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羅針盤戦争〜島を守れ!

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #ザンギャバス大帝

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●破壊の衝動
 1つ、小さな島がそこにはあった。そこは豊かで平和で、戦いするのものんびり平和。
 外の海域に出たとして、得られるものは少ないと悟っている島の人々は、ゆっくりと島の中で暮らしていた。

 しかしそんな島に、突然見慣れぬ星が降り注ぐ。
 星というのは名ばかりで、その正体は大きな、大きな人。
 『鮫牙』ザンギャバス大帝が平和な島の中央に落ちてきたのだ。

 辺り一面を壊して、壊して、壊し続けて。
 平和なんてものはぶち壊し、己の気が済むまで力を示す。
 腹が減ったら帰ってしまおう。腹が減っては戦が出来ぬ。

 ―――終わり《腹減り》が来るまで、壊し続けてしまえ。

●無敵の対処
「今回の任務は、『無敵』を相手にしてもらう」
 集められた猟兵達にそう告げるのは木々水・サライ(《白黒人形》[モノクローム・ドール]・f28416)。予知の内容を軽く説明する彼は、少し苦い顔をしている。

 小さな島の中央に落ちてきた『鮫牙』ザンギャバス大帝。何かを嗅ぎつけているのか、それともただ怒りに任せているのか。ともあれ、島の全てを破壊しつくそうとしているのは確かだ。
 しかし問題がある。この『鮫牙』ザンギャバス大帝、なんと無敵の力を保有しており、どんなにダメージを与えようが全て弾かれてしまうという点だ。じゃあどうしようもないじゃないかと、声が上がる。

「だが、対処法がないってわけじゃない。奴は暴れ続けた結果、飢餓状態に陥って撤退していくらしい。アレだよ、某ペロキャン舐めた何でも吸い込む悪魔の無敵時間が効果時間切れるまでみたいな……なんかそんな感じのヤツ」

 例えがあんまりすぎるが、とにかく無敵時間は永遠でも暴れ続けさせて腹を空かせればこちらの勝利とも言えるとのこと。
 手法は何でも良い。島の装備を駆使したり、ユーベルコードの使用で対処を取ったりして時間を稼いだり、相手がただ暴れまわってるだけで何も考えていないことを逆手に取ることも有効手段である、とサライは伝えた。

「すぐに戦場へ送る。割ときつい相手になるかもしれないが、よろしく頼んだ」

 そう伝えると、彼は猟兵達を戦場へ送り出す。


御影イズミ
 閲覧ありがとうございます、御影イズミです。
 見た瞬間に脳内に某ピンクの悪魔がペロキャン食べた後のアレが浮かんだ。
 なんとなく分かる人にはわかってほしい感じのアレ。

●受付日:2/10 8:31~
 MS事情により、受付日指定・プレイングの採用数の制限を設けます。
 受付日前のプレイングは全てお返しします。
 採用は「シナリオの成功数に到達する🔵の確保が確定した時点」で締め切ります。
 また採用が難しいと判断したプレイングはお返し致しますのでご了承ください。

●プレイングボーナス:島の装備やユーベルコードを駆使し、ザンギャバスを消耗させる。
 ザンギャバスはパンチや蛇・獅子・山羊・竜の部位を作っての攻撃をします。
 そのためその対処を取りながら、消耗戦を続けていくという形になります。

 皆様の素敵なプレイング、お待ちしております。
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第1章 冒険 『ザンギャバスに立ち向かえ!』

POW   :    全力の攻撃をぶつけ、敵の注意を引き付けて侵攻を食い止める

SPD   :    防御と回避に徹し、敵に攻撃させ続けて疲弊を誘う

WIZ   :    策を巡らせ、地形や物資を利用した罠に敵を誘い込む

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ
【アドリブ・連係歓迎】POW
ラスボスとして暴食の化身との対決は大事だね?
どっちが真の暴食の化身か勝負だ☆

事前に「肉体改造」を自身に施し、噛み切れない弾力とスタミナを上げておこう!
こっちも頭が割と悪い方なので、ひたすらUC【膨張せし肉肉しい宇宙】で宇宙牛に変身・巨大化!
ぶん殴って、圧し潰して、踏み付ける!!
こっちは傷付いても毒とか受けても変身して回復出来るから問題なし!
食い千切られたりしても膨張していくから大丈夫!
とにかくひたすら巨大化の暴力を振るいまくる!
その場に釘付け出来れば完璧だね♪
島民にはオイラごと砲撃してもらおう♪

勝利の暁には豚肉パーティだよ☆
宗教上の理由がある人はごめんね♪



●無敵VS暴食の化身
「ほっほーう。ラスボスとして、暴食の化身との対決は大事だね?」
 そう呟くのはラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ(ハラペコかわいいコックさん(可食・高栄養・美味)・f31483)。無敵と称され、腹ペコとなるまでは暴れ続けるザンギャバス大帝に果たして彼女はどのような対処を取るのだろうか?
 島へ訪れたラヴィラヴァはビシッ! と大帝に向けて挑発を仕掛ける。それは、ラスボスの座をかけての戦いだと言わんばかりに。
「どっちが真の暴食の化身か勝負だ☆」
 しかし今のままでは普通に殴られて負けてしまう。それを防ぐため、彼女は島へ到達してすぐに己に肉体改造を施し、噛み切れない弾力とスタミナを確保。その後、ユーベルコード『膨張せし肉肉しい宇宙』を発動させて、無限に巨大化する宇宙牛へと変身する。この牛は変身の度に美味しくなり、部位の数が増えて大きくなっていくという大食らいにはちょっとお得な牛だ。なおお値段はついていない。
 頭を使った戦い方というのが不得手なラヴィラヴァにとっては、むしろこのように無限に巨大化して押しつぶすだけの戦法という、誰もが思いつく簡単な戦法の方が戦いやすい。故に、今回は相手も何も考えずに突撃してくるため、気兼ねなく殴り、圧し潰し、踏みつけることが出来るのだ。
「あっ! 島民の方々はオイラごとドンドン撃っちゃってくださいね!」
 島の人々にも協力を得て、大帝からの攻撃をその巨体で受け止めるラヴィラヴァ。どんなに切り裂かれようが、どんなに殴られようが、施しておいた肉体改造のおかげでダメージがゆるくなっている。
「ふしゅぅるるるる……」
 大きく息を吐くザンギャバス大帝は、今一度大きく腕を振り下ろし大地をえぐり取る。衝撃波がラヴィラヴァに襲いかかり、島民達をも吹き飛ばし、外海を大きく揺らす。
「もー! そっちじゃなくてこっち、だよ!!」
 ラヴィラヴァは二撃目のパンチを敢えて前へ出て受け止め、衝撃を柔らかな身体で吸収。周囲への被害を最小限に抑えながら彼女は反撃のカウンターアタックを繰り出し、大帝の体勢が崩れたところへ島民達が一斉砲撃をぶちかます。
 頭が悪いと自称する彼女だが、こと連携力においては頭よりも身体が動くため機転が利く。うまい具合に島民達の砲撃タイミングに合わせ、ザンギャバス大帝との殴り合いを続けたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

片桐・公明
【SPD】
敵の攻撃はUCによる見切りと回避を行う
隙をついて二挺拳銃で銃撃をしたり妖刀で斬撃したりするが
「本当に無敵なのね。」

攻撃は口や口に物を運ぶ手・腕に集中して、食事の妨害に徹する
場合によっては目や耳などの主要な感覚器官も破壊する

攻撃をしつつ、そのリアクションを分析して敵の情報を集める
「全く手ごたえがないわけじゃない。一応有形の生物を斬っている感触はある。」
「痛みは、感じていそうね。」
「一番わかりやすい理由は『どこか違う場所に心臓に類するものを隠している』ってところかしら」

終始真面目に無表情に戦う
(絡み、アドリブ歓迎です。)


クロス・シュバルツ
アドリブ、連携可

倒せずとも攻撃を与えれば多少の消耗はあるはず、とはいえ正面からのソレは分が悪い
なら、俺の得意分野に持ち込みましょう

UCを発動し、周囲を黒い霧で包む。自身は『暗視』で視界を確保しつつ敵の視界を奪いつつ、僅かでも敵の能力を抑える
自身の『殺気』を殺した上で周囲を包む『闇に紛れる』事で限界まで気配を消した上で、『忍び足』『ダッシュ』で『目立たない』ように移動
『暗殺』のように一撃離脱を繰り返し、少しずつダメージを与える事で消耗させる

視界を奪っても、獣じみた直感や偶然で攻撃が来る可能性はある。決して一箇所には留まらず、また少しでも危険を感じたならば攻撃よりも回避、防御を優先



●策略者と暗殺者VS無敵
 銃弾の音が島の中に響き渡る。それらを全て受け入れるザンギャバス大帝は、蛇の部位を作り上げては鞭のように振るって銃弾を放つ者―――片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)の身体を弾き飛ばそうとしていた。
「……本当に、無敵なのね……」
 公明はその動きをユーベルコード『殺人鬼の最適解』によって大帝の最適な殺戮経路を算出し、どのような動きをするかを予測し回避する。1秒にも満たないその一瞬の間にも、彼女はMathem842と臥龍炎による射撃を繰り返していた。
「……忌々しい。忌々しいけど……美しい」
 回避し続ける度に。ザンギャバス大帝の攻撃を計算する度に。頭の中に、彼女の宿敵が一瞬だけ映る。本質が同一なために使用できるこの力は、無敵を押し止めるために振るわれた。

 しかし不意に、周囲が暗く闇に染まる。空を見上げればまだ太陽は上がっており、時間経過的に夜になったことではないことは公明にもよくわかっている。
 やがて太陽さえも飲み込んだ闇は、公明と大帝の居場所さえも黒く染め上げる。一体誰がこのフィールドを展開させたのか? 公明がそれを思考する前に、闇を作り出した人物が現れた。
「―――この『霧』は俺の領域。容易くは超えさせません」
 その言葉と同時に、公明の隣を通り抜けた人物―――クロス・シュバルツ(血と昏闇・f04034)がザンギャバス大帝へ向けて暗殺の一撃を繰り出す。ユーベルコード『禍つ影の領域』による闇は、一瞬でもザンギャバス大帝の足を止めた。
 無敵と言っても多少の消耗はあるはずだと、視界を闇で覆って攻撃を与えやすく、攻撃を回避しやすく。それがクロスの目的だ。

 大きく振り回される攻撃は、闇の中では視界が上手く効かずに適当な大地を抉る。その隙に公明が妖刀で斬りかかるが、大きく刻まれたところで大帝が効いている様子はない。クロスの暗殺の一手も相手が無敵状態であるがゆえに、あまり通っていない様子だ。
「全く手応えがないわけじゃない。一応、有形生物を切っている感触はある……」
「しかし、無敵というのは本当なんでしょうね。近づけば、傷がいつの間にか消えている」
 常にヒットアンドアウェイを繰り返すクロスに、公明は回避と同時に思考を巡らせこれまでの大帝の行動を思い返す。

 ザンギャバス大帝は攻撃を受けた瞬間は僅かに顔をゆがめるが、それも一瞬のうちに元に戻る。痛みを受けつつも、それでも2人を"殺す"という意志のみで突撃している様子だ。
 今は闇の中で公明とクロスの居場所を視界で探ることは不可能なため、作り出した獣達を使って2人に襲いかかっている状態。熱感知を行う蛇、2人の匂いを探る獅子は闇の中であろうとその力を失うこと無く、的確に2人を狙っていた。
 公明は銃の発射による音と光で位置をバレることを避けるために妖刀で切りかかり、クロスは【葬装】黒羽を長剣スタイルと短剣スタイルを切り替えつつ、複数の移動法を利用して切りかかる。が、やはり無敵状態というだけあって、ダメージは一切通っていない様子だ。
「公明さん、何か案はありますか?」
「……1つだけ試したいことがある。でも、かなり危険な方法なのよね」
 表情を変えること無く淡々と告げる公明。その危険な方法とは、闇の中に閉じ込めた状態で各部位を破壊するという手法だ。
 クロスの作り出した闇の霧によって様々な負の恩恵を受けている状態のザンギャバス大帝だが、それらは全て停止しているわけではない。公明は相手の殺気を感じ取りながらユーベルコードによって回避を続け、クロスは己を暗視状態へと転じて辛うじて攻撃を回避しており、相手の活動を停止させなければ危険極まりないのだ。
「だから、潰すのは」
「動物の部位と、耳と口。……といったところでしょうか」
 そうだと頷く公明のもとへ、蛇の一撃が飛びかかった。それを【葬装】黒羽・長剣スタイルで振り払ったクロスは、試して見る価値はあると同意。お互い、持てる技量を尽くしてザンギャバス大帝へと切りかかった。

 目立たぬように、しかし確実な一撃を与えては闇へ紛れるを繰り返す公明とクロス。
 無敵の大帝が崩れ落ちるまで、何度でも、何回でも、その刃を振るい続けた。
 途中で食事を行われようが、新たな竜の首を作り出そうが、関係ない。口も、首も、全て全て切り落とす。
 その大帝は、『無敵』であれど、『無限』ではないのだから!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

久遠寺・遥翔
アドリブ歓迎

無敵ねぇ
だが消耗させればいいって言うならやりようはある

単に無敵なだけでなく凄まじいパワーだ
キャバリアに【騎乗】しているとはいえ真っ向勝負は避ける
気流に飲まれない程度の、島の中の低空を飛び【空中戦】で相手を翻弄する
常に相手の向いている方向に【残像】を残すようにして飛び【第六感】を働かせて【見切り】
【ダッシュ】で相手の死角に回るという行動を繰り返す
同時にUCで射出したソードビットを残像があった方向から射出することで
敵の注意を残像の方に向けさせる
相手は馬鹿だ
このパターンを繰り返しても学習しないだろ
突き立てた剣から【生命力吸収】を行いこちらのエネルギーを回復しつつ
相手の飢えを促進するぜ



●イグニシオンVS無敵
「無敵、ねえ……」
 島に到着した久遠寺・遥翔(焔黒転身フレアライザー/『黒鋼』の騎士・f01190)はキャバリア・イグニシオンのコックピットからそっと呟く。『無敵』とは言え、『無限』ではない相手。消耗さえさせれば相手は勝手に退去してくれるというのだから、いくらでもやりようはあった。
 その手法をどうするか。イグニシオンの機能を調整している間際、遥翔は嫌な気配を感じ、思わず飛び退るようにイグニシオンに命令を下した。
「……危ねぇ……っ!」
 振るわれた拳がイグニシオンの目の前を通り過ぎる。ザンギャバス大帝に敵であり的だと認識されていなかった故に、遥翔は寸前のところで回避することが出来たのだ。
 大帝はイグニシオンを睨みつけると、大きく吠える。同時にその身体から竜の部位が生まれ、イグニシオンに向けて灼熱の炎を吐き出し、逃げ道を閉ざそうとした。
「チッ……!」
 逃げ道が炎で封じられる直前、イグニシオンを島の気流に飲まれない程度の高さへ上昇。常に空中を陣取るように動き、必ず相手の方向を見るようにしながら残像を残す。周囲には無数の残像が生まれたが、ザンギャバス大帝はそれを竜の頭で焼き払い続けた。
 炎を発射する瞬間、イグニシオンを横に滑らせて死角へと回り込み残像を作る。この行為を何度か繰り返していると、イライラした様子の大帝が吠えに吠えた。行動を覚えることは無いとは言え、相手の対処がこうも長く続くとイライラが募るものだ。
「よし、これなら……!」
 怒りに身を任せ始めたザンギャバス大帝に対し、遥翔はユーベルコード『我が身に纏え落陽の剣』を発動。イグニシオンの周囲にソードビットを96本複製すると、それを念力でバラバラに動かして残像があった方向から射出。残像が攻撃しているように見せかけ、大帝の注意を更に残像へと向けさせた。
 遥翔の思惑は予想以上にザンギャバス大帝の頭を狂わせた。複数の人物から飛んでくる刃は焼き払っても壊れないし、焼き払ったと思ったらまた別の相手から攻撃が飛んでくる……まさに、獣には理解出来ない動きが繰り広げられている。そんな相手に、ザンギャバス大帝は腕を、龍の首を、数多の生み出した部位を振るい続けるしかなかった。
 やがて突き立てた剣はその生命力を奪い、イグニシオンへと還元する。同時に大帝の飢えがますます促進していくため、大帝は途中途中で食事を挟むようになり始めたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ビードット・ワイワイ
食うにも暮らすにも困る生態よな
ここまで出鱈目な存在見た事あらぬ

我がオブリビオンマシンは増える
分裂機のアウトレンジキャンセラーを使用し煙幕を出し
更に催眠術をかけ認識を阻害
残像を出し視覚を奪い狙いを定めさせず
生体キャバリアの本能から第六感と見切りで
受け流し脚から衝撃波を出し勢い良く後退
飢餓の呪詛を込めた誘導弾を放ち
付かず離れず徐々に削っていく

半生物故食われそうになったなら全機自爆
我が機体は分離した事による流血しておるが
こちらに向かってくるならば念動力で自機を
吹き飛ばし誘導弾を放ちながら後退する



●増殖VS無敵
「食うにも暮らすにも困る生態。……ここまで出鱈目な存在、見た事あらぬ……」
 ザンギャバス大帝のおぞましい生態に呟くビードット・ワイワイ(絶対唯一メカモササウルス・f02622)。無敵であり、飢餓に陥るまで永遠に暴れ続けるというその生態は、ウォーマシンであるビードットには理解が及ばなかった。
 が、そんな存在でも、島に悪影響を及ぼすモノであることだけははっきりと分かる。故に、彼は潰すのみ。
 ユーベルコード『実行殲滅機構・自機拡殲』を発動させ、自身のキャバリアの肉片を分離させて巨大化。全て同型のオブリビオンマシンへと変貌させてアウトレンジキャンセラーを使用、煙幕を噴出してまずは死角の確保から動いた。
「対応策検索……『自戦力の増強』提案。分裂拡散術式ディフュージョン起動。分離増殖……完了。―――速やかな阻害を実行します」
 無機質なプログラムの声が聞こえたかと思えば、分裂機は全て催眠術を発動。ザンギャバス大帝の脳へと直接揺さぶりをかけた。当然、奇妙な感覚に陥ったザンギャバス大帝はそれを振り払おうと、腕を大きく振り回し続ける。
 お前か、お前か、と。こんな事をした相手を叩きたくて仕方ない子供のように、大帝は腕を振り回してはビードットに攻撃を続ける。が、それらは全て彼が作り出した残像であり、ダメージを受けること無くビードットはザンギャバス大帝の死角へと回り込み続けていた。分裂機達の催眠術効果により、残像全てがビードットの本体と揺さぶっているため大帝はそれが本物だと信じてやまないようだ。
 本能から振りかざされる腕を受け流し、その衝撃を用いて勢いをつけて後退して距離を取るビードット。多少なりともダメージは受けるが、彼は気にせず飢餓の呪詛を込めた誘導弾を放ち、再び死角を取りながら付かず離れずの距離をとった。
「む……っ!?」
 直後、砲弾が発射された位置を割り出した獅子の牙がビードットへ襲いかかる。危うく喰われそうになるが、分裂機を合間に差し込み自爆。その衝撃で再びビードットは距離を取り、ついでに連鎖爆発の海を作り出した。
 彼自身、分離したことで肉体を損傷してはいるが、その匂いや痕跡さえも全て連鎖爆発の海へと放り込み、文字通り"跡形もなく"消し去る。これで、ビードットという本体を数多の残像の中から見つけるのは難しくなることだろう。
「まだ、終わりではないだろう?」
 そう呟くビードットは、何度も増殖を続けていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

波山・ヒクイ
なるほど時間稼ぎ。うむ、間違いなくわっちの十八番!
そこまでよ、そこの馬鹿でかいギャンバス…バンギラス…くん?
まあどっちでもいいか。さあわっちが相手してやる、かかってきな!

と、堂々と正面からやって来たわっち、しかし当然無敵に敵う訳もなく撃破…
されたのは浜辺の砂でできたわっちでした。
残念そっちは元ガレキわっち!
車わっち遊具わっちアイアンわっちハイハイハイみんなハズレ!
数百…いや、もっと沢山のわっちがおもてなしじゃよ
「「「「「「わっちを捕まえにいらっしゃーい♪」」」」」」」

…と、頭に血が上るよう煽りつつ、本物のわっちはお空に退避です。
おお怖い怖い。アイツの頭がよかったら逆に命がけじゃったわコレ…


尖晶・十紀
防衛戦か……十紀の得意な奴だ……

UCで翼を生やして飛行しながら応戦

仲間は【かばい】攻撃はUCによって強化された【激痛耐性】で耐えつつの【カウンター】と【ダッシュ】で【挑発】して引き付け【野生の勘】でかわす事で対応
主な役目はタンク
自身にヘイトを集める守りの戦いを徹底

攻撃が十紀に集中するならその分他の皆が休めるしね……
この通りしぶとさには自信があるしダメージへの耐性も高いから大丈夫

さあ、お前と十紀、どっちが先に力尽きるかの、スタミナ勝負だ……!



●増える・飛ぶVS無敵
「なるほど時間稼ぎ。うむ、間違いなくわっちの十八番!」
「防衛戦か……十紀の得意な奴だ……」
 自分の得意分野に鼻高々な波山・ヒクイ(ごく普通のキマイラ・f26985)と尖晶・十紀(クリムゾン・ファイアリービート・f24470)。お互い、使う力は違えど、得意分野を生かしての防衛戦に挑もうとザンギャバス大帝のいる島へと到達していた。
「あ、十紀ちゃん、わっちちょっと準備があるから先にお願いしても良いかのう?」
「ん……いいよ。準備が終わったら、教えてね」
 ヒクイはそのまま十紀と別れ、ザンギャバス大帝のいる方向とはまた別の方向へと向かう。この彼女の別行動が後に、あんなことになるとはこの時の十紀には全く想像がつかないものだった……。

「……見つけた」
 十紀はユーベルコード『灼血【変異】:カグツチ』を用いてその背の骨を燃え盛る竜の翼に変異させ、空を飛んでいた。乱気流の吹きすさぶ外へ出ないように、大きな音が鳴り響く方向へと向かえば、そこにいたのは目標であるザンギャバス大帝。怒りと己の欲に任せながら振るっている拳は、木々を全てなぎ倒していた。
 空を飛ぶ十紀の気配に気づいたのか、ザンギャバス大帝は竜の部位を用いて彼女を引きずり降ろそうとする。少しでも目につく邪魔なものは、地面に叩きつけてしまおうと。
「掴めるものなら、掴んでみるといいさ。……この速度を掴めるかどうか、だけどね」
 伸ばされた竜の部位を野生の勘で躱し、素早くダッシュ。挑発を交えながら、ザンギャバス大帝の足をぐるぐると回転させる。円運動を用いて逃げることで、視界をより揺らがせることが出来るからだ。
 しかしそんな中、十紀の目に地上を走るヒクイが写った。何かの準備をすると言っていた彼女だが、果たして何をしているのか。流石に空からでは木々が邪魔をして僅かにしか見えなかったのだが、ヒクイが着実に準備を済ませていることだけはわかっていた。
 だからこそ、十紀の目に写っているヒクイはザンギャバス大帝が腕を伸ばし近づいている事に気づいていなかった。
(ヒクイ……!?)
 十紀が思わずヒクイをかばおうとしたその瞬間、別の方向からヒクイの声が聞こえてきた。目の前にヒクイがいるにも関わらず、だ。
「お~い、こっちじゃこっち。お前さん、わっちのこと見えておらんのかの~?」
 ぴょんぴょんと飛び跳ねるヒクイ。ザンギャバス大帝も最初は、手を伸ばした方向とヒクイを見比べて……声をかけてきたヒクイへと飛びかかった。当然避けることも防御することもしなかったヒクイは、そのまま倒れる。
「ヒクイッ!?」
 倒されたヒクイに駆け寄った十紀だったが、そこにいた―――否、"あった"のは浜辺の砂。ザラザラと崩れた、ただの砂が残されていた。
「ふっふっふ、残念じゃったのう。わっちはこっちじゃぞ~?」
 再びヒクイの声が聞こえる。ザンギャバス大帝は声の聞こえた方角へ再び腕を振り回せば、吹き飛ぶヒクイの姿。さっきまでいたヒクイとは全く変わらぬ姿が吹き飛んでいたのだ。
「……??」
 一体どういうことなのか? それを考える前に、十紀の腕を誰かが掴む。
 びっくりして振り返ってみれば、そこにいたのはヒクイの姿。しーっ、と指を立て、ふよふよと宙を浮いて島を見下ろせる場所へと2人で向かう。

「ふしゅぅるるるる……!!」
 ザンギャバス大帝の息が荒くなる。目の前にいる者を倒せども倒せども、別の場所から現れてしまう。摩訶不思議なその光景には、ただただ怒りしか覚えられない。
 全てはヒクイのユーベルコード『秘術・わっちだらけの世界』が発動している故だ。ヒクイの半径83m範囲内にある無機物をヒクイの分身に変換して操作する力であり、十紀にしばらくを任せていたのはこの力を発動させるためだったからだ。
 無論、無機物全てを操るということはかなりの労力が必要。そのためヒクイはある程度の無機物を分身に変換した後は、十紀の後ろに隠れるように空を舞うことにしたのだ。
「いやぁ、わっちがたくさんいたとしても、本物をあの中に紛らわすわけにはいかんのでなぁ」
「確かに……。じゃあ、十紀がヒクイを守るよ。何があっても、ヒクイには傷つけさせない」
「うんうん、お言葉に甘えて守られてしまおうかのう。あ、飛んできた無機物も全部わっちに変換するので、取れそうなのあったら捕まえてね」
「わかった。ヒクイは後ろにいてね?」
 何があってもヒクイを守ると誓った十紀。ザンギャバス大帝の目線が空に向いていないのが功を奏しており、飛んでくる木材や岩を払いつつ、持久戦へと持ち込んだ。
 ヒクイの分身体を連続して作って地上へ下ろし、十紀が素早くヒクイ本人をザンギャバス大帝の視界から外す。無駄のない動きは、頭の回らないザンギャバス大帝に気づかれることはなかった。


●そうして空腹《終わり》は訪れる。
 拳でガンガン、竜の首がぶんぶん、獅子の頭がぶおんぶおん、蛇の頭がひゅんひゅん、山羊の部位がゴンッ。
 猟兵達の攻撃で四方八方を攻撃し続けたザンギャバス大帝は、やがてその動きを緩やかに止める。
 無敵状態といえど、腹が空けば動きも止まる。なにか食べなきゃやってられん。

 どっかに飯はないかと島から消滅したザンギャバス大帝。
 おかげで島はだいぶ抉られたけれど、平和を取り戻す。

 しかし、まだまだ戦争が終わったわけではない。
 戦いはこれからなのである……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年02月11日


挿絵イラスト