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羅針盤戦争~『鬼火』フライング・ダッチマン不死決戦~

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #フライング・ダッチマン #鬼火島

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●グリードオーシャン・鬼火島
「愛鳥ゼンタよ、見よ! 猟兵だ!」
 ここ七大海嘯『鬼火』フライング・ダッチマンの本拠地である鬼火島。幽霊船からなる大艦隊の軍港でもあるこの前線基地ではあるが、そこについに猟兵が入り込むのを確認する。つまりはこの島を見つけられてしまっていた。
 大いなる神より命じられ、フライング・ダッチマンはずっと、幽霊船にて猟兵達を観察し、猟兵の拠点……グリモアベースの侵略経路を探り続けてきた。だが先に本拠地を見つけたのは猟兵達であった。
「彼らの事は充分に把握していたつもりなのだが、事ここに至ってからの異常な進軍速度はどうだ! 瞬く間に蒼海羅針域コンキスタ・ブルーを読み解き、賞金などものともせぬ破竹の勢いで、次々と正しき海路を攻め上っているではないか!」
 故にその猟兵の妨害する為に『鬼火』の幽霊大艦隊を差し向けたにも関わらず、この鬼火島まで見つけられる始末。ここに到ればフライング・ダッチマンも覚悟を決めるまで。
 この鬼火島にて猟兵達を葬る。己の不死のユーベルコードを駆使して、この島に入り込んだ侵入者を殺戮しつくすのだ。
「偉大なる王カルロスの為に! さあ愛鳥ゼンタよ、われと共に行こう。いま再びの眠りに就くその日まで、われらが責務を果たそうぞ!」
 愛鳥ゼンタはそれに応えるかのように鳴く。それを聞いて、フライング・ダッチマンは高々と腕を振り上げる。その鬼の火は、深海に誘い込むように怪しく輝いていた。

●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「今回はものすごい蘇生能力を持った七大海嘯なんだ!」
 そう言って愛鳥ゼンタとと共に喋っている七大海嘯フライング・ダッチマンの映像を見せながらグリモア猟兵見習いエィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)は予知した内容を説明していく。
 今回の相手は『鬼火』フライング・ダッチマン。幽霊船の大艦隊は大方が出払っている為に気にしなくてもいい。ただ上陸してフライング・ダッチマンと対峙する際には注意が必要だ。かの『鬼火』は何度殺されても瞬時に蘇生する、まさに悪夢の如き能力を持っている。
「だけど決して迷わない心を見せれば、フライング・ダッチマンの方が動揺して崩せるみたいだよー?」
 まるで彷徨う自身の存在の逆を見せることができれば、その不死性を揺らがせることができる。そうエィミーは説明する。そうして負傷を与え続けることで、フライング・ダッチマンを滅することが可能だということだ。
 ただあちらの地の利は確かで、こちらの前に先制攻撃を仕掛けてくる。対策をしておくとは重要だとしめくくりエィミーは猟兵達を激励する。
「こんなことを言うのもあれだけど、よければ鬼火を眠らせてあげてね?」
 そんな優しいことを言うエィミーはそのまま転移術式を発動させる。青い炎を纏い、海を徘徊する幽霊船を統率する七大海嘯『鬼火』。フライング・ダッチマンに眠りを届けるべく、猟兵達は戦う。


ライラ.hack
 不死なる海賊に永遠の眠りを。
 どうも皆様こんにちは。ライラ.hackです。

 このたびは七大海嘯の一人『鬼火』フライング・ダッチマンとの本拠地・鬼火島での決戦となります。
 難易度は普通より高めなのでご注意ください。
 フライング・ダッチマンは、「何度殺されても瞬時に蘇生する」という恐るべきユーベルコードを所持しています。グリモア猟兵の予知により、これを破る手段は唯一、「迷いなき心」を見せる事だと判明。それを感じたフライング・ダッチマンは、あてどなくさまようが故に得た蘇生ユーベルコードを使えず、負傷してしまいます。
 またこの決戦勝利後は、『鬼火』が支配する島を解放することができます。

 以下、特殊ルールとなります。
 プレイングボーナス…… 敵の先制攻撃ユーベルコードに対処した上で、「迷いなき心」を見せる。

 以上となります。死ぬことができない哀れなる幽霊海賊に、是非黄泉へと送ってやってください。
 それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『七大海嘯『鬼火』フライング・ダッチマン』

POW   :    鎖付き骸球
【『燃え盛る邪悪な魂』の集合体である骸球】が命中した対象を燃やす。放たれた【骸球の『口』から溢れ出す】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    ブルーフレイムカトラス
自身に【怨念の青き炎】をまとい、高速移動と【カトラスからの青炎】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    冥鳥の羽ばたき
【飛び回る愛鳥ゼンタが青炎の羽】を降らせる事で、戦場全体が【生者を蝕む青き炎の海】と同じ環境に変化する。[生者を蝕む青き炎の海]に適応した者の行動成功率が上昇する。

イラスト:爪尾

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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

天御鏡・百々
悪鬼邪霊の浄化は我が役目なり!
それに一筋の迷いも無し!!

骸球を天之浄魔弓(武器:弓)より放つ光の矢で迎撃して軌道を逸らすぞ(スナイパー10)
逸らし切れない場合や、溢れる炎は
神通力(武器)の障壁(オーラ防御109、結界術20)で対処だ

そして先制攻撃を凌いだら
第二射は『清浄の矢』で骸球を狙う
魂の穢れを祓うこの矢にて、その邪悪な魂の塊を消し去ってくれる!
(破魔114、誘導弾25、浄化20、スナイパー10)

そして、武器を失った鬼火へと『清浄の矢』でトドメだ!
我が祈りは、汝の邪悪な力に負けるほど弱くは無いぞ!
(破魔114、浄化20、除霊10、祈り10、神罰5)

●神鏡のヤドリガミ
●アドリブ、連携歓迎


死之宮・謡
アドリブ歓迎

そうか…不死身か…過去の存在であるオブリに対して適切かは解らんがな…
だがまぁ、未練故の不死性か…憐れなり…ふふふ…(思ってもいなさそうな笑み)
それじゃあ、鬼火を沈めに征こうか…
我が愉悦の為に、嗤え哂え

我が心に迷いなどありはしない…私は唯破壊し殺戮するのみ…其処に一片の曇り無く、慈悲も躊躇いもありはしない…
漆黒の・呪詛による壁で骸球を霧で溢れる焔を防ぎ
レ・フィドラに呪いを纏わせ吶喊。呪撃と共に刺突と薙ぎ払いで連撃
最後は【覇神滅槍】を叩き込んでフィニッシュ


播州・クロリア
迷いなき心を示す
なるほど
(肩幅ほどに足を開き、両手で太ももをなぞりながらゆっくりと上体を起こした後{紅焔の旋律}で『ダンス』を始める)
私はどんな状況であろうと踊ることを止めない!
それが敵陣の真っただ中であったとしても!
この情熱と踊り続けることへの欲望の炎は決して揺らぐことは無い!
(『怪力』と『念動力』で瓦礫の防御壁を作り『オーラ防御』で骸球を包み込んで炎を抑え込み{紅焔の旋律}で生み出した炎を纏った『衝撃波』で骸球の鎖を断ち切る『貫通攻撃』と『属性攻撃』を行う)
この炎は貴方へ捧げたリズムです
全身全霊を持って受け止めていただきます!
(UC【蠱の翅】で炎のオーラを纏いながらダッチマンに突進する)


黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流

敵の攻撃は基本第六感で感知し、見切りで回避する。
一応骸球は命中前に飛刀の投擲で相殺させるか、威力を落とし回避しやすくする。
落としきれないものはやむを得ない、直接二刀でたたっきる。
もし炎が付いたら伽羅の水で消せるかも試してみるが、消えなかったら火炎耐性で何とかしのぐ。
そのまま勢いで一気に近づき、UC剣刃一閃で炎ごと斬りかかる。

迷いなき心って普通に「誰が為に」ってぐらいしかない。
ただその一つだけが俺を立たせてくれる、いくらでも戦える。
いつかきっと摩耗し折れる時が来るだろう。
でも折れる時まで死のその時まで、俺の信念は変わらない。


トリテレイア・ゼロナイン
ある意味、私とは相性が悪い相手ですが…

(騎士として自身が正しく振舞えているか? 戦機の思考を優先してないか?等々常日頃悩み多きウォーマシン)

ですが、この海を巡った今ならば大丈夫です

振るわれる骸球に付いた『鎖』を格納銃器でのセンサーでの情報収集と瞬間思考力を駆使し乱れ撃ちスナイパーピンポイント射撃
鎖砕けずとも衝撃で軌道乱れさせて命中率削減、回避

UC使用
●怪力とロープワークで操り空中で鉄球同士ぶつけ勢いを相殺
鉄球の推進機構を起動し●推力移動で軌道を変え鬼火を直撃爆砕
捕縛し宙へ放り投げ

貴方の艦隊の攻勢に立ち向かった島の人々
己が矮小な悩みに囚われ彼らの勇気に応えずして、何が騎士でしょうか!

地に叩きつけ



 七大海嘯『鬼火』。異質なる強大なるコンキスタドールの中でも、その身はより強大なる呪詛の炎で渦巻いていた。
 オブリビオンとなりながらも、最後の審判の日まで海をさまよう幽霊船の主となりて、生者に死を与えしもの。青く燃え盛る炎は、いかなる海賊船をも焼き尽くす。
 フライング・ダッチマン。その死ぬことのない身体と、生きる者を容赦なく射抜く瞳は、まさしく伝承で語られる幽霊船の船長に相応しいと言えるだろう。
「悪鬼邪霊の浄化は我が役目なり! それに一筋の迷いも無し!!」
 そんな鬼火島にて上陸し、フライング・ダッチマンと対峙した天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)は堂々と言い放つ。破魔の神鏡として祀られてきたモノのヤドリカミとして対するは極上の魔。
 相手にとって不足はないと、その迷いなき意志と瞳は光輝く。それを微笑ましく思いながら、フライング・ダッチマンの炎にも負けない呪詛を放つのは、死之宮・謡(存在悪:狂魔王・f13193)。
「そうか…不死身か…過去の存在であるオブリに対して適切かは解らんがな…」
 何度でも殺してでも骸の海から蘇ってくるオブリビオン。ある意味不死身と言える存在であり、それを狩り続けている謡にとっては不死をどうするかなどはあまり深く考えることではないのかもしれない。
 だがフライング・ダッチマンは文字通り、即時蘇生をしてくる相手。骸の海に還るまでもなく不死の存在。勝手は違うのかもしれない。
「だがまぁ、未練故の不死性か…憐れなり…ふふふ…」
 思ってもなさそうな笑みを浮かべる謡。そしてフライング・ダッチマンもまた対照的な二人を嗤う。
「ハハハハッ! われに立ち向かうならば、われの領域に踏み入れると知れ。行くぞ、猟兵!」
 もはや問答は無用と言わんばかりに鎖付き骸球を振り回すフライング・ダッチマン。『燃え盛る邪悪な魂』の集合体である骸球は触れれば燃え盛り、さらに口からも炎が溢れ出す。
 謡に向かって投げられる骸球ではあったが、そうはさせじと百々が天之浄魔弓が放たれる光の矢を放ち、その軌道を反らす。その青い炎をチリッと肌で感じながらも、謡の笑みは崩れない。
「それじゃあ、鬼火を沈めに征こうか…我が愉悦の為に、嗤え哂え」
 そして謡は漆黒の呪詛を壁のように展開する。フライング・ダッチマンも回転するように鎖を回し、骸球を投げつけようとする。百々も巻き込んで纏めて炎に巻き込もうとする腹だ。
 霧のような呪詛は青い呪いの炎を包み込み、受け止める。骸球の炎は防げたものの、口から吐く炎はそれだけでは足りないものであったが、百々が神通力の壁をさらに作り出すことで放出する炎を遮る。
「させませんよ!」
「我が心に迷いなどありはしない…私は唯破壊し殺戮するのみ…」
 そして百々の作り出した壁を飛び越えて、謡は呪殺神槍レ・フィドラを手に持って吶喊する。そしてフライング・ダッチマンの身体にその槍の先端を突き刺す。
 極上の呪いを籠めた一撃であり、弾け飛ぶようにフライング・ダッチマンの炎が揺らぐ。そのままなぎ払いに移行して身体を引き裂く斬撃を繰り返すと、フライング・ダッチマンは笑みを浮かべる。
「この程度の呪いでは、われの呪われた魂には届かぬぞ!」
「そう。だけど我が殺戮に一片の曇り無く、慈悲も躊躇いもありはしない…」
 再び骸球の一撃を繰り出そうとするフライング・ダッチマンを制するように謡が能力「覇神滅槍(オール・キリング・スティンガー)」の連撃を放つ。致死の呪いと闇を籠めた覇槍の連撃が、今度は炎と身体を穿つような穴を作り出す。
 致死の呪いがその穴から滲みだし、フライング・ダッチマンの身体を蝕む。迷いのない謡の殺意に、その魂の輪郭が靡く。
「魂の穢れを祓うこの矢にて、その邪悪な魂の塊を消し去ってくれる!」
 だがなおもその骸球を謡に叩き込もうとするも、百々が放つ能力「清浄の矢(セイジョウノヤ)」の第二射がそれを射抜く。さきほど弾いた矢と違い、神聖なる祈りを籠めた神弓より放つ光の矢は魂の穢れを消し飛ばす。
 燃え盛る邪悪な魂はその穢れた炎を吐き出す口から、矢によって浄化されて霧散する。骸球の核を失った鎖は虚しく空を切るのみだ。
「我が祈りは、汝の邪悪な力に負けるほど弱くは無いぞ!」
 そして、第三の清浄の矢が百々より放たれる。その狙いはフライング・ダッチマンの心臓部である。謡の致死の呪いとは別な箇所で、魂を浄化する矢が撃ち込まれて穢れた魂を禊ぐ。
 急激な強烈な呪いと清浄を同時に喰らう。その相反する攻撃はフライング・ダッチマンの顔を歪めるのに十分だった。そしてその隙を突くのに播州・クロリア(リアを充足せし者・f23522)が立つ。
「迷いなき心を示す。なるほど」
 そうクロリアは呟くと、肩幅ほどに足を開き、両手で太ももをなぞりながらゆっくりと上体を起こす。そして天を衝かんと燃え上がり、鎮まることなく燃え広がる炎を表現した情熱と欲望のリズム「紅焔のリズム」を刻む。
 例え戦闘中でも迷うことなく踊り続けるクロリアに、フライング・ダッチマンは容赦なく再生した骸球の一撃を繰り出す。口から吐き出される煉獄の炎が、その情熱の炎の舞を喰らい尽くさんとする。
「私はどんな状況であろうと踊ることを止めない! それが敵陣の真っただ中であったとしても!」
 それはクロリアにとっての迷いなき信念。揺らぐことのない絶対的な意志。そのダンスに賭ける情熱と踊り続けることへの欲望の炎は、燃え盛る邪悪な魂に負けるものではない。
 それを示すかのようにその情熱のステップによって地面の瓦礫を蹴り上げて念動力によって壁を作り出し、骸球の直撃を避けるクロリア。さらにその防御壁から直接オーラを流し込むことによって、骸球の炎を閉じこめるように包み込む。
「そのようなことでわが骸球が封印できるものか!」
 フライング・ダッチマンが鎖を引いて、オーラを引き剥がそうとするが、その前にクロリアの紅焔の旋律によって生み出された炎の衝撃波が一閃する。目にも止まらない蹴りが放たれた炎は、骸球の鎖を断ち切って制御を奪う。
「この炎は貴方へ捧げたリズムです。全身全霊を持って受け止めていただきます!」
 虫のように飛翔し、炎を纏いながら能力「蠱の翅(コノハネ)」を発動させるクロリア。自身のダンスで生み出した旋律のオーラは、その踊った時間に応じてクロリアに力を与える。
 紅の焔のオーラに纏われた踊るように繰り出される蹴りの連撃が、フライング・ダッチマンの身体に衝撃を与える。同じ炎なれども、相手の情熱の籠った蹴りは、その魂に悪影響を与えるのに十分であった。

「苦悶で歪んでいるぞ。フライング・ダッチマン」
 右手に旧月山派の刀工の作「胡(えびす)」、左手に刃が黒い大振りなナイフ「黒鵺」の二刀流で、懐に突っ込む黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)。その動きは精錬されており、こちらも迷いがない。
 踊るような蹴りが終わったクロリアに繋げるように接近してくるのは、機を狙っていたというのもあるだろう。その類稀なる第六感で感じ取った隙を見逃すはずもない。
「迷いなき心って普通に『誰が為に』ってぐらいしかない」
 ただその一つだけが瑞樹の心を奮い立たせてくれる。近づかせないように骸球を叩きつけるフライング・ダッチマンの攻撃を飛刀の投擲で軌道を微妙に反らし、その間をすり抜けるようにして回避する瑞樹。
 それでもその口から吐き出される青い炎がその身を焼こうとするも、水神の竜「伽羅」が現れて水を放出することで瑞樹の身体に届かせることはない。それでも恐るべき呪いの炎は圧倒的水圧の伽羅の水を蒸発させるが、その霧に紛れて瑞樹は進。
「折れる時まで死のその時まで、俺の信念は変わらない」
 いつかきっと摩耗し折れる時が来る、その未来まで止まることはない。その信念を体現するように、迷いなくフライング・ダッチマンに接近し、通り抜けると同時に能力「剣刃一閃」の二刀の連撃がその身体を引き裂く。
 普通ならばその炎は不死の性質を持って、フライング・ダッチマンの身体を守るが、瑞樹の迷いなき心の刃はその魂を引き裂く。血を吐くように、魂の残滓を吐き出すフライング・ダッチマン。
「馬鹿な、全員がここまで迷いなくわれに攻撃できるだと?」
「そうですね。皆様は立派です。ある意味、私とは相性が悪い相手ですが…」
 そう言ってトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は困惑の幽霊船長の前に立って剣を握る。トリテレイア自身は、先程攻撃した瑞樹は勿論、他の3人ほどの信念を持っているかは疑問ではあった。
 『己が理想とする騎士として自身が正しく振舞えているか?』『ウォーマシンとしての思考を優先してないか?』。そんな疑問を常に抱く常日頃、多く悩むトリテレイア。
「ですが、この海を巡った今ならば大丈夫です」
 その信念はグリードオーシャンに入る前によりも強固なものになっていた。それを指し示すように、飛来する骸球の一撃も肩部から複数から展開する隠蔽型銃火器による狙いすましたように狙い乱射する。
 センサーでの情報収集と瞬時に判断する思考力を駆使し、その骸球の鎖をピンポイントに狙って弾き飛ばした形だ。鎖砕けずとも衝撃で軌道を乱れさせ、口から吐かれてくる炎は重質量大型シールドにて防ぐトリテレイア。
「些か蛮族染みてはいますが、重火器よりは騎士として格好がつくでしょうか」
 回避したトリテレイアは能力「拘束鉄爪内蔵式対装甲破砕鉄球(ワイヤード・ジェット・モーニングスター)」を発動させ、ワイヤーに繋がれバーニアから炎噴き出す棘付き鉄球を操る。その怪力と操作技術によって、返す刀で飛んできた骸球とワイヤー鉄球をぶつけて勢いを相殺をする。
 衝撃でトリテレイアの腕も軋むが、負けずに鉄球の推進機構を起動する。その瞬間、鉄球が空中で軌道を変えてフライング・ダッチマンの身体を直撃してその身体を爆砕する。
「ぐおおおおおおおおおお!」
「貴方の艦隊の攻勢に立ち向かった島の人々。己が矮小な悩みに囚われ彼らの勇気に応えずして、何が騎士でしょうか!」
 トリテレイアが思い浮かべるのは、己のことではなく、幽霊艦隊に立ち向かった、『鬼火』と戦った島の人達の勇姿。それに応えるのが騎士としてのトリテレイアの迷いなき心であった。
 その心の赴くままに頑丈な鉄球から飛び出し対象に放電する鉤爪でフライング・ダッチマンの身体を繋げ、宙へ放り投げる。そして勢いのまま地面へと叩きつける。

 本来不死であるはずのフライング・ダッチマンに効くはずのない攻撃。だがトリテレイアの地面の叩きつけさえ、その炎の身体は大きく揺らぐ。
 邪悪なる魂を打ち砕かんとする猟兵達の強烈なる信念の攻撃。それが今、数多の海賊から不死の幽霊、青き炎の海賊して恐れられたフライング・ダッチマンの伝説を打ち崩そうとしていたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

神宮寺・絵里香
●心情
・オレが居た世界は不死の侵略者に常に侵略されていた。神宮寺の一族も鍛え上げた巫術も、全ては不死を殺す為。オレは積み上げられて来た強い意志に従い不死を滅ぼす。その為にオレや娘は生まれてきたのだから。

●先制対策
・全身を破魔と浄化の力を宿した水属性のオーラで覆い、炎の海の対策を行う。生者を蝕む呪いみたいなのは激痛耐性でどうにかする。薙刀で鬼火と戦いつつ、鳥の動きを観察。戦闘知識と、第六感で敵の動きを見切り、飛行コースに雷槍を槍投げ、炎の羽根を降らせるのを辞めさせる。敵の攻撃は、水属性・破魔・浄化の力を宿した薙刀で武器受け。様子を見てUC発動。

●迷いなき心
・不死を必ず滅ぼし戦い続けるという誓い。


大豪傑・麗刃
右手に刀、左手にバスタードソード装備。
相手の先制攻撃は炎なので、我が身をまとうオーラと二刀に炎の属性を付与し、気合いをいれてオーラ防御と武器受け。

で、迷わない心を見せろと。よろしい。

暑くなれよおおおおおお

(燃える男発動!)

きみとちがって生身のわたしが燃えると暑い!つーか熱い熱すぎる!だが迷わぬ心でわたしが燃え尽きる前にきみを燃やし尽くすのだ!今のわたしはきみより暑苦しい男なのだ!
あとは敵の青い炎と、わたしの真っ赤に燃える赤い炎とのぶつかりあいなのだ。偶然にも、炎を身にまとわせ、剣からも炎というスタイルは一緒。ならばあとは純粋にどっちがより暑いかの勝負なのだ。まちがいなくわたしの方が暑いのだ!


フェルト・ユメノアール
迷いなんて最初からない
ボクが願うのはみんなの笑顔、それを守る為に戦うよ!

その為にも相手の攻撃を何とかしないとね
『フックロープ』を高所に引っ掛け、火の海になっている地面から脱出
まあ、ここが火に飲まれるのも時間の問題だろうけど
そうなる前にボクは手札からUCを発動!

現れろ!祝福の天使、【SPエンジェリリー】!
そして、エンジェリリーの攻撃!祝福の聖雨(ブレシング・シャワー)!
相手の青き炎を聖雨で相殺、全部じゃなくていい、ボクが鬼火に近づく為の道を作ってもらうよ!

出来た道を辿り、一直線に鬼火の元へ
相手の迎撃に対しては白鳩姿にした『ハートロッド』を放ち、行動を妨害する事で阻止
『カウンター』の一閃を決めるよ


才堂・紅葉
「あなたの旅の終わりはここよ」
迷彩外套を風に靡かせ宣告する

・先制対策
大きくした「紋章板」を立て、裏に隠れる
施した術式を用いたオーラ防御で青い炎を防ぐ
後は、耐熱加工を施した外套頼みだ

奴の高速移動の回りこみに対し、戦争知識による先読みと野生の勘で仕込みを合わせる

「コード・ハイペリア」

紋章の封印を解き、重力属性攻撃による結界術で捕縛を挑む
その隙間に、左手を噛み切った出血で戦化粧。“楔”の無念を背負い超強化だ

「永劫の彷徨者、今あんたに死神が追いつくわよ」

背負った無念の向かう先
そして、オブリビオンに全部を奪われた過去の私の無念
全部を乗せて、超重力下で動きの鈍った奴の速度を越える

「穿ちなさい、“楔”!!」


シエナ・リーレイ
●アドリブ・絡み可
シエナにとっての迷いなき心、それは『お友達』求める事に外なりません
相手が吐き気を催す邪悪であろうと親愛と好意を向け、仲良くなって『お友達』に迎えようとします
そんなシエナの在り方は七大海嘯相手であっても変わる事はなくダッチマンと仲良くなる為に鬼火島に上陸します

上陸早々にゼンタに絡まれたシエナですが彼女の仮初は器物からの呪詛に操られる死骸人形の[ジュリエッタ・リーレイ人形]であり、生者と言うには怪しい存在です
更に彼女が呼び出す『お友達』も呪詛に操られる死骸の人形であり炎の海に早々に適応し泳ぎ始めるでしょう

そして、シエナ達はダッチマンと仲良くなる為に意気揚々と遊び始めます



 『鬼火』フライング・ダッチマン。七大海嘯の一角、海上の悪夢たる幽霊艦隊の長にして、不死の存在。
 何度攻撃されても瞬時に再生させるその身体、そのユーベルコードの存在は相手に絶望感を与える。だがその身体は猟兵達の迷いなき心が放つ攻撃によって、揺らいでいる。
「おお、ゼンタ! わが愛鳥ゼンタよ!」
 だが負傷が回復しない身体をもってしてもフライング・ダッチマンは慌てることはない。自身の相棒である愛鳥ゼンダが飛翔し、青炎の羽が降り注ぐ時、生者を蝕む青き炎の海が顕現する。
 その生きる者をすべて飲み込む炎の景色を目の前にして神宮寺・絵里香(雨冠乃巫女・f03667)は元いた世界を思い出していた。不死の侵略者に常に侵略される光景、そしてそれに対抗する神宮寺の一族、その力。
「鍛え上げた巫術も、全ては不死を殺す為。オレは積み上げられて来た強い意志に従い不死を滅ぼす」
 その為に絵里香、そして娘は生まれてきたのだからという想い。それが揺るぎなき心となってフライング・ダッチマンを滅ぼす力となる。絵里香はその青き炎に対抗する為に全身を破魔と浄化の力を宿した水のオーラを纏う。
 勿論すべてをそれでどうにかできるものではない。特に生者を蝕む呪いが身を侵していくが、その激痛も歯を食いしばって耐え抜く。
「不死を必ず滅ぼし戦い続ける!」
 その誓いと共に一気にフライング・ダッチマンの距離を詰め、薙刀で切りかかる。それを腕のカトラスで受け止め、ゼンタの青炎の羽が舞い落ちる。さらに炎の海がうねりを増す中で、絵里香は注意深く状況を観察する。
 彼女が見ていたのはフライング・ダッチマンではなく相棒のゼンタ。その動きを見切り、フライング・ダッチマンの一瞬の不意を突くように倒れ込むと同時に飛行コースに雷槍を投擲し、命中させる。
「おお、ゼンタ!」
 身体を真っ二つにするその槍投げは見事に愛鳥ゼンタを貫き、青炎の羽が降り注ぐのが一時止まる。そして好機とみた絵里香は薙刀から能力「番犬の鎖(グラビティチェイン)」を発動させる。
 不死殺しの重力の鎖が放たれ、フライング・ダッチマンを拘束する。その鎖は絡みつくだけで、その炎の身体を蝕み、癒えない魂の傷を刻み込んでいく。
「重力の鎖よ、不死者を許すな。番犬の如く喰らいつけ!」
「迷いなんて最初からない。ボクが願うのはみんなの笑顔、それを守る為に戦うよ!」
 そして離さないと言わんばかりの絵里香の咆哮に、フェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)が応える。ゼンタが作り上げた青き炎の海を高所に括りつけたフックロープで、地面に落ちないようにしていた。
 初手の攻撃はそれを防ぐことはできた。だが絵里香のように特に耐性があるわけでもないフェルトが、復活したゼンタが襲い掛かってくる。空中で身動きが取れないであろう、フェルトが炎の海に飲まれるのも時間の問題だ。
「そうなる前にボクは手札からスペシャルゲストをご招待! 現れろ! 祝福の天使、SPエンジェリリー!」
 能力「<ユニットカード>SPエンジェリリー(スマイルパペット・エンジェリリー)」発動。迫り来る青き炎の海を、その召喚された天使の放つ如雨露の水によって相殺する。生者を蝕む炎に対して、聖なる水によって浄化を施す。
 だがそれをもってしても完全に相殺できるわけではない。フェルトもそれがわかっているからこそ、全てではなく、フライング・ダッチマンへの道を作る為。
「エンジェリリーの攻撃! 祝福の聖雨(ブレシング・シャワー)!」
 その聖雨を再び繰り出させるフェルト。その雨は地面へと到達し、青き炎すらも容易に焼き尽くせない植物を生み出す。それが大樹となって、フェルトの足場を作る。
 その道を辿って一直線にフライング・ダッチマンの元へと向かうフェルト。今だ絵里香の重力の鎖に縛られている中でソードカトラスを振るって、フェルトを斬り伏せんとする。
「甘いよ!」
 そう言って鳩姿にした『ハートロッド』を放ち、視界を阻害することでその剣撃を潜り抜けるフェルト。そしてカウンターのトリックスターの一閃がフライング・ダッチマンの首元を斬り裂く。
 それもまた邪悪なる魂を癒えぬ傷となって、フライング・ダッチマンを蝕む。そんな鬼火の炎の海を恐れずに進むシエナ・リーレイ(取り扱い注意の年代物呪殺人形・f04107)の表情はとても笑顔だ。
「ダッチマンと仲良くなりたい!とシエナは鬼火島に上陸します」
 彼女に迷いはない。その心は『お友達』求める事に外ならない。相手が吐き気を催す邪悪であろうと親愛と好意を向け、仲良くなって『お友達』に迎えようとする。
 そんなシエナの在り方は七大海嘯相手であっても変わる事はない。愛鳥ゼンダが青炎の羽を降り注がせて、生者を蝕む海で溺死させようとしてもシエナは満面の笑顔を向ける。
「ゼンタも『お友達』になりたいです!と水生生物な『お友達』を呼び出します」
 その青炎はシエナに効果が薄いように感じられる。彼女の仮初は器物からの呪詛に操られる死骸人形の『ジュリエッタ・リーレイ人形』であり、生者と言うには怪しい存在である。
 そして能力「水生生物さん達がお送りする癒しのひと時(スイセイセイブツニンギョウノブツリョウコウゲキ)」によって召喚された多種多様な水生生物の『お友達』の亡霊達もまた呪詛に操られる死骸の人形。その炎の海であっても悠々と泳ぎ始める。
「一緒に泳げば癒し効果抜群だよ!とシエナは主張し、遊びを始めます」
 そう言って水生生物の『お友達』がフライング・ダッチマンの身体に噛み付き、シエナもまた武器を持ってこちらに迫ってくる。その段階になってようやく絵里香の鎖を解くこそに成功したフライング・ダッチマンは怨念の青き炎を纏うことで、その場を即時離脱する。
 ゼンタもまたフライング・ダッチマンを援護するように飛翔し、青炎の羽をまき散らす。傷が癒えない攻撃を放つ猟兵相手に、継戦は愚行であったからだ。

「で、迷わない心を見せろと。よろしい」
 だが高速機動をして離脱したフライング・ダッチマンを待っていたのは右手に刀、左手にバスタードソードを構えた大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)であった。歴代の大豪傑家当主に劣らず、奇人変人っぷりを発揮するように、その変態ともいえるセンスでフライング・ダッチマンの移動先に回り込んでいた麗刃。
 フライング・ダッチマンは驚きつつも、ソードカトラスで斬りかかると同時に青炎の放射を試みる。麗刃も両手に持った武器に炎を纏わせつつ、怨念の炎に対抗する。
「無駄だ! ただの炎でわが怨念に対抗できるものかよ!」
 魂を震わせるようなフライング・ダッチマンの声。その言葉通りで、多少は拮抗できるものの、麗刃の身体へと届く青い怨念の炎。
 麗刃はその青い炎の魂を焼くような痛みに耐えつつ、己の心を震わせる。その燃えるような気持ちと共に能力「燃える男(シューゾーインストール)」を発動させる。
「暑くなれよおおおおおお!」
 心に燃える闘魂。その全身を包み込む炎によって包まれて、麗刃は咆哮し斬りかかる。その重圧は先程仕掛けた攻撃とは比べ物にならない。
 フライング・ダッチマンはその攻撃を受けて後ろに下がりつつ、感じることのない熱を感じる。いや、それは熱いではない。暑いのだ。
「きみとちがって生身のわたしが燃えると暑い! つーか熱い熱すぎる! だが迷わぬ心でわたしが燃え尽きる前にきみを燃やし尽くすのだ! 今のわたしはきみより暑苦しい男なのだ!」
「何を言っている!」
 フライング・ダッチマンは麗刃の言っていることはわからないと言わんばかりにカトラスをバスターソードにぶつけ、麗刃に青炎を放つ。対して麗刃は真っ赤に燃える赤い炎をぶつける。
 偶然にも、炎を身にまとわせ、剣からも炎というスタイルは一緒。ならばどっちが暑いかという勝負になると思っている麗刃はその迷いなき心のまま、暑い炎を炸裂させる。
「まちがいなくわたしの方が暑いのだ!」
 生者を蝕む青い炎を凌駕する、麗刃の生者に活力を与える暑い炎がフライング・ダッチマンを焼く。その身体に赤い炎が蝕み、久しく熱をを感じたことない身体が搔きむしるような火傷を負うことになる。
 麗刃の炎によろめくように後退した先には、迷彩外套を風に靡かせる才堂・紅葉(お嬢・f08859)が待ち構えている。そしてこう宣告する。
「あなたの旅の終わりはここよ」
 その殺意の籠った言葉と視線に敏感に反応したフライング・ダッチマン。瞳に炎が宿り、ソードカトラスを振るうと共に青炎を纏わせる。対して紅葉は大きくした「紋章板」を立て、裏に隠れる。
 その紋章板には予め対炎・対呪いの術式を組み込んでおり、それに紅葉のオーラを流し込むことによってその一刀を防ぐ。紋章板から溢れ出してくる青い炎は、その身に纏った耐熱加工を施した外套を頼みに防いでいく。
「コード・ハイペリア」
 それでもフライング・ダッチマンが高速機動でこちらに回り込んでくるのを予測し、紋章の封印を解く。仕込みを合わせるかのように流麗に、重力によって縛る結界を発動させてフライング・ダッチマンの動きを鈍らせる。
 来る方向がわかれば仕込みも容易だ。その重力結界に縛られている間に左手を噛み切った出血で戦化粧をし、能力「対戦車杭打銃“楔”(ロンギヌス)」を発動する。
「永劫の彷徨者、今あんたに死神が追いつくわよ」
 “楔”の無念を背負い超強化された肉体、杭に加工された超偽神兵器の欠片の活性化がそれを助長する。その身に背負った無念の向かう先、そしてオブリビオンに全部を奪われた過去の紅葉自身の無念。
 それを全て乗せて、迷いなき一撃へと昇華させる。超重力下で動きの鈍ったフライング・ダッチマンを捉える、対戦車杭打銃“楔”による貫撃が炸裂する。
「穿ちなさい、“楔”!!」
 爆裂したかのような音と共に、強烈なるパイルバンカーがフライング・ダッチマンの心臓部に風穴を開ける。その青い炎が霧散すると共に、癒えぬ傷となって邪悪なる魂が消失していくのを感じる鬼火。

 しかしそれで消滅しては、不滅の幽霊艦隊の船長など務まるものではない。強烈なる怨念の視線を紅葉と麗刃に投げかけてフライング・ダッチマンは二人から離れる。
 邪悪なる魂は今だ消えることを望まない。だが望む望まないという次元を超えて、猟兵という死神は鬼の火という灯を消すべく、最後の攻勢を仕掛けようとしているのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

シーザー・ゴールドマン
何度殺されても瞬時に蘇生するが迷いなき心を見せられると効果を失うか。

敵POWUC先制対策
骸球の動きを見切り、(第六感×瞬間思考力×見切り)接近を許さずに剣を振るって発した衝撃波を以てその口から溢れ出す炎ごと切り裂く。

迷いなき心か。何を以て彼が迷いなき心と判断するのか興味があるが……
まあ、私の世界で遊び楽しむ心、その楽しむべき世界を破壊するオブリビオンの存在を許さないという方針に迷いはないね。
百回生き返るなら百回。千回なら千回。彼が満足するまで殺してあげよう。

『ウルクの黎明』で増大した戦闘能力で神変万化にオーラセイバーを振るって切り刻み続けましょう。


佐伯・晶
UDCアースにも似たような話があるけど
オブビリオンだと救いは無いのかなぁ

ともあれ放っておくと
こちらの世界にまで侵略してきかねないし
覚悟を決めて戦う事にするよ
状況によっては他の人と協力して戦おう

青い炎の海に大しては神気で炎を防御しつつ
火炎耐性で我慢しよう
熱いのは熱いけど戦えない事はないと思うよ

初撃を凌いだら女神降臨を使用
肌を焼く炎に耐えつつガトリングガンで攻撃しよう
ドレスは簡単には燃えないけど
肌が出てる部分は熱いね

何度復活しても撃ち続けてやるさ
銃身が焼け付いてきたらパージして
再度銃身を生成し射撃を続けるよ
さて、根競べといこうか
派手な事はする必要が無さそうだし
確実に当たる様に確り狙いを定めて撃とう


メンカル・プルモーサ
…迷い無き心……ねぇ…検証が済めばあとは証明だけだからな…実行段階で迷う暇なんてありはしない…
…改造装甲車【エンバール】に乗って出撃…
…生命を蝕む炎は浄化復元術式【ハラエド】をエンバールの装甲に付与して炎の侵食を止めて環境に適応…時間を稼ごう…
…そして稼いだ時間で重奏強化術式【エコー】を多重発動して強化した【尽きる事無き暴食の大火】を発動…
…青き炎を白い暴食の大火で喰らう事により白い炎の領域を拡大…
…そのままこの白い炎をフライング・ダッチマンやゼンタへと延焼させるよ…
…何度やられても蘇るなら蘇らなくなるまで燃やせば良い…シンプルな理屈だね…このまま押し通すよ…


天道・あや
迷いなき心…!…そりゃまたフワッとしてるようでそれでいてガッチリ?したような物を要求してきますね!

…でもまー、そういうものには自信が、いや!持ってるよあたし!というわけで、あたしのハートを、想いをぶつけさせて貰いまショータイム!

想いをぶつけるなら堂々と真っ直ぐと、正面突撃!!

レガリアスで敵向けて【ダッシュ】!

うおおおー!鬼火がなんじゃーい!こっちの夢と未来に掛けるメラメラなハートの方が熱くてCOOLだーー!【情熱、限界突破、激痛耐性、火炎耐性】


そしてUC発動!これがあたしの真っ直ぐなハートの一曲(一撃)!!【歌唱、楽器演奏】


――どーよ、船長さん!あたしのハートはびしびし伝わった?伝わったよね!


ルカ・ウェンズ
あ!また蘇えってる蘇えちゃダメでしょ!どうしても蘇えりたいならオブリビオンにならないで蘇えってね。

それはそれとして、また蘇えってるから旅団、幽霊船フライングダッチマン号からまたやってきたわよ。オブリビオンだし悪党だから情け無用の迷いなき心で叩き潰すわ。

【オーラ防御】と、そういえば竜騎士だったから竜?の力を借りて【火炎耐性】身につけ敵の先制攻撃を防いだらユーベルコードを使い反撃して蘇生したいと思わなくなるまで叩くことにするわ!

このユーベルコードで互いを繋いだから後はひたすら【怪力】任せにオーラ刀で叩き潰すように切ったり、あと蹴ったり、投げ飛ばしたりして、そのうえ爆発させて何度も何度も叩き潰すわ。


リゼ・フランメ
罪を抱く魂を灼き尽くすこと
その祈りに迷いはなく、ただこの胸で激しく燃える炎としてある
故にその剣で、終わりなき彷徨いへと終焉をもたらしましょう

殺戮と略奪
その罪を更に重ね、惨劇を広げない為にも

動く骸球の動きを見切り
劫火剣に破魔と焼却で聖炎を宿して、早業で放つは衝撃波
邪悪なる魂で成るというのなら、これは効果覿面の筈
鎖で操作されるなら、細かい動きと制御は難しいと戦闘知識で予測し

動き乱れて隙が出来ればダッシュで切り込むわ


迷いなき心
それは私の祈り
罪と欲を斬り祓い、滅んだ故郷のような惨劇を起こさないと
鬼火のような罪宿す霊魂にこそ剣威を成す

「罪の織り成す悪夢こそを焼きましょう」
それが私の赤い夢と理想だからこそ



「蘇生ができぬ! これが猟兵の力だというのか!」
 そういって蘇生ユーベルコードすら及ばない、迷いのない心がつけた傷を忌々しく撫でる『鬼火』フライング・ダッチマン。だがその表情は絶望ではないのは、さすがは七大海嘯の一角といったところか。
「だがまだ死ねぬ! 偉大なる王カルロスの為にも!」
 それでもその身を構成する青い炎は今だ生者を焼き尽くさんと示すように燃え盛る。フライング・ダッチマンの威勢を示すものでもあるだろう。
 そんな強大なる、手負いの虎相手にシーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)と天道・あや(目指すぜ!皆の夢未来への道照らす一番星!・f12190)は挑む。
「何度殺されても瞬時に蘇生するが迷いなき心を見せられると効果を失うか」
「迷いなき心…! …そりゃまたフワッとしてるようでそれでいてガッチリ? したような物を要求してきますね!」
 シーザーは迷いなき心というのが何を指し示すのかはわかってはいない。そもそも相手が何をもって迷いなき心を判断するかなどわかりはしないからだ。
 対してあやは真っすぐな想いを抱いている。自信がないように見えても、己の心に誇れる想いがある。己が信じた運命を進み、アイドルとなるまであやが止まることはない。
「というわけで、あたしのハートを、想いをぶつけさせて貰いまショータイム!」
 そう言ってあやは堂々と真っ直ぐと、正面突撃を敢行する。想いをぶつけるなら、とあやらしい選択であると言えるが、フライング・ダッチマンとしてはいい的だ。
 しかし大気を圧縮して駆動力に変える、インラインスケート「レガリアス」の加速力で辛うじて直撃を避けようとする。それはもはや気合、根性論ともいえる暴挙だが、あやは止まる気配はない。
「うおおおー!鬼火がなんじゃーい! こっちの夢と未来に掛けるメラメラなハートの方が熱くてCOOLだーー!」
 骸球の攻撃は避けられるかもしれない。だが口が吐き出す青炎で葬ると、フライング・ダッチマンはその表情を歪める。
 だがそんな突撃を微笑ましく見ていたシーザーから援護が入る。剣を振るって発した衝撃波が大気を斬り裂き、その青い炎があやに近づく前に断ち切り、その口ごと切断する斬撃と化す。
「無粋だよ。まあ、私の世界で遊び楽しむ心、その楽しむべき心は尊重されるものだ」
「これがあたしの真っ直ぐなハートの一曲(一撃)!!」
 シーザーのその援護に応えるべく、あやは天高く飛び上がり能力「スパーク!ミュージック!!(ロックハサンダー)」を発動させる。今のあやのテンションを代償にして、雷鳴のように激しく痺れる思いを込めた演奏という名のサウンドボムを叩き込む。
 その熱いハートのままに奏でられた音はフライング・ダッチマンの魂すら震わせ、物理的にも青い炎を吹き飛ばすようなソニックブームを生む。まさしく音の嵐であった。
「どーよ、船長さん!あたしのハートはびしびし伝わった? 伝わったよね!」
 演奏が終わった時、フライング・ダッチマンの炎が弱まっているのを見て、あやのライブが成功したのを確信する。さきほどのテンションは喪失したが、それでも成功は嬉しいものだ。
 それを叩く為にシーザーが能力「ウルクの黎明(デウス・ポテスタース)」を発動させた状態で、オーラセイバーを握りしめて、それを高速に振るう。迷いなき心はわからずとも、世界を破壊するオブリビオンの存在を許さないという方針に迷いはない。
「百回生き返るなら百回。千回なら千回。彼が満足するまで殺してあげよう」
 千変万化に変化する太刀筋、輝く真紅のオーラによって押し上げられた強大な魔力。それを思う存分振るい、シーザーはフライング・ダッチマンの魂に消えぬ傷を刻んでいく。

 だがまだ膝をつくことをよしとしないフライング・ダッチマン。己の怨念、憎悪、邪悪を成すまでは果てるわけにはいかないと誓ったのだ。
「あ! また蘇えってる蘇えちゃダメでしょ! どうしても蘇えりたいならオブリビオンにならないで蘇えってね」
 そういう軽い口調で苦悶するフライング・ダッチマンに突撃してくるのはルカ・ウェンズ(風変わりな仕事人・f03582)。すでに別個体のフライング・ダッチマンを討伐しているが故に、あの物言いだったのだろう。
 その実力は本物であり、旅団「フライングダッチマン号」からの刺客である。天にフライング・ダッチマンは二ついらない、悪党なコンキスタドールに情けなど無用なのである。
「叩き潰すわ!」
「やってみろ!」
 フライング・ダッチマンが渾身の骸球の一撃を繰り出すと同時にルカが飛翔する。竜騎士の潜在能力を生かしての回避だが、それでも口から吐き出す青炎の一撃が来る。
 それを竜のオーラで包むことによって最低限のダメージで防ぎきる。ドラゴンは元来、炎に強いもの。生者を蝕む炎が肌がチリつくが、気にせずに能力「死がふたりを分かつまで(シガフタリオワカツマデ)」を発動させる。
「もう蘇生したいと思わなくなるまで叩く!」
 変形式オーラ刀の一撃を持って攻撃を当てていくルカ。そのたびにフライング・ダッチマンの身体が弾け飛び、爆裂していく。距離を取って離れようとするも見えない蜘蛛の糸が繋がり、離れることができない。
 あとはルカの独壇場だ。持前の力任せでオーラ刀で叩き潰すように切ったり、あと蹴ったり、投げ飛ばしたりして、そのうえ爆発させて何度も何度も叩き潰す。まさしく滅びを与えんが為に。
 だがルカに疲弊が一瞬の隙で骸球の口からの炎の放射で蜘蛛の糸を焼き切り、近距離を脱するフライング・ダッチマン。そのまま骸球を振るって、ルカをけん制する。
「罪を抱く魂を灼き尽くすこと」
 その聖句を発しリゼ・フランメ(断罪の焔蝶・f27058)は赤いルビーのような瞳で、フライング・ダッチマンを見据える。その穢れた魂を逃してなるものかと、捉えるように。
 その祈りに迷いはなく、ただこの胸で激しく燃える炎としてある。故に迷いなき想いが宿る剣で、終わりなき彷徨いへと終焉をもたらさんとリゼは戦う姿勢を取る。
「罪はわれそのもの! そして灼かれるのは貴様だ!」
 ルカをけん制した勢いのまま骸球が振るわれる。殺戮と略奪、あまたの惨劇を作り出してきた脅威の攻撃、その燃え盛る邪悪な魂がリゼを焼き尽くさんとする。
 だがその罪を重ねることを許容できない。軌道を読み的確に躱し、劫火剣「エリーゼ」に宿した破魔の炎を宿した剣を振るうことで、青い炎の放射を斬り伏せていく。
「邪悪なる魂で成るというのなら、これが覿面でしょう?」
 鎖で操作して直撃を狙ってくるフライング・ダッチマンの骸球の一撃を前に突撃することで躱し、一気に距離を詰める。細かい動きと制御は難しいと予め予見していておいたこそできる動き。
 能力「断罪の天焔剣(ガーネット・ブレイズ)」発動。その断罪の神霊力を籠めた火焔を纏う斬撃の一閃がフライング・ダッチマンを真っ二つにする。
「罪の織り成す悪夢こそを焼きましょう」
 迷いなき心、それこそリゼの祈り。罪と欲を斬り祓い、滅んだ故郷のような惨劇を起こさないと強き祈りの想い。
 それが鬼火のような罪宿す霊魂にこそ剣威を示さんとリゼは思う。それこそがリゼの赤い夢と理想だから。それがフライング・ダッチマンの命運を断とうとしていた。

「ゼンタ! わが愛鳥ゼンタよ!」
 だがその赤い焔を内なる青き炎で対外に放出しつつ、フライング・ダッチマンは愛鳥たるゼンタを呼ぶ。降り注ぐは青き羽、巻き起こる青き炎の海。
 生者を蝕む海に遮られてリゼはフライング・ダッチマンに近づけない。そしてその鬼火は高らかに嗤う。
「ハハハハハハッ! われは悪夢! 地獄! 亡霊の艦隊の主! この生者を蝕む青い炎の海がある限り、終わりはない!」
 もはや青色吐息なのは間違いない。だがそれをさせじとフライング・ダッチマンはその海にて再び蘇生を試みようと言うのだ。今までの傷をなしにしようとする、反則の蘇生ユーベルコード。
 だがそれをさせないのばかりに改造装甲車【エンバール】を操縦するメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)。そしてその上に狙撃手として乗っている佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)だ。
「UDCアースにも似たような話があるけど。オブビリオンだと救いは無いのかなぁ」
 そう言って今だ生者への憎悪と怨恨に捕らわれているフライング・ダッチマンに憐憫の表情を浮かべる晶。邪神と融合した故か、その強烈な存在にそんな感情を抱く。
「ともあれ放っておくと、こちらの世界にまで侵略してきかねないし、覚悟を決めて戦う事にするよ」
「…迷い無き心……ねぇ…検証が済めばあとは証明だけだからな…実行段階で迷う暇なんてありはしない…」
 そんな晶が迷いなくガトリングガンを構えるのに対して、メンカルも全く迷う素振りも見せない。さらには生者を蝕むとされる青い炎の海すら恐れを抱いてはいない。
 彼女は彼女が施した術式を、己の力を信じているからだ。そのまま青い炎に突っ込んでも問題はない。穢れを正常な状態へ戻す浄化復元術式【ハラエド】をエンバールの装甲に付与して、青炎の侵食を車内にまで行き届かせないようにする。
「…時間稼ぎだけど…そっちは?」
「何とか……!」
 どちらかというとメンカルの心配は車外にいる晶だが、その邪神のオーラを纏うことで生者への呪詛への対抗手段をしているようだ。それでも不完全ではあるが、炎の熱さに負けるほど晶は弱くはない。
 しぶとく海を渡る二人にゼンタが青炎の羽を降らせてさらに海を荒れさせようとする。だがそのエンバールの耐久で稼いだ時間を、術式の威力や効果を強化する重奏強化術式【エコー】を多重発動に使い、メンカルは能力「尽きる事なき暴食の大火(グラトニー・フレイム)」を発動させる。
「貪欲なる炎よ、灯れ、喰らえ。汝は焦熱、汝は劫火。魔女が望むは灼熱をも焼く終なる焔」
 文言と共に発動した如何なる存在も燃料にする白色の炎は津波となってエンバールから放出される。メンカルの暴食の白炎は青炎すらも燃料とし、領域を拡大していく。
 そしてエンバールが完全に青炎の勢力から抜けたのを見て、晶が能力「女神降臨(ドレスアップ・ガッデス)」を発動させる。宵闇の衣を生成、可憐なドレス姿を身に纏い、力が漲ってくる。
「小っ恥ずかしいけど、我慢我慢」
 携行型ガトリングガンの威力を増強させ、さらに魔力の翼を羽ばたかせ、空を舞う。狙うは青炎の羽をまき散らすゼンタだ。強烈なガトリング斉射によってゼンタの羽を撃ち抜き頭を砕く。
 ドレスの肌が出ている部分が炎の熱で当てられて熱く感じるが、さきほどほどではない。そうして完全にゼンタを撃ち落とした晶にフライング・ダッチマンが物凄い形相で睨め付けてくる。
「おお、ゼンタよ! おのれ……ぐおおおおおおおおおおお!」
 だがその前にメンカルの白炎が青炎の海を征服し、ついにフライング・ダッチマンの身体へと到達する。その延焼速度は、青炎を燃料にしたからに他ならない。
「…何度やられても蘇るなら蘇らなくなるまで燃やせば良い…シンプルな理屈だね…このまま押し通すよ…」
「何度復活しても撃ち続けてやるさ。銃身が焼け付くまでやってやる!」
 そしてフライング・ダッチマンの身体の炎も燃料にして白炎がその身を焼き尽くしていく。それに追撃するようにガトリングの弾がフライング・ダッチマンの身体を粉みじんに砕いていく。
 晶はこの機を逃すものかと銃身をパージして、再度銃身を生成し射撃を続ける。まさしく根競べ、蘇生が上回ればフライング・ダッチマンは蘇生を果たすだろう。メンカルも魔力の限りを尽くして、白炎の維持に努める。

「これが……終わり……なのか?」
 そう言ったフライング・ダッチマンは蘇生が追い付かずに身体が崩壊していくのを感じる。青い炎は消えていき、力は喪失していく。
 だがこの気持ちは何なのだろうか。偉大なる王カルロスのことも、己に渦巻いていた憎悪や怨嗟も、今はどうでもよくなるほどの心地よさ。
「そうか……眠れるのか……ゼンタよ、共に……」
 そうしてフライング・ダッチマンはゼンタの残骸を抱え上げて白炎と共に消滅していった。最後までガトリングを撃ち続けた晶は額の汗をぬぐう。
「危なかったー……、皆がいなけりゃ倒し切れなかったね」
 そう言って、エンパールにいるメンカルや、他の猟兵達に感謝の意を示すのであった。

 鬼火はもう二度と灯ることはないだろう。青い炎はもはや役目を終えた。幽霊艦隊も頭を失ったことによって勢力は霧散していくことだろう。
 七大海嘯も次々と牙城を崩されていく中で、これからこのグリードオーシャンの戦争は終盤へと盤面を進めて行く。猟兵が勝つか、コンキスタドールが勝つか、どちらにしろ世界の命運が決まる日は近い。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年02月17日


挿絵イラスト