羅針盤戦争〜ひざまずけと、王は告げる
●
「羅針盤戦争でのみんなの活躍の結果、五の王笏島がついに見つかったよ!」
グリモア猟兵のベッキー・ウッドは小さな体から元気いっぱいに声を響かせた。
「急ぎここに向かい、カルロス・グリードの一形態の五の王笏を打倒してほしい!」
そしてベッキーは顔を引き締めた。
「けれど――敵を倒すのは、決して簡単じゃない。カルロスはアックス&ウィザードの力を具現化し、『ベルセルクドラゴンの鎧』を身につけている」
故に、カルロスは高速思考及び超戦闘力攻撃を使い、猟兵達にユーベルコードによる先制攻撃を仕掛けてくる。
『ひざまずき、許しを請え』という命令に従わないものを負傷させる、ブレスの技。
身体強化とドラゴン化することで放つ、超高速の一撃。
敵意を向けたものを傷つける、竜のオーラ。
これらの技のどれもが凄まじい威力を持っている。
「障害はそれだけじゃない。島には『白骨化した古竜(スケルトン・エルダー・ドラゴン)』が大量にいて、カルロスの命令に従ってみんなを攻撃してくる」
骨の竜達とカルロスの先制攻撃、両方への対処方法を考えておかないと、苦戦はまぬがれない。
「でも、骨の竜達は、ブレス等の特殊能力は持たず、肉弾戦でかかってくるだけ。そして骨の竜の体は脆い。対処の方法はきっとある。
カルロスが先制攻撃で出してくるユーベルコードにも、みんなが知恵を振り絞れば、対抗手段を見つけ出せるはず。
骨の竜とカルロスにどう対処するか、よく考えたうえで、戦いにのぞんでね!」
ベッキーは信頼を込めた目で皆を見て、そして言う。
「今回、カルロスを倒せば、七大海嘯支配下の島を一つ解放することができる。そのためにも油断せず、戦ってほしい。皆ならきっと勝てるって信じてるから!」
●
「ついに此処までたどり着いたか、猟兵ども」
島に上陸した猟兵達が目にしたのは、竜の鎧を身に纏った白い肌の男、カルロス・グリード。
「だが――コンキスタドールの王たる我を容易く討てると思わぬことだ」
猟兵達に冷徹な眼差しを向け、そして告げる。
「猟兵どもよ。我が前にひざまずき許しを請え!」
カルロスの声に呼応するかのように、ガシャリ、カルロスの周辺にいた白い骨の竜達が動き出す!
支倉みかん
支倉みかんです。ご閲覧有難うございます。
本シナリオは羅針盤戦争の一局面、
カルロス・グリードの一形態、五の王笏との戦いになります。
●カルロス・グリードについての補足
カルロス・グリードはPOWのユーベルコードを使用する際「ひざまずき、許しを請え!」と命令してきます。
その他の能力については、OP及び第一章のユーベルコードの説明をお読みください。
強敵です。
●プレイングボーナス
以下の行動をとった場合、プレイングボーナスがつき、有利に戦えます。
『敵の先制攻撃ユーベルコードに対処し、同時に「白骨化した古竜」にも対応する』
以上です。
皆さんの力と知恵を存分に発揮し、勝利を掴んでください。
よろしくお願いします!
第1章 ボス戦
『七大海嘯『五の王笏』カルロス・グリード』
|
POW : アリエント・ドラゴーン
【鎧から放射される凶暴化ブレス】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD : エスパーダ・ドラゴーン
【鎧の身体強化】による素早い一撃を放つ。また、【肉体をドラゴン化する】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : イーラ・ドラゴーン
【自身または竜に対する敵意】を向けた対象に、【負傷の分だけ威力を増す狂える竜のオーラ】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:hoi
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
夜叉ヶ池・鴉暁
ベルセルクドラゴン……?(戦争のとき関わらなかったので印象に薄い)
ーーまぁいっか、どうせ倒すんだし覚えとく必要もないでしょ。
先制攻撃の軌道を読んで、交差させた武器と電撃の防御で受け止める。(見切り、武器受け、オーラ防御)
んでもって、UCを発動して雷撃の放射で周囲全方向に攻撃。さらに、「雷鶴」を振るってカルロスに攻撃しながら周囲の骨竜たちも斬ってく。
相手の加速にはこっちもUCの高速移動で対応ね。
雷撃で行動の阻害ができるといいけど……鎧の強化度合いが未知数なのがなー。ま、追いついて斬ればいっかぁ。
君らからすれば、俺たち猟兵のほうが侵略者に見えるのかな?なぁんて、ね。
●
守りの呪が織り込まれた衣『白妙』を纏った夜叉ヶ池・鴉暁は『五の王笏』カルロス・グリードの前で、マイペースに首を捻る。
「ベルセルクドラゴン……? まぁいっか、どうせ倒すんだし覚えておく必要もないでしょ」
「ああ、覚える必要もない――汝らは我が前に倒れ伏すゆえに!」
声と同時にカルロスの鎧と体が変質する。青と赤からなる竜の姿になると、かぎづめを生やした腕を高速で繰り出してくる!
鴉暁は緑の瞳で敵を凝視。軌道を読み、『鱗紋刀』と『雷鶴』を体の前で交差。二振りの刃と電撃とで、敵の一撃を受け止めた!
それでも、ドラゴン化した腕の威力に圧され、数歩後退する鴉暁。
好機と見たか、周囲にいた骨の竜どもが鴉暁めがけ、とびかかってくる。
「相当な威力だったけど、想定内だね」
鴉暁は目を細め【閃駆・嶽御雷】を発動!
「疾れ!」
鮮緑の雷気を纏い、全方位に雷撃を放射! 竜どもに電撃を浴びせ、動きを止めた。
敵群が態勢を立て直す前に、鴉暁は走りだす。敵中を駆けながら、両腕を振る。
鱗めく紋様を持つ刀身で竜の胴を切断、深緑の刀身で頭蓋を破壊!
「何ぃ?」
驚愕の声をあげるカルロス。彼もさきほど鴉暁が発した電撃を受け、動きを鈍らせていた。
「鎧の強化度合いでも、電撃は防ぎきれなかったようだね。なら――」
鴉暁は再び電撃を放ち敵を牽制、そして向け跳躍。落下と同時に、二刀をカルロスの両肩に叩きつけた!
確かな手ごたえを感じつつ鴉暁は着地。敵へ、飄々と声を投げかける。
「君らからすれば俺たち猟兵の方が侵略者に見えるのかな……なぁんて、ね」
大成功
🔵🔵🔵
クロス・シュバルツ
アドリブ、連携可
カルロス・グリード……彼がどうやってこれらの力を手に入れたのか些か興味はありますが、それは戦いに勝ってから考えましょう
ブレスは『ダッシュ』で移動して回避を試し、当たるなら『オーラ防御』でダメージを軽減
ルールの宣告は避けられないが、それに従っても隙だらけ
そこを狙われる可能性を考えれば命令を守るだけ無駄だろう、追加ダメージは大人しく受ける
古竜とカルロスはUCで纏めて攻撃。古龍が多ければ鎖は広く浅くばらまき、少なくなったら密度を上げて一体あたりへのダメージを上昇させる
カルロス相手には特に、地面からも鎖を発生させる事で『不意打ち』気味に、『串刺し』、『体勢を崩す』所で渾身の一撃
ゲニウス・サガレン
超人以上の存在にどうやって対抗していくか
他の猟兵の力も借りたいが、まずは足止め
アイテム「陸生珊瑚の浮遊卵」
高速攻撃には不規則な飽和攻撃で対抗する
この卵は、空気中で水蒸気を吸い、一気に半径2,3mまで膨らむ
弾性に富む、言わば浮かぶスーパーボールだ
これを無数にばらまき、進路をふさぐ
アイテム「フライング・シュリンプ」
群れを次々突っ込ませ、カルロスを牽制
さらに浮遊卵にエビを当て、ランダムに飛ばす
エビの別の一群で白骨化した古龍に対処
集団で骨盤の骨を狙え!外せば骨格が崩れる
さて、間に合うか?
UC「ゴーイング・マイウェイ」
アイテム「沈滞の投網」
有り金全部投じてUC発動、自動修復の投網で王を少しでも拘束する!
●
クロス・シュバルツとゲニウス・サガレンの黒と茶の瞳は、前方に向けられていた。
傷ついたカルロスは再び体をドラゴン化させ、猟兵へ突進してくる。
「彼がどうやってこれらの力を手に入れたのか些か興味はありますが、それは戦いに勝ってからですね」
「ああ。まずは足止めと行こう」
ゲニウスはクロスに手短に答え、カルロスへ無数の球体を投げつける。
球体――『陸生珊瑚の浮遊卵』は跳ね回りつつ膨張。
膨張した卵によって、カルロスは突進を妨げられた。カルロスは立ち止まり、ドラゴン化を解除。
「小癪な真似を! だが我は負けん。猟兵よ、ひざまずけ! 許しを請え!」
忌々しげに言い、全身からブレスを放射!
クロスは、
「ゲニウスさん、ブレスは俺が受けます。後ろへ!」
闇を形にしたかの如き長靴で走り、ゲニウスを庇うように前へ。オーラを展開、敵のブレスを受けとめた!
クロスの体に僅かにかかったブレスは、王の命に従えとクロスを蝕む。
クロスはあえて命令に従わず、立ち続ける。力がクロスの体に裂傷を作る。血が落ちた。
「――ッ!」激痛にふらつくクロスを狙い、骨の竜どもが飛び掛かる。その時。
「クロス君、ブレスの対処、感謝する。今度は私がなんとかしよう」
ゲニウスがそう言い終えた途端、エビの大群が宙に浮かび上がった。
エビの群れは空中を泳ぐように移動し、時に浮遊卵にぶつかりながら、骨の竜どもを襲撃。
「集団で骨盤の骨を狙え! 外せば骨格が崩れる」
ゲニウスの意に従い、エビたちは暴れ回る。骨の竜達に罅を入れ、あるいは骨をずらし、骨竜たちの動きを確実に鈍らせていく。
その間に、クロスは体勢を立て直す。傷から鎖へ血を垂らし詠唱。
「棘よ、俺の血を啜れ。さあ、――罪茨よ、暴れ穿て」
【蹂躙する棘の鎖】を発動。鎖は血を吸い、脈動、そして分裂、伸長。無数の鎖が、骨の竜の体を幾度となく打ち据える!
ゲニウスのエビとクロスの鎖が、骨の竜を次々に破壊!
「――エビに鎖だと? そのようなもので、骨の竜は止めれても、我は止めれぬ!」
再び、二人へ駆けてくるカルロス。
「それでも、止めて見せよう。有り金をすべて使ってね」
ゲニウスの口調はいつも通りだが、声には鋭い意志があった。
ゲニウスは『沈滞の投網』を敵に投げつけつつ、【ゴーイング・マイウェイ】を実行。有り金のすべてを代償に、カルロスを投網で拘束!
カルロスは投網を力づくで破く。が、即座に自己修復する投網はカルロスを逃がさない。
ゲニウスはクロスに視線を送る。クロスはこくりと頷き、鎖の一部――地中に忍ばせていたそれを操る。
「当てますっ!」
はたして地面から鎖が伸びる。投網に気を取られたカルロスは対応できない。鎖がカルロスの足を槍の如くに貫く!
流血しつつ鎖を引き抜くカルロス。その瞳には確固たる殺意。
「少しも怯んでない。……さすがに、超人以上の存在。油断できないね」
「でも、確実に傷ついています。このまま休ませずに、攻めていきましょう」
ゲニウスは投網を構えなおし、クロスは鎖を操り続ける。敵にさらなる傷を負わせるために。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
トリテレイア・ゼロナイン
帝竜戦役のベルセルクドラゴン…
竜退治は騎士の誉れにして責務、仮初なれど再度の相対は望む所
五の王杓、折らせて頂きます、王よ
センサーでの●情報収集で白骨竜の分布を把握し、王への最短ルートを割り出し接近
●怪力で振るう剣や盾で粉砕排除しながら出来るだけ距離を詰め
発射されたブレスを●盾受けし被害を軽減
装甲に罅が…!
致し方ありません…
先の不遜なる言動に度重なる御不敬
騎士として無礼千万な未熟な我が振舞い
お許しください、王よ
ええ、お許しを
跪いた状態で背部装甲開きUCで●騙し討ち
肩部格納銃器での騙し討ちスナイパー射撃で脚を撃ち抜いた王を周囲の白骨竜ごと切り刻み
竜退治に人の悪知恵は付き物なのです、王よ
●
「竜退治は騎士の誉れにして責務、仮初なれど再度の相対は望む所。五の王笏、折らせていただきます、王よ」
トリテレイア・ゼロナインは己、ウォーマシンの機体から、詩を読む如く朗々と声を出す。
儀式剣を持ち上げ、大型盾を突き出すように構え、骨竜の群れの中へ。
トリテレイアは全身のセンサー群を起動させ、敵の分布や動きを把握。最適な経路を見つけ出し、骨竜の攻撃を掻い潜り、王――カルロスへ接近。
「剣の間合いになど入らせるものか――ひざまずけ、許しを請え!」
叫ぶカルロスの肉体から放射されるブレス。
トリテレイアは盾を掲げ、ダメージを軽減。が、ブレスの威力は盾に亀裂を生じさせる。装甲にも罅が入った。
トリテレイアはブレスの力に逆らわず、その場に膝をつく。
「……先の不遜なる言動に度重なるご不敬、騎士として無礼千万な未熟な我が振る舞い、お許しください、王よ」
額を地面にこすりつけ謝罪の弁を述べるトリテレイアに、カルロスが近づいてくる。
「ああ、許してやろう。汝が死をもってな!」
「ええ、お許しを」
カルロスが腕を振り上げた次の刹那、トリテレイアの肩部装甲が開く。銃火器が現れカルロスの足を撃つ。
さらにトリテレイアは【収納式ワイヤーアンカー・駆動出力最大】を実行。
背部より射出される幾条ものワイヤーアンカーが、骨竜達を木っ端微塵に切り刻み、さらに、カルロスの腹を裂く!
深手を負ったカルロス。憎悪の塊の如き彼の視線を、トリテレイアは顔を上げ受け止める。そして淡々と告げた。
「竜退治に人の悪知恵は付き物なのです、王よ」
大成功
🔵🔵🔵
ナイ・デス
古竜の骨……群竜大陸のあの骨を思い出しますが、ユーベルコード軽減の力は、ないでしょうね……?
いえ……あったとしても、脆いのなら!
「ダイウルゴス」の中、視界は0
【第六感】で感じるままに【念動力】で動かして
光を噴いて【推力移動】そのまま、突っ込む!
【重量攻撃】攻防一体の質量攻撃で砕き、カルロスさんへ
【武器改造、継戦能力】合体の組み換え「聖なる光」の再生で隙間をなくしブレスを遮断
できなくてもダメージ【覚悟、激痛耐性】気にせず
私は、死なない。跪きも、許しを請いもしない!
帝竜の力には、帝竜の力!
『リベレイション』
【継戦能力】何度砕かれても、諦めない
再生繰り返し、戦闘力増強、上回って倒す!
カシム・ディーン
認めましょうカルロス
お前は今…竜を跪かせる竜の王
帝竜であると(邪笑
対wiz骨
【属性攻撃・迷彩・戦闘知識・視力・情報収集・医術・スナイパー・武器受け・念動力】
骨竜達の構造上脆く且破壊すれば動きに制限がかかるだろう場所の捕捉
光属性を全身に付与
光学迷彩で存在を隠し竜達に捕捉させず
その上で光線を放ち部位を破壊し行動を制限させ
放たれるオーラに対して念動障壁に光の壁を重ね更に短剣でガードして致命だけは避け切る!
ああ…知っていますよそのオーラ
確か…こうでしたねぇ?(UC発動
【二回攻撃・切断・捕食・盗み・盗み攻撃・生命力吸収】
オーラを纏い襲い掛かり短剣で切り裂き噛み付いて生命を奪い
更に片方の眼球強奪を狙う!
●
カルロスの鎧は既に罅だらけ。地面にいくつもの血の染み。
それでもカルロスの瞳には極めて強い殺意。
彼の意に応じて、島中から無数の骨の竜が集い、猟兵達に襲い掛かる。
ナイ・デスは変形合体し巨大化した彫像、『SOD-71D「ダイウルゴス」』の中から、第六感で敵の動きを感じ取っていた。
「古竜の骨……でも、今までの戦いぶりからすると、ユーベルコード軽減の力はないみたいですね……それに、脆いのなら!」
ナイは念動力を発動。ダイウルゴスは光を噴き骨の竜たちに突撃。堅さで敵の爪を弾き、重さで骨を粉砕!
カシム・ディーンは仲間の奮戦を茶の瞳で観察していた。
「なるほど……あの部分を破壊すれば、動けなくなる、と。……わかりました」
光属性の力を身に巡らせ、魔道具『ステルス迷彩フィールド』を使用。
骨の竜は存在を隠したカシムに気づかず、ナイへの攻撃を続行。
カシムはその竜の腰骨を光線で射抜いた! 骨の竜は何が起こったか分からぬまま倒れこむ。
ダイウルゴスを操るナイ、迷彩と的確な射撃を駆使するカシム、二人の活躍で、骨の竜達は数を減らした。
ナイはダイウルゴスの合体を組み替え体を変形させながら、正面からカルロスに挑みかかる。
「屈せよ、猟兵! 跪き、許しを請え! そして死ぬがいい!」
飛んでくるブレスと命令。
ナイは聖なる光でダイウルゴスを再生。可能な限り隙間をなくし、ブレスのほとんどを遮断!
僅かにかかったブレスがナイに命令に従わせようとするが、ナイはダイウルゴスの中で断固として首を振る。
「私は、死なない。屈さない。跪きも、許しを請いもしない! ――『リベレイション』」
【『ブレンホルズ・ジヴィライゼーション』】でダイウルゴスの彫像や黒剣と融合を果たした。
そしてナイは敵に向かって突き進む。
カルロスは幾度となくブレスを噴きかけてきた。
そのたびにダメージを受けるが、ナイは動きを止めない。諦めない。
破損個所を再生し己を強化し、加速し、さらに前へ! 渾身の体当たりをカルロスへ!
ナイの体当たりは竜の鎧の罅を広げ、カルロスの骨を砕く!
ナイの一撃はカルロスに致命的なダメージを与えていた。しかしカルロスはなお戦いの構えをとり続ける。
「イーラ・ドラゴーン!」
カルロスが発するは、狂おしいまでに眩い竜のオーラ。
カシムはカルロスを見、うっすらと冷たい笑みを浮かべる。
「認めましょうカルロス。お前は今……竜を跪かせる竜の王、帝竜であると」
襲い来るオーラを前に、カシムは手を突き出す。光の壁と念動力による障壁を構築。ブレスは二つの壁を破壊するが、ルーン魔術を込めたソードブレイカーで急所を庇う。
敵のオーラを浴びたカシムは体をふらつかせるが、邪笑を崩さない。半仮面の縁に指をかけ、
「それに、ああ……知ってますよそのオーラ。確か……こうでしたねぇ――万物の根源よ…帝竜眼よ…闘争の狂気と極限の理性を秘めし竜の力を此処に示せ……!」
【帝竜眼「ベルセルクドラゴン」】を発動。
全身を狂竜のオーラで覆ったカシムは、短剣をふるう。今まで受けた苦痛を力に変え、敵の傷口を容赦なくえぐり、生命力を吸収。
カルロスは抵抗しようともがくが、カシムはさらに短剣を突き出す。敵の眼球を、命ごと強奪!
最後の言葉を残すこともなく、カルロスは息絶えた。体はゆっくりと消滅していく。
「終わりました、ね」
「ええ……間違いなく殺し終わりましたよ」
荒く呼吸をしながらつぶやくように確認するナイ。普段通りの表情で頷くカシム。
この局面での勝利を得た猟兵達は、戦果を仲間たちに報告するべく、あるいは戦争の次の局面に向かうべく、足早に移動するのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵