身の具によって味は様々な形に変化する、シンプルながら王道の食べ物だ。
もっともアルダワ生まれのマンティコアキッズからすれば、未知のフードであるが。
「あ、海苔は普通のと味付海苔のがありますからねー」
それだけ言うと、義透はその場におにぎりの山を置いて離れる。
好きに食べていいですよー、と言う事らしい。
「……な、なぁ、あれって……食える奴なのか?」
「あたしに聞かれてもわかんないよ」
「じゃあ、おれが食ってみる!」
初めて見る『真っ白い塊に黒い何かが巻かれた物』は美味いのかどうかも分からず、半信半疑のマンティコアキッズ。
その内の一人が迷う事なくおにぎりの一つを手に取ると、パクリとかぶり付く。
「……こ、これ肉が中に入ってる! うめえ!」
どうやら中に好物である焼き肉が入っていたらしく、大当たりの味だったらしい。
「ホントか!? じゃあオレも食う!」
「あ、あたしも!!」
仲間の反応を受け、我慢していた他のマンティコアキッズもおにぎりを口にする。
「むぐむぐ……あ、これって魚だよな? なかなかいいじゃん!」
「え、肉じゃなかったの? じゃあこれは……す、すっぱいぃぃぃー……!」
他にも定番の鮭や梅干しは新鮮な味だったらしく、夢中で食べていく。
……その様子を、いつの間にかモフィンクス号のマストに上がっていた義透が頷きながら眺めていた。
「いい反応ですねー。これが敵でなければ良かったのですけどー」
義透は灰遠雷に呪詛を込めると、ギリギリと力を貯めていく。
おにぎりに夢中で、上から狙われている事に気付かないマンティコアキッズ。
そして、視認している全ての対象へ向けて『四天境地・雷(シテンキョウチ・カミナリ)』が放たれた。
無数の矢が雷のごとくマンティコアキッズを貫くと、一瞬で消滅していく。
痛みは一瞬だけだったのが、せめてもの救いだったであろうか?
「はは、利用できるのなら、利用するのが忍びってものですよ」
のほほんとした様子でありながら、敵には容赦のない義透であった。
大成功
🔵🔵🔵
菫宮・奏莉
おいしいご飯を食べさせてから倒す……最後の晩餐なのですね。
まさか本物を見られるとは思いませんでしたのです。
それに美味しいものなら、わたしもいっしょに食べてもいいですよね!
まずは大好きなパウンドケーキを持てるだけめいっぱい持って、
せっかくですから、島でなにか美味しそうなものも探して、あれば持って行っちゃいましょう。
マンティコアキッズさんたちと、仲良くたーくさん食べたら、
もちろんお昼寝タイムってなりますですよね。
ちょっと可哀想ではありますけど、
そのときに【医療安全管理チーム】さんを呼んで、
キッズさんたちがおやすみしている間に倒していきたいと思います。
せめて、お腹いっぱいで眠ったまま、なのですよー。
●お腹いっぱいになった後って眠くなりますよね
「おいしいご飯を食べさせてから倒す……最後の晩餐なのですね」
鉄甲船からモフィンクス号に乗り込もうする、菫宮・奏莉(血まみれ勇者・f32133)。
彼女もまた、大荷物を背負っているのを見るに、マンティコアキッズへ食べ物と死をデリバリーに向かうようだ。
「まさか本物を見られるとは思いませんでしたのです」
どっちかって言うと見ると言うか、相手にやる側ですよね!
……それはともかく、奏莉がモフィンクス号へひょいっと乗り込む。
「……あっ、誰か乗り込んできたぞ!」
「猟兵だ、猟兵が来たぞー!」
「飛んで火に入る……えーと、なんだっけ? とにかく喰われに来たんだな!」
やってきた奏莉を見て、マンティコアキッズが反応する。
忘れられがちかもしれないが、奴らはこう見えても人喰いの怪物だ。
「わわ、違うよ! 食べ物を持ってきたから、一緒に食べようと思って……」
と、奏莉は荷物の中から何かを取り出そうとする。
「えっ、食い物……あるのか!?」
「なんだよー、それならそうと早く言えよぉ」
「なぁ、何を持ってきたんだ? 早く見せろよー!」
殺意よりも食欲が勝った事で、敵意が瞬時に消える。
……それでいいのかマンティコアキッズ。
「持ってきたのは……じゃじゃーん! パウンドケーキだよ!」
大きめの容器にいくつも入っているパウンドケーキが荷物の中からその姿を現す。
「おぉー! うまそー!」
「お、おやつ……おやつ食べたい……」
「じゅるり……早く食わせろぉー!」
パブロフの犬めいた感じで、一部はよだれを垂らしながら我慢出来ないと言った様子で、奏莉の持ってきたパウンドケーキをじっと見るマンティコアキッズ。
「あと、他にもね……島で買ってきた美味しそうな物もあるよ」
更に追撃として、他の島で仕入れてきたであろう食べ物もいくつか取り出す。
当然、これを見たマンティコアキッズの目が輝き出したのは言うまでもない。
「……それじゃ、いただきまーす!」
「「「いただきまーす!」」」
船上でご飯タイムが始まった。
やはりと言うか何と言うか、マンティコアキッズは奏莉の用意した食べ物を夢中になってバクバクと食べていく。
「あむあむ……パウンドケーキうっめえな!」
「どっかの島で買ってきたって言う、この肉もイケるぜ!」
「……むぐっ、の、喉に詰まった! 水、誰か水ー!」
最早戦いなど、どこかに投げ捨ててきたであろう平和な光景が繰り広げられる。
……一応今、戦争の真っ最中なんですけどね!
「はい、お水。そんなに急がなくても食べ物は逃げないから、落ち着いてね?」
「んぐ、んぐ……ぷはぁー! 助かったよ、あんがとな!」
一緒にご飯タイムを過ごす事で、奏莉はマンティコアキッズと仲良く(?)なる。
そして、食べ終わってしまえば当然眠くなってしまう訳で……
「あー、うまかったー……いい天気だし、眠くなってきたなー」
「お昼寝しよーかー……くかー……」
「にへへ、もう食えないぜ……」
マンティコアキッズはよだれを垂らしながら、甲板上でだらしなく眠ってしまう。
お子様だから仕方ないとは言え、無防備もいいとこだ。
「ちょっと可哀想ではありますけど……みなさん、お願いします!」
……ついにこの時が来てしまった。
奏莉はやりづらさを感じつつも、『医療安全管理チーム(イリョウアンゼンカンリチーム)』でメスの得意なお医者さんと注射の得意な看護師のチームを召喚する。
そこから先は何があったのかの詳しい描写は出来ないが、医療安全管理チームの装備を見て、察していただきたい。
「せめて、お腹いっぱいで眠ったまま、なのですよー」
敵でなければお友達になれたのかな。
奏莉は消えゆくマンティコアキッズを見て、そう思ったとかなんとか。
大成功
🔵🔵🔵
カシム・ディーン
料理で誘う…古い時代に時折使われる戦略らしいですね
【医術】
弱いながら睡眠薬を料理に入れておく
お料理
取り合えず以前に倒した蟹でカニ鍋でも作りましょう
東洋のお味噌を使って蟹の足に蟹味噌
後は白いご飯も用意
さて
十分量はあるので落ち着いて食べなさい
蟹の足はこうやって鋏で切って中をほじくって食べるんですよ
あまり僕も料理は得意じゃないのでシンプルに良い食材を焼いたり煮たりで作りました(料理本見ながら
さて…お腹いっぱいになりましたか
では…静かに眠りなさい
彼らが皆眠ったのであれば
UC発動
君達も会話できる以上は知性がありますからね
せめて痛み無く静かにおやすみなさい
……何…騒がれたら面倒だと思っただけですよ?
●そう言えばカニを倒すシナリオが多く出たそうですね
「料理で誘う……古い時代に時折使われる戦略らしいですね」
カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)の前には、この時のために用意したであろうちょっとした宴会セットがドドーンと展開されている。
大きなテーブル上には鍋がいくつか並べられており、その中には蟹、蟹、蟹……
これぞまさに、かにざんまい!
更に東洋の味噌を使って蟹の足に蟹味噌や白ご飯も忘れていない徹底ぶりだ。
因みにこのカニ、以前カシムが依頼で討伐した巨大なアシュラオオガニだそうで……え、これどうやって持って帰ったり保存したりしたんです!?
「まあいいじゃないですか、そんな事。……あまり思い出しくないので」
アッハイ。
……何にせよ、このカニ尽くしでマンティコアキッズを倒すようだ。
「最後に、仕上げとしてこの睡眠薬をきゅぽんと鍋に……」
隠し味かな?
ともかく、これでマンティコアキッズを迎え撃つ準備は完了したようだ。
「あいつらの船からいい匂いがしてきたぞ!」
「……ぼく、この匂い知ってる! 確かカニだよ!」
「え、じゃああいつら船の上でカニでも食ってるのか?」
モフィンクス号の上から、そんな感じの声が聞こえてくる。
向こうもカシムの用意したカニセットに気付いたようだ。
マンティコアキッズがいざ鉄甲船に乗り込んでみれば……
「あれって確か鍋だよな?」
「見て見て、カニが入ってる!」
「マジだ! しかもいっぱい……ごくり」
カニを目の前にしてよだれが止まらないマンティコアキッズ。
その言葉を待っていたかのように、カシムが続ける。
「待っていましたよ。さあ、好きに食べなさい」
好きに食べてもいい。
その一言が引き金となったか、マンティコアキッズは物凄い勢いで飛びつく。
「おっしゃカニだー! いただきまー……あっちぃ!?」
「もー、がっつきすぎだよー。鍋なんだから熱いって分かるでしょ?」
「ひゃー、うっめぇー! もっと無いのか、もっと!」
各々がフリーダムにカニ鍋を口にしていくと、鍋の中からカニが消えていく。
物凄い食べっぷりだ。
「十分量はあるので落ち着いて食べなさい」
無くなったのを見るや、すぐさまカニの補充にやってくるカシム。
彼の言うように、量だけならかなりあるようだ。
「このカニの脚ってどうやって食えばいいんだ? カタくて上手く出来ないぞ……」
「蟹の足はこうやって鋏で切って中をほじくって食べるんですよ」
実演しながら食べ方を教えるカシム。
なんだかお父さんみたいなノリですね!
こんな感じで、カシムが右往左往しながらマンティコアキッズの対応を続けていくき、カニの量も大幅に減った辺りで変化が起きた。
「あー、たっぷり食ったせいか、なんだか眠くなってきたなー……」
「ぼくもお腹いっぱい……まんぞく……」
「うー、まだ食い足りねーぞー……Zzz」
この辺りで鍋に仕込んでいた睡眠薬が効いてきたのか、その場でバタバタと倒れるかのように眠りこけてしまうマンティコアキッズ。
「ここは僕が片付けておきますから、ゆっくりするといいですよ」
既にカシムの言葉も届かないのか、既に寝息を立てているようだ。
こうなってしまえば好都合だ。
まずは食後、やたらと散らかった鍋セットやらを簡単に片付けると……
「さて……お腹いっぱいになりましたか。では……静かに眠りなさい」
カシムは『帝竜眼「女媧」(イノチアルモノヲヒテイスルモノ)』で魔術光弾として放たれた死の刻印をマンティコスキッズに刻むと、帝竜眼より知性ある生命体全てを殺す光でまとめて消滅させていく。
痛みもなく、お腹いっぱいのまま死ねたのは幸運だったに違いない。
「せめて痛み無く静かにおやすみなさい」
跡形も無くなった鉄甲船の甲板上で、消えていったマンティコアキッズに向け、カシムはそう言い放つのであった。
……かくして猟兵撃滅に動き出そうとしていたマンティコアキッズは、猟兵達の用意したおいしい物を食べた上で、まとめて退治された。
これにより、万一『邪剣』ピサロ将軍が逃走に成功した際に、残存戦力として別世界に連れて行かれると言う不安要素も無くなったのだ。
まあ、マンティコアキッズが戦力になるかどうかは置いておくとして、だが。
それはともかく、最後に美味しい物を食べる事が出来て、奴らは幸せだったに違いないだろう……多分、きっと、おそらく。
大成功
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