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銀河帝国攻略戦⑤メーデーメイデイ

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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 グリモアベースはかつて無い喧騒に満ちていた。
 行き交う人々はもちろん猟兵で、それらは絶え間なく世界を渡り、そして帰ってきては、また飛んでいく。
「まるで戦争みたいだ」
 いや、事実戦争なのだ。
 そしてそれは他人事ではなく、自分自身が当事者でもある。
「いつまでも傍観者ではいられない」
 思う。
 これは、世界を救う、その為の戦いだ。
「m'aider」
 空に手を伸ばす。
 掴むものは無く、しかし実感としてあって。
「ーーさて、お待たせみんな。戦争しようか」
 そこにいる猟兵達に向かい、肆陸・ミサキ(狩られるモノ・f00415)は努めていつものように言う。
 戦いから戻った者、これから戦いに行く者、様々な顔を見回して、笑みを一つ。
「戦争だ」
 言った。
「みんな、もう知ってると思うけれど、スペースシップワールドの船達は銀河皇帝との戦争状態に突入している。これは僕達、猟兵だけではない、その世界に生きる人たち全員で向かう戦いだ。でも……」
 息を吸う。
 予知とは違う、最悪の光景をイメージして、しかしと頭を振る。
「みんなの船はまだ、バラバラだ。襲撃されたら、簡単に撃墜されちゃう。だから、僕達でそれを手助けしよう」
 今現在、猟兵達の『解放軍』と合流するための宇宙船が、絶望の海を泳いでいる。
 それを撃墜させるため、皇帝の送り込んだバトルシップが接近しているはずだ。
「まずは、僕がみんなをその敵船へ送り届ける。そうしたら、そこにいる敵戦力を壊滅させて欲しいんだ」
 そうすればスペースシップの戦力は問題なく、解放軍と合流出来る。
 逆に言えば、それが出来なければ、
「出来ないと人が死ぬ」
 船の乗組員は宇宙の塵になる。
 そんなのは、見たくない。
「僕は、助けたいよ。それに、勝ちたい」
 だから、と、一息。
 握った拳を開いてグリモアを出す。
「未来を否む過去の皇帝を、僕達でぶっ壊してやるために」
 行こう。
 その声を合図に、猟兵達は世界を飛んだ。

 銀河帝国軍、スターライダー部隊。
 出撃の時を待ち、戦闘準備万端なクローン兵達の待つそこへ、彼らは行く。
 世界の明暗が乗る天秤、それを、傾けるために。


ぴょんぴょん跳び鯉丸
『ヘロドトスの戦い』の結果、銀河皇帝によって封印されていた遺失技術『ワープドライブ』が復活しました。
 フォースナイト・ミディアのユーベルコードによって、コアマシンに『ワープドライブ』を装着した宇宙船は、スペースシップワールド内でのワープが可能となります。
 これによってスペースシップワールドの全戦力を糾合し、銀河帝国に対抗する事が可能になりました。
 これはまさに、銀河帝国に対抗する伝説の『解放軍』の再来となるのです。

 猟兵達とミディアの呼び掛けを受け、銀河帝国への抵抗の意志を早期に固めた宇宙船の人々は、解放軍に合流するべく戦いの準備を始めました。
 しかし、銀河帝国が、この状況を黙ってみているわけはありません。
 銀河帝国は、解放軍の戦力となる前にスペースシップの撃破を行うべく、各地に戦艦をワープアウトさせました。

 これらの宇宙戦艦を撃破するのが、このシナリオの目的となります。
 猟兵達はグリモアベースから直接、敵の戦艦に転移して、戦艦内の敵を【集団戦】で撃破。
 【集団戦】でスペースシップを襲う戦艦を撃破した後、脱出します。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。


 戦争だー!!!!
 失礼テンションが。
 とりあえずぶちのめしてやろうという話です、よね?
 得意です、ええ。
 敵は高機動でありながら頑丈な奴等です、叩き潰してあげましょう。
 よろしくお願いいたします。
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第1章 集団戦 『クローンライダー』

POW   :    スペーススタンピード
単純で重い【宇宙バイクによる超加速突撃】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    インペリアルライド
自身が装備する【帝国製宇宙バイク】を変形させ騎乗する事で、自身の移動速度と戦闘力を増強する。
WIZ   :    サイキックバリアモード
対象の攻撃を軽減する【サイキックバリアモード】に変身しつつ、【宇宙バイク搭載の機銃】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ミスタリア・ミスタニア
ハッ!敵艦内部でスターライダーとやり合うことになるとはな!
まぁいいさ。クローンライダー共に宙間戦闘の主役はスターライダーじゃなくてオレら鎧装騎兵だと教えてやる!

流石に機動力ではライダーに分があるか。だが運動性は鎧装騎兵のが上なんだよ!
わざと壁際に位置取って突撃を誘って『見切り、第六感』で引きつけてから避けるぜ。壁にぶつかって止まったところに『捨て身の一撃、カウンター』のパイルバンカーを叩き込んで『2回攻撃、零距離射撃』の大型熱線砲(ブラスター・ランチャー)をぶっ放してやる!
他にもすれ違い様の『捨て身の一撃、カウンター』でパイルバンカーぶっ刺してからの以下同上だ!
伊達に翠の疾風と呼ばれてないぜ!



 飛び込む。
 敵の船、勢揃いする戦力のその真っ只中だ。
 グリモアによる転移でそこに行くミスタリア・ミスタニア(宇宙を駆ける翠の疾風・f06878)は、息を吐く。
「ハッ、まさかよ」
 着地し、見る先にある敵の動きを見ながら、自身の身体に備えた武装を持ち直す。
「まさか敵艦内部で、スターライダーとやりあうことになるとはな!」
 動きが速く、それを捉えるのは不利だ。
 その理解の判断は速く、それを埋めるための行動もまた速い。
 一歩、地を蹴って体を後ろへ飛ばす。
「教えてやるよ。宇宙戦闘の主役はスターライダーなんかじゃない、オレら鎧装騎兵なんだってな!」
 わざわざ敵の得意な戦い方に付き合う義理はない。
 壁を背に立ち、視界にある敵の動きを見る。
 鈍重とは行かないが、速度で勝るライダーはそれを活かす筈だ。
 戦闘勘でミスタリアは考え、そうして実際に敵が来る。
「ーー!」
 ライダーが行うのは、単純過ぎる突撃だった。
 超加速でバイクを走らせ、上げた前輪タイヤをぶちこむつもりだろう。
 だから、彼女は行動した。
 体を、上半身から斜め下へ運び、流れる様に移動させて手を着き一回転。
 壁に叩きつけられたバイクの一撃が破片を飛ばす中を、ランチャーに備えたパイルバンカーを起動させつつ行く。
「ぶちかます……!」
 先端をバイクに突き刺し、並み居るライダー達へそれを向け、
「いっちまえよやぁぁぁ!」
 砲撃と共に撃ち出す熱線で敵を発射。
 無理矢理巻き込む一撃で、敵の群れに風穴を開けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベリル・モルガナイト
戦争。ね。たくさんの人が傷つくのは。とても
そう。とても。良くない。こと。だわ

私は。盾。皆を守る。盾
貴方たちに。砕く。ことは。できは。しない

トリニティ・エンハンスで。防御力を強化
敵の突撃を。【武器受け】で。受け止める。わ

受け止めたら炎の精霊属性を。宿した。ルーンソードで。【属性攻撃】ね
なるべく。たくさんの敵を。引きつけられるように。前へ。前へ
出ていく。わね

【アドリブ、他の方との絡みは歓迎】


竹城・落葉
 成程、相手は宇宙バイクを駆使して戦うのか。いいだろう、その足となる宇宙バイクごと、両断してやろうではないか!
 我は名物竹城を手に『支柱一閃』で奴を切り伏せていくぞ。奴らが突撃してくるなら、【残像】で避けた後に【早業】で素早くバイクごと切り伏せて返り討ちにしてやる。機銃で撃ち落とそうというのなら、【残像】を出して避けつつ、素早く接敵した後に【早業】と【2回攻撃】で素早くバリアを破壊して撃破するぞ。冷酷な雰囲気を醸し出し無表情になり、的確に戦うぞ。
 兵器は戦争で勝利を納めてきたが、この戦争では例外のようだな!乗り物に乗った自分達が歩兵に蹂躙される屈辱を噛みしめながら、骸の海へと変えるがいい!


ギルバート・グレイウルフ
はっはっは、やってきたぜ戦争!
俺みたいな傭兵には最高のイベント、がっぽり稼がせてもらうぜ。
銀河帝国万歳!お礼に鉛弾をプレゼントだ。

さてと、せっかくの戦争も数が揃ってなきゃ、一方的になぶり殺しされるだけ。味方の宇宙戦艦を落とさせるわけにはいかねぇ。

つーわけで、やっこさんの戦艦にカチコミだ!!
収支プラスがお約束されてるお祭りだ。弾代なんか気にせずに大盤振る舞い、鉛弾のシャワーをくらわせてやろう。
頑張って避けてきてくれたいい仔ちゃんなんていたら、【忍び寄る死の気配】で気付いちまうだろうな。
ひょいと避けて返す刀でばっさり……いやー、儲かるってわかってると、刀の鞘走りも機嫌良い気がするぜ!

アドリブ歓迎!


鷹畑・海夜
戦いだって言うなら、「オレ」の出番か。

宇宙バイク乗り回すオブリビオン、っていうのも厄介だな。
速すぎるっていうなら、すっ転ばせちゃえばいいだろ。

【レプリカクラフト】の仕掛け罠で、
敵が通りそうな位置にワイヤーを貼っておくぜ。
通り過ぎる時に、敵のオブリビオンがバイクから落っこちたら、
フック付きワイヤーで殴りつけて気絶させるぜ。

味方が来る前に【レプリカクラフト】は片付けておくぜ。


ミーナ・ヴァンスタイン
アドリブやアレンジは歓迎よ。

【礼儀作法】【存在感】で優雅に歩を進めるわ。
「お相手してくださるかしら?」
二丁拳銃から【破魔】の弾丸を放ち、敵群を【なぎ払い】ます。
「さぁ、一緒に遊びましょう?」

相手の攻撃は【視力】【聞き耳】で【見切り】【残像】で華麗に避けるわ。
躱したすきに【ダッシュ】で近づき【怪力】【グラップル】の蹴りで【カウンター】【鎧砕き】で同じ箇所を狙い【二回攻撃】
「一回でダメなら、壊れるまで叩くだけよ」

味方が危ない時は【援護射撃】で麻痺毒付きダガーを【投擲】【毒使い】【マヒ攻撃】で動きを鈍らせるわ。
「痺れるわよ」

一度見たコードは【断罪撃】を放ち相殺し隙を作るわ。
「その手はもう効かないわ」


トレイシー・ノックス
【WIZ】
襲われてる艦の救護……ね。
まぁ、放っておいて撃墜されたら後が面倒なことになりそうだし、救援するしかないわよね。

ひとまず【乱聴風矢】で敵を撹乱するとしましょうか。
敵は乗り物に乗っているのだし、平衡感覚を乱されれば動きが大きく阻害されるでしょう。
その上で、可能なら【罠使い】として【地形の利用】をするわ。
事故が起きやすそうな地形を罠として見たて、敵が通るタイミングを見て平衡感覚を乱して事故を誘う。
バリアを張ってようと、バイクが事故れば機銃での攻撃なんてできないでしょうしね。
敵の数も多いし、後続も巻き込まれるようなタイミングで事故らせることができれば面倒が省けて最高ね。


天御鏡・百々
まさか銀河の彼方へと来ることになろうとは
このような世界もあるとは面白い
ヤドリガミになったかいがあるというものだ

解放軍の仲間となる者達を見捨てては置けんな
我も戦場へと参上しよう

巫覡載霊の舞を使用し光を纏い
真朱神楽(武器)によって、
雑兵共なぞなぎ払ってくれよう(なぎ払い7)
得意の破魔は効かぬとしても、
鎧の隙間を狙うのは有効そうだな(鎧無視攻撃)

敵の攻撃は神通力(武器)による障壁(オーラ防御15)で無効化だ
障壁の応用で、敵のバイクを転ばせることもできるであろうか?

●神鏡のヤドリガミ
●アドリブ、絡み歓迎


フェム・ポー
過去から迷い出てきたオブリビオンちゃん達がいっぱいねぇ?
こんな現世に迷い出てきて戦うばかりなんてぇ、とってもとってもかわいそうよねぇ? だからぁ、フェムが『救って』あげるわねぇ?

UCの鎖を使うわぁ。バリアで守りながら攻撃してくるみたいだけれどぉ、バリアの上からでしばってぇ、そのエネルギーを全部吸い取ってしまったらいいわよねぇ?(技能:生命吸収)……その痛みと苦しみと悲しみばかりの偽りの命、フェムが全部貰ってあげるからぁ、もうゆっくり休んでいいのよぉ?
相手の攻撃はぁ、気にせず受けてしまおうかしらぁ。……うふふっ。貴方はどんなふうにフェムに痛みをくれるのかしらぁ? とっても、とっても楽しみだわぁ。


種子島・友国
【心情】
帝国の船って大きいねぇ
こんなに大きいの相手にするの?ホントに?
そりゃあ痛快な話だね

【行動】
選択したUCを使用して戦闘に加わるとしよう
自身の攻撃時には【2回攻撃】を併用してより手数を増やす

また、自身は前には出ずにUCで増えた火縄銃を使い、接近戦を行うメンバーを【援護射撃】するのも忘れずに行う
交戦中に得た敵の行動傾向や脆弱な部分を【情報収集】し【戦闘知識】で分析
活かせそうなアドバイスがあれば仲間と共有して連携しよう

速い速いと言っても動かしてるのは人間でしょ?
なら狙うところは出てくるさ
方向転換したり、狙い定めて突っ込む時とかね

こっちが狙われたら?どうしようかなぁ……どうしようねぇ……


橘・焔
○心情
蓋を開けてみれば宇宙戦争とはねぇ
嘘みたいな私達の非日常な日常
…ま、嫌いじゃないけど

【POW】
単純な機動力や破壊力は悔しいかな地の利もある相手が上
そこを認めた上で、“一点集中”で攻める

「…ッ、なんて軌道!?この…!」
見慣れない兵器の動きに戸惑い回避運動しつつも相手の動きを観察
相手は機体の重量と瞬時の加速力に優れる
…けど前進に特化してる分、
後退には難アリ?

てことで反旗開始
「ほらほらコッチだよー」
挑発行動で相手の突進を誘発しつつ構え、着弾寸前に相手の機体を蹴って上空へ
「後退はさせない、直上なら必中!『時よ止まれ、汝はいかにも美しい』!!」
抉れた着弾点を中心に、無数の“光の十字架”が降り注ぐ


トルメンタ・アンゲルス
へぇ、帝国軍のライダー部隊ですか。面白いですねぇ。
ですが、それに跨った所で追いつけますかねぇ?

行くぞ、NoChaser!
変身!
『MaximumEngine――Mode:HotHatch』(ベルトの音声)

マシンベルトを起動し、アクセルユニゾン使用。
相棒の宇宙バイクを防御力重視の装甲として、変身合体。
背部のブーストとスマッシュ・エアを駆使し、圧倒的な速さと物理法則を無視した軌道で敵陣に突っ込み、撹乱します。
その勢いのまま、追撃のブリッツランツェで、バイクごと敵を蹴り穿ちます。

敵陣中央に突っ込み、全方位からまとめてかかってきたら、回転しながらのグリッタービームで纏めて消し飛ばします。


アルトリウス・セレスタイト
では遠慮せず破壊に励むか

破天で掃討
高速詠唱・全力魔法・2回攻撃・範囲攻撃・鎧無視攻撃など駆使し、爆ぜる魔弾の嵐で蹂躙
どうせ敵艦なのでついでに船も壊して構わないと、細かく狙わず敵性個体のいる辺りを周囲諸共爆撃

バリアモードに入るなら魔眼・掃滅で見える個体を全て異界へ放逐

他に味方がいないと判明している状態なら、掃討後に船のコアを破天で破壊の後、回廊で帰還



 刀を抜き、拳銃を持って、ギルバート・グレイウルフ(臆病者の傭兵・f04152)は行く。
「はっ、はっはー!」
 テンション高め、笑いが止まらないといった風だ。
「銀河帝国万歳!」
 敵を讃える台詞を吐いて、拳銃を乱射する。
 傭兵である彼にとって戦争は、稼ぎのために必要な、言わばイベントだった。
 だから喜び、帝国には礼の意識を抱いて、故に潰す。
「はっ」
 行く。
 突撃するギルバートへの、帝国側の対応は、囲みだ。
 迂回する部隊を左右に、正面迎撃を一部隊配置。
 二輪風の宇宙バイクを、浮力を得て浮かぶ様に変形させて乗るその機動力は高い。
「はっは!」
 あっという間に円形の陣に囚われた彼はしかし笑う。
 戦功がたくさん、稼ぎもがっぽりだと、不利なはずの状況を喜んでいた。
 立ち止まり、手当たり次第に弾丸をばら蒔いていくそこへ、
「ビリビリくるねぇ……!」
 背後から迫る気配がある。
 それに対して、振り返る動きの横っ飛びを行う。
 刀を振り抜き、すれ違う瞬間を狙って、胸の辺りへ叩き込む様にぶちこんだ。
「おっ、と、こいつぁ流石にヤバイか……?」
 動ける相手だと判断したクローン兵は戦法を変える。
 マシンに装備された機銃を一斉射撃する作戦だ。
 回避するにも、隙間がないんじゃ話にならない。
「蜂の巣、か」
 10秒と言わずに、直ぐ先の自分の未来が見える。
 ヤバイか。
 二度目の呟きはしかし、笑顔で。
 起こる機銃の掃射を受けた。
「ーー」
 長い、長い弾丸の雨だった。
 火薬の臭いが立ち上ぼり、攻撃による煙がギルバートを包み込む。
 そうして、その煙幕が晴れる所に、
「傷つくのは。良くない。こと」
 女がいた。
 ベリル・モルガナイト(宝石の守護騎士・f09325)だ。
 複合した属性魔力によって強化した防護術の展開で、放たれる弾丸を阻止し、ギルバートを守っていた。
「とても。そう。とても」
 良くない事だ。
 繰り返し言って、ルーンソードを片手に構えて前へ。
「だから。守る。私は。盾だから」
 踏み出すそこに、敵の突撃が来た。
 轢き殺す、そういうつもりの突撃だ。
 それを、
「こっちを忘れんなよ」
 ギルバートが刀で突き穿つ。
 機銃にはベリルが盾になり、反撃の弾丸をギルバートが射つ。
 そこを狙って突撃してくる敵には、次はベリルが、炎を宿したルーンソードで焼き斬って倒した。
「貴方たちに。砕く。ことは。できは。しない」
 二対多勢の大立回りが続く。


「ーー」
 両断する。
 名物竹城と銘を打った武器を用いて、竹城・落葉(一般的な剣客……の筈だった・f00809)が敵を撃破していた。
「自慢のバイクが足か。いいだろう」
 爆散する仕留めた敵を背後に、忙しなく機動力を見せつけるライダー達を無感動な瞳で見据える。
 体を前へ、倒れる様にして足を踏み込み、
「ならば、纏めて両断してやろうではないか!」
 突撃した。
 真正面、アクセルをベタ踏みで来る敵への相対だ。
 互いに接近するため邂逅は速く、そして一瞬で。
「ーー」
 体を回転させて左へ、落葉はすれ違う。
 その最中に名物竹城を振り抜き、バイクと敵をもろとも両断した。
 踏み込む。
 強く、一歩を地面に入れて、蹴った。
 速度は殺さないままに次の敵へ向かう為だ。
 あちこちから来る機銃の弾は、残像を見せる程の速度で狙いを撹乱して回避。
「これまでは兵器で勝利してきたのだろう」
 肉薄し、バリアから飛び出た機銃の頭に足を乗せて、狙う動きを邪魔しつつ足場にする。
「だが、この戦争では例外のようだな。騎乗しながら歩兵に蹂躙される、その屈辱を噛み締めて、骸の海に還るがいい」
 バリアを砕き、引き剥がして、突き刺す様に撃破した。


 ライダー達の隊列は乱れている。
 襲撃、戦闘、優劣の変移により、整然とした動きは取れなくなっていたからだ。
 それでも、戦う為の意気だけは衰えない。
「そう」
 変わらない戦闘意欲を見て、鷹畑・海夜(蒐集科学者・f06819)は頷いた。
 クスッとした笑いを一つ入れて、一度目を閉じ、開けると同時にニヤリと笑う。
「オレの出番か」
 意識が切り替わるのを感じる。
 科学者として形成された現在ではなく、もっと本来の、蒐集家としての自分に。
「速いな」
 そうして戦闘寄りの思考になって思うのは、敵の厄介さをどう攻略するのかだった。
 バイクを乗り回し、掴みにくい動きへの対応策は……。
「スッ転ばせちゃうか」
 罠を用いる事に決めた。
 レプリカクラフトと言う、広く知られたユーベルコード、それを使っての仕掛け罠だ。
 使える範囲は限られているが、その設定は自由に出来る。
 だから、
「横、16mに。幅と高さを1mで」
 長く距離を取り、その分にワイヤーを渡らせて仕込む。
「それ、いいわね。使わせてもらうわ」
 その作業を、トレイシー・ノックス(インドア狩人・f06024)が見ていた。
 握り部以外を太く、強靭なしなやかさを持たせた大型の狩猟弓を持って、彼女は矢を一本取り出す。
「狙うわ」
 立ち位置を、罠の長手と平行になるように移動して、弦に矢筈を当てて大きく引き絞った。
「……」
 息を止め、引く震えが安定するのを待つ。
 移動中だったライダー達はそれを見て、バリアを張りながら機銃の照準を合わせて走る。
 狙いを付け難くするためジグザグの走法を入れながら、トレイシーを撃ち倒すつもりだ。
「無駄ね」
 震えが、収まった。
 息を吐くと同時に射る矢は、ライダー達の間を通り抜けていく。
「音を、空気を震わせる波を遮断することは、あんた達には出来ない」
 風切り音がノイズとなって響き、平衡感覚を喪失に似た症状で狂わせる。
 すると起きるのは、仕掛け罠と相まった事故だ。
 タイヤに巻き込んだワイヤーは、操縦者がコントロール不能な挙動をバイクに与え、振り落としていく。
 そこを狙い、海夜はワイヤーの先端に着けたフックを振り回して、ライダーの頭に当てて昏倒させる。
「うーんばっちり」
 役目を終えた仕掛け罠を撤去しつつ、手応えに海夜は拳を握った。


 ミーナ・ヴァンスタイン(罪人殺しの聖女・f00319)は戦地の只中に在った。
 爆風などの旋風に黒髪をなびかせ、二つの精霊銃を握る。
「ごきげんよう」
 半足を下げ、直列させて膝を軽く折り、頭を垂れて言う。
 柔らかな笑顔で銃口を左右に広げ、そうして。
「お相手、してくださる?」
 撃った。
 光を物質化して撃ち出した様な弾丸で、両側を走っていたバイクを撃ち抜き、そのまま前へと照準を移動させる。
 連射による薙ぎ払いだ。
 半円状に弾幕を形成して、辺りの敵を撃墜させていく。
「さあ遊びましょう、一緒に」
 子供に言い聞かせる様な言葉だった。
 同時に、歩を進める。
 一歩一歩を静かに進み、射程内に見える敵へ弾丸をぶちこんでいった。
 正面、側面はそのままに、時折踊るように回って背後への迎撃も忘れず、殲滅を進めていく。
 それでも、討ち漏らしはある。
 対多数の戦闘だ、二丁拳銃でそれら全てに対応するのは難しい。
 だから、彼女はそれに対しての行動をした。
「っ、と」
 突撃してくるバイクは並列した並び。
 接触するその瞬間に地を蹴って跳び、真正面から来るライダーの顔面を踏み砕く。
「こちらも」
 さらにそこを足場に、隣のバイクへ跳び蹴りをかまして吹き飛ばした。
「逃しませんからね」
 すれ違って遠くなるバイクへ、ミーナは光を撃ち込んで撃破し、戦いを継続していった。


「まさか、銀河の彼方へ来ることになろうとは……」
 ほぅ、と、溜まった息を吐き出して、天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)は呟いた。
 諸国漫遊の旅、その最中に見上げた星々の中に今、自分は居る。
 そう思うと、感慨も深い。
「このような世界もあるとは、面白い。ヤドリガミになった甲斐がある」
 神社で祀られているだけでは、絶対に見られなかった光景なのだ。
 気分も高揚を覚え、しかし。
「では、我も参上するとしよう。解放軍の仲間となる者達を、捨て置く訳にはいくまい」
 今は戦いを優先する。
 猟兵達が戦いを続ける中へ、自身も突入していった。
 バイクが集まる、その中へ、だ。
 体に光を纏い、両手に握る薙刀を扱う。
「薙ぎ払ってくれよう」
 一回転。石突きの方を握り、間合いを限界まで広く取っての一閃を放つ。
 朱色の軌跡が円を残し、残滓を払ってさらに前へ。
 ギアをバックに入れ、後退しながら機銃を掃射してくる敵へ肉薄していく。
「効かぬ」
 弾丸は、円状にした障壁で防ぎ、盾にしたままのそれを放つ。
 バイクにぶつけてバランスを崩させて、そこに薙刀の刃をタイヤに突き入れて転倒させた。
「一つ」
 転んで倒れたソイツへ、刃を突き立てる。
 首、関節を動かすために緩くしてある鎧の隙間へと、だ。
 払うように抜いて、百々はさらに行く。
 舞うが如く、敵陣を駆け抜けた。


 種子島・友国(ヤドリガミのアーチャー・f08418)は複雑な心境だった。
 帝国の船は大きいなぁ、だとか。
 こんなでかいやつと戦うの? 本気で言ってる?
 だとか。
 そんな事を思っていたのは昔。
 今は、敵の扱う機銃だとか、仲間がバンバン撃ってる拳銃だとか、そういうのを見てーー。
「や、いや」
 違う違う。
 首を振って思い直す。
 今は、仲間の援護が先だ。
「連射性の分は威力で補うからね」
 言って、ヤドリガミとしての本体である火縄銃を複製する。
 宙に浮くのは単発式。使いきりのそれらを、彼は念力で飛ばす。
 自分は決して前へ出ず、仲間が討ち漏らした、またはこれから討つ相手への止めと牽制に従事した。
「速いといっても動かしてるのは人間ーーいやクローンだっけ? まあ思考のソレは人間と同じでしょ」
 射撃する。
 方向転換の減速する瞬間や、直線に走るその背中。
 攻撃の瞬間も狙い目だ。
 だからそうして、数を減らした。
 と、
「あ、こっち来た」
 離れているとはいえ、狙われるのは少し不味い。
「どうしようかなぁ」
 ……いやどうしよう。
 思う。
 考えて。
 いや不味いなぁ、となる。
 その間にも敵は近づいてきて、そして。
「あらぁ、あなたも迷子なのぉ?」
 鎖がそれを縛った。
 クス、クス、と笑う、フェム・ポー(聖者の残骸・f12138)の力だ。
 友国の横を通りすぎ、捕らえた敵の顔に手を当て、眉尻を下げた蕩ける視線を向ける。
「救ってあげるわねぇ?」
 クローン兵から生命が抜き取られ、力を無くした体は横倒しに眠る。
「痛みと、苦痛と、悲嘆に溢れた世界ーーそして偽りの命、全部。フェムがぜーんぶ、もらってあげるわぁ」
 広がる。
 宙に揺蕩うフェアリーの彼女から、魔力の波が広がっていく。
「ーー!」
 敵はそれを警戒する。
 バリアを張り、攻撃に備えた動きを見せた。
「ふふ」
 しかしそれにはお構い無し。
 魔力は周囲の敵に絡み付き、体の胴体を基点とした魔方陣が形成される。
 上へ、下へ。
 闇の光を灯した大量の鎖が、バリアごと包み込む。
 それは、寵愛の鎖。フェムの視点から見た慈しみの力。
「ウフフ、おやすみなさい」
 生命力を吸い上げて、安らかな眠りにおとしていく、そういうものだった。


「ッチぃ、この……!」
 床を転がり、受け身で起き上がりながら、橘・焔(転生のオデュッセイア・f01608)舌打ちを一つ。
「蓋を開けたら宇宙戦争とか、非日常すぎる日常風景だね、ああ」
 ひゅんひゅんと音を鳴らして飛び回る、見慣れない騎乗するマシン。
 その突撃を、彼女は回避する。
「変な挙動を……!」
 初見の兵器だ。
 冷静に頭で考え、悪態を吐きながら動き回って、攻撃から逃げながら観察する。
 対抗するには、どうするか。
 要はそこを押さえればいいはずだ。
「……やってみるか」
 そして、答えは出た。
 立ち止まり、向かってくる機体へと正面から向き直り、
「ッ!」
 衝突から上空へ撥ね飛ばされた。
「……はっ」
 いや、違う、そうではない。
 撥ね飛ばされたのではなく、跳んだのだ。
 バイクの頭に足を掛け、吹き飛ばされる方向に直上を選んだ、それだけのこと。
 そしてそこから、焔の反撃が始まる。
「後退なんてさせない! シュヴィエソス・クリージュ・カァルナス!」
 展開した光の十字架で天上を埋め尽くし、瞬間に降り注がせる。
「これで終わりだ!」
 船内を、光の濁流が満たした。


「面白いですねぇ」
 愛機のバイクで乗り付けて、トルメンタ・アンゲルス(流星ライダー・f02253)は戦場に立つ。
「帝国軍のライダー達、なるほど速い」
 動きに、理解の頷きをする。
 だが、しかし、とも。
「それで俺に追いつければ、ですが」
 言って、専用のベルトを撫でる。
「行くぞ、NoChaser!」
『Maximum Engine』
 言葉には承諾の音声が応えてくれる。
 そうして起こるのは、乗って来た愛機の変形だ。
 各パーツにバラけて散り、それがトルメンタの体の各所に向かう。
「変身!」
『Mode:HotHatch』
 そうして装着を完了した彼女は、姿を消した。
 いや、目視で追うのが難しいレベルの加速を得たと言う方が正しい。
「決して逃がさん!」
 蹴り飛ばす。
 正面の敵をバイクごと吹き飛ばし、背面ブーストで横移動。
 さらに空中を蹴って方向を変え、敵陣を駆け抜けていく。
「地でも空でも、俺に走れぬ場所はない!」
 蹴って、蹴り穿ち、また蹴って、蹴り砕く。
 一機撃墜が終わる間に三機潰す、そういうレベルの速度で行き、そして。
「これで終わりだ」
 胸部装甲を一部パージ。エネルギーの集中からのビーム状に収束したそれをもって、周りの敵を爆破した。


 光だ。
 鮮烈な、破壊の光。
「では、俺も遠慮せずに励むとしよう」
 眩いそれに、アルトリウス・セレスタイト(原理の刻印・f01410)は動く。
「行け」
 短縮した命令式に則り、起きるのは魔弾の生成。
 100を越える青い弾丸の展開だ。
 敵陣に向け、狙いも決めずに乱射する。
「どのみち破壊する船だ。壊れてしまっても構わないだろう?」
 敵を撃ち、床を破砕し、壁に穴を開ける。
 暴力的な破壊の雨だ。
 それを、追加で再度作り上げ、ぶちこむ。
 視界を埋め尽くすほどの敵の群れは今や、猟兵達の動きで殲滅が近い。
 乗組員の居なくなった船など捨て置いて構わないのだろうが、しかし、
「念のためだ」
 魔弾の全てを束ねる。
「避難は十分だな?」
 グリモアの転移で味方船へと次々戻る仲間を確認し、アルトリウスは頷きを一つ。
 船底、マシンのコアがあると思われる所へと狙いを定め、
「これで、完全破壊だ」
 魔弾の集中斉射をぶちこみ、船を後にした。
 そうして、数瞬の後。
 宇宙に爆発の光が散った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月04日


挿絵イラスト