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羅針盤戦争〜カルロスのコスプレコレクション・触手編

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #カルロス・グリード #オブリビオン・フォーミュラ #カルロスのコスプレコレクション

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「よもや我が三の王笏島が落とされるとはな」
 存外庶民的な部屋の中、見目麗しい男が衣装棚を開く。
「これでは分体たる我もいつまで持つか分からぬ。せめて最期は良き装いにて迎えたいものだ」
 そう言いながら、男は紫の外套を取り出し羽織る。
「いや……猟兵共を駆逐しここを新たな王笏島としても良いかもしれぬ。さすれば我が新たなる三の王笏よ。ところで……」
 本気か冗談か、男がそう言うと同時に背中から無数の触手が飛び出した。そして男は別の棚に手をかける。
「人前に出ぬならこちらの方が心地よいのよな……」
 その中身は文字入りTシャツ、短パン、ジャージ。


「皆さん、お疲れ様です……今日も、羅針盤戦争の、依頼です……」
 アレクサンドラ・ヒュンディン(狗孤鈍狼・f25572)が集まった猟兵に頭を下げる。
「本日はオブリビオン・フォーミュラのカルロス・グリード、その分体の一つを倒していただきます」
 場所はUDCアースの面影を持つ島。本拠地が落ちようとも、分身体の活動は止まらないようだ。
「彼は邪神を召喚し、その力を持って先制攻撃をかけてきます。これに対処の上、彼を撃破してください」
 その力は本物には劣れど、確定先制を行うほどのものはある。油断して勝てる相手ではない。
「彼の能力は無数の大口の邪神による噛みつき、巨大眼球の邪神による呪詛の連続攻撃、触手塊型邪神による触手プレイとなっております……」
 本人何もしてなくね? とは言ってはいけない。邪神の制御を頑張っているのだろう。
「この島は、主に服飾系の生産を行っており、島民たちに戦闘能力はありません……彼らの力を借りることは出来ないので、皆さんだけで戦っていただくことになります……」
 王笏直轄の島なだけあり、そもそも攻め込まれることを想定しておらず余計な武力は持たされていないのだろう。
「カルロスを倒せばこの島を解放することができます。この島では資金稼ぎと七大海嘯の力の喧伝のため、七大海嘯Tシャツとか作っていたので、お土産にどうぞ……ただ、邪剣Tだけは現在売り切れだそうですので、悪しからず……」
 まだ顔写真がないからね、仕方ないね。
「徐々に戦いが本格化してきましたが、周辺諸島にも敵はまだまだ潜んでいます。どうか皆様、お気をつけて……」
 アレクサンドラはそう言って、目的の島への航路をとった。


鳴声海矢
 こんにちは、鳴声海矢です。イケメンが触手プレイ。
 今回のプレイングボーナスはこちら。

『プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する』

 強敵おなじみの先制攻撃です。これを躱したうえで戦闘に持ち込むことで、彼を撃破することができます。彼は分身体であり本体よりはずっと弱いです(難易度も普通です)が、それでも並のボス戦よりは強いので油断なさらずに。
 とはいえやるべきことを抑えれば決して勝てない相手ではありません。
 この島は元UDCアースでTシャツの概念と縫製技術があり、七大海嘯の顔や名言がプリントされたTシャツとかを作ってます。お土産にどうぞ(アイテム発行は出来ません)。
 ちなみにこのカルロス氏は家の中ではTシャツ短パン派です。文字数が余ったらつついてあげてください。
 弱い敵ではないですが、全体としてふんわりライトな感じに行きたいと思います。ガチ系カルロスに疲れたあなたに。
 それでは、プレイングをお待ちしています。
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第1章 ボス戦 『七大海嘯『三の王笏』カルロス・グリード』

POW   :    邪神「暴食せしもの」
【無数の大口を持つ邪神による噛みつき】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    邪神「虚空を睨むもの」
【巨大眼球型邪神の視線による感染呪詛】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    邪神「謎を喰らうもの」
【疑問】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【触手塊型邪神】から、高命中力の【謎を喰らう触手】を飛ばす。

イラスト:hoi

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ユニ・バンディッド
アドリブ歓迎
先制対策に空飛ぶ金貨達を[武器改造]、光の反射率を高めて[範囲攻撃]。光で眼球型邪神の目を晦ませて視線を潰すよ。
ところでボク、盗賊なんだよねー。所持品チェックー!。
カルロスを対象に【デモン・フェイカー】手品の様にボクの手に生えた精巧なる贋作は、文字入りTシャツ、短パン、ジャージ……ほー。ニセモノを人質にワルい[取引]しちゃお。……あはっ♪ニセモノ?バレちゃった?。
でもボクのユーベルコードの真価は対象が持つ、本物の操作権を[盗み]出すこと。[騙し討ち]に本物の武器や財貨(服)を操ってチャンスを作ったり仕掛けるね。
ワルいね?ニセモノに惑わされて、マモノ(真物)を見失っちゃおしまいだよ♪



 紫の外套を纏い、背から紫の触手を生やして猟兵の前に立った三の王笏カルロス・グリード。彼は目の前に立つ猟兵を滅せんと、その手のメガリスを用い巨大な眼球の形をした邪神を呼び出した。
 その邪神に対し、ユニ・バンディッド(贋作の悪魔・f31473)は意志ある金貨をばらまくことで先制への防衛とする。
 光を反射し輝く金貨、その眩い輝きは、瞼を持たぬ邪神の目を容赦なく突き刺してその視線を妨害した。
「ほう……視線の攪乱か。どうやら初めてではない様子だな。森羅……いや三つ目で学んだか」
 退化を促すオルキヌスの瞳。視線を条件として発動する能力は他の七大海嘯にも使用者はいる。ましてカルロスの呪詛の視線は例え防がれても途中でやめることは出来ないという欠点まで抱えているのだ。視線が防がれてもその剛力を持って攻めかかってくる三つ目よりよほどあしらいやすいとすら言えた。
 そのまま光の渦の中に邪神が視線を乱れ撃ちにしている間に、ユニは自らの攻撃に移る。
「ところでボク、盗賊なんだよねー。所持品チェックー! ――我が意のままに、あらゆるものを模り生み出す。精巧なる贋作。揺らぐ真実。偽りの財貨にかき乱されて、崩れし真作が悪魔の手に堕ちる」
 明るい言葉の後に続く重々しい詠唱。それと同時にユニの手から生えてきたのは……
「文字入りTシャツ、短パン、ジャージ……ほー」
 カルロスが自宅用のタンスの中に入れている普段着セット。それを見せられたカルロスの顔色が目に見えて変わる。
「な、なんだそれは! なぜそれを持っている!」
「だからボク盗賊なんだってば。これを返してほしかったら……」
 その手の物を人質に取引に持ち込もうとするユニ。だが、一瞬狼狽したカルロスはすぐに表情を変え、その手の物を鋭く睨みつけた。
「いや……それは我のものではないな! 文字が違う! 我の棚の一番上にあるのは『増殖する私の残滓達』と書かれたものだ!」
 無難に『七大海嘯』と書かれた文字Tを生やしてみたが、まさかそれは持っていないとは。そして嫁のTシャツを着ているのかこいつは。
 だが、それを見ぬかれてもユニの態度は崩れない。
「……あはっ♪ニセモノ? バレちゃった?」
 そう言って手に生えた服を振り回すユニ。勿論それだけで攻撃になるはずがない。だが、まるでそれに呼ばれるように、島の彼方から一枚の布のような何かが飛んできた。
「あ、あれは!?」
 それに再度狼狽するカルロス。それはまさに今彼が言った通りの、『増殖する私の残滓達』と書かれたピンクの文字T。
 ユニの力の真価は偽物を作ることではない。対象が持つ、本物の操作権を[盗み]出すこと。それがいかなる効果を及ぼすかは、いま目の前で隙だらけになっているカルロスの様子が如実に表しているだろう。
「ワルいね? ニセモノに惑わされて、マモノ(真物)を見失っちゃおしまいだよ♪」
 その隙だらけの背に、魔力のダガーが深々と突き刺さった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イザベラ・ラブレス
アドリブ歓迎

Tシャツ短パン良いわよね。私もオフの時は基本それだし。ただ急な来客があると困るのよねぇ…。あなた、そういうのってわかる?
…それはそうと戦闘よ!

戦闘:邪神を正面から迎撃
スチールバスターの13mmの連射で牽制、一体だけ敢えて私に接近させて大口を開けたらそこに20mm擲弾による【部位破壊】を撃ち込んで怯ませる。

そうしたらスチールバスターからオールドキャノンに持ち替えてカルロスに【ダッシュ】で接近、迎撃に来る邪神はマグナム弾による【カウンター+重量攻撃】で吹き飛ばす!

そして指定UCでカルロスを殴る!こいつはメリー・バーミリオンTシャツの代金として取っておきなさい、勿論お釣りはいらないわ!



 一撃を受けなお威容を崩さない三の王笏カルロス・グリード。分体とはいえその姿はまさに王の名にふさわしい姿勢であった。しかし、イザベラ・ラブレス(デカい銃を持つ女・f30419)の想像の中では彼の首から下の姿は極めてラフな格好となっていた。そしてその格好に、彼女は好意的な反応を示す。
「Tシャツ短パン良いわよね。私もオフの時は基本それだし。ただ急な来客があると困るのよねぇ……あなた、そういうのってわかる?」
「ふむ、それは所詮下々の意見だな。王たる我にアポなしでの来客などありえない。あるとそればそう、諸君らの猟兵くらいのものだ。どうやら中々見どころのある知見を持つ者のようだが、これも我らの定め。ここに消えて貰おう」
 その言葉と共に、カルロスの前に無数の口を押し固めたような異形の邪神が現れた。邪神はその多くの口を全て開け、イザベラを喰らわんと迫る。
「……それはそうと戦闘よ!」
 その口を、イザベラは『スチールバスター』の13mm弾で迎え撃つ。700発装填された弾丸が次々と打ち出され、口たちの唇を、歯を、舌を吹き飛ばし邪神の接近を阻んでいく。
 だが、邪神の勢いはなおも強い。いくつもの口を潰されながらも、ついにその大口の一つが射線を外してイザベラの眼前まで迫り、その体を食いちぎらんと涎を垂らし歯を剥いた。
「待ってたよ! 喰らえ!」
 その大口に、外されたのとは別の銃口が向く。スチールバスターについたもう一つの銃口。20mm擲弾がその大口の中に放り込まれ、邪神は粉々に爆砕された。
 その爆炎も晴れぬうち、イザベラはスチールバスターを捨て大口径リボルバー『オールドキャノン』を抜いてカルロスに一気に詰め寄る。
「その装いでその速さ……邪神よ!」
 あまりの接近の速さにカルロスはもう一度邪神を呼び出し対応しようとするが、急いでいるためか呼び方が不完全なのか、今度の邪神は先に出したものより明らかに構成する口の数が少ない。その僅かな口を、イザベラの放つマグナム弾が連続で消し飛ばした。
 空になったシリンダーをイザベラは捨てる。だが、スピードの速さ故に既にカルロスは目の前だ。このままでは敵の眼前での弾倉交換と言うとてつもない隙を曝してしまうことは疑いない。
「速さが仇となったか……残念だな!」
 自らも戦えるのだとばかりに拳を振るわんとするカルロス。だがイザベラは、片手に変えのシリンダーを持つ代わりに、その拳を力強く握りこんだ。
「……これは火事場の馬鹿力ってやつ! 決してゴリラでは!」
「主よ、普段から大砲担いで駆け回る女子の握力がゴリラ級ではないと言う根拠は?」
 そんな声が己の内から聞こえてくるがそれに答える言葉はない。その代わり、カルロスに向けてイザベラは言う。
「こいつはメリー・バーミリオンTシャツの代金として取っておきなさい、勿論お釣りはいらないわ!」
「貴様なぜ新製品の情報をうぐおぉ!?」
 そのまま叩きつけられる、握力400kg超の一撃。それは細身なカルロスの拳を平然と押し返し、その体を遥か彼方まで吹き飛ばした。
 そして彼がいなくなった後に残される、『試作品』と書かれた袋に入ったメリー・バーミリオンの顔がプリントされたTシャツ。七大海嘯に万一空きができた時にスカウトでもする気だったのだろうか。
 それを戦利品として拾いつつ、イザベラは早く重い外装を脱いで軽装に着替えるため、家路へと付くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
先制攻撃は【呪詛耐性】を編み込んだ【オーラ防御】を身に纏いつつ
【高速詠唱】で氷魔法の【属性攻撃】
氷の盾を即興で生成する事で、可能な限りの反射を試みる二段構え
盾で少しでも軽減出来れば
残った分くらいは呪詛耐性で弾き返せる筈

邪神の相手は慣れてるからね
初手を防げればこっちのもの
【破魔】を宿した★花園を足場に広げながらの【空中戦】で
敵の行動可能エリアを狭めていく
花に近寄る事も出来ないでしょ
邪神に破魔は毒だもんね

闇には光を
邪には聖を
僕とは相性最悪だったね、残念でした

【指定UC】発動
破魔を宿した全方位の光魔法で【浄化】攻撃

ところで短パンよりホットパンツの方が楽だと思うんだけどどう?
カルロスさん



 吹き飛ばされた先で、カルロスは体を起こし服の汚れをはたく。分体とはいえそれなりの力はあるのか、傷を負っていれどまだ倒れる様子はない。しかしそこには、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)が既に待ち受けていた。
「休む間もくれぬということか……邪神よ!」
 カルロスは早々にメガリスを用い、眼球型の邪神を呼び出す。
 だが、既に三の王笏を幾度となく相手取った澪にとってはそれは最早勝手知ったる相手。自身の体を呪詛への耐性を纏ったオーラで覆いつつ、高速で呪文を唱え目の前に魔法の盾を生成する。
 視線とは即ち光を捕らえる方向。その光を氷で反射させて捻じ曲げれば、己に届くものは軽減することができる。
 無論、オブリビオン・フォーミュラの呼び出した邪神がそんなに甘いわけはない。氷の盾を貫き、幾許かの呪詛は澪の身に届いた。そして澪もそれは分かっているから、自分を光のオーラで纏い届く呪詛から身を守ったのだ。
 曲げられても、防がれても止められない呪詛が続けざまに澪に叩きつけられる。しかし二段構えに防がれたそれは、決定だとはならず澪の動きを阻害するには至らなかった。それでも止まらない攻撃の中、澪は悠々と反撃の準備を整える。
「邪神の相手は慣れてるからね。初手を防げればこっちのもの」
 そう言って身代わりの証たる刻印『everywhere garden (どこにでもある花園)』を掲げる澪。そこから湧き上がる力は当たりの大地を一時的に花園に変え、そしてそれは華の香りの代わりに破魔の力を辺りに湧き上がらせる。
 そしてその花園を足場代わりにしながら邪神に肉薄し、破魔の力にて邪神を追い込んでいく澪。ようやく攻撃が終わり次の行動に移れるようになった邪神だが、辺りに立ち込める破魔の力に既に思うようには動けなくなっていた。
「花に近寄る事も出来ないでしょ。邪神に破魔は毒だもんね」
 その形状からして明らかに防御行動には不向きな眼球型邪神。破魔の力を直接浴びて、その邪神は眼球から水分が抜けるかのように乾き、萎びていく。
「闇には光を、邪には聖を。僕とは相性最悪だったね、残念でした」
 聖と光の力を得手とする澪にとって、邪なる者の対処は得意分野の一つであった。
 なれど、それならばと悪ではあれど多様なる力を持つカルロス自身が、自ら攻めかからんと邪神の脇から躍り出る。
 だがそれも、澪の狙っていたこと。この戦いで倒すべきは邪神ではない。あくまでそれを使役するカルロス・グリードなのだ。
「全ての者に光あれ」
 【Fiat lux】の言葉と共に、そのカルロスを全身から魔を浄化する光を放ち迎える澪。邪神の力を身に宿したカルロスは、その力の元を削ぎ落すような攻撃に思わず膝をつく。
「ところで短パンよりホットパンツの方が楽だと思うんだけどどう? カルロスさん」
「違う……丈が短すぎては裾を広げられず解放感と安心感を両立できぬ! ただ解き放たれたければ裸でいればよいのだ……!」
 何やら長さにこだわりがあるらしいカルロス。光に屈しながらも短パンの良さを全力で澪に伝えるその形相には、破魔の光を持ってすら拭えぬ鬼気迫るものがあったが、別段それは戦闘に何の影響も及ぼさず結局彼は光の中にダウンするのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナイ・デス
…………まぁ、分身にも色々な個性がでる、ですよね
全てのカルロスさんが、こんな感じではない、筈……筈?

あ、賞金首Tシャツとか、作ってくれます?
せっかくなので、記念に……



全部実はこんな感じ?とか、Tシャツつくってもらえるかな?と疑問を抱いてしまい、触手に襲われる
【念動力オーラ防御】で防いで
破られるより、はやく

てれれれーん。自爆装置ー、DEATH!

ぽちっと。体内にいれてる刻印などなどの【リミッター解除】して、自ら爆散
【だまし討ち】

私は、死なない。私は、死ねない

【覚悟、激痛耐性、継戦能力】爆散する事で触手の隙間を抜けて
その先で、再生し
【範囲攻撃】全身から【浄化、生命力吸収】する光を放ち、消滅させる!


黒沼・藍亜
いやもう私服も資金源もアレ過ぎて疑問の感情も何も……

いや、きっとこれも邪神の影響による狂気。いつものUDCエージェントのお仕事。ナニモオカシクナイ(疑問を持たぬよう自己暗示)

……いや先制対策もあるけど気を遣ってるんすよ!これでも本体の方と戦ってんだから!
邪魔するならTシャツ短パン姿を写真に撮ってこの世界中にばらまいてやろうか!(精神攻撃)

時間さえ稼げばこっちもスカート内から足元に黒い粘液状UDC「昏く暗い黒い沼」を滴らせ、そこから触腕を伸ばして攻撃、触腕が触れ次第、コッソリ付着させUC。
後は記憶消去銃から目潰し、拘束用ワイヤー、マヒ攻撃を仕掛け注意を惹き、アイツが力と命を失うのを待つだけっすよ



 戦いの中、分体とはいえ猟兵相手に三の王笏としての力を見せるカルロス。その姿は傲慢かつ邪悪で、フォーミュラの名に恥じぬものだ。
 そして今も、彼は猟兵を迎え撃つべく先んじて疑問を喰らう触手の塊を召喚していた。
 だが、猟兵たちは知っている。このカルロスが本当は何を好むのかを。
「いやもう私服も資金源もアレ過ぎて疑問の感情も何も……」
 黒沼・藍亜(人間のUDCエージェント・f26067)はとにかく呆れていた。オブリビオン・フォーミュラという壮大かつ邪悪な名を全否定する彼の室内着と活動資金源。あまりにも庶民的かつ世俗的なそれに、最早理解と感情の方がついて来ていないのだ。
「いや、きっとこれも邪神の影響による狂気。いつものUDCエージェントのお仕事。ナニモオカシクナイ」
 そのように自分に言い聞かせる藍亜。それはまるで疑問の感情を封殺するかのような勢いですらある。
「…………まぁ、分身にも色々な個性がでる、ですよね。全てのカルロスさんが、こんな感じではない、筈……筈?」
 一方ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)は多くの分身たちと戦った経験上、同じカルロス・グリードの名を持つ者でもその特性は千差万別であることは分かっていた。中には世俗さの欠片もなくどこまでも悪辣かつ強大な者もいたし、あるいは邪悪でありながら誇り高き、王の名を冠するに恥じぬ者もいた。
 だが同時に彼らはすべて同じ顔を持つ、同じ『カルロス・グリード』なのである。その根底には同じものが流れているはずであり、その根底部分にもしかしたらこのカルロス・グリードが好むようなものが存在していたら……
 考えるだに不安がこみ上げる。それはそれとして、どうにもこのカルロスは話しかければ割かし相手をしてくれるようなので、ナイはもう一つ彼に尋ねてみる。
「あ、賞金首Tシャツとか、作ってくれます? せっかくなので、記念に……」
 そこまで話してみてナイは気づいてしまう。
「あ」
 全部実はこんな感じ? とか、Tシャツつくってもらえるかな? とか、それはまさに疑問の感情であるということを。それを察知したか、水を得た魚のように触手がナイへと襲い掛かり、ナイは慌ててオーラを展開しつつ念動力で触手の方向を捻じ曲げることで何とか身を守る。
 なお藍亜の方に触手は向かっていない。何とか疑問の感情を抑え込むことに成功しているのだろうか。
「……いや先制対策もあるけど気を遣ってるんすよ! これでも本体の方と戦ってんだから! 邪魔するならTシャツ短パン姿を写真に撮ってこの世界中にばらまいてやろうか!」
 違う、どシリアスな王笏島の方のカルロスとの記憶を塗り替えられないよう気を遣っているだけであった。だが、精神攻撃の脅迫のつもりで言った言葉の最後を疑問形と取ったか、言葉尻を捕らえる様な形でついに藍亜にも触手が伸びる。
「それは勘弁願いたいな……あの格好をすると室内でも着込む舵輪と普通の服を着られぬ三つ目がうるさいのだ。だがそちらの猟兵の提案は悪くない。あまりにも対象が多すぎる故上位のみに絞るか、もしくは枠のテンプレートのみを作り顔の絵は持ち込みにさせるか……」
 やっぱりあまり聞きたくない内部事情を言いながら、ナイの案を前向きに検討するカルロス。きっとこの話に出てくる他の七大海嘯も半ばコピーミスでバグった分体なのだと信じたいところだ。
 だが、戦闘中にそんな考えに耽るのは、敵に致命的な隙を曝すも同じ。
 触手の猛攻がいよいよしのげないと察したナイは、一つのスイッチを取り出した。
「てれれれーん。自爆装置ー、DEATH!」
 ぽちっとそれを押すと、刻印はじめ体内に入れている全ての武器がリミッター解除、半ば暴走する形で一気に起動しナイを内側から吹き飛ばした。
「ぬおぉ!?」
 突然のことに驚くカルロス。だがその目の前で、触手をすり抜けて飛び散った肉片が蠢き元の姿を取り始めた。
「私は、死なない。私は、死ねない」
 不死性を活かして強引に再生し、それと同時に全身から浄化と生命力吸収の光を放つナイ。死なないとはいえ肉体が細切れになったのだ、当然失った生命力は相当なもの。だからこそ、それは乾いたシャツが水を吸うように、カルロスの生命力を一気に吸い上げた。
 そしてそれにふらつくカルロスの足元に、制御を失い動きの鈍った触手の下をすり抜け黒い液体が忍び寄る。
「アンタの力と命、この子がちゃーんと受け継いであげるっすよ?」
 その正体は藍亜が宿す粘液型UDC『昏く暗い黒い沼』。その触腕がカルロスの体に触れ、そこからただでさえも減っているカルロスの生命力をさらに吸収しはじめた。
「ぬおおおお!?」
 こちらはさながら洗濯後の脱水と言ったところだろうか。服ならば落ちるのは色くらいで済むが、これが続けばカルロスが落とすのは自分の命だ。
「まあ、遠慮なく」
 さらに光線銃での目潰しにワイヤーでの拘束、おまけに麻痺も追加して生命力吸収から逃さない構えを取る。
「では、この島が解放出来たら、作っていただきたく……」
 もちろんその間にもナイの光も容赦なく体を蝕んでいく。
 光と闇、二種の生命力吸収技がカルロスの命を完全に搾り取った。
「無念……邪剣のやつがそろそろ再販体制が整ったはずだったのだが……!」
 カルロスが倒れ、触手も命を失ったかのように枯れ落ちる。
「いやもう、何が何だか……」
「落ち着いたら、買いに、来ましょうか……」
 色々言いたいことはあれど、差し当たってこの島は解放されたのだ。全てが終結したらきっとTシャツが名産の観光地になってくれるだろう。その日を早く迎えるため、猟兵は今日も、七大海嘯を追い詰めるのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月16日


挿絵イラスト