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羅針盤戦争〜甘く蕩ける地獄。チョコレートの渦

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #メロディア・グリード

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●甘い海域
 それは一面茶色の海だった。香りは甘く香ばしく、どこか美味しそうで夢に見たような光景であるが、これは現実だ。
 広がるのはチョコレートの海。アリスラビリンスやキマイラフューチャーならばありそうではあるが、ここはグリードオーシャンであり、広がっているチョコレートは紛うことなき本物のチョコだ。
 だが、無論このようなものが自然発生するはずもなく――七大海嘯『桜花』メロディア・グリードが巻き起こした事象だ。

「増殖する私の残滓達(スイート・メロディア)」よ。広がりなさい。海を覆い尽くすほどに、甘くと受ける地獄を見せてあげなさい。
 チョコレートは渦となりて、徐々に範囲が広がっていく。その先には――バレンタインに活気づく島があった。

●子供の夢と大人の現実
「集まったわね。早速だけど、七大海嘯『桜花』が攻めてきたわ」

 集まった猟兵達に真面目な顔で淡々と告げるフローディア・クレセント(真紅の機工姫・f29912)。いつもはキャバリアをメインとしている彼女であるが、今回のグリードオーシャンでの戦争の予知でも何やら引っかかるものがあり、今回の予知に至ったようだ。

「場所はグリードオーシャンの一角。その海域が突如甘いチョコレートの海へと変貌したわ。まるで童話みたいなお話だけど、これは現実よ。そして現実にそんなことが起きれば……大人な貴方達ならばどういうことかわかるわよね」

 真剣な顔で頷く猟兵達。それは重大な海洋汚染に他ならない。夢物語と現実は違うのだ。

「チョコレートの海の中心はチョコの渦になっているの。そしてその範囲は徐々に広がり、近くには島があるわ。UDCアースの島でしょうね……今、そこはバレンタインに向けてる足中よ。こんな事態が待ち受けてるとは思ってなかったのか、かなり騒ぎになっているわね」

 それはそうだろう。こんな子供が思い浮かぶようなことが現実に起きれば騒ぎになるのも必然。そして重大な海洋汚染が島にたどり着けば――もはやその島はチョコに支配される。

「このチョコはただのチョコではないの。七大海嘯『桜花』メロディア・グリードと同等の力を持つ分身「増殖する私の残滓達(スイート・メロディア)」の大群が次々と出現するわ。チョコや飴、クッキーで出来てるけど、攻撃力は確かね。迂闊に飛び込めば痛い目を見るわ。虫歯みたいにね。その場所までは漁師や海賊たちが船を出してくれるみたいよ。現代の船だから性能良いわね」

 数は数百を聞かずに千に届かんとする大軍だ。何ならかの対策をもって一度の攻撃で出来るだけ多く倒さねば一斉放火を受けて沈むだろう――チョコの海に。

「折角のバレンタインだけど、私たちは現実を生きてるの。この子供の夢物語を終わらせましょう」

 ああ、そうそう。このチョコレートの海や分身のお菓子は本物だから、持って帰って食べても良いわ。とフローディアは手を差し出しながら告げるのだった。


暁月
 はい、暁月です。今回は甘そうなシナリオです。ただシナリオ自体は甘くないですね。
 現場までは大型漁船とか大型クルーザーで向かうことになると思います。無論戦力にはなりません。

 プレイングボーナスですが一斉攻撃を受ける前に、可能な限り多くの「増殖する私の残滓達」を倒す。となっております。

 そしてフローディアが出たということはキャバリア歓迎です。ええ、思う存分暴れていいです。ただし、グリードオーシャンの事象で高度を飛ぶことはできません。テレポートも出来ませんが低空飛行は許可します。いつも通りのクロムキャバリアと思ってください。
 それでは、虫歯が怖い甘いバレンタインの戦いを楽しんでください。
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第1章 集団戦 『増殖する私の残滓『スイート・メロディア』』

POW   :    スイート・エンブレイス
【甘い香りと共に抱きしめること】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    キャンディ・ラプソディ
【肉体を切り離して作った毒入りキャンディ】を給仕している間、戦場にいる肉体を切り離して作った毒入りキャンディを楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
WIZ   :    チョコレート・ローズ
対象の攻撃を軽減する【融解体】に変身しつつ、【毒を帯びた薔薇の花型チョコレート】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:hina

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ニィエン・バハムート
【先制攻撃】でUC発動!そのまま私の周囲で飛び回る竜たちで敵軍勢を削り取るように突撃ですわ!
私のドラゴンの電撃【属性攻撃】【範囲攻撃】【マヒ攻撃】で融解体だかなんだか知りませんが吹っ飛ばして差し上げますの!だってチョコレートですわよね!?

しかしその攻撃力は侮れませんから私の眷属の数が6割程度にまで減って来たら【空中浮遊】【水上歩行】などで海を駆け抜けながら撤退しますわ。眷属を越えてきた敵の攻撃は【衝撃波】などで逸らせるだけ逸らし、毒には【激痛耐性】で耐えます。

あなたが命を賭してもカルロスを助けるというならば、私は命を賭してでもあなたを乗り越えてみせますわ、かつての竜王!
私の力の証明の為に!


双海・忍
銀色のキャバリアで出撃します。(コクピット内の本人の服装はメイド服)
「相手の数は多くても、みんなで力を合わせて戦えば勝てます。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【黒薔薇の嵐】を【範囲攻撃】にして、『増殖する私の残滓『スイート・メロディア』』達を纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】【見切り】【毒耐性】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも、ダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。


ヨナルデ・パズトーリ
そも、こう言う事をする為にあやつは人にカカオを授けた訳ではないんじゃが……いや異なる世界で斯様な事を言っても詮無き事か
其れにしても……後世の誤解が斯様に役に立つ事があると思わなんだな

妾の世界ではケツァルコアトルはカカオを授けたカカオの神
そして後世の誤解による物であるが彼奴は白のテスカトリポカと呼ばれる

此れは其れ故の反則技よ!

UCにより引き出したカカオの神ケツァルコアトルの力によりチョコの海に干渉
チョコの海を※呪詛により食した匂いを嗅いだ物を※マヒ(攻撃)させる物へ変貌させ動きが鈍った所に※全力魔法を※地形破壊レベルの※全体攻撃※乱れ撃ち

敵は※野生の勘も駆使し動きを※見切り攻撃は※残像を囮に回避



●チョコの海を退けろ
 甘ったるい香りが潮の香りと共に届き、しょっぱいのに甘いという絶妙に奇妙な感覚あ鼻孔をくすぐる。
 目の前に広がるのは子供の夢物語に出そうなチョコレートの大海。アリスラビリンスならば納得されただろうが、ここはグリードオーシャンだ。普通ではあり得ぬチョコの海を作り出すは七大海嘯『桜花』メロディア・グリードが生み出した、増殖する私の残滓『スイート・メロディア』だ。
 世間はバレンタインデーとはいえ、こんな海洋汚染待ったなしの惨劇を放置するわけにはいかない。七大海嘯『桜花』メロディア・グリードの愛だとしてもだ。

「あなたが命を賭してもカルロスを助けるというならば、私は命を賭してでもあなたを乗り越えてみせますわ、かつての竜王! 私の力の証明の為に!」
「相手の数は多くても、みんなで力を合わせて戦えば勝てます」

 チョコレートの大海に潜む『スイート・メロディア』に挑むはニィエン・バハムート(竜王のドラゴニアン(自称)・f26511)、双海・忍(人間のクロムキャバリア・f04566)、それに加えてもう一人、チョコレートに縁深い神を友に持つヨナルデ・パズトーリ(テスカトリポカにしてケツァルペトラトル・f16451)だ。

「そも、こう言う事をする為にあやつは人にカカオを授けた訳ではないんじゃが……いや異なる世界で斯様な事を言っても詮無き事か」

 遥か昔の同郷の友を思いながらも、ヨナルデはチョコの大海を見やる。
 感傷に浸る暇はない。このチョコの大海には千を超える『スイート・メロディア』の軍勢が潜むのだ。
 早速と言わんばかりにニィエンが動き、忍がそれに続く。

「現れよ!雷纏いし竜王の眷属!サンダー・バハムート・レギオン!」
「散る黒薔薇に囲まれて眠りなさい」

 ニィエンの周囲に竜……竜? 雷を纏った鯰みたいな鮫みたいな何かが現れ、稲光を纏いながらスイート・メロディアの軍勢へと飛び込み甘い海へとドボンと沈んだかと思えば飛び上がり、お菓子で出来たスイート・メロディアの肉体を粉々に粉砕していく。
 そこへ、忍が駆るキャバリアの武器が黒薔薇の花びらとなってスイート・メロディア達の身体をまとめて貫き、木っ端みじんに粉砕していく。
 だが、減らした数はまだ十分の一にも満たない。これではスイート・メロディアが動けばすぐに一斉攻撃で追い散らされるだろう――ヨナルデという反則的な存在がいなければの話だが。

「其れにしても……後世の誤解が斯様に役に立つ事があると思わなんだな。妾の世界
ではケツァルコアトルはカカオを授けたカカオの神」

 神というのは、そう信じられているからこそ、力を得る。ヨナルデもそれに違わない。

「そして後世の誤解による物であるが彼奴は白のテスカトリポカと呼ばれる。此れは其れ故の反則技よ!」
 
 これにて、テスカトリポカであるヨナルデはケツァルコアトルと同義ともなりえるのだ。

「此れでも妾は其れなりに古き神での。幾多の名と側面、其の一部を見せてやろうぞ」

 ヨナルデが手を翳せば、視界を埋め尽くすほどのチョコレートの海に異変が起きる。波打つチョコの海が、まるで嵐の前の静かさのように凪が止み、小さく漂いだす。
 UCにより引き出したカカオの神ケツァルコアトルの力によりチョコの海に干渉
チョコの海の動き自体を封じたのだ。チョコレートであるがゆえに、スイート・メロディアもその干渉を防ぐことが出来ず、千を超えるスイート・メロディアの軍勢の動きが鈍くなり、初動の一斉攻撃までの時間が大幅に作られてしまった。
 そこへヨナルデが全力魔法での全体攻撃を放ち、ニィエンが存分に竜っぽいのを突っ込ませ、マヒでぷかぁっと浮かび上がらせながら忍が黒薔薇の花びらで次々と打ち砕いていく。

 十二分に大量のスイート・メロディアを撃破した猟兵達は急ぎ、その場から離脱する。チョコレートの海に干渉されマヒにかかったとはいえ、いつまでもされるがままのオブリビオンではない。
 毒性の融解液となったチョコを放ち始め、ヨナルデや忍は分身を囮にしながらその場を離脱し、ニィエンもまた衝撃波で融解液のチョコを散らしつつ、急ぎ引いていく。
 3人は多少の傷を負ったものの、チョコレートの海を生み出すスイート・メロディアの数を大幅に激減させる成果を得るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鍋島・小百合子
WIZ重視

潮以外に甘ったるい匂いが立ち込める戦場じゃのう
ちょこれいとを食すには当分飽きぬぞ

「辺りに広がるは甘味の海。貴様にとっては極楽浄土であろうな?腹に溜まる事を怖れぬのならばできるだけ多くの敵を屠れ」
UC「魔眷属降臨」発動にてキメイエスの眷属を召喚
海上から引き上げたちょこれいとを先払いとして差し出し、敵の菓子とちょこれいとの海を好きなだけと戦功報酬として提示
眷属を前衛に据え、わらわは後方から長弓による援護射撃を担う
眷属が囲まれぬようその背を守るか如く立ち回り、ちょこれいとが熱に弱い事を活かしての火矢による範囲攻撃で敵群を乱れ撃ち(焼却、属性攻撃、鎧無視攻撃、弾幕、破魔、遊撃、継戦能力併用)


中村・裕美
「……メロディア・グリード……予知に……ツンデレの波動を感じる。……リア充か……滅ぼそう」

チョコの海に沈むのなら、先に沈もう
『水中用UFO』を出し、チョコの中を潜行。視界が悪くても電脳魔術で周囲を【ハッキング】【情報収集】して進む。チョコの中なら【目立たない】しね

「……一気に……殲滅するわ」
敵を見つけたら【エレクトロレギオン】を大量召喚して一斉攻撃。相手の攻撃力が高いなら、防御度外視で数攻め

「……もっと減らしたいけど……仕方ないわね」
こちらの位置がバレて攻撃されそうになったら撤退
レギオンが残っていればオートで暴れるように仕向けておきましょう

あー、世の中のカップルがチョコにトラウマ持たないかなー



●ツンデレ死すべし慈悲はねぇ!
「……メロディア・グリード……予知に……ツンデレの波動を感じる。……リア充か……滅ぼそう」
「潮以外に甘ったるい匂いが立ち込める戦場じゃのう。ちょこれいとを食すには当分飽きぬぞ」

 中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)は予知で見せつけられたツンデレの波動に当たれ、鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)は甘ったるい潮の香りに当てられていた。
 一部は個人的な嫉妬が混ざってるような気がしないでもないが、こんなチョコの海を出すほうが悪いので問題はないだろう。

「辺りに広がるは甘味の海。貴様にとっては極楽浄土であろうな?腹に溜まる事を怖れぬのならばできるだけ多くの敵を屠れ」

 鍋島は目の前に広がるチョコレートを対価とし、悪魔「【キメイエスの眷属】を呼び出さんとする。

「我は呼び喚く、深淵たる異界に存ずる魔の僕…来い!」

 古来より砂糖や果物の甘味はいけにえの対価として相応しく、このチョコレートの海もまた対価としては非常に相応しかった。スイート・メロディアが生み出した物だとしてもだ。

 悪魔たちは主の命のままに甘く蕩けるスイート・メロディアへ向けて食らいつき、鍋島もまた長弓で次々と射貫いていく。
 悪魔たちが前衛の壁となり、鍋島が後方で援護射撃を行っている一方、中村派というと――チョコの海へと沈んでいた。

「……視界が悪くても電脳魔術で周囲を調べれば問題なく進めるわね。………チョコの中なら目立たないしね」

 まさかチョコの海の中に潜むという荒業に、スイート・メロディア達は気づかない。そんな無茶なことをする猟兵がいると予想もしていなかったからだ。

「……一気に……殲滅するわ」

 鍋島の前衛の悪魔たちが獅子奮迅の働きをし、暴れている最中、ようやく攻撃態勢が整ったスイート・メロディア達が動こうとした瞬間、無数にいるスイート・メロディア達の中心から機械仕掛けの兵器が突如現れ、スイート・メロディア達打ち砕く。

 それは中村の【エレクトロレギオン】である。防御力をかなぐり捨てて、攻撃力と大軍で呼び出されたエレクトロレギオンは一斉射撃で中心部からスイート・メロディア達を粉砕していく。
 既に初動での動きでかなりの数を減らされたスイート・メロディアの軍勢は補給もままならずに数を減らしていく。

「あー、世の中のカップルがチョコにトラウマ持たないかな」

 そして最後の一匹のスイート・メロディアはレギオンの軍勢に圧殺されて、亡骸は各々が持ち帰ったり、鍋島が呼び出した悪魔たちの贄となっていった。
 スイート・メロディア達の全てを倒し終えると、海が徐々に元通りの蒼い海へと戻っていく。
 今すぐには無理だが、時間さえかければ元通りになるだろう。
 バレンタインに起きた海がチョコレートの大海となる奇妙な戦いは一部嫉妬の力もあって無事収束となる。
 だが、ここは混迷極まったグリードオーシャンだ。いずれまた、妙なものが湧いてくるかもしれないと。
 無事、倒し終えた猟兵達は甘い香りを受けながら島へと帰還していくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月15日


挿絵イラスト