2
銀河帝国攻略戦⑤~ふていけいとむじゅうりょくのたたかい

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#スペースシップワールド
🔒
#戦争
🔒
#銀河帝国攻略戦


0





「なんだあれは、帝国の戦艦なのか?!」
 伝説の『解放軍』の再来に勇み立ち、いざ合流しようとスペースシップを発進させたのはほんの数時間前。やや旧式の船ではあるが、僅かでも力になりたいとの思いで全速力で飛行させていたのだが、
「……駄目だ、機動力が違う……!」
 戦おうにも、砲台を向ける前に体当たりを喰らいそうだ。
「このままじゃ追い付かれる!」
「だが、旋回するよりこのまま逃げた方がまだ助かる可能性は……」
 混乱に陥りつつも、希望だけは捨てまいと。彼らは必死に果ての見えない宇宙を駆け抜ける。


「戦争なんだよ!」
 わたわたと慌てふためきながら、カー・ウォーターメロンは猟兵達に告げた。
「まずは『ヘロドトスの戦い』お疲れ様! 皆もう知ってると思うけど、銀河皇帝との戦いが始まったよ。で、銀河帝国に対抗出来るボクたち『解放軍』に続々と協力してくれる宇宙船が集まってきてるんだけど……」
 解放軍に合流しようとしているスペースシップに、帝国側が戦艦をワープアウトさせて送り込んでいるのだとカーは話す。
「今まさにスペースシップを追い回してる最中の敵艦があるから、そこに直接みんなを連れてくね。敵はびよーんってしたりぽよんってしたりする『ふていけいせいめいたい』だよ」
 少々気の抜ける解説だが、放置しておけばスペースシップに乗り移り、船を食べてしまう恐ろしい怪物だ。
「それに敵艦内は、気を付けないとみんなもぽよんぽよんしちゃうんだよ」
 重力制御装置に何らかの問題が生じているのか、乗っているオブリビオンが重力を必要としていないからかはわからないが、重力が小さいらしい。勢い余って壁に激突しないよう注意が必要だ。
「艦内のふていけいせいめいたいを倒したら、敵艦は破壊してね。脱出後にユーベルコードで破壊するなり追われてたスペースシップに協力を求めるなり、その辺はみんなに任せるよ。それじゃあ気を付けて。よろしくね!」


宮下さつき
=============================
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
=============================
 初の戦争イベントが始まりましたね。宮下です。
 今回はスペースシップを追う銀河帝国の戦艦での集団戦をお送りいたします。

●戦場
 重力の小さい敵戦艦内です。
 グリモア猟兵が敵戦艦内に直接皆様をお連れしますので、侵入経路等を考える必要はありません。いきなり戦闘から始まります。

●敵
 ふていけいせいめいたい×いっぱい
 ふえるのでせいかくなかずがわかりません。

 それではよろしくお願い致します。
78




第1章 集団戦 『ふていけいせいめいたい』

POW   :    のびーるんるん
自身の肉体を【完全な球体】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
SPD   :    ぽよんぽよんぽよんっ
予め【身体をぽよんぽよんと弾ませる】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
WIZ   :    れっつぶんれーつ
レベル×1体の、【おなか】に1と刻印された戦闘用【ふていけいせいめいたい】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

カル・フラック
よし、戦艦内に突入っす!
しかしこれが無重力ってやつっすか、上手く使えば敵の攻撃を避けられそうっすね。
なるほどこいつが相手っすか…、胴体と足のサイズ比おかしくない!?

ともかく変な黒いのを見つけたら、パズルブロックをだばっと出して潰してくっす!
…って、無重力な分普段と違ってふわふわ浮いちゃってるっすね。
けどただの変則ルールであって、パズルゲームには変わりないっす。

ブロックを蹴ったり叩いたりして移動しつつ、俺は敵の攻撃を回避。
反動で飛ばしたブロックを、増えたやつに当てて倒してくっすね。
詰んで動けなくならないように注意してくっすよ!


エトワール・フィラントゥ
ここが、宇宙世界…これが宇宙船なのですね?
はじめましての世界、こんにちはなのでございま…にゃあ!
ふわふわ、しておりますのっ(浮きながらバタバタ)

*戦闘
はじめてがいっぱいの世界で…迷子にならない様に、
猟兵様方と協力させて頂きながら進みますっ

あれは蜜ぷにさま?…じゃないの!
ぷにぷにだけど、お足がちょっと…にゃああ

歩き難いのですが…なるほど、ぴょーんぴょーんでございますね
自慢のジャンプ力を生かしまして、地面を、壁を確り蹴って
向かってくる黒ぷに?さま方をえいえいってします

びよーんでぽよぽよなお体ですが、固めてしまったらどうでしょう
ふしぎな塗料ちゃんで、お足を、お体を塗り固めて動きを妨害してみますわ



「よし、戦艦内に突入っす!」
 戦艦内に転移すると同時に意気軒昂として飛び出したカル・フラックは、すぐに普段との環境の違いを実感した。
「これが無重力ってやつっすか」
 いつも通りに踏み出した一歩で、幅跳びの選手のように大きく前へ。咄嗟に召喚したパズルブロックを蹴り、着地する。
「はじめましての世界、こんにちはなのでございま……にゃあ!」
 ふわりと浮かぶ、小さな身体。慣れない感覚に足をぱたぱたさせながら、エトワール・フィラントゥはたっぷりのパニエで広がったお仕着せの裾を押さえた。
「ふわふわ、しておりますのっ」
「でも、上手く使えば敵の攻撃を避けられ……早速来たみたいっすね。『解けるもんなら解いてみるっすよ!』」
 視界の隅に蠢く影を捉え、カルは大量のパズルブロックを召喚した。避ける間を与えず降り注いだブロックに敵は押し潰されたように見えたが、
「なるほどこいつが相手っすか……」
 ふていけいせいめいたい。その名の通り、不定形な黒い塊がぬるりとブロックの隙間から這い出す。
「あれは蜜ぷにさま……じゃないの! お足がちょっと……にゃああ」
「胴体と足のサイズ比おかしくないっすか?!」
 凹凸の無い丸い胴体から虫のように細長い足が生えた容貌は、なかなかにシュールだ。ボールのように跳ねながら向かってくる敵に正面からブロックを叩き付ければ、ぱちゅんと音を立てて弾けた。
「ただの変則ルールであって、パズルゲームには変わりないっす!」
 召喚したブロックはちょっとした刺激で頼りなく浮いてしまうものの、彼にとっては然したる障害でもない。柔軟性に富んだ身体で攻撃を躱しては、手近なブロックを正確に投げつける。
「にゃああ、黒ぷに? さまが増えてらっしゃいますの」
 エトワールも清掃用具を振り回し、向かってくる敵を叩き落とすが、増え続ける敵を前に、このままではいつまで経っても掃除が終わらないと頭を抱えた。
「……びよーんでぽよぽよなお体ですが、固めてしまったらどうでしょう?」
 思い立ったら即行動。澄んだ桔梗色の瞳を輝かせ、壁を、天井を蹴る。ピンボールのように跳ねる敵の合間を縫い、分裂しようとしている個体を見つけては、表面を磨くようにモップでさっとひと撫でしていく。
「『困ったときのお掃除術、その1!』ですの」
 モップから滲みだした塗料に表皮を覆い固められ、ふていけいせいめいたいは増える事も跳ねる事も叶わずに漂い始めた。
「その調子っすよ!」
「お任せくださいませ!」
 エトワールが敵の分裂を阻止し、カルが確実に仕留める。転移した区画に居たオブリビオン達は、着実に数を減らされていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

香神乃・饗
うっわ!ふっわふわっす!
剛糸で遮蔽物を絡めとり体を支え変な所に飛んでしまわない様にするっす
きっとすぐ慣れるっす!

香神写しで苦無を増やしておくっす!
分裂したら腹を確認して番号が書かれている奴を優先して狙うっす
合体なんかさせないっす!
ふわっふわっの変な空間っすからフェイントをかけやすそうっす!
苦無をあえて変な方向に投げフェイントをかけ
死角に刺さる様に計算し暗殺していくっす
周りの猟兵さんがうまく動ける様に苦無を投げて援護していくっす

糸の間をぬけそうな奴っすけど
剛糸でも絡め取れるなら敵を盾にして護ったり
剛糸でからめとって敵の動きをとめるっす!


芦谷・いろは
うわぁ~宇宙船だ~…って重力が小さい?!
大慌てで壁とか何かに捕まろうとしますよっ!なんですか此処!
た、助ける前に助けて欲しいこの状況

と、とりあえず飛んだり跳ねたりするのは危険です
此処は安全に【傀儡の宴】を使用して
ヌイグルミさん達にお任せしちゃいます!
……ヌイグルミもさん達軽いから、色々跳ね回って《フェイント》かけつつって感じですかね?

と、とりあえずふていけいせいめいたいサン達を一掃しちゃってください!
動くの困難になってるいろはに代わって!


羽馬・正純
【POW】
ふていけい…せいめいたい…ぽよんぽよん…?
………なるほど??

【無敵城塞】は発動したら自分で動けないけど重力の小さいこの環境なら事前の助走の勢いで飛び出せる…かな?
『空中戦』で飛び上がって勢いをつけたら
【無敵城塞】とシールドで守りを固めてそのまま体当たり攻撃を試みよう。
体当たりが上手くいかなくてもみんなの盾としての役割は果たしてみせる、
近づいた相手には『かばう』『カウンター』、分裂した相手には『敵を盾にする』でお返しするよ!

解放軍の力になりたいと思って立ち上がった人々がいるんだ、
僕は猟兵としてその勇気に応えたい!



「うわぁ~宇宙船だ~……ってなんですか此処!」
 歩く事すら不安定な艦内を、壁を這うケーブルを伝って探索していた芦谷・いろはは紫の瞳をめいっぱい見開き、悲鳴に近い声を上げた。
「た、助ける前に助けて欲しいこの状況……っ」
 既に分裂を始めていたのか、眼前に広がるのはふていけいせいめいたいの群れ。比較的広い通路に出たと思ったら、突き当りの扉から噴き出すように雪崩れ込んできたのだ。流石に分が悪い。
「落ち着いて、すぐ行くよ」
 あっという間に囲まれてしまったいろはを安心させるように声を掛け、羽馬・正純は前傾姿勢で助走をつけると、やや強めに床を蹴った。
「重力の小さいこの環境なら……」
 腕を前に掲げて発動するのは無敵城塞。通常の環境であれば絶対防御の代償に身動きが取れなくなるリスクを負うが、正純は艦内の環境を逆手に取り、重力と運動エネルギーを活かす。彼の読み通り、まるで砲弾のように空中を突っ切る肉体が、次々と敵を跳ね飛ばした。道が拓き、いろはがぺこりと頭を下げる。
「ありがとうございま……後ろです!」
 超防御モードを解除した正純に、黒い塊が迫る。しかし、つややかな体は直撃する前に向きを変え、壁へと叩き付けられた。
「お、なんとか捕まえられたっすね」
 鋼糸を繰り、香神乃・饗は胸を撫で下ろす。一見すり抜けてしまいそうな外見だが、不定形と言えど摩擦はゼロではない。幾重にも絡みついた鋼糸から逃れるのは容易ではないようだ。
「と、とりあえず飛んだり跳ねたりするのは危険そうですので……」
「ふっわふわっす! でもきっとすぐ慣れるっす!」
 眉尻を下げたいろはの不安を拭うように饗はニカッと犬歯を見せると、張り巡らせた鋼糸で体勢を整えながら、敵の頭上をひらりと舞った。
「それならいろはは……此処は安全に、ヌイグルミさん達にお任せしちゃいます! 『さぁ、一緒に楽しいパーティーを始めましょ~♪』」
 二十のヌイグルミが一斉に飛び出す様はまるでおもちゃ箱をひっくり返したかのような光景だが、どんなに愛らしい見た目だろうと彼らは全て戦闘用。ぽんぽんと跳ね回り、ふていけいせいめいたいに飛びつく様子は微笑ましさすら感じるが、一体ずつ着実に吹き飛ばしている。
「ふていけいせいめいたい、ぽよんぽよん……? ……なるほど?」
 身体を弾ませてからの攻撃は単調で見切り易く、鋼糸で捕らえる事が出来た事を考えれば素手で掴む事も不可能では無さそうだ。そう考えた正純は、敵の攻撃のタイミングに合わせ、鷲掴みにしたふていけいせいめいたいを盾のように掲げた。
 ばしゅんっ!
 敵同士がぶつかり合い、破裂する。
「カウンター、成功だね」
 数で圧倒的な優位に立っているにも関わらず、猟兵に決定打を与えられないふていけいせいめいたいの一部が、焦ったように距離を取り始める。
「っ! させないっす!」
 動きを見せた敵に共通して数字の刻印がある事に気付いた饗が、合体を阻止すべく苦無を投げた。
「『一つが二つ、二つが四つ、』――」
 愛用の武器を複製しては投げ、投げては複製し。
「『香神に写して数数の』……っと!」
 一回り大きな、辛うじて合体出来たと思わしき個体が自分に向かって高く跳ねたのを認め、饗は苦無を投げる。刺さる直前にぐにゅりと変形し、苦無が明後日の方向へ飛ぶと、ふていけいせいめいたいは何処となく得意げな表情をした。だが。
「フェイントっす」
 避けたはずの苦無が、真横から突き刺さる。状況を理解し得ぬまま、ふていけいせいめいたいはただの泥水のように壁を汚した。
「また来ました!」
 奥の部屋から、援軍が姿を現した。蠢く敵を見据え、正純は独り言つ。
「解放軍の力になりたいと思って立ち上がった人々がいるんだ、僕は猟兵としてその勇気に応えたい」
 同意するように饗が頷き、いろはもはっきりとした声色で叫んだ。
「さあヌイグルミさん達、ふていけいせいめいたいサン達を一掃しちゃってください!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

花咲・まい
【POW】
解放軍やこれから合流する皆さんのためにも、ここは私たちが踏ん張り時なのかもしれませんですね!
集団戦ならばお任せくださいです。さあ、私たちも頑張りましょう!

敵も集団ですから、私たちもなるべく連携したいと思いますです。
近くに仲間がいるようでしたら、私もお手伝いをしますですよ。
戦闘では【悪鬼礼賛】を使用しますです。
加々知丸くんに斬れないものなんてありませんですから、どんな生き物だってまるまる一刀両断!
ところであれ……食べれますですか?
見ようによっては、もちもちしていて美味しそうな……気もしないでもないような……。

*使用技能:なぎ払い、範囲攻撃、鼓舞、生命力吸収など
*アドリブや連携はご自由に


荒谷・ひかる
うわあ、なにあれ。
ブラックタールさんたちの親戚みたいなものかな……
ともあれ、悪さするなら退治するんだよっ!

ふていけい、って事は、液体あるいはそれに準ずる流体、って考えればいいよね。
それじゃあ【氷の精霊さん】の力でかちんこちんに凍らしちゃおうっ!
90本の氷の槍、狭いお船の中でどどどどーんって一気に撃てば避けられないよね!
わたしも戦うのは得意じゃないけれど、お友達の精霊さんを精一杯「鼓舞」してがんばってもらうんだ!
がんばれがんばれ♪精霊さん♪
かちこちあたっく♪かっこいー♪
(ジャンプ)(勢い余ってジャンプしすぎて天井に頭ぶつける)
あいたぁ!?
うう、調子乗りすぎたぁ……


エクサ・カラーヌド
ナルホドナ。中々面白イ素材モアッタモノダ。
或イハイイ感ジノ防弾防具ニモナッタカモ知レンナ。

……サテ。レーザーモ、大砲モ。
銀河帝国ノ者達ハ文明ヲ極メタツモリダロウガ、根本的二理解シテイナイモノガアル。

ソノヒトツガコノ「業物」ニヨル斬撃、トイウワケダナ。
如何二衝撃ヲ吸収シヨウト、伸ビヨウト。分子ヲ断ツ斬レ味ヲ理解デキナイノダ。

黄金竜(※宇宙バイク)デ敵陣二斬リ込ム。我背立不能デ只管一刀両断二シテヤロウ。



「うわあ、なにあれ」
 恐らく誰もが抱いた、率直な感想だろう。次から次へと現れる敵のフォルムに荒谷・ひかるは一瞬「ブラックタールのようだ」と思ったものの、すぐにかぶりを振った。
「ともあれ、悪さするなら退治するんだよっ!」
「解放軍やこれから合流する皆さんのためにも、ここは私たちが踏ん張り時なのかもしれませんですね!」
 花咲・まいもまた、意気揚々とやや小柄な身体に似つかわしくない大刀を構え直す。
「ところであれ……食べれますですか?」
「えっ、食べるの?!」
 ふていけい、って事は、液体あるいはそれに準ずる流体だから、としどろもどろに答えるひかるに、まいは白い歯を見せて笑った。
「ま、『斬ってみれば、ぜーんぶ分かりますですから!』」
 発光する要素など無い、ただの刀のはずだ。それでもまいの『加々知丸』は一条の光となり、襲い掛かるふていけいせいめいたいの体を真っ二つに割る。すると今までの弾力性は何処へやら、どろりと粘性のある水たまりへと化した。
「やっぱり液状……それじゃあ、『かちこちにしちゃおう、精霊さんっ』」
 一斉に放たれる、氷の槍。いくら自在に変形出来た所で、飛来する九十もの槍を躱しきるなど到底不可能だ。分裂能力を上回る数の暴力に、凍て付いた泥の塊がいくつも転がる。その様子を見届けながら、ひかるは友にエールを送り続けた。
「がんばれがんばれ、精霊さん♪ かちこちあたっく♪ かっこいーっ♪ ……あいたぁ?!」
 ごつん。思わずぴょこりと跳ねたはずみで天井に頭をぶつけたひかるを心配するように、キラキラと氷の粒が舞った。なんだかんだと面倒見の良い精霊らしい。
 そんな僅かに生じた隙を敵が見逃すわけもなく、幾本もの魔の手が彼女へ伸びる。
「……銀河帝国ノ者達ハ、文明ヲ極メタツモリダロウガ――根本的二理解シテイナイモノガアル」
 どうと唸りを上げ、ひかるを庇うように立ち塞がったのは宇宙バイクに跨るエクサ・カラーヌドだ。一拍遅れ、彼の軌道上に居たふていけいせいめいたい達が、ぱっくりと両断された。
「ソノヒトツガコノ『業物』ニヨル斬撃、トイウワケダナ」
 そう断じるが、彼は刃物の類を一つも手にしていない。
「如何二衝撃ヲ吸収シヨウト、伸ビヨウト。分子ヲ断ツ斬レ味ヲ理解デキナイノダ」
 単調な合成音声の中に自信を滲ませ、スロットルを回す。轟くエンジン音を目指して津波のように押し寄せる黒い群れに、憶する事なく彼は飛び込んだ。
「『ヤレヤレ、ッテヤツダナ』」
 彼の愛車は重力の小さい空間でこそ本領を発揮する。屋内とは思えぬスピードで疾駆し、壁に激突する直前で華麗にターンを決めた。傍目にはただ走り抜けただけに見えるが、ふていけいせいめいたい達は、黒い飛沫を上げて崩れてゆく。
「わぁ~。よく斬れますですね、そのサイドミラー!」
 得物は違えど一太刀で敵を断ち切るスタイルに共感したのか、まいが感嘆の声を上げた。
「其方モナカナカノ業物ノヨウダナ」
 武器を褒められたからか、それとも敵を薙ぎ払うまいの大刀に興味が湧いたか。エクサの音声は、どこか楽し気な雰囲気を孕んでいた。
「さあ次いくよー! がんばれ精霊さんっ、がんばれがんばれ二人とも♪」
 ひかるの鼓舞する声は剣戟の音にも邪魔されず、不思議と戦場をよく通る。彼女の声に後押しされ、まいの大刀が、エクサの跨る黄金龍が、戦場に閃いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

黒岩・りんご
【誰とでも絡みアドリブOK】
帝国との大戦争ですね
全力で迎え撃ちます…が、その割には気の抜ける相手ですわねぇ…

わたくし自身は【巫覡載霊の舞】の神霊体、銀髪に白銀の角の姿になり
キャリーバッグから相棒の絹糸傀儡『喜久子さん』を取り出して一気に立たせますよ
わたくしより一回り小柄なはいから少女
球体関節を着物と袴に隠して、わたくしとお揃いの薙刀で構えます

もちろんわたくしの十指から操作の糸は伸びているのですが、それを操りながらもわたくし自身も神龍偃月刀を振るい、喜久子さんとツーマンセルで攻撃します
わたくしが偃月刀を振るい、同時に指先の微妙な動きで喜久子さんも連動して追撃しての2回攻撃
「1匹も逃しませんわ!」


城間星・千草
これが宇宙船ね。ふふ、なんだか楽しくなってきちゃうわ。
無重力って不思議ねえ…こんなに重たい拷問具も浮いちゃうのね。
この生き物…?みたいなやつを倒せばいいのよね、任せて。

1匹ずつ潰すのは骨が折れるわ。【紫水晶の籠】で広範囲せん滅を狙いましょう。
ああ、無重力を活かしてこの拷問具を振り回してみようかしら。そして中に封じ込めてしまうの。この厄介な生き物を処刑、ね。

壁にぶつかりそうになったら、「紫水晶の乙女」を盾にしましょう。
怪我するよりいいわ。…貴女はきっと不服でしょうけど我慢してね。

全部倒せたならあとは他の戦艦にお任せしようかしら。
だって血の通っていない船を壊しても楽しくないもの。



「帝国との大戦争ですね。全力で迎え撃ちます」
 黒岩・りんごは凛然たる態度で長柄の太刀を握り、前方を見据えた。一体何匹居ると言うのか、そこには黒い塊が所狭しと跳ね回っている。
「……が、その割には気の抜ける相手ですわねぇ?」
「この生き物……? を倒せばいいのよね、任せて」
 あまりにも奇妙な出で立ちに生物と呼んで良いものかと小首を傾げながら、城間星・千草は腰に提げた武器を撫ぜた。
「一匹ずつ潰すのは、骨が折れるわ」
「わたくしもそう思いますわ」
 頷き合い、散開。互いに仲間を巻き込まない距離を見極め、『相棒』を取り出す。
「参りますわよ、『喜久子さん』」
 神降ろしの舞と共に、艶やかな花紺青の髪は眩い白金へと色を変えた。りんごに声を掛けられた少女は、答える代わりに揃いの薙刀を敵へと向ける。
「一匹も逃しませんわ!」
 餌を放り込まれた小魚の群れのように集うふていけいせいめいたいへ、神龍偃月刀を横薙ぎに振るう。薙刀のリーチより圧倒的に広範に亘る敵が衝撃波で吹き飛び、討ち漏らしには喜久子さんが摺り足で突きを放った。一見二人の連携プレーのようだが、その実はりんごの絶妙な指捌きに因るものだ。楚々とした少女のような戦闘人形にりんごの手で命が吹き込まれ、戦場を華麗に舞う。
「無重力って不思議ねえ……こんなに重たい拷問具も浮いちゃうのね」
 本来の姿を取り戻した『紫水晶の乙女』が僅かな刺激で床面から離れるのを見て、千草は小さく微笑んだ。だがそんなちょっとした楽しみすら奪うように、ふていけいせいめいたいは彼女へと迫る。千草は敵の群れをちらりと見やり、囁いた。
「『触れることも近づくことも許さない』」
 重厚な扉を開いた乙女から放たれる、無数の紫水晶の礫。跳ねる敵を穿ち、這う敵を縫い留め、ただの泥だけが残ってゆく。
「ああ、無重力を活かして……」
 ふと思い立ったように、千草は拷問具を振り回した。何体もの不定形せいめいたいが乙女の腹に吸い込まれ、重い扉が閉まる。
「この厄介な生き物を処刑、ね」
 拷問具と呼ぶにはあまりにも美しいが、抱擁にしては酷く凄惨な乙女に抱かれれば、いくら不定形とて無事では済まないだろう。

「今のでこの区画は最後のようですわね」
「戦艦の破壊は……他の猟兵かスペースシップにお任せしようかしら」
 ――だって、血の通っていない船を壊しても楽しくないもの。そんな言葉を飲み込んだ千草の提案に、りんごも同意する。
「では他の区画を援護しつつ、脱出するとしましょうか」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

竹城・落葉
 何だ、あの饅頭みたいな外観をしたオブリビオンは?美味しそうな外見だな。だが、これは戦争だ。奴を倒すとしよう。
 我は名物竹城を手に『支柱一閃』で切り伏せるぞ。【フェイント】と【早業】で隙を突いて素早く攻撃し、【2回攻撃】でトドメを刺せるか試みるぞ。こいつは何をしてくるか予想できないから、【第六感】を駆使して、奴の動きを見切り、【残像】で攻撃を回避する。戦闘中は冷酷な雰囲気を醸し出し、無表情で切り伏せる。元武将の一撃を受けて見よ!倒し切った後は、『支柱一閃』で艦を破壊するぞ。
 ところで、こいつは食せるのだろうか?興味があるので、食べてみたい。それが可能であるならば、味はマスター殿に一任するぞ。


フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(他猟兵と連携可)
「戦況は問題なさそうだから、私達は敵艦の破壊に注力しましょう」

■作戦
弟のフォルセティと敵艦を最後に破壊する役割を担う

■行動
Flying Broom GTRに騎乗し敵艦内へ
内部の機器を技能:ハッキングして、敵艦のコア情報などを収集。
その後、ふていけいせいめいたいの戦いが終息していることを確認し
猟兵達に退艦するように促す
「みんな、急いで脱出して!」

全員の脱出を見届けてから宇宙バイクで脱出し
フォルセティと連携してバベルの光で敵艦のバイタルエリアを貫く
技能:2回攻撃×全力魔法
「なんとかなったのかしら?」


フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】(共闘可)
「ボク達は破壊工作に専念するってことだね!」
脱力系のオブリビオンに興味はあるけど、
我慢して戦闘の終盤に行動を開始するよ!

【行動】()内は技能
Flying Broom GTSに騎乗して敵艦へ
ふていけいせいめいたいの残存がいれば
ウィザード・ミサイルの一斉射撃で殲滅するよ

全てのせいめいたいの殲滅が確認できれば、
殿として敵艦の外へ

フィオ姉ちゃんと詠唱タイミングを揃えて
カラミダド・メテオーロを(全力魔法×2回攻撃)で
敵艦のコア(動力部)を狙って叩きつけるんだ
「これでトドメだね」
誘爆の危険があるから、急いで敵艦から離れるよ


キアラ・ドルチェ
まだまだ一杯いそうですね…では
「おいでませ、ネミの森の子犬たち♪」
更にぬいぐるみ追加ですよっ!? 戦いは数です! 
…ちなみに戦いは子犬たちに任せて、私本人は重力低い環境でぽよんぽよんするのを楽しんでおります
「きゃー、面白い♪」…だ、だって、こういう環境に来るの初めてなんですもの!? ちょっとくらい遊んでも…はい、すいません戦闘中でしたね

事後は子犬たちに敵艦の内部破壊お願いするか、スペースシップに頼んで破壊してもらいます
「…もっとぽよんぽよんしてたかったです…じゃなかった! 手ごわい敵でした!」
しかし、誰の趣味なんですかね、あのキモかわいい系の見た目
まさか銀河皇帝さんのご趣味?(



「戦況は問題なさそうだから、私達は敵艦の破壊に注力しましょう」
 艦内を一通り見て回ったフィオリナ・ソルレスティアは、全ての区画で危なげなく戦闘が行われている事を確認すると、流線形バイクに座る弟にそう告げた。
「ボク達は破壊工作に専念するってことだね!」
 脱力系オブリビオンに興味が無いわけではないけれど、と口を尖らせつつも、フォルセティ・ソルレスティアは頷く。ハッキングをしてまずは敵艦の情報収集を、といった相談をしていると、近くで戦っていた竹城・落葉が敵を斬り伏せ、口を開いた。
「ああ、それならばこの先に、機械が沢山並んだ部屋があったぞ」
 流石にふていけいせいめいたいが操作する事は無いだろうが、管制室に準ずるものがあってもおかしくない。
「この辺りの敵は、我らが引き受けよう」
「食い止めますから、ご安心くださいっ」
 落葉とその後ろでぽよんぽよんと跳ねるキアラ・ドルチェに促され、フィオリナ達はその場を後にする。
「ありがとう、気を付けてね!」
「二人ともご武運を!」
 瞬時に加速し、あっという間に通路の向こうへ消えてゆくバイク『Flying Broom GTR』は、その名の通り『空飛ぶ箒』のようであった。彼らを見送り、落葉達は敵へと向き直る。
「まだまだ一杯いそうですね……では、おいでませ、ネミの森の子犬たち♪」
 キアラが木の杖を振るうと、十数体のコボルト人形が姿を現した。コボルトと言うと邪悪なイメージが浮かばなくもないが、そのふわふわの容貌は子犬が駆け回っているようにしか見えない。
「『ネミの森の子犬たちに誘われたのよ楽しいパーティ♪ さあ、みんなで歌って踊りましょうっ、イッツショウタイム!』」
 歌いながらマントを翻せば、子犬は一斉にふていけいせいめいたいへと飛び掛かる。ボールにじゃれつくように無邪気に、それでいて確実に敵を屠る。
「……」
 一方、落葉は唇を引き結び、静かに敵を見回した。一瞬『饅頭のようで美味しそう』などという考えが脳裏をかすめたのはここだけの秘密だ。研ぎ澄まされた刀よりもなお鋭い視線に射すくめられ、間の抜けたオブリビオンですらびくりと体を震わせる。そんな彼女との距離をじりじりと詰めていた敵のうちの一体が、不意に跳ねた。
「――元武将の一撃を受けて見よ!」
 それを皮切りに、次々と黒い塊が落葉へと飛び掛かる。残像でひらりと躱し、下から斬り上げ、返す刀で背後からの敵を裂き、真横からの敵を刀の背でいなし、摺り足で後退すると見せかけてから踏み込み、突きを放つ。一連の動きはまるで時代劇の殺陣のようで、脚本を準えるかのように滑らかだ。
 数に数で対抗するキアラと、一体ずつ着実に、それでいて敵の増殖を上回る速度で斬り伏せる一騎当千の落葉。二人の猟兵に阻まれ、一匹たりともバイクを追う事は叶わない。

「フィオ姉ちゃん、伏せて!」
 姿勢を低くしたフィオリナの頭上を、炎の矢が通過した。どす黒い煙を発しながら、粘液が床へと流れる。
「もう居ないかな?」
「こちらももう終わりそうよ」
 大きなホウキを片手にフォルセティが問えば、電脳ゴーグルを通して膨大な情報と睨めっこをしていたフィオリナが小さく息を吐く。
「この戦艦の設計図と、コアの情報を照らし合わせて……うん、間違いないわ」
「艦内カメラの映像見る限りでは、ふていけいせいめいたい殲滅完了。この区画以外の猟兵は退却を始めたね」
「なら、私達もいきましょう」
 
「二人とも、急いで脱出して!」
 背後から声を掛けられ、落葉とキアラも撤退を始める。
「……もっとぽよんぽよんしてたかっ……じゃなかった! 手ごわい敵でした!」
 出口を目指して駆けながらも少し切なそうな声を上げるキアラに、くすくすと笑いながらフォルセティが声を掛けた。
「ほらほら、ボクたちが殿を務めるから、早く出て。なるべくこの戦艦から離れてよね!」

 宇宙空間に飛び出し、姉弟は改めて敵艦の全貌を見やる。乗員を失った帝国の戦艦など、過去の遺物以外の何ものでもない。
「我も手伝おう」
「それなら、戦艦のあの部分を――」
 骸の海へと還すべく、猟兵達は武器を構えた。
「『貫け、バベルの光よ!』」
「『悠久に揺蕩う無限の星屑よ。星柩満ちて此へ集うは漆黒の紅炎』」
 落葉の支柱一閃が外壁を裂き、フィオリナの要請で放たれた高出力レーザーがバイタルパートを貫く。
「これでトドメだね」
辛うじて残っていた外観をフォルセティの操る隕石が粉砕した。次の瞬間、目の眩むような光を放ち、戦艦は静かに消滅していった。
「なんとかなったのかしら?」
「なんとかなった……ようだな。ひとまず、今は」

 これはまだ、銀河帝国との前哨戦。それでも戦艦が消滅する際に輝いた光は、これから『解放軍』に加わるスペースシップの乗員たちにとって希望の光に見えた事だろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月04日


挿絵イラスト