羅針盤戦争〜メガリス拾った困ったちゃん
●落ちていたものは私のものだー!
「やーったやった、おニューのメガリスー」
ある朝起きたら、傍らに置かれていた。誕生日でもクリスマスでもない。だから誰かからのプレゼントでも、サンタクロースからの贈り物でもない。
では何か……まあ、なんでもいい。
すきゅりんは考えるのが苦手だった。だから自分のサイズに合うか確認し、ぴったりだったのでそのまま自分の物にしておいた。
メガリスは電撃の竜巻を起こす力を持っていた。それに気づくと、すきゅりんは早速海に出た。どうせなら広い海のど真ん中で、バーンと力を使いたい。
「ふんふふーん、ふんふふーん、うおーなんか凄いパワーが湧いてくるぞー!!」
湧いてきたのはパワーだけか? いや、海が湧いてきた。急激な気圧変化で海面が持ち上げられ、海水を巻き込んだ竜巻が出来上がる。するとバチバチ電撃が放たれ、見事に電撃の竜巻が出来上がった。
「うわーうわーすごいすごーい! もっと大きくいけるかなー」
まるで粘土をこねくり回す子供のように、すきゅりんはあれこれと電撃の竜巻を弄んで成長させていくのだった。
●メガリス拾った困ったちゃん退治
「すきゅりんがまたまた現れました!」
ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)はグリモアベースに一報を入れる。もう他のグリモア猟兵からもかなりの数が報告されているが、未だ絶える気配はない。
「それにより、『羅針盤戦争』において進路となる海域の一つが封鎖されました! なので皆さんには急ぎ現場へ向かっていただいて、すきゅりんを止めてほしいんです!」
相手も同じであればやることも同じ。もう慣れたという者もいるだろうし、またかよ、と零す者もいるかもしれない。だが、放っておけば戦争に支障が出るので、手が空いている者達で対処していかなければならないのだ。
「すきゅりんの元へ辿り着くには電撃の竜巻を抜けていかなければいけませんから、電撃と竜巻の二つへの対処は重要になりますね。また、海の中から鋼鉄人喰ザメといった凶暴な生物……? が一緒に巻き上げられているかもしれません。彼らに私達を襲う意思があるのかわかりませんが、逆に意思が無くてもその巨体で風に乗って突っ込んでくるかもしれませんので、そちらにも注意しておいてほしいです!」
色々と気を配らなければならないことが多そうだ。だが、状況は割と正確に判明しているので、十分な策を講じていれば苦労することはないはずだ。
「敵の本拠地が判明しつつありますが、まだまだ先は長いです。適度に力を入れて、頑張っていきましょう!」
沙雪海都
沙雪海都(さゆきかいと)です。
すきゅりん、倍プッシュだ。
●フラグメント詳細
第1章:冒険『電撃の竜巻で封鎖された海域を突破する』
電撃と竜巻と、あとついでに鋼鉄人喰ザメへの対処を考えてみましょう。
それらがうまくできていると、いい結果に繋がるかと思います。
いわゆるプレイングボーナスってやつですね。
すきゅりんは一撃で倒せます。お好きな攻撃をどうぞ。困った時はとりあえず殴っておけばいいんじゃないんですかね。
細かい設定はともかくやることは同じなので前作のコピペです。
●MSのキャパシティ
戦争ということもありますので、全てのプレイングを採用することが難しい場合も出てくるかもしれません。
その際はご容赦頂きたく、また戦争期間中はシナリオ運営を継続して参りますので、採用に繋がらなかった方については次の機会をお待ちいただければ幸いです。
合わせプレイングはお受けできません。申し訳ないです。
でも複数採用リプレイとかは気まぐれで書いたりするのでソロ希望の方は明記しておいてください。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 冒険
『電撃の竜巻で封鎖された海域を突破する』
|
POW : 竜巻に巻き込まれた凶暴な「鋼鉄人食い鮫」の襲撃から身を守りつつ、すきゅりんのいる中心に向かいます
SPD : 絶え間なく発生する稲光をかわして、すきゅりんのいる中心に向かいます
WIZ : 竜巻の風に逆らわず、強風の流れを見切って、すきゅりんのいる中心に向かいます
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
空桐・清導
POWで挑む
巨大な竜巻か、まさに災厄だな
けど、それで怯むオレじゃないぜ!
一緒に災厄を祓うぜ
来い、相棒!
UCを発動することで海から巨大ロボが波を割いて現れる
スーパーロボは嵐とも戦えるし、勝つことも出来んのさ!
迫りくる鮫も歯を立てるだろうが、
そんな鈍じゃあ、この装甲を破ることは出来ないぜ!
竜巻の中に突入しながら[力溜め]する
雷は念のため[オーラ防御]で防ぐ
「超必殺!グレイテスト・ストーム!!
更に!シャイニング・バースト!!」
口部から凄まじい嵐を吐き出し、竜巻を相殺
更に自身の身体に食いついていた鮫を光焔を炸裂させて倒す
ココまでだ、すきゅりん!
羽衣でまた何かされる前に拳を振るい、空の彼方にぶっ飛ばす!
鳶沢・成美
まあ何というか、他人に迷惑をかけない様に、世界の片隅でこそっとやっていればいいのに
〔枯野〕に乗って出発
カメさん(〔あの日助けて頂いた〕)になんかいい感じのルートを調べてもらって
【精霊助力ノ法】で移動を助けてもらって近づきましょう
疲れたら〔元気ガンガンドリンク〕で疲れも吹っ飛びますね
飛んできた鮫は〔嵐と慈雨の神の加護を持つもの〕でも使って殴り飛ばせばいいかな
あ、やばくなったらカメさんはとっとと逃げてくださいね
アドリブ・絡み・可
栗花落・澪
【指定UC】を発動し【歌唱】を
具現化した五線譜を操り台風の流れに沿って敷き
一時的な道の代わりに
僕はその上を走ります
常に歌い続ければ道が途切れることもない
雷の兆候は【聞き耳】で聞き分け
察したら歩みも歌も一時中断
適当にあーっと声を出し
物理的な文字として具現化したそれを高所に投げて避雷針に
回避出来たら再度歌とダッシュ再開
鮫さんは可哀想ではあるんだけど
明確に殺意を持って来たなら杖のフルスイングで鼻を狙って撃退
殺意が無いなら…歌で作った五線譜をクッション代わりに受け止め
ここから乗せてほしいな、と【誘惑】してみる
そしたら歌い続けなくていいし
すきゅりんはとりあえず杖でゴンってしときます
おばか…
●どうしても我慢できない性質なんです
「大きいね……まあ何というか、他人に迷惑をかけない様に、世界の片隅でこそっとやっていればいいのに」
「腐ってもコンキスタドールなんだろ? 巨大な竜巻……まさに厄災だぜ」
「うん、大きいね……早く、止めないと」
海域の有事に猟兵達が集う。空桐・清導(ブレイザイン・f28542)、鳶沢・成美(探索者の陰陽師・f03142)、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は並んで竜巻を見上げていた。
「さぁて……一緒に厄災を祓うぜ! 来い、相棒!」
清導が海に叫ぶ。
『炎を纏い、勇気は鋼となる!!“また”頼むぜ、ブレイザイン・ギガース!!』
すると一際大きな波が立ち上がり、海が割れた。海底からゴォッとジェットを噴射して現れたのは清導が想像から創造した無敵の巨大ロボだった。
無敵――其れ即ち、竜巻さえも敵に非ず。その意気で清導は巨大ロボに乗り込む。
「僕はこれで、っと」
成美が海に向かって放り投げた模型は、水に浮かぶと大きく膨らみ人が乗れる十分なサイズとなった。何とも不思議な模型だ。成美は飛び乗ると竜巻に向かって航行を始める。
「あー、あー……うん、調子いいね。じゃあ、僕も行こうっと」
喉の調子を整えると、澪は竜巻に向かって歌い始めた。澪の調べは竜巻へと渡る橋として具現化していく。五線譜と音符、そして歌詞が空に昇って流れていき、澪はとんとんとスキップするように渡り始めた。
巨大ロボは力強く暴風の壁を突破していく。突き破った衝撃で竜巻の形状に乱れが生じたほどだ。その一瞬を突いて、成美と澪もまた竜巻の中に飛び込んでいく。
「カメさん、なんかいい感じのルート、あるかな?」
餅は餅屋であり、海は海の生物に聞け。成美はいつか助けた亀に尋ねた。
成美は暴風と荒波を制御するので精一杯。顔に海水を浴びながら必死に中央を目指す姿を亀は見つめ、少しでも助けになろうと潮の匂いを感じ取る。そしてヒレをぺちぺちと叩き、成美へ道を示し始めた。
「あっち? ありがとう! 栗花落君! 向こうの方から進むといいみたいだよ!」
「そうなんだね、助かるよ!」
成美は同じく生身で竜巻を乗り切ろうとしている澪へ情報を共有する。誰か一人でも辿り着ければ勝ち、とも言えるが、やはり共に進む仲間である以上、最後まで共に進み続けたかった。
「精霊さん、精霊さん、ちょっと助けていただけませんか」
成美は続けて精霊の力を借りる。代償として自身の精力、または体力を代償にしなければならないが、この竜巻の中の航行は凄まじく体力を消耗する。十分な代償だった。
精霊の力で亀の指示した通りに成美は進み始める。進路選択はひとまず安泰だ。
雨にも負けず、風にも負けず。澪は歌い続けていた。歌が続く限り、澪の前に道はできる。自分の声が聴きにくい状況での歌も、澪の歌唱力を以てすれば難なくこなせた。五線譜は、音符は乱れない。確実に澪の足場を作り出していく。
「……っとぉ、ありゃサメかぁ!?」
竜巻の中に銀の雨が降る――いや、銀のサメが降る。丁度この下には群れがいたのか、牙を剥いて垂直に立ったサメの群れが降ってきた。
風に流されるままで落下地点が予測できない。だが、巨大ロボは雨が降ろうと、サメが降ろうと止まることはないのだ。
「そんな鈍じゃあ、この装甲を破ることは出来ないぜ!」
ガジガジとサメ達に装甲を噛みつかれたまま巨大ロボは竜巻を進み続ける。振り払うなどという無駄な行動はしない。ここぞという時のために、巨大ロボは力を溜めている。
「おっと、カメさん、少し引っ込んでてね」
成美はサメが降ってきたのを確認するとバールのような武器「嵐と慈雨の神の加護を持つもの」を取り、サメを真下で迎え撃つ。
「……っせいっ!」
鼻先目掛けてスイカ割りのように一振り。ごぃぃんと手に結構な痺れが走ったが、どうにかうまくサメを退けた。殴られたサメは海へと落下し、気絶してぷかと浮かんでいた。
(鮫さん、可哀想ではあるんだけど……)
サメは被害者のようなものだ。すきゅりんが生み出した竜巻に巻き込まれ、海から引きずり出されただけ。しかしこれ幸いと海上の獲物を狙うなら、仕方ない。
人を襲っていいのは、襲われる覚悟のある奴だけ――そんな格言もあったか、なかったか。
「あー、あー、あーあーぁーあーあーっ!」
声でタイミングを計りながら、澪は五線譜に乗って杖をフルスイング。べきっと鼻に打撃が命中したサメはくるくると宙を回転しながら海へと落ちていく。
やはり人喰い――慈悲などかけていられない。少し残念だったが、自分で選んだ道と思い澪は歌い続ける。
だがそこへ、澪は異音を感じ取った。暴風がごうごうと耳元で鳴る中、ゴロゴロと重く空気を震わせるのは。
「雷が来たな!」
すきゅりんが生み出すのはただの竜巻に非ず。電撃の竜巻。内部では雷が迸っている。それは中心に徐々に近づきつつある証拠でもあった。
「オーラ全開!!」
サメをアクセサリーとして身に付けた巨大ロボは前方へ障壁を展開し、雷への対策を立てる。バリバリと空気を切り裂いて飛んで来た雷が巨大ロボの前方、障壁の前で弾けて散っていく。
「あーっ」
澪はここに来て一旦足を止めていた。雷は杖で殴るというわけにはいかない。適当な声を物理的な文字として出現させ、空高くへと投げ上げる。避雷針だ。どんがらとうねりながら竜巻の間を走ってきた雷は澪の頭上で急激に方向を変え、今し方投げた文字を打ち焦がしていた。
「雷の地帯ってことは、中心までもうすぐってことだぜ。おっしゃ、超必殺! グレイテスト・ストーム!! 更に! シャイニング・バースト!!」
ここまで溜めてきた力を今、解き放つ。清導が乗る巨大ロボの口部が開くと、破壊的な威力の竜巻がレーザーのように発射された。さらに機体は輝きだし、光焔が自身の身体に食いついていたサメを急激に熱した。
赤熱したサメは突き立てていた牙がボロっと折れて海へと落ちていく。
そして吐き出された竜巻は清導の前方の暴風を相殺していた。竜巻の勢い自体も少し弱まっていたのだろう。そこへ巨大なエネルギーをぶつけられ、一時的に無風の状態ができた。
「今がチャンスだね……行こう!」
成美は「元気ガンガンドリンク」を一気に飲み干すと急加速。清導が作り出した絶好の機会を無駄にしてはいけないと力を振り絞る。
澪の歌にも気迫が籠る。五線譜の流れが速くなり、その上を澪は駆けていた。
「見つけたぜ! ココまでだ、すきゅりん!」
巨大ロボはエンジン全開で竜巻を突破した。同じく、澪が五線譜を駆け上がり、すきゅりんの元まで向かっている。
「わわ! なになに!? メガリス奪いに来たの!? 渡すわけにはいかないよ、これは私のだから――」
奪いに来たか。そうでもあって、そうではない。メガリスを奪うよりも、メガリスの使い手を奪えばよい。
澪は五線譜から跳ぶと、体をしならせて大きく杖を振り上げ、振り下ろした。すきゅりんを跳び越える際に、ゴンと重い衝撃が走る。
「ぎゃん!」
「おばか……」
頭に杖の一撃を受け、目がくるくる、視界がぐわんぐわんしていたすきゅりんに迫るは巨大ロボ。
「これ以上、好きにはさせねぇ!! 食らえ!!」
ガチッ、と握り込まれた拳を一振り、空へ突き上げた。うじゃうじゃしていたタコ足がぎゅむんと潰れ、すきゅりんは竜巻をびゅごんと抜けると、そのまま空の彼方へ――。
海域は危機を脱していた。すきゅりんのいない海の波は穏やかだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵