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銀河帝国攻略戦⑦～皇帝の鏡に叛逆せよ

作者：結衣謙太郎

●破壊作戦開始
「緊急事態に対する招集、感謝するよ」
　いつもよりも真剣な表情で水島・可奈（少女自由に夢幻を掴め・f01117）は語り始めた。
「まずはヘロドトスの戦い、お疲れ様。おかげでワープドライブの技術を手に入れた。これで銀河帝国に対抗できるけど、問題が一つ」
　それはワープドライブと同じ遺失技術の産物、帝国大要塞『エンペラーズマインド』。これがある限り周辺地域へのワープは行う事はできない。つまり、解放軍の艦艇は最初は『エンペラーズマインド』周辺宙域にワープした後、普通の操縦方法で銀河帝国の本拠地に攻め込まなければならない。
「これじゃあ銀河帝国の格好の的だ。それを示すべく、銀河帝国が用意したのが――これ。集積型反射鏡『カイザー・レイ』」
『カイザー・レイ』――それは巨大特殊ミラーから構成される戦略防衛兵器。エンペラーズマインドから照射されるエネルギーを反射し、そのエネルギーで艦艇を破壊する戦略防衛兵器だ。
「こんなの放置したら、いくら集まったって同じことだ。各個撃破で終了だよ。――わかった？　猟兵たち、なんとしてでも、完膚なきまでに破壊して」
　だがカイザー・レイもなかなか複雑な構造だ。1回の作戦で猟兵たちが壊せるのはせいぜい構成する鏡1個くらいだろう。おまけにミラーにはそれを守る戦車が常駐している。
「大した戦車じゃない。適当に戦力を集めた中から配置した中級戦車だ。さくっと破壊するのと、ミラーを破壊する。これが最低条件」
　これが終わったら即転移で帰還する。長く居続けることで相手に察知されたら危険だ。
「ミラーまでは私が送れる。つまり、即戦闘になると思う。覚悟は、いい？」
　その言葉に、猟兵たちは次々と己が獲物を構えた。意気揚々で、行く準備満々だ。
「大丈夫みたいだね。――任務はただ1つ。ミラー破壊と、防衛戦車の撤去。オペレーション・リベリオンミラー……発動するよ」

第1章 ボス戦 『二足歩行戦車』

POW   :    一斉砲撃 【機体各所に搭載した火器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。 SPD   :    レジェンダリーソルジャー 【伝説的な戦車兵を再現したＡＩ】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。 WIZ   :    胴体下部可動式ビームキャノン 【砲門】を向けた対象に、【ビームの連射】でダメージを与える。命中率が高い。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

●オペレーション・リベリオンミラー
　カイザー・レイの近くに陣取る二足歩行戦車。脇には製造番号がかかれており、量産型であることをうかがわせる。
　二足歩行戦車は、猟兵たちが転移で来るのを見るとゆっくり体を上げた。
「ふっ、邪魔をするのなら容赦はせんからのぅ」
　扇子の代わりに人形を口元にやりながらまず一番槍となり、右手から狐火を放つ蜂蜜院・紫髪（怠惰な蜂蜜屋・f00356）。機械の体には炎はあまり効かないかと思えば、こいつ図体がでかめなのであちこちに当たった結果、急激な温度上昇に熱暴走を起こす。その結果、人間でいう手の位置に当たる砲門からビームを乱射する。
「ふむ」
　その攻撃を紫髪は回避せず、自分の人形に当てさせるように操る。人形たちが焼けていくが、同時に人形たちに禍々しい赤いオーラが宿っていく。
「この辺でよいか、祓い給えヒトガタよ！」
　相手のビーム攻撃が熱暴走により明後日の方向を向きだしたあたりで、UC2枚重ねの倍返しのビームが砲門を狙っていく。
　残念ながら砲門に命中はしなかったものの、倍返しのビームは確かに戦車の装甲を焼いていき、１つの穴を作りだした。
　……なお、戦場が鏡の近くと言うことでビーム反射の危険性の問題もあったが、だいたいこの図体でかい戦車が受けてくれたようで、そこまで危険にさらされることはなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

●攻めていく猟兵たち
「さあ、行こうか。手早く終わらせよう」
　電磁浮遊で浮かびながら戦車に牽制の放電を与える真っ黒の犬。とうてい騎乗可能なパルススタンガンとは思えないそれを召喚したペイン・フィン（“指潰し”のヤドリガミ・f04450）。果たして牽制は効果抜群で、ヘイトは必然的にペインに向く。ペインも鉤爪のついた、9本の伸縮自在の縄で出来た猫鞭『キャット・バロニス』。しかしこれは欠点があり、9回引っ掻くまでは殺せないのだ。騎獣と連携を仕掛けるも、さすがに10回もこれを当てるのは難しい。と、ふと回避しようとダイブする時にフィンは何かにつまずいた。
　それはフィーナ・ステラガーデン（月をも焦がす・f03500）の落とした鉄くずだった。肉を食べたかったようだが鉄くずしかないので仕方なくかんでみたがやはりだめだったようで下に落としていた。それにつまずいたのだ。――フィンに戦車の砲門が向く。万事休すか、と思ったその時、そこに、かばうようにフィーナがダッシュで前に現れる。鉄くずなんかに負けたくない、彼女の意地が力となり、高速で唱えられた魔法が杖に宿れば砲門を切り落とそうと熱線を放つ。
　――手ごたえ、アリ。熱線が砲門を１つ落とし、戦車がバランスを崩したように倒れる。これにより戦車のヘイトは一気にフィーナに向き、戦車はビームを放ちながら（鏡にビームが当たって自分がダメージを受けながら）フィーナを追いかける。
　フィンは今一度獲物を構えなおした。先の猟兵により戦車には装甲に1つ傷がある――そこを狙えば。フィンはフィーナにアイコンタクトを図る。それに応じたのか、フィーナは一度立ち止まり、熱線を戦車の装甲の薄くなった部分に放つ。さらにそこにキャットを振るって連携攻撃をしながら傷を抉っていく。それはまさに拷問具としての在り方そのもの。10撃とまではいかずとも、数撃与えたところで戦車の装甲に穴があき、中にバチバチと雷が瞬いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

●完全なるものを破壊せよ
「カイザー・レイですか……。……ヘロドトスの戦いにおける報告書は読みました。ですが、あれの劣化簡易版でも宇宙船一隻を破壊する威力を有していました。志を共にして、命を懸けてくれている解放軍の皆さんの為、破壊させていただきます！」
　郁芽・瑞莉（陽炎の戦巫女・f00305）は獲物を構え、戦車に向かい言い放つ。それが機械であろうとも、声に出すことは自分の士気高揚にもつながるからだろう。事実、ヘロドトスは劣化カイザー・レイに一撃で轟沈された。それの完全版ともなれば、放置した時の被害は計り知れない。
「そうだ。あれを壊さない限り、後々合流する我がオリュンポス船団にも向けられぬとも限らぬ。　ここは我が力の一端にて、わずかではあるが早々に撤去させて貰うとしよう！（カイザー・レイか…どっかで聞いたことのあるネーミングだが…はて？）」
「だ、誰ですか、あなたは！」
　いきなり横に現れた怪しい風貌の男に警戒心を向ける瑞莉。それに男――マスター・カオス（秘密結社オリュンポスの大幹部・f00535）は剣を一つ振るい言葉を返す。
「フハハハ…我が名はグランドフォースに導かれし、世界征服を企む秘密結社オリュンポスが大幹部、マスター・カオス！！　今は共闘といこうではないか、そこの女よ！」
「は、はい！　郁芽・瑞莉、行きます！」
　名乗りを上げている最中も可動式レーザーを放つ戦車に瑞莉は苦無を投げて発射元を狙うほか、カバーしきれない分を薙刀で受ける。
　戦車の動きが鈍くなったところを見て、瑞莉は一気に駆け出した。
（懐に飛び込めば！）
　――しかしそれは罠。ビームキャノンが瑞莉を狙う。
（――まずっ！？）

　しかしそれを止めたのはマスター・カオスだった。
「――感じよ―――此れがオリュンポスの片鱗だ！！」
　オリュンポス十二神のイメージをした雷撃を片手から放ち（ちなみに見た目は某糖分補給をしたがる銀河戦争的な少女の赤いカードの攻撃に似ている）、戦車を感電させて怯ませる。
「行け！」
「はい！――はぁぁぁああああ！」
　瑞莉は瞬間、神霊体に変身する。それに再び戦車がビーム訪問を向ける、が。
「その攻撃は見切りました！」
　残像を残しながら瑞莉は回避し、他の猟兵たちが作ってくれた装甲の穴に薙刀と衝撃波を叩きこむ！
　戦車はバチバチと火花を上げながら後退していく。それを見たマスター・カオスが前に出てくる。
「フハハハ……！　戦車ごときで我らにかなうと思ったか？」
　マスター・カオスは瑞莉が攻撃を加えた個所にさらに剣による追撃、さらに返す刀でもう一撃。それはまるで、戦車の中身のコードなどを内部から抉り取るように。
　戦車がスピンしながら大きな音を立てる。そして再び砲門をこちらに向ける。――最後っ屁か。ちょうどいい。マスター・カオスは念動力でその砲門を鏡に向けさせる。
　――発射。そして戦車は爆発四散。
　鏡は、2つの攻撃に跡形もなく壊れていった。

　瑞莉はふと、遠くに見えるエンペラーズマインドを見る。
「今度はあちら、ですね！」
「うむ、だがこのまま進撃や長居は敵に察知される。帰還するぞ」
　その言葉を最後に、2人を含む猟兵たちは次々に撤退をしていった。

　――オペレーション・リベリオンミラー、成功。
　――カイザー・レイ巨大特殊ミラー、1枚、破壊成功。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2019年02月02日