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銀河帝国攻略戦④~機械恐竜テロリズム

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「みなさま、お集まりいただきありがとうございます」
 ライラ・カフラマーンは居並ぶ猟兵たちに深々と頭を下げる。
「みなさまにおきましては先の大戦『ヘロドトスの戦い』をご存じかと思われます。

 ヘロドトスの戦い。
 ミディア・スターゲイザーが乗る宇宙船を銀河帝国から救出すべく、猟兵たちが結集して繰り広げた激戦である。
 その甲斐あってミディアは救出、帝国が狙っていた理由はミディアがもつワープドライブにあったのだ。

「そのワープドライブさえあれば、宇宙船はワープ機能を持つことが出来ます。距離など無意味になるのです。これを利用し、ミディアは『解放軍』を立ち上げて総力を結集し、銀河帝国を打倒しようと計画しました。無論、我々も賛同してのことです」
 呼びかけに応じ、銀河帝国に反感を持つ者、抵抗してきた者たちが次々と結集し始めようとしているのだった。
 しかし、とライラは続ける。
「銀河帝国ももちろん黙ってみている訳ではありません、配下をさしむけ、彼らが結集する前に叩こうと考えたのです」

 ライラが杖を振ると幻の霧が一対の化け物を形どる。
 デスモ・ブラキオス。
 帝国の恐竜兵器が、とある宇宙船のコアを破壊しようと起動したのだ。
「すでにブラキオスは宇宙船内で起動し、コアに向かって動き始めています。その威力さえあればコアごと宇宙船を破壊するのはたやすいでしょう」
 だが、ミディアの持つワープドライブはそのコアが無いと意味をなさないらしいのだ。

「今回みなさまに依頼するのはコアの護衛、デスモ・ブラキオスの破壊になります。船内の安全が確認できれば、同行するミディアさんによってワープドライブを装着、一気に合流地点へと移動することができます。時間がありませんので、直接私がその宇宙船への転送を開きます」
 ライラによって転送ゲートが開く。
 向かう先は宇宙船、コアに向かうデスモ・ブラキオスの阻止だ。
 ライラは、ゲートを固定しながら猟兵たちに声をかけた。
「みなさま、どうかよろしくお願いします」


妄想筆
 こんにちは、妄想筆です。
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 猟兵たちは宇宙船内へと跳び、デスモ・ブラキオスと戦うことになります。
 同行するミディアには戦闘力はありませんので、猟兵たちで撃破することになります。
 終わればワープドライブを装着、無事ワープとなります。
 皆さまの機械恐竜との戦い。プレイングをかっこよくリプレイにできるよう頑張ります。
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第1章 ボス戦 『デスモ・ブラキオス』

POW   :    CODE:Dino
【恐竜の本能 】に覚醒して【広域殲滅モード】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    CODE:Raptor
【体から生み出した無数の小型恐竜メカ 】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    CODE:Venom
【未知のバイオウイルス 】が命中した対象を爆破し、更に互いを【ダメージを共有する状態】で繋ぐ。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナハト・ダァトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 宇宙船内倉庫。
 その数あるコンテナの中の一つ。
 工作員によって運ばれていたコンテナが、今作戦を実行に移そうとしていた。
 ――ピピ、ピピピ、キュイーーーーン。
「リョウカイ、サクセン、ジッコウ、シマス」
 コンテナに積まれていた機械工作物は、元あるべき姿へと変身を遂げはじめる。
「ハカイ、ハカイ、コア、ハカイ、ギンガコウテイ、バンザイ」
  
「おい、何か聞こえなかった?」
「ああ、確かに聞こえたな」
 船内を巡回していた見張り兵が立ち止まる。
 異音。
 なにかが動いてる音。
 それもモーターが駆動しているかのような機械音。
「倉庫からだ、行ってみようぜ」
 倉庫へ続くゲートへと移動し、扉ゲートを開示する。
 すると、見張り兵が見た物は、機械で作られた恐竜であった。
 しかもソイツは動いている。
「ハカイ、ハカイ、コア、ハカイ」
「なっ、コイツ、コアを破壊しようとしてんのか!?」
 そうはさせじと、見張り兵が腰に装着していた銃で応戦する。
 しかし護身用如きでは恐竜に歯が立たない。
「テキタイコウドウ、カクニン、ハイジョ、シマス」
 巨大生物は見張り兵にむかって突進する。
 数秒後、見張り兵であったものが倉庫内に屍をさらしていた。

「ハカイ、ハカイ、コア、ハカイ、ギンガコウテイ、バンザイ」
 恐竜、デスモ・ブラキオスは始動し、作戦を実行に移そうとしていたのであった。
水島・可奈
おっとそれ以上はいかせないよ? コアは壊させない。

クラッキングしてもいいけど、相手もでかいし、ここはルクス・ブレイカーで一気に仕留める!

遮蔽物に隠れながら空砲で注意を向けさせ、もうこれ以上隠れられないところに来たらルクス・ブレイカー!
光だし、目くらましにもなると思う!

他の猟兵さんたちが来たら後は任せる。一撃で倒せない可能性大だから。
それでも【時間稼ぎ】はして、救援が来たら後ろから反射銃撃でちまちまと攻撃するよ。

※アドリブ、連携歓迎です


勘解由小路・津雲
こいつは、あまり近づかない方が得策というものだな。距離を取って戦うことにしよう。

■戦闘 ユーベルコード【歳殺神招来】を使用、歳殺神の加護を受けた古代の戦士の霊を召喚、それを前衛に戦う。本体は「霊符」から【衝撃波】を放って牽制、戦士の霊をサポートしながら戦う。あるいはほかに接近して戦う猟兵がいれば、戦士の霊で注意を引くなどしてサポートする。

■心情 普段相手をしている魑魅魍魎や邪神のたぐいとは勝手が違うな。世界存亡の危機と聞いて駆け付けたものの、他の猟兵の足を引っ張らぬようにせねば……。


チャド・アランデル
【心情】
既に犠牲者が出ちゃったみたいだね。
流石にこれは許せないかなー。
コアを破壊させる訳にもいかないし、何としてでも止めてみせるよー!

【行動】
攻撃は【ガチキマイラ】を使用。
立ち回りは攻撃を避けながらガチキマイラでの回復という戦い方です。
戦闘は野生の勘1、逃げ足1の技能を活用して回避します。
立ち位置としては遊撃の位置で、隙を見つけての攻撃や増えた敵の排除、狙われている人のサポートを目指します。

【その他】
「戦争で犠牲が出るのは分かってる。けど、僕の目の前ではなるべく出したくないよねー。」(戦闘開始時)
「君は美味しく無さそうだよね。それでも今はイタダキマース!」(ガチキマイラ時)
(アドリブ等歓迎)



 デスモ・ブラキオスが、その巨体を動かし倉庫から船内通路へと移動を開始しはじめた。

 パァン。

 銃撃音。デスモ・ブラキオスの動きが止まった。
「――ケイカイ。サクテキ、ジッコウ、シマス」
 ブラキオスはその場に立ち止まり、索敵サーチを実行する。
(……よし! 喰らいついてくれた!)
 水島・可奈は倉庫内のコンテナの影に隠れ、音をたてないように息をひそめる。

 本来、依頼であれば猟兵は集団で行動するのが基本だ。
 しかし今回は突発的なテロ行為。
 呼びかけに応じた猟兵たちの足並みが揃えなかったのも仕方のない面がある。
 ならば、と可奈は味方戦力が集合するまでの時間稼ぎに手を挙げたのだった。

(ここから覗いてみてもわかる、おおきい奴だね……)
 コンテナから顔を出し、空砲をもう一発、上にむけて撃つ。

 パァン。
 銃撃音。ブラキオスが首を傾け、音の発生源へと動き始める。
 船内通路にではなく、倉庫内の奥へと。

 ズシン、ズシン、と巨竜の動きが隠れても振動でわかる。
 無論、可奈もこのままかくれんぼをするつもりはない。
 自分の大技を放つ。その準備のため武器をかまえた。
 そしてタイミングを計ろうとしていた矢先、倉庫内に別の音が聞こえた。

 勘解由小路・津雲とチャド・アランデルが倉庫へとたどり着いた時、ブラキオスは船内へと出でずに倉庫内へと、とどまっていた。
「助かった。つく前から騒動が起こってはたまらんからな」
「でも、既に犠牲者が出ちゃったみたいだね」
 チャドが顔をしかめる。目の先には死体となった見張り兵。
 彼にも人生があったのでろう。それを思うと悲しくなる。
「戦争で犠牲が出るのは分かってる。けど、僕の目の前ではなるべく出したくないよねー。」
 そしてその原因を作った存在を許せず、ブラキオスへと突っ込んでいく。
 その言葉に津雲は頷き、式神を召喚する。
 相手は巨大だ。式神が戦いつつ己は遠くから戦う。
 それが一番だろう。津雲も式神を巨竜へと向かわせた。

 ガキィンッ!

 式神の槍がブラキオスの装甲に阻まれる。
 硬い。もとより楽に倒せるとは思っていない。
 式神が背を見せているブラキオスに次々と炎の槍を突きたてる。
 その攻撃に、索敵を行っていたブラキオスが反応した。
「テキタイコウドウ、カクニン、ハイジョ、シマス」
 巨大な尻尾を横薙ぎに払う。
 その行動を遠くから見ていた津雲が、霊符を式神に撃つ。
 衝撃波が追い風となって、式神は羽根が生えたかのように飛び上がり、攻撃範囲から遠のいた。
 ブラキオスはその身をむきなおり、式神を認識する。
「テキタイシャ、カクニン、ハイジョ、シマス」
「よし、式神に注意が向いたな」
 向き直ったブラキオスの死角から、今度はチャドが攻撃を開始する。
「君は美味しく無さそうだよね。それでも今はイタダキマース!」

 ガキィンッ!

「うわ、硬ぁ~」
 腕をライオンへと変形させ、咬みつくが歯が立たない。
 だが、倒せませんでしたと逃げる彼ではない。
 距離を取り、間合いをはかりつつ、ヒット&ウェイでブラキオスに攻撃を与えていく。
 ブラキオスはちょこまかと動くチャオにむかって鎌首をもたげ、攻撃しようとする。
 それを脱兎のごとくかわすと、またその隙に死角から式神が攻撃を加える。
 式神の方へ矛先が向いたら今度はチャドが、そしてチャドに行き先が向いたら今度は式神が。
 津雲とチャドは、ブラキオスを倉庫内に留めることに成功していた。

 そんな二人の視界に、何者かが目に入った。
 可奈だ。
 可奈がコンテナから身を乗り出して、自分を知らせようとしている。
 加奈は自分の銃、続けてブラキオスを指している。
 おそらくサポートするという事だろう。
 有り難い。連携できるならもちろん協力しよう。
 津雲は頷き、チャドに加奈の存在を教えるべく指を示す。
 チャドも理解したと言わんばかりに頷き、ブラキオスから距離を取った。
 そして式神とチャドでつかず離れずの距離を維持し、ブラキオスの注意を惹く。

(よしっ、気づいてくれた)
 味方が来てくれたおかげで、大技が狙いやすくなった。
 加奈は愛銃パープルフォースを両手で握りしめ、機をうかがう。
 加奈の場所からはブラキオスは背中をむけている。
 奇襲には絶好の機会だ。
 加奈の位置から頭部が露わになったとき、彼女はコンテナから飛び出した。
「ルクス・ブレイカー!」
 強力な光の帯が、ブラキオスの頭部へと放たれたのだった。
 それはカーテンとなってブラキオスの視界を防ぐ。
 その光線を合図に、津雲とチャドも行動に移した。
「いくぞ!」
「了解~」
 式神が走りながら槍を床に突き立て、棒高跳びの要領で飛び上がる。
 つづいてチャドも、その場に残った槍を預かり、同じように棒高跳びの要領で飛び上がった。
 その二つの背に向かって津雲は衝撃波を放った。
 式神とチャドがさらに高く上がる。
 光で周りが見えていないブラキオスの、首筋へと。

 ザシュッ! バグンッ!
「キョアアアァァァァーーーーーッッ!」

 槍は装甲の継ぎ目へと見事突き刺さり、そしてチャドのライオンアームも関節の節目へと喰いこんでいる。
 さしもの巨竜も悲鳴をあげた。
 激しく首を振り回し、その弾みで式神とチャドは振り落とされる。
 ブラキオスの双眸が赤く染まった。
 ルクス・ブレイカーをうけたあたりから煙が出ている。
「ケイカイ、ケイカイ、セントウモード、レベルジョウショウ、シマス」
「あらら、怒っちゃった? でも駄目だよ」
 普段通りと変わらず、チャドは間合いをはかりながらヒット&ウエイを続ける。
 そんなチャドを援護するかのように、津島は式神と符撃で攻撃を与えていく。
 そして加奈も隠れることは止め、銃撃でブラキオスにダメージを加える。
 少しずつ、だが確実に。着実にダメージを重ねていく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

テリブル・カトラリー
本来ならば、私も帝国側の兵として支援する立場なのだろうな、
だが、帝国が滅んだ今、残骸を支援せよという命令はうけていない。
私は私の為に、猟兵として戦うとしよう。

遠距離から銃撃、砲撃による一斉発射、範囲攻撃を行い、
小型メカ等を破壊しながら時間を稼ぐ。
その間に見えない爆弾達を操縦し進ませブラキオスへ張り付かせる。

全体に行き渡った所で波状爆破、敵を揺さぶった所に、
腕を大型ドリルに換装、ダッシュ、ブーストでジャンプし
胸部に向かって突貫、勢いと怪力でドリルをねじ込む二回攻撃で
敵の身体を抉りながら後方へと後退させる。


敷島・初瀬
「戦争の時は真面目に仕事するであります」
ロケラン担いでボスの前に立ちはだかるであります。


【SPD】
「これで決めるであります」

ロケットランチャー、『範囲攻撃』で湧き出る小型恐竜メカをまとめて吹き飛ばし障害を排除し、
その後距離を詰め【零距離射撃】で至近距離からロケランを叩きこんで大打撃を狙うであります、
こっちも爆風やらでダメージ追うのは覚悟のうえであります。

「まだ動けるから問題ないであります」


ソアル・セレム
今回は私、セレムの方がメインで動くわ。

エレクトロレギオンを展開、うち半数程に敵が吐き出す小型メカを潰させつつ、残り半数を敵本体に攻撃させるわ。
装甲の隙間や関節の繋ぎ目とかの、比較的守りが弱そうなところを優先的に狙わせるわね。
その間、私自身は敵の動きを観察。ユーベルコードの発動予兆があれば距離を取ったり遮蔽に隠れたりして回避を試み、ダメージが蓄積していってるようなら損傷部位へ狙いを集中し更に攻撃。
可能なら、レギオンを体内に潜り込ませて、動力中枢とかのより致命的箇所への攻撃を狙ってみる。



 ブラキオスの腹部が開いた。
 内部から次々と小型の恐竜のような機械が現れ、展開していく。
 それは続々と出現しブラキオスを守ろうと、倉庫内を埋め尽くさんばかりに広がっていく。
 どうやらダメージを受けて、むこうも本気を出してきたようだ。
 巨竜と小竜群は密集し、進軍を開始し始める。
 その軍勢に、爆風が襲いかかった。

 敷島・初瀬がロケットランチャーを次々と放つ。
 弾を込める隙をテリブル・カトラリーが銃撃でカバーする。
「ブラキオスが動くわ、押さえて」
 その二人に、ソアル・セレムが目となってサポートする。
 三人の連携に、巨竜たちは倉庫内から抜け出せずにいた。
 今の段階では初瀬が攻撃のメインだ。
 テリブルとセレムにはまだやることがある。

 初瀬がまるで旗印のように前に立ち、群衆にむかって砲撃している。
 戦争で士気は重要だ。そして恐怖は伝染し兵士に恐慌をもたらす。
 初瀬の行動は危なかしくもあるが頼もしい。
「本来なら、私は帝国側の兵として破壊工作に参加しなければならないのだろうな」
 テリブルは一人、呟いた。
 テリブルがかつて籍を置いていた銀河帝国は滅んだ。
 今、目の前にあるのはただの残骸。感傷に浸っている暇なぞ今は無い。
 過去と決別すべく、テリブルはボムトラップを展開させ、ブラキオスの死角から破壊工作を開始しようとしていた。

 一方、セレムもエレクトロレギオンを展開していた。テリブルと連携し爆破させた損傷個所からレギオンを侵入させ、内部から破壊しようと考えていたのだ。
 レギオンを分け半数は小竜群へ、そして半数は巨竜へ必殺の攻撃を加えるために温存する。
 レギオンが抑えきれなかった箇所に、ロケットランチャーとアームドフォートが頼もしい花火を次々と開かせていく。
 だがいかんせん数が多い。
 突破されないではいるが、生み出している巨竜の道は小竜たちに防がれている。
 喉元に食らいつく何かが必要だった。
 
 ならば――
「これで決めるであります!」
 初瀬が歩を進めた。
 小竜が足元に生い茂る、巨竜の元へと。
「とっかーーーーん!」
「……なに?」
「……え?」

 次々とロケットランチャーを放ちながら、初瀬は敵陣へ突っ込んでいった。
 テリブルとセレムが動揺する。
 援護してやりたいが、ああも敵に張りつかれては初瀬も巻き込んでしまう。
 遠巻きにその外周の敵群を削っていくしかない。
 そのうちに初瀬の姿が群衆の海へと沈んでしまった。
 テリブルとセレムが予定を変更し、初瀬を救出しようと考えた時、爆風が起こった。
 それはちょうど初瀬がいた辺り。
 ぽっかりと空いた円の中心に初瀬がいた。
 いや、ソレは初瀬ではない。
 戦場の亡霊、初瀬が瀕死になると現れるリア充の死神であった。
「ゲッサム! ゲッサムベイベー! 動く奴はリア充であります! 動かないのは訓練されたリア充であります!」
 次々と砲撃を続け、亡霊は小竜に咬みつかれるのも構わず歩を進め、ついに巨竜の足元までたどり着いた。
 もはや照準を合わせる必要も無い。
「what's your name, scumbag?」
 亡霊は挨拶代わりに、至近距離から砲撃をブラキオスにお見舞いしてやったのだ。

「……でかした」
 一部計画に乱れが生じたが、予定通りだ。
 空いた道に沿って小型ロボ爆弾を侵入させる。
 他の者には見えないが、テリブルにはしっかりと工作ロボたちがブラキオスに張りつけたのが確認できた。
「消えろ」
 『スイッチ』を起動させ、巨竜が激しい爆発に巻き込まれた。
 巨竜がその威力に身を震わせる。
 爆発群に護衛の小竜たちも巻き込まれ、火花を起こす。
 その機を逃さずに、テリブルはダッシュする。
 右腕をドリルに換装し、起動する。
 キュィィィィィィ。
 その高速回転と合わせるかのようにブーストし、テリブルはジャンプした。
 がら空きになっている胸部へ、その一撃を叩きつける。
 ギュルルウィィィ!
 先ほどの爆風で脆くなった装甲を貫通し、ドリルが配線をぶち破って内部がスパークを起こす。

「キョアアアァァァァーーーーーッッ!」

 テリブルを探しているのか、それとも『激痛』を感じているのか、ブラキオスは身を悶えさせ、激しく首をふる。
 テリブルはドリルを杭のように喰いこませ、振り落とされないように踏ん張る。
 そして喰いこんだドリルをさらに回転させた。
 キュィィィィィィ!
 喰いこませたドリルが支点となり、テリブルの身体が独楽のように回転する。
 その回転を利用して、テリブルは腕を抜くと同時に跳んだ。
 そして巨竜の眼前へと到達する。
 テリブルは、恐竜の顔面へと再びドリルの一撃を叩きつける。
 ドリルはやすやすとブラキオスの左眼を貫通し、爆発が起こった。
 巨竜はその身を後退させ、地に倒れたのだった。

 セレムはブラキオスを横目で追いつつ、初瀬を介抱していた。
 遮蔽に隠れ距離を取っている。
 ここからなら攻撃を受けることもないだろう。
「無茶するわね」
「なんの、まだ動けるから問題ないであります」
 感情のままに行動する人物は、やはり傍にいてやらないと駄目だ。
 つくづく、ソアルではなく自分が作戦に参加していて良かったと、セレムは初瀬を見て感慨深げに思った。
 ともあれ、仲間のおかげでチャンスは出来た。
 初瀬が道を作り、テリブルが一撃を加え、そしてブラキオスは倒れている。
 この好機を逃す理由もない。
 セレムはレギオンたちをブラキオスへと、その内部へとむかわせる。
 さいわい爆風によって装甲はあちこち剥げている。
 内部に侵入させることはたやすい。
 侵入させたレギオン達が機械配線や基盤を次々と破壊していく。
 小さな火花がブラキオスからあちこち上り、その衝撃で装甲もボロボロ剥がれていく。
「無様ね」
 中枢を狙いたいところだが、いかんせん構造がわからない。
 セレムは手当たりしだいに破壊することにし、レギオン達を暴れさせたのだった。

「キョアアア、キョアアアァァァァーーーーーッッ!」

 ブラキオスが咆哮をあげる。
 それは威嚇ではなく、悲鳴。
 その場にいる誰もが、ブラキオスに大ダメージを与えることが出来たのを確信していた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

新納・景久
オブリビオンの進路上、静かに座して待つ
予め火縄銃を複製、物陰などに隠しておく
「おう、来っが。コアルームちいうんはこん先じゃ。通りたかば通れ。じゃっどん……」
一斉に銃を出現させ、腹部の開いた部分を狙う
「タダじゃ通さんど! 薩摩鉄砲隊、撃てェッ!!」
集中射撃を見舞う
その後鬼棍棒に持ち替え、頭部目がけて振り下ろす
「破壊破壊ち、そげん破壊が好っなあば、俺が破壊しもんそ!!」
小型メカを潰すことは考えない
近くにいたら蹴飛ばす
狙うは大将首ただ一つ
「首寄越せ、なぁ、首寄越さんかッ!!」


犬憑・転助
【御代・燕三(f06444)】と参加

俺のユーベルコードは超嗅覚、キナ臭さだってかぎ分けるぜ

敵の奇襲や発見は超嗅覚で感知し、仲間に知らせる
恐竜の気配(匂い)を知らせる

戦闘時は二刀流

雑魚が増えて一斉に攻めてきた時は<殺気>を解き放って一瞬でも足止めして機を作る
カラクリどもも殺気を理解するか?(にやり)

俺はキナ臭い場所が解るのよ、来ると思ったぜ(かばったり避けたり敵の弱点ついたり)

戦いが膠着したら、頭脳派な旅団の仲間の指示に従う。またはやろうとしてる作戦をフォローする
(コロ助が傷だらけは望むところです。苦労人ポジション希望)

サムライに斬れないものは、ないんだぜ?

アドリブ歓迎、他PCと絡み希望


御代・燕三
【犬憑・転助(f06830)】と参加
コアの護衛ですか。積極的に動かない方が良さそうな戦いでわたしは安心しましたね。しかし、彼が留まって戦ってくれるとは……思えないのですよ。
「UC:算術式:献身の章」と[高速詠唱]を多用。良いですか、勝手に行動してはいけませんよ。基本的に2人で行動を共にして、コロ助の嗅覚が何かを見つけたら、止めようとしつつ追いかける。
わたしはただ働きはしない主義なのですがね。転助をUCを使用して回復します。
戦いが激化していくようであれば疲労を意識せずに複数の猟兵、兵士たちも含めてUCを使用します。わたし1人の疲労で戦いに勝利できるのなら安いものです!
他猟兵との絡み、アレンジOK



 倒れたブラキオスが体中から火花を上げている。
 やがてその隻眼の眼から赤光がうっすらと消えていく。
 撃破した。
 のではなかった。
 ――ピピ、ピピピ、キュイーーーーン。
「テイコク、バンザイ、ギンガコウテイ、バンザイ」
 再びブラキオスが起き上がる。
 その身をさらに凶悪な武器へと変貌し、帝国に忠義を果たそうと。
「センメツモード、イコウ、ミカタ、タイヒ、ミカタ、タイヒ、セヨ」
 口を開き強烈なレーザーでなぎ払う。
 すでに破損個所が酷いために照準は破れかぶれ、合っていない。
 デスモ・ブラキオスは残された時間を宇宙船の破壊へと遣う為に、広域殲滅モードへと移行したのであった。

「おう、来っが。コアルームちいうんはこん先じゃ。通りたかば通れ。じゃっどん……」
 荒れ狂うブラキオスの前に一人の猟兵が立ちはだかった。
 新納・景久である。
 景久は荒れ狂う暴竜を前に退避せず、迎撃しようとしていたのだ。
 巨大な壁が迫り狂う様に、ブラキオスが近づいてくる。
 だが景久は逃げない。微動だにしない。
 もう眼前までブラキオスが迫るかと思われた時、景久は行動に出た。
「タダじゃ通さんど! 薩摩鉄砲隊、撃てェッ!!」
 伏せてあった鉄砲を念力で操作し、一斉射撃を開始する。
 だが、鉄砲十数丁では巨竜の動きは止まらない。
 得物を鬼棍棒に持ち替えて迎え打とうとした景久だったが、得物ごと吹っ飛ばされてしまった。
 
「やるのお……」
 かろうじて棍棒を受けにまわしたが、ぶちかましの衝撃は強かった。
 さしもの景久もふらふらと起き上がる。
 その景久にむかってブラキオスが鎌首をもたげ、レーザーを放たんとしていた。
「ハカイ、ハカイ、センメツ、センメツ」
「じゃかあしかぁ……」
 粋がるが、まだ身体は自由になりそうにもない。
 被弾するかと思われたその時であった。

「おらっしゃあああああ!!!」

 景久とは違う、別のサムライがブラキオスに側面から一撃を加えた。
 その弾みで照準がそれ、レーザーは倉庫璧を広範囲に焼く。

「は! どこ見てやがんだ、唐変木!」

 サムライは二刀の刀で構えると、再びブラキオスに突撃する。
 それを目で追う景久に、また別の声がかけられた。
「大丈夫ですか?」
 ふと顔をむけると、そこには術士の風体をした男がいた。
「私の名前は御代・燕三。そしてあちらが犬憑・コロ助。加勢に参りました」
「聞こえてんぞ!」
「やれやれ、鼻だけではなく耳も良い。まあそれはともかく、動けますか?」
 燕三の声に、景久は先ほど受けていたダメージが消えていることに気づく。
 見れば自分の肩に紙人形が乗っている。
 それは茶から黒へと、足先から頭へと染まっていき、ぶすぶすと崩れていく。
「献身の章。負傷、癒させていただきました」
 その言葉に景久はうなづくと棍棒を再び構えた。

 燕三と転助。二人は後詰、コアの護衛へとついていた。
 宇宙船に転送された時点では、敵がどこから強襲してくるかわからなかったからである。
 デスモ・ブラキオスは陽動。別働隊がコアを襲うとも限らなかったからである。
 待機していた二人だったが、転助がいきなり
「臭え」
 と言いだしコアルームから駆けだしてしまった。
 燕三は相方を追いかけ、ここまで来てしまったのだ。
 まあ、その結果景久を助けられたのは幸運だったが。

「無事で良かった。コロ助が相手を引きつけています。我々は後衛で援護を―」
「きさん! なにばやっとる! そは俺の獲物ぞ!」
 治るが早いか、景久もブラキオスへと駆け出していく。
 その場に独り、燕三がぽつんと残されてしまった。
「……やれやれ、独りででもフォローしますか」
 まるでコロ助が二人いる。
 そう思っても口には出さない燕三であった。

「そらそらそらそらぁっ!」
 転助が当たると幸いとばかり滅多斬る。
 ブラキオスの胴内からはいまだ小竜が這い出て、機能を失わずに襲いかかってくる。
 それらをブラキオスを斬りつけると同時に始末しているのであった。
「破壊破壊ち、そげん破壊が好っなあば、俺が破壊しもんそ!!」
 一方の景久は、小竜にかまわずブラキオスそのものを相手取っていた。
 小竜など相手せずに吹っ飛ばし、棍棒を巨竜へ叩きつけていく。
 一方の燕三は二人に対して紙人形を飛ばしまくっていた。
 懐に入っている二人は気づいていないのだろうが、先ほどからブラキオスは口からレーザー、肩から銃火器、そしてあちこちから小竜をばら撒いている。
 いつ被弾して致命傷になってもおかしくないのだ。
 胃が痛いし疲労で息が荒くなる。
 だが、燕三は二人に対する回復の手を休めはしなかった。

「首寄越せぇっ!」

 重厚な鬼棍棒の連撃が、ついにブラキオスの前足をひとつ、吹っ飛ばした。
 その姿に、景久は会心の笑みを浮かべた。
 一瞬の緩み。
 勝ちに気持ちが傾いた瞬間、景久は頭上の脅威を忘れてしまった。

「あぶねぇっ!」

 転助が景久へ体当たりを敢行する。
 よろけた景久が振り返ると、転助がブラキオスのレーザー砲を喰らっていた。
 上を見上げる。
 そこには口からレーザーを吐くブラキオス。
 そして、それを受けて崩れ落ちる転助。
 景久は自分の血流が冷えていくのを感じていた。
「きさん……なにばやっとる」
 振りかぶって、叩きつける。
「なぁ……首寄越せ」
 又振りかぶって、叩きつける。
「なぁ……首寄越せ」
 そして又振りかぶって、叩きつける。
 残る前足が吹っ飛んだ。
 姿勢を保てずに、ブラキオスは前のめりに倒れる。
「首寄越せ、なぁ、首寄越さんかッ!!」
 景久は目の前に差し出された大将首にむかって棍棒を振り続けたのであった。

 どのくらい叩きつけていたのであろうか。
 ブラキオスの頭部分はすでに原型をとどめておらず、既に活動を停止していた。
 ようやく我に返って、景久は呟く。
「仇はとったど、コロ助……」
「ああ、そいつはどうも。でもコロ助じゃなくて、てん助って呼んでくれると嬉しい」
 かけられた言葉にはっと振り向く景久。
 みるとそこには五体満足の転助が腕組みをして立っていた。
 なぜ? という疑問の目をむける景久に対して、転助は指先をある方向へとむける。
 そこには床に仰向けになっている燕三。
 大きく胸で呼吸し、死んだように横たわっている。
「いくさだからいちいち説明しなかったがよ。俺はあいつのおかげで無茶できるんだ。少々の負傷は覚悟の上なのさ」
「無茶しすぎなんですよ、あなた方……」
 横たわったまま燕三が抗議の声をあげる。
 紙人形を今の戦いでいくら使ったか。とても両手の指では数えきれない。
「まあ、そういうなって。おかげで撃破できただろ?」
 燕三は無言をきめこむ。実際疲れているからだ。
 デスモ・ブラキオスが再び立ち上がる様子もない。
 猟兵たちは勝ったのである。

●戦いのあと

「これで良し……」
 コアにワープドライブが繋がったことをミディアが確認する。
 ミディアは振り返って今回の作戦に加わってくれた猟兵たちに感謝の意を示した。
「ありがとうございます皆さん。これで帝国打倒の一歩が、また踏み出せました」
 宇宙船はワープを開始し、時空を超越する。
 行き先は合流地点。『解放軍』へと加わるために。
 猟兵たちは、間接的に銀河帝国へとひとつ、牙を突き立てたのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月02日


挿絵イラスト