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羅針盤戦争〜メガリスとの出会いは突然に

#グリードオーシャン #羅針盤戦争

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●それは、運命?
 水着なのに、なんでそんなものを着てしまったのか。
 波打ち際に打ち上げられていたそれは、鮮やかに目に付いた。
 電光の羽衣――しかし、羽衣と言うよりは、合羽に近いように思えた。
 別に雨は降っていない。むしろ燦々と日が照っている。水着のほうが快適だろうし、着たら暑くてかなわない。
 しかし触れた瞬間、力を感じた。暑さなど一瞬で吹き飛ばしてしまうような、計り知れない電光の力。
「わわわ! わわわわぁ~!!」
 漲る力に、すきゅりんは思わず声を上げていた。

●タコ足少女!
「すきゅりんがまたまた、また現れました!」
 ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)はグリモアベースに一報を入れる。タコ足少女に呪われてしまったのだろうか……と思うほどに最近はよく視る。
「もう皆さんお分かりかと思いますが、『羅針盤戦争』において進路となる海域の一つが封鎖されました! なので皆さんには急ぎ現場へ向かっていただいて、すきゅりんを止めてほしいんです! これ多分前にも同じことを言ったと思うんですけど、そういうことだから仕方ありませんよね!?」
 仕方ない。同じようにすきゅりんは各地で観測されている。おそらくこの戦争が終わるまで出続けるのではないか……? と思うほどに。
「すきゅりんがいるのは電撃の竜巻の中心部になります。なので、竜巻をどう乗り越えるか、電撃をどう回避するか、あとついでに鋼鉄人喰ザメをどう跳ね返すか、なんてことを考えながら向かうと良いかと思います!!」
 色々あるが、猟兵達が協力して向かっていけば、きっとなんてことはない。今までにも同様の事件はかなりの数が解決されているのだから。
「ちなみにすきゅりんは、例によって例の如く、弱いです! 何故こんなに弱いのに、次から次へと出てくるのでしょうね! 迷惑な話です!」
 七大海嘯のどの勢力なのか、ということもはっきりしていない。七大海嘯に直接聞いてみる……としても教えてくれる気はあまりしないので、気にせず叩くのがいいのかもしれない。
 ともかくすきゅりんは弱いので、殴るも良し蹴るも良し、猟兵達には好きに対処してもらいたい、とロザリアは付け加えて。
「新しい海域への到達と共に、七大海嘯との戦いも激しさを増してきているかと思います。他の世界の事件もあって大変ですが、一丸となって向かっていきましょう! 宜しくお願いします!」


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 すきゅりんって普通にクリーチャーとして可愛いと思うんですよ。

●フラグメント詳細
 第1章:冒険『電撃の竜巻で封鎖された海域を突破する』
 電撃と竜巻と、あとついでに鋼鉄人喰ザメへの対処を考えてみましょう。
 フラグメント的にはどれかに対処していれば十分なのですが、皆様のプレイングに応じて色々描写していくと思いますので、お好きなようにお書きください。

●MSのキャパシティ
 戦争ということもありますので、全てのプレイングを採用することが難しい場合も出てくるかもしれません。
 その際はご容赦頂きたく、また戦争期間中はシナリオ運営を継続して参りますので、採用に繋がらなかった方については次の機会をお待ちいただければ幸いです。

 合わせプレイングはお受けできません。申し訳ないです。
 でも複数採用リプレイとかは気まぐれで書いたりするのでソロ希望の方は明記しておいてください。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『電撃の竜巻で封鎖された海域を突破する』

POW   :    竜巻に巻き込まれた凶暴な「鋼鉄人食い鮫」の襲撃から身を守りつつ、すきゅりんのいる中心に向かいます

SPD   :    絶え間なく発生する稲光をかわして、すきゅりんのいる中心に向かいます

WIZ   :    竜巻の風に逆らわず、強風の流れを見切って、すきゅりんのいる中心に向かいます

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ベルカ・スノードロップ
アドリブ◎

竜巻に対しては【環境耐性】で対応。
【電撃耐性】で、電撃の対応を行います。
【瞬間思考力】で見切りながら、【多重詠唱】【無酸素詠唱】【高速詠唱】で
地属性の魔法を展開して、電撃時代を防御するように動きます。
【属性攻撃】の応用です。

中心地、すきゅりんの元にたどり着いたら
いい笑顔で、鈴を転がす様な綺麗な声で
あざと可愛さの【リミッター解除】して
聖属性の【属性攻撃】である《指定UC》を
【鎧無視攻撃】として放ちます。


深山・柚菜
共闘アドリブOK

こんな竜巻無理ですって!
怖そうな鮫が飛んでますよ、なんか雷が迸ってますよ!
こんなの120%死にますよコレ!?

神らしからぬ庶民的ヘタレっぷりを見せつつ突撃(竜巻に巻き込まれ)します。

わーぎゃー悲鳴を上げつつ電撃は【電撃耐性】、竜巻は【環境耐性】、鋼鉄喰ザメの攻撃に対しては【無敵城塞】で凌ごうとします。
地面との激突は【落下耐性】で何とか耐えようとします!
諸々のダメージによる痛み全般は勇敢なる戦士の衣に付随する硬化&痛覚麻痺効果による【激痛耐性】で更に軽減しますよ。

…川の向こうで天使が手を振ってましたよ…?

運よく中心部に着けたら、すきゅりんにはバスタードソードで峰打ちしておきますね。


ナイ・デス
竜巻の外側から、観察
この状態で、自由に移動までできるとしたら……けっこう脅威、ですね
ふむ

世界に、問いかけます
あのままで、いいでしょうか?
過去は、今を蝕む、世界の敵、ですが
倒すべきなら……一緒に

すきゅりん支配の海域、救いましょう

『文明守護竜』発動
海水や大気を、一時的に小型の、無数の竜へ
合体して、大きく、強くなっていく
何度も、何度も、際限なく、100mは優にこえ、竜巻に負けない程の巨竜となって
竜巻の中へ【覚悟激痛耐性継戦能力】風も、雷も、鮫も
表面を傷つけても、聖者の光が癒し、再生して
中心を探す、稲光に浮かぶ巨大なシルエット、怪獣

見つけた

【重量攻撃かレーザー射撃】が
巨体故の【範囲攻撃】で【なぎ払う】



●すきゅりんもこんなに大きいのは初めてだってばよ!
「こんな竜巻無理ですって! 怖そうな鮫が飛んでますよ、なんか雷が迸ってますよ! こんなの120%死にますよコレ!?」
 鉄甲船の上、深山・柚菜(庶民的神様・f19160)は初めてすぎる環境にあたふた。グリモア猟兵が案内する依頼なるものへの参加経験がほぼ皆無の柚菜にとっては、電撃の竜巻に突入すること自体が命懸けのように思えた。
 しかし、共に鉄甲船に乗る仲間達は状況に臆することなく構えていた。経験の違い。頼れる先輩たちだ。
「ふむ……この状態で、自由に移動までできるとしたら……けっこう脅威、ですね」
「本当に、今にも動き出しそうな勢いですよ」
 ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)とベルカ・スノードロップ(少女を救済せし夜の王【中将】・f10622)は竜巻をじっと観察していた。今はまだその場所に高くそびえているだけ。もしこれが海上を移動して近くの島を巻き込む、などということがあれば――その前に。
「世界に――問いかけます」
 ナイは静かに海を見つめる。
「あのままで、いいでしょうか? 過去は、今を蝕む、世界の敵、ですが、倒すべきなら……一緒に」
 ナイが語り掛ける最中、横揺れの大きかった船体は徐々に安定を取り戻す。それはまるで、猟兵達の出立を静観しようとするかのように。
「すきゅりん支配の海域、救いましょう」
「えぇ、ご一緒します」
「行くんですか!? あわわ……わ、わかりました。私も覚悟、決めます!」
 船がぴたりと静止したのを見計らい、三人は飛んだ。


『今を守る力を、みんなに。世界を、守りましょう。私達は、文明を守護する竜、ダイウルゴスです……!』
 ナイは自身を中枢とした新生ダイウルゴスへと変身して竜巻に飛び込んだ。この時点でその身長は2倍。2メートル半を超える巨体になっている。
 そして吹き荒れる暴風に吸い上げられて洪水のように宙を巡り続ける海水に働きかけ、一時的に小型の無数の竜とする。
 ナイを中心とした竜の群れが、竜巻の中を進んでいく。
「いやあぁぁぁぁ!! うべぶっ!? ぺっぺっ! しょっぱいぃぃぃああぁぁぁ風つぅよぉいぃぃぃ!!」
「落ち着きましょう。こうして自分の体の中に力をぎゅうっと集中させて……耐えるのです」
 竜巻の影響で持ち上がった高波をもろに被った柚菜を、ベルカが優しく宥めていた。
 誰しも、初めての瞬間はある。それを導いていくのが経験者の役目だ。
「ぎゅう……ぎゅう?」
「はい、ぎゅうっ」
 竜巻の暴風が強烈に体に叩きつけてくるが、二人は内に力を集中させることで環境に対する耐性を高め、押し流されないようにしていた。
「風も一様ではありません。必ず切れ目のようなものが存在します……こちらですね」
 ベルカは周囲の風の流れからその強弱がどう移り変わっていくかを瞬間的に判断し、進路を定める。柚菜を連れる、そこより少し離れたところでは、ナイ率いる竜の集団がさらに巨大化して竜巻の中を突き進んでいた。
 ナイは無数の竜を自身に合体させ巨大化を繰り返す。何度も、何度も――いずれそれは、竜巻を超えようかという大きさになるだろう。
 そうして得た力は、あらゆる障害を受け止める。
「雷が来ますね……電撃耐性はありますか?」
「は、はい! 少しだけですけど!」
「少しでも、あれば十分です。先程と同様に、力を集中させて――」
 稲光が竜巻の中を照らしていた。逆光でナイの体が巨大なシルエットとして竜巻の中に浮かぶ。走る雷はその巨大な体躯へと突き刺さるが、痺れたところは即座に光が治癒していく。
「うああぁぁぁ!! 負けたくないぃぃぃ!!」
「その意気です」
 柚菜は心の中で「当たりませんように! 当たりませんように!」と早口で唱えていた。天に流れ星は降っているか――? 今は真昼なので確認することはできないが。
 ピシャァァン!! と空気が震えて光が走った。
「危ない!」
 雷がジグザグ、ランダムに走って柚菜とベルカへ迫っていた。それをベルカは高速多重無酸素詠唱による地属性の障壁展開で凌ぐ。まるで映画館にいるかのように、障壁がスクリーンとなって稲妻がビカビカと輝いていた。
「すっご……そんなこともできるんですね!」
「あなたもいずれ……できるようになりますよ」
 感心する柚菜にベルカはにこりと微笑む。経験がないというのに戦争という大きな戦いに参加しようという心意気。期待のルーキーになる――かもしれない。
 竜巻に耐え、雷を退け、三人は次なる領域へ入っていた。風は若干だが弱まるものの、そこには新たな刺客がいる。
「ちょっちょちょちょぉ!? サメ、サメェ!!」
 鋼鉄人喰ザメが飛んでいた。いや、飛んできていた、というほうが正しいか。彼らは決して自らの意思で飛んでいるわけではない。言わば「吹き飛ばされている」のだ。
 しかしそれにより、海上の良い獲物を発見していた。口をガチガチと開閉し、がぶりと噛みつく――噛みつく?
 噛みつけない。顎をがばっと開けても、牙が表面に引っかかるだけで閉じることができない。
 ナイの体はもうサメの歯が全く立たないほどに巨大化していた。ヒーロー物のロボットアニメでも見ないような超高生物へと進化していたナイは、サメの襲撃も全く気にせず竜巻の中心を一心に目指す。
「わわ、こっち来た! こっち来たぁ! どどっどどど――超防御モードぉ!」
 慌てながらも、柚菜は自分にできることを必死に考えた。その結果、自分の体を無敵の城塞にすることでサメの襲撃に耐えようとしたのだ。サメは柚菜へと牙をギラつかせ噛みついた。しかし牙は通らず、また暴風に流されどこかへ飛んでいく。
「今、川の向こうで天使が手を振ってましたよぉぉぉ!」
「危ないところでしたね……ですが、そろそろ見えてきます」
「あーあぁ……あれ! あれですか!?」
 風が程よく止んできたところで目にしたのは、タコの足をうねうね動かしている少女。
「私の力はむて~き~……じゃないっぽい! ななな、なにこれぇ~!?」
 すきゅりんが見上げるのは、もう雲の上にまで行けるのではないかと思うほどに巨大化したナイの姿。それに比べれば柚菜とベルカはちっぽけで、全然目に入ってこない。
「では、攻撃といきましょう……もえもえきゅーん♥」
 ベルカは手でハートマークを作り、すきゅりんへと向けた。ハートマークは愛の印、邪なる者を焼き尽くす聖なるビームが飛んでいく。
「あびゃっ!? ちょおあづいぃぃぃ!?」
 邪なるすきゅりんはよく焼けた。焼きダコになりつつあるところへ、柚菜が向かう。
「とやぁ!!」
 武器を振るなんて経験もこれが初めてみたいなものだった。バスタードソードでがつんとすきゅりんの側頭部へ一撃、峰打ちの要領で剣を叩きつける。
 そうしてくるくるぴーなすきゅりんに、山のような巨体から、もはや形容しようがないナイの腕が振り子となって飛んできた。全体重を乗せた超強力な薙ぎ払いが、埃を祓うかの如くすきゅりんの体を跳ね飛ばした。
「ぷぎゃぁん!」
 すきゅりんの体は水切りのように海面をぴょんぴょん跳ねていって、その過程でさらさら砂になって消滅した。

 電撃の竜巻も同時に消える。だが、その海域には竜巻よりもまだ巨大に成長したナイが、ずぅんと聳えているのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月07日


挿絵イラスト