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銀河帝国攻略戦④~厄災の導火線

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●コアマシン防衛戦
 ヘロドトスとの戦いにて得がたい勝利を収めるも、勝利に沸き立つ時間さえなく、その日もグリモアベースの慌ただしさは混迷を極めていた。枝葉のように伸びる戦場を駆け抜けて尽力する猟兵たちの足音がそこかしこから聞こえてくるようになったのも、かれこれ数日前からのことである。
 けれど、この忙しなさも致し方のないことだろう。
 遺失技術『ワープドライブ』の復活を経て、フォースナイト・ミディアのユーベルコードによって新たな力を得たことは幸いだったが、また同時に銀河帝国に対抗する手段を得た『解放軍』の再来は新たな戦火の幕開けといっても過言ではないのだから。

 グリモアベースの片隅にて、集った猟兵を見上げてクリス・ホワイト(妖精の運び手・f01880)もまた新たな知らせを手に作戦の開始を呼び掛ける。
「やあ、親愛なる君。もう新しい知らせについては聞いているかな」
 銀河皇帝、オブリビオン・フォーミュラ。その存在の重要性は既に承知のことだろう。彼を打倒するためにも、猟兵はミディアを失うことなく大決戦を迎えなくてはならない。
 この戦いの第一線においては、いまも戦場の最前線を駆け抜けていることだろう。しかし銀河帝国団の魔の手は広く、その脅威は再び宇宙船へと迫っていた。
「各宇宙船に潜入している銀河帝国団の工作員たちが、また一斉にテロを強行しはじめているようだ。君にはテロが起きようとしている宇宙船に向かってもらい、それを阻止してもらいたい」
 敵の狙いはひとえに、此方の戦力を削ぐこと。
 宇宙船の動力機械であるコアマシンが破壊されてしまえば、その宇宙船は解放軍との合流が叶わなくなってしまう。戦力の更なる糾合を目指しているいま、その結末は避けなくてはならない。
 クリスはこつりとステッキで床を小突いて、難しげな表情で髭を撫でる。
「まずは僕が、ミディアの元へ君を送るよ。そこから君はミディアと共に、件の宇宙船に向かってもらうことになるだろう」
 戦えないミディアを護衛しながらの防衛戦は、決して簡単なことではない。けれど、敵の今回の目的はあくまでコアマシンの破壊である。猟兵は機関室の前で、敵を迎え撃つことになるはずだ。
「かなり大きな船のようだから、戦場となる場所も広さは充分にある。それにすぐに戦うことになるだろうから、船員の避難なども気にせず君にはその場を守ることだけを考えてほしい」
 戦禍の火は、すぐそこまで来ている。その導火線に火が点いてしまえば、この世界の未来はあっという間に閉ざされてしまうだろう。宇宙船の人々のために、解放軍のために。ひいてはミディア、そして最前線でいまも戦っているすべての猟兵たちのために、今はどうか力を貸してほしい。
 ひとつの願いを託して、やがて線を描くようにして現れたグリモアは一際強く煌めく。クリスは手中のグリモアを見つめ、宇宙の銀河へ猟兵を送り出すのだった。


atten
お目に留めていただきありがとうございます。
すべりこみました。
特殊なシナリオになりますため、以下ご留意ください。

▼ご案内
舞台はスペースシップワールドになります。
工作員によるテロを阻止すべく、宇宙船にて防衛戦に参加してください。
いわゆる純戦ものとなりますので、格好よく書けるようがんばります。
よろしくお願いします。

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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 ボス戦 『帝国エージェント』

POW   :    ゴールドアイ
【金色の瞳】に覚醒して【歴戦の白兵戦型ウォーマシン】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    仕込み帽子
自身が装備する【鋭利な刃を仕込んだ帽子】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    ハッキング
対象のユーベルコードに対し【電脳魔術のハッキング】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠グロリア・グルッグです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

黒蛇・宵蔭
導火線を斬り落とすことこそ、我らが猟兵の役割と。
美しい銀河のために、ひとつ奮いましょうか。

守りを剥ぎ、敵を弱体化させることを目的に立ち回ります。
戦場を同じくする猟兵の影とか、不意を打ちやすいところから攻撃を。
鉄錆にて、距離をとりながら、その頑丈そうな身体に疵を刻んでいきます。
七星七縛符でハッキングの封じ込みを狙います。

直接斬り合うのは不得手ですが、正念場となれば、多少の痛みは耐えてみせましょう。
特に封じ込みが成功しているならば。我慢比べというやつですね。
電脳を封じてしまえば、ただのガラクタ。魂のないものに、負けはしません。

アドリブ・絡み歓迎


當良邑・祈
潜入して破壊工作…本来数で勝る帝国がとる必要すらない行動

それだけ猟兵達の活躍が功を奏しているのか、それとも帝国内に奇策、謀術、陰謀に腐心するものがいるのか

目的を達成されなくともただ暴れられ、混乱、士気の低下を引き起こされても面倒だ、出し惜しみはしない。機械脚を展開、降魔化身法で全身を甲殻で覆う。

「お前は機械か人か、それともマゼモノか」

派手な殲滅能力は持っていないが今回に限っては都合が良かった、味方の船内での戦い、船に風穴を開けるわけにもいかない。

ロープを使った立体起動で死角をとり、手裏剣を投擲する。
相手が攻撃に転じる隙に近づき機械脚で切り刻む。

(連携・改変・苦戦等歓迎)



●その生命線を死守せよ
 どこまでも続くような銀河の海を、その船は渡っていた。途切れない未来を信じて、既に最前線で戦っているであろう同志たちと合流するために。しかし、そんな宙の船に潜む魔の手はすぐそこまで迫っていた。船の動力機械とされるコアマシンが息づく、機関室の前まで。
「潜入して破壊工作、か……。本来数で勝る帝国が取る必要すらない行動だな」
 ーーかつり。
  魔の手、銀河帝国団の工作員が船内の喧騒に紛れて足を進める中、冷たげな床を蹴る音と共にその行く手を阻むように人影が曲角から現れる。
 現れたのは機械となった脚と共に生きる少女、當良邑・祈(サイボーグの化身忍者・f09602)。彼女は金色に瞬く冷ややかな双眸で工作員を睥睨していた。
「彼処も解放軍の再来を危険視していた、ということかもしれませんね」
 此方には知る由のないことではありますが、と呟きながら祈を追うように影から現れたのは黒蛇・宵蔭(聖釘・f02394)だ。頬にかかる髪を払い、宵蔭は血のように赤い瞳を細めて『鉄錆』に手をかける。
「では、美しい銀河のためにひとつ奮いましょうか」
 戦火を点す導火線など斬ってしまえばいい。それこそが猟兵の役割なのだと、決意を胸に秘めたる祈と宵蔭。
 そんな彼らに対し、銀河帝国団より来たる工作員はーーただ、1人。
 シンプルなスーツとは裏腹に、揃いのネクタイとマフラー。紳士然とした出立ちで中折れ帽を押さえた工作員、エージェントはこきりと子気味良い音を立てて首を傾げた。
「生体反応有り、機関室前にエネミー発見」
 遮る猟兵を一瞥した僅かな間、思考を表すようにかちかちと目元の赤い光が点滅する。人間であれば、難しげな顔をしていたのかもしれない。しかしエージェントは全身が機械であり、その声に温度がないようにその顔から伺える感情もなかった。やがて、エージェントは何事もないように頭の位置を戻して深く頷く。
 束の間、がちゃりと重たげな音を立てて開かれたのはエージェントが手にしていたジュラルミンケースだった。中に押し込められていたのはブラスターだろうか。エージェントはその無骨な銃を手に構えるとケースを打ち捨て、やはり感情の見えない声色で宣言する。
「ーー結論。任務の遂行に問題はない」
 武器を手に見合う双方、そしてコアマシン防衛戦の幕は切って落とされた。

 はたして、いち早くに地を蹴り駆け出したのは祈だった。機械脚を展開した後、両手を結ぶことで異形なるものの力を宿し、降魔化身法をもって全身さえ甲殻で覆った祈の姿はもはやただの華奢な少女ではない。ロープを射出し空中を縦横無尽に駆けた祈はそうして、素早い動作でエージェントの背後を突いて手裏剣を投擲していく。
「お前は機械か人か、それともマゼモノか?」
 立体的な起動を可能とした祈は、エージェントが手裏剣を防ぐ隙を縫うようにしてぐっと距離を詰める。
 機械か、人か。もしくはそのどちらでもある存在なのか。すべてを覆い隠したエージェントから窺えるものはない。見極めようと距離を詰めたことで、近付いた視界の中でかちかちと点滅する赤色と目が合ったような気がしたが、それは直ぐ様に向けられた銃口を避ける内に逸れてしまった。
「……その問答は無意味だ」
 問いかけに素気なく返したエージェントの、その手にしたブラスターの熱線が船内を駆ける祈を付け狙う。そしてその熱戦がついに祈へ迫ろうとした時だった。
 砂嵐のような雑音が鳴り、エージェントの動きが僅かに止まる。赤色が忙しなく点滅する中で、鈍い動きで首ごと動かしたエージェントが見たその先にいたのはーー、
「電脳を封じてしまえば、ただのガラクタ。魂のないものに、負けはしませんよ」
 手にした護符をひらひらと揺らしてみせた夜蔭が、白皙を引き立てる赤い瞳を細めて薄く微笑む。祈が駆け回る間にも夜蔭が『鉄錆』でエージェントの守りを削ぎ、さらには七星七縛符でハッキングを封じ込めることに成功したのだ。
 そして。
「祈さん!」
「ーー無意味なのは、お前のやろうとしていることでしょう?」
 何故ならその破壊を、猟兵は絶対に許さないのだから。
 夜蔭の声に背中を押されるように祈は素早く宙を駆け、ハッキングエラーにより動きを止めたエージェントの首をめがけて鋭い機械脚を勢いよく振り下ろすのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

空見・彼方
戦争云々もだけど、コアマシンってのは船の生命線なんだろ?
壊れたら此処に住んでる人達が大変だ。

つーわけで、此処はとおせませんぜー
(薬飲んで覚悟キメつつ)

人形の空白は怪力で短槍を振るい攻撃する前衛に、
俺は後ろから敵の攻撃、仕込み帽子をネイルガンでスナイパー。狙って、いくつか壁に打ち付けて隙を作る。
そこに空白の衝撃波を叩き込む。

ダッシュで敵に接近し、UC発動!
残りの帽子は俺がわざと身体で受け止める。
その攻撃はさっきみた!激痛耐性で耐える。
なにより、俺はもう覚悟している!
自爆で帽子を相殺するついでに敵を爆破!
俺も死ぬけどそこはUC死ではなく、夢でもなくで即座に復活!
至近距離からネイルガン撃ち込む



「つーわけで、此処は通せませんぜー」
 削げた首元の接合部を撫ぜたエージェントを前に、空見・彼方(ゾンビアタッカー・f13603)は覚悟を決めてネイルガンを構える。コアマシンが船の生命線である以上、戦争の話を抜きにしても此処に住んでいる人たちを思えば絶対に守らなくてはならない。戦うことを好むことはないが、此処まで来た以上やることはただひとつだった。
「んじゃ、頼むぜ空白!」
 彼方がそういって声を掛けたのは、彼方の前に立っていた人形だ。だが、ただの人形ではない。姿なき女の人格を宿したその人形は、自律人形として思うままに動くことができるのだ。物言わぬままに視線のみで静かに頷いた人形、空白はそうして短槍を手に、真っ先にエージェントへ向かって駆け出していく。
 エージェントが操る仕込み帽子の刃を前にしても、慣れた様子の2人の連携が崩れることはなかった。空白が短槍を振るい、彼方が後方よりネイルガンを打ち込むことで隙を作れば、さらに空白がそこへ衝撃波を叩き込む。
 そうして僅か後退したエージェントに好機と見た彼方は、素早い動作で後方から距離を詰め――ネイルガンの銃口を向ける。しかし。
「ご、ふっ……」
 瞬くよりも早く、激痛が彼方へ襲い掛かる。ネイルガンから弾が射出されるよりも前に、エージェントのブラスターによる熱線が彼方の胸を貫いたのだ。
 息の詰まるような思いで吐き出された息に混ざる、赤い色。それが血であることを認識すると同時に口元を手で覆った彼方を、エージェントは見下ろしていた。
「否定。ここは通させてもら、――?」
 彼方を御し、先を見ようとしたはずのエージェント。けれどその一定の間隔でかちかちと点滅していた赤い目元が、まるで動揺しているかのように揺らぐ。追い打ちをかけるはずだった手は鈍り、仕込み帽子はぱさりと乾いた音を立てて地に落ちていた。

 エージェントは、声を失ったように彼方の胸もとを見下ろしていた。その顔が見えていたなら、きっと目を丸くしていただろう。何故なら、エージェントが見下ろした胸もと、そこにあるはずだった彼方が受けた傷がまるで煙のように消えていたのだ。
 やがてゆらりと緩慢な動作で、彼方の口元から手が離れていく。手を離れ視界に映るその口元は、確かに笑っていた。
「言ってなかったか? 俺はもう、覚悟してるんだって」
 姿なき女が、笑う気配がする。その笑みを背に、彼方はエージェントを見上げた。
 痛みはあった。痛いものは痛い、そこに変わりはない。けれどどんな攻撃でも、どんな痛みでも、耐えてみせるという覚悟が彼方にはあったから。彼方は何度でも折れずに立ち上がる。
 いまとなっては、彼方の衣服に残る熱線による焼き焦げたような痕だけが、確かにあった痛みを告げている。けれど熱線に貫かれたはずの傷は、もうそこにはない。まるではじめから何もなかったかのように。まるで時間を巻き戻したかのように。
「疑問。お前はなんだ?」
「――ははっ、そんなの俺が知るかよ」
 疑問を呈するエージェントに再びネイルガンを手に組み付いた彼方は、そうして至近距離から今度こそ銃弾を撃ち込みながら大きく笑った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鈴木・志乃
【絡みアドリブ歓迎】
【コミュ力、礼儀作法で積極的に連携します】

……行こうか

【戦闘】
UC発動
迅速に無効化しなきゃ
初手、【裁きの言葉】をマイクで叫ぶ【衝撃波】
敵だけに当たるように注意ね
注意をこちらに向かせて【誘惑】し誘導したい
必要なら【スライディング】で急接近
そのまま毒を塗った(効くかなあ?【毒使い】)【光の鎖】を投擲、【聖者のオーラ】をぶちかます

鎖で【武器受け】し【カウンター】で返す
でも極力避けてマイクの【歌唱】による【衝撃波】で遠距離から攻撃したい所
【スライディング】【第六感】【見切り】で回避ムーブ
かすったのは【オーラ防御】で少しでも軽減して行く

負けられないんだよ、この戦いは



 既に戦況は動いている。その様をまっすぐとオレンジの瞳で見据えた鈴木・志乃(ブラック・f12101)はヘッドセットの位置を僅かに直し、ひとつ頷いた。
「……行こうか」
 対峙するエージェントの消耗具合を見ても、勝機はこちらにあると言っていいだろう。やることはひとつだとマイクの音通りを確かめた志乃はそして、手始めに小さく息を吸って、それからマイク越しに叫ぶ。
「貴方はこの世界を害しました。その罪を償ってください――!」
 それは、裁きの言葉。
 その言葉は口元に添えられたマイクを通して衝撃波となり、エージェントへ襲い掛かる音の波は間違いなく敵のみを狙って裁くだろう。目に見えず、防ぐことさえ敵わない音の波に押し流されていく仕込み帽子に、エージェントの注意が志乃へ向かうのがよく分かった。
 それはまさに、志乃の術中に嵌ったということだ。ブラスターの銃口が向けられると同時に熱線を掻い潜り距離を詰めた志乃は、続けざまに光の鎖を投擲し、聖者のオーラを放出する。
 そのいずれも、志乃が操る聖者の裁判によるもの。この世界を守りたいと願う志乃の意思は強く、その魂の呼び声に応えるように光の鎖も、聖者のオーラも強く瞬いた。
「ぐっ……! センサーエラー、視界不良……!」
 視界を奪う光の眩さに、エージェントの目元が一際強く点滅する。五里霧中のなかで乱射された熱線がかすろうとも、聖者のオーラは志乃をすべての悪意から守ってくれるだろう。
 恐れずに立ち向かう覚悟をもって、志乃は視線を逸らすことなく前を見据えたままに告げた。
「負けられないんだよ、この戦いは!」
 そう、負けるわけにはいかない。
 守りたいもの、守るべきもの。そのすべてを想いを乗せて告げれば、光の鎖は志乃の声に呼応するようにきらりと瞬く。
「あなたはここで、私たちが止めてみせる!」
 そして。
 まるでその意思に応えるように伸びた光の鎖は、エージェントの腕を捕らえ、エージェントの手に持つブラスターごと貫くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

唐草・魅華音
追い詰めたならば、一気に決着をつけるべきだね。戦争に勝つ一手に、なにより、この船を堕とさないために。
目標、帝国エージェント。完全排除、開始するよ。

接近戦で大打撃を狙うよ。
弾幕を張って攻撃の手数を封じつつ一直線に突っ走って距離を縮め、近づいたら勢いを殺さずジャンプして相手の頭を飛び越え、空中で刀に持ち替えてドローン起動、着地時点で【塵斥魅踏の流法】発動させて連続でめった切りにするよ。

「わたしはただの傭兵、ただのあなたの敵。わたしの敵であるならただ排除するだけだよ」


アドリブ・共闘OK


弁柄堂・平吉
ここで終い。行き止まりです。帰り道はありません。ここで大人しく果ててください。

■SPD
敵が帽子を飛ばすなら、俺は傘で全てを打ち落としましょう。〔錬成カミヤドリ〕で15の傘を出して帽子を叩き落とします。傘を閉じれば空気抵抗も少なく速さも出せましょう。
その隙に〔咎力封じ〕で地面スレスレにロープを伸ばし、敵を拘束。地面から意識をそらすため、傘の展開は可能な限り上空で行います。傘は囮ですが…油断するようなら、そのまま【串刺し】にしてやりますよ。
拘束が出来れば後は【傷口をえぐる】だけ。

負けません。通しません。やらせはしません。
命を助けられる…それだけの力がある。そう、信じてますから。

アドリブ絡みOKです


ルル・ミール
時は金なりってお祖母ちゃんから教わりました
だから迷ってられません、思い切り工作員さんに突っ込みます!
野生の勘で攻撃をかわせたら凄く嬉しいですけど…
できなかったらその時はその時です

まずは右手をガチキマイラでライオンさんにして、ガオーッて攻撃ですよ!
反撃されたらきっと痛いですけど…
痛いっていうそれも、今は我慢です
だって私は戦うために、守るためにここへ運んでもらいましたから!
2回攻撃で更にガオーです

コアマシンの破壊なんてさせません!
テロなんて全然ときめかないものは、ここで木っ端微塵にするんです!

※他猟兵さんとの絡みOKです



●銀河戦線を越えて
 破壊され剥き出しとなったエージェントの腕は、だらりと垂れている。指先から滴り床に溜まったものは赤い血ではなく、どす黒いオイルのようなものだ。その損傷部から見ても、どうみても人間のものではない。少なくとも。工作員、帝国エージェントの体には人間味などどこにも残されていないことが見て取れた。
「損傷率、およそ75%。作戦を変更する」
 がが、が。船内に反響するのは、そんな途切れかけた雑音。いや、エージェントから発声されている機械音だろうか。
 使い物にならなくなったブラスターを腕ごと破棄したエージェントは、目の前に立つ猟兵を見据えて新たな仕込み帽子を複製し、戦闘続行の意思を見せている。
「――目標、帝国エージェント。完全排除、開始するよ」
 瞬く間に複製されていく仕込み帽子に恐れることなく、そう言って力強く宣言したのは唐草・魅華音(戦場の咲き響く華・f03360)だ。戦場に咲く華の如く、鮮やかな桃色の髪を揺らしながら魅華音は自らに合わせて作られたオーダーメイドの銃火器『MIKANE』を構える。
 それは、隣に立つルル・ミール(賢者の卵・f06050)もまた同じく。ぴんと立ったジャーマンシェパードの耳をぴこぴこと動かしながら、ルルは笑顔で続く。
「時は金なりって、お祖母ちゃんから教わりました。だから、迷ってられません!」
「ああ、俺も支援しよう。……ここで終い。行き止まりですよ、エージェント」
 これより先、行く道はない。しかし、帰り道も与えはしない。
 蛇の目傘を手にした弁柄堂・平吉(弁柄堂・f13885)もまた、エージェントと向き合うように立つ。コアマシンが息づく機関室へは、絶対に行かせはしない。ここで終わらせて見せるという決意を胸に灯し、3人の猟兵たちは動き出した。

 誰よりもいち早く、エージェントへ攻撃を仕掛けたのは接近戦を選んだ魅華音だ。
 エージェントの消耗具合からも既に終わりが近いことを理解していた魅華音は、更なる大打撃を与えるために銃弾の弾幕を張りながら一直線に距離を詰めていく。念力で操られた鋭利な仕込み刃を以ってしても、その速度には追いつけない。
 そして、勢いを殺さないままに宙を駆けエージェントの背後を取ることに成功した魅華音は、いつの間にか持ち替えていた刀を手にドローンを起動する。
「我はこの戦場で塵と斥け、舞い踊る。――流法、塵斥魅踏!」
 それは、目にも留まらぬ超高速連続攻撃。
 起動したドローンに自らの操縦権を一時完全譲渡することによって、超高速の連続攻撃を可能とした完全操縦プログラムだ。目まぐるしい連続攻撃がエージェントを切り裂き、確実にその身を削っていく。
 けれど、エージェントもその攻撃によって手を緩めることはない。痛覚を切断したエージェントは損傷の激しい部位に拘ることをせず、残った力で更なる仕込み帽子を複製し、止まらぬ攻撃を仕掛け魅華音の背後を狙っていた。
 しかし。
「そうはさせません、よ!」
 無防備となった魅華音の背後を守るように、右手を獅子の頭部へ変形させて飛び込んだルルが、帽子ごと噛み千切るように破壊して叫ぶ。
 痛いのはもちろん嫌だ。戦うことだって好きなはずもない。それでも戦うために、守るためにここまで来たのだから。ルルもまた、確かな決意を以ってここに立っているのだから。仲間だって守ってみせると、ルルの手となる獅子は大きく吼えた。
 そうして。
「……わたしはただの傭兵、ただのあなたの敵。わたしの敵であるならただ排除するだけだよ」
 背を守られたことが功を成して、力尽きたエージェントの仕込み帽子による猛攻もそこで止まる。超高速連続攻撃による損傷は激しく、最後の一撃を受けて地に伏せるように倒れたエージェントを見下ろして、魅華音は静かに言葉を落とした。

 戦いは、そこで終わったようにも見えた。
 だが、次の瞬間。

「――作戦変更を承認。自爆モードが許可されました」

 エージェントの声とはまた異なる声が、力尽きたエージェントの体から響いた。
 エージェントよりも更に無機質で、温度のない声。しかしその高さを思えば、女性に程近い声と言えるだろうか。その言葉の意味を理解するが早く表情を変えた猟兵たちであったが、その中で平吉はすぐさま蛇の目の傘を振るい、そして拘束ロープをエージェントに向かって放った。
「やらせはしません――!」
 無機質なカウントダウンが、反響する。そのさなかで。
 倒れ伏したエージェントの心臓部を狙うように素早く傘を振り下ろして、平吉は勢いよく串刺しにする。がきん、と金属音が鳴ってもその手は止まらない。傷口を抉るように何度も突き刺し、確実に破壊するまで。
 しかしなおも、カウントは止まらない。5、4、3……そして、すべての力を振り絞るように、再び深く突き刺せば――硝子が割れるような軽い音を最後に、カウントする声は止まった。
「……止まった、か?」
 返す声は、なかった。傘を離せば、物言わぬエージェントから壊れた部品が転がり落ちる。きらきらと硝子のように瞬く破片は、まるで銀河を映して輝いているようだ。
 ただのがらくたと成り果てたエージェントは、変わらずそこある。けれど、今度こそこの戦いの終わりを確認した猟兵たちはそうして顔を見合わせ、ほっと息を吐くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月17日


挿絵イラスト