羅針盤戦争〜アドミラル・ネルソン
●トラファルガー
「なるほど」
ネルソン提督は舵輪島に座しながら呟く。
事は最早戦術において打破できる状況ではなくなった。
ならば、最早最大戦力による最大火力によって戦術を覆す他はない。
ネルソン提督は天使の軍団を集めれば、その身を融合させていく。
これこそが、アドミラル・ネルソンの最強形態。
決戦形態、トラファルガー・モードである。
「第六の猟兵たち。私は――――強いぞ」
●決戦形態
「イエス、イェーガー、決戦です」
アリシエル・フィフスガーディ(五天の守護機・f09139)は電脳マップを展開する。
そして電子ウィンドウに表示されたのはアドミラル・ネルソン。
しかし、その身は数多の天使と融合した異形のものと化していた。
「敵性オブリビオンは、自らの身と天使軍団を融合させた決戦形態にへと移行しました」
決戦形態……トラファルガー・モードと化したアドミラル・ネルソン、ネルソン提督は最強のオブリビオンと化した。
この形態となったネルソン提督は『死に至るまで決して痛みを感じない』のだ。
つまり、あらゆる手傷における消耗戦は無意味である。
さらには、あらゆる状態異常を無影響化する力を持つ。
「状態異常は"悪影響"を受けないようです。またいつもの通り、アドミラル・ネルソンは我々よりも早く行動を行えます」
つまり、いつも通りに敵性オブリビオン・ネルソン提督の先制攻撃を凌いだ上で、トラファルガー・モードを突破し、ネルソン提督を殺し切る必要がある。
グリモアが展開され、舵輪島へのゲートが構築されていく。
その紫紺のマシンアイに揺らぎはない。
「――――幾度と強敵を打破してきたイェーガーたちならば、この困難とて打破可能と当機は演算を完了しています」
そしてゲートは開かれ、ネルソン提督が待ち受ける舵輪島への扉は開け放たれる。
トラファルガーの海戦を制したと言うアドミラルとの戦い。
「ご武運をお祈りします」
その火蓋は切って落とされる。
虎河豚天
虎河豚の天ぷら、略して虎河豚天でございます。食べないで。
戦争第三段、決戦ですよ決戦。
ネルソン提督です。
決戦形態と化したネルソン提督は死ぬまで痛みを感じません。
また、状態異常の悪影響を無効化します。
ついでに先制攻撃もしてきます。
これらを機転で打破して、彼の提督を打ち破りましょう。
第1章 ボス戦
『七大海嘯『舵輪』ネルソン提督』
|
POW : 天使の銃
自身の【肉体に吸収融合した天使の軍勢】を【敵に応じた『天使武装』】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
SPD : 聖守護天使
【手から現れる天使達】で攻撃する。[手から現れる天使達]に施された【瞳を覆う聖なる帯】の封印を解除する毎に威力が増加するが、解除度に応じた寿命を削る。
WIZ : 天使槍兵団
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【舵輪の脚から現れた天使達が放つ光の槍】で包囲攻撃する。
イラスト:シャル
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
支倉・錫華
最終形態への変形はボスキャラのお約束だけど、やっかいではあるよね。
アミシア【フレキシブル・スラスター】の【リミッター解除】
【ダッシュ】【見切り】【残像】も同時使用して、最大機動、質量残像モード。
光の槍は残像を利用して躱したいな。
躱しきれない分は【歌仙】を【エネルギーソード】にして斬り落としていこう。
「アミシア、今回は全力で行く。お説教はあとでね」
こちらからの一撃は【B.C.L】での砲撃でいかせてもらうよ。
機密中の機密兵器ではあるけど
「今回は出し惜しみなし、って決めたからね」
ま、わたしも相手に向けて撃つのははじめでだから、どうなることやら。
アミシア、サポートよろしく。エネルギーリバース注意ね。
●明日への航路
「厄介ではある……厄介ではあるわね」
だが、たとえ厄介であっても猟兵たちには負けられない理由がある。
支倉・錫華(Gambenero・f29951)は、自らの愛機を駆り立てる。
「アミシア、リミッター解除」
「警告。機体への大幅な負荷が想定されます」
「出し惜しみなしって決めたし、できる相手でもない……今回は全力でいく」
「了解、機体のリミッターを解除します。諸々の事は後ほど」
お説教ぁ、と先を思えば憂鬱にもなる。
しかし、それもここを乗り越えてからの話である。
フレキシブル・スラスターに膨大なエネルギーが流入し、その躯体が加速する。
放たれる光槍の嵐、それをサイドブースターとAMBAC、そしてフレキシブル・スラスター。
三種の機動制御装置を用いて、虚空に切らせていく。
「ソード」
「アクティヴ」
端的な錫華の言葉にアミシアが即座に答え、片刃の実体剣『歌仙』が武装され、エネルギーが流入。
その刃にエネルギーによる刀身が形成されると同時、光の槍をそれで切り払う。
「エンゲージ」
アミシアの端的な状況報告がコクピット内に響く。
エネルギーソードが、ネルソン提督の身体を切り裂いた。
だが、決戦形態、トラファルガー・モードとなったその身に痛みなどはない。
『その程度ではな』
「だろうね」
ついで放たれた光の槍を上に打ち上げると同時に、腰部のバインダーが展開されていく。
突きつけられたソレ。
ベクトル・コントロール・ランチャー。
分子結合のベクトルを操作する事により、分子間結合を崩壊させ、物質崩壊を起こす事により塵を返す光子砲。
「はじめてだからどうなるかは知らないけど。……アミシア、サポート」
「エネルギー、投射を開始」
防御も無意味な閃光がアドミラルの懐で放たれた。
膨大な量の光子が、その身体をえぐり、そして崩壊させ、塵にへと返す。
投射した直後に即座の離脱。
閃光が収まった頃、そこには身体に風穴を開けた提督がいた。
綺麗に、ぽっかり、と空いたその風穴をなでてから、ネルソン提督は光の槍を構え直す。
痛みもなく、故にその傷跡には興味もなく。
「……まだまだ先は長そう。本当に厄介だ」
大成功
🔵🔵🔵
カグヤ・アルトニウス
ネルソンにタッチ
アドリブ歓迎
古の提督を名乗る…相応しい結末を与えましょう
まずは、接近してからが勝負です
(対先制攻撃)
射撃攻撃故に乱戦にする事自体が対処になるので、【オーラ防御】で守りを固めて被弾に備え、【カウンター】+【切り込み】で天使達を飛び石の様にテレポートで縫う様に突撃します
(対トラファルガーモード)
痛覚が無い=肉体の危機に鈍感という事は【暗殺】+【部位破壊】で戦闘力を削れるので追撃として組み込む事にします
(行動)
天使達の攻撃を掻い潜ったら
背後に回り込む様に対艦剣でのUCを発動、初撃は【切断】+【態勢を崩す】+【衝撃波】で唐竹割にし、【二回攻撃】の二発目で十字に追撃を入れ、即離脱します
●閃光のように
「古の提督……その名の通り、相応しい結末を与えましょう」
カグヤ・アルトニウス(辺境の万事屋兼宇宙海賊・f04065)は自身の身の丈数倍もある巨剣を担いだ。
全身の闘気を防御としながら、同時に膂力にへと賦活させる。
あまりにも巨大で、無骨で、重すぎるそれは元来は艦載兵器。
それをただの人の身で扱うには、慮外の理が必要となる。
相手の主力は射撃戦、そして侍る天使たち。
「まずは接近……ッ!!」
カグヤは一気に踏み込む、射撃攻撃の欠点、それは乱戦である。
いわゆるフレンドリーファイアは敵も避けたいし、構わないのならば、それもまた手。
構わずに撃つと言う事はそれは敵戦力を減少させる事でもあるのだから。
天使兵を盾にし、そして、それを踏み越えながら疾駆する。
「痛覚がない、と言う事は即ち――――!!」
それは即ちのところ、肉体から発される危険信号がないと言う事。
痛みとは、肉体がそれ以上傷つけば危険であると言う証明なのだ。
それ故に生命体とは、痛みを回避する為に行動を行う。
つまる所、強力な戦闘能力と引き換えに、痛覚を失ったネルソン提督はひどく、自分の身体、生命の危機に鈍感である。
天使たちの攻撃さえ乗り越え、剣の切っ先を突きつける。
その身がふ、と霞んで消えた。
『……? ……後ろかッ!!』
「遅いッ!!」
突然の消失。
ネルソンがその気配に気づいた時にはすでに一手、遅かった。
振りかぶられた巨剣、それが雷霆の如くネルソン提督の身体に打ち下ろされる。
肉体をえぐる音をあげ、骨を砕き、肉を潰す。
唐竹割りの一撃が、かすかに反応した肉体に傷を走らせ、その重々しい一撃でたたらを踏ませる。
切り返しの一撃が、ネルソンの腕を切り落とす。
否、その鉄塊の質量が"切り潰した"。
『だが……ッ!!』
ネルソンが天使の銃を放つために構える。
だが、その時点でカグヤはすでに離脱していた。
痛みに鈍感である、と言う事は即ち自身の身体部位を破損してもその危険性を訴えない。
しかし、同時にそのような攻撃を受けても思考リソースを割かずに反撃できると言う事でもある。
故に、一撃を打ち込めば即座に離脱するヒット・アンド・アウェイは理にかなった戦法である。
巨剣を担いだまま、天使兵を壁に離脱したカグヤは吐息を漏らす。
「あとはどんどん削り落としていきましょう」
大成功
🔵🔵🔵
ディグ・ドリラー
て、天使だあ?
堕天使なら聞いたこたあるがあんな変身しねえしなあ…
まあともかく近づかねえと始まらねえ!
…待て、あいつどこから攻撃してくるんだ!?(長射程攻撃受けつつ)
とにかく物陰に隠れたりそこら辺のをドリルで貫いて盾にしたりして進んでいくぜ!
クソ痛えじゃねえか!
男ならもっと面と向かってやり合わんかい!
いい加減にしやがれ!(気合ドリル)
何度も同じ事されりゃ流石に俺でも気づく!
そのデカブツだってこの俺のドリルで解体してやるぜ!
お前は痛くない喧嘩なんぞして楽しいのか?
勝つためにやる喧嘩…悪かないがそれだけじゃ味気ねえだろ
昨日より今日はもっと掘り進んだって胸張って言えるくらいの喧嘩をしようぜ、大将!
●ドリルは天を衝く
「天使だぁ? ……堕天使なら聞いたこたあるが……」
ディグ・ドリラー(ドリル仁義・f31701)はドリルである。
否、ドリルの悪魔である。
発する言葉はドリル語である。(※何故か分かる。)
「だが堕天使はあんな変身しねえしなぁ……」
彼の知識の中の堕天使はあんな変身をしない。
もしかしたらするのもいるのかもしれない。
だが、ドリルにはわからない。
突き進む事こそがドリルだからである。
とりあえず倒すには近づかねば話にならない。
何故ならばドリルは掘り進むものだからだ。
「いくぜぇッ!! ってドリリドリドドリリリッ!!」(※いてぇ、ちょっと待ての意)
ドリルは突き進むものである。
気合で掘り進むものである。
それ故に遠距離武器はない。ドリルミサイルは邪道である。(※多分)
「クソ痛えじゃねぇかッ!! 男ならもっと面向かってやり合えッ!!」
『何を意味のわからんことを言っている』
ネルソン提督の銃が再び放たれた。
しかし、さすがのディグとて何度も撃たれれば気づく。
そのドリルが大地を穿ち、巻き上がった瓦礫が弾丸を飲み込んだ。
「何度も同じ事されりゃ流石に俺でも気づくぞッ!!」
『貴様、自分が馬鹿であることを自覚していたのか』
「うるせえッ!!」
放たれた弾丸、それをドリルが貫いた。
恐るべき弾幕の嵐の中、ディグは愚直に一直線に進んでいく。
彼が馬鹿だからなのではない。それこそがドリルだからだ。
ドリルとは、昨日よりも今日は掘り進んだと言う突き進む意思である。
ドリルとは、今日よりも明日はより掘り進めると言う明日への希望である。
ドリルとは、即ち前に進む勇気である。
「勝つ為にやる喧嘩、悪かないが味気ねえだろうが……ッ!!」
愚直に前に突き進んだ漢の意思。
それは身を結び、そして華を咲かせよう。
「昨日よりは、今日はもっと掘り進んだ、そう胸はって言える大喧嘩ッ!!」
振り上げた拳と言う名のドリル。
それがネルソン提督に撃ち込まれ、その血肉を抉り、そして吹き飛ばした。
『貴様、何を……ッ!!』
「やろうじゃねぇか、大将ッ!! そういう大喧嘩をなぁッ!!」
オブリビオンとは過去から生まれ出て未来を失わせ、世界を静止させ、トポロジーの破綻を呼ぶもの。
ドリルとは、昨日より今日はもっと前に進めると言う熱い希望そのもの。
それ故にネルソン提督に『ドリル魂』は存在しない。
だからこそ、今目の前に立つ漢のような熱いソレはない。
――――それ故の差か。
ネルソン提督の弾丸は、ディグを傷つけはしたが殺しきれなかった。
ディグ・ドリラーのドリルは、ネルソンの血肉を穿ったのである。
大成功
🔵🔵🔵
クネウス・ウィギンシティ
※アドリブ&絡み歓迎
「成程」
【SPD】
●戦闘&UC対策
キャバリアに搭乗し戦闘を行います。
「決戦形態…… トラファルガー・モード:キャバリア肉体ですか、キャバリア級の個体と仮定しましょう」
敵のUC「聖守護天使」は手から現れる=発射コースをネルソンの挙動から読み、両手の火器と肩武装の【弾幕】で【スナイパー】として狙い撃ち迎撃します。
迎撃がある程度済み次第、UCを用いて反撃を行います。
「GEAR:VACUUM ARC。チャンバー内圧力低下、圧力ゼロ確認」
痛みも状態異常も受けない、『キャバリア』肉体。
「真空アークレールガン、発射!」
対キャバリア用レールガンを持って、これに【砲撃】を加えます。
死之宮・謡
アドリブ歓迎
バーサーカーかな?…その割には理性残ってるの胡散臭いな…如何言う仕様なんだ…流石に文句も言いたくなるが愉しい戦となればそれもまた良し
この前の母艦に引き籠って一方的に攻撃しようとしてきたのは何だったんだ…最初からは使えんかったのか…?
炸裂して衝撃で吹き飛ばす「呪詛」の球体をばら撒く
ダメージは無効化できてもノックバックは掻き消せまい?
そのままイレンアトラを取り出し、呪いを纏わせて侵食しながら天使武装を防ぎながら呪矢を叩き込む
そのまま削りながらの戦闘を展開して最後は【覇神滅槍】を叩き込んでフィニッシュ
サブナ・ダディ
※アドリブ・絡み歓迎//【POW】//「死ぬまで痛みを感じない・・・か、可哀想な者だな」//「先の先を取るなら・・・」と【阿形、吽形像と犬神】を召喚し【金砕棒】で始めは戦い出す//【犬神】で相手の視界を塞ぎ一瞬の隙を生み出させ、UC【神器変換】で【阿形、吽形像】を【籠手】に変え、射程を半分、攻撃力を5倍に変え、戦闘スタイルを変える//「痛みを感じないから攻撃に徹する事が出来るんだろうが、人の道を外れた人間の行きつく先は総じて決まってるもんだよな」
●三撃蹂躙
「バーサーカーかな……? その割には理性が残ってるの胡散臭いな」
死之宮・謡(存在悪:狂魔王・f13193)はため息をついた。
痛みを知らずして蠢き続ける狂戦士、ただし理性はある。
理性を持つが故に高度な戦術的行動を取れる。
されど痛みを知らぬ故に痛みで動きが鈍る事はない。
「愉しい戦にはなりそうだが……文句も出ると言うもの」
謡が周囲に目を巡らせれば、キャバリアに搭乗したクネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)と何かを召喚しているサブナ・ダディ(サイボーグの破戒僧・f21228)がいた。
「……。…………」
謡は見やる。キャバリアの巨躯を。
謡は見やる。ずももん、と佇む阿吽像と犬神を。
「死ぬまで痛みを感じない……か、かわいそうなものだな」
「決戦形態をキャバリア級の個体と仮定して戦いましょう」
「君たちもう少し違和感とかあれとかないのか?」
ないのである。ないのであるッ!!
ネルソンが天使の銃を携えながら腕を突き出せば天使群が発生してその三人に襲いかかる。
その合間から放たれる銃撃、数と精密な狙撃。
質・量を補うその連携攻撃。
「……嗚呼、面倒だな」
謡は呟くと同時に呪詛の球体を放つ。
それは呪詛そのもの、故に呪詛で汚染する戦術は使用できない。
使用できないが、クネウスは即座にその球体の真意を解析していた。
「なるほど、援護します」
両手に携えたマシンガンとレーザーライフル、肩部ミサイルポッド、レーザーキャノン。
それらによる一斉射撃が炸裂し、天使群を吹き飛ばすと同時に、呪詛球体に点火。
同時、炸裂し、爆裂する。
その炸裂衝撃によって天使群がまた吹き飛び、そしてそれはネルソンにもたたらを踏ませる事となった。
『……なるほど』
悪影響は受けない、されど物理法則は決して無効化できない。
一瞬の隙、されどネルソンとて歴戦の猛者。
踏みとどまり天使の銃の構えようとした瞬間、その視界を塞ぐものがいた。
サブナの犬神である。
一瞬の隙をついたその一撃、それは決して致命傷にはなりえない。
犬神を天使の銃のストックで弾き上げる。
一連の動作はわずか数秒、されど、その数秒で十二分であった。
黒き矢は番えられ、放たれていた。
それが血肉を抉り、骨身を削ぐ。
『だがしかし……』
痛みを感じぬこの肉体に傷は無意味。
損耗はするが、戦闘には何の支障はない。
だが、それすらも布石でしかない。
「痛みを感じないから攻撃に徹することが出来る……だが、それはあくまで攻撃できれば、の話だ」
数多の黒矢は全て布石にしか過ぎず、サブナがその懐に潜り込んでいた。
召喚したはずの阿吽像は、その腕に、篭手として変化していた。
神なる器具、神器。神話にすら伝えられる兵装。
その膨大な神秘を纏った篭手が握り込まれ、振り上げられる。
全てを攻撃力にへと転換した強烈な一撃、それによりネルソンの肉体がへしゃげる。
走った衝撃が、その身を浮かせた。
「いわゆるコンボゲームと言う奴だな」
浮いたその身に叩き込まれるは呪詛と闇を纏った槍撃。
如何に痛みを感じぬが故に攻撃に徹することが出来るとは言え、物理法則を無視はできない。
バランスを崩し、武器を弾きあげ、無防備な状態にしてしまえば、防御に徹するしかない。
――――なまじ理性があるが故に。
無限とも言える槍の連撃が、遂にはネルソンの身を空に打ち上げる。
「チャンバー内圧力低下、圧力ゼロ確認――――」
狙いはすでに定められていた。
真空放電(アーク)。
電気エネルギーの減衰を極力にまで下げたソレ。
さらにそれは人の身で扱うソレと比べ遥かに大型。
人型巨大兵器で用いる大型レールガン、否、最早レールキャノンと言う規模のソレ。
「真空アークレールガン、発射ッ!!」
トリガーと共に、鋼の機神より放たれた鉄塊なる弾丸、それがネルソン提督に突き刺さる。
一瞬のソレ、体内の無数の天使を被弾箇所に集中させ、防御姿勢を取る。
しかし、それを貫き破壊して余りある質量加速弾は、その防御諸共、撃ち貫いた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
エドゥアルト・ルーデル
痛みを感じないなら即死させるように撃つだけでござるよ
武器の変形までは仕方ないにしても撃たれる前には動く!
現地到着と同時に各乱用【UAV】を自動モードで飛翔させ煙幕を投下、そして拙者は【航空機召喚】!選ぶ翼はF-35でござる
召喚時に電脳魔術にてプリセットを仕込む!『拙者は座席に座っている』、『加速付与』、『エンジン全開』ですぞ!
強制的に空に上がり敵の銃撃に対し機体の推力、機動力を増強させ、【操縦】技量にて可能な限り回避でござる
銃でアレばいつかはリロードしなければなるまい!銃撃の途切れたすきを狙って残ったUAVを特攻させ目を引きつけさせている間に接近、装弾数を増強した大型爆弾を全弾投下だ!
●即死させる!!
「なるほど、痛みを感じないでござるな!!」
エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)は話を聞いて納得した。
ならば、とエドゥアルトはマスケットらしき形状の銃を構える。
「即死させるッ!!」
「オブリビオンが銃で死ぬんか?!」
モブ猟兵が叫んだ。
ズギューンッ!! エドゥアルトの眉間に風穴が開いた。
「やっぱり無理でござるよなぁ!?」
そのまま物陰に隠れるエドゥアルト。
天使の銃の弾丸が乱れ撃ちされていた。
「だが、拙者こんな事もあろうかと仕込みをしていたでござる」
ぶいーん、と言う音と共にUAVが飛翔していた。
そのUAVから投下される無数の煙幕。
これにより天使の銃の照準は定まらなくなった。
同時、電脳魔術のプリセットを走らせる。
エドゥアルトは座席に座っている。
加速する。
エンジン全開。
三つ同時にやらないといけないのがプリセットの辛い所だ。
覚悟はできているか? 無論できている。
そしてF-35が電脳の中からやってきた。
座席に乗り込めばF-35は海の世界、その空にへと漕ぎ出す。
煙幕でろくに天使の銃は狙いをつけられず、超高速でかっ飛ぶエドゥアルトの空の翼を捉える事は出来ない。
そして、遂に弾丸の雨が途切れる。
『再装填』
「今ですっ!!」
いつの間にか持っていた羽扇を前に突き出す。
その瞬間、UAVが特攻してネルソン提督に激突し大爆発。
さらにその上から大型爆弾が無数に降り注ぎ大爆発を起こしていく。
連鎖爆発でネルソンは爆炎の中に飲まれていった。
大成功
🔵🔵🔵
上野・修介
※連携、アドリブ歓迎
己が得物は徒手格闘。
元よりやれることは多くはない。
故に
――為すべきを定め、心は水鏡に
調息、脱力、敵を観据える。
敵の体格・得物・構え・視線・殺気から間合いとタイミングを量る。
相手が己の強さを誇示するような手合いなら、こちらが真っ向勝負を挑めば正面から迎え撃とうとするだろう。
「推して参る」
持てる最速で真っすぐ突っ込む。
相手の迎撃態勢に入ったら、タクティカルペン投擲で牽制で相手の呼吸を乱し、さらに地面への打撃による急旋回・急制動で間合いに入る拍子をずらして初撃を回避し敵の懐へ。
懐に飛び込む勢いをそのままに一撃。
そこからUCを用いて拳を密着させた状態から全関節を螺旋による勁を透す。
●螺旋勁、勁い意思と共に
「……」
上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)は爆炎に飲まれたネルソンを見やる。
痛打を受けたであろうその存在、されどオブリビオンならば、何よりも七大海嘯と言う大敵なれば、この程度で死ぬはずがない。
かくて修介の読み通りに、爆炎よりそれは現れた。
なればやるべきなど一つ。否、修介にやれる事などは多くはない。
すべきは定めた、ならば心を研ぎ澄まし、水鏡の如く。
吐息を整え、力は適度に、敵を観る。
異形の体躯、手にした銃、構えた腕、その視線、殺気、そして間合い。
弾丸を放たれてから避けるのでは人体の反射神経の都合、避ける事は出来ない。
故に読むのは弾丸ではない、その使い手。
「推して参る」
震脚、大地を打ち砕き、そこを地点に疾駆する。
一歩ごとにその歩みは、その走りは加速する。
殺気と、その視線、そして、筋肉の動き。
引き金が引かれる。すでに回避行動は織り込んだ。
かくて放たれた弾丸は、一筋の赤い線を修介の頬に刻みばかり。
2発目、それも読み取った。
大げさに避ける必要はない。
読みどおりの所を射抜くのならば歩みを加速させれば当たらない。
踏み抜く足に力をこめて、その身が加速する。
3発目、懐のペンを投擲する。
放たれた鉛玉がペンとかちあい見当違いの方向に吹き飛んだ。
かくて、間合いは死んだ。
――――この距離は、修介の間合いである。
力は溜めず、息は止めず。
「――――意地は、貫く」
ほぼ密着した状態。
この距離から打ち出せる技は多くない。
如何な打撃とて、打ち出す距離と言うものが必要である。
しかし、適切な体重移動と、柔軟な関節。
これらの要素を用いれば、わずか数cmの隙間さえあれば、勁をこめた打撃は放てる。
肉薄した距離で放ったと思えぬ打撃音が響き渡り。
その衝撃でネルソンの体躯が大きくのけぞり、衝撃を全身にくまなく通してから。
その圧のみにて、その身は大きく吹き飛んだ。
大成功
🔵🔵🔵
リーヴァルディ・カーライル
…決戦形態。文字通り不退転の覚悟というわけね
…ならば此方も相応の覚悟を以て相対しなければ無粋というもの
…真っ向勝負よ。七大海嘯、ネルソン提督
お前達を討ち果たし、この世界を救済してみせる
大鎌を武器改造した盾に無数の霊魂を降霊して魔力を溜め、
敵UCを呪詛のオーラで防御して気合いで耐えUCを発動
…っ、耐えきった。ならば次は私の番よ
光輪から限界突破して能力を引き出す光を乱れ撃ち、
融合している天使達を超強化して決戦形態の制御を乱し、
自滅させる"支援効果"を敵に付与する
…際限無く力が溢れてくるでしょう?
その決戦形態とやら、何処まで制御できる?
…繁栄の後には破滅が待つもの
お前はお前自身の力により滅びるが良い
●代行執行、光輪を継ぐもの
「……決戦形態……」
痛みを感じず、天使の群れと融合したアドミラル・ネルソン。
リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は、その様に小さく呟いた。
最早彼は不退転の覚悟を抱いた。
ならば、相応の覚悟を持たねば敗北するのはリーヴァルディである。
それに――――それほどの覚悟を持った相手に、その覚悟無しで挑むは無粋極まりない。
「……真っ向勝負よ、七大海嘯、ネルソン提督」
七大海嘯が一柱を打倒し、この蒼穹なる世界に救済を。
猟兵の一撃を受け、その全身を傷だらけに。
ところどころに風穴を開け、一部を損失してなお、その表情に揺らぎはない。
当然だ。痛覚を持たぬのだから。
それらを損失したとしても彼の生存本能である痛覚は一切警告を発しない。
理性の上では、それらの損失が危険であることを理解していても、彼は戦う事も抗う事もやめない。
内部の天使群が蠢き、表面上の損失を埋める。だが、それだけだ。
失ったものは戻らない。その力もじょじょに失われている。
天使の銃を構える。
放たれるはネルソンの弾丸、立ち向かうはリーヴァルディの大楯。
無数の霊魂を呼び起こし、魔力にへと変換したソレと。
呪詛をまとめて防御の意思にへと変換したソレ。
それらを守りを纏い、リーヴァルディはその弾丸を耐える。
天使の力がこめられたそれは幾重の守りを貫き、リーヴァルディの身を穿つ。
けれど、嗚呼、けれど。
その身は決して崩れる事も斃れる事もなく。
「……人類に……」
また弾丸が一つ、リーヴァルディを貫いた。
呪詛の大楯はじょじょに欠けていく。
「……今一度の、繁栄を……ッ!!」
願いと祈り、それが今ここに言祝がれる。
――――貴女の力を貸して、ラグナ。
かくて、光輪はもたらされ、その光の中におぼろげな影が見えた。
その影は、リーヴァルディに微笑みかけた気がするのは、気のせいだろうか。
光輪の力が、リーヴァルディに宿るのと同時、天使の銃の弾丸が尽きた。
「……ッ、耐えきった……ッ!! ならば、次は――――」
私の番よ、と言う声と共に、リーヴァルディの力が解き放たれる。
光を纏ったその身より、無数の光が放たれ、ネルソン提督の身に撃ち込まれる。
増幅していく力、それは賦活するもの。
常なれば、誰かの為になる力。
されど、それは"今のネルソン提督"にとっては猛毒他ならない。
無数の天使を"中に飼っている"からこそ、その中の一つ一つに力を与えるそれは、統制を乱し、制御を混乱させる。
『……これ、は……?!』
「繁栄の後に待つものは、破滅……お前は、お前自身の力により滅びなさい」
無際限に湧いて出る力、活性化するエネルギー。
それは内側からネルソンの身体を破壊していき、肉体が耐えきれない力の流入に弾ける。
ネルソン提督が膝をつく。疲労や痛みではない。
自身の身の動きすら制御出来ないほどに、その身体が暴れ狂っていた。
大成功
🔵🔵🔵
ナイ・デス
痛みがないのは、こわくありませんか?
私は……正直、次の瞬間死んでいてもおかしくないと、こわいです
光の槍に貫かれる
仮初の肉体に痛覚はある
【継戦能力】ただ、本体(魂)が無事であるから、死ななくて
【激痛耐性】慣れと、死に繋がる痛みではないから、気にしなくて
でも本体に痛覚があるのかは、わからなくて
次の瞬間、壊れるかもという恐怖が、ある
【覚悟】
あぁ、それでも
『いつか壊れるその日まで』
私は、戦う
ネルソンさんも、そうですか?
攻撃受けても瞬時に再生、戦闘力増強
光を噴いて【推力移動】
【範囲攻撃、生命力吸収】する光を放ち吸収し続けながら
黒剣で【切断】挑み
気付けば、生命力失っての死がくる様に
骸の海へ、還る時、です
●いつか壊れるその日まで
「……痛みがないのは、怖くありませんか?」
全身を巡る制御の効かぬ天使たちを抱えたまま、膝をついたネルソンにナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)は語りかける。
それは、仮初の体で生き続けたナイと似たような状況。
「……私は、正直、次の瞬間死んでいてもおかしくない、と……こわいです」
ネルソンの身体から制御を離れ、暴れ狂う天使の群れ、その肉塊が現れる。
それは抑えきれないエネルギーの奔流に暴れ狂いながら光の槍を放つ。
光り輝くそれがナイを貫く。
ナイの顔がその痛みに歪む。
その仮初の肉体には痛覚がある。
だが、だけれど――――"本体"あるいは"魂"はこことは違うどこかにあるから、その身が幾ら損壊しようとも、決してナイは死なない。
何回もこの身体は死んできた。けれど、決して死ぬ事はなかった。
そのせいで、ナイの仮初の肉体は"慣れ"てしまった。
決して死なないから、どうせこの程度の痛みでは、生きているから。
――――けれど、同時にいつも彼の脳裏には恐怖がある。
本当に?
本当に自分は死なないの?
今もどこかにあるかもしれないその本体に、自分と同じような痛覚が備わっているのかは、全く分からない。
だから、次の瞬間、そう、こういう戦闘ですらなく、ふとした日常の間にすら砕け散って死んでしまうかもしれない。
そういう恐怖がいつも彼には付きまとう。
――――嗚呼、けど。それでも。
『嗚呼、そうだ……ッ!!』
「私はそれでも……」
――――死なない、そして、死ねない。
奇しくもその二人の言葉は重なった。重なってしまった。
オブリビオンとは、過去より生まれ出て未来を止めるもの。
そこには目的があり、あるいは、未練があり。
その未練を果たす為に生まれ出るものがいる。
『私は戦う』
「私は戦う」
今ここにいるのは紙一重に違えた存在。
ナイの身体は光の槍に貫かれど死には至らない。
ネルソンの身体はナイの黒剣で切り裂かれどその痛みを感じない。
紙一重の互い、されど明白に違う所があった。
ナイは痛覚はあれど死ねず、ネルソンは痛覚はなくども死ぬと言う事だ。
やがて、その剣がネルソンの胸を貫き、その生命を容赦なく奪い去っていく。
けれど、それでも。
『私には、為さねばならないことがある……ッ!!』
「……けれども、骸の海へ還る時です」
終わりは、近かった。
大成功
🔵🔵🔵
カタリナ・エスペランサ
決戦?底が知れたと言うべきね
不退転を気取るなら好都合、確実に息の根を止めるとしましょう
《先制攻撃》で《天候操作+地形破壊》の天変地異を引き起こし物理的に《体勢を崩す》事で動きを阻害
《第六感+戦闘知識》の《見切り》による先読みと嵐も利用した《空中戦》での機動力で敵の攻撃を躱し先制対策とするわ
反撃は【天災輪舞】で加速、雷羽の《属性攻撃+誘導弾+弾幕》を放ちながら敵UCの召喚物は封印解除の間も与えず《早業+怪力+暗殺+略奪》で片端から仕留め力を奪い《エネルギー充填》
並行し雷羽で仕込んだ《魔力溜め》の魔法陣を解放
《属性攻撃+神罰+焼却+全力魔法》の粛清権能を込めた極大の蒼雷槍を発動し敵本体を消し去る!
●底は水面の彼方その深く
「決戦……?」
猟兵たちの攻撃により、痛覚はなけれども、最早死に至るは明白なネルソンをみやり、タリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)は笑った。
――――嗚呼、底が知れた。
「最早、決着はついた。確実に息の根を止めてあげる」
天は狂い荒れ、嵐が巻き起こる。
ここに起こるは天の怒り、天の狂い、天の災い。
雷雲が立ち込め、雨は降りしきり、風は嘶く。
『天候操作……ッ!?』
「おまけよ」
大地が鳴動し、島にひびが入り、断層が生じる。
今ここにもたらされるは驚天動地の行い。
ただ一人の女がその身を持ってして神々の御業を為していた。
否――――その奥底に棲まう冒涜的なその存在こそがその根源。
『異端の神が……ッ!!』
「馬鹿ね。"これ"以外を崇めるからよ」
放たれた光の槍は、神をも殺す雷によって打ち払われた。
雷雨の中を蒼き羽が散り、大気を焦がしながら荒れ狂う雷となり、ネルソンを打ち据える。
自らの身体の中で暴れ狂うそれを抑制も出来ず、負った傷も多大。
ましてや命を蝕む黒き剣の力によって、強敵は最早手負いの獣と化した。
「さあ、粛清の時間よ」
装填した膨大な魔力。
収束、圧縮、そうして生まれたのは小さな雷の槍。
ショートスピア程度しかない小さな槍。
しかし、それは膨大にして極大とも言える魔力とエネルギー、それらを圧縮してひたすらに凝縮した無駄なきエネルギーの塊。
それが投じられ、ネルソンを貫き、惜しみなくその破壊力を解放した。
大成功
🔵🔵🔵
秋津洲・瑞穂
アース住まいの戦巫女の知識を甘く見ているわね。
アブキールならまだしも、トラファルガーの時の
ネルソンでは恐るるに足りないわ。
集中砲撃食ったうえに、名もない敵兵に撃たれて
死んだでしょうあなた。
そのあと艦隊戦で勝ったのは、旗下の艦長達が
自分の判断で行動できたからよ?
そも、あなたの天使の銃、命中率は上がらないでしょ。
小刻みなジャンプを大量に繰り返して都度残像を残す
わたしの三段変速ダッシュに、一発で範囲制圧が
できない長銃では中らない。
見えた時には残像と化しているから五発でも無駄。
悔しかったら葡萄玉詰めたカロネード持って来なさい。
後は、どこまでも追い詰めて鎧無視攻撃+2回攻撃の
剣刃一閃で叩き斬れば済むわ。
●かくてトラファルガーの海は凪ぐ
圧縮された蒼雷の槍の破壊。
それは天を衝く地上からの雷となった。
全身を焦げさせながら、膝をつきながらも、ネルソンは立っていた。
痛みはない。けれど、確実に死に向かいつつあるのは、過去の経験から分かった。
あの時と同じであると言う事。
されど
『……まだ、だ』
「終わりよ」
その前に立つのは刃を携えた戦巫女。
秋津洲・瑞穂(狐の巫女・f06230)は首を振ってその言葉を返す。
決戦形態、トラファルガー・モード。
「トラファルガーを名乗った時点であなたの終着は決定づけられた」
『な、に……?』
トラファルガーの海戦。
それは――――ネルソン提督が戦死した戦場である。
集中砲撃を喰らい、名もない雑兵の銃弾を偶然にも受けて。
その戦勝報告を受けながら息絶えたと言う。
彼自身はその選択を誤りだとは思っていない。
だが、その戦いにおいて、指揮官たるものが集中砲火を受ける場に立ち、狙撃される恐れを進言されながらも、そこに立ち続けたのは事実。
そして、進言の通りの結果となったのもまた、事実。
「アブキールならば違ったのだろうけど」
自らの死に場所と名乗ったのならば、その終着は最早必然。
死に至るを選んだのはネルソン提督他ならない。
ネルソンの中で暴れ狂う天使たちが銃と為して放つも、それは虚空を穿った。
――――ただの歩みにしか過ぎずとも、それは瑞穂にとっては"特殊な歩法"。
見えるものは全てが残像、霞んで消えて、移ろいゆく儚い夢幻のようなもの。
面制圧ならばいざ知れず、点攻撃である長銃では、その歩みは止められない。
「当たらない。中れない。――――持ってくるべきは葡萄玉のカロネードだったわね」
そして、その距離は瑞穂の間合いとなり、振るった刃。
神なる獣を宿したその大太刀。
いつ抜き放たれたかもわからぬその一閃。
されど、ただの一閃にて、振るった回数都合40。
それがさらなる神速を以て斬閃80と化してその無痛の体を引き裂いて、切り裂いて。
たとえ痛みを感じずとも、死ぬまで切り刻めば死ぬのは同然。
猟兵たちの猛攻によって死に至りつつあったその骸は、かくてトラファルガーの海に還る。
あの栄光と栄達に満ちた凪の海の水面、その下にへと。
大成功
🔵🔵🔵