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羅針盤戦争〜鮫ＶＳ燕

作者：夢幻

●スワロー海賊団との共闘
「さて、海域の探索は順調に進んでいるな。とはいえ、まだ発見出来た敵の本拠地は一つのみだ」
　故に、更なる島の開放を急ぎ、探索範囲を広げるべきであるとグリモア猟兵の天御鏡・百々（その身に映すは真実と未来・f01640）は主張する。
「そこで、皆にはコンキスタドールの襲撃が予知されている『飛燕島』に行って貰いたい。そこで、海賊達とともにコンキスタドールを撃破するのだ」
　飛燕島で襲撃してくるコンキスタドールを撃破することが、今回の猟兵の任務だ。

「飛燕島はアックス＆ウィザーズから落ちてきた島であり、『スワロー海賊団』が拠点としているぞ。海賊団と言うだけあって、海賊船はもちろん持っているな。他には、数は少ないものの、島には防衛用の砲台も設置されているようだ」
　海賊達は自分たちの拠点が襲撃されるとあって、猟兵には非常に協力的だ。設備の使用はもちろんとして、バリケードなど防衛用の準備もやってくれるだろう。

「襲撃してくるコンキスタドールは、暗黒鮫魔術師の『ルル・クラドセラキー』だ。鮫魔術を使うだけあって、恐らくは鮫牙の配下であろう」
　ルルは巨大ゾンビ鮫『ロドリゲスちゃん』に乗って海から島に接近、島の砂浜への上陸を狙っているとのことだ。そのため、敵の上陸を待つのでは無く、海上で迎撃するのも一つの手だろう。当然、海では移動など制限されることも多いので、島の上で待ち受けても構わない。

「戦争が開始してから派遣されるだけあって、敵は相応の強敵だ。しかし、島の海賊と協力すれば、きっと討ち果たせるはずだ」
　百々はそう言うと、飛燕島へと猟兵達を送り出すのであった。

第1章 ボス戦 『暗黒鮫魔術師『ルル・クラドセラキー』』

POW   :    ロドリゲスちゃん……おいで…… 自身の身長の2倍の【飛翔能力を持つ巨大なゾンビ鮫】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。 SPD   :    あいつを……やっつけて…… 【魔杖の髑髏から放つ、マヒ効果の暗黒ビーム】が命中した対象に対し、高威力高命中の【巨大ゾンビ鮫『ロドリゲスちゃん』】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。 WIZ   :    深淵より来たれ……混沌の使徒…… 召喚したレベル×1体の【ゾンビ鮫】に【禍々しき触手】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。 イラスト：TFJ， 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「相手はゾンビ鮫を使役するんだから内陸で戦えば……」
「あら？　グリードオーシャンでは鮫が空を飛ぶのは常識よ？　今回の奴は、触手も生やしてくるみたいね」
「ええっ！？　うーん、知らないコトはまだ多いわね……」

　鮫ならば陸には上がれないだろうと、神薙・焔（ガトリングガンスリンガー・f01122）は内陸での戦いを提案する。しかし、ガラティア・ローレライ（呪歌のローレライ・f26298）の話では、鮫魔術の鮫はたいていの場合飛翔能力を持つという。そうなると、簡単に対処するとはいかなくなる。

「とすると相手が上陸する砂浜を要塞化して、空を飛ぶ鮫対策をする、というのが基本戦術かしら？」
「そうね。だから、この島の海賊の首領の所に行くわよ。余所の海賊のシマに海賊の私が乗り込むなら、通さないといけないスジがあるってもんでしょ」

　ガラティアは、『呪歌のローレライ』の通名を持つ女海賊である。当然ながら海賊の流儀にも通じている彼女は、スワロー海賊団の首領との謁見を申し出た。

「やあ、可憐なお嬢さん達。貴女達が一緒にこの島を守ってくれる猟兵さんだね」
「ええ、こいつは手土産よ。コンキスタドール相手の戦い、今だけでも同盟を組んでもらえるのよね？」
「ああ、もちろんさ。私の配下達は好きに使ってくれて構わないよ」

　スワロー海賊団の首領は、ハンサムな青年であった。ガラティアが他世界の酒や食料品を用意していたこともあって取引はスムーズに進み、猟兵は無事海賊団の協力を取り付けられた。

　そして、海賊によって砲台が設置された砂浜へと、地平線の先からコンキスタドールが襲来する。巨大ゾンビ鮫『ロドリゲスちゃん』に乗った『ルル・クラドセラキー』だ！　彼女は鮫魔術で召喚した大量のゾンビ鮫を引き連れて、砂浜への上陸を目指している。

「ディアーネは夜を照らす術を知る―――『野焔築城』！」
「目標はアレよ！　遠慮せず全弾ぶっぱなしなさい！」

　海より迫る敵に対し、猟兵達はユーベルコードを発動する。焔が発動した野焔築城により、彼女の全身を覆う地獄の炎は周囲へと広がり、砂浜を鉄壁の炎の要塞へとへと変えていく。
　そしてガラティアが使ったのは『海賊の連続砲撃』だ。彼女の号令の元、何処からか出現した『デミカルヴァリンメガリス』による連続砲撃が始まった。それに加えて、海賊達もその号令に合わせて砲撃を開始する。凄まじい砲撃の雨が、ルルとその配下のゾンビ鮫の群れへと襲いかかった！

「なんて、火力……それに、あの要塞……こんなの、無理……」

　砲撃によって配下のゾンビ鮫達を殲滅され、自身やロドリゲスちゃんにも大ダメージを受けたルルは、上陸を諦めて沖合へと引き返していく。どうやら島の別の砂浜狙いに切り替えた様子だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「バリケードが作りたい、な。えと……縦におっきいのが、欲しい」
「おうよ！　俺たちに任せておきな！」

　飛燕島には上陸に適した砂浜が三ヶ所ある。イコル・アダマンティウム（ノーバレッツ・f30109）はそのうちの一つで、海賊達と協力してバリケードを築いていた。別の砂浜で猟兵によって撃退されたルルは、次にこの砂浜に現れる可能性が高い。『Tactical Armor-001:Last ONE』に乗ったイコルが資材を運び、海賊達がそれを組み立てるという役割分担で、十分なバリケードの準備が整った。

「……こっちも、壁……？　でも、さっきの所よりも、マシ……」
「ん、待ってた。……やっぱりあの鮫は、食べられなさそう」

　そしてイコルの待ち受ける砂浜に、ルルとロドリゲスちゃんが出現した。グリモア猟兵から聞いていたとおり、巨大な鮫が浮いている。その身体はゾンビと言うだけ合って腐っていて、食用には適さない様子だ。

「ロドリゲスちゃん、あの機械を……やっつけて……」
「当たらない、よ」

　イコルの乗るキャバリアに向けて、ロドリゲスちゃんから降りたルルは手にした魔杖より暗黒ビームを放ってきた。そのビームを喰らってマヒしてしまえば、ロドリゲスちゃんに噛み砕かれることになる。イコルは壁を盾に、しっかりとビームを防いでいく。そんな彼女に対し、空を飛ぶロドリゲスちゃんは高度を上げてバリケード乗り越えようとしていた。

「あの高さなら……跳べば届く、よ」

　イコルはキャバリアを操りバリケードの壁を登り、ロドリゲスちゃんへと向けて一気に跳躍した！

「捉えた……『閃光百裂拳』」
「ロドリゲスちゃん！？　きゃっ！！」

　T.A.:L.ONEはオーラを纏った拳の乱打でロドリゲスちゃんを滅多打ちにする。そうして吹き飛んで墜落したロドリゲスちゃんは、ルルに激突した。

「……ここも、ダメ……」

　ルルはボロボロになったロドリゲスちゃんを連れて撤退。この砂浜からの上陸を諦め、また島の別の方角へと向かっていったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「ここが最終防衛ラインになりますよ。でも大丈夫！！　コンキスタドールの好きになんか絶対させない！！」

　海賊たちの前で、神海・こころ（心海に沈む・f31901）は胸を張って彼らを鼓舞する。これまで二ヶ所の砂浜で撃退されたルルが次に狙うのはこの砂浜である。そして、ここが最後の決戦の場所となるはずだ。こころも『正義の誓い』を宣言することで、真の姿に変身して敵の襲撃に備える。

「それにアタシが居なくてもお兄さんたち十分強いでしょ？　アタシみたいな小娘に負けないでよね？」
「ああ！　俺たちスワロー海賊団の力、みせてやるぜ！」

　にっこり年相応の可愛い笑みを振りまくこころの鼓舞を受け、海賊達もやる気だ。ここに迎撃の準備は整った。

「今度こそ……いくよ、ロドリゲスちゃん……！」

　しばらくしたところで、こころと海賊達の前に、ロドリゲスちゃんに騎乗するルルが現れた。もう失敗は出来ないと、彼女達も決死の様子だ。だが、そのタイミングで海に異変が起きる。なんと、大量のドラゴンが島の方へ向けて進軍してくるでは無いか！

「挟み撃ち、です。私はこの戦争、海賊さん達にあわせて……豪快にいこうと、きめた、です……！」

　それは、『文明守護竜』で変身したナイ・デス（本体不明のヤドリガミ・f05727）と、新生ダイウルゴスの集団であった。ナイはルルの動きに合わせ、海へと回り込んでいたのだ。

「……挟まれた……？　なら、ロドリゲスちゃん……正面突破！」

　猟兵による挟撃は成り、ルルにはもう逃げ場は無い。ならば防備を突き破るしか無いと、ルルはロドリゲスちゃんに突撃を指示する。

「全力全開！　お相手するよ！」

　迫るロドリゲスちゃんに、こころは愛用の『黄金バット』を構えて立ち塞がる。多くの血を吸って来た、と言うと呪いの品のようだが、それだけこころが頼りにしている一振りだ。

「どりゃぁぁ！！　骸の海までぇ～～～！！　飛んでけけぇぇぇ～～！！！」
「ああっ！？」

　こころの全力のフルスイングはロドリゲスちゃんとルルをかっ飛ばし、一気に海まで吹き飛ばした。そうして波間に浮かぶルル達に、ダイウルゴスの群れが襲い掛かった！
　さしもの強力なコンキスタドールといえ、負傷の積み重なった上でこれはどうにもならない。しかも、砂浜からは協力する海賊達による援護射撃まで跳んでくる始末だ。ロドリゲスちゃんはダイウルゴスの攻撃でバラバラにされ、ルルも最早瀕死の状態となっている。

「これで……トドメ、です……！！」

　最後はナイの放ったレーザー射撃の一斉射撃によって、ルルは消し炭となり、骸の海へと還っていった。猟兵達の勝利だ！

　こうしてまた一つ、『飛燕島』がコンキスタドールの脅威から解放され、猟兵達によるグリードオーシャンの探索が進むのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2021年02月07日