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羅針盤戦争〜超必殺すきゅりんシャークサンダートルネード

#グリードオーシャン #羅針盤戦争

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#羅針盤戦争


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「うおおお、唸れ羽衣、轟け雷鳴! 必殺、すきゅりんサンダートルネード!」
 ハイテンションで叫ぶイカの下半身を持つビキニ少女。その声に応じ猟に彼女の纏っている羽衣がはためき、その眼前に稲妻を伴った大竜巻が巻き起こる。
 その出来に少女は満足げに頷くが、竜巻の中に何かが混ざっているのを見て目を見開いてみる。その正体は、このあたりに生息している鋼鉄製の人食い鮫であった。
「そうか、まさかこの力にこのような効果まであったとは! この技は最早すきゅりんサンダートルネードではない。超必殺すきゅりんシャークサンダートルネードだ!」
 超必殺技の歓声にご満悦の少女の前で飛び回る鮫。その目はどことなく『俺巻き込まれただけなんだけど……』と訴えているようにも見えた。


「皆さん、お疲れ様っす! 今日も羅針盤戦争の依頼をするっす!」
 鉄甲船『黍団号』の上、元気よく言うのは褐色少女アカリ・ゴールドに乗ったミルケン・ピーチ(魔法少女ミルケンピーチ・f15261)だ。
「今日行って欲しいのは、島じゃなくて海っす。羅針盤戦争開始からあっちこっちの海で雷入りの竜巻が発生してるんすけど、その原因である『すきゅりん』っていうコンキスタドールを退治して欲しいっす」
 稲妻竜巻の被害は各地で報告されている。対処に赴いたことのある猟兵もいるだろう。
「で、やることとしては、この竜巻の中心にいるすきゅりんを倒して欲しいんすけど、この竜巻はメガリス「電光の羽衣」で作られたもので、竜巻の勢いもさることながら中には常に稲妻が発生しており、さらにはこの海域に住む巨大鋼鉄人食い鮫まで巻き込まれて飛んでるんす! 皆さんにはこれを乗り越えてすきゅりんを倒して欲しいっす!」
 竜巻、稲妻、鮫の三重奏だが、どうやら配置には偏りがあるらしく、うまく見極めれば一つの対処だけで中央にたどり着けるという話だ。
「ちなみにすきゅりんは羽衣を使うのに全力をそそいでるんで、本体は超弱いっす。ワンパンで倒せるっす。ただ、なぜか知らないけど復活が滅茶苦茶早いんで、何度か倒さないとここの竜巻は完全には止められないっす」
 メガリスの効果か本人の特性か、ただ流石に秒で再生とか無限に復活ということはないので、一人の猟兵が一回ずつ倒せばいずれ収まりはするだろう。
「ちなみに鮫はこの辺の原生生物で、ユーベルコードとかメガリス効果じゃなくて素でこんな見た目らしいっす。あと別にすきゅりんに協力する気はないのでちょっと迷惑してるらしいっす。まあ目の前に誰かがいれば反射的に食いついちゃうので、結局はぶちのめすしかないんすけど」
 ややかわいそうだが仕方ない。弱肉強食の理として諦めて貰おう。
「いよいよ敵の本拠地も見つかりだしたんで、安全に動ける航路は少しでも確保しておきたいっすからね。それじゃ皆さん、よろしくっす!」
 そう言ってミルケンは、黍団号を操作し、現場の海域へと向かうのであった。


鳴声海矢
 こんにちは、鳴声海矢です。今回の戦争の雑兵枠?
 今回のプレイングボーナスはこちら。

『プレイングボーナス……竜巻と電撃に対抗する』

 鮫入りの電撃竜巻を乗り越え中央にいるすきゅりんを撃破していただきます。能力値別行動としてどれか一つの対応でもいいですし、欲張って三つ全部をねじ伏せてもOKです。
 中央にたどり着けばすきゅりんは一撃で倒せますので、戦闘プレは必要ありません。一撃で倒されたすきゅりんは次のリプレイではもう甦ってゾンビアタックをかけてきてますが、まあ参加者様全員分ぐらい殴れば残機切れで骸の海に引っ込むでしょう。
 このすきゅりんの性格は勢い過多でちょっと頭が残念ですが、結局どうあれ竜巻の中心からは動かないのであまり気にする必要はないでしょう。
 割とライトな感じでお届けしたいと思いますので、やりたいようにやってしまってください。
 それでは、プレイングお待ちしております。
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第1章 冒険 『電撃の竜巻で封鎖された海域を突破する』

POW   :    竜巻に巻き込まれた凶暴な「鋼鉄人食い鮫」の襲撃から身を守りつつ、すきゅりんのいる中心に向かいます

SPD   :    絶え間なく発生する稲光をかわして、すきゅりんのいる中心に向かいます

WIZ   :    竜巻の風に逆らわず、強風の流れを見切って、すきゅりんのいる中心に向かいます

👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ
【アドリブ・連係歓迎】POW
タコだー!
美味しそうだし、食材ゲットだよ☆

UC【素晴らしく肉肉しい晩餐】で部下の肉塊を召喚し、「肉体改造」で部下と自分に絶縁性を付与!
超重力(超斥力)があれば竜巻でも飛ばされにくいはず!
ついでにサメも質量でぶっ飛ばす!
部下に自分と他の部下を(超斥力で)投げさせて、すきゅりんまで飛ばしてもらおう!
そのまますきゅりんに肉の雨をお見舞いだー!!

勝利の暁にはたこ焼きパーティだよ☆


夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎

■行動
これはまた、ハイテンションな方ですねぇ。
何とかやってみましょうかぁ。

それでは、偏りを利用して『鮫さんのルート』を参りましょう。
『FBS』を四肢に嵌め浮遊、ルートを定めて【耀衣舞】を使用し『光速の突進』を行いますねぇ。
『光速で飛行する状態』であれば、鮫さんもそう反応は間に合わないでしょうし、偏りが有るとはいえゼロではない程度の『雷』であれば『光の結界』で防御可能ですぅ。
その際、念の為強度を上げておく為に『FRS』『FSS』『FMS』の3種は全て『光の結界』へのエネルギー供給に回しましょう。
後は『解除しての方向転換』等を繰返し、突破したらそのまま突撃ですぅ。



 海上で渦巻く鮫入りの電撃竜巻こと『超必殺すきゅりんシャークサンダートルネード』。使用者の性格を表すが如きその大竜巻に、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)がやや呆れ気味に呟く。
「これはまた、ハイテンションな方ですねぇ。何とかやってみましょうかぁ」
 だが一方、その竜巻に負けぬが如くテンションを高めている者もいた。
「タコだー! 美味しそうだし、食材ゲットだよ☆」
 ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ(ハラペコかわいいコックさん(可食・高栄養・美味)・f31483)の目に映るのは、今はまだ竜巻に遮られて見えないすきゅりん……の下半身。多分どちらかと言えばイカな気もするが、どちらにせよ食材になりそうな足なのには変わりがない。いざ、食材をゲットせんがため、ラヴィラヴァは勇んで竜巻へと飛び込んでいった。
「お腹が空いた? だったら晩餐の時間だよ! お肉をいっぱい食べてね♪」
 中に入って早々に【素晴らしく肉肉しい晩餐】を発動、配下たる肉塊軍団を呼び出すラヴィラヴァ。そして自分の下半身もろとも、その肉たちを改造し絶縁性を付与する。
「ちょっとまずそうになったけど仕方ない! 今日の本命はシーフードだ!」
 まずい肉の形容詞としてゴムのような、という表現があるが、まさかこういう意味ではないだろう。ともあれ、僅かに漏れ来る電撃程度ならものともしない体となったラヴィラヴァ軍団は竜巻の中を飛んでいく。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その衣を纏いて舞を捧げましょう」
 続いてるこるも、浮遊戦輪『FBS』を装備して空中浮遊しつつ、【豊乳女神の加護・耀衣舞】を発動しながら竜巻へと飛び込んだ。その効果で体を光にし、鮫を躱し雷を弾きながらるこるは竜巻の中を進んでいく。
 光は直進しかできない故、変化を解除して方向を変えていく必要があるため、時折るこるの動きは止まっていた。勿論それを見つけ鮫は大口を開けて襲い掛かるが、即座に光に変わって離脱していくるこるを追いきれるものではなく、その牙は虚しくがちんと音を立てて閉じられるばかりだ。
 このまますきゅりんの元まで……と思いまたも方向転換を使用とした時。不運にもその場に偶然居合わせた鮫の大口が、るこるの体を飲み込まんとしていた。
 狙ってきたのではなくたまたまその場にいたが故、その動きは自然で戻った瞬間には既に至近距離。るこるの豊満な肉体が鮫に飲み込まれる……
「てりゃー!」
 その瞬間、別の肉が鮫を思い切りぶっ飛ばした。それは超重力を纏ったラヴィラヴァの下半身と配下の肉軍団。その凄まじい弾力で風の向こうへふきとんでいく鮫を見送り、二人は竜巻の中心方向を見やる。
「おー、あれがタコだね。それじゃ、おっさきー!」
 すきゅりんを視認したラヴィラヴァは、一部の部下に自身と他の部下へ向けて反転した超重力……超斥力を発射させた。その斥力で、ラヴィラヴァたちがすきゅりん目がけて一直線に吹っ飛んでいく。
「ん? 何だ……?」
 何かが迫る気配にすきゅりんが顔を上げる。するとそこには、ピンク色の不可思議な物体が大量に自分に向かって降り注いで着ていた。
「肉の雨をお見舞いだー!!」
 その言葉通りゴム弾のような勢いですきゅりんをボコボコにする肉軍団。話に聞いていた通り、それが当たっただけですきゅりんは昏倒、ワンミス状態だ。
「お、おのれ、空中からとは卑きょ……」
 それでも運よく急所は避けたかあるいは超スピード復活の賜物か、なんとか体を起こすすきゅりん。そこに。
「失礼しますぅ」
 光の矢となったるこるが突き刺さった。浮遊兵装のほとんどをエネルギータンクとして使ったその突進は強烈で、まさにたこ焼の串のように、るこるはすきゅりんを真っ直ぐ貫いたのだった。
「勝利の暁にはたこ焼きパーティだよ☆」
 その姿を見て、ラヴィラヴァはこの足でイカほどの……もとい如何程のたこ焼が作れるかを思うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ベルカ・スノードロップ
アドリブ/連携◎

風の動きを【見切り】【瞬間思考力】で竜巻には対応。
雷に対しては【属性攻撃】の応用で
【多重詠唱】【無酸素詠唱】【高速詠唱】で地属性の魔法を展開。
障壁として利用して、電撃そのものを防御するように動きます。
防御しきれない分は【電撃耐性】で電撃の対応を行います。
全体的に【環境耐性】で対応します。

すきゅりんに対しては
【ロープワーク】技能を用いて【捕縛】
いい笑顔で、シェンヌ・ダルジャンで
芸術的に縛り上げます♪

《選択UC》で、あざと可愛く「あなたの生命、全部ください♪」
と《選択UC》でお願いしちゃいます。
【生命力吸収】しちゃいます


シャーリー・ネィド
(SPD)
これはボクに対する挑戦だね?
世界の海はボクの海!宇宙海賊シャークトルネード、参上!

宇宙バイク「ハイメガシャーク」を【ゴッドスピードライド】で【水中機動】モードへと変形させそれを【操縦】して稲光を回避しながらすきゅりんを目指す

突っ切ったら熱線銃の【クイックドロウ】+【乱れ撃ち】で集中攻撃だよ!


ジェムス・ゴールドシップ
【選択POW】
まぁいろんなタイプの種族いるからそこには何も言わんがタコ娘とはまたニッチな…

まぁ旨そうではある(食物的な意味です)
取りあえずこの鮫と落雷と竜巻だらけの海、強引に突破と行こうか

ラスボス変身で回復することを前提に突撃…と思わせて突っ込んでくる鮫を生えてくる腕で取れるだけ取ります。
その裏で気遣慣れないように体の一部を分割して疑似生命体のシャチを水中に放流し水中から奇襲を掛けに行きます。本体は囮だ!

まぁ途中で倒れると思うがそれはそれで鮫を取れるだけ取った分それで商売に回せるから良しとする



「おのれ、何ということをするのだ、死ぬかと思ったぞ! ていうか一回死んだぞ!」
 たった今倒されたばかりなのに海からざばっと生えてくるすきゅりん。聞いた通りとんでもなく復活が早いようだが、彼女に挑みかかる猟兵はそれ以上に多い。
 再度会場に現れたすきゅりんシャークサンダートルネードを、三方から猟兵が見つめていた。
「まぁいろんなタイプの種族いるからそこには何も言わんがタコ娘とはまたニッチな……」
 すきゅりんの外見、属性に対し考えるのはジェムス・ゴールドシップ(経済界のラスボス(多分)・f32116)。彼は北側から竜巻を見て、その突破法を頭の中で組み立てていた。
「これはボクに対する挑戦だね? 世界の海はボクの海! 宇宙海賊シャークトルネード、参上!」
 東側から竜巻を見るのはシャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)。シャークトルネードの異名を持つ彼女にとって、まさにシャークなトルネードを操るすきゅりんは必ずや雌雄を決しなければいけない相手。しかもそれに加えて向こうはサンダーまで操っているのだ。ここで後れを取るわけにはいかないだろう。
 最後に、西側から竜巻を見つめるのはベルカ・スノードロップ(少女を救済せし夜の王【中将】・f10622)。彼は既に幾度となくすきゅりんを相手取り、その悉くを屈服させてきたすきゅりんキラーである。女性の相手はお手の物……などと言うと聞こえが悪いが、この稲妻竜巻に対する含蓄は並々ならぬものがあると言える。たとえハイテンションで頭が残念と言うちょっとアレな個体が相手でも、その対応に乱れはない。
 それぞれが目の前にある竜巻を観察し、そこが特に何が強い領域なのかを見定める。そして各々それへの対応策を考えると、三人は同時に竜巻の中へと飛び込んだ。
「まっすぐ行けば一番早い、ということにしておこう。取りあえずこの鮫と落雷と竜巻だらけの海、強引に突破と行こうか」
 ジェムスが飛び込んだ北側、そこは鮫の領域であった。ラスボスたるジェムスは早速【ラスボス変身】を用い、己の体を二倍に巨大化させる。そのまま強風の中を強引に突き進むが、巨大になった体は否応なしに目立つ。当然視界に入ったものに食らいつく人食い鮫にもすぐに見つかり、何匹もの鮫が大口を開けて彼に迫っていた。
 その鮫に自らを食わせ、回復しながら押し通る……という戦法も考えないではなかったが、ここはせっかく腕が増えたのだ。その腕を持って鮫を捉え、彼はそれらを次々と自らのものとしていった。
「こうも儲けが多くては中々先に進めないな」
 本気か冗談か、彼が巨大化し腕が増えるたびに彼を見つけた鮫は殺到してくる。その対処に負われているのか確かに彼の進みは徐々に遅くなっていた。
 一方西では、ベルカが風の流れを見切りそれをないもののように進んでいた。風向きの強さ、上下の方向を瞬間的に把握し、時に切り裂き、時に逆らわず歩く。とりわけ風の強いこの領域で、彼はまさに風を支配した動きでその中を我が物のように進み続けていた。
 そのベルカに、一筋の雷光が襲い掛かる。竜巻内部は偏りがあるとはいえ、他のものが全くないというわけではない。だがベルカはそれにも慌てず、口の中で高速かつ多重に呪文を唱え、地属性の壁を己の前に展開した。雷は土に吸われその姿を消し、そして壁自体も強風に吹かれてすぐ風化する。仮に貫かれても己の体で耐えきれると踏んだベルカだが、この対処の前にはその心配すらなかった。
 そして東では、荒れ狂う稲光の中をシャーリーの宇宙バイク『ハイメガシャーク』が高速で走り回っていた。
「追いつけるもんなら追いついてごらん!」
 高速で動くバイクの後ろに、ばしばしと稲妻が叩きつけられる。少しでも操作を誤れば即座にその餌食となるだろうギリギリのところで、バイクは水しぶきを上げ竜巻の中を切り裂き進んでいく。
 にわかに、バイクの真横に強烈な稲妻が落ちた。轟音が耳を貫き、その衝撃で波は揺れ、放電が体を痺れさせる。そしてその一瞬を狙い、幾多の稲妻がシャーリーを焦がす……
「なんの!」
 その瞬間、バイクは【ゴッドスピードライド】の力でぐんと形を変え、より水中に適応した形へと変形を遂げた。そのまま全部を傾け、水の中へ潜っていくシャーリー。しばらく海面をぱしぱしと稲妻が叩き続けたが、その連続で落ちる僅かな先。水が盛り上がり、それを大きな飛沫としながらシャーリーが飛び出してきた。
「さあ、まだまだ行くよ!」
 水上と水中、その二つを切り替えながらシャーリーは竜巻の奥へと進んでいった。

 そして竜巻の中心。すきゅりんは自らのシャークサンダートルネードを三つの遺物がかき分けていることを感じ取っていた。
「くるか……!」
 いかにも気配を探るという風にポーズを取るすきゅりんだが、向いてるのは南側と言うあたり色々お察しである。
 最初に現れたのは、西の風の中から何もないかのように進み出てきたベルカであった。
 ベルカは笑顔のまますきゅりんに近づき、まるで服でも着せるかのように鎖で彼女を縛り上げその体を強調するかのように芸術的に縛り上げた。
「なななな、何をする!」
 慌てるすきゅりんに顔を近づけて一言。
「あなたの生命、全部ください♪」
 純粋な笑顔は絶対に逆らえないという意思を心に刻み込み、絶対服従の奴隷へと変える。それは威圧か、籠絡か。
 ともあれ、すきゅりんはその笑顔に誘わるまま、自らの生命を差し出し干物となるのであった。
 そして干物すきゅりんが潤いを取り戻し始めた時にやってきたのは、見上げる程に巨大化し多腕に大量に鮫を抱えたジェムス。
「ふむ。まぁ旨そうではある」
 すきゅりんの体を見てそう品定めするジェムス。ちなみにそれは一切含みのない、思いっきり食欲的な意味としてである。
 ではその旨そうなものを……と思うが、ここに来てなお鮫はジェムスに群がり彼はその対応に追われている。さらには既に捕まえた鮫もがっちりホールドしておかなければならないので、いくら腕を増やしても正直足りない所だ。
「この強欲め! そのまま自分の欲で滅びるがいい!」
 逆さづりの格好つかない状態のまま強がるすきゅりん。だが実際、ジェムスは姿を見せてから一切前進しておらず、このままでは鮫に埋もれてしまうのも時間の問題に見えた。だが。
「かかったな。本体は囮だ!」
 ジェムスのその言葉と共に、水面からシャチが突然跳びあがり、すきゅりんに噛みついた。これはもちろんただのシャチではない。ラスボスたるジェムスが自らの体を削り作った疑似生命体のシャチ。言葉通り自らを囮にしつつ攻撃をシャチに任せるという戦法に、彼自身はそこから動かずしてすきゅりんを仕留めたのだ。
「まぁ途中で倒れると思ったが、それはそれで鮫を取れるだけ取った分それで商売に回せるから良しとする」
 強欲は誉め言葉。そう言わんばかりに会心の笑みをジェムスは浮かべるのであった。
 そして食べ残しのゲソからすきゅりんが生えてきたころに、東の竜巻からシャーリーが飛び出して来る。
「みつけた! 焼きイカになってもらうよ!」
 素早くブラスターを抜き、熱線を浴びせかけるシャーリー。熱線は主にすきゅりんの下半身に当たり、香ばしい匂いがあたりに漂う。
「あ、あつっ! 生えたばっかりなんだからやさしくしろ!」
 よく分からない抗議を行うすきゅりんだが、シャーリーの集中攻撃は止まらない。
「シャークトルネードの名はボクのものだよ!」
 シャーリーの堂々とした宣言と共に、すきゅりんは焼きイカとなる。
 シャーク、サンダー、トルネードの全てを破られたすきゅりんは、まだ待機していたシャチのおやつとなって消えるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神代・凶津
どわああああああぁぁぁ・・・。
風神霊装で飛んで行こうとしたが竜巻のせいで風が荒ぶって上手く進まねえッ!?
稲妻は『結界霊符』で何とか防いでるがこのままじゃ目的地に着く前に結界霊符が尽きちまうぜッ!

「・・・無理矢理進もうとするから逆に進まないんじゃない?」
・・・!?そうか、相棒ッ!
んじゃ、竜巻の風に逆らわずに流されてタイミングを見切って飛翔するぜッ!
タイミング良く飛翔していけば追い風で一気に中央まで行ける筈だッ!

中央まですっ飛んだら敵に霊鋼の薙刀の一閃を食らわせてやるぜッ!
くらえ必殺、凶津トルネードスラッシュッ!
「・・・テンション引っ張られてない?」


【技能・空中戦、結界術、見切り】
【アドリブ歓迎】



「どわああああああぁぁぁ……」
 暴風の中を、神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)が飛んでいた。と言うか、飛ばされていた。
「風神霊装で飛んで行こうとしたが竜巻のせいで風が荒ぶって上手く進まねえッ!?」
 風を操る霊装を纏い、その風を持って飛んでいこうとしたが竜巻内部は風が文字通り荒れ狂い乱れ飛んでいる。一方向に風を放ち制御しようとしたとて、すぐに風向きは変わり吹き飛ばされてしまう。かといってその方向に修正すれば、まるでそれを嘲笑うかのようにまた風向きは変わり飛んでいく方向を乱されてしまっていた。
 しかも襲ってくるのは風だけではない。無数の稲光もまた凶津を狙い、次々と打ち付けてくるのだ。それに対しては『結界霊符』で結界を周囲に貼ることで防いでいるが、この暴風、かつ自分も高速で移動している中ではその結界も長くは持たず符は消耗品。
「このままじゃ目的地に着く前に結界霊符が尽きちまうぜッ!」
 手持ちの符がもう数える程しかなく、敵の姿がまだ見えないとあって焦りは募る。例え発生源が一撃殴れば倒せる程度に弱くても、それまでに力尽きてしまっては意味がないのだ。
 思うように進めない凶津の様子に、彼の相棒……装着者である神代・桜が静かに口をはさんだ。
「……無理矢理進もうとするから逆に進まないんじゃない?」
 相棒からの一言に、凶津の脳裏に一筋の稲妻が走る。
「……!? そうか、相棒ッ!」
 そのヒントに、凶津は過剰に力を出さず、風に逆らわず流れに乗る形での飛行を開始した。そして自らの全身でその流れを見切り、ここぞというタイミングでのみ纏った風を噴射、一瞬の飛翔で中心部へと近づいていく。
 追い風になる瞬間だけを見極めたその飛翔は、あれほど厄介だった竜巻を自らの味方とし、一気にその身が中心へと運ばれていく。
 それまでの苦戦が嘘のように、あっという間に中心部へたどり着いた凶津。その眼下に見えるのは、羽衣をはためかせこの竜巻を操っているすきゅりんの姿だ。
 風に乗ったまま、凶津は魔を断ち穢れを払う薙刀『霊鋼の薙刀』を構える。
 そしてその切っ先に力を乗せ、放たれるは必殺の一撃。
「くらえ必殺、凶津トルネードスラッシュッ!」
「なんだとぉぉぉぉぉ!?」
 まるで竜巻の申し子となったかのような大回転と共に、風を制する動きで一条の矢の如くすきゅりんに突っ込んでいく凶津。その狙いは過たず、中心にいるすきゅりんを的確に貫き周囲に荒れ狂う竜巻を鎮めた。
「この俺こそ真のトルネードよ!」
「……テンション引っ張られてない?」
 穏やかとなった海に、凶津の勝ち名乗りと桜の静かなツッコミが響いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
【聞き耳】でサメの泳ぐ音、雷の音、風の音それぞれを聞き分け位置把握
とりあえず…海の上は飛べない分
少しでも安全に進むに越した事は無いもんね

【指定UC】を発動
【歌唱】する事で五線譜を物理的に実体化し足場として使用
五線譜の上を進みながら聞き耳で落雷の兆候を聞き分け
安全なうちに一度足を止めてあーいーうーえーおーとか
適当に声を出す事で文字を物理的に実体化し
雷が落ちる前に自分より高所に文字を投げる事で避雷針として対処

足場の五線譜は歌い続けないと伸ばせないから
出しておいた文字が無くなるまでは歌唱
無くなったら避雷針用の文字生成の交互で
いざという時は杖で雷の【属性攻撃】を操り軌道逸らし

すきゅりんにも声ぶつけます



 消えては現れる竜巻の前、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は静かに聞き耳を立てていた。聞こえるのは風の音、稲妻の音、鮫が風や水を切って飛び回る音。それらがどちらから、どのくらいの音で聞こえるかを確かめ、それぞれの方向を探る。
「とりあえず……海の上は飛べない分少しでも安全に進むに越した事は無いもんね」
 そうして把握したところで、進むのは主に稲妻の走る道。
「それじゃあここに、教えてあげる。世界に溢れる鮮やかな音!」
 【彩音】の力で竜巻の中に五線譜の道ができる。その上を澪は歩き出していくが、少し進めばすぐに稲妻荒れ狂う電撃地帯に突入だ。
「じゃ、静かなうちに……あーいーうーえーおー」
 雷が激しくなる少し前で、澪は大声を出して適当な声を撒き散らした。その声は彩音の力で実体となって固まり、目の前に放り出される。澪はそれを掴み、稲光荒れ狂う上空へと思い切り放り投げた。
 その文字が竜巻の中に巻き込まれた瞬間、稲光が文字目がけ落ち、それを大きく弾き飛ばす。すきゅりん自体は脆弱な存在なれど、必殺の名を冠するだけはありその稲妻の威力は大きい。まともに食らえばそれ相応のダメージは免れないだろう。
 稲光が文字に向かっている間に足を進め、文字が稲妻に耐えきれず砕け散ればまた次の文字を投げる。
 そうして稲妻を躱しながら進んでいくが、足場にしている五線譜は歌い続けなければ消えてしまう。進んでいる間は歌い、文字が尽きれば叫び、そしてそれを投げてはまた歌いながら進む。交互に声を出しながらの進行は、思いのほか体力を消費し、酸欠で頭に靄もかかってきた。
 そして何度目かの文字作成。その為の声を出した直後、切れた息を整えようと荒く息をついた瞬間を狙い、一筋の雷が澪を襲った。
「……くっ!」
 間に合わない。その瞬間とっさに携えていた杖を抜き、雷を放ってそれに引っ張らせる形で落ちてくる稲妻の軌道を変えた。
 どうにか助かったが、足元の五線譜は薄くなり消えかけている。慌てて歌を続け足場を確保するが、これは存外余裕がないかもしれない……だが、そう思ったところで、風が一気に緩み稲妻も収まった。迂回せず真っ直ぐに突っ切ったおかげで、余計な時間を取ることなく中心部についたのだ。
 そして中央に座すのは羽衣はためかせるすきゅりん。
 その姿を確認した澪は、たった一文字、大きく叫んで実体化させてそれを投げつけた。それは狙い過たず、すきゅりんに向かって弧を描いて飛んでいく。
「ぬおぉぉぉぉ、何だ!? 何だこれは!? ……『へ』だ! 『へ』が襲ってきた!」
 不意を打たれたすきゅりんは躱すこともできず、その文字を思い切り顔面に食らう。
「おのれ……まさか、へでやられるなんて……ぐふっ」
「『く』だ! 両側の長さが一緒だろ!」
 誤解を招きそうな断末魔を残すすきゅりんに、澪は大声を搾りだして抗議するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マリン・フィニス
嵐、か……
こちらもメガリス『蒼海の鎧』の力で天候操作は可能だが……
同じメガリス、それも気象操作に専念している相手では分が悪い、か

周囲に鋼鉄鮫対策に【シャーク・エヴォリューション】により《電撃属性》放電シャークの群れを召喚しておく

一応はこちらも《天候操作》を仕掛けて竜巻の勢いを削ごうと試みるが……
そっちに専念した結果戦闘に支障が出たら本末転倒だからな

後は風に不用意に逆らわず中心を目指すだけだ
いざとなれば海中に身を潜めてもいいし、放電シャークは(原理は判らないが)飛行ができるから竜巻に巻き上げられたらそっちに《騎乗》してもいい……か?

※アドリブ他歓迎です。よろしくお願いします


死絡・送
WIZ
※アドリブ絡み共闘OK
仲間達と力を合わせて戦うぜ。
ジガンソーレで出撃、仲間に運ぶか聞きいたら頭部脇のタラップとかに
掴まらせて乗せて運ぶ。
オーラ防御と電撃耐性でバリやーを張りながら風の流れに逆らわず空中戦で空を飛び進む。 電撃は味方が危なければかばうで受けてエネルギー充填で「悪いな、電力いただきだ!」とジガンソーレのエネルギーに変えて対抗する。そしてすきゅりんには仲間の攻撃に合わせて貫通攻撃と二回攻撃でルーチェ・デルソーレをぶっぱなして攻撃する。
「最後はこいつだ、科学の光を喰らえ!」
とユーベルコードの光子魚雷一万発発射!!を使用する。



 すきゅりんは倒れた。しかしまた現れた。そして懲りもせず超必殺すきゅりんシャークサンダートルネードを発動させた。
 そんな学ばないイカ娘の竜巻に、二つの重装が立ち向かう。
「こちらもメガリス『蒼海の鎧』の力で天候操作は可能だが……同じメガリス、それも気象操作に専念している相手では分が悪い、か」
 小さい方の鎧、マリン・フィニス(蒼海の騎士・f26997)は彼我の戦力をそう分析する。彼女も蒼い全身鎧型メガリス『蒼海の鎧』を着こんでいるのだが、それだけでこの竜巻を突破できるほど甘い話ではないことは分かっている。メガリスは確かに不可思議かつ強力な力だが、それ一つで何でもこなせるほど万能ではないのだ。
 その様子に大きい方の鎧……スーパーロボット『ジガンソーレ』に乗った死絡・送(ノーブルバット・f00528)が声をかけた。
「何なら乗っていくか?」
 頭部脇のタラップ程度だが、人がしがみつくくらいの大きさはある。だが、マリンは首を横に振ってこたえた。
「いや、お気持ちだけ。新たなる力とともに、来たれ、我が戦友(とも)よ」
 そう言ってマリンは、【シャーク・エヴォリューション】を発動、電撃属性を纏う鮫を呼び出しそれと共に竜巻の中へと身を躍らせた。
 それを見送り、送もジガンソーレを出撃させる。
 ジガンソーレはその巨体を風に乗せ、あえて逆らわないように竜巻に乗って奥へと進んでいった。だが、その金属製の巨体は当然稲妻を引きつける。荒れ狂う稲光がジガンソーレに向かって何本も叩きつけられた。
「悪いな、電力いただきだ!」
 そしてそれこそ、送の狙ったところ。機体を通して張られた電撃耐性を纏ったオーラ……電磁バリヤーと化したそれが稲妻を全て吸収し、ジガンソーレのエネルギーに変えていく。それによって得たエネルギーでさらに進行速度を上げ、竜巻の奥へと進んでいく送。
「私も負けていられぬな。放電シャークよ、我に続け!」
 電撃属性鮫たちを引き連れ、マリンも竜巻奥へと進む。
 彼女の選んだルートは特に風が強いが、天候操作の力でそれを抑え込んで進んでいく。が、それに注力しすぎて戦闘に支障が出てしまっては本末転倒と、あくまで進行を助ける程度の操作に留めていた。相手のメガリスはそれこそ天候操作を本分とするもの。正面から張り合うのは無謀というものだ。
 そしてその制御術で進めるところは進み、抑えきれないくらい強くなれば一旦水中に潜りやり過ごすと、安定して進んでいたマリン。だが、その中で鮫の一体が竜巻に引っかかり、空中高く跳ね上げられてしまった。
「しまった!」
 それを見てマリンは声を上げる……が、意外なほど気楽に、飛ばされた鮫は風に乗ってのんびり動いている。
「……そうか」
 それを見たマリンは、思いついた、とばかりに傍らの鮫を見るのであった。
 そして竜巻の中心。すきゅりんを補足した送がそちらへジガンソーレを向かわせる。そしてロケットパンチ『ルーチェ・デルソーレ』を放とうと構えるが。
「な、なんだ!?」
 横から来る突然の体当たり。どうやらユーベルコードでの攻撃に良い位置を探し風に流されるうち、鮫地帯の方に迷い込んでしまっていたらしい。自分も鉄だからか、お構いなしに機体にかじりついてくる鋼鉄鮫。仕方なしにロケットパンチをそちらに放って撃退するが、その轟音はすきゅりんの耳にもしっかり届いていた。
「うおおお!? なんだあれは!? 飛んでるぞ! でかいぞ!」
 心なしか興奮気味に叫ぶすきゅりん。やはりこういうのが好きなのだろう。だが、見つけたからには羽衣をはためかせ、そちらへ攻撃を集中させようとする。
「飛んでるのはこちらにもいるぞ!」
 そのすきゅりんの逆側から聞こえるもう一つの声。そこには騎馬隊……もとい騎鮫隊の如く多くの鮫を引き連れ騎乗した、マリンの姿があった。
「こっちは多いぞ! しかも光ってる!」
 やっぱり興奮するすきゅりん。だが飛ぶのは当たり前と思っているのか、その部分は特に言及していない。
 ともあれ、これで挟み撃ちの形は出来た。マリンは突撃指令をかけるかの如く手を振り、電撃鮫たちを一斉突撃させる。
「かかれ!」
 号令一下、電撃を纏った鮫たちがすきゅりん向かって突っ込んでいく。
 そしてその逆側では。
「全てを光に変えて消す!! 光子魚雷、射て~~~~~~~っ!!」
 力のこもった叫び声と共に、【光子魚雷一万発発射!!】が放たれた。
 光り輝く両側からの無数の弾により、すきゅりんは光の向こうへ消え去っていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリス・スラクシナ
※ジェイクと行動
アドリブOK

力を解放して飛び込む。
魔女の女王から貰った新しい武器、獣の盟約。柄から離された刃と固定する金具と変わってるな。
まだ把握できていない以上、今後に備えて知っておかねば。
人食い鮫相手にするのはあれだが、こちらも黙って食われるわけにはいかんので。
槍や大鎌、長剣に変形できるのはすごいと思った。これならあらゆる状況に対応できそう。
見切りで避けつつカウンターによる槍の一撃を繰り出す。
属性攻撃を纏わせて突きを繰り出すのもありか。


ジェイク・リー
※アリスと行動
アドリブOK

「鮫が邪魔になるが、そこを抜ければ標的に会えるわけか」
閻羅刀と長剣に形成した十束刃を持ち、飛び込む。
魔力溜めを行いつつ残像を残したダッシュで移動しつつ斬撃を繰り出す。
切断する切れ味を誇る衝撃波を放って対処する。
十束刃に魔力の光刃を付与し、範囲攻撃を繰り出す。
ジヴァ・アラスの覇気を無数の剣に形成し、襲ってくる敵に飛ばす。
電撃に関しては第六感と見切りながら回避、竜巻は流れを読んで活用するか真上まで上昇して急降下による奇襲を行う。



 すきゅりんが倒されるたび竜巻は一度消える。その際に風や稲妻は消え失せるのだが、元々ここの原生生物である鮫は海に落ちるだけである。そしてまた復活と同時に巻きあげられるのだが、さっきから何度もすきゅりんが現れては消えを繰り返しているおかげで何度となく海と空を行き来する羽目になり、さすがの鮫も気が立って狂暴性を増してきていた。
「鮫が邪魔になるが、そこを抜ければ標的に会えるわけか」
 そんな鮫の壁を見上げ、ジェイク・リー(嵐を齎す者・f24231)は考える。
 相手は強力だが、物理の存在。ならば強い力があれば切り裂くことができる。その考えの元、『閻羅刀』と長剣に形成した『十束刃』を持ち、鮫の集団の中へと飛び込んだ。
 さらにその後に、アリス・スラクシナ(邪神の仔・f21329)も続く。その手にあるのは魔女の女王から貰った新たな武器、『獣の盟約』。柄から離れた刃を金具で固定するという奇抜な形状で、その見た目通りに使い方にも習熟が必要だ。その点において、オブリビオンではない鮫たちは最初の練習台にちょうどいい。その考えと共に、アリスも鮫に向かい武器を構えた。
 目の前に現れた二人に、半ば反射的に鮫たちが殺到する。その鮫たちの間を、水上を駆けんばかりの素早い動きにてジェイクは駆け抜け、自身の残した残像へと鮫を食いつかせる。そうして狙いを誤った鮫を、衝撃波の起こる程の斬撃で切り裂いた。
 そうした剣による攻撃を出す間にも、手の中には魔力が蓄積されていく。それを解放するのはもう少し後と、ジェイクは今はあくまで剣による対処を主体に先へと進んでいた。
「人食い鮫相手にするのはあれだが、こちらも黙って食われるわけにはいかんので」
 そしてアリスも、新たな武器を振るい鮫たちを切り裂いていく。槍や大鎌、長剣などに変形する武器を何度か振るい、今はこれだと槍の形に定める。
 上空から襲ってくる鮫に対し、カウンターでその口目掛けて槍を突きこむと、鋼鉄の体をまるでないものかのようにするりと貫き、そのままそれは鮫を串刺しにした。
 その武器の威力に驚くとともに、よりうまく扱えるようにとアリスは次なる鮫に向かう。
 さらにもう一匹鮫が襲い掛かってくるが、それには槍に炎の属性を纏わせて突き込んでみる。その槍はやはりすんなり鮫を貫き、さらにはアリス自身が驚くほどの業火がが噴きあがり、あっという間に鮫を内側から消し炭に変えた。
「これは凄いな」
 予想以上の新たな武器の威力に感心するアリス。
 その先では、ジェイクが十束刃から溜め込んだ魔力を放ち、光刃として鮫を切り裂いていく。
 さらに一体ずつ倒していてはらちが明かないと、『ジヴァ・アラスの覇気』を無数の剣に変えて飛ばし前方の鮫を纏めて叩き落とす。
 強力な武器と多数の技の前に、鮫たちは次々とその前に沈んでいった。また僅かながら降り注ぐ雷も見切って回避され、風も乗り物として逆に利用するなど竜巻の中は最早完全に二人の領域だ。
 そのまま突き進んでいけば、やがて見えてくるのは羽衣纏うすきゅりんの姿。
「出来損ないと言えど邪神の力は侮れんぞ」
 【血の覚醒】で強化された力が武器に乗り、さらなる力を湧き上がらせる。鮫に振るわれたものよりさらに強力な力がすきゅりんを切り裂いた上で。
「これが俺達の力だ」
 ジェイクの誓いとともに、風によって空高く舞い上がってからの急降下攻撃がすきゅりんを断ち割った。
 脆弱極まるすきゅりんにはオーバーキルとも言える程の圧倒的な力が、またも竜巻を断ち切ったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
SPD

あぁん、肩こりに効くぅ♥(たゆん)

【見切り】で電撃に偏ったルートを選び
守護霊の【ドーピング】で
戦闘力と【電撃耐性・環境耐性】を高めて突き進む

可愛いイカ娘ちゃん♪
武器なんか捨てて、私と愛し合いましょ♥

裸になり【誘惑・催眠術】で魅了。
ビキニを脱がせ
乳首を舌と指で転がしながら
お尻や局部を愛撫して【慰め】るけど
彼女がイキかけたら手を止める

何故やめたと思うか『たのしいおしゃべり』で尋ね
殺傷力の無い霊達に彼女の全身を慰めさせる

正解は『繊細な貴女を腹上死させずに長く悦ばせる為』
でも、もう我慢の限界っ♥

【化術】で生やした肉棒を優しく挿入し
乳を擦り合わせつつ濃厚なキス。
イク瞬間に【生命力吸収】



 すきゅりん復活に伴い再びごうごうと巻き起こる超必殺すきゅりんシャークサンダートルネード。その中でもとりわけ雷が強い所に、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)は入っていった。
 不用意に踏み込んだ相手を黒焦げにすべく、稲妻がドゥルールに向けて殺到する。それは過たずドゥルールの体を貫き。
「あぁん、肩こりに効くぅ♥」
 たゆんと胸を揺らすドゥルールの肩をマッサージした。
 雷が襲ってくるならそこに徹底的に耐性を高め突っ切ってしまえばいい。きわめてシンプルな方法をとるため、ドゥルールは従える霊の中でも雷にとりわけ体制の高いものをその身に宿し、電撃と竜巻への耐性を得て進んだ。
 まず雷弱点の者はだめ。背の高すぎる者も電撃をひきつけかねない。金属装備で固めているような者もまずい。また臆病な性格の者も雷鳴を怖がるかもしれない……と守護霊の選定には存外苦労したが、そういえば直近に植物型のコンキスタドールと出会ったところだ。丁度上記の条件には一切当てはまらないし、草は電気を半減。その定説に則り、彼女を自身に憑依させることで程よく稲妻を抑え込みつつドゥルールは竜巻内部へと進んでいった。
 そうして悠々と竜巻中央に到達したドゥルールは、すきゅりんを見つけると彼女にすり寄っていく。
「可愛いイカ娘ちゃん♪ 武器なんか捨てて、私と愛し合いましょ♥」
「甘いな! これは武器ではない……アクセだ!」
 そう言って剣の刃で自分の首をこすり、無傷な肌を見せるすきゅりん。確かにそもそも近接戦になった時点で敗北確定なのだから武器を持つ理由がないのは分かるが、それでも何でこんな邪魔そうなアクセを持っているのかは不明である。
 ともあれそれならば危険がないと、服を脱いで思うさますきゅりんを抱きしめ、ビキニをはぎ取って愛撫し、多脚の中に手を突っ込むドゥルール。だがやがて10脚がびくびく痙攣したのを見ると、弄るのをやめて手を抜く。
「もうすぐだったのに、何でやめちゃったと思う?」
「知らん!」
 息こそ荒くするが特に恥ずかしがる気配はないすきゅりんの様子に、誘惑の効きが悪いのかと少し不満を覚えるドゥルール。そしてその不満を解消するかの如く、植物少女が飛び出しすきゅりんの全身に蔓で絡めとった。【たのしいおしゃべり】の力で殺傷能力を失ったその蔓は、しかし全身がぬめるすきゅりんに効果抜群の一撃を加えその体を痙攣させる。
「正解は『繊細な貴女を腹上死させずに長く悦ばせる為』でも、もう我慢の限界っ♥」
 あまりに脆いすきゅりんは、普段通りに僅かな生命力を吸えばそれだけで消滅してしまうし、それどころか激しい刺激一つで心臓麻痺すら起こしかねない。それを防ぐため、極限まで焦らした後であとは守護霊に任せたのだ。
 とはいえ、いつまでもそれを眺めるだけでいられるほどドゥルールは我慢強くはない。蔓と重なるように体を合わせ、自らの体を変じさせた棒をイカ足の中へと捻じ込み胸を押し付け合い唇を重ねる。
「あああっ♥すっごいぬるぬるぅ♥」
 そのぬめりを楽しむうち、すきゅりんも体を痙攣させ始め、蔓の締め付けも強くなる。そしてその場の全員が我慢の限界を迎えたところで、ついにすきゅりんの僅かな生命力が吸われて消え失せた。
「おかわりも欲しいけど……仕方ないわね」
 さすがにこのまま次の復活まで待つわけにはいかない。ドゥルールは植物娘を従え、晴れた海を後にするのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

緋翠・華乃音
UDCアースのサブカルチャーに興味がありそうな個体だな。知らないけど。
というか、すきゅりんってどの個体もこんな感じなのか……?

鮫はともかく雷撃と竜巻の中に飛び込みたくはない。
遠距離からの狙撃で速やかに仕留めよう。

まずは“明白なる天命”にて竜巻の一部に一瞬だけでも穴を開け、すきゅりんへと続く通り道を作る。

その道を通るのは狙撃の銃弾。狙撃の条件は確かに良くはない。
だが狙うのは中心で動かぬ的(すきゅりん)。
これで外せば狙撃手の名折れだ。

必要なのは研ぎ澄まされた合理性と、瞬時に最善を選択する判断力。



 事前に聞いていたすきゅりんの特徴。メガリス効果の稲妻竜巻に名前を付け、大技のようにハイテンションで叫ぶその性格を思い出し、緋翠・華乃音(終奏の蝶・f03169)は考える。
「UDCアースのサブカルチャーに興味がありそうな個体だな。知らないけど。というか、すきゅりんってどの個体もこんな感じなのか……?」
 確かに、主に格闘ゲームや少年マンガなど男の子向けなサブカルチャーには大いに食いつきそうな個体ではある。案外実際UDCアースやヒーローズアース系の島近くの海域出身だったりするのかもしれない。流石に全部こう言うのとか言ったら他のすきゅりんから抗議がきそうではあるが。
 ともあれ、相手がどうであろうと目の前にある竜巻の威力は変わらない。その中には鮫と稲妻、そして暴風が渦巻いているのだ。
「鮫はともかく雷撃と竜巻の中に飛び込みたくはない」
 鮫は倒せばいなくなろうが、雷と風はすきゅりんが生きている限り止むことはない。だが、当のすきゅりんはその竜巻の向こうだ。ここを突破しなければ話にならないと言うのも間違いない。ならばやはり竜巻を突っ切らなければならないのか。
「道は作ればいい。遠距離からの狙撃で速やかに仕留めよう」
 そう言って取り出すのは狙撃銃。だがここで構えたところですきゅりんは竜巻の向こうだ。とても狙えたものではない。
 最も、今はそれでよかった。
「……狙撃というより砲撃だな」
 狙うのはすきゅりんではない。今狙うべきもの、それは目の前で渦巻くこの大竜巻そのものだ。
 【明白なる天命】の一撃が竜巻に叩きつけられ、その圧倒的な破壊力で風をねじ伏せ、鮫を吹き飛ばし、雷を消し飛ばした。
 一瞬広がる晴れやかなる海。その向こうには、羽衣纏うすきゅりんの姿があった。
 そのすきゅりんに、華乃音は素早く照準を合わせる。
 竜巻が消えているのなどほんの一瞬。一発で消し飛ばせるほどメガリス効果は甘くない。この直線を突っ切ってすきゅりんまでたどり着くなど、如何な猟兵とて不可能だろう。
 だから、この道を通るのは狙撃の銃弾のみ。狙撃の条件は確かに良くはない。だが狙うのは中心で動かぬ的。これで外せば狙撃手の名折れだ。
 たった一発の銃弾に全てを託し、自らの誇りをかけた一射を華乃音は放った。
 この間、僅かコンマ数秒。全ては最初のユーベルコードを撃つ前から決めていたこと故、その動きに淀みはない。思考も、文にして語る程本来は長くない。必要なのは研ぎ澄まされた合理性と、瞬時に最善を選択する判断力。
 ほんの一瞬だけ開いたその道を、弾丸は瞬足で駆け抜け、そしてすきゅりんを貫いた。何があったかも理解することなく、たった一発の弾丸で海に沈むすきゅりん。
 本体が弱く竜巻が強いなら、強い方に大技を当て、弱い方は一瞬で撃てるただ一つの弾で仕留める。
 その一瞬をこじ開け広げたかの如く、華乃音の前で竜巻は消えていった。

 そのまましばらく待ってみるが、すきゅりんが甦ってくる様子はない。あの無尽蔵の再生力を誇るすきゅりんも、ようやく骸の海へ帰ったのだろう。
 これでこの一体の海域は、鮫が生息こそしていれどコンキスタドールの危険のない安全な領域となった。また一つ、七大海嘯の海を切り取りこちらのものとできたのだ。
 だが、これはほんの通過点。敵の領海全土に比べたらここはイカの生簀ほどの大きさしかない小さな海なのだ。この強欲の大海全てを制するまで、猟兵の戦いは続く。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月11日


挿絵イラスト