羅針盤戦争〜竜巻の中を往け
「ぬははははっ、いや、集まって貰ってすまんのう」
君達の前に現れたソレは礼の言葉を言いつつピンクのドレス姿でカーテシーをするともう知ってると思うがのうと前置きし、グリードオーシャンの世界で起きている羅針盤戦争について触れた。
「お前さん達に頼みたいのも、その戦争に関係した事なんじゃが」
そう切り出したカミーユ・ヒューズマン(セイレーンのプリンセス・f26887)によると、グリードオーシャンのとある海域にメガリス「電光の羽衣」をまとったコンキスタドール、「すきゅりん」が現れ、その海域を封鎖してしまうことが分かったのだとか。
「近づくと鉄甲船でも飛ばされる程の竜巻は先に進むのを妨げる、そこで原因であるすきゅりんを倒して竜巻を消してほしい、という訳じゃ」
すきゅりんは羽衣から凄まじい「電撃の竜巻」を放ち、これが海域を封鎖するのだが、竜巻に巻き込まれた凶暴な「鋼鉄人喰ザメ」が襲撃してくる他、竜巻の内側は絶え間なく稲光が発生する危険地帯であるらしい。
「ただし、すきゅりゅん自体は攻撃が当たれば一撃で倒せるようなんじゃがな」
メガリス使用の代償で弱っているからかもともと撃たれ弱いのかは不明だが、ともあれ重要なのはいかにして電撃の竜巻を乗り越えるかということだろう。
「海域の名はロスト・オパール海域。昔ここには『麗しきオパールの島』を意味する古い言葉で呼ばれた島があってのう。もう島は沈んで跡形もないんじゃが」
わずかな間、どこか遠くを見る様に上方へ視線を投げたカミーユは君達に向き直り。
「先に進むためにも協力、よろしく頼むぞい」
そう言って頭を下げたのだった。
聖山 葵
そろそろ彼の設定も使っておくべきかなと思いまして。
という訳で、今回はどこかのお姫さんの故郷だった場所に発生した電撃の竜巻を抜け、元凶を討ってこの海域を突破していただく話になっております。
尚このシナリオは少数採用で早めに仕上げることを想定しておりますので、規定数に達した時点でお預かりしたプレイングは流させていただきますことをご了承の上ご参加ください。
また、このシナリオフレームには下記の特別な「プレイングボーナス」があり、これにのっとった行動をすることで、戦いに有利になります。
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プレイングボーナス……竜巻と電撃に対抗する。
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ではご参加お待ちしておりますね。
第1章 冒険
『電撃の竜巻で封鎖された海域を突破する』
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POW : 竜巻に巻き込まれた凶暴な「鋼鉄人食い鮫」の襲撃から身を守りつつ、すきゅりんのいる中心に向かいます
SPD : 絶え間なく発生する稲光をかわして、すきゅりんのいる中心に向かいます
WIZ : 竜巻の風に逆らわず、強風の流れを見切って、すきゅりんのいる中心に向かいます
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ
【アドリブ・連係歓迎】POW
タコだー!
美味しそうだし、食材ゲットだよ☆
UC【素晴らしく肉肉しい晩餐】で部下の肉塊を召喚し、「肉体改造」で部下と自分に絶縁性を付与!
超重力(超斥力)があれば竜巻でも飛ばされにくいはず!
ついでにサメも質量でぶっ飛ばす!
部下に自分と他の部下を(超斥力で)投げさせて、すきゅりんまで飛ばしてもらおう!
そのまますきゅりんに肉の雨をお見舞いだー!!
勝利の暁にはたこ焼きパーティだよ☆
ベルカ・スノードロップ
アドリブ◎
【瞬間思考力】で状況を判断
『こんな竜巻と雷の中に隠れるなんて……絶対に負けません!』といった
対抗心を燃やして《選択UC》発動
竜巻の風は、強風の流れを【見切り】で逆らわずに【環境耐性】で対処。
雷は【多重詠唱】で地属性魔法を展開し絶縁防御を展開して対処。
絶縁防御から漏れてきた雷は【電撃耐性】で耐え忍ぶ。
中心にいるすきゅりんの事は、装備武装のシェンヌ・ダルジャンで芸術的に縛り上げて(【ロープワーク】【捕縛】)
【生命力吸収】で、ゆっくりと、吸い尽くしましょうか
苦痛は与えないように、ですね
ロラン・ヒュッテンブレナー
※アドリブ・絡みOK
※アルターギア:ロランと魔力で接続し電脳空間からのコマンドで動く
脚部が丸々ブースターユニットの鳥型キャバリア
雷光の羽衣、かぁ
凄い力だけど、制御できてないなら、そんなに怖くもないね
危なくない所まで鉄甲船でキャバリアを引っ張ってもらうね
ここからは危ないから、ぼく一人で行くの
アルターギア、起動
雷属性のオーラ防御で結界を張って
キャバリアの機動力で水上ホバー移動なの(航海術・水上歩行・ダッシュ・地形の利用)
戦場の風の動きを情報収集して、すきゅりんさんに届くように、UCで魔力を乗せた遠吠えをアルターギアの魔術回路で増幅して放つね
眠ったすきゅりんさんを助けて、骸の海に還るようお願いするの
「タコだー!」
竜巻の中で視認は厳しそうな筈ではあるが、鉄甲船の上、ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ(ハラペコかわいいコックさん(可食・高栄養・美味)・f31483)のテンションは高かった。
「美味しそうだし、食材ゲットだよ☆」
何らかの方法で竜巻の向こうに居るはずのすきゅりんの姿を認識しているのか、まだ見ぬコンキスタドールのことを思い浮かべているのか。いずれにしてもラヴィラヴァにはこの時点で食材認定されており。
「雷光の羽衣、かぁ。凄い力だけど、制御できてないなら、そんなに怖くもないね」
ポツリともらしたのは、鉄甲船に脚部が丸々ブースターユニットとなった鳥型のキャバリアをけん引してもらっている、ロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)。
「引っ張ってくれてありがとう」
鉄甲船の船員にそうお礼を言ったのは、被害なく竜巻へ接近できる限界を理解していたから。
「ここからは危ないから、ぼく一人で行くの。アルターギア、起動」
宣言するやロランが魔力で接続し電脳空間からコマンドを送ることで、鳥型キャバリアは目を覚まし。
「あれが、すきゅりんの発生させた電撃の竜巻――」
鉄甲船の甲板ですぐさま状況を把握したベルカ・スノードロップ(少女を救済せし夜の王【中将】・f10622)はぐっと拳を握りしめる。
「こんな竜巻と雷の中に隠れるなんて……絶対に負けません!」
姿すら隠し侵入者を阻む竜巻も、主に向ける対抗心までは防げない。
「お腹が空いた? だったら晩餐の時間だよ! お肉をいっぱい食べてね♪」
近くに居るベルカに振る舞うためではなく、習慣で口にしてしまったのであろう言葉でラヴィラヴァの周りへ九十に届きそうなほどの肉塊が召喚されれば、ラヴィラヴァはこれと自身へ改造を施し。
「じゃあ、出ぱーつ☆」
肉塊の一つが超斥力をもって主と他の肉塊を射出する。
「せっかくですし、便乗させてもらいますね」
絶縁性を付与されて竜巻に飛び込んだ肉塊を見たベルカは肉塊が突っ込んだことで生じた竜巻の切れ目を見切って、地属性魔法を多重詠唱で展開。こちらも絶縁防御を自身に施し竜巻へと突入し。
「ぼくはこっちから行くの」
ロランは雷属性のオーラを結界の様に張り巡らせて自身とキャバリアを守りつつ海面近くをボバーで走行しながら危険な竜巻の影響かへと突っ込む。
「フシュアアアッ」
最初の斥力による突入の勢いを風に減退されつつもどんどん竜巻の中央にすすむ肉塊もといラヴィラヴァを歓迎したのは、凶暴な鋼鉄人食い鮫であった。空に巻き上げられてから何も食べてないのか、ラヴィラヴァはまさにご馳走に見えただろう。
「シャゴッべ?!」
そう、中央まで届かんとするほどに勢いがついて居なければ。ラヴィラヴァと行動を供にする肉塊の二つへ鋼鉄人食い鮫の牙が突き刺さったが質量差に負けた鋼鉄人食い鮫は顔面をひしゃげさせながらどこかに吹っ飛ばされ。
「あれ? 何か落ちてきたの」
少し離れた場所に水柱が上がったことでそちらを見てから上方を見上げたのは海面近くのロラン。
「この分なら、大丈夫でしょうか」
一方で絶縁防御に守られたまま先ほどの激突で若干軌道の変わったラヴィラヴァとは別のコースをベルカは強風の流れを見切りつつ進んでゆき。
「シャガバッ?!」
「ショバベッ?!」
そしてラヴィラヴァが更に二匹ほど鋼鉄人食い鮫をぶっ飛ばした後こと。
「あ」
声を漏らしたのは、誰だったか。下半身がタコの少女が驚きに目を見開き。
「食材発見! いっけー!」
ラヴィラヴァの周りにあった肉塊たちが剥がれて下半身がタコの少女ことすきゅりんへ一斉に向かってゆく。
「このっ」
鋼鉄人食い鮫にぶつかった時に目減りしていても肉塊の数は七十は下回らない。絶望的な数の差がありつつも触腕に絡めた魚雷を投げつけてすきゅりんはこれに応戦し。
「かはっ」
残った肉塊にタコの下半身の殆どを千切り取られたすきゅりんの身体から力が抜け。
「おっと」
そのまま海目掛けて落下しかけた少女の上半身を聖別された黒色と金色の金属が編み込まれた鎖で絡めとり、引き上げる。
「あ……」
「出来れば、苦痛は与えないようにしたかったのですが」
ちらりと失われたすきゅりんの下半身を見て引き上げた身体を抱いたベルカは微かに残されたすきゅりんの命を吸う。
「ろぉぉぉぉぉぉ……」
そして、その様子を下から見ていたロランは魔力を乗せた遠吠えを響かせ、訴える。骸の海に還ってくれますようにと。
「……と」
もはや意識も混濁していたのか、虚ろだったすきゅりんの瞳が、閉じられる。微かに一音だけ音を漏らした口が動くことはもうなく。
「勝利の暁にはたこ焼きパーティだよ☆」
楽しげな声が少し離れた場所からする中、ベルカの腕の中にあったものは躯の海へと還って消えたのだった。
大成功
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