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銀河帝国攻略戦⑤~宇宙の戦乙女

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「帝国に刃向かう者に死を!」
「我々のパワーを思い知らせてくれる!」
「アネゴ!もう持ちませんよ!?」
 号撃!帝国重騎兵のアームドフォート砲撃を受けた船体が激しく振動し、艦橋をけたたましいサイレン音が支配する!
「ちィ……!帝国軍どもめ!」
 黒衣に身を包むスケバン戦闘艦隊リーダー、アラシはオリハルコンシナイの柄を強く握りしめながら歯噛みする。
 彼女たちの駆るルマダ級戦闘艦『あらし』は今、危機に晒されていた。宇宙を駆け巡った『解放軍』復活の一報を受け帝国との戦闘に参戦すべく出撃した『あらし』は帝国軍の戦闘部隊と会敵し、致命的な状況に陥っていたのだ。
「アタイらが、こんなところで終わっちまうなんて……!」
「フハハハハ!死ねぇ!」
 帝国重騎兵の1人が艦橋の目前に迫り、戦艦の装甲を貫通するほどの強大なパワーを有するレーザーガトリングを構える!
 もはや対抗する手段はない。彼女たちは覚悟を決め、神に祈りを捧げた。

「皆!すぐに出立の準備をせよ!」
 グリモアベースにて、ロア・メギドレクス(f00398)が声を張り上げる。彼は既に手の上に浮かべたグリモアを輝かせ、今すぐにでも猟兵たちを戦場に放り込もうと準備を整えている真っ最中であった。
「まさか知らぬとは言わせぬぞ。戦乱である!スペースシップワールド。敵は銀河帝国!汝らはすぐに打って出て、連中を叩きのめすのだ!」
 ロアは興奮した様子で言葉を紡ぐ。
 戦場はスペースシップワールド。ミディアの呼びかけに応え解放軍への合流を決めたスペースシップ、戦闘艦『あらし』が帝国軍の襲撃を受けている。このままでは彼女らの命が危ない……。ロアはそのように説明した。
「まず、余が汝らを帝国軍の戦艦の内部へ飛ばす。くくく。最前線であるな。嬉しかろ?余のサービスである」
 あとは、暴れて、やっつけろ。とてもシンプルだ。だが、そうすることで敵の最優先目標は狙われたスペースシップから猟兵たちへと移り、いきり立った敵集団が大挙して押し寄せてくるだろう。艦外であらしへと攻撃を仕掛けていた重騎兵たちも増援として艦内へ戻ってくる。
 敵の主戦力は火力を強化されたクローン重騎兵たち。アームドフォートを砲撃を中心に攻撃を仕掛けてくる、非常に強力な軍団だ。激しい戦いになるだろう。だが、勝ってほしい。
「敵を掃討したら、そのあとは帝国戦艦をそのまま叩き壊してくれ。艦が沈む頃に迎えをよこすゆえ、心配はいらぬ。思い切りぶちのめせ!」
 敵艦を破壊したあとは、ミディアがワープドライブを使用して猟兵たちを回収しにくる手筈になっている。
「流れは理解したな?よし。兵は拙速を好むというであろ。すぐに準備せよ。さっそく出動だ!」
 ロアは昂ぶったままぐっと拳を握り、えいえいおー、とその腕を振り上げた。


無限宇宙人 カノー星人
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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
=============================

 ごきげんよう、イェーガー。カノー星人です。
 この度は開戦、おめでとうございます。
 我々カノー星人は、変わらず侵略を行わせていただきます。
 この度も、あなたがたとともに旅路を行けることに感謝いたします。
 よろしくお願いいたします。
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第1章 集団戦 『クローン重騎兵』

POW   :    インペリアル・フルバースト
【全武装の一斉発射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    コズミックスナイプ
【味方との相互情報支援】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【狙撃用ビームライフル】で攻撃する。
WIZ   :    サイキッカー拘束用ワイヤー
【アームドフォートから射出した特殊ワイヤー】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ウィーリィ・チゥシャン
随分な無茶ぶりだな!?
けど、嫌いじゃないぜ!
『あらし』のみんなの命と漢気、何としてでも守らないとな!

障害物に身を隠して火線を掻い潜りながら敵に接近。
鉄鍋を構え『盾受け』で敵の射撃や砲撃を防御しながら突っ込み、接敵と同時にそれを投げ捨てて身軽になり、『シーブズ・ギャンビット』の早業と『二回攻撃』でありったけの攻撃を眼前の敵に叩き込む。


サーズデイ・ドラッケン
ようやく、再び帝国と相まみえる時が来ましたか
…いえ、まだ感傷に浸る時ではありませんね

まずは私が口火を切りましょう
転移と同時に全兵装に火を入れ、視界に入った全ての敵へ一斉射撃
後続の味方が転移しやすいように、敵の注目をこちらへ引きつけます

このような大きな戦では、何より士気が大事です
充分な人数が内部へ転移してきたら、キャプテンに倣って味方を鼓舞しましょう
『野郎共、パーティタイムだ! 片っ端から喰い散らしてやれ!』

敵の一斉発射はブースターによる高速移動と【盾受け】で凌ぎ、
一瞬でも火線が途切れた所でレールガンを発射
敵の陣形に風穴を開けた所でこちらからも一斉射撃です


ナイア・アルハズラット
敵の船に直接転送するですって、正気なの!?
……素敵じゃない!派手な舞台は好きよ?最前線で踊ってあげるわ♪

後方に狙撃兵も混じってるわね?
援護射撃は鬱陶しいし……なら、跳んで走って、《猟犬の歩法》の3次元機動で翻弄して、一気に後方まで駆け抜けて『MURAMASA』の超電磁抜刀(レールガンバットウ)で切り捨ててあげる。
さぁ、私の動き、捉えられるかしら?

え、何、化け物?
いいえ、私は魔女ですことよ!


霧島・クロト
おーし。ぶちのめす。真っ直ぐいってぶちのめす!!

【高速詠唱】で隙を潰して【氷戒装法『貪狼の狩人』】で強化。
敵陣を駆け抜けながら氷の波動に【マヒ攻撃】【属性攻撃】【2回攻撃】ついでに【鎧砕き】もだァ!!!
戦艦内部で乗れる余裕あんならバイクに【騎乗】。
防御面は氷の波動の守りを生かして氷の盾でパリィしながら突き進むぜェ!!

※星人の宇宙的アドリブに期待



 銀河帝国戦闘艦、ケルナ=グール級ブーツトヴァス号、艦内。戦闘兵器格納庫。そこで出撃の準備を整えていた帝国戦闘部隊は今や混沌の坩堝に陥っていた。
「ようやくあいまみえることができましたね、銀河帝国」
 不意の閃光。ばちばちと何かが弾けるような音がしたかと思えば、そこに突如としてウォーマシンが出現したのだ。サーズデイ・ドラッケン(f12249)である。即ち、グリモア猟兵により最前線へと叩き込まれた猟兵だ!
 サーズデイはそこへ降り立つと同時に旗を掲げる。それは、かつて銀河帝国がオブリビオンでなかった時代にも掲げられた海賊旗だ。ドラッケン海賊団のジョリーロジャーは、銀河帝国への叛旗を意味する!
「ジョリーロジャー・フラッグ!?」
「まさか猟兵どもが!?何故ここに!?」
 帝国兵たちは翻る海賊旗に眼を見張る。驚愕と動揺が彼らを惑わせる。そしてそれは致命的な隙だった。
「ファイアコントロールシステム、リンケージ」
 サーズデイは戦場へと出現するや否や即座に全兵装を起動。アームドフォート、XAF-レイヴンを接続し砲身をセットアップ。更にBAC-ウッドペッカーを構えトリガーを引く。
「野郎共、パーティタイムだ!」
「グアーッ!!」
 放たれる熱線が最前列にいた帝国兵士を一瞬で蒸発させ、更にレイヴンの咆哮が響き渡る。無数に飛び出したミサイルの群れが艦内を蹂躙!出撃を待っていた機動兵器ごと爆轟とともに帝国兵を炎の中に呑みこんでいく!機先を制したサーズデイは更に追撃の構えに入った!
「愚かなガラクタめが!」
「我々のパワーを侮るなよ!」
 だが、敵もただ黙ってはいない。ここで増援の気配だ!ブースターを噴かし、高速で飛来した帝国重騎兵の小隊が戦場へと到達する!
「こりゃ随分な無茶振りだな!」
「本当、同感ね!いきなり敵のど真ん中に直接転送だなんて、正気なのかしら!」
 しかし、そこで新たに戦場へと到着した猟兵たちが飛び出した!ウィーリィ・チゥシャン(f04298)、そしてナイア・アルハズラット(f04959)である!
「けど、嫌いじゃないぜ。『あらし』のみんなの命と漢気、何としてでも守らないとな!」
 ウィーリィは愛用の鉄鍋を盾のように構えて敵に突っ込んだ!シールドバッシュめいて体当たりだ。彼の魂の篭る鉄鍋はきわめて強靭であり、重騎兵が応戦のために放った狙撃銃の弾丸もものともしない。
「おっと!そんな火力じゃ、炒め物ひとつ作れないぜ!」
「ギ……ッ!」
 ガァン!!鉄鍋が帝国重騎兵の装甲と激突!衝撃に重騎兵が呻く。ウィーリィは一旦鉄鍋を放り身軽になると懐から戦闘用包丁を引き抜き、装甲の隙間を狙って滑り込ませる。
「ギエ……ッ!」
「一丁上がり!」
そのまま致命傷!彼にとっては、この程度の鎧を捌くことなど容易いものだ。アルダワ世界の殺人ダンジョン蟹を調理する方がよほど苦労する。ウィーリィは油断なく鉄鍋を拾い上げながら障害物に身を隠し火線から身を守りつつ次の敵へと狙いを定めた。
「そうね……!ええ、素敵!素敵じゃない!私好みの派手な舞台よ。最前線で踊ってあげるわ♪」
 一方、ウィーリィと同時に駆け出したナイアは踊るようにステップを刻む。その手には緋色の魔槍。虚空を駆ける魔獣、“猟犬ダルダロイス”の権能を宿す武具だ。その力を引き出しナイアは宙を舞う三次元的な軌道で跳ぶ。ユーベルコード【猟犬の歩法】だ。一気に敵の目前へ!
「Shall we dance?」
「な、なん……速すぎる!化け物か!?」
 ナイアはそのまま刺突を放つ。だが、敵も黙って当たってはくれない。帝国兵は身を捻り槍の穂先を躱した。そして反撃に——移ろうとした瞬間に、意識が途絶える。
「フフ、残念……私は化け物じゃなくて、魔女ですことよ!」
 面白がるように笑うナイアの手には、魔槍ではなく一振りの刃が握られていた。電磁刀MURAMASA。魔槍による攻撃はフェイクだ。本命はこちらの一閃!必殺の秘剣、名付けて超電磁抜刀(レールガンバットウ)である!両断された帝国兵は悲鳴もなくその場に崩れ落ちた!
「派手にやってんじゃん!」
 そしてここでまた新たに猟兵が戦場に躍り出る。霧島・クロト(f02330)だ。彼は愛機“貪狼の疾走”の咆哮とともに、最高速度で敵へと飛び込んだ!
「おーし、ぶちのめす。真っ直ぐいってぶちのめす!!いっくぜェ!」
 クロトはマシンのスロットルを全開。ハナからフルパワーを叩きつけに行く!帝国兵たちはバイクの轟音に戸惑いながらも応戦を開始!
「我が身に北天に座す『貪狼』の加護を!」
 高速詠唱。そしてクロトは冷気を纏う。ユーベルコード【氷戒装法『貪狼の狩人』】が発現したのだ。氷の魔力がバイクごと彼を包み込み強化する。ガァンッ!重騎兵の狙撃がクロトを捉えたが、絶対零度の盾はそれを徹しはしない!
「三下がァ!俺を止められると思うんじゃねェ!」
 咆哮!クロトは更に加速し格納庫内を疾走する!それに伴い放たれた極北の風が吹き荒れ、戦場を氷獄へと変えてゆく!
「ヌウ……!?」
「ほ、砲身が!」
 駆け巡る零度の風は帝国兵たちにまとわりつき、その兵装を次々と凍結させて機能停止へと追い込んだ!攻撃力を失った重装はもはや単なるデッドウェイトに過ぎない。動きを止めた重騎兵たちへ針路をとり、クロトは突貫!
「遅いぜェ!」
「グアーッ!!」
 激突の衝撃に跳ね飛ばされた重騎兵は格納庫の壁面に叩きつけられ爆発!頬を撫ぜる熱風に髪を揺らしながらクロトは更に帝国兵を叩き、その数を次々に減らしていく!
「いい流れです。士気をあげていきましょう……いくぜ、野郎共!敵は皿の上のディナー同然だ。片っ端から食い散らかしてやれッ!」
 サーズデイは戦況を分析。格納庫での戦いは猟兵たちが大きく優位を取り、破竹の勢いで進撃している!ここで彼は仲間たちの士気を上げるべく鬨の声をあげ、戦旗を翻しながら更に砲撃!隔壁に巨大な風穴を穿ち、格納庫から新たな戦場を目指す。
「それなら、俺がいくらでも料理してやるぜ!腹いっぱい食べてくれよな!」
「ビュッフェ形式かしら?私、少食なのだけど……」
「それじゃァ、俺がその分も平らげてやるぜェ!」
「私の分までいいなんて言ってないでしょう!?」
 ウィーリィは鉄鍋で格納庫に残った最後の重騎兵を叩きのめし、サーズデイを追って戦場を走った。ナイアとクロトもそれに続く!
 戦況は猟兵たちの優勢で推移している。だが、油断をしてはならない。敵の数は未だ多く、戦闘艦『あらし』の危機は決して去ったわけではないのだ。
 彼らの戦いは、続く!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

一条・閃
麗しのレディ達が危機に陥る時、正義のヒーロー現わる!
そう、拙者でござる!
帝国兵どもめ、モテのかかった拙者は一味違うでござるよ!

とにかく縦横無尽に駆け回り、斬魔刃でぶったぎって回るでござる。
暴れてやっつけろって任務は実にシンプルでよいでござるね。
何しろ拙者、頭がよろしくない!
うはは、かかってくるでござる!
拙者が死なない程度に相手してやるでござるよ!


聖護院・カプラ
スケバンがこうも苦戦するとは、やはり銀河帝国は強力かつ凶悪。
その行いを正す為に……乙女の祈りを受けた神がここに降臨しました。
ご無事でしたか。

私は慣性をつけてスーッと敵陣に飛び込みながら、瞑想を行います。
座禅の体勢を取る事で現世の雑念を振り切り、心頭滅却すればインペリアル・フルバーストもまた涼しを実戦してみせるのです。

全てを巻き込む範囲攻撃は諸刃の剣。
徐々にスーッと移動し存在感を第一宇宙速度で発する私を躍起になり狙う事で『クローン重騎兵』、
貴方達は自身の艦を諸共攻撃する事になる。
自らの行いを悔い改め、来世で正しなさい。

乙女の悲しみを代理致しまして、ここで一言。
「おまんら、許さんぜよ」


花盛・乙女
斯様な地とも天とが曖昧な世界にあってもなお武士の心を持つ者がいたか。
…うむ、アラシ殿。私は彼女が気に入った。
この花盛乙女、呼ばれはしていないが助太刀の一振りとして馳せ参じよう。

敵はちょろちょろと飛び回る鉄砲兵か。
あの光線は厄介だ。『残像』と『ジャンプ』を駆使して回避と攻撃を軸に立ち回ろう。目障りなら敵を『怪力』で叩き落してやる。
視界に入れば何匹いようと我が黒椿と乙女の二振りの【鬼吹雪】からは逃れられん。

敵を掃討出来たら敵の船の破壊、だったか。
ふーむ、私には未知のモノ過ぎて何がなにやらわからんが、とりあえず壊せばいいのだろう?
羅刹の本領発揮だな。『怪力』にモノを言わせて破壊しつくしてやるさ。


ブリッツ・エレクトロダンス
さて、猟兵のお仕事の時間だな。
敵は重火力型に拘束型、それとスナイパーもい―――ッ、と。
今傍受した暗号化通信は敵のデータリンクだな?このデータリンクがスナイパーの『眼』になる、そういう訳だな?

なら、ハッカーとしての仕事をする時だな。
暗号を解読、そのアルゴリズムを掴んで誤情報をデータリンクに流して妨害。
で、ついでに後方のデータリンク発信箇所、つまりスナイパーのいる場所を特定して…
起点、奴の足元。ベクトル、真上。出力、ありったけ。吹き飛びやがれ…疾風(シュトルム)!



 銀河帝国戦闘艦ケルナ=グール級ブーツトヴァス号での戦いは続く。
「どういうことだ!」
「クソ、猟兵どもめ……!」
 ブーツトヴァス号、甲板。無数の砲座と発進カタパルトを備えた艦艇表面部だ。数時間前、ここから多くの戦闘部隊が戦闘艦『あらし』撃滅のために出撃していった。しかし、今や展開されていた戦闘部隊はそのほとんどが『あらし』への攻撃を中止し、ブーツトヴァス号への帰投を急いでいる。九死に一生を得た戦闘艦『あらし』の女戦士たちは、しかし戦況の変化に戸惑っている。
『ご無事でしたか』
 そんな彼女たちに届いたのは、広域回線を使用した通信メッセージであった。……聖護院・カプラ(f00436)からである。
『あなたがたの祈りは届きました』
『乙女の危機を救いに、ヒーローが現れたのでござるよ!』
 そう、拙者でござる!一条・閃(f00594)もまた戦闘艦『あらし』へとメッセージを伝えた。
「これは……!」
「猟兵だ!救援が来たんだよ!」
「アネゴ!あたいたち助かったんですよ!」
 戦闘艦『あらし』の艦内で、女戦士たちが沸き上がる。
「調子にノんじゃないよ!」
 だが、戦士たちのリーダーであるアラシは、カツン、とオリハルコンシナイで床を叩きこれを叱咤!
「解放軍の助けに来たアタイたちが、猟兵にすがって『アアよかった』じゃ示しがつかないよ!態勢を立て直し、戦闘配備に移れ!アタイらも戦うんだ!」
「アイ!アネゴ!」
「先代から継いだ『スケバン』の名ァ、アタイらの代で汚すんじゃないよ!」
 『スケバン』とは、かつて星々の存在した時代に神話として残る戦乙女たちの名である。古の解放軍にあっては、彼女たちの名を冠した『スケバン戦闘艦隊』が銀河帝国への対抗勢力として名をとどろかせていた。今ここにある彼女たちはその末裔なのだ。身にまとった丈長の黒衣は誇りと決意の証なのである。
「「「エイエイオー!」」」
 通信機越しに叫ばれる鬨の声に、花盛・乙女(f00399)は静かに微笑む。
「斯様に地とも天とも曖昧な世界にあってもなお武士の心を持つ者がいたか」
 うむ。気に入った。乙女はふた振りの剣を抜き放ち、鋼を踏みしめながら地平なき虚空を見上げた。無限に続く宇宙の闇を背に、銀河帝国の重騎兵隊がこちらへと迫る様子が見える。
「来るでござるよ!」
「はい。帝国の重騎兵隊ですね」
「なるほど。敵は重火力型に拘束型、それとスナイパーもい―――ッ、と」
 迫り来る敵の軍団を視界におさめながら敵戦力の分析を行っていたブリッツ・エレクトロダンス(f01017)は電波の乱れをキャッチする。手元のデバイスを確認しながら、ブリッツは指先を動かす。
「どうされましたか」
「ああ、今、敵の暗号化通信を傍受した。おそらく敵のスナイパーの『眼』になるデータリンクだ」
「でーた。よくわからぬが、あの鉄砲兵どものからくりか?」
「見たものを共有したりする、敵の能力でござるよ。乙女殿にもわかりやすく言えば神通力のようなものでござるな」
「なるほど。面妖な」
「まあ、そんなところだ。そんで、俺はそれを潰せる。だからスナイパーは任せてくれ」
「では、私が前に出て敵を引き受けます。お二人は存分にワザマエを振るってください」
「承知したでござる!」
「ああ、行こう!」
 猟兵たちは短いミーティングを済ませ、戦闘を開始する!

「クソ……猟兵どもめ!まさか我々の艦を直接攻めるとは!」
「絶対に許してはならんぞ!」
「いいえ、許されないのはそちらです」
 戦闘態勢をとった帝国兵たちへとオープン回線で呼びかけたのは勿論聖護院・カプラだ。後光を背負ったその姿はすさまじい存在感を発揮し、一気に敵の注目を集めることとなる。
「では、ここで言わせていただきましょう……『おまんら、許さんぜよ』!」
 それはかつて伝説の神話に記されるスケバン、サキア・サミヤが敵対者に向き合う際に発したとされる“決まり文句”である。銀河ネットワーク・チャンネルで制作されたコズミックドラマでも人気を博していた。戦闘艦『あらし』の女戦士たちの中にも憧れる者は多い。戦場に響き渡るコトダマに、彼女たちは沸き立った!
「なんだあれは!?」
「ブッダ!?」
 カプラは座禅を組んだ状態で慣性によりブーツトヴァス号甲板を滑るように移動していた。ある種神秘的ともいえるその光景に、敵は戸惑いながらも砲撃の準備を行う。インペリアル・フルバーストだ!重騎兵隊のビームガトリングやスペースカルバリン砲がカプラを狙い、無数に放たれる!爆轟!ブーツトヴァス号の甲板でカプラを巻き込みながら砲火が激しく爆ぜる!だが、爆炎の中から飛び出したカプラは――無傷だ!
「心頭滅却すれば砲火もまた涼し」
 おお、見よ!これこそ禅の境地である。更に、激しい砲撃は甲板上の砲塔や設備を巻き込み破壊しているのだ。即ち、結果を見ればこれは銀河帝国兵によるエクストリーム自傷行為に他ならなかった。フルバーストはまずい。それを理解した重騎兵たちは後衛を務めるスナイパー隊に狙撃銃の準備を指示!精密な射撃でカプラを撃ち落とす戦術へと移行を試みる!
「おっと、そうはさせないぜ……」
 その様子を見てとりながら遮蔽物の陰でデバイスを叩きながらブリッツはほくそ笑む。彼は電子戦に優れたハッカーだ。敵のデータ通信を逆手に取り妨害を行っていた。帝国兵同士の通信網の中に、誤情報を紛れ込ませたのである。もはやこの宙域の回線はDJ.Blitzのオンステージだ。彼のクールなサウンドに乗り、帝国兵たちは死のダンスを踊る。
「685号!貴様、なぜこちらへ照準している!?」
「ち、違います兵長殿!エイミング機能が何者かの妨害を」
 ガァン!重騎兵の狙撃銃が砲声をあげる!放たれた銃弾のゆく先は――別の帝国兵だ!
「グアーッフレンドリーファイア!!」
 ブリッツの妨害作戦により敵のスナイパー隊は誤った対象への照準を強要される!帝国自慢の重火兵装の威力を身をもって体験した兵士はそのまま爆散!
「次!起点ヨシ、ベクトルヨシ、出力ヨシ!疾風(シュトルム)ッ!」
 データリンク機能の異常に戸惑う狙撃兵へと、ブリッツはユーベルコード【疾風(シュトルム)】で更に追撃!
「どうして」
 突然の暴風に煽られたスナイパー重騎兵はコントロールを失い、ブーツトヴァス号の甲板へと墜落!88ミリ口径ビーム砲塔へ激突し煙を噴き上げ爆発四散した!更にここで戦闘艦『あらし』が仕掛ける!艦に搭載された有線式ヨーヨー・チャクラムが射出され、帝国兵を巻き込みながらブーツトヴァス号の甲板を叩いた!轟音とともに艦体が揺れる!
「よい状況でござるな!」
「うむ。このまま仕掛けよう!」
 その最中、爆炎と轟音に紛れて2人の猟兵が飛び出す!
「帝国兵どもめ、モテのかかった拙者は一味違うでござるよ!」
「戦場で異性のことなど口にするでない!惰弱な!」
「はいはい!ちゃんと仕事もこなすゆえ、怒らないでいただきたいでござる!」
 閃と乙女はジョークめいたやり取りを交わしながらも油断なく敵めがけて攻め上がる。閃は機能停止した砲塔の残骸を駆け上がり跳躍し、懐から引き出した小刀を投擲!刀魔の刃が敵の影を射止め、その動きを縛る!
「グアーッ束縛!」
「とどめでござるよ!斬魔閃ッ!」
 鋭く白刃が閃く!刀魔忍者に伝わる秘儀、斬魔刃である!真正面から袈裟懸けにされた帝国兵は重装ごと切り伏せられ爆発四散!だが、その背後から別の帝国兵が閃へ迫っていた!
「死ぬがいい!」
「そうはいかぬでござる!」
 死角からの襲撃であっても閃は即座に対応する。空中で身を捻ると迫り来る帝国兵に狙いを定め、刀魔の刃を投擲!敵の動きを縛る。宙を駆け即座に接敵!返す刀で叩き切った!更に閃は勢いに乗る。甲板を駆け抜け縦横無尽に戦場を巡り、刀魔斬刀にて次々と敵を討ち果たす!カプラの圧倒的な存在感と、ブリッツによるスナイパーへの妨害がよく効いている。集中砲火や狙撃を気にしなくてもいいのは気が楽だ。閃は文字通り自由自在に走り回る。彼の手によって討ち取られた帝国兵の数は既に両手の指でもおさまりきらなかった。
「うはは!いくらでもかかってくるでござる!死なない程度に相手してやるでござるよ!」
「死なれては困るな、寝覚めが悪い!」
 乙女もまた戦場を走る。彼女は残り少なくなった敵が集結し始めたのを目ざとく見つけた。火力を集中させる腹積もりか!甲板を蹴立て、乙女はふた振りの愛刀を握る手に力を込める。
「く、来るな!」
「そう言われて行かぬ者がいるか!ゆくぞ!鬼の吹雪で――乱れ散れッ!」
 そして乙女は剣を振るう。敵が何人いようとも、彼女の黒椿と乙女のふた振りの前からは誰も逃れることはできない!刃舞うこと一度、二度、三度!四・五・六七八九十!閃くたびに舞い散る剣の光はさながら花が散るが如し。花盛流剣技・鬼吹雪!
「グアアーッ!」
「バカナーッ!」
 花吹雪にも似て煌めく剣舞の背後で、花火めいて銀河帝国重騎兵の群れがいくつも宇宙の闇に炎の大輪を咲かせた。爆発の熱風に髪をなびかせながら、乙女は周囲の状況を確認した。もはや甲板上に残存する敵はいない。
「いやあ、さっぱりしましたね」
「それじゃ、ブッ壊すとしようか」
「とりあえずぜんぶ壊せばいいのだろう?羅刹の本領発揮だな」
「よーし!拙者の活躍を見てるでござるよ、レディたち!」

 猟兵たちは更に船の破壊活動に入る。ここで砲塔を潰しておけば、『あらし』への追撃も止めることができるだろう。猟兵たちは女戦士たちと通信を交わし、更に次の戦場へと向かってゆく――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フェム・ポー
うふふ。ここではまずは宇宙飛ぶ騎兵さんが相手なのねぇ? 過去から迷い出てきたオブリビオンちゃん達はぁ、一人残らず『救って』あげなくてはいけないものねぇ?

宇宙を飛んでいるところに急にUCの鎖をかけられたらぁ、うふふ、このオブリビオンちゃん達はどうなってしまうのかしらぁ? どうなるかわからないけれどぉ、そのままその偽りの命を全部、ぜぇんぶ吸い上げてぇ、『救って』あげるわねぇ?(技能:生命吸収)
相手のUCはぁ、そのまま受けてみようかしらぁ……特殊ワイヤーって、当たったら痛いのかしらぁ? うふふ。楽しみだわぁ。それに、ワイヤーで相手と繋がったらぁ、そこからも生命吸収をさせて貰うわねぇ? 


月隠・望月
うん、最前線はいいもの。敵を倒すには、うってつけの場所。
『あらし』の人たちを助けるためにも、たくさん敵を倒す。

戦艦内で敵と遭遇したら《無銘刀》で【剣刃一閃】斬りかかる。
敵は鎧を着ている、ので斬撃と共に<衝撃波>を放って、攻撃力を上げる。これなら鎧ごと斬り裂ける、かもね。
敵の数は多い、と聞いた。可能なら<早業>で<2回攻撃>して、なるべく敵を、たくさん倒す。

敵の攻撃に備えて、《陰陽呪符》で<オーラ防御>を張って防御を固めて、おく。可能なら、味方にも<オーラ防御>を張る。
また、敵の攻撃を<見切り>、可能な限り躱す。

敵を掃討できたら、戦艦を壊す。とりあえず、近くの壁を叩き斬ればいい、よね。多分。


アヴァロマリア・イーシュヴァリエ
「えい、えい、おー……これ、どういう意味があるのかしら……」

マリアは、戦うのは好きじゃないわ。怖くはないけど、痛いし、危ないもの……怖くはないけどね。
でも、世界を救う第一歩だもの、頑張らないと……ええ、怖くないから、平気よ。
『光あれ』を発動すれば、敵は多いほどたくさんやっつけられるはず。
ワイヤーで捕まえられちゃったら、困るけど……体が光になってるならすり抜けられないかしら……ダメ?
あ、すり抜けられなくても「誘導弾」でワイヤーを撃ち落とせれば、、大丈夫よね?
マリアは毎日「祈り」を捧げてるもの、きっと上手くいくはずよ、うん。
マリアは聖者だもの、兵隊さんなんて、怖くないんだから……本当よ?


不破・玄
侵入即敵の殲滅に戦艦の破壊
すべき事は多いですがシンプルで良いです。
敵は射撃武器が多いですので注意が必要です。が戦艦破壊の協力もしてくれそうですね。

機関室や操舵室などで戦えば任務を平行して進めることができそうです。
そこへは【迷彩】等用いささっと移動囲まれたり危険であれば【逃げ足】で待避。

戦闘では【範囲攻撃】【なぎ払い】で敵や機器を纏めて破壊だ。
【サイキックブラスト】を併用して遠距離でなぎ払うのも楽しいかもしれんな。
敵の射撃攻撃には機器を盾にしたりし対応だな。
危機も攻撃してくれたらありがたいと笑いつつ撃破したい。

敵が来ないなら黙々と破壊活動してます。
仲間の指示には従う。

アドリブ等大歓迎。


斎藤・斎
「こっちの世界の材料で作ると、お手製って感じじゃない破壊力ですねえ」
味方の猟兵を支援するために、基本的にはコズミックスナイプを相殺するためにお手製爆弾を全力投擲しましょう。宇宙空間って、投げたものが途中で落っこちないからいいですねえ。
狙撃に対して手製爆弾の遠投がおいつかない時は、フック付きワイヤーを手近なクローン重騎兵に引っ掛けてバランス崩して、味方の盾になってもらいましょうか。重騎兵というからにはそこそこ丈夫なはずですし。
「皆さん頑張ってくださいねー。狙撃についてはこっちで出来る限り対処しますのでー」



「どういうことだ……!どういうことだ!!」
 銀河帝国所属、ケルナ=グール級ブーツトヴァス号艦橋……。ここは既に地獄めいた混沌の中にあった。
「戦闘兵器格納庫、完全に大破!戦闘兵器は全滅です。戦闘部隊、1番隊から15番隊まで反応消失!」
「88ミリビーム砲20門、フォトントルピード発射管18箇所。ならび主砲グラビトロカノン、全て使用不能!艦体外殻装甲、3番層まで重篤な損傷!もう持ちません!」
「わかっている!」
 突如として艦内に出現した猟兵たちの攻撃により、ブーツトヴァス号はもはや風前の灯火となっていた。更に、猟兵たちの救援で勢いづいた戦闘艦『あらし』の反撃によって状況は更に悪化している!
「遺憾だが、脱出の準備だ!残った兵員と武装をすべてかき集めろ。他の戦闘艦と合流し、猟兵どもに銀河帝国の鉄槌を——」
 その時である。どォん!艦体を震わす爆轟だ!艦内通路から艦橋へと続く扉が爆発!そして立ち込める爆煙の中から何者かが飛び出した。
 ——賢明な読者諸氏へはもはや説明の必要もあるまい。猟兵たちの進撃である!
「こっちの世界の材料でつくると、お手製って感じじゃない破壊力ですねぇ」
「すごい威力だったわ……」
「うふふ、お陰で道が開いたわねぇ。それじゃあ、オブリビオンちゃん達をぉ、『救って』あげましょうねぇ?」
 斎藤・斎(f10919)とアヴァロマリア・イーシュヴァリエ(f13378)だ。フェム・ポー(f12138)もそれに続く。
「き、貴様ら……猟兵ども!」
「ここまで入り込んできたというのか!?防衛部隊は!?」
 艦橋内で兵士たちがいきりたち、それぞれが武装を構える。彼らもまた一様に重騎兵同様の兵装を身につけていた。
 出撃前には文字通り万が一だと鼻で笑っていたが、よもや本当にここで武装に火を入れることになるとは。彼らは猟兵たちを睨みつける。
「それならもう全部やっつけましたよ」
「うん。わたし達をあなどらないでほしい」
 3人に遅れること数秒。更に現れたのは不破・玄(f02910)と月隠・望月(f04188)の2人だ。彼女たちはこともなげにそれぞれなぎなたと無銘の刃を揺らしながら、更に戦闘の構えに移る。
「あ、あの。降伏する気は、ないかしら。マリアは、戦うのは好きじゃないわ。痛いし、危ないもの……」
「我々銀河帝国が貴様らに屈服するだと!」
「あり得ん!徹底抗戦だ!1人でも多く殺して我々の道連れにしろ!」
 マリアの勇気を出した降伏勧告は帝国兵たちには届かない。敵は火器管制を起動し、戦闘態勢に入っていた!
「もはや死なば諸共だ!貴様らを血祭りにあげてくれる!」
「あなたたちは、悲しい人……。ごめんなさい。マリアは、貴方を救わない」
 光あれ、と彼女は言う。祈りを捧ぐように指を組むと、マリアは光になった。より正確に言えば、光り輝くエネルギー体と化す。そして、その身体から枝が伸びるように無数の光条が放たれた。
「レーザー光!?」
「怯むな、応戦しろ!殺せ!」
「そんな言葉を使っても、怖くないわ」
 マリアの光は帝国兵を貫き、装甲表面で爆ぜる。だが、敵も死にものぐるいだ。ダメージに呻きながらも反撃の構えを見せる。サイキッカー拘束用ワイヤーを準備し、射出。マリアを捕縛せんと迫る。
「うふふ。怖がっているのねぇ?かわいいわぁ」
 そこへフェムが割り込んだ。飛来するワイヤーの束を、彼女は敢えて受け、わざと絡め取られる。絞めあげる痛みに、ぁは、と、フェムは短く熱い吐息を漏らした。
「なん……なんだ、こいつは」
「惑うな!殺せ!」
「だめよぉ。うっふふふ……ねぇ、怖がらないでぇ。フェムがぁ、オブリビオンちゃん達を『救って』あげるぅ……」
「ひ……!?」
 尋常ならざる言動に帝国兵たちが動揺する。その隙の刹那、フェムは即座にユーベルコードを発動。【寵愛の鎖】だ。漆黒に輝く魔法陣が空中に描かれる。ひとつではない。それこそ、いくつも、いくつも。
「な、なんだこれは……!」
「逃げないでねぇ」
 虚空から染み出す邪神の腕のように、黒く輝く鎖がいくつも這い出る。その鎖の群れは、獰猛な蛇の集団めいて帝国兵たちに絡みつき、その動きを完全に拘束した。
「這い蹲って、哀れで愛しい姿を見せてぇ?」
「や、やめろ……、やめ……ッ あ」
「あ、あぁ、あ お、あ」
 そして、フェムは命を吸う。哀れなオブリビオンたちの命が尽きるまで。悲鳴をあげることも許されず兵士たちは力を失い、堕ちた。
「私たちは前に出ましょう」
「うん。最前線はいいもの」
「お二人とも、頑張ってくださいねー。狙撃についてはこっちで出来る限り対処しますのでー」
 一方で玄と望月は前に出る。その後詰めとして斎がついた。
「こ、殺してやる……!猟兵ども……!」
「見えてますよ!」
 敵重騎兵はなおも抵抗の決意を見せ、狙撃銃を構えた。斎はそれを目ざとくみつけるとお手製の小型爆弾を投擲!狙撃銃のトリガーを引く瞬間に合わせて敵の眼前!
「グオ……!?」
 どォん!爆轟!帝国兵は不幸にも爆炎に巻き込まれ墜落!機材に激突しながら爆発炎上!敵を撃破しながらも艦内の破壊活動を並行して行う、まさにエンジン熱クッカーだ!(※エンジン熱クッカーとは、スペースシップのエンジンが発生させる高熱を利用して食品の加熱調理を行うクッキングツールである。エネルギーの利用方法として効率がよいことから、転じてサムライエンパイアなどにおけるコトワザ「一石二鳥」と類似した意味合いで使われるスペースシップワールド慣用句として使用されている)
「敵の後衛はこちらが牽制しますからねー」
「頼もしい限りです」
「うん。それじゃ、存分に」
 玄は計器類を踏みつけながら跳躍。よくわからない機械が奇妙な悲鳴をあげて真っ赤な画面を映し出していたが、彼女の知ったことではない。宙に身を踊らせながら、両手で携えたなぎなたを振りかざす。その掌は、サイキックの電光に青白く輝いていた!
「えやぁッ!」
「グアーッ電撃!!」
「グアーッ!」
 振り抜く刃に稲妻を乗せ、玄は力強く薙ぎ払う!強烈な閃光が迸り、帝国兵を纏めて数人なぎ倒しながら艦橋内の設備を破壊!倒れる帝国兵とともに、金属の破片やブーツトヴァス号にとって致命的な部品は悲鳴にも似た甲高い音を立てながらばら撒かれる!
「こっちも、いく」
 望月が跳ぶ。無銘刀の刀身が疾る。剣閃が迸り、瞬く間に帝国兵をその装甲と武装ごと断ち切った。剣刃一閃。ユーベルコードの域まで高められた剣豪の業である。致命的なダメージを受けた重騎兵は呻きながら倒れ臥す。一人。また一人。見事な早業で彼女は敵を次々と斬り伏せてゆく。
「く、そ……!」
 敵はもはや最後の一人となっていた。望月は短く息を吐き、床を蹴りながら疾駆。一気に間合いを詰めに行く。敵重騎兵は望月へと向けて狙撃銃を照準。最後の足掻きとばかりに射撃!
「おしまい」
「ヌウーッ!」
 望月は迫り来る銃弾の弾道を見切り、僅かに首を傾いだ。彼女の髪を掠めて、弾頭が通過する。そのまま一気に接敵。切り上げ一閃!致命傷!そうして最後の兵士が絶命したことで、艦橋内の戦いは決着がついた。
「お疲れさまでした」
「うん。じゃあ、壊そうか」
 玄はそう言いながらも艦橋内の重要そうな機器をなぎなたで叩き壊している。とりあえず、壁とか叩き斬ればいいよね、と望月は言い、壁面の重要そうな回線ごとそれを切断していた。
「はい、お疲れさま……でした」
「うふふ。いい仕事だったわよぉ、マリアちゃん。アナタ初陣だったんでしょう。よくがんばったわねぇ」
 マリアとフェムは言葉を交わしながら撤収の準備を始めていた。この艦が沈むまで、そう時間はかからないだろう。
「あ、多分これですね。こちら猟兵の斎藤です、船内、完全制圧が終わりました」
 斎は艦橋内の設備を確認し、発見した通信機からオープン回線で呼びかける。
『すまない。助けようと思って来たのに、助けられちまったな……。だけど、ここから先は気合入れていくよ。アタイらスケバン戦闘艦隊、これからは、生きるも死ぬもアンタたちと一緒さ!』
『えいえいおー!』
 戦闘艦『あらし』からの通信だ。危機を脱した彼女たちは士気を取り戻し、新たな戦いの決意に心を奮い立たせている。
 そして、戦闘終了の連絡を受けたミディアの艦もこの宙域に到着していた。猟兵たちは最後の仕上げにブーツトヴァス号にとどめを刺し轟沈させると、順次ミディアのワープドライブ搭載艦へと帰投してゆく。
 ところで、瑣末なことではあるが——今回の戦いを通して、マリアにはひとつ。たったひとつだけ、どうしてもわからないことがあった。
「えい、えい、おー……これ、どういう意味があるのかしら……」
 ……ちいさく呟くその問いかけは、銀河の彼方へとすいこまれてゆく。

 こうして新たな仲間を得た解放軍は、更に力を高め帝国との戦いを続ける!最後の勝利を得るまで、共に戦え!猟兵たちよ!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月04日


挿絵イラスト