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銀河帝国攻略戦④～機械頭脳の残滓を叩け

作者：ヨグ

「皆さん、呼びかけに答えていただき、ありがとうございます。」
　アト・タウィルは猟兵たちに一礼し、状況を説明し始めた。
「現在、銀河帝国に抗う私たち猟兵を援護するため、宇宙船の人々が合流しようとしています。
　先日の『ヘロドトスの戦い』の結果、入手した『ワープドライブ』を宇宙船の動力であるコアブロックに取り付けることで、スペースシップワールド内を自由に動けるようになります。
　それにより、銀河帝国に対抗する宇宙船団を纏め上げ、一気に銀河帝国を叩こうということです。
　それはいいのですが、銀河帝国側もその動きを黙って見ていてくれません。
　宇宙船に潜入している工作員が、宇宙船のコアブロックを破壊しようとしていますので、皆さんにそれを阻止していただきたいと思います。」
　ここで写真を取り出して見せ、
「私が送り届けられる船では、餓狼無道と呼ばれるデータコード……コンピューターウィルスのようなものが肉体を得て動き出しました。
　見た目はドラゴンと人を掛け合わせたような形をしていますが、レーザーを放ったりナノマシンを散布したりと、見た目通りの生き物と思わない方がよさそうです。
　十分注意して事に当たってください。」
　アトはグリモアを起動し、宇宙船の一つの廊下を映し出す。
「ここは、コアブロックへ至る唯一の廊下となります。
　ここを通らなければたどり着けないので、敵は必ずここに現れます。
　待ち伏せといきましょう。」
　それではみなさん、よろしくお願いします。
　その言葉とともにゲートは開かれた。

第1章 ボス戦 『餓狼無道』

POW   :    ライクアヒュドラ 自身の身体部位ひとつを【ドラゴン】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。 SPD   :    キリングイカロス 【高速演算による正確な未来予測】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【急所を撃ち抜くレーザー】で攻撃する。 WIZ   :    デウス・エクス・マキナ 見えない【遠隔操作型ナノマシン】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。 👑17 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

　コアブロックへ向かう廊下に、ローブを着たドラゴンといった雰囲気の敵が現れる。
「とりゃあ！」
　物陰から機会をうかがっていたセルリア・ジークフォート（響かせる旅音・f00830）が、三日月型の刀を居合の要領で抜刀する。
　風の精霊の力を乗せた衝撃波が餓狼無道の腕に当たり、斬れた……ように見えた。
「敵ヲ、確認。」
　腕の傷口がブレたように見え、まるで傷がなかったかのように体を再構築する。
「うそでしょ、効かないなんて！」
「くらえ！」
　餓狼無道が攻撃に移ろうとした時、ベルベナ・ラウンドディー（ドラゴニアンのバイク乗り・f07708）のバイクが突っ込む。
　自動制御のバイクは狙いたがわず、餓狼無道の足を弾き、体勢を崩させる。
「さぁ続け！」
「行きますよ！」
　バイクを囮に餓狼無道へ近づくベルベナに続き、駆け出すロザリア・ムーンドロップ（薔薇十字と月夜の雫・f00270）。
　ロザリアは両手に電撃を溜め、膝をついた餓狼無道に掌底の要領で叩きつけ、電撃を放つ。
「びりびり痺れちゃってください！」
「……損傷、軽微。」
　電撃が通った餓狼無道の体が、水面の波紋のように波打つが、まだ大した傷は与えられていない。
　だが動きは少し鈍っていた。
　そこへ自らの爪を餓狼無道に突き刺すベルベナ。
「宣告する。貴方は今から……。」
　そのまま竜に伝わる紋を刻み上げ、
「攻撃の速度が低下する！」
　餓狼無道の動きが目に見えて遅くなる。
　それを見てベルベナは直刀を振り上げ、
「よし、じゃあ続けてやるぜ！」
「反撃ヲ、開始。」
　シュウ……と周囲にナノマシンを散布する餓狼無道。
「ちっ！」
　それを見て飛び退り、距離をとるベルベナ。
　だが、ロザリアはそのまま両手を餓狼無道に向け、電撃を周囲のナノマシンへ放つ。
「これで、どうです！」
「接続、断絶。」
　ナノマシンに誤作動を起こさせ、餓狼無道の攻撃を無効化させた。
「うおらあああ！」
　それを見て一気に近づき、直刀で斬りかかるベルベナ。
「そこ！」
　さらに後ろから、セルリアのアルバレストからの矢が飛来した。
「損傷、軽微。」
「くっそ、効いてる感じがしねえ！」
　餓狼無道の肉体は間違いなくあり、切り傷は与えられるし矢も突き刺さる。
　だが、その都度体を再構築し、異物を体から抜き出す餓狼無道。
「ちっ！一旦引くぞ！」
「は、はい！」
　逃げる隙を作ろうと、ロザリアは再度雷撃を帯びた掌底を餓狼無道に当てる。
　先ほどと同様の反応しかないが、少しだけ動きが鈍った感じがした。
「よし、今だ！」
　ベルベナは直刀で餓狼無道の首を刎ね、そのまま二人で背中を向けて走り出す。
「危ない！」
　すぐに体勢を戻した餓狼無道が、指からレーザーを放とうとしているのを見たセルリアが、アルバレストの矢を指に向けて連射する。
　阻止はできなかったが、レーザーは二人から逸れて廊下の壁を焦がす。
　その間に、セルリアのいる柱の影へ廃りは滑り込んだ。
「なんなんだ、あの体！」
「普通の体とは違うっていうことかな……。」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

「援護していただく方々の合流を阻むと言うことは、ワープドライブを入手した皆さんの努力を踏みにじると言うこと……必ず、阻止します。」
　指揮棒……にしては少し大きい棒を引き抜きながら、蝶ヶ崎・羊（伽藍堂の歌箱・f01975）は戦いへの覚悟を決める。
「ここが最前線、ヘロドトスの冒険で手に入れたミディアさんの力を、易々と奪わせてなるものですか！　今度こそこの宇宙を、解放する！」
　巨大な盾を持ち直し、ユーノ・ディエール（アレキサンドライト・f06261）も同じように気合を入れた。
「では、私が囮になります。存分に攻撃を。」
「ええ、心得ました。」
　盾を含めた武装を高機動形態に変え、飛び出すユーノに続いて蝶ヶ崎も駆け寄る。
「敵ヲ、確認。」
　餓狼無道は指を上げ、ユーノへレーザーを放つ。
「……正確無比な攻撃ならば、攻撃箇所は予想しやすいですね！」
　自身の急所を念動力でガード、全て防ぎきる。
「さぁ、もっと私へ攻撃してきなさい！」

「風の神よ……目の前の罪人に罰を与えたまえ！」
　言葉とともに、蝶ヶ崎は小刀を咥えたイタチを数匹召喚する。
　うち一体は比較的体が大きく、それを自分の近くに来させてから、
「さぁ、行きますよ！」
　数匹の小さいイタチを餓狼無道へ襲い掛からせる。
　足元から飛び上がり、小刀で斬りかかるイタチ達に向けてレーザーを撃とうとするが、
「隙ありです！」
　蝶ヶ崎は指揮棒、大きめのイタチは小刀で、左右からの一斉攻撃。
　肉を打ち、斬りつける感触はある。
「損傷、軽微。」
「まだまだ、ですか！」
　再び小さいイタチに攻撃をさせ、距離を離す蝶ヶ崎。
　餓狼無道が蝶ヶ崎へレーザーを放とうとすると、ユーノが間に立ちふさがる。
「あなたの攻撃、解りやすいですよ！」
　やはりプログラムですね！と念動力でレーザーを逸らす。
「一旦仲間に任せて引きましょう。」
「ええ、解りました。」
　蝶ヶ崎はイタチ達を引かせ、ユーノは手持ちの武装からミサイルを放ち、着弾の爆発とともに二人は餓狼無道から離れた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

「よっし、ここならばれないよ！」
　少し時は巻き戻り、餓狼無道が来る前の廊下を見渡している道化師がいた。
　隠れ場所を探していたフェルト・ユメノアール（夢と笑顔の道化師・f04735）である。
　目ざとく、ちょうど身を隠すにはおあつらえ向きな場所を見つけ、薔薇園の古城の面々は身を潜めた。

「敵ヲ、確認。」
「ふふ、まずは撹乱といきましょうか。」
　餓狼無道の前に一人飛び出した、踊り子姿のネージュ・ローラン（氷雪の綺羅星・f01285）。
「さぁ、踊りましょう？」
　言葉とともにステップを踏み、シルクベールを翻しながら身軽に空中へ飛ぶネージュ。
　餓狼無道はレーザーを放つが、照準を合わせる頃には隣の壁や天井などに飛び移っていた。
　そこへ飛来する、１本の短槍。
「さぁ、痺れな！」
　雷を込めたそれを餓狼無道へ投げつけたのは、動きやすい巫女装束の神宮寺・絵里香（雨冠乃巫女・f03667）。
「損傷、確認。」
「よし、行くぞ！」
　短槍に貫かれ、明らかに動きが鈍ったことを確認し、神宮寺は薙刀を持って距離を詰める。
　それを合図に、物陰から薔薇園の古城の面々が飛び出した。

「私達に協力しようとしている宇宙船団なんです。その思いを摘み取らせてなるものですか！」
　その場から立ちあがり、黄昏色の刀身の刀を引き抜いた燈夜・偽葉（黄昏は偽らない・f01006）。
「ぶった斬ってあげます！」
　言葉とともに横薙ぎに刀を振り、衝撃波を飛ばす。
　餓狼無道の首が一瞬ずれ、体が再構築されていく。
　さらに手足へ道化師の投げナイフが突き刺さる。
「へへ！私が援護するから、みんな斬りかかっちゃってよ！」
　フェルトは投げナイフを手元でくるくる回しながら、言葉をかける。
　
「クラお姉ちゃん、術ちょっとだけ借りるで。“ほのおよ、我が許へ集え" やったかな？」
　別の人格の扱う炎の魔力を纏い、“でんせつのけん”を構えて駆け寄るのはペーナァ・キャットハウス（お外でゴロゴロ・f05485）。
「銀河帝国の好きになんかさせへんねんから“ゆうしゃ"のうちがやっつけたる！」
　燈夜やフェルトの攻撃で身動きが取れない餓狼無道へ斬りかかる。
「損傷、甚大。」
　斬撃は炎を纏い、切断面を焦がし、明らかに他の部分よりも再構築に手間取っている。
「続けていきますわよ！」
　ペーナのすぐ後ろから蒸気エンジン付きのルーンソードを振り下ろす、ローズ・ベルシュタイン（夕焼けの薔薇騎士・f04715）。
「まだですわ！」
　さらに蒸気を噴き上げるそれで斬り上げ、餓狼無道の体を分断する。

「反撃、開始。」
「危ないですよ。」
　分断した面からナノマシンが噴出されたことを察したネージュ。
　最接近している二人と餓狼無道の間に入り、精霊の魔力が宿るシルクベールを広げて舞う。
　ナノマシンは絡めとられ、本来の働きをすることなく散っていった。
　その間に体の再構築を済ませた餓狼無道の視界からシルクベールが消えると、白蛇の意匠のある薙刀が振り下ろされた。
「お前は徹底的に切り刻んでやる！」
　神宮寺は愛用の薙刀・叢雲に雷の力を纏わせ、力任せに振り下ろす。
　ぞぶりと肉を斬る感触とともに、餓狼無道の体が二つに分かれる。
「損傷、甚大。」
　元々はコンピューターのデータ、電気のオンオフ信号に過ぎない餓狼無道にとって雷撃は致命的な効果を発揮していた。
　体がずれ落ちたままの再構築、照準の合わないレーザーの照射……と動きに無駄が増えていた。

「ダメージは蓄積されていますね、皆さん攻撃を続けましょう。」
　一番近くでそれを見ていたネージュ。
　コンピューターどころか機械についても詳しくはないが、畳みかければ体を維持できなくなるのは直感で分かった。
「解った！」
「ぶった斬ってあげますよ！」
　餓狼無道の腹を神宮寺の雷を帯びた薙刀が貫き、動きを止めたところに飛来する黄昏色の剣閃が二つ。
　燈夜が勢いよく二回薙いだ分、餓狼無道の首と胴が断たれる。
「ふふ、それではいきますわ！」
「再生するならこうしてあげるよ！」
　ローズは蒸気エネルギーを最大まで上げ、その勢いを使いルーンソードで薙ぎ払う。
　餓狼無道の腰を両断し、体が離れたところに狙いすましたフェルトの投げナイフが突き刺さる。
　体は再生されず、上半身が地面に落ちる。
「うちでとどめや！」
　落ちた上半身にペーナァは全体重を込めてでんせつのけんを突き刺す。
　胸に突き刺さった剣から炎が上がり、餓狼無道の肉を焼き焦がしていった。
「ヒ、ヒガ、ガガ……」
　ビクビクと餓狼無道はその上半身を震わせていたが、凝集する力を失い崩れていった。

「やったでー！倒してやったぞ！」
「ふふ、お疲れさま。」
　自分で倒したことを喜ぶペーナァに労いの言葉をかけるローズ。
「再生怪人ってやつかな？本当にしぶとかったね。」
　つんつん、と崩れた肉を投げナイフの先でつつき、様子を見ているフェルト。
「全くだ。だがもう大丈夫だろ。」
「……これでも起き上がってくるのは、ちょっと怖いんですけど。」
　やっぱり機械は苦手……とつぶやくネージュに、大丈夫だからと笑顔を向ける神宮寺。
「でも、こんな感じに起きて向かってくる敵って……。」
　刀を収めて近づいてきた燈夜はにこやかに言った。
「武道の練習台として、すごく優秀ですね！何度斬っても壊れないのは最高です！」
「……あ、ああ。確かに。」
　目をキラキラさせているのを見て、神宮寺は若干気圧されていた。
「ローズさん！今度そういうのを私に作ってください！」
「あ、うちも！うちもほしい！」
「え、あ、これですか？……どうでしょう、作れるでしょうか。あぁでも……。」
　ここをこうしてこうすれば……と頭の中で構想を練っていくローズ。
「まー、これで終わったなら良いや！んじゃ、ちょっとコアブロックも見ていこうか？」
「ええ、そうですね。」
　フェルトの言葉に、皆は同意する。
「ふっふっふ、銀河帝国をぶったおすためにがんばるんやで！」
　コアブロック、もしくはこの宇宙船へ檄を飛ばすペーナァを先頭に、コアブロックへ向かっていった。

　薔薇園の古城の面々が廊下を出た後……。
　崩れ落ちた餓狼無道の肉体がピクリと蠢く。
　スライムのように体を集め、再び肉体を再構築した。
「……被害、甚大。」
　体の密度が減り、動きは遅くなっていたが。
「任務……続行。」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「……嫌な予感的中、ってわけだ。」
　ハルバードを構えたクロウ・タツガミ（昼行灯・f06194）は、起き上がった餓狼無道と対峙していた。
「放っておいたら大変なことになるのです。好き勝手にはやらせないのです。」
　熱線銃と精霊銃を両手に構え、シュトフテア・ラルカ（伽藍洞の機械人形・f02512）も物陰から狙っている。
「任務、続行。」
「させるかよ。」
　コアブロックへ向かおうとする餓狼無道に斬りかかるクロウ。
「援護するのです！」
　シュトフテアは両手の銃をさらに複製、合計で２３丁もの銃を念動力で動かしていた。
　熱線と弾丸、その嵐に押し返される餓狼無道にハルバードを叩きつけ、クロウはその封印を解く。
「どうせ敵地だ、サカホコ、マガホコ、好きにしろ。」
　ハルバードは絡み合う白蛇と黒蛇に代わり、翼を持ったそれは餓狼無道に絡み付きまとわりつき、動きを止めさせていた。
「……弾丸の雨の中、敵と殴り合いは肝が冷える。」
　当たらないと解っていてもな、と自身も竜派の姿になり、素早く後ろに下がる。

「コンピュータウイルス由来ですか、ホワイトハッカーでもある私が対応しましょう。」
　ゴーグルとマスク、さらにアームドフォートのスコープを頭に付け、狙撃体勢についたクネウス・ウィギンシティ（鋼鉄のエンジニア・f02209）。
「狙撃にて、ハッキング用の子機を撃ち込みます。」
　彼は今回のために、ハッキング用の無線子機を埋め込んだ弾丸を用意してきていた。
　今は、ハッキングに最も適した箇所を割り出している。
「了解、こちらは動きを止めましょう。」
　こちらも愛銃Hk477K-SOPMOD3"Schutzhund"を構え、餓狼無道の動きから再生するための核になる箇所などがないか探していた灯璃・ファルシュピーゲル（Jagd hund der bund・f02585）。
　残念ながらそういう場所はないと判断、目を狙って狙撃する。
　乱戦の中、狙いたがわず撃ち込まれた弾丸により、餓狼無道の目は吹き飛んだ。
「ヒット、では後は表皮を剥がすとしましょうか。」
「ええ、お願いします。やはり表面からでは割り出しにくい。」

「Sammeln！Praesentiert das Gewehr!」
　灯璃の言葉に、黒い森を思わせる霧が立ち込める。
「……仕事の時間だ、狼達≪Kamerad≫！」
　その中から狼のような影の群れが現れ、餓狼無道へ殺到する。
　顔を引きちぎられ足を食い破られ、全く再生が追いついていない。
「このまま押せばいけるのです！」
　全ての銃口を餓狼無道の胴体へ向け、ひたすらに乱射するシュトフテア。
　そんな彼女へ、蛇に締め付けられている餓狼無道の指が向く。
「ちっ！」
　すかさず間に入り、ガントレットでレーザーをはじくクロウ。
「ありがとうです！」
　すぐに指は弾丸の嵐によって、照準を合わせることすらできなくなった。

　大量の弾丸により餓狼無道の腹の傷が広がり、明らかに他と違う色の肉が露出する。
「……そこです！」
　正確無比にクネウスの弾丸が撃ち込まれる。
「さぁ、あなたを解体しますよ。」
　デバイスを開き、データコードを解析……データコアを発見。
「終わりです！」
　コアを空白で上書き、自己修復プログラムのループを解除。
　餓狼無道の体は、蛇に締められ弾丸に撃たれ狼に齧られるまま、ただの肉塊へと変貌していった……。

「ミッションコンプリート、ですね。お疲れさまでした。」
「おう、おつかれさん。」
　スコープをはずして額の汗をぬぐいながら、任務の終了を告げるクネウスに、武器の形に戻ったハルバードを肩にかけつつ笑顔を向けるクロウ。
「まったく、電子戦兵器が物理戦とはジョークの効いた破壊工作でしたね。」
「本当なのです。でも、何とか倒し終わってよかったのです！」
　灯璃とシュトフテアは自分の銃を肉塊に向け、本当に動き出さないか確認していたが、今度こそ完全に動きを停止したことを確信して銃を下ろした。
「これで、この船も合流できるのです！」
「ええ、銀河帝国打倒のため、頑張ってもらいましょう。」

　猟兵たちにより、一隻の宇宙船がミディアの元へたどり着き、ワープドライブの装着を待つ。
　銀河帝国打倒、その意思を静かに燃やしながら……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2019年02月03日 宿敵 『餓狼無道』 を撃破！