羅針盤戦争~決戦!邪神山脈
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「いずれ来るとは思っていた。だが、こうも早く辿り着くとは!」
カルロス・グリードは驚愕した。猟兵達の怒涛の攻勢に、自身の拠点を暴き出したその速さに。
「十二分に評価していたつもりだったが、その上をいくとは・・・・。侮っていたというのか?」
自らの拠点で広大な海を睥睨しながらつぶやくカルロスはそこにやがて攻めてくるであろう猟兵達を幻視する。
「ここが決戦の地であると理解した。ならば私も死力を尽くして貴様達を打ち滅ぼしてくれよう。大いなる邪神達よ!我が意に応えよ!」
天に向かって叫ぶカルロスに呼応して島全体が鳴動した。
邪神そのものともいうべき島から膨大な力が自身に流れ込み自らの力が高まっていくのをカルロスは感じたが・・・・・。
「っ!流石に完全なる制御は望めぬか。だが、奴らを葬るにはこれで充分!」
意識に一瞬走ったノイズに思わず顔を顰めるカルロスは脳裏によぎった懸念を振り払い、決然と告げる。
「さあ、来るがいい猟兵達よ!このカルロス・グリードが全力をもって貴様らに引導を渡してくれよう!」
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「猟兵達よ決戦の時だ。」
周囲の猟兵達に向けてエハド・ショウヘル(統御の一・f31086)は告げる。
「諸君らの奮戦のおかげで「三の王笏」カルロス・グリードの本拠地が判明した。」
言うと同時にグリモアから今回の戦場の立体画像を投影し説明を始める。
「今回の戦場はさながら『邪神山脈』ともいうべき場所だ。島全体に邪神が蔓延り、否島そのものが邪神といってもいいだろう。その力を操りカルロスは攻撃を仕掛けてくる。」
邪神の力は時には大地ごと敵を食らおうとし或いは正気を失わせ締め
ある時は欲望を刺激して混乱を誘い果ては宝石に変えてしまうだろう。
「さらには奴のユーベル・コードは確実にこちらの先手を取ってくるから対応策は必ず考えておくように。さもなくば返り討ちに合う可能性が高い。」
「だが、カルロス自身邪神の力を完全には制御できていないようだ。ここに付け入るスキはあるかもしれん」そして彼女は一つの情報を告げる。
「もし、この本拠地を制圧できたならば・・七大海嘯の支配下にある島の一つを開放できるかもしれん。その島の名前はアルバトロス島。」
もっとも、現時点では詳細な位置は不明だが、と彼女は続け戦場への転送ゲートを開く。「これほど早くフォーミュラの本拠地の一つを暴くことができたのは偏に諸君ら猟兵達の奮戦の賜物だ。だが、戦争はまだ始まったばかりであり貴官らの力を我らは必要としている。」 故に、と彼女は続け
「必ずこの戦いに勝利し生還せよ。それが貴官らの任務だ!」
激励の言葉を送り、彼女は猟兵達を戦場へと誘うのであった。
紅時雨
●初めまして或いはこんにちは。
紅時雨と申します。
2度目の戦争シナリオで初の決戦シナリオになります。
正直緊張しておりますが微力を尽くさせていただきます。
●難易度は「やや難」となり其の分判定も厳しくなります。
その結果苦戦や失敗判定が出ることもあり得ますし、最悪シナリオ自体が失敗判定になる可能性があることを予めご了承お願いいたします。
●プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。
●プレイングの受付に関してですが当方のキャパシティの都合上成功数に達した時点で締めさせていただきます。
その為内容に問題がなくても流してしまう可能性がありますので予めご理解のほどお願いいたします。
第1章 ボス戦
『七大海嘯『三の王笏』カルロス・グリード』
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POW : 邪神「大地を喰らうもの」
【本拠地の島の面積】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【大地を牙の生えた触手】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD : 邪神「吼えたけるもの」
【目にした者の正気を奪う、漆黒の巨人型邪神】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : 邪神「輝き惑わすもの」
【光り輝く宝石のような美しき邪神】の霊を召喚する。これは【命中した対象を宝石に変える光線】や【敵の欲望をかきたて混乱させる輝き】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:hoi
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ
【アドリブ・連係歓迎】POW
決戦?なにそれ美味しそう!
アクセントをつけようね☆
事前に「肉体改造」を施して弾力と増殖スピードを上げて噛み切れないように強化!
触手の噛み付きを防ぎつつUC【飢餓つくと肉肉しい惨劇】にて増殖し続ける肉塊に変身!
触手の食欲を匂いで(匂いは化学物質だから鼻が無くても出来るはず)増幅させて、増殖した肉塊を齧らせる!
体内に入った肉塊はなおも増殖して……どかーん!
勝利の暁には触手「料理」で「宴会」だー!
あ、代償になった島の面積は切り離した肉塊を改造して島の土壌にするよ♪
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「決戦?なにそれ美味しそう!」
そう言って最初に戦場に降り立ったのは人の上半身にゲル状の下半身を持つ、否体の一部を人に擬態する異色のラスボス、ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ(ハラペコかわいいコックさん(可食・高栄養・美味)・f31483)
食材と思ってウキウキワクワクしている彼女に対してカルロスは冷たく応じる。
「貴公は何を言っているのだ?まあ良いそのおめでたい思考を抱いたまま死ぬがよい!」
言って不気味なメガリスを掲げると同時に大地震のような揺れが生じる!
島の端が食われたかのように削られると同時に百を超える数の牙生える触手が地面を割り出現したのだ。
「さあ、『大地を喰らうも』よ。あの敵を喰らい尽くせ!」
カルロスの命令と同時に触手の群れはラヴィラヴァに殺到し見る見るうちに覆いつくしていくが、彼女は特に抵抗することなく受け入れるように佇むばかり。
「アクセントをつけようね☆」
その言葉を最後に彼女は触手の群れの中に消えていった・・・・。
「ふん、他愛のない。」
触手の中に消えたラヴィラヴァをもう終わったものと見做し次に来るであろう猟兵に意識を向けようとしたカルロスは違和感を覚えて触手のほうに向きなおる。
敵は相当大柄であったが『大地を喰らうもの』にかかれば数秒で骨も残らず食い尽くされているはずだ。なのに、未だ貪っている。
「・・・・なんだと!?」
邪神と意識を同調させ確認したカルロスは驚愕する。
なんと彼女の体が食われて行って消えていくどころか‘増殖している,という状況に!それどころか触手は狂ったように肉を貪り食い消化が追い付かず膨張しつつあることに!
「い、いかん!やめろ、やめるんだ!」
カルロスが慌てて発した命令も触手たちは聞く様子がない。
上位者としての権限を行使して命じようとするが、その時彼の意識にこれまでにない
ノイズが走る!
「っぐ!こ、こんな時に」
あまりの痛みにその場に蹲るカルロスの目の前で風船のように膨張した触手の群れが破裂した!いや、それはもはや爆発といっていいものだった。
周囲を破片が飛び散り、カルロスは破片の直撃を受けなすすべなく吹き飛び、爆心地から粉塵が舞い上がる。
「やったーーー☆☆☆、勝利の暁には触手「料理」で「宴会」だー!」
そう言っているのは、なんと食われたはずのラヴィラヴァ!
これこそが彼女の策。予め肉体を弾力と増殖スピードを強化する方向に改造して
わざと食われコード発動までの時間を稼ぐ。そしてコード発動後はその圧倒的な増殖スピードをもってして消化速度を上回る勢いで増殖する肉塊となりひたすら体内で増え続ける。
おまけに本来は飢餓状態を誘発する匂いを分泌する物質諸共喰らってしまったため触手はカルロスの制御を離れて暴走、かくて先の大爆発へと至ったのだ。
「あ、代償になった島の面積は切り離した肉塊を改造して島の土壌にするよ♪」
「否、勝利宣言も宴会も早い。」
何故かあらぬ方向を見ながら宣う彼女の声を遮り舞い上がる粉塵の中から現れるのは
肉片の直撃を受け吹き飛んだ筈のカルロス・グリード。
その力強い足取りはまだ、戦いが始まったばかりだという事を猟兵達に認識させるのに十分だった・・・・・・。
成功
🔵🔵🔴
シャルロッテ・ヴェイロン
まぁ先程相手にしたのは分身体であることは認識してましたが。
召喚された巨人の姿はどうしても見なきゃいけないわけですが、【(各種 )耐性】で耐え抜いてみましょうか。
で、【野生の勘】で攻撃を【見切り】回避しつつ、本体の行動を観察し【情報収集】、邪神の【操縦】が乱れた隙をついて【指定UC】で巨人を【ハッキング】してやりましょう。
あとはこちらで【蹂躙】させつつ、【ATTACK COMMAND(【破魔】属性付与)】で【援護射撃】してやりましょうか(【誘導弾・2回攻撃・一斉発射・制圧射撃・レーザー射撃】)。
※アドリブ・連携歓迎
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「まぁ先程相手にしたのは分身体であることは認識してましたが。」
そう言って現れたのは愛用のゲーミングノートPCを脇に抱え、電脳ゴーグルを装着した色白のヘヴィゲーマー娘、シャルロッテ・ヴェイロン(お嬢様ゲーマーAliceCV・f22917)。
この戦争で分身体の一人と戦った事のある彼女は目の前の男が以前の分身とは比較にならない存在である事を対峙することで改めて認識し己が戦術を練り上げる。
「ほう、どうやら私の分身と戦った事があるようだな。だが、彼の者を相手にしたことはなかろう。出でよ!『吼えたけるもの』よ!」
メガリスを掲げカルロスは新たなる邪神を召喚する。その名を『吼えたけるもの』
漆黒の闇に覆われた巨人型邪神だ。
「・・・まぁ、召喚された巨人はどうしても見なきゃならないわけですけど、これが本当のSAN値直送というやつですかね?」
時折闇の中から覗き込むようにこちらを見る邪視だけでも正気を失う程の物理的な圧すら伴っている。だが、彼女はこれに何とか耐えていた。「伊達に、ゲームでこの手のクリーチャーとやり合っていないです。」とは本人の弁。
だが、カルロスにとっては狂気に耐えて立ちすくむ彼女は格好の標的でしかない。
「フハハハハ、怖かろう?さぁ、『吼えたけるもの』よ!あの娘を捻り潰し、喰らい尽くすがいい!」
彼の命令を受けて邪神が動く、巨大なる拳が或いは巨大な脚の踏み付けが彼女を挽き肉にするべく襲い掛かるが彼女はゲーマーとして鍛え上げた野生(?)の感と
動体視力で避け続ける。其の上で彼女は対戦相手であるカルロスの観察も忘れない。
彼は邪神委命令を下した後は何をするでもなく様子を見守っていた。本来なら邪神と一緒に攻勢を仕掛けて討ち取る絶好のチャンスなのに何故しないのか?
(やはり、邪神の力を制御できていない?)
そしてその予想が正しかったかのように先ほどまで怒涛の攻めを行っていた邪神の動きが乱れ始めた。カルロスを見やれば頭を押さえてよろめき倒れないようにするのが精一杯な様子。
「今がチャンスです!悪いですけど、あなたの頭脳を操らせていただきますよ!」
待ち望んだ好機を逃すシャルロッテではない。持っていたゲーミングPCを起動させ
コードを発動!そのまま邪神の脳にハッキングツールを生やし制御を難なく乗っ取ってしまう。
「さあて、ここから僕のターンだよ!」何度か邪神の手足の動作確認をして彼女はこれまでの鬱憤を晴らすかの如く邪神と共に反撃に転じる。
眼にあたる部分から邪悪を払う怪光線、巨体から繰り出す怒涛のラッシュ攻撃による蹂躙に対してコントロールを奪われたカルロスはただ逃げ回ることしかできなかった!
成功
🔵🔵🔴
片桐・公明
【POW】
変化した触手を見据えて一言
「牙の生えた触手、まるで蛇ね。これを抜けるのはしんどそうね。」
バイク『赤兎』に搭乗し敵本体に向かっていく
道中の触手の攻撃はUCを使用したバイクアクションで回避していく
「この赤兎の速度。捕らえられるというなら捕らえて見なさい。」
「三国一の名馬は伊達じゃないわよ。」
最悪途中で乗り捨てて、囮とする
心の中で一言謝って敵に向かっていく
敵本体に接近したらひたすら喰い付く
攻撃は回避するものの敵から離れないことに注力する
「己ごと攻撃できるというならやってみなさい。」
(絡み、アドリブ歓迎です。)
●
何とか体勢を立て直したカルロス・グリードは走行音が近づいてくるのに気づいて
そちらに向きなおった。
視線の先には自身に近づいてくる一台のバイク「赤兎」とそれに乗る片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)。
「さあて、行くよ赤兎!」
一気に加速する赤兎、その雄姿は三国一の名馬の名を冠するに相応しい。
「この赤兎の速度。捕らえられるというなら捕らえて見なさい。」
「いいだろう。」
啖呵を切る公明に答えるようにカルロスが召喚した邪神が赤兎直下から出現し赤兎諸共彼女を空高く打ち上げる!更に追加で召喚された触手が赤兎諸共自身を喰らおうとするの見やって咄嗟に赤兎を足場にして飛び降り、転がるように受け身を取って着地する。振り返ってみてみれば既に赤兎は触手に貪り食われた後だった・・・。
(ごめん、赤兎)
心の中で愛機に謝罪しカルロスと対峙する公明。だが、その距離はいまだ遠い。
「もしや貴公、我がユーベル・コードにユーベル・コードで対応しようとしたのか?
だとしたら甘いな。我がユーベル・コードは貴公らを必ず先んじる。己がコードに頼り切った策では破綻するのは道理である。」
本来彼女は赤兎と自身のコードを併用して一気に接近するつもりであった。だがグリモア猟兵が指摘したようにカルロス・グリードのユーベル・コードは必ず先手を取ってくる。せめて、赤兎をフルに生かす方向で策を講じていればまだ道筋は開けたであろう。
「まあ良い、そのほうが好都合だ。そのまま愛機の後を追うがよい!」
カルロスの命令の元、待機していた触手の群れは再度公明に襲い掛かる!
彼女はようやく発動させたコードをもって襲い掛かる群れの牙を避けカルロスへ向けてひた走る。例え愛機を失っても彼女に諦めるという選択肢はない。
母親譲りの近接戦闘能力と体得した舞踊を組み合わせた独特の体術で触手の群れを躱し、踏み台にして触手そのものを道としてカルロス向けて疾走する。
「カルロス、覚悟!!」
間合いに入った公明は渾身の旋風脚をカルロスに見舞うがカルロスは咄嗟に両手をクロスさせて防ぎ更にバックステップで後方に飛び、蹴りの威力を殺して一気に間合いを取ってやり過ごす。
「残念だったな。また会おう娘よ。」
なおも喰らいつこうとする公明を妨害するかのように触手の群れが道を塞ぎカルロスはその向こう側へ消えていった・・・・。
苦戦
🔵🔴🔴
播州・クロリア
また邪神山脈に訪れることになろうとは
案の定、制御はできていない辺り
連中の見通しの甘さがよくわかりますね
(救いを求めるように天を仰ぎ手を伸ばした後{晩秋の旋律}で『ダンス』を始める)
出来れば一柱残さず枯死させたいのですが後回しです
(『念動力』で浮かせた瓦礫を足場に『衝撃波』を使って素早く移動し触手を回避しながら{晩秋の旋律}で生み出した枯死の『呪詛』で触手を迎撃する)
さて、もうそろそろ準備もできました
このまま翅を使って敵の首魁を跳ね飛ばしてやりましょう
(UC【蠱の翅】発動)
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後退し体勢を立て直したカルロスの前に一人の猟兵が転移してきた。
(また邪神山脈に訪れることになろうとは。案の定、制御はできていない辺り
連中の見通しの甘さがよくわかりますね。)内心で容赦なく断じて現れたのは播州・クロリア(リアを充足せし者・f23522)。
「波状攻撃か、戦術としては悪くないがいい加減終わりにしたいものよ。」
「奇遇ですね、私も同感ですよ。ですが、もうひと踊り付き合っていただきます。」
皮肉めいたカルロスの物言いに言葉を返す男装の麗人は救いを求めるように天を仰ぎ手を伸ばす。カルロスという認識した対象を色とリズムに置換し同期する。
そうして彼女はゆっくりと舞始める。寂寥感、喪失感、退廃的な死を表す舞。
晩秋の紅葉が散りゆくさまを現したこの舞を「晩秋の旋律」という。
「ほう、見事な舞だが演目が終わるのを座視する義理もない。」
感嘆するカルロスだが、彼女の舞が彼女なりの戦闘スタイルだという事を理解し
自身の島を更に削って邪神を召喚する。
襲い掛かる「大地を喰らうもの」を彼女は衝撃波で飛び上がり回避する!
それだけではない。飛び散る瓦礫を足場とし衝撃波でなおも飛ぶ!
追いすがる触手のうち一本が彼女を捕らえようと迫る!しかし彼女に絡みつこうとした瞬間その触手は急激に干からび崩れ落ちてゆく・・。
彼女は舞の過程で枯死の呪詛を生み出しそれを纏わせていたのだ。
(できれば一柱残さず枯死させたいのですが後回しです。)
何故なら
「準備ができましたから」
言って彼女は背中の蜂の羽を広げ、自らの意志で飛ぶ!その速度は音速に迫り
追いすがる触手の群れを難なく振り切りカルロスに肉薄する!
「!!その翅は飾りではなかっという事か!?」
「虫ですからね。飛べますよ。準備は必要ですが」
驚愕するカルロスに淡々と答えつつ呪詛を纏ったオーラごと自身をカルロスに叩きつけるクロリア。
一進一退の攻防は徐々に猟兵側に傾きつつあった。
成功
🔵🔵🔴
雪華・風月
輝き惑わす邪神ですか…人の欲につけこむ邪神ですね
元よりわたしの欲は剣の道を極めること…
つまり眼前の敵を切り払う…混乱などありえません【狂気耐性・落ち着き】
光線は軌跡を見て回避を!【見切り・ダッシュ】
もしくは黒塗を『投擲』し光線を受ける盾代わりにでしょうか?
敵の攻撃を掻い潜り、『破魔』の霊力を込めた雪解雫にて邪神を切り捨て
そのままカルロス・グリードに一刀を、もしくは他の猟兵の方に託します
侮っていた…等と言っておきながらこれで充分との言
まだ、どこかで我らを侮っていた…その心の隙が貴方の敗北の理由です
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雪解雫を携えて剣道着に身を包んだ少女が吹き飛ばされたカルロス・グリードの前に立ち塞がる。
彼女の名は雪華・風月(若輩侍少女・f22820)帝都桜學に籍を置く若き侍である。
「次の相手は貴公か・・・来たれ『輝き惑わすもの』よ。彼奴の欲望を詳らかに暴き立てよ!」
カルロスは王笏のメガリスを掲げ新たなる邪神を召喚する。光り輝く宝石が出鱈目に合体したかのような、それでいて見るものを虜にする美しさを持つその邪神がいるだけで対峙する風月のうちに眠る欲望を掻き立てる輝きを放っていた。
「輝き惑わす邪神ですか…人の欲につけこむ邪神ですね。」
だが、彼女は動じない。まっすぐ邪神を見据えながらもその相貌に混乱はなかった。
「!?何!?」
動揺するカルロスに彼女は淡々と応じる。
「元よりわたしの欲は剣の道を極めること…」
未だ明鏡止水の境地には程遠い。けど、否だからこそ
「つまり眼前の敵を切り払う…混乱などありえません。」
負けられないと、その決意を秘め風月はカルロスへと肉薄すべく一気に間合いを詰めてきた!
だが、邪神が座して待つ理由はない。今度は彼女を宝石の塊に変えるべくまばゆい輝きが収束しレーザーのごとき光線を放ったのだ。
彼女は咄嗟に懐に忍ばせていた短刀「黒塗」を邪神めがけて投擲し、更に邪神の射線?を躱すべく大きくサイドステップし、回り込むように邪神に接近する。
投擲した短刀は全て宝石と化し地面に落ち、彼女の髪の先端も宝石と化していたが彼女は気にせず吶喊する!
邪神は再度彼女を宝石にしようと輝くを増すが既に自身の間合いに入った彼女のほうが早かった。
「その技…見切りました…!」
既に一度見ていたその攻撃を彼女は破魔の力を込めた逆袈裟の一刀で邪神諸共切り捨て、返す刀で更に邪神を召喚しようとしたカルロス・グリードを一閃する!
「っぐ!」
袈裟切りの一閃を受けたカルロスは豪奢な服を血に染めて膝をつく。
「侮っていた…等と言っておきながらこれで充分との言
まだ、どこかで我らを侮っていた…その心の隙が貴方の敗北の理由です。」
静かに断じる風月にカルロスは何も反論できず歯噛みするばかりであった。
ーー決着の時は近いーー
大成功
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ナイ・デス
光線も輝きも、放たれてから回避できる程の埒外では、私はありません
それでも……世界に選ばれた、世界を守る、猟兵、です
仮初の肉体が、宝石に変わっていく
それでも、ここではないどこかにある本体は、無事だから
私は、死なない。私は、死ねない
欲望がかきたてられ、混乱する
思い出すのは、名前をもらった日
私は、勇者のパートナー……そう、ありたい
だから
『いつか壊れるその日まで』私は、世界を守るのです……!
宝石化した肉体【念動力】で無理やり動かして
【覚悟継戦能力】体内からの、聖なる光で再生して
【激痛耐性】砕ける痛みも、大丈夫。死ぬほどの痛みでは、ないのです!
全身から【生命力吸収】する光を放ち
過去を骸の海へ、還します!
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ーー最後に彼がカルロス・グリードの前に立ち塞がった。
猫耳を思わせるフードのついた外套で白い魔法学園服を包んだヤドリガミの少年ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)。
満身創痍のカルロスは無言で王笏のメガリスを掲げ「輝き惑わすもの」を再度呼び出す。容赦などない、邪神は全身を輝かせその輝きと共に光線を放ちナイの体を宝石に変えていく・・・そして、それを回避する術を彼は持ち合わせていなかった。
今この場にある体は仮初の体。だから全身が宝石と化そうともどこかの世界にある本体が破壊されない限りーー
「私は、死なない。私は、死ねない」
我知らず呟く彼にカルロス・グリードは冷たく応じる。
「だが、貴様はもはや何もできぬ。そこで彫像と化し世界が蹂躙されるのを見届けるがよい。」
カルロスの言葉と共に邪神が更に輝きを強め少年の心の内にある欲望を暴き立てようと蝕む。欲望を掻き立てられ、心乱され彼は混乱し、彼は記憶を掘り起こされていく・・・・。
そうして彼は思い出す。世界を巡った日々を、何度死のうと本体が無事ゆえ死ねずそれでも救い続けた日々を。
その果てに彼は思い出す。彼女に出会った日を、その彼女に名前をもらった日に抱いた己が望みを!
(私は、勇者のパートナー……そう、ありたい)
だから
「『いつか壊れるその日まで』私は、世界を守るのです……!」
ーピシッー
嫌な音と共に宝石と化した彼の体にひびが入る。
亀裂を生じさせて彼は一歩踏み出す。前へ、カルロス・グリードに向かって。
「バ、馬鹿な!その体で動くだと!?あり得ぬ!!その状態で体を動かすなど己自身で骨を砕き、内臓を引き千切るようなものだぞ!?」
この日カルロスは幾度も猟兵達の奮戦に驚嘆してきたが、目の前で起きていることは極めつけであった。
実際、彼の体は念動力で無理やり動かしているのだ。一歩、また一歩、歩みを進める度に体は内部までひびが入り、砕け、進むたびに激痛が全身を駆け巡る。
其の度に体から生じる聖なる光で体が再生しまた砕ける。そして、また一歩彼は踏み出す。
(砕ける痛みも、大丈夫。死ぬほどの痛みでは、ないのです!)
不退転の覚悟をもって彼は前へと進む、自身が確かに抱いていた望の為に。
「だから、貴方を、過去を骸の海へ、還します!」
その言葉と共に全身から放たれた光がカルロス・グリードを包み込み生命力を、在る為の力を奪い尽くしていく!
「お、おのれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
断末魔を上げながらカルロス・グリードは光の中へ消えていく・・・・。
光が収まった後に生き残っていたのは少しづつ宝石から元の姿に戻りつつあるヤドリガミの少年であった。
大成功
🔵🔵🔵