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羅針盤戦争〜オペレーション・アストライア

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #カルロス・グリード #オブリビオン・フォーミュラ #三の王笏島

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●決戦を待つ第三の王笏
「人の心と科学の力が世を照らし、魔は影に潜み光を喰らわんとする。それが我が第三の力──」

 ついに発見された第三の王笏の本拠地。邪神山脈と化した島の中心で、カルロス・グリードは静かに決戦の刻を待つ。

「邪神は善悪の彼岸にいるが故、我が力によって抑えられることは不可能だ。邪神が神たる由縁は唯一つ、等しく裁定をくだす上位者であること。故に、この邪神山脈は裁定の場である。我らか、猟兵か。決戦の舞台として相応しい場はここをおいて他にあるまいよ」

 そう、この邪神山脈こそ羅針盤戦争の天王山がひとつ。この場に住まう邪神は戦いの行方を見守り、裁きを下す。

 邪神はどちらを選ぶのか。猟兵か、それとも王笏か──。

●オペレーション・アストライア
「ついに第三の王笏の本拠地が判明しました。蒼海羅針域の南西に発見された巨大な島です。第三の王笏たるカルロス・グリードはここで我々を待ち構えています」

 ジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵・f29697)がスクリーン上に海図を映し出す。その巨大な島を見て驚愕の声が集まった猟兵たちから次々と上がる。

「この島の地形照合を行った所、UDCアースの南極に位置していた標高10363メートルの山脈が該当しました。その証拠に、UDCアースの記録上でこの山脈がある時を境に存在を消失させています。現在のUDCアースの最高峰が標高8848メートルを誇るエベレスト山であることは皆さんご存知のとおりかと」

 つまり、もしもこの山脈がUDCアースにて健在であったならば、世界最高峰の記録はこの山脈が保持していたことになる。ちなみに、UDCアースの南極調査隊は標高4285mのシドリー山以上の高さを誇る山を発見することはなかった。

「UDCアースの伝承によれば、この山脈は邪神が多く集う地として伝えられており、事実としてグリモアの予知でも多数の邪神の姿が確認できました。しかし、この山脈に住まう邪神たちは今回の戦争においては中立的な立場のようです」

 ジェイミィは、グリモアを通して邪神の意思を伝えられた。それによると、この戦いにおいてどちらが強者たりうるのかを見定めたいということである。さらには、弱者に対しては相応の裁きを下す、という。

「即ち、この戦いはどちらが邪神を味方につけられるかが鍵となります。邪神に認められるには唯一つ、相手を上回る力を見せることです。武力だけでなく、知力や体力、意思の強さ、悪運……自分が誇る力をカルロス・グリードにぶつけ、圧倒することで邪神はその力を認めるでしょう」

 邪神の裁定は恐ろしく無慈悲だが、同時に公平でもある。故に、この作戦コードはこう名付けられた。「オペレーション・アストライア」、と。

「邪神はさらにこうも告げました。この戦いに猟兵が勝ったのであれば、邪神が知る七大海嘯支配下の島をひとつ、猟兵に明け渡してやろう──とも」

 邪神山脈の邪神は、どちらの側につくのか。それを決める戦いが始まる。

「この戦いこそ、羅針盤戦争の今後を占う重要な作戦になることは間違いないでしょう。必ずや勝利をこの手に掴んでいただきたい。それでは──オペレーション・アストライアの発令をここに宣言します」

 ジェイミィはブリーフィングを終え、ポータルを起動する。

 ──羅針盤戦争、特別作戦コード「オペレーション・アストライア」、開始。


バートレット
 どうも、バートレットです。
 ついに第三の王笏との決戦です。……2月始まって僅か4日でもう本拠を特定された第三の王笏さんの運命やいかに。

 今回、プレイングボーナスは以下のとおりです。

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 プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。
 =============================

 敵は必ず先制攻撃を行うため、まずはこの対処をお願いします。加えて、上記プレイングボーナスを達成した場合に限り、「邪神山脈に住まう邪神に認められるだけの力を示す」行動を取ると追加ボーナスを獲得します。この追加ボーナスを獲得した場合、なんと邪神山脈の邪神が猟兵を援護してくれます。さらに、このシナリオが成功した場合、邪神から七大海嘯支配下の島がひとつ、猟兵側に進呈されます。邪神を味方につけるためにも、己の力がカルロス・グリードを上回ることを示してください。

 それでは、皆さんのアツいプレイングをお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『七大海嘯『三の王笏』カルロス・グリード』

POW   :    邪神「大地を喰らうもの」
【本拠地の島の面積】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【大地を牙の生えた触手】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    邪神「吼えたけるもの」
【目にした者の正気を奪う、漆黒の巨人型邪神】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    邪神「輝き惑わすもの」
【光り輝く宝石のような美しき邪神】の霊を召喚する。これは【命中した対象を宝石に変える光線】や【敵の欲望をかきたて混乱させる輝き】で攻撃する能力を持つ。

イラスト:hoi

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ルイス・グリッド
アドリブなど歓迎

俺は絶対に生者を守るって決めているんだ
切り捨てられたくなかったらそこをどけ、邪神
力は無いが諦めの悪さは負けないぞ

SPDで判定
先制攻撃には目を閉じた上で【狂気耐性】で狂気に耐える
それから銀腕を【武器改造】で盾に変え【盾受け】したり【オーラ防御】で防ぐ
初撃を防ぎ【落ち着】いたら目を開けて、銀腕を【武器改造】で剣にして左腕を突き刺し、痛みで正気を保つ
俺の示す力は「生者や仲間を守る」という目的への諦めの悪さ
【勇気】【覚悟】【気合い】を以て示してやる
裁きがどうあろうがその後は【ダッシュ】【悪路走破】で接敵、【怪力】【鎧無視攻撃】【早業】を使って【切断】【串刺し】する


シル・ウィンディア
邪神に認められるっていうのはなんだか抵抗あるけど
でも、この世界の為に必要なら、頑張るっ!!

対UC
敵の光線は【第六感】を信じて光線を【見切り】
【残像】を生み出して【空中戦】でのジグザグ【フェイント】機動で回避

輝きは【オーラ防御】に闇属性を【属性攻撃】を付与して
自身の前方に展開させてサングラス代わりにするね
これで軽減できれば…

攻撃は精霊剣と光刃剣と風精杖を結合させたビームスピアモードっ!
【空中戦】で【残像】を生み出しつつ最短距離を移動しつつ
ランスチャージみたいに突進してヒット&アウェイ
当たらなくても、そのまま抜けて…

【限界突破】の【魔力溜め】で力を蓄えて
【高速詠唱】で【全力魔法】の《指定UC》!!


空桐・清導
POWで挑む

ようやく会えたな、カルロス!
お前の野望は此処までだ!

触手に変換されていく大地を見ながら対策を考える
しかも、今回は邪神に己の強さを見せる必要がある
オレが見せられる強さか…
んなもん決まってる!
[勇気]と[気合い]とヒーローとしての[覚悟]だ!
迫りくる触手に向かって突撃
襲い来る触手を殴り、避け、更に前進
当たりそうなものは[オーラ防御]で防ぐ
しかし、多勢に無勢
徐々に押されるが、まだだ!
追い詰められるたびに[限界突破]して乗り越える
ヒーローは絶対に負けられねえんだよ!

捉えたぞ、カルロス!
触手を[なぎ払い]、懐に入ってUCを発動
身に纏った光焔を拳に収束させて[力溜め]
腰を入れて全力で叩き込む!



●First Attack
「ようやく会えたな、カルロス! お前の野望は此処までだ!」

 威勢よく先陣を切ったのはヒーロー・ブレイザインこと、空桐・清導(ブレイザイン・f28542)。さらに2人の猟兵も続く。

「俺は絶対に生者を守るって決めているんだ……切り捨てられたくなかったらそこをどけ、邪神。力は無いが諦めの悪さは負けないぞ」
「邪神に認められるっていうのはなんだか抵抗あるけど……でも、この世界の為に必要なら、頑張るっ!!」

 ルイス・グリッド(生者の盾・f26203)、そしてシル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)。それぞれが一騎当千の強者である。2人はこの戦いの裁定を行う邪神に語りかけた。

「ふ……敢えて自らの力の無さを晒すか、デッドマン。だがその意気や良し。そしてエルフの少女よ、この場は我は公平に審判を下す。そこに邪も聖もない、ただ結果のみが正義だ。さぁ戦端はここに開かれた。示すが良い、己の力を!」

 カルロスは3人の姿を認めると、真正面から相対する。

「来たか、猟兵たちよ。最早言葉は不要。裁定を始めよう」

 カルロスは言うが早いが、3者それぞれに有効と思われる一手を打った。身のこなしが軽いと見たルイスに対しては漆黒の巨人型邪神を召喚し、けしかける。魔術に長けたシルには宝石の如き輝きの邪神が呼び出され、地力に長けたブレイザインには大地から触手を次々と生やし、飽和攻撃を仕掛けた。

 ルイスが相対する漆黒の巨人は目にすれば狂気に染まってしまう。であれば、とルイスは目を閉じ、ひたすら巨人の攻撃を耐えることを選んだ。内から湧き上がる狂気を己の精神力で抑え込み、銀腕を盾に変じた上で自身の前に構え、覇気すらも防御に回す。巨人は拳をルイスに向けて突き出すが、覇気によって勢いが減衰され、銀の盾がルイスへの直接打撃を阻んだ。それでも衝撃はルイスの身体に伝わり、盾を構えた腕から伝わる全身の痺れを感じる。それでもルイスは耐えてみせた。
 痺れが収まれば、ルイスは目を開ける。巨人を目にしたことで狂気が増幅されるも、銀腕を剣に変えて腕を突き刺し、痛みで意識を強引に引き戻す。

「ほう、己を傷つけてまで狂気を耐えるか」
「生者を、仲間を守るためには……俺はどこまでだって耐えてみせる!」

 狂気を強引に振り払い、強敵たるカルロスと漆黒の巨人を見据えるルイス。その勇気と覚悟は、裁定を下す邪神の心にもしかと響いた。

「なるほど、それが汝の力か。そして実際に耐えてみせたことで力は示されたな。ここに裁定は下された……我は汝の力となろう」

 次の瞬間、ルイスの隣には眼前の漆黒の巨人と姿形が瓜二つの、銀色の巨人が立つ。

「我があの漆黒の巨人を抑える。存分にカルロス・グリードを屠るが良い!」

 漆黒の巨人目掛けて、銀色の巨人が格闘戦を挑む。拳打と蹴撃が漆黒の巨人に飛び、これらの打撃をまともにうけた漆黒の巨人は倒れ込み、大地を揺らす。ルイスはそれを尻目に、カルロスに向かって銀腕を振りかざしながら一気に迫る。

 シルは輝きの邪神から放たれる光条を持ち前の機動力で次々と躱していった。そのスピードは残像すら見えるほどだ。時折フェイントも織り交ぜた複雑な軌道が輝きの邪神を翻弄する。輝きの邪神はついに自ら輝きを強めた。まともに見てしまえば己の欲望を暴走させてしまうだろう。
 しかしシルはとっさに目の前に漆黒のオーラを展開する。闇のオーラは遮光効果を持ち、輝きの邪神が放つ閃光はその力を大きく弱められ、シルの精神を欲望に染めるに至らない。

「一気に決めるよっ!」

 精霊剣、光刃剣、風精杖の3つの武器を組み合わせた光の槍を作り出したシルは、ビームを回避した際の慣性を利用して空中を滑るように移動しながらカルロスに向かって飛び込んでいく。とっさにカルロスは輝きの邪神を己の前に立てて防御しようとするが、あまりにも速いシルの動きに追いつけていない。さらに、輝きの邪神の周りにはどういうわけか、漆黒の闇がまとわりつき始め、その宝石のような輝きがくすみ、体表がひび割れていく。

「その目にも留まらぬ速さ、そしてとっさに見せた機知、見事なり。エルフの少女よ、汝には力があると認めよう。裁定は下った! カルロス・グリードよ、その邪神は最早何の力も持たぬ木偶人形と知れ」
「くっ……輝きの邪神を封じるか、裁定の邪神よ!」

 そして、残るブレイザイン。彼が見せる力は唯一つ。

「んなもん決まってる! 勇気と気合いと……ヒーローとしての覚悟だ!」

 カルロスが地面から放つ触手の群れへと突撃し、襲いかかる触手には全て己の拳で殴り返すことで威力を相殺する。避けられるものは身を躱して避けながら、カルロス本体へと迫っていく。しかし多勢に無勢、触手の群れはまだまだ増えていく。徐々に押し戻されるブレイザインだが、ここで負けるわけにはいかないという覚悟が、ヒーローとしての意地がある。何度押し戻されようとも前に進もうとする意志、そのヒーローとしての姿には裁定の邪神も心が動く。

「何故、諦めぬのだ」
「簡単だ! 俺がヒーローだからだ! ヒーローってのはな、追い詰められればそれだけ強くなる! ヒーローは絶対に負けられねえんだよ!」

 その答えに、裁定の邪神は決心する。

「……ヒーロー、か。その底力、驚嘆に値する。我は汝の力に敬意を表すとしよう……答えよヒーロー、汝の名を」
「俺は空桐・清導……またの名をブレイザインだ!」
「良かろう、ブレイザイン。裁定はここに下された。我は汝と共に戦おう!」

 次の瞬間、触手の群れが地面から湧き上がる炎で一斉に焼き尽くされる。

「その熱き心、我にしかと響いた。行け、ブレイザイン! 己の正義を示せ!」

 かくして、邪神に力を見せつけた3人の攻撃は、手持ちの邪神を全て無力化されたカルロスに一斉に襲いかかる。銀の剣が、光の槍が、光焔の力を込めた拳が、カルロスの体を揺らし、地に叩き据えた──!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミニョン・エルシェ
結局は不確定な戦力であり、戦場の霧。
私は私の城で事に当たる、それだけです。

先制攻撃を凌ぐが先決。変異した大地を【地形の利用】で逆利用、敵たる触手を【敵を盾にする】事で【時間稼ぎ】を行い、【視力】で見切りながら【野生の勘】と【幸運】を活かして回避に専念します。

反撃は【指定UC】にて。【地形を利用】して城を築くには良い山です。岩村、備中松山、高取…三大山城に負けぬ邪神山脈の山城、此処に普請します。
【拠点防御】なら私にも自信があります。
城からは【城対龍誘導弾】をカルロスへ【一斉発射】し、死霊侍衆は大弓で【援護射撃】を。
私も山城から援護を受けながら【空中戦】で飛び出し、【捨て身の一撃】、馳走します。


ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ
【アドリブ・連係歓迎】POW
決戦?なにそれ美味しそう!
アクセントをつけようね☆

事前に「肉体改造」を施して弾力と増殖スピードを上げて噛み切れないように強化!
触手の噛み付きを防ぎつつUC【飢餓つくと肉肉しい惨劇】にて増殖し続ける肉塊に変身!
触手の食欲を匂いで(匂いは化学物質だから鼻が無くても出来るはず)増幅させて、増殖した肉塊を齧らせる!
体内に入った肉塊はなおも増殖して……どかーん!

勝利の暁には触手「料理」で「宴会」だー!
あ、代償になった島の面積は切り離した肉塊を改造して島の土壌にするよ♪


リゼ・フランメ
◆心情
禍々しく、邪なれど神なればね
願いを、祈りをもってば届く存在
……或いは、ひとの持つ光に祓われるからこそ、闇の邪神かしら

ただ認める、認めないは関係ない
私は全身全霊、全力を以て挑むだけ
「それは何時だって変わらないの。この胸に燃える理想の焔の侭に」

◆戦闘

地を這うようにまずは全力でダッシュ
地面を変化させるならば、その前兆がある筈と周囲の景色の動きと邪悪な気の流れを見切り
攻撃に触手が映えた瞬間まずは跳躍
重ねてオーラ防御を足場のように張り、それを焼却で爆発させて更に勢い乗せて推進力にして回避と切り込みを

さあ、焔と共に蝶のように舞い、風と共に刃で奏でましょう

劫火剣の間合いに入れば、破魔の炎灯した刃で一閃



●Second Attack
「結局は不確定な戦力であり、戦場の霧。私は私の城で事に当たる、それだけです」

 ミニョン・エルシェ(木菟の城普請・f03471)は最初から邪神の助力を当てにせず、ただ己の戦術を組み上げ振るうのみであると結論づける。

「決戦?なにそれ美味しそう! アクセントをつけようね☆」

 フォーミュラとの戦いすら極上の食材と認識するのはラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ(ハラペコかわいいコックさん(可食・高栄養・美味)・f31483)。ならば味付けが必要だ、と戦場に立つ。

「禍々しく、邪なれど神なればね。願いを、祈りをもってば届く存在……或いは、ひとの持つ光に祓われるからこそ、闇の邪神かしら」

 感慨深く呟くリゼ・フランメ(断罪の焔蝶・f27058)は、赤い髪をたなびかせながら眼前のフォーミュラ、カルロス・グリードに相対する。その双眸には確かな決意を宿していた。

「ただ認める、認めないは関係ない。私は全身全霊、全力を以て挑むだけ……それは何時だって変わらないの。この胸に燃える理想の焔の侭に」

 リゼの言葉に、カルロスはただ笑う。

「ならば殉じろ、その理想に。さぁ……裁定を始めよう!」

 カルロスが手を広げると共に、カルロスの周囲から同心円状に大地がひび割れていく。そこから次々と、マグマが噴出するかのように現れる無数の触手。それらは3人の猟兵へと容赦なく襲いかかる。

「先制攻撃を凌ぐが先決! 参りましょう、お二方!」
「オッケー!」
「そうね……来るわよ、構えて!」

 ミニョンは新たに生えた触手の陰に隠れ、先行して襲いかかってきた触手を新たな触手に襲わせる。触手同士の同士討ちを狙う格好だ。これによって新たに生えた触手の動きを観察する時間を作り、攻撃を見切る。

 事前に己の肉体に強化を施したラヴィラヴァ。全身の細胞が弾力を持ち、代謝を上げることで増殖スピードを増やす。これにより、触手の噛みつきを耐える構えだ。

 地を這うようにリゼは駆け出した。周囲の景色の変化と邪悪な気の流れに注意をはらい、新たな触手が生えてきたのを確認すると跳躍する。炎のオーラを足場のごとく形成し、その上に着地すると同時にさらに跳躍。オーラを爆発させ、その爆風で一気に高度と速度を稼ぐ。

「初撃を躱すか……だがいつまで持つか見ものだな!」
「いえ、ここから反撃です。一夜城もかくやの築城をご覧あれ」

 ミニョンが邪神山脈に普請するのは山岳城塞。精鋭亡霊侍衆を擁した難攻不落の巨大城郭が一瞬にして聳え立つ。

「撃てぇ!」

 亡霊侍の号令と共に放たれるは城対龍誘導弾。触手の邪神を操るカルロス目掛けて放たれた砲撃が着弾すれば、派手な土煙を上げる。これにはさしものカルロスもたまらず怯んでしまう。触手もカルロスを守ろうとするが、それを縫い止めるのは死霊侍衆の弓兵隊が放つ大弓の一斉射だ。

「触手は任せて!」

 ラヴィラヴァは無数の触手に自身を襲わせる。自らは食欲をそそる肉塊へと変貌し、触手に食らわせていく。触手も肉塊を次々と喰らっていくが、捕食スピードを凌駕するラヴィラヴァの体細胞の増加スピードに、次第に追いつけなくなっていった。
 増殖するのはすでに喰らった分の肉塊も同様だ。体内でその体積を増やす肉塊は触手を次々と逆に食い破っていく。

「……っ、触手共、あの肉塊は無視しろ!」
「あら、城や肉塊に注意を向けすぎじゃないかしら」

 城対龍誘導弾の着弾が吹き上げる炎に紛れて、リゼがカルロスの懐へと入り込んだ。

「……いつの間に」
「さぁ、焔と共に蝶のように舞い、風と共に刃で奏でましょう」

 劫火剣を手に、一閃。カルロスは後ろに飛び退きこれを躱そうとするも、剣の切っ先がカルロスの身体を掠る。と、そこに目掛けて焔の蝶が無数に現れ、カルロスへと殺到する。

「な……」
「剣は言わばきっかけ……貴方を焼くのはその蝶よ」

 蝶に身体を焼かれるカルロス。それでも触手を新たに生やして態勢を立て直そうとするが、突如新たに生えた触手はカルロスに牙をむく。

「何故……っ、このタイミングで裁定が下ったか……!」
「その通りだカルロス・グリード。裁定は下った。力なき者に裁きを」

 邪神山脈に住まう邪神は、大地に眠る触手たちを呼び起こす。焔にその身を焼かれながら、カルロスは触手の海へと飲み込まれていった……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

メイスン・ドットハック
【SPD】
邪神の力まで身に着けるとか厄介というレベルではないのー
それでも負けられないのが猟兵って奴じゃけーのー!

キャバリアKIYOMORIに搭乗し、オブリビオンマシン清盛に変形
AIドクトルを自身に、エィミーのアカハガネをAIアメジストちゃんによる自動操縦に切り替えて、視界はシャットアウトするなどをして巨人型邪神を見ないようにする
攻撃センサーはオンにして、ジェットパックによる高速移動で回避運動

先制後はUC「帝雷を纏いし機竜よ、稲妻となれ」を発動させて、追加加速を得ることで巨人型邪神をすり抜けて、本体のカルロス目掛けて飛び、レーザークローで斬り裂く

邪神を倒さなきゃいけんというわけではないからのー


エィミー・ロストリンク
【SPD】【メイスンと行動】
本当に邪神とか厄介だよねー。見ることができないし!
それでもメイスンお義姉ちゃんとなら何とかなりそうだから!

キャバリア・アカハガネに搭乗して参戦
メイスンのAIアメジストちゃんの自動操縦に移動を任せつつ、背中のアンカーによる立体機動で回避行動を取る
さらに両腕のガトリングキャノンでカルロスを牽制し、制御を乱れさせるようにアプローチ

先制後はUC「失われた絆を繋ぐ姫君」を発動させて、アカハガネの性能を向上
アンカーで巨人型邪神の頭にきた後、一発殴り飛ばした後に隙を作り、そのまま両腕のガトリングキャノンでカルロスに向けて動きを止めるように牽制射撃

メイスンお義姉ちゃん、今だよー!


シャルロット・シフファート
巨人型邪神を視認するより先に【電脳端末『ダークブルー』】でUDCアースの世界の力を引き出し、狂気中和術式に加えて持ち前の狂気耐性と破魔、オーラ防御で正気を保つ。

そしてUCを起動。
災魔十属性アウルムの「宝物や武具を蒐集する」とドミヌスの「ボス級災魔をも統率可能な支配能力」を複合させた属性「アウルム・ドミヌス」の「特級の聖遺物を自在に操る能力」を顕現。
そして力を示すのはアルダワの猟書家が出来なかった『完全なる蒸気獣』の召喚。
その完全なる蒸気獣を用いて本来単品で莫大な被害をもたらす呪物を完全制御し、どちらが狂気を支配できているかを示しながら呪物を用いて『王笏』を攻撃していくわ。


アルトリウス・セレスタイト
俺は不信心者だが、妨げにならんものは放置するとして
お前は退場しろ

戦況は『天光』で逐一把握
攻撃には煌皇にて
纏う十一の原理を無限に廻し阻み逸らし掻き消す
無限を蝕み超えて尚、無限の先へは届き得ぬ
全行程必要魔力は『超克』で“世界の外”から常時供給

顕現にて討つ
自身含む猟兵へ創造、召喚物含むオブリビオンに破壊の原理を
見ている方の邪神は対象外に

即消えるほど脆弱では無かろう
起動後は近接し打撃で
無限に巡る原理の、無限量の圧を乗せて撃ち続ける

フォーミュラには時折言うのだがな
骸の海くらい飲み干してから出て来い

※アドリブ歓迎



●Third Attack
「邪神の力まで身に着けるとか厄介というレベルではないのー。それでも負けられないのが猟兵って奴じゃけーのー!」
「本当に邪神とか厄介だよねー。見ることができないし!それでもメイスンお義姉ちゃんとなら何とかなりそうだから!」

 2機のキャバリア、清盛とアカハガネ。それぞれ、メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)とエィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)が操る機体である。

「俺は不信心者だが、妨げにならんものは放置するとして……お前は退場しろ」
「そうね、アンタはここでジ・エンドってやつよ」

 原理を操る猟兵、アルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)。電脳と精霊を操る猟兵、シャルロット・シフファート(ツンデレの国のアリス・f23708)。彼らが告げるのはただ一言、カルロスへの手向けの言葉だ。

「いいや、まだ終わらん。我が執念は終わらん……どのような裁定を下されようと!」

 すでに負傷し、頭部から血を流しながらも未だ戦意衰えぬカルロスは、漆黒の巨人を呼び出す。

「さぁ、狂気の中に沈め……!」
「それはノーサンキューじゃけーのー」

 メイスンはコンソールを操作し、AI「ドクトル」、AI「アメジストちゃん」に2機のキャバリアの自動操縦を命じる。そのまま頭部カメラの映像をシャットアウトし、漆黒の巨人の視認を防いだ。ここから先はAIの補助と各種センサーに頼った計器操縦となる。

「こっちは狂気に耐えるわよ。全力の狂気耐性を舐めないで頂戴」

 シャルロットも電子端末を操作し、UDCアース由来の狂気中和術式を始めとする電脳魔術やアリス適合者本来の力として備わる精神障壁を総動員して正気を保つ。

「戦況はこちらで把握する」

 天光の原理をもって戦場全体の情報を掌握したアルトリウスは、輝きの邪神から放たれる光を、己の持つ11の原理全てで阻み、反らし、かき消してみせた。天光の原理で得た情報は2機のキャバリアとシャルロットの電子端末にリンクさせる。

「うん、だいぶ動きやすくなったかな! 行くよお義姉ちゃん!」
「一気に決めるかのー」

 清盛はジェットパックによる高速移動で巨人の振るう拳を回避しながら、帝竜ワームの雷を両翼に宿して加速。一方でアカハガネはアンカーを駆使して立体機動を行いながら巨人の頭上に乗る。エィミーはそのままトリガーを引いた。ガトリングから無数に吐き出される弾丸は、カルロス目掛けて飛ぶ。

「巨人を意に介さないとは」
「邪神を倒さなきゃいけんというわけではないからのー」
「あら、そっちは帝竜? なら私は……災魔十属性で行くわ」

 シャルロッテはアウルムの「宝物や武具を蒐集する」とドミヌスの「ボス級災魔をも統率可能な支配能力」を複合させた属性「アウルム・ドミヌス」の「特級の聖遺物を自在に操る能力」を顕現。それによって力を示すのは、アルダワ世界に向かった猟書家がついぞ実現できなかった『完全なる蒸気獣』の召喚だ。完全なる蒸気獣の力によって制御された呪物を行使しながら、狂気を完全に支配下に置いていることを示しつつカルロスへの攻撃を実行する。

「……っ、各世界の名だたる強者の力か……!」
「フォーミュラには時折言うのだがな。骸の海くらい飲み干してから出て来い」

 これら各世界のオブリビオンの力を操る猟兵たちを、アルトリウスは創造の原理でもって強化する。帝竜ワームの雷が、AIドクトルとAIアメジストちゃんの演算能力が、完全なる蒸気獣が、それぞれ強化を施されていく。その一方でカルロスには破壊の原理が適用され、邪神は次々と力を失う。輝きの邪神は輝きを失い、漆黒の巨人もウドの大木と成り果てた。

「見事、見事なり猟兵……かつての宿敵の力すら取り込み、原理を操り、どこまでも世界の理から外れて強くなるか! 面白い! ここに裁定は下された!」

 次の瞬間、邪神の裁定が下る。風を操る邪神が、迫りくる清盛と完全なる蒸気獣から逃れようとするカルロスの動きを阻んでしまった。

「おのれ……おのれ猟兵……っ!」

 カルロスに清盛の放つ光刃と蒸気獣の牙が突き刺さり、カルロスは口から盛大に血を吐き出す──。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アルフレッド・モトロ
連携アドリブ歓迎です

「見つけたぞ、オブリビオン・フォーミュラ…!」

触手は見たところ生物のようだし
熱で変質させれば動けなくはなるだろう

ブレイズキャリバーとしての特性上
体のどこかに傷がないと炎が出せない
一発目は確実に食らうこと前提になる

一撃で沈まないよう【気合い】でなんとしても耐える
ド根性は俺の十八番だ

一撃目で負った傷から蒼炎を噴かせてそのまま全身を覆うぞ

触れたものは片っ端から灰にしてやる
怪我しようが関係ねぇ
それだけ噴火口が増えて焔の威力が上がるだけだ

触手を焼き炎を強めながら
確実に歩を進めるぞ

辿り着いたら【捕縛】からの【焼却】だ

この海を荒らした報いだ
消し炭になる覚悟をしろ
カルロス・グリード…!



●Coup de Grace
「見つけたぞ、オブリビオン・フォーミュラ……!」
「……ッ、貴様は」

 追い詰められたカルロス・グリードの目の前に現れたのは、飛空戦艦ワンダレイの艦長、アルフレッド・モトロ(蒼炎のスティング・レイ・f03702)。

「飛空戦艦の主か……!」
「決着をつけようぜ。俺とお前、一騎打ちだ」

 他の猟兵は手を出すな。アルフレッドはそう周囲の猟兵に告げると、カルロスと相対する。

「よかろう……征くぞ……!」

 カルロスは最後の力を振り絞り、大地から触手を次々と生やしてアルフレッドに叩き込む。しかし、アルフレッドはそれを避けることはしない。

(ブレイズキャリバーとしての特性上体のどこかに傷がないと炎が出せない……一発目は確実に食らうこと前提になるな)

 だが、とアルフレッドは歯を食いしばって襲い来る触手に耐える。

(なんとしても耐える……ド根性は俺の十八番だからな!)

 触手がボディブローのように腹に入った。たまらずアルフレッドは腹の空気を吐き出し、吹き飛び、地面を転がる。

「威勢は良かったが、そんなものか?」
「……いいや、こっからだ」

 アルフレッドはゆらりと立ち上がった。その身から陽炎が立ち昇る。

「ほう……だが、どこまで持つかな!」

 次々と襲い来る触手。だが、2撃目以降がアルフレッドに届くことはない。アルフレッドの身体からは蒼炎が吹き出していた。地面に転がった時についた身体中の傷から吹き出した蒼炎が、アルフレッドを包み込み、近づく触手を次々と焼いていく。

「……馬鹿な、何故だ、何故通用しない」
「お前は俺達の海を荒らした」

 邪神の裁定が下る。アルフレッドの怒りの蒼き炎に、邪神の赤き焔が混じり合う。二色の炎が像を結ぶ。それは、炎の巨人の姿だ。

「貴様……ッ」
「これが俺の、俺達の怒りの総算たる姿だ」

 炎の巨人がカルロス・グリードの身体を掴む。触手はすでに全て焼き尽くされた。アルフレッドは静かな怒りに身を焦がしながら、カルロスに手向けの一言を告げる。

「消し炭になる覚悟をしろ、カルロス・グリード……骸の海で、懺悔しながらな」
「くっ……こんなところで、身を焼かれ……っ」

 炎の巨人の腕に抱かれ、カルロス・グリードはその身を焼き尽くされた。灰となり、風の中に消える。

 風はアルフレッドの炎もかき消した。
 勝者たるアルフレッドのみが、ただそこに立っていた。

 ──羅針盤戦争、特別作戦コード「オペレーション・アストライア」、完遂。
 第三の『王笏』カルロス・グリード、撃破──!

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月09日


挿絵イラスト