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上総の国の恐怖城

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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 自分は生まれ育った村で、田んぼと畑を耕して一生を過ごすのだ 。
 小さな藩の小さな村で生まれ育ち、齢四十を数える十吉は、そう漠然と考えていた。
 遠く江戸では将軍様が代替わりしたとかも聞いたが、それで自分たちの生活が変わりばえするわけでもない。
 とはいえ、武士同士が争っていた頃に比べればずっとマシだ。
 かつての親の年を過ぎ、いつしか村のまとめ役ともなった。
 農民としての暮らしは決して楽ではないが、過酷という程でもない。このまま戦争に巻き込まれることもなく、平和に暮らせれば、それで良い……。
 だが、そう思っていた彼の平和は、一夜にして打ち砕かれた。

「勘弁してくれ。その米を持っていかれちまったら、今年の冬も越せねぇ……!!」
 手を地について懇願する十吉を、武士は無表情のままに無視した。別の村から連れて来られた人足達が、十吉の村に最後に残されていた米俵を荷車に積み込み、運んでいく。
「すまねぇな十吉さん。俺達も逆らえば家族が……」
 小声で謝罪する人足達の顔にも、十吉と同じような絶望が滲んでいた。
「全部、あの『恐怖城』が現れてからだ」
 涙に濡れる地面を見ながら、十吉は考える。
 村から見える山に突然に現れた『城』から現れた物言わぬ武士(帯刀しているのでおそらくそうだと十吉は思っていた)達は、周辺の村々に現れると、強引に収奪を開始した。
 力自慢の若い男達、美しい娘、村々が蓄えていた米をはじめとした農作物。
 そういったものを次々に城へと奪っていったのだ。
 逆らう者は見せしめに殺され、謎の武士達は支配を完了した。
 城が現れた直後には、村から逃亡し、藩に事態を訴えようとした者達もいたが、彼らはことごとく、翌朝には物言わぬ死体となって帰って来ている。
 恐怖で人々を縛り上げ、この地を滅ぼす恐るべき城。
 いつしか人々は、件の城を『恐怖城』と呼ぶようになっていた。
「わしらは、一体どうなっちまうんだ……」
 その嘆きに応える者は、まだいない。

 グリモア猟兵、ギャレット・ディマージオの周りには、サムライエンパイアの光景が現れていた。グリモアベースに集まった猟兵達に、彼は事件の概要を語る。
「サムライエンパイアの房総半島上総国……地形が共通するUDCアースの日本でいうところの千葉県だな。この半島のある山に、一夜にして『城』が出現した」
 サムライエンパイアに相応しい、いわゆる和風の城だが、もちろん尋常の城ではない。
 かつてどこか別の地で敗れ死んだ戦国武将が骸の海からオブリビオンとして蘇り、自分がかつて領有した『城』を拠点として出現させているのだ。
「周辺地域の人々は、この城を『恐怖城』と呼んでいる。城主は配下のオブリビオンを使って苛政を敷き、住民が死に絶えようと意に介そうともしない。この城主を倒すことが、諸君の目的となる」
 このまま行けば、人々はこの冬を越えられるかも怪しい。
 オブリビオンを倒し、遠からず訪れる滅びを阻止できるのは、猟兵達だけだ。

 城主は城の奥で、出てくる気配もない。
 城の攻略のためにも、まずは潜入することが必要となるだろう。
「オブリビオン達は現地の人々を集め、城で働かせている。正面から門を破って乗り込めば、従うことを強いられた現地人と交戦することになるだろうな」
 もちろん、迅速な事件解決のためには一つの手ではある。要は働かされている人々を傷つけさえしなければ良いのだ。
 城周辺を偵察すれば、密かに潜入する手立てを講じることもできるかも知れない。
「城で働かされている者を含め、周辺の村々の人々は、頻繁な収奪によって苦しめられている。潜入に向け協力を得ることもできるだろう」
 ギャレットはそう言って説明を終えると、サムライエンパイアへ猟兵達を導くのだった。


真壁真人
 はじめまして、真壁真人です。
 ニコ生でも舞台となりました、和風世界サムライエンパイアでの冒険となります。
 なるべく早くリプレイをお返しできれば良いなと思っております。どうぞお気軽にご参加下さい。
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第1章 冒険 『オブリビオン城への潜入』

POW   :    門を破るなどして無理やり潜入する

SPD   :    潜入口を探す、夜陰に紛れ城壁を越える

WIZ   :    門番など働かされた人々を説得・買収する

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ウィルトス・ユビキタス
無理に正面から仕掛けて、俺らと現地人の互いが消耗するのは避けたいところだな。
潜入口を探そう。隠密行動は基本中の基本(そんな技能は持っていないが)。
まずは地形の確認だ。忍び込みやすい場所を見つけることが出来るかもしれない。



サムライエンパイアへと到着したウィルトス・ユビキタスは、恐怖城の立つ山へと潜入していた。既に冬となり、木の葉の落ちた木々の間を縫って山を駆け抜け、ウィルトスは城の周辺状況を把握していく。
 恐怖城は石垣と天守閣を備えた、このような田舎には似つかわしくない山城だ。
 とはいえ城門こそ立派だが、
「従わされている人々は士気も最低、重点的に見張られているのは城門と麓に通じる道の周りぐらいか。これなら、城の内側へ潜入するの自体は難しくないぜ」
 それも、猟兵の身体能力あってのものだ。
「とはいえ、城に入ってすぐに見つかったら意味がないよな……あれは?」
 ウィルトスが目にしたのは、城の裏手にあった、小さな木製の通用口だった。
 おそらくは炊事場にでも通じているのだろう。
 疲れた様子の女性が中から出てくると、近くにあった井戸で水を汲み、再び城内へと戻っていく。
「あそこからなら……」
 と、身を乗り出しかけた瞬間、ウィルトスは不意に殺気を感じ、再び木陰に身を潜めた。城の上層の階から、視線を周辺に向けている者がいる。
「武将の配下の武士……どうやら見かけ通りのサムライってわけじゃなさそうだぜ」
 おそらくは隠密行動にたけた者達。
 今の武士姿は偽装で、彼らはいわゆる忍者なのだろう。
「城内に入れば、あいつらとの戦闘は避けられないか」
 そう判断すると、ウィルトスは他の猟兵達に情報を伝えるべく、一時恐怖城近くから退くのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

紬原・ルカ
「はぁ~い♪お姉さんの、行商ソロライブ。聞いていかない?」

上総の城の城下町、その路地で上がる華やかな声。その声をあげるのは狐耳に楽器を抱えた、桃色の髪の華やかな美女。普段のこの地域には似つかわしくないようではあるが、娯楽の少ない彼らからすれば、わずかな清涼剤になるのだろう。
オブリビオン達の監視の目をかいくぐり、無理矢理隷従させられている現地の民の心を解きほぐし、自分の言葉を受け入れられるようにした後に、特定の日、特定の時間に合わせて監視の目に隙を作ってもらうようにして潜入を試みるのでした。  WIZ使用



望まずして恐怖城の城下町となってしまった村の路地で、華やかな声が上がる。
「はぁ~い♪ お姉さんの、行商ソロライブ。聞いていかない?」
 そう声をあげるのは、紬原・ルカだ。
 ルカの美貌とピンと尖った狐耳は、彼女が妖狐であることを雄弁に物語っている。その姿、そして演奏。この地域には似つかわしくない姿に、村人達もどこから来たのかと怪訝な顔だ。

 だが、ルカの楽器は華やかな音を奏で、暗く沈んでいた人々の心を解きほぐしていった。ひとしきり曲を終えると、見ていた村人達から拍手が起きる。
 だが、その拍手も止まぬうち、年嵩の男がルカに険しい顔で近づいて来た。
「妖狐のお嬢さん。早いところ、ここを離れなさい。あそこに見える城の連中は、あんたみたいな美人さんがいたらすぐにとっ捕まえて、城に閉じ込めちまうんだ」
「あら……」
 険しい表情からの忠告の言葉に、ルカは思わず感心した。
 この苦境の中にあっても、まだこの地の人々は他人を思いやる心を忘れていない。
 それは農村での助け合いの日々が培ったものかも知れないが、あるいはそれこそが、オブリビオンが命ごと叩き潰そうとするものなのかも知れなかった。
「大丈夫、心配はいらないわ。ワタシは、事態を解決するために来たんだから」
 微笑んで言うルカに、忠告した男は驚いたような顔を見せた。
「あんたみたいな若い女性が……いや……そうか」
 ルカがここまで城の者達に見つからずに訪れていること、それ自体が彼女の実力を証明していると判断したのだろう。男の目に光が宿った。
「わしらに、何かできるか?」
 監視の目に隙を作りたい、というルカの頼みは、村に留まっている者達には難しいところだった。
 だが、彼らの協力を得られたことで、一つの好機が得られることになった。

成功 🔵​🔵​🔴​


猟兵達が城で働いている者達と接触するには、一つの困難がある。
 働いている者に同伴したり、監視したりしている、オブリビオンの存在だ。
 猟兵は他の世界に渡っても、その地の人々からは違和感なく認識されるが、オブリビオンもそうとは限らない。
 もし、猟兵達が潜入準備を整えるより早く、恐怖城のオブリビオンが猟兵達の接近を知れば、厄介なことになるのは間違いなかった。
夜桜・雪風
とてもつらい状況に置かれていますね。
無理やり働かされていた方は村にいるのですね。
でしたら、いくらかの金銭を支払って、私が城に潜入する手助けをしてもらいましょう。
働かされている方が荷物を城に運ぶ時に、荷物と一緒に私も荷物に紛れて運んで城の中に運んでもらいましょう。
運んでいただければ、城は私がどうにかしてみせます。

村の平和を取り戻すための戦いですが、私にとって戦場は楽しいところです。
危険に自ら飛び込んでいく刺激はクセになりますね。

運んでもらっている間は藁を被って他の荷物に偽装しますね。
もし気がつかれても、耳打ちをして助けに来たので見逃して欲しいと、金銭を渡しましょう。
お金で安全を買いましょう。



そこで、猟兵達の助けとなるべく、村人達は収奪のために村を訪れたオブリビオンを足止めし、荷物運びの人足として働かされている者と猟兵が話す機会を作ってくれていた。
 その短い時間に、夜桜・雪風は働かされている人足の一人と接触をとる。
「あなた達も、とてもつらい状況に置かれているのですね」
 そう同情を示す雪風に、人足は悄然と頷いた。
「ああ。逆らえば城の連中に殺されるし、村の奴らには恨まれる。家族とも会えず……」
「でしたら、お願いがあります。荷物を城に運ぶ時に、私も運んでいただけませんか。運んでいただければ、城は私がどうにかしてみせます。お礼はします」
「運ぶ……ああ、確かに城の連中は美人も働かせているし、あんたなら」
「いえ、そうではなく」

 それから少しして、人足は雪風が入った「つづら」を荷車に乗せた。
「こんなものを見つけました。中身は着物です」
 もう、この地の者達が逆らうとは思っていないのだろう。
 人足の言葉に、オブリビオンは沈黙したままに頷いた。
 隠れた雪風が安堵する中、荷車は動き出す。
「この先は戦場ですか……危険に自ら飛び込んでいく刺激は、クセになりますね」
 高ぶる血のたぎりを感じる猟兵を乗せた荷車は、恐怖城へと向かっていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャルロッテ・マールー
次に人が外に出てきた時、監視を避けて茂み伝いでその服の裾に入り込みながら話しかけてみよう。うまくすれば、情報を集めたりできそう。こんな時に小さいと便利だよね。

「ねえ。…しっ、そのまま歩いて。あのね、私達は、この城から皆を助けに集まってきたんだ。あなた達の言葉だと…マモリガミ?そんなものだと思って」

「私はこのまま裾に隠れて一緒に動けるから、お城の中の事で判る事をこっそり話してちょうだい。見張りの数とか、監視場所とか、攫われた領民はどこに集められてるかとか…」

見つかりそうになったら、どこか棚の上に【壺】をそれらしく置いて。フェアリーランドに逃げ込んじゃお。これ、城内の人の避難にも使えるよね。



まず雪風が城への潜入への道筋をつけた頃、同じく城の内部に潜入しようとしている者がいた。
 シャルロッテ・マールーだ。
 彼女は水を汲むために城の外に出て来た若い女性に、茂みからそっと話しかける。
「ねえ」
「!? だ、誰……?」
「……しっ、そのまま歩いて。あなた、お名前は?」
「……おシゲ」
「あのね、おシゲちゃん。私達は、この城から皆を助けに集まってきたんだ。あなた達の言葉だと……マモリガミ? そんなものだと思って」
 茂みから現れた小さなフェアリーの姿に目を丸くしたおシゲ。
 その服の裾に隠れ、シャルロッテは城へと潜入していく。
「私はこのまま裾に隠れて一緒に動けるから、お城の中の事で判る事をこっそり話してちょうだい。見張りの数とか、監視場所とか、攫われた人達は、どこに集められてるかとか……」
「わ、分かったよ。あたしが知ってること、全部話すから」
 その問いに、知る限りの情報を小声で伝えてくるおシゲ。
 彼女を信用できると判断したシャルロッテは、小さな壺をおシゲに握らせた。
「ねえ、人が沢山通って、この壺が置いてあっても、不自然じゃないような棚とか無い? そこに置いて、城内のなるべく多くの人に、騒ぎが起きたらこの壺のところに集まってって伝えて欲しいの」
 シャルロッテの頼みに、何か真剣な響きを感じたのだろう。
 おシゲは地獄に垂らされた蜘蛛の糸でもあるかのようにしっかりと壺を握ると、頷いてみせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月杜・屠
まずは人知れず場内に潜入しなきゃね。日中に城の周辺を巡って、潜入経路を決めるわ。登りやすそうな石垣から城壁の道筋を見定めるわね。その後、夜に見廻りの配置と巡回タイミングを偵察。経路と巡回の穴を見極めた後、壁登りに必要な鉤付き縄を用意、夜闇に紛れて見定めた経路に沿って潜入を試みるわ。


ロベリア・エカルラート
門の前で歌をうたうよ。内容は「猟兵がやってきて悪い領主を成敗する」
世界に合わせて、歌舞伎の台詞回しなんかを参考にしようかな

歌いながら農民たちを説得する
「少しだけ待ってて。もうすぐここの城主は退治されるからさ」

私自身は猟兵であることを隠しつつ、農民を集めてしばらくここで歌でも聞きながら待っているように頼む
歌はシンフォニックデバイスで城中に届けて、人を門に集めるよ

私自身は囮になって、潜入する猟兵を助けるつもり

内容としてはWIZで説得

もし戦闘になった場合は、咎力封じを使って出来るだけ農民たちを傷つけないように捉える

「さて、仕方ない。少し待っててね」

「さてさて……中はどうなってるかな?」


エムピースリー・シャローム
どうやら、他の猟兵も動いている様子
ならば、私は正面から訪れましょう
何せこの体、どこから見ても目立ちます故

注意を惹きつけて皆様の援護になれば重畳
正面から言葉にて中に入ることが叶えばなおよし
堂々と様子を伺いましょう

「もし、私は流離うもの。何やらひどく沈んだ空気が溜まっております」
「せめてもの慰めに一曲披露する機会を与えてくだされば」

歌うのはまずは望郷の歌、心を揺さぶりつかめれば祭りの歌へとつなげて徐々に明るい気持ちへとつないでいく

武士がやってくれば、城主のお方にも心の慰みに歌を披露したいと堂々と伝える
状況が許すならば疲れた方にシンフォニック・キュアを
不信を招くようであれば控える



そして猟兵達は、一斉に動き出す。

 夜の山道を巨体を揺らして真正面から城の門へ向け歩いくのは、エムピースリー・シャローム。
 門の前に現れたエムピースリーを、城門の明かりが煌々と照らし出す。
「もし、私は流離う身ですが、何やらひどく沈んだ空気が溜まっておりますな。せめてもの慰めに一曲披露する機会を与えてくだされば」
 言うが早いが、エムピースリーが歌い始めたのは望郷の歌だ。
 郷愁を帯びた響きが、家族と引き離され、無理やりに働かされている門番達の心を揺さぶる。
(頃合いですね)
 門番達の表情が変わったのを認識すると、即座にエムピースリーは曲を祭りの歌へと変えた。
 賑やかな響きが、城門の周辺に響き始める。
「おっ、やってるね? どうやら私と同じことを考えてるみたいだ」
 そう言いながら現れたのは、エムピースリーと同じく同じシンフォニアの力を持つ、ロベリア・エカルラートだった。
「城門で注意を引けば……」
「その分だけ他に潜入を図っている人達が楽になるってね。私も一曲披露させてもらおうか!」
 ロベリアが歌い始めたのは、猟兵を称える歌だ。

 猟兵。このサムライエンパイア世界においては、江戸幕府から『天下自在符(てんかじざいふ)』を与えられた、様々な秘技や武器を使う強者達を意味している。彼らがこの上総の国を訪れ、悪の城主を成敗する様を、ロベリアは朗々と歌い上げ、そして宣言した。
「少しだけ待ってて。もうすぐ、ここの城主は退治されるからさ!!」
 門番達が、戸惑ったように顔を見合わせる。
 そうするうちに、城門が開く。武士に扮したオブリビオンに追われるようにして城の中から現れたのは、武器を持った男達だ。エムピースリーとロベリアは、その様子を冷静に見る。
「さて、騒ぎがようやく届いたようですね」
「けど、数が随分少ないね?」
 城内にいると推測される数に比べると、門に現れた男達の人数は城で働かされている人の数に比べ、随分と少なかった。エムピースリーは、しばし理由を考える。
「何かが起きて既に殺害されている、という可能性もありますが……」
「門番達も驚いてるね。先に潜入した猟兵が、何かやってくれたって方が当たってそうだ」

 その推測は当たっていた。
 先行して潜入したシャルロッテが、城に捕らわれていた人達を、『フェアリーランド』で片っ端から収容していたのだ。壺の中に隠れた人々には、オブリビオンも手が出せない。
「さてさて、中はどうなっているかね?」
 気の進まなさそうな表情で近づいて来る村人達。彼らを傷つけるまいと、ロベリアは手枷に猿轡、拘束ロープを取り出した。

 同時刻、城の裏手では月杜・屠が地を蹴っていた。
 くノ一装束を身にまとった彼女は、夜に溶けるかのように静かに動き出す。
 夜の見廻りの配置と巡回のタイミングは、既に見極めてあり、さらに城門で起きた騒ぎによって城の警備は完全に撹乱されている。
「これ以上の好機は無い……」
 そう判断すると、屠は鉤付き縄を投じた、石垣をほとんど走るような速さで登りきり、城の中枢へと迫る。彼女の他にも、既に潜入していた者、ウィルトスが確認した通用口から潜入する者、あるいは独自に見つけたルートから……決戦の時を見逃さず、猟兵達は次々に行動を開始し、敵の首魁を目指す。

「おそらく、敵の首魁がいるのは天守閣」
 外から見た際にも、天守閣には煌々と明かりが灯っていた。
 それが敵の首魁の存在を示すものだと確信しながら、屠は城の廊下を駆ける。
 瞬間、飛来する物体のかすかな音を聞き、屠はその手に帯びたマサムネ・クローとムラマサ・クローを一閃させた。
 飛来した奇妙に白い『骨の武器』を、両手の爪が弾き返す。
 現れたのは、既に武士姿の偽装を排除した鼠色の忍者装束姿。
 そして腹部から伸びる『骨の武器』は、彼らがただの忍者でないことをも同時に示している。
「こいつら、妖魔忍者……!」
 既に滅んだ忍びの里で造られた、人間兵器。
 猟兵達を阻み、主を守るという命令を果たすべく、妖魔忍者達はおぞましき肉体の機能を解放した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『妖魔忍者』

POW   :    忍法瞬断
【忍者刀】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    忍法鎌鼬
自身に【特殊な気流】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    忍法鬼火
レベル×1個の【鬼火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。

イラスト:カス

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

レイナ・カザハナ
「あら、思ったよりも数が多そうですね。仲間の皆様が駆け付けるまでは時間を稼ぎましょうかしら?」と、聞こえるような声でのらりくらりする素振りを見せた後即座に【フルバースト・マキシマム】を使用。
「残念ながらわたし、沢山相手がいてくださったほうが相性よかったりするんですよ?」と逃げ回る時間稼ぎではなく、範囲攻撃によるプレッシャーを相手に与えて時間を稼ぐ。



妖魔忍者。彼らは、サムライエンパイアの戦国時代、ある忍びの里が非人間的な修行と人体改造によって造った人間兵器だ。
 恐怖城を進む猟兵達の前に、その妖魔忍者はオブリビオンとして現れた。
 そして彼らは、肉体に封じられた機能と忍術を惜しみなく解放し、城主の座す天守閣を目指す猟兵達を退けんとしている。

「あら、思ったよりも数が多そうですね。仲間の皆様が駆け付けるまでは時間を稼ぎましょうかしら?」
 先行していたレイナ・カザハナは妖魔忍者達に、わざと聞こえるように口に出す。
 自分達から言葉を話す様子は無いが、妖魔忍者達はその言葉に反応を見せた。
 忍者達は刀を手に、レイナへととてつもない速度で斬り込んで来る。後続の猟兵達が到着する前に、多少のリスクを背負ってもレイラを倒そうと判断したのだろう。改造された肉体の強度は人体の限界を突破し、肉体の各所から血を噴き上げながら忍者達が加速するのをレイラは見る。
「狙い通り……ですね」
 その勢いを、レイナは攻撃をもって叩き潰す。
 アームドフォートの全武装が一斉に解放された。
 サムライエンパイアの者達が聞き慣れぬであろう砲声が轟き、その余波だけで板張りの通路が震え、幾つもの穴が開く。狙われた妖魔忍者達はとっさに一体を壁にすることで被害を軽減してみせたが、なおも続く砲撃は、彼らに回避行動を強要し、それ以上の接近を許さない。
「残念ながらわたし、沢山相手がいてくださったほうが相性よかったりするんですよ?」
 砲撃を続け、一時の膠着状態を作りながら呟いたレイナの声は、忍者達に届いたかどうか。
 ここで戦い続けるのは分が悪いと判断したか、あるいは有利な場所に移ろうというのか、妖魔忍者達は砲撃を逃れ後退していく。その数をレイナは数えた。
「残りは9体……城にいるのは、これで全てでしょうか」
 城主との戦いの間に、横槍を入れられてはたまらない。猟兵達は天守閣への道を開くと共に、忍者達を倒す必要があるようだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ウィルトス・ユビキタス
妖魔忍者が待ち構えていることは分かっていた。
だから戦う準備と対策はしてきたんだぜ。

不意討ちとはいかないまでも『忍び足』で隙を突いていく。そして『暗視』で夜でも戦場を見通せるようにしておく。
『トリニティ・エンハンス』の風の魔力で自身を強化。

戦闘は隙を窺う、味方が注意を引いているのならばその隙に強化された攻撃力で痛打を浴びせる。
ただし、味方が猛攻に晒されている、もしくは攻め手ばかりで守りに不安があるのであれば、『忍び足』を止めて、『トリニティ・エンハンス』で自身の防御力を強化する。そのまま味方の盾となり敵の注意を引く。

『属性攻撃4』はトリニティ・エンハンスに乗るのか……?



「灯りが……」
 ウィルトス・ユビキタスは、城の各所に灯っていた灯りが消えていくのを見た。
 妖魔忍者達によるものだろう。
 その光景に、城に侵入した猟兵達の多くは一瞬判断に迷った。
 辺りは闇だが、猟兵達が灯りをつければ、妖魔忍者達が狙う格好の標的となる。
 そして灯りを点けなければ、夜目の利く忍者達は一方的に攻撃して来る──。

「忍者が待ち構えてるのは分かってたからな。対策してきて良かったぜ」
 暗視の利くウィルトスは、その腕につけたガジェットで、闇の中から現れた忍者達の骨の武器と忍者刀を、受け止めていた。
 そのまま他の猟兵達を守るよう、前へと飛び出す。
 ウィルトスが腕部に装着していたガジェットがその大きさを変えながら、急所を隠すように展開される。闇の中から飛び出して来た忍者達の斬撃を、ウィルトスは風の魔力によって高まった防御力で受け止める。
 細く見える忍者刀を受け止めたガジェットに大きな傷がつく。人体改造を受けた忍者達は、その膂力も異常の一語だ。寿命などと引換のものなのだろうが、オブリビオンの忍者達に、それを気にする様子もない。
「灯りを点けろ! 反撃できないよりはマシだ!」
 ウィルトスは繰り返される敵の攻撃をなんとか捌きながら、他の猟兵達にそう声を向ける。
 その体躯に幾つもの傷を受けながらも、ウィルトスは猟兵達が体制を立て直すまでの時間を稼ぎ切った。
「厄介な連中だが、こっちは確実に天守閣に近付いてるんだぜ。そろそろ死ぬ気でかかって来そうだな」

苦戦 🔵​🔴​🔴​

天枷・雪
敵の首魁は天守閣……ただ、騒がしくなってきたわね。
【忍び足】【聞き耳】を使用し、忍者からの奇襲に警戒し、可能であれば逆に奇襲を。

攻撃に関しては【妖狐の右眼】を使用し、相手の急所を白雪(サムライブレード)による斬撃(【属性攻撃】氷)で狙う短期決戦を狙って行くわ。
長引くと援軍呼ばれて囲まれそうだし。

警戒すべきは左腕かしら。形状的に軌道の予測が難しそうね。
とはいえそれに気をとられて、刀での攻撃や、見た目的に忍法も何か使ってくることは警戒しておきましょう。
回避に関しては、舞う雪の様に【残像】をみせたり、【空中戦】を使用してのSPD勝負に持ち込めるかしら。



なおも続く忍者達の攻撃。天枷・雪の視界に現れたのは、幾つもの鬼火だ。
 辺りを照らし出すこともなく光量を抑えられた鬼火は、ゆっくりと猟兵達へと飛来する。

「そうしていないのは、意識を乱すため、ね。よく仕込まれているわね」
 雪の右眼は、あの鬼火が本来はもっと速度を出せるものであることを見抜いていた。
 鬼火に意識を向けさせ、闇から奇襲する。
 忍者達の目論見は、そんなところなのだろう。
「でも、見切ってしまえば……」
 雪は手にした『白雪』を振るった。
 闇の中から飛来した骨の武器が、標的を捉えることなく弾き返される。

 奇襲失敗に戸惑う様子も見せず、鬼火を乱射しながら跳躍と後退を図る忍者を、雪は残像を伴うかのような速度で追う。
 壁を蹴り、軽やかに跳んだ雪へと、先程とは一変した高速で忍者の鬼火が飛来する。だが雪は右眼でその軌道を見切り、自分に当たるものだけを白雪の冷たき刃でことごとく切り捨てた。
 空中で交錯した瞬間、露出した骨の隙間を縫って、刃は忍者の急所を貫く。
 力なく地に落ちると同時、忍者の姿は消滅していった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リベラータ・リベラトーレ
見るからに速そうな敵、だからこそ疼く…一体私とどちらが速いのか。
私は愛機・ストレガに乗っての騎乗戦闘を挑むわ。
敵は強力な近接技を持っているみたいだし、加速と急制動に加えて自慢のハンドルワークでギリギリまで敵を引き付けてからエクシード・ブーストを発動し一気に突き放しましょう。
渾身の一撃を空振りしたその隙をきっと仲間が狙ってくれる筈。
敵が加速したら敢えてブレーキで急減速して、そのペースを徹底して乱すように尽力。
鬼火はコーナーワークと加速とで何とか振りきって、反撃のチャンスを伺い体勢を崩さないよう心がけるわ。スピードできっと活路を切り開いてみせる。
「私の愛機のスピードにどこまで付いて来れるかしら?」



先程のレイナの大火力で危うく一網打尽にされそうだったのが印象に残っているのだろう。
 忍者達は纏まって行動するのではなく、個別に奇襲を仕掛けることで、猟兵達の戦力を削ぐ作戦に出たようだった。
「でも、そんなにゆっくりやっていたら、私は先に行ってしまうわよ?」
 リベラータ・リベラトーレは愛機・ストレガのハンドルを握る。
 既に天守閣は近い。
 その最後の距離を、リベラータは、この前輪2後輪1の黄色いトライク型宇宙バイクで一気に走り抜けようとしていた。
 城にバイクで乗り込んで来る者がいるとは思わなかったのだろう、忍者達は姿を隠す余裕もなく、必死でストレガの速度に食らいついて来る。
「生身でやるわね。でも、私の愛機のスピードに、どこまで付いて来れるかしら?」
 そう嘯くと、リベラータはストレガと正しく一体となった。
「鎖は全て外してあげる……その本性を解き放て、ストレガ!!」
 高速形態へと変形したストレガは、加速と急制動を繰り返し、忍者達との距離を広げていく。
 これ以上は行かせまいと、忍者は骨の武器を全力で振るった。
 高速が生む衝撃の波──忍法鎌鼬が、車体に傷を生む。
「大した速さね」
 咄嗟にバランスを修正しながらリベラータは感嘆するが、妖魔忍者にとっても、その一撃の代償は大きかった。無理な大振りを繰り出し、速度を落とした忍者は、そのまま後続の猟兵達の攻撃を受け、散っていく。

 一気に前進したリベラータによって、忍者達の防衛体制はズタズタにされていた。
 そして猟兵達は、天守閣前で最後の防衛線を張る忍者達との防衛線に入る。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒宮・凪祇
へぇ、改造忍者か。
出番だ、出会えバトルキャラクターズ!不届き者を成敗してやろうじゃないか。
まあ殿様からしたら不届きなのはこっちなんだろうけど、悪は倒されるのがお約束だ。

城の廊下はそれほど広くないだろう。
それならバトルキャラクターズを3体ずつ合体させて能力を強化した上で連携させて追い詰めるよ。
忍者ご自慢の機動力、この場で活かせるかな?
残りの1体は私の傍で護衛だ。忍法がこっちに飛んできたら捌くか肉盾になってもらおう。

思いの外強かったらNo.3同士を合体。No.6とNo.3の二体で攻めるよ。



鼠色の忍者装束に身を包んだ妖魔忍者達は城内の他の場所での戦闘を切り上げ、天守閣付近に集結しようとしていた。そのうちの一団を、黒宮・凪祇は追う。
「改めて見ると、まるで誂えられたかのように似ているなぁ」
 忍者装束等が揃っているのもあるのだろうが、下手をすれば覆面を剥いだ下の顔も全く同じという可能性すらあった。
 それと相対する凪祇が操るのは、まさしく同じ顔をした集団だ。
「出番だ、出会えバトルキャラクターズ! 不届き者を成敗してやろうじゃないか」
 現れたのは、額にNo.1と刻印されたゲームキャラクターが10体。
 そのうちの1体を護衛に残し、凪祇は残りを忍者達へと向かわせる。
 忍者達は骨をふるい、強烈な衝撃波を巻き起こすが、ゲームキャラクター達は即座に3体ずつがドッキングすることでそれを回避。合体したゲームキャラクター達は、それまで以上の速度で忍者へと挑みかかっていく。
「まあ殿様からしたら不届きなのはこっちなんだろうけど、悪は倒されるのがお約束さ」
 自分でツッコミを入れつつキャラクター達を操作する凪祇だが、忍者達もなかなかに手強い。このままでは振り切られると判断し、凪祇は決断した。
「1人はここで確実に倒す。再合体だ」
 3体いたバトルキャラクターズNo.3のうち、2体が再び合体。額にNo.6の数字を浮かべたゲームキャラクターへと変化する。
 戦闘力も、凪祇の操作の集中度も増したNo.6は、忍者を圧倒した。最後の苦し紛れに放った衝撃波がNo.3を貫通、凪祇の前に飛び出したNo.1が受け止め、弾け飛ぶが、それで抵抗も止む。
「10ライフ中4ライフ減少……。なかなか手強かったが、終わりだ」
 No.6にとどめの一撃を繰り出させる。
 消滅していく忍者を見送ると、凪祇は天守閣へ向け、再び走り出した。

成功 🔵​🔵​🔴​

夜桜・雪風
さて、ここからは気を抜く訳にはいきませんね。
ここまで連れてきてくれた方達のためにも、目の前の敵はなぎ払いましょう。

自然現象ってとっても強力なんですよ。時には制御できないほどに。
氷の吹雪を受けて散りなさい。

エレメンタル・ファンタジアで氷の吹雪を起こしましょう。
鬼火で攻めてくるのならば、私は氷で攻めましょう。

ここを突破しなければ村を救うことはできませんから、
全力で戦わせていただきます。

お楽しみの時間というのも不謹慎ですが、戦うことって素敵ですね。
生きるか死ぬかの緊張感、ゾクゾクします。
素敵な時間を楽しみましょうか。


芦谷・いろは
さてさて、早速前哨戦って奴になるんですかね
ちょっと派手に動いてはみたいですが……
いろはが出来るのって基本守りというか、嫌がらせ?
火力って其処まで無いんですよね

なので、ちょっと離れた所から全力で嫌がらせに走ります!
忍者の技を見るに、鬼火での遠距離嫌がらせである程度削ってからの
鎌鼬を使用し瞬断でトドメを刺すと見た!
鎌鼬使用し近づいて来ようとシタタイミングで七星七縛符を投げ封じちゃいますよ
止まったら即解除で、長時間やるのは疲れるんですよね

一番良いのは瞬断タイミングでの七星七縛符なんですが
いろは其処までタイミング読めるかな?
大丈夫そうな人に行きそうなら試してみますね


イルナハ・エイワズ
「ユル、戦闘みたいですから頑張りましょうか」
ドラゴンのユルを撫でて、槍になってもらいます

ドラゴニック・エンドを発動させるために槍を当てる必要がありますが
別に突き刺す必要はないでしょうから薙ぎ払いなど
点ではなく線で当てにいきます

敵の忍者との間合いは槍のリーチを活かして
忍者刀が届かない間合いを意識します
離れすぎると他の攻撃の間合いになってしまうので
槍の間合いで戦いましょう

他にも侵入した仲間がいるでしょうから連携して戦いましょう
仲間の攻撃に合わせたり
私の攻撃で体勢を崩して仲間の攻撃を当てやすくしたり
素早く敵を殲滅しましょう

戦いは此処で終わりではないので


月杜・屠
もはや人の姿を棄てたか…。同じ忍の者として、引導を渡してあげる。

基本戦術はリーチのある骨の武器から間合いを取って、機を伺ってのヒットアンドアウェイよ。
相手の大ぶりの攻撃を誘い、其れをかいくぐって、相手の懐に入り込むわね。
接近戦ともなれば、こちらの領分。両手の鉤爪で相手を斬り裂くわ。
そしてまた敵の攻撃となれば、鉤爪で受け止めるなり、後に大きく跳び下がってかわし、次の攻撃の機を狙うわね。


クラウス・ハントハーベン
相手は妖魔忍者としての戦闘能力。そしてあの左手の異様・・・自由に動かれるとマズイですね。
ユーベルコードを使用して相手を拘束します。特に左手と足を重点的に縛り攻撃と機動力を削ぎます。
「この糸は私の分身です。そう簡単に抜けられると思わないで下さい。」
十指から糸を放ち拘束し、相手を拘束し続けることに尽力しますが、同時に人形を操作し攻撃に参加させます。


紬原・ルカ
「へぇ~……いいじゃん、ちょっと楽しめそう。でも、それくらいの≪火≫なんてアタシのバックダンサーにもなりゃしない!」
【フォックスファイア】のユーベルコードを使用して12個の狐の上半身の形をした炎で相手の鬼火を喰らいながら逆に襲い掛からせます。
真正面からの戦闘よりも。離れたところから襲い掛かることこそ、本領。
自分の炎をかいくぐって向かってくる鬼火はからくり人形で叩き落して相手をじわじわと……同時に戦う猟兵がいれば、その仲間が戦いやすいように追い込んでいきます


七星・桜華
私もそろそろ宴に参加させてもらおうか!私の攻撃に耐えられる骨があるやつはいるのかい!みんなは首魁を狙いな!私は雑魚の掃除をすませたら追いつくさ!

「私と楽しい戦乱の宴で楽しもうじゃないか!」


エムピースリー・シャローム
さて、戦も大詰め、ここを越えれば大駒のいる場所ですか
ならば、踏み越えていきましょう

この身は盾、一切を通さず、進みましょう

戦闘スタイルは備え付けられた各種特殊兵装を用いない
盾受けで止め属性攻撃によるヒートソードを二回攻撃で振るう
堅実な基本プログラム


歴戦の経験による巧みなタイミングで大地を踏みつけ、揺らし、敵の動きを妨害し、敵を受け止め引き付けることで時間稼ぎをし、味方の動きを自由にする

功を求めず戦場の有利を優先する動き
その巨体による引き付けと堅牢な防御、巨体からの踏みつけによる妨害を実行し、止まらず進む
それこそが目立ち、敵の目を引くのだから


ウィルトス・ユビキタス
敵の本丸前に集まってるのは都合が良い。この『エレメンタルコード』は扱いが難しいから一体一体個別に狙うのは難しいんだ。

最後の防衛線を『エレメンタルコード』炎の津波で焼き払うぜ。『属性攻撃』で威力は上がっているはず。『優しさ』なんてなかった。
討ち漏らしが無いように丸ごとやってやるぜ。
他の猟兵を巻き込まないように下がってろと、一声掛けるのも忘れずにやっておく。

敵が全て燃え尽きたなら良し、生き残りが出たなら信頼できる猟兵達に託すぜ。


徳川・家光
トドメにつながる一撃を!
柳生新陰流にてそればかり習った「剣刃一閃」を、馬鹿のひとつ覚えのように忍者たちにも放ちます。
間合いを保ち、姿勢を崩さず、敵を斬る。一体一体、的確に斬り倒してゆきます。



天守閣前には城内にいた忍者達のうち、まだ倒されていない者達が全て集まっていた。
 天守閣に押し入ろうとする猟兵達もまた集まり、激しい戦いが始まろうとしている。

「ここを突破しなければ、村を救うことはできません! 全力で戦いましょう!」
 夜桜・雪風の声に、猟兵達も頷きながら忍者達へ迫らんとする。
「さてさて、ボス戦前の前哨戦。ちょっとは派手に動いてみたいですが」
 芦谷・いろはがそう呟いた瞬間、忍者達の周囲に、鬼火が浮かんだ。いろはの想定通りの動きではある。
「やっぱり、まずは鬼火で妨害して、焦れたところを他の攻撃でとどめですか……って違いますね!?」
 鬼火の数は、またたく間に数十にまで増加した。
 周囲を照らすこともない青い火が、雪崩をうって猟兵達へ向け放たれて来る。
「退避ー!!」
 いろはの声を受け、猟兵達は一斉に石垣の影まで後退した。
「こんな山城で火を使って、山火事になったらどうするんだ全く……」
「延焼分は消せるようだけど。……で、なんでいるの将軍」
 何やらブツブツ言っている徳川・家光の姿に、月杜・屠は思わずツッコミを入れていた。
「いや、将軍なら戦わないと!」
 ぐっ、と刀を示す家光に、七星・桜華が半ば呆れ顔で言う。
「まあ、来ちまったものはしょうがない。将軍も一緒に戦乱の宴で楽しもうじゃないか。……負傷したらさっさとギャレットに連れて帰らせればいいしな」
「そうね」
 屠もそれ以上は何も言わなかった。
 遮蔽物へと身を隠していた猟兵達だが、打開策を打ち出したのは雪風とウィルトスだ。
「ここまで連れてきてくれた方達のためにも、立ち止まっているわけには行きませんね」
「大技でいくか」
 同じユーベルコードを使おうとしている2人は、精神を集中させていく。

「なら、隙を作るから、まとめて頼むよ!」
 城壁の影から飛び出したのは紬原・ルカだった。
 たちまち集中する鬼火へと、ルカの放った狐火が食らいつく。
「それくらいの≪火≫なんてアタシのバックダンサーにもなりゃしない!」
 鬼火と狐火が、互いを貪り、食い破らんとするかのように空中で爆発を上げた。
 火力で圧倒しようとする妖魔忍者達に対し、ルカは自分に向かってくるものだけを適切に撃墜させることで応じる。
 炎に取り巻かれ、爆発音を伴奏に、ルカは踊るように攻撃をかわし続ける。

 その後方、飛び出した雪風が忍者達を視界に収め、精神を集中させはじめていた。
 にわかに空気が冷えるのを猟兵達は感じ取る。
 直後、巻き起こった氷の吹雪が、鬼火をかき消しながら妖魔忍者達に襲いかかる。
 ルカが発動させたのは、エレメンタル・ファンタジア。
 属性と自然現象を合成させた減少を発動する、強力な広範囲への攻撃だ。
 氷の吹雪を逃れんとした妖魔忍者達は、だが無事では済まなかった。
「隙あり、ってね!!」
 鬼火が弱まった瞬間、火勢を増したルカの狐火が彼らに飛びかかり、さらにウィルトスが同じくエレメンタル・ファンタジアによって発生させた炎の津波が彼らを包んだのだ。
 氷の吹雪と炎の津波、2つの属性現象は、猟兵達を傷つけることなく、忍者達だけに影響を及ぼしている。だが、
「長くは保たないぜ!」
 汗を滴らせながらのウィルトスの声は、このユーベルコードのリスクを示していた。
 効果範囲も猟兵達のユーベルコードでは屈指だが、制御を離れるリスクもまた有数だ。
「素敵です。生きるか死ぬかの緊張感、ゾクゾクしますよね……」
 そのリスクすら戦いの一部として楽しもうとするかのような雪風。
 彼女の声音に若干の不安を覚えつつ、猟兵達は一気に忍者達への距離を詰める。

 その先頭に立つのは、エムピースリー・シャロームだ。
「さて、戦も大詰め。ここを超えれば大駒のいる場所ですか。ならば、踏み越えていきましょう」
 兵器たる妖魔忍者達が、いまだ戦いを諦めてはいないことをエムピースリーは理解していた。
 氷の吹雪を突き破って飛来した骨の武器が、エムピースリーの構えたシールドを激しく打ち据える。
「この身は盾。一切の攻撃は通しません」
 次々と飛来する攻撃をしのぎ切ると、彼は忍者へと突撃した。
 忍者が動こうとした瞬間、ウォーマシンたるエムピースリーの強い踏みつけが忍者達の足元を揺らし、動きを一瞬遅滞させる。ヒートソードが立て続けに振るわれ、忍者を消滅させる。
 だが、今度は接近を嫌った忍者達の攻撃が、立て続けにエムピースリーへの装甲を傷つけていく。
「攻撃の集中を確認」
 だが、それもまた、彼の意図通りであった。

 エムピースリーへの攻撃の集中により、自分たちへの注意が削がれた。そう理解した瞬間、イルナハ・エイワズは速度を上げる。
「ユル、頑張りましょう!」
 小竜ユルが小さく鳴くと、その姿を鋭い槍へと変える。ユルを手にしたイルナハは、なお続くエレメンタル・ファンタジアに苛まれる忍者達へと突き進んでいった。
「突き刺す必要はありません、確実に当てていきます……」
 点の一撃ではなく、線の攻撃を。
 そう意識しながらイルナハが振るう槍を、忍者は刀で受け止める。
 槍ならば届き、刀では届かない間合い。
 有利な間合いを維持しながら戦おうとするイルナハの懐へと忍者は飛び込んで来る。
「そこ!!」
 イルナハは合わせるようにして後退。入れ替わるようにして、ウィルトスの炎の津波が忍者を襲う。
 炎に焼かれ、態勢を崩した忍者へと、イルナハは薙ぎ払うようにして槍を繰り出した。
 命中した瞬間、召喚されたドラゴンが、忍者を突き破るようにして飛び出し、消滅へと追いやる。
「次です!」
 大きく槍を振るい、背後から飛来した骨の武器を弾き返すと、イルナハはさらなる敵へと突撃した。

 リーチでは、骨の武器がある敵の方が上だ。
 屠はそう理解した上で、あえて敵との距離をとっていた。
 相手は伸ばした骨を鞭のように振るい、さらにそこから生じる衝撃波によって、見た目以上の攻撃範囲を持っている。
「……来た!!」
 その衝撃波を繰り出すための動き──最速での骨武器の振るいを、屠の緑色の瞳は見抜いた。
 骨の武器が振り下ろされる。
 その瞬間、屠は鉤爪を構え、前に出た。
 骨が完全に振り下ろされるよりも早く、その下をかいくぐる。
 生じた衝撃波が背中を叩くが、それに半ば押されるようにして、屠は前へ出た。
 完全に距離を詰めてしまえば、こちらのものだ。迎撃せんと振るわれた右手の忍者刀を、屠はマサムネ・クローで受け流す。そしてがら空きになった胸板に、ムラマサ・クローを突き出した。
「同じ忍の者として……引導、確かに渡したわ」
 爪を引き抜くと同時、忍者の姿は消滅していく。

「相手に自由に動かれると、少々まずいかもしれませんね」
「いろはも、そう思います」
 クラウス・ハントハーベンの言葉に、いろはも同意を示した。
 前線での戦いは、猟兵達の優勢だ。残る敵の数も僅かだが、エレメンタル・ファンタジアが止めば、また忍者達はその敏捷性を生かして武将の元へ逃げる可能性もある。
「なるべく早いうちに頼むぜ」
「私の方も、ちょっと……」
 ウィルトスと雪風の集中力も、そろそろ限界だ。
 炎の津波と吹雪が止む前に、戦いを決定づける必要があると、クラウスは感じていた。
「私は吹雪の側を」
「では、炎の方にいきますね」
 そう言葉をかわすと、クラウスは忍者達への距離を詰めた。
 両手の指から伸びる糸が、吹雪が起こす風に舞い、忍者の一体を拘束していく。
「失礼。少々自由を奪わせて頂きます」
 武器と化している左手、そして機動力の中心である足。重点的に封じるべきはそこだ。
 忍者達は刀を振るい、糸を切り裂こうとするが、糸は改造された忍者達の膂力を持ってしても、容易に切断を許さない。
「この糸は私の分身です。そう簡単に抜けられると思わないで下さい」
 マリオネットの操作板のヤドリガミであるクラウスにとって、糸もまた、その肉体の一部とも言えるものなのだ。
「柳生新陰流の技、お見せしますよ!!」
 拘束されている忍者へ向け、正確な姿勢から家光が繰り出した剣刃一閃は、その首だけを正確に断ち切っていた。的確な一撃に、クラウスは賞賛を向ける。
「お見事です」
「なんとかの一つ覚えってやつですけどね」
 なおも残る忍者達を、2人はクラウスが行動を封じ、家光がトドメを刺す形で倒していく。

 炎の津波が起きている方では、桜華が敵と切り結んでいた。
「私の攻撃に耐えられる骨があるやつはいるのかい!?」
 その言葉を受け、妖魔忍者は僅かに距離をとると、刀だけでなく左手の骨の武器を伸ばした。
 そういう意味じゃない、と言葉には出さずに思いながら、桜華はあの武器の性質を考える。
「伸縮自在……頑丈な鞭みたいなもんだろうね」
 そして鋭く振るえば、衝撃波を起こすこともできる。
 しかしどう見ても筋肉がつながっていないのに、どうやって繋げて動かしているのか。
「まあ、その辺りはどうでもいいか!!」
 赤いポニーテールを揺らし、桜華の繰り出すのは『天魔御剣流』の技の一つ。
 破突刃・零式だ。
「散れ! 星屑のように!」
 開いた距離を瞬く間に詰め、桜華が突き出した天之羽々斬突型は忍者の体を貫いた。だが、消滅間際の妖魔忍者は、その刀を力づくで抑え込む。
「チッ……!!」
 刀を抑え込まれた桜華を目掛け、背後から、刀を構えた別の妖魔忍者が突っ込んでこようとする。
 だが、振り向こうとした瞬間、その妖魔忍者の動きが止まった。
「今のうちに!!」
 いろはの声が桜華の耳に響く。
 見れば、忍者装束に、符が貼り付いている。いろはが飛ばした七星七縛符だ、と理解するのと同時、桜華は刀を抑え込んでいた忍者を蹴り飛ばすと、その勢いのままに背後の妖魔忍者を斬り捨てる。
 忍者達が消えると同時、七星七縛符も消滅した。
「ありがとよ」
「上手くいって良かったです。長時間やるのは疲れるんですよね」
 ほっと安堵の息をつくいろは。
 声が響いたのは、その時だった。

『我が配下を、ことごとく討ち果たすとはな』

「上です!」
 その聞こえて来る方角を即座に特定したエムピースリーの声に、猟兵達が天守閣を見上げる。
 高欄付き廻縁に立ち、猟兵達を見下ろしているのは、真っ赤な武者鎧に身を包んだ男だ。
「恐怖城の、城主……ようやくお出ましだね」
 人々を苦しめていた元凶の出現に、ルカの目が細められる。

『我は、城なり』

 言葉と共に、天守閣の瓦が、壁が、城主の体と融合していく。
 体積にして10倍近くにまで膨れ上がった巨人は、そのまま天守閣から飛び降りた。

『我が支配せぬ天下泰平など認めぬ。この地のみならず、全てを恐怖で支配してくれよう!』

苦戦 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『戦国武将』

POW   :    合戦具足
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【自分の城の一部もしくは武者鎧】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    乱世斬
【日本刀による衝撃波を伴う斬撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    戦国兵団
【自分に従う兵士達】の霊を召喚する。これは【火縄銃】や【弓矢】で攻撃する能力を持つ。

イラスト:酉作

👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

紬原・ルカ
「うっわ……ナニソレ。自分さえ生きてればそれでいいって?ダメね、そんなんじゃ楽しくない!良いコトも悪いコトも、≪一緒に≫楽しんでこそってことよ!」

そう、言葉を叩きつける。あくまで、挑発の一手ではあるが、もともと自分は接近して戦うタイプではない。
嘲笑うように、楽しそうな、あるいは挑発的な表情で相手の気を引きつつ、自分は小型化していた楽器を手にして……歌い始めます。

「一人じゃ何も楽しくない!楽しいことは大好きだけど、楽しいってことを見せつけられる相手がいてこそよね」

自分は一人ではない。今一緒に戦っている猟兵の仲間がいる!そういう気持ちを全力で載せた【サウンド・オブ・パワー】で味方の支援をします



恐怖城の城主であるオブリビオンの戦国大名は、巨人の如き姿と化して猟兵達の眼前に降り立った。
『貴様らにも、恐怖を教えてやろう』
 鬼面の如き鎧の面頬で覆われた顔から、ひび割れたような声が響く。
 その身体と同じく、伸びた刀がいまだ残る炎を映して赤く輝きを放った。
 警戒する者、戦意をたぎらせる者。
 猟兵達がそれぞれに反応を示すが、無論のこと、戦意を失うような者は居なかった。
 中でも、紬原・ルカの反応は過激だ。
「うっわ……ナニソレ。自分さえ生きてればそれでいいって? ダメね、そんなんじゃ楽しくない! 良いコトも悪いコトも、≪一緒に≫楽しんでこそよ!」
『貴様ァ!』
 挑発的な言葉を向けたルカに、武将の怒声が飛んだ。だが、ルカは態度を変えることはしない。
「短気な人。それじゃ誰もついてこないわ。一人じゃ何も楽しくない! 楽しいことは大好きだけど、楽しいってことを見せつけられる相手がいてこそよ」
 ルカはそういうと、共に戦う仲間達を鼓舞するように楽器をかき鳴らし始めた。
 仲間達の耳から音楽は染み込み、その戦闘力を高めていく。
 だが、対象的に武将の怒気はさらに強まっていた。
 自分が向けられるべきは恐怖の感情であり、笑いでも立ち向かおうとする意志でもない。武将はそう考えていた。
『命令に応え参じよ、我が兵達よ!!』
 叫びと共に、半透明の霊が猟兵達を取り囲むように姿を現す。
「これは……!?」
『我は城なり。城には兵がいるものだ!!』
 何百という数の兵士達は、逃げ場の無い猟兵達に向けて火縄銃や弓矢を次々に放ち始めた。
 響き始める銃声と鬨の声に負けじと、ルカは楽器を弾く指先に力を込めた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

弥久・銀花
「遅くなりましたが助太刀します!」

側面から襲い掛かり、剣を振るい城主ロボの足元を狙って斬り付ける銀花。


「よもや合戦で横槍は卑怯などとは言いませんね?」

言いつつ側面の位置をキープして、他の人と挟み撃ちをする気で超接近戦を挑みます。

大柄な相手を倒すのならば活路は内側深くですよ!

近づけたなら鋭刃線閃を放ちます!



だが、猟兵の側も、決して相手の良いようにさせてはいなかった。
「遅くなりましたが、助太刀します!」
 戦場に飛び込んで来たのは弥久・銀花。
 その小さな体で刀を振るい、銀花は兵士達の霊を切り裂きながら着地した。
『おのれ、新手の曲者か!』
「よもや合戦で横槍は卑怯などとは言いませんね?」
 振り下ろされる巨大な刀。
 肉体と共に筋力も上がっているのだろう、その刀速は尋常ならざるものだ。
 だが、地面に大穴を作りながら刀が斬ることができたのは、銀花の残像だけだ。
 衝撃に微かにくらりとするものを感じながらも、銀花は即座に城主の側面に肉薄する。
「研ぎ澄まされた刃に斬れぬ物無し! 鋭刃線閃!」
 気合の声と共に振り抜かれた刃は、武将の脚部を深々と切り裂いた。
「硬いですね」
 しかも血も出ていない。
 どうやら本当に城と一体化しているらしい、と思いながら、銀花は武将から離れない。
 ひとたび離れれば、その身長から来る長いリーチの餌食になるのは目に見えていた。
「大柄な相手を倒すなら、活路は内側深く、ですよ!」
 銀花の声を受け、他の猟兵達もまた動き出していく。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラムダ・ツァオ
オイシイ所をいただき!というわけじゃないけど、身のこなしには自信があるし、守りは捨てて、回避優先。外套も脱いで、出来る限り身軽になって、ダガー片手にシーブズギャンビットを狙うわ。狙うは一点、膝裏。甲冑では守れない箇所だし、体勢を崩せて皆の攻撃の助けになれば幸いね。多少の怪我は覚悟の上、囮になれれば上出来よ。隙があれば遠慮なく狙い、相手の注意を散らせたいわね。


アルル・アークライト
「活路は内側、成程ね?」
仲間のアドバイスを参考にしつつ、
相手の取り巻き達の薄い場所を切り崩して城主に接近!

踏みつけ、蹴りつけ。
そうした攻撃には注意しつつ、足元に潜り込んで攪乱。
隙を見せたら【星剣一閃】!

足の関節、下半身の鎧や装甲の隙間。
そんな風に守りの薄そうな場所を狙って斬りつけてみようかな
大物相手はまず足から奪う…そうでしょ?



「活路は内側、成程ね?」
「とにかく、近付かないことには話にならないわね」
 アルル・アークライトとラムダ・ツァオは、そう見て取っていた。
 巨体の敵でリーチが長い、という以上に、接近することには効果があるようだった。
 兵士の霊達による攻撃は、実体を持って猟兵を襲って来ているが、主である大名の近くへの攻撃はまばらだ。
「主である大名に当たる可能性があるような攻撃はできない……?」
 それが兵士達の霊が城主に忠誠を誓うが故なのか、あるいは恐怖で縛られているが故なのかは、猟兵達にもまだ判断はつかなかったが。

 巨体となり、重量を増してなお、武将の速度はまるで落ちていない。縦横無尽に二刀を振るい、猟兵達と切り結び続けている。
「鎧自体も、見た目以上に硬いようね」
 鎧も猟兵達の攻撃を受けているが、致命的なダメージを中身まで浸透させられていない。どうやら、本来以上の強度を誇っているようだ。
「取り込んだ無機物のせいかしらね」
「でも、人体の構造はそのまま巨大化しているということには変わりないはず!!」
 星剣『スターフレイム』を構えると、アルルは駆けた。
「大物相手は、まず足から奪う……!」
 恒星の炎が星剣に宿った。
 灼熱と閃光を伴う斬撃が、武将の足に深く食い込んだ。
「はあああああッ!!」
 気合の声と共にスターフレイムがひときわ強く輝きを放ち、足装甲の関節部を溶断していく。
『舐めるな!』
 前蹴り。
「ッ! 足癖が悪いわね!」
 蹴り飛ばされる衝撃を、アルルは後方に跳躍することで殺す。その瞬間、ラムダは疾走した。
「オイシイところをいただきといきましょうか!」
 脱ぎ捨てた外套が、空中で火縄銃の弾丸を幾度も受け止め舞い踊る。
 ダガーを片手に、ラムダは武将の背後に回り込むと、アルルの攻撃によって傷つけられた武将の足関節部を狙った。
「硬いけど、一部なら通じる……!!」
 関節部分までも完全に硬化しているわけでは無い。猟兵達の、その見立ては正しかった。
 蹴りを繰り出すために伸びた足の関節に、ダガーの先端がくさびのように突き刺さる。引き戻されようとする足がその動きを遅滞させ、戦国武将の態勢が大きく崩れた。
『おのれ、小娘が……!!』
 一気に詰め寄ろうとした猟兵達に、武将は怒声を放つと地と蹴った。
 バン、と硬いものを叩くような音がして、武者鎧が宙に舞う。
『我が刀にて、貴様らの首をはねてくれよう!!』
 中空から振り下ろされた二刀が地に触れると同時、衝撃の波が戦場へと解き放たれた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

クラウス・ハントハーベン
「先ほどの忍と比べ物にならない風格、なるほどこの鎧武者が親玉ですか。これは本気で挑まないといけませんね・・・」

武者の二つの刀を塞ぐことに専念します。
敵は強大ですが、刀の行動を阻害するという一点に目的を絞れば短時間動きを止め隙を作ることができるはずです。

一つ目の刀(片腕)を再びユーベルコード「die Zwang」を使用し拘束します。今度は忍に比べ敵が強大な為、拘束する対象を片腕に限定することで拘束力を強めます。
二つ目の刀(残りの腕)は操り人形である「ローゼ・ブラウ」に攻撃させて行動を阻害します。

「長くは持ちません!皆さんお早く!」



濛々と立ち込めていた土煙が収まる。
 繰り出された衝撃の波は、しかし戦局を決定づけるには至らなかった。
 クラウス・ハントハーベンの糸が、武将の片腕を空中で縛り上げていたのだ。
 態勢を乱されたことで衝撃の発生は遅れ、猟兵達が防御態勢をとるのは間に合っていた。
「長くは保ちません! 皆さんお早く!!」
 だが、立ち上がった猟兵達は、クラウスの切迫した声と姿に息を呑んだ。
 糸を武将の片腕に集中させ、何重にも巻き付けられることで拘束するクラウス本人だけは、先の衝撃を防御し切れていなかった。
 クラウスの肉体は大きく損壊している。
 それでもまだ武将を拘束し続けていられるのは、彼が人ならぬヤドリガミであるからか。
 拘束しているのと逆の腕の刀を阻むべく飛びかかっていく騎士人形『ローゼ・ブラウ』も傷つき、動きもぎこちない。
「親玉というだけのことはありますね」
 先程の忍とは比べ物にならない。
 まだ、足へのダメージもあって全力を出し切れていないが、力比べでは話にならないだろう。
 だが、それでもクラウスには、拘束を続けねばならない理由があった。
 クラウスは、着地直後から武将が不自然な動きをしようとしていることに気付いていた。
 その腕を、城の壁に伸ばそうとしていたのだ。その理由は──。
「お急ぎを。確定ではありませんが、この方の『外側』は、おそらく『何度でも復元できる』!」
『ッ』
 猟兵達への呼びかけに、武将が気付かれたかと彼を睨みつける。そのことが、クラウスの推察が正しいことと、このオブリビオンの危険性を示していた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ハウロン・ナイトフール
おぉ怖い怖い
計り知れない怨念の塊、面白いじゃあないか
武士達の精神、如何程のモノか見せてくれたまえ
私も手を抜く気は無いのでね

さあ打開と行こうか
乱世斬に巻き込まれないよう、射程距離から離れた場所でコードを発動し、恐怖の幻覚を纏ったランタンを召喚
相手の兵を怯え返させてみようか

先ずは最も怯んだ兵に向かって多数のランタンをぶつけ、直ぐに消失させて士気崩しを狙う
その後は一気に突撃だ
攻め終わったら城主に向けるとしよう

配下一人一人が大切な城主がこれに対して見過ごす訳にはいくまい
怯まないよう鼓舞するだろうから、カンテラ達にも嗤い声を上げて貰おうか
無理なら楽器系のオモチャで聞き辛くしよう
無論、攻撃の手も緩めずにな



「おぉ怖い怖い。計り知れない怨念の塊、面白いじゃあないか」
 ハウロン・ナイトフールは、恐るべきオブリビオンの力におどけてみせた。
「けど、相手の手が割れたのならば、まだ対策のしようもあるってものさ」
 そう言ってハウロンが目を向けたのは、態勢を立て直す猟兵達に銃や弓を向ける兵士達だ。
「さぁ、ゲームを始めよう。私を飽きさせないでくれよ?」
 ハウルオンのユーベルコード『死霊遊戯』の発動と同時、血塗れのジャック・オ・ランタンたちが、現れ、嗤い声をあげながら手近にいた兵士へと殺到する。
 彼らが持つのは、兵士達の恐怖の象徴。
 戦国の世の中で実際に彼らの命を奪った、血塗られた和槍や刀だ。
 最初に襲った兵士の霊が消滅させ、ランタン達は兵士達に一斉に顔を向ける。
 猟兵達は、兵団の霊達が顔色を変えるのを見た。
 元より城主の『恐怖』に縛られていた霊達は、さらなる『恐怖』に耐えかねたように逃げ出していく。
 そして、士気の崩壊は連鎖する。数でいえば百倍にも及ぶような兵士の霊達が、南瓜頭の霊を恐れ我先にと逃げ惑う様は、いっそ滑稽ですらあった。
『何をしている、兵士ども! 我よりも、その南瓜如きを恐れるか!?』
「ランタンよ、嗤ってやれ」
 兵士達を再び恐怖で統率せんとする城主の怒声を、ランタン達の不気味な笑い声とオモチャからの音がかき消す。そして他の猟兵達の攻撃を受ければ、城主も意識を兵士達に向けてばかりもいられない。
 城主の力、その一角を、ハウロンは確実に切り崩しつつあった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アルトリウス・セレスタイト
好きに動かせないほうが良さそうか

目標の攻撃や回避動作に合わせて静止を打ち込んで阻害
自由に動けないと意識させ眼の前の動きに集中できないように
行動直前で止める形にできれば尚良い

此方を狙いに来るなら微かに笑みを見せて挑発
逃げながら静止での嫌がらせ続行
この際には目標が味方勢力に背を向ける格好が理想

乗ってこないなら初期行動指針のまま行動



戦況は優勢に傾きつつある。だが、先ほどクラウスが看破したように、敵は城に触れることでその損傷した外装を修復することができる。足に受けている損傷を回復され、機動力を完全に取り戻されれば、また厄介なことになるだろう。
「好きに動かせないほうが良さそうか」
 アルトリウス・セレスタイトはそう判断すると、クラウスの後を引き継ぐ形で、行動の阻害に打って出た。兵士霊達は駆けまわるジャック・オー・ランタン達によって攪乱されており、飛んで来る銃弾や矢はまばらだ。

「それじゃ……じっとしてろ」
 アルトリウスの声に応えるように、城主の周囲の空間から、不可視の『理の鎖』が現れる。
 鎖は音も気配も伴わずに伸びた。
 伸びた鎖の先端、そこにある原理の楔は、触れた者の意志と世界を切り離す。
 そうして生じるのは、行動しようとする意志と行動の不一致だ。
 一瞬の優位を奪い合う近接戦闘において、それが致命的な差を生むことは言うまでもない。
 刀を振り下ろそうとした瞬間、楔に触れた城主の動きが不自然に乱れ、その隙に猟兵達が攻め立てる。

 混乱する城主へと、アルトリウスは微かに笑みを向けてやった。
『今のは……貴様の仕業か! 何をした!?』
「親切に教えてやるとでも思ったのか?」
 アルトリウスは幾つもの鎖を展開し、彼の言葉に激高する城主の行動を阻害にかかる。
 鎖は他の猟兵にも見えていないのだが、他の者達よりも背が高くなっている城主だけが設置した鎖に触れるようにするのは難しいことではなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

天枷・雪
周囲を兵士に取り囲まれた瞬間、ピルケースより錠剤をつかみ取り、噛み砕く。
【絶対零度の雪の女王】。薬物の投与により、一時的に身体の限界を超える力を制御するユーベルコード。
魂の奥底に眠る大妖狐の力を一部開放する事で、銀色の尻尾が2尾に。
同時に冬の概念を纏った事で、身体から冷気が漏れ始めます。

重視するのは、周囲を凍てつかせ、終わりを与える状態異常力。
真の力の解放と歌の支援を合わせ、味方に放たれる銃弾や弓矢を空中で凍らせ止めるわ。
その勢いで冷気を周囲に。
可能なら雑兵を凍らせ、難しければ動きを鈍らせ味方の援護を。
城主の攻撃に対しては、氷壁を生成し盾に。

護りは任せて。さぁ、恐怖を教えてあげましょう。



次第に攻め手を封じられながらも、城主はなお抵抗を止めることはなかった。
 それは、生者を憎悪し、滅ぼさんとするオブリビオンという存在の性質によるものなのだろう。
「止めるには、完全に倒しきるしかない……」
 そう理解し、天枷・雪は、ピルケースから掴み出した錠剤を噛み砕いた。
 嚥下した薬物が、雪の身体の限界を超えた力を引き出していく。
「私は雪。天の枷たる雪の女王」
 魂の奥底に眠る大妖狐。
 その力の開放と共に、雪は銀色の二尾を持つ姿を現した。
 同時に雪の身体から、真冬をも上回る冷気が溢れ始める。

 雪達に迫っていた銃弾や矢が空中で凍りつき、猟兵達を貫くことなく地に落ちる。
 さらに広がる冷気が、火縄銃の火縄に灯っていた火をかき消せば、霊達からの攻撃は一気に減った。全てのものへ終わりを与える冬の概念は、生者も死者も区別はしない。
『小賢しい真似を!』
 足に力を籠めて一気に囲みを破り、雪へと大刀を振り下ろす城主。
 だが、それを阻むように地表から出現した氷壁が刀を受け止めた。刀は氷壁を砕きながら突き進み、しかし突破することなく途中で止まる。同時に壁を伝って伝わる冷気が、城主の動きを決定的に鈍らせていった。
「護りは任せて。さぁ、恐怖を教えてあげましょう」
 猟兵達に呼びかける雪。
 再びの死という最大の恐怖を前に、城主は確かに怯んだように、猟兵達の目には見えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

エムピースリー・シャローム
真の姿を発現する
本来の出力を取り戻し、電磁シールドを張り巡らせより圧迫感を増した姿となる

さて――まずは挨拶をさせていただきましょう
私はMP3・シャローム
平和をもたらしに参りました

過去よ、静かに過去へ還るおつもりは?

盾を前面に突撃、【盾受け】を行いながら【属性攻撃】で【二回攻撃】をふるう

そんな自分を囮に敵の兵団からの視線を集め火縄銃や弓矢での第一射が終わった直後に後方にエレクトロレギオンを展開、次の矢弾の準備をしている間に逆撃を与え壊滅させる

敵が一体のままであれば自身で視線を遮り、ぶつかり合ったのちに後方の安全圏から一方的に集中砲火を与える

平和をもたらしましょう
歌が自由に歌える世のために


ウィルトス・ユビキタス
敵の親玉が出て来たか。巨大化した辺り強そうだが、ここが正念場だ。この地域を解放するために退く訳には行かねえ。現地人の命が懸かってるんだ。

『スチームエンジン』をガジェットNo1. ルーンガジェットソードに使用だ。
このルーンソードが何故、ガジェットシリーズでありながらガジェット要素が無いのか。
それは蒸気エンジンを搭載することを前提に作られているから。そう、炎と水の精霊属性と蒸気エンジンのシナジーを発揮するためだ!

蒸気エンジンでルーンソード自体に推進力を持たせて一直線に敵へ突っ込むぜ。全身全霊の一突きを食らわせる!


夜桜・雪風
ついに姿を現しましたか。
村を苦しめる悪の根源はここで確実に仕留めさせていただきます。
恐怖での支配なんて私は認めません。

ウィザード・ミサイルで打ち抜かせてもらいます。
あなたが私を攻撃するというのならそれより早く詠唱してみせましょう。
今、私は自分が傷つくことを恐れていません。
たとえ銃で撃たれようと、矢を射られようと倒れる訳にはいかないのです。

最後の踏ん張りどころです。
相手の存在感、プレッシャーが圧倒的なのは流石です。
でも、私たちだって村の人たちの生活や平和を背負っているのです。

この刺すような緊張感…このギリギリの生死を賭けた戦いに私は惹かれてしまう。
全力で詠唱する価値があるというものです。


ルル・ルルエリティ
「させませんよ」
トリニティ・エンハンスの水の魔力で防御力を上げ、かばうと二本の剣による武器受けを駆使し巨大化した戦国武将の攻撃から他の猟兵を守りましょう。

戦国兵団も脅威ですがおそらく敵の主な攻撃は合戦具足により強化、巨大化された体による接近戦でしょう。それならばわたくしの役目は戦国武将の足を止めること。攻撃は他の方へお任せいたします。

もし後衛を攻撃しようとわたくしから意識を外されたならばトリニティエンハンスを炎に切り替え、属性攻撃を活かして合体した城を切り崩し弱体化させましょう…状態異常力強化でよいのでしょうか?

「恐怖で支配された世……そのような楽しくない世界はご免こうむります」


ジロリア・アンブッシュ
まだ戦いは続いてるようですね。
あのような暴虐の将、あの人(亡夫)が見たら「気に入らねぇな」と言う事でしょう。

……ナラバ、潰ス。

敵兵達が切り崩された機に乗じて彼らに声が届く所まで近づき、【群霊応援団(チアリング・レギオン)】を発動。

兵士の霊のうち「敵」である城主に思うところのある者を「かつて敵に虐げられた者達の群霊」として取り込み、城主が行ってきた兵達への酷い扱いや、生前の敗戦の恨みつらみなどを吐露させ、寝返らせる。

「『また』負けて使い捨てられる前に、今ならまだ間に合いますよ?」

どんな城とて、内を守る兵に裏切られれば脆いもの。
暴君が悪逆の報いを受ける姿、「あなた(亡夫)」は楽しんでくれるかしら?


伍島・是清
そろそろ状況に焦る頃合いだろうか
ならば僥倖

「御前もそろそろ終いじゃねェの、身勝手な愚将」
煽る言葉とともに
様子を見計らい、敵の前に立ち
途端、かくりと膝をつく

「絡繰人形の罠を、御前に」

人探し途中で偶然であっただけの城
村が如何なろうが知ったっこちゃねェけどな、目障りなンだよ
…絶望的な表情とか

めんどくせェ圧政も此れで終い
じゃあな、此れで少しは晴れンじゃねェの



エムピースリー・シャロームは、3m近い背丈を持つウォーマシンの彼と比べても、なお大きい城主へと、ゆっくりと話しかけた。
「さて――まずは挨拶をさせていただきましょう。私はMP3・シャローム。平和をもたらしに参った者です」
『平和? フン……ならば我が統治を乱すような真似をしなければ良かったのだ』
 既に敗色濃厚となってなお、猟兵達の攻撃をいなしながら城主はそう嘯く。
「それは──平和とは言えません」
 平和。争いが起きていない状態。
 それはこの城主の苛政を放置したとしても、確かに訪れるものであっただろう。
 だが、そこには争いだけではなく、人の営みもまた存在しない。滅びへ至る道だ。
「過去(オブリビオン)よ、静かに過去へ還るおつもりは?」
『愚問!』
 斬って捨てるように言うと、城主は刀を大きく振るった。刀はランタン達に怖気づいた兵士達を切り捨てる。そして、再び出現する兵士達の霊の姿に、エムピースリーは目を瞠った。
『余計な手間をかけさせおって』
「理解しました。どうやら、平和的な解決は望めないようですね」
 エムピースリーの全身が、真の姿へと変わっていく。世界を調律する音楽を奏で、音響により戦場を制圧するロボット兵。それが、彼だ。
「技術レベルが足りません」
 エムピースリーは全身に展開させた電磁シールドで、兵士達が放つ火縄銃や弓矢を受け止めていた。瞬間、視線を向けることもなく後方に展開された機械兵士達が、現れたばかりの兵士霊達を再び蹴散らしていく。
「平和をもたらしましょう。歌が自由に歌える世のために」
 決断するように、彼は言った。

「暴虐の将と呼ぶにふさわしい方のようですね」
 エムピースリーとのやり取りと城主の振る舞いに、ジロリア・アンブッシュはそっと目を伏せた。単に霊の群れを新たに出現させるだけならば、斬り捨てる必要など無いだろう。彼女は直感していた。あれは単なる憂さ晴らしだ。
「あの人が見たら……『気に入らねぇな』と言ったことでしょう」
 ……ナラバ、潰ス。
 頭の中での『亡夫』の囁きは、ジロリアを突き動かした。彼女は雪の展開した冷気がある間にと、エムピースリーによって切り崩された兵士達の元へ近付き、語りかける。
「あの方に従うままで良いのですか? 私達は、やらねばならぬのです。かつて生きた者、今を生きている者、そしてやがて生まれ来る者の為に……。そして、『また』負けて使い捨てられる前に。今なら、まだ間に合いますよ?」
『嗚呼……』
 これまで意味のある言葉を発していなかった兵士達の一部が、ジロリアの言葉に反応し、嘆きを吐露する。死してなお良いように扱われている兵士達。だが、彼らが抱えた悲しみ、苦しみは、今、恐怖城の周囲で苦しめられている者達と同等、あるいはそれ以上だ。
 その嘆きを、ジロリアはユーベルコードの一部とし、猟兵達を強化する力へと変えていく。
「どんな城とて、内を守る兵に裏切られれば脆いもの。暴君が悪逆の報いを受ける姿、『あなた』は楽しんでくれるかしら?」
 亡夫へと呼びかけるジロリアの前で、猟兵達の攻勢はいよいよ勢いを増しつつあった。

「くっ……!!」
 巨大化した戦国武将の反撃の刃を、ルル・ルルエリティは構えた二本の剣によって受け止めた。
 もはや、戦国兵団は脅威ではなくなっている。
 となれば、後の問題は、巨大化された体躯から繰り出される斬撃だ。
 再び距離を取られ、乱世斬を繰り出されないようにという判断もあり、ルルを含めた猟兵達の多くは城主を間断なく攻め立てている。
「させません……よっ!」
 再び振り下ろされた刀から、ルルは他の猟兵をかばいながら受け止めると、その体の弾力を活かし弾き返す。何重にも束ねた水の魔力で防御力を強化し、ブラックタールの軟らかな体を持ってしても、なお体にダメージが蓄積されているのを感じる。だが、それでも退く理由とはならない。
「恐怖で支配された世……そのような楽しくない世界は御免こうむります」
 この城主のようなオブリビオンがもたらすものが、人々が楽しみを得ることすら出来ない世界であることを、ルルはよく理解していた。
「炎よ……」
 城主の注意が逸れた一瞬のうちに、ルルは精霊力の構成を変化させた。炎の魔力は、状態異常力へと転化され、燃える剣が城主が帯びたその外装を削り取る。
「あ……意外といけるんですね。そういえば先程も……?」
 外装の脚部から機動力を奪ったアルル・アークライトの剣もまた恒星の炎を帯びていた。無機物と合体しているはずだが、火災に弱いサムライエンパイアの建築物の性質を受け継いでしまっているのかも知れない。そしてアルルの時よりも、城主は大きく弱体化していた。
「そうと分かれば!」
 ルルは一気に城主の巨体を削ぎ落としにかかる。

 その時、巨大な城主の体が、弾けるように飛び散った。
 鎧の破片となっていた城の瓦等から傭兵たちが目をかばう中、その内部から飛び出してくるのは、一回り小さな鎧武者……城主の本体だ。
「御前もそろそろ終いじゃねェの、身勝手な愚将」
 煽るような言葉とともに、城主の前に出たのは伍島・是清。
『終わりなどせぬ。過去は消えはせぬ! この場は貴様らに勝利を預けよう。だが、我は再び恐怖をもたらすのだ!!』
「……こいつ」
 これだけやらかしておいて逃げる気か、と是清は一瞬唖然とした。
 この生き汚さはある意味大したものだ。
「村がどうなろうと知ったこっちゃねェけどな。目障りなンだよ……絶望的な表情とかはな」
 追ってくる是清に向け、城主は二刀を振りかざした。
 焦りのままに、再び乱世斬が繰り出されようとする
 それこそが、是清が待ち受けていた瞬間だった。
「絡繰人形の罠を、御前に」
 完全な脱力状態で、是清は城主の刀を、そしてその衝撃を受け止めた。
 次の瞬間、是清の『骸』から、衝撃が上空へとぶちまけられ──それで終わりだ。
 猟兵達は、誰ひとりとして傷ついていない。
「賭けには、勝ったみてェだな?」

「さあ、最後の正念場と行くぞ!!」
 ウィルトス・ユビキタスは、己を奮い立たせるように叫んだ。
 この地域を解放するための最終局面。
 城主は、この上総の地とは地縁的要素が薄い。
 逃がせば他の地で同じような事件を起こすだろう。
 そしてこの場に限っても、城主は城の壁に触れればまたあの巨人の姿に戻る。
 人々の命を救うため、もはや一歩たりとも退く訳には行かなかった。
「ガジェットNo.2、ルーンガジェットソード!」
 ウィルトスが構えるのは、ガジェットにしては機械的要素の薄い、刀身にルーンをあしらい、柄に宝石を嵌め込んだ、炎や水等の精霊属性を宿す魔法剣だ。
「このルーンソードが何故、ガジェットシリーズでありながらガジェット要素が無いのか……それは蒸気エンジンを搭載することを前提に作られているからだ!」
 宣言と共に、取り出した蒸気エンジンをルーンガジェットソードに装着。
 炎と水の精霊属性が蒸気エンジンと組合わさり、その力を爆発的に増大させる。
「止められるもんなら、止めてみな!!」
 蒸気を吹き上げながら、ウィルトスは剣に導かれるようにして一直線に城主へと突っ込んだ。
 全身全霊の一突きが、城主の鎧を突き破る。
「村を苦しめる悪の根源……ここで確実に仕留めさせていただきます」
 上空へとぶちまけられた衝撃にかき乱された大気が、夜桜・雪風の髪を揺らしていた。
 逃がしはしない。その決意と共に、雪風は杖を振るった。
 城主が苦し紛れに呼び出す戦国兵団の数は、城と一体化していた時に比べて随分と少ないものだ。
「半身を削がれたようなものですか。タネが割れてしまえば……というところですね」
 雪風が好む、ギリギリの生死を賭けた戦いの天秤は、既に猟兵達に傾いた。
 刺すような緊張感は、既に薄れつつある。
 だが、そのような時にこそ魔物が潜んでいるものだ。
「この戦いに、決着を。終わらせましょう!」
 一瞬の早業で詠唱を終えると、60本の炎の矢が、雪風の前に出現する。
 飛来する銃弾や矢を焼き尽くしながら、炎の矢は城主へと突き進んだ。
『おのれェェ……!!』
 憎悪の声は、爆発音の中へと消えていった。
「めんどくせェ圧政も、此れで終いだ」
 城主の消滅を見届け、是清が呟く。

 城主の消滅と共に、恐怖城そのものもまた消滅を始めていた。
 城で働かされていた人々、そして奪われた財貨や物資を猟兵達が見つけ出し運び出すのと時を同じくして、恐怖城は冬晴れの朝日を浴びて完全に消えていく。
 そして猟兵達の活躍によってこの地が救われたことは、恐怖城から助け出された人々を通じ、広く伝わっていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2018年12月16日


挿絵イラスト