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銀河帝国攻略戦⑤~煙霧号 主砲を崩せ

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●煙霧号
 宇宙。
 広大なる宇宙。
 現在、猟兵達――『解放軍』の元には既にほとんどの味方艦隊が集結を終えていた。
 しかし、辺境星域を航行していた為、集結に遅れても尚『解放軍』に合流せんと移動をする船も少数ではあるが、在った。

 暗闇を照らす、一条の光を希望と信じ。
 銀河帝国への抵抗の意志を胸に。

 小さなスペースシップは、『解放軍』に合流するべく宇宙を翔けていた。

「敵船、敵船反応です!」
「――来るとは思っていたが、早いな」

 小さな船の後ろに現われたのは、巨大なスペースシップ。
 ちか、ちか、と流星のように瞬くエネルギー反応。

「エネルギー充填が早い、アイツ――撃ってくるつもりだ! 全力旋回! 当たると――一発で落とされるぞ!」

 巨大なスペースシップ――。
 その名も、エアロゾル・バトルシップ、通称『煙霧号』。

 する者達を殲滅すべく銀河帝国の放った、巨大戦艦である。

●主砲を落とせ
 先の戦いにより。銀河皇帝によって封印されていた遺失技術『ワープドライブ』が、復活を果たした。
 その結果。ミディアのユーベルコードによって、コアマシンに『ワープドライブ』を装着した宇宙船は、スペースシップワールド内でのワープが可能となったのだ。
 つまり。
 スペースシップワールドの全戦力を糾合し、銀河帝国に対抗する事が可能になった、と言うことだ。
 それはまさしく、銀河帝国に対抗する伝説の『解放軍』の再来であった。

 現在、『解放軍』の元には既にほとんどの味方艦隊が集結を終えている。
 しかし、集結に遅れても尚『解放軍』へ合流しようとする船も在った。
 銀河帝国も少数ではあれ、戦力の増強をみすみす見逃す訳も無く。
 『解放軍』に合流しようとするスペースシップを事前に撃破しようと、各地に戦艦をワープアウトさせたのだ。

「と、言う訳で、皆には幾つかのチームに分かれて『煙霧号』を撃破して頂きたいのだ」
 ケビ・ピオシュ(テレビウムのUDCメカニック・f00041)と名乗ったテレビウムは、帽子を片手に慇懃と礼を一つ。
 何、この戦艦は巨大なものでね。
 チームで分かれて貰ったほうが効率が良いのさ、と。顔のモニタを資料へと切り替えた。
「その中でもこのチームの皆には、――主砲を抑えて貰う予定だよ」
 主砲の物理破壊。
 巨大戦艦の主な攻撃手段を奪う、大切な役割だ。
 しかしその分危険も多い。
 宇宙服を身に着けているとは言え、その身を直接宇宙に晒すこととなるのだから。
「敵はアイスバーグレンジャー。宇宙を自在に泳ぐ大量のペンギン達だ」
 サイコフォースペンギン特殊部隊、と呼ばれる彼らは、宇宙空間でも自在に動き回る力を持ち合わせた強敵だ。
「しかし、貴殿らならば余裕であろう?」
 資料から、いつもの表情に戻したケビは首を傾ぐ。
 その瞳に、猟兵達への信頼を覗かせて。


絲上ゆいこ
 こんにちは、絲上・ゆいこ(しじょう・-)です。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●やること
 極薄かつ透明で防具の上から着用できる高性能宇宙服で宇宙でも安心。

 主砲を守るが為、戦艦より現れたサイコパワーを自在に操り、宇宙空間を泳ぐペンギン。アイスバーグレンジャー!
 奴らをブチのめし、戦艦主砲の破壊をお願い致します!
 煙霧号の外側で、主砲とペンギンをブチ叩く無重力バトルです。

 なお、戦艦の装甲にはご都合主義の疑似重力システムが搭載されています。
 宇宙というか、戦艦の表層で戦っていても、猟兵や敵達が飛んだり跳ねたりする事で、突然宇宙空間に投げ出される事は無いでしょう。

●エアロゾル・バトルシップ
 また、このシナリオは、
 犬塚ひなこMSの『銀河帝国攻略戦⑤~煙霧号 迷蒼動力部』、
 空蝉るうMSの『銀河帝国攻略戦⑤~煙霧号 悪意眠りし格納庫』、
 つじMSの『銀河帝国攻略戦⑤~煙霧号 混迷の発着場』、
 そして、絲上ゆいこの『銀河帝国攻略戦⑤~煙霧号 主砲を崩せ』。
 以上の4シナリオで、同舞台となっています。
 運が良ければ全てのシナリオが揃っている可能性があります……。

 とはいえ、各チーム間での連携を考える必要はなく、また互いに他チームの行動を考慮する必要もありません! 舞台が同じだけです。

 全てを巡るも、一箇所を攻めるも。
 その辺りは全て猟兵の皆様に、お任せ致します!

 それでは、皆様の素敵なプレイングをお待ちしております!
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第1章 集団戦 『アイスバーグレンジャー』

POW   :    フォーメーション『霜』
【冷凍ビーム】が命中した対象を爆破し、更に互いを【氷の鎖】で繋ぐ。
SPD   :    フォーメーション『霰』
【隊長ペンギンの特攻体当たり】が命中した対象に対し、高威力高命中の【隊員ペンギン達の連続体当たり】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    フォーメーション『雹』
【隊員全員のパワーを合わせて巨大氷山】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●宇宙ペンギン、宇宙を飛ぶ
 主砲へとたどり着いた少女が、装甲を軽く蹴るだけで身体が大きく跳ねた。
 銀髪にぴょっこりと生えた、ウサギの耳の装飾がゆらゆら揺れる。
 高性能の宇宙服は、まるでいつもの衣装以外は何も着ていないかの様に身体に馴染む。
 見上げれば頭上に広がる、どこまでも続く広い広い宇宙。
 そして――。
「おやぁ、来たようですねぇ~」
「……随分凶悪なペンギンみたいですね……」
 間延びした声に、黒髪を揺らした青年が瞳を細めて応え。
ハーバニー・キーテセラ
なるほどぉ
宇宙ならペンギンさんも水中の如く自由自在に飛び回れるのですねぇ~?
ではぁ、どちらが速いかぁ、勝負と参りましょ~

スーパーな兎さんを召喚してぇ、いざぁ、合身~!
よいしょっと乗れば、準備も万端ですよぉ
兎さんの機動力で跳んで跳ねて、駆けまわってぇ、ペンギンさん達を攪乱ですぅ
追いつけるものならぁ、追いついて御覧なさぁ~い?
あ、でもぉ、逃げるだけだと芸もないのでぇ、私は私でぇ、ヴォーパルの銃弾をガンガン撃っていきますねぇ
兎の早業ぁ、合わせ技ぁ。とくとご覧あれ~
その身、その翼が如何に早くともぉ、見事、撃ち落として差し上げますよぉ?

フリーになるようならぁ、主砲に兎さんの突撃&突進をお見舞いですねぇ


雨咲・ケイ
随分凶悪なペンギンですね……。
UDCアースのペンギンは好きなのですが、
宇宙のペンギンはみんなこんな感じなのでしょうか?

【WIZ】で行動します。

主砲の破壊は他の方にお任せして、
私は基本的にペンギン達の抑えに回ります。

まずは敵の布陣と動きを認識します。
そして、戦闘に入ったら味方と連携を取りながら
【サイキックブラスト】による【2回攻撃】で
敵の一時的な行動不能を狙います。
また【目潰し】や【気絶攻撃】も活用して
敵陣の動きを乱していきましょう。

戦闘中は常に戦場の状況に気を配り、
主砲が攻撃態勢に入った場合は、
そちらの破壊を優先しましょう。



 ウサギの耳を揺らして頭上を見上げれば、ウサギの耳が再びぴょっこり揺れた。
「なるほどぉ、宇宙ならペンギンさんも水中の如く自由自在に飛び回れるのですねぇ~」
 掌程の小さな拳銃――ヴォーパルを構えたハーバニー・キーテセラ(時渡りの兎・f00548)はのんびりと首を傾ぎ。
「UDCアースのペンギンは可愛いですが、宇宙のペンギンはみんなこんな感じなのでしょうか……?」
 ハーバニーと背中合わせ。
 雨咲・ケイ(人間のクレリック・f00882)がメイスを低い位置で構え、呟いた。
 頭上には、光るペンギン、ペンギン、ペンギン。
 迫るペンギン達の数は、猟兵達を囲んでいると言って差し支えの無い数であった。
「我が艦を弄んでくれているようだな、猟兵共。――フォーメーション、雹!」
 仕組みはとんとわからぬが、朗と吠える声は猟兵達の耳にしかと響く。
 立ち並ぶペンギン達が一斉にサイキックパワーを籠め――。
 間合いを詰める余裕は無い、と。
「――来ます!」
 黒きガントレットよりサイキックエナジーを白く膨れ上がらせたケイは、横目で彼女をみやり。
「はぁ~い、兎さん出番ですよぉ~!」
 ぴょこぴょこぴょこぴょこ!
 跳ねるウサギ、ウサギ、ウサギ、ネコチャン、ウサギ!
「どちらが速いかぁ、勝負と参りましょ~。追いつけるものならぁ、追いついて御覧なさぁ~い?」
 二匹のネコチャンと沢山のウサギが、弾けるようにペンギン達に飛びかかる。
 勝負、と言われ釣られたように。
 カッ飛んできたペンギンが一匹――。
「させませんっ!」
 ハーバニーへと一直線に飛んできたペンギンに対し、稲光を爆ぜさせたケイが高圧電流を放つ!
 ばちん、と大きな音を立てて落ちるペンギン。
「うふふ~。ありがとうございますぅ~」
 ケイに負けじと。ハーバニーも向かい来るペンギン達をどんどんぴょんぴょん躱しながら、幾度もトリガーを引き、弾を放つ、放つ、放つ!
「その身、その翼が如何に早くともぉ、見事、撃ち落として差し上げますよぉ?」
 数匹のペンギンが稲光に貫かれ、弾に羽根を穿たれ上も下も無い宇宙へと堕ちてゆく。
 ぴょんぴょん、にゃあにゃあ。
 かじられるペンギン。哀れ。
「……でも、あれは避けきれないかもしれませんね」
 ケイの呟き。
 そう、先陣を切って戦線を飛び回るペンギンだけでは無い。
 猟兵達を囲んだまま、サイキックエナジーを淡々と貯め込むペンギンたちの頭上には、巨大な氷塊。
 あんなモノまともにぶつければ、艦も無事にはいられないだろうに。
 よっぽどサイキックエナジーの扱いに自身があるのであろう。
「たしかにぃ~、アレが追いかけてくるのはぁ、ちょっとぞっとしませんねぇ~」
 ハーバニーがのんびりと、同意を示し――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


「僕達にお任せあれ!」
「うん」
 腕を広げれば、ばさりと靡く蒼いマント。
 口元を覆う首巻きを小さく引き上げ、傍らの少女が小さく頷いた。
琥珀川・れに
【依頼掲示板前広場】チーム、だが連携者は今の所未定

凄い…全方向で星が瞬いている。女神の頭上に輝くティアラはきっとこの位綺麗なんだろうな…宇宙の神秘…

おっと、夜空を無粋に光る氷の塊…敵だね
ショーにはまだ早い…調教の時間だよ!

UC【クィニティエンハンス】
宇宙で有効なのは何だろう…風を噴き出せば自らを操り宇宙でも素早く動く事が出来るはず。

相手のスピードに合わせて風のジェットで自分を飛ばし、攻撃力を上げ叩き落とす!


誰かを投げて風で後押ししてもいいね。
反動で僕は離れて行くから方向には気をつけよう

月面宙返りをしながら
「僕も宇宙で輝く星になれるだろうか」

※アドリブ大好き&楽しみ。追加省略アレンジもご自由に。


バーソロミュー・スケルトン
ガハハハッ!なかなか落としがいのありそうな船じゃ。
表層に重力があるつっても、泳ぎ回るペンギンを相手にするのは骨が折れるじゃろう。
わしも自前のスペースボートで、ペンギン共にドッグファイトを挑むぞい。

敵の背後をとるように動き続けていれば、奴らも他の猟兵に手を出しにくくなるじゃろう。
敵の攻撃はボートの機動力を活かして避けたり、デカい黄金砲を盾にして受けたりして凌ぐのじゃ。
攻撃は黄金砲、黄金銃の射撃でペンギン共を撃ち落とし、
うかつに近づいてくる奴がおれば、ボートの衝角で突き飛ばしてやろう。

ペンギン共が群がってくるか、主砲が狙える位置取りが出来れば、フルバースト・マキシマムでまとめて吹き飛ばしやるぜい。


月隠・望月
戦艦に生身で挑む。良い経験になり、そう。
もちろん、この戦いに勝つためにも、全力で、戦う。

ぺんぎん、というのだね。あの生物。
わたしは敵のユーベルコードを打ち消して、味方の被害を減らそう。
敵がユーベルコードを使ったら《陰陽呪符》を放って、【反術相殺】を発動。敵が次にどう動くか<見切り>、反術相殺の成功率を、上げたい。
敵の氷には炎術で対抗。体当たりには敵の動きを止める術で対抗、あるいは《無銘刀》で<武器受け>をして敵を食い止め、よう。
また、可能なら、味方に<オーラ防御>を張って敵の攻撃に、備える。

隙があれば、《無銘刀》で主砲を攻撃。硬そうだけど、<怪力>で思い切り斬りつければ、多少は傷つく、はず。



「でもぺんぎん、というのだね。あの生物」
 ほう、と黒曜の瞳を星光に瞬かせて。
 珍しいものをみた、言った様子で呟くのは月隠・望月(天賦の環・f04188)だ。
「そうさ、本来はもっと可愛い生き物なのだけれどね」
 琥珀川・れに(男装の麗少女 レニー・f00693)が、くすくすと笑って肩を竦めるとマントが揺れる。
「さあ、ショーにはまだ早い。――調教の時間だよ!」
「うん、手筈通り、に」
 望月が身を低く低く屈めると、全身のバネを使って、ぽーんと跳ねた。
 元より体術は得意だが。
 宇宙空間では重力の無い分、力の反動が強く身体は軽い。
 跳ねた望月の足裏に触れる、れにの掌。
「いっ、けえッ!」
 れにの身体を包む風の魔力が、ジェットめいて爆ぜ。そのまま腕を大きく、振りかぶる!
 巨大な氷塊とペンギンの群れに向かって。
 風の魔力と、れにの投げる力で。一気に勢いを得た望月の身体が、加速する。
 瞳を閉じて、指先に力が流れるイメージ。
 望月が術の篭められた呪符を指に挟み、破魔の力を込めれば炎が膨れ上がった。
 炎に氷が炙られ、パチパチと表面が爆ぜる。
 が、氷を完全に溶かす程の出力ではあり得ない。
 隊列を組むペンギンたちもただのペンギンたちでは無いのだ、すぐにその力を破れるとは思っては居ない。――そこまでは、れにも望月も織り込み済みである。
 逆手に握った銘も無き刀を、望月は握りしめる。
 そして、その勢いをそのまま――。

「ガハハハッ!」
 そこに響く、高らかな笑い声。
「なかなか落としがいのありそうな船に、宇宙ペンギン共じゃのう!」
 スペースボートの上。
 パイレーツコートを靡かせた、人体模型。
 ――否。
 ウォーマシン、バーソロミュー・スケルトン(ウォーマシンの宇宙海賊・f03437)の姿だ!
「そうれ、ご挨拶じゃ!」
 鋭く宇宙を駆けるスペースボートに跨ったバーソロミューの瞳が朱に揺れて、黄金色の火砲が爆ぜる。
 隊列を組むペンギン達に着弾した砲が、ペンギンを薙ぎ払えば。間を穿つが如く、そのままバーソロミューは盾を構えてスペースポートで突っ込んだ!
 ペンギンたちがブチかましに泡を食って隊列を乱すと、サイキックエナジーが揺らぐ。
 見る間に炎が氷を溶かす速度が、上がる。

「……僕達のショーを、ご覧あれ!」
 自らの放った風の魔力の勢いに、戦艦の装甲へと身体を叩きつけられながら。
 れには、細身の魔法剣を掲げた。
 ゆうるり。宿る、風の魔法。
 腕を大きく引き絞って、構え。
 真っ直ぐに見据えるは、氷塊だ。
「いく、よ」
 バーソロミューの乱入により。
 勢いを殺される事無くカッ飛ぶ事の出来た望月が、その膂力を振り絞り。
 突き出した巨大な氷塊へと刀を貫く。
 び、き、と大きな音を立てて、氷塊に罅が走り――。
 空を生み、真空を裂いて。
 放たれた、れにの風の刃が。罅割れた氷塊を、粉砕する!
「ガハハハハッ! お見事、お見事!」
「ん。ありが、とう」
 いかにもおかしそうに笑うバーソロミューが、宇宙を駆ける。
 足場を失った望月を片腕で受け止めて、スペースボードの上へと降ろし。
 返す手で銃のトリガーを引いて、迫りくるペンギンの頭を貫いた。

 氷塊を壊された上に、滅茶苦茶な体当たり。
 ペンギン達が散り散りになるのも、仕方は無い。
「――フォーメーション、霰!」
 しかし。
 隊長らしきペンギン達が吠えた瞬間、ペンギンたちは統率を取り戻す。
 サイキックオーラを纏って、一列に飛ぶペンギン。
 狙いは、バーソロミュー達のスペースボードだ。
「もういっちょ可愛がってやるかのう!」
 楽しげに響く、骨の声。
「ん。――ここで、食い止め、よう」
 破魔の力が篭められた札を構える望月。
 火砲の音、爆ぜる炎。
 突っ込んでくるペンギンたちに向かって、弾という弾が打ち込まれる!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

玖・珂
高性能宇宙服、摩訶不思議なチカラだな
有事でなければ此のまま遊泳でもしてみたいものだが

あい、あいすばー……飛び交うペンギン共を撃ち
主砲を破壊してやろう

片目に開くは翠の花
戦場では極力主砲の正面をとるように立ち回るぞ

氷には炎と相場が決まっている
氷山には長杖掲げ、周囲に炎を渦と巻き相殺しよう

死角からの攻撃には第六感を研ぎ澄まし回避
正面や側面からの体当たり、鎖は望むところだ

飛んでくる軌道、対象の姿が見えている
此れほど狙い易いものはないだろう
氷の鎖は魔法で融かしつつ
長杖を振りかぶって砲身の中にまで敵を吹き飛ばすぞ

砲が放たれる前に破壊されるだろうが念には念をな
弾詰まりさせておこう


パラス・アテナ
連携アドリブOK

例え遅れたって戦おうっていう気骨のある連中、嫌いじゃないね
せいぜい援護させてもらうよ

フォーメーション『霜』が来たら、敢えて右腕で受け止めるよ
そして同時にドラゴニアン・チェインを右手で発動
撃ってきたペンギンを捕らえて、そのまま装甲に叩きつける!
一本釣りの要領さ
ペンギンの動きを止めたら、左手の銃の【クイックドロウ】【2回攻撃】【一斉射撃(命中重視)】で速攻沈めるよ
やられたままなのは性に合わないんでね
ま、わざわざ受け止めなくても普通に鎖で捕らえりゃいいんだけどね

『霰』を外した連中は【弾幕】で一掃
確実にペンギンを仕留めようか

アンタも元は海の生き物だろう
釣られて撃たれて、骸の海へお帰り



 割れ爆ぜた氷の残骸。簡易に与えられた重力によりバラバラと降り注ぐ霰。
「有事でなければ此のまま遊泳でもしてみたいものだが……、そういう訳にも今は行かぬな」
 右瞳に窄む翠花が、綻び花開く。
 主砲の正面に立った玖・珂(モノトーン・f07438)が白長杖に魔力を宿せば、霰は水と。
 宇宙戦艦に降り注ぐ、雨。
「しかし、アタシは例え遅れたって戦おうっていう気骨のある連中、嫌いじゃないね」
 ピンと伸びた背筋。
 瞳を眇める彼女の、刻まれた皺は彼女の過ごしてきた年月の長さを感じさせる。
 珂の背をペンギン共より護るように立つ、パラス・アテナ(サトラレ・f10709)。
 彼女は纏った白い外套をふわりと跳ねさせ。
 向かい来るビームに向かい、右腕をガードに上げた。
 腕が爆ぜる痛み、そして絡みついた氷の鎖が、骨の芯まで身を凍えさせる。
「さあ、来な!」
 しかし。繋がれたと言う事は、引き寄せることも出来ると言う事。ぐい、とパラスは鎖を引いて。
 艦を踏み込む感覚は、普段と比べて浮いているようにも、落ちているようにも感じる。
「舐めるな!」
 引き寄せられたペンギンはフリッパーを大きく広げ、サイキックを身に纏う。
 それは放たれた弾の如く、その身を鋭く構え。
「アンタこそ、戦場傭兵を舐めるんじゃないよ」
 爆ぜたのはペンギンのサイキックだろうか、それとも竜気であろうか。
 カッ飛んできたペンギン右腕一本で受け止めたパラスは、ギリリと奥歯を噛み。
 ここ、宇宙空間の疑似重力はとても薄い。
 勢いを与えられれば、軽く跳ね跳ぶ筈であると言うのに。
 パラスの踵は火花を爆ぜながら、艦に轍を生んでいた。
「――セイッ!」
 ばぢん! と音を立てて、そのまま主砲へと叩き込まれるペンギン。
「おっと……!」
 すんでの所でスウェーバック。飛んでくるペンギンを避けた珂は肩を竦めて。
 重ねて、パラスは左手で銃を構え。
 連射、連射、連射。
 幾度も叩き込まれた弾は、ペンギンのその身を貫き落とす。
「……やられたままなのは性に合わないんでね。一本釣りの要領さ」
「なるほど、では仕上げをしておくとしよう」
 頷いた珂が、落ちてきたペンギンへと長杖を振りかぶると。
 そのまま砲の中へと叩き込む。
「ふぅん、なるほどね」
 得心した様子で頷くパラス。
 ああやって、砲を放たれる前に異物を詰まらせておく事で、万が一砲を放たれたとしても使い物にならなくしておこうというのか。
「……しかし、あいすばー……ペンギンの数も減ってきた事だ。このまま叩き折ってしまうのも良いだろう」
 手伝ってくれるかい? と、首を傾いだ珂の瞳の赤い花弁が揺れる。
「それが仕事だろう?」
 なんてことないように、パラスは頷いた。
 身を低く構え、気を纏った拳を主砲へと叩き込むパラス。
 珂を養分として育つ緋色の花が、風も無いのに揺れ。
 重ねる形で放つ全力の魔力が、同時に主砲へと叩き込まれる!
 そこへ、ぴょん、と跳ね転がってくるウサギさん、あとネコチャン。
「そろそろ折るのならぁ、お手伝いいたしますよぉ~!」
 ペンギンと追いかけっこをしていたハーバニーが、全てのウサギを叩き込む!
「貴様ら、やめろ、やめろっ!」
 カッ飛んできたペンギンを、叩き落とす鈍器。
 ケイはメイスを構えたまま、アメジスト色の視線をゆうらり、揺らして。
「すみません、――主砲の破壊を終えるまで。ここを通すつもりはありません」
 ペンギン達に向き直ると、身を低く構え――。
 雨の如く響く弾音。
「――ガハハハッ! 坊主、わしも手伝ってやろう!」
 バーソロミューの豪快な笑い声と共に、撃ち落とされペンギンが宇宙の果てへと墜ち行く。
 仲間たちが、ペンギンの妨害を抑えてくれている。
 こくん、とれにと視線を交わして頷く望月。
「……もう一度、合わせ、て」
「もちろんさ!」
 望月は刀を構えると、その身を低く、低く構え。
 細身の魔法剣を胸の前に掲げたれにが、風の魔力を足元に宿す。
「同じ所を叩くなら多い方が良いだろう?」
「――いくよ」
 再び魔力を渦巻かせる珂に、パラスが拳を交わし――。
 信じられぬ膂力で打ち据えられた刃が主砲を割る。
 風がその勢いを後押しする。
 爆ぜる魔力と竜気が、その内部で暴れる。
 鈍い、鈍い音が響き、火花が散り――、主砲が、ヘシ折れた。

「……ッ! ……撤退する!」
 護るべきものを失い。
 指示する隊長も、いつのまにか墜ちている。
 散り散りに逃げるペンギンたちに、もはや戦闘を継続する意志は残されていなかった。

 瞬く星々。
 星の中にいれば、見る事ができない一面の星。
 れには瞳を細めてその場にぺったりと座り込み、宇宙を眺める。
 女神の頭上に輝くティアラはきっとこの位綺麗なんだろうな、なんて。
「――僕もいつか、宇宙で輝く星になれるだろうか」

 逃げるペンギン達のオーラは、まるで流星のように瞬いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月16日


挿絵イラスト