羅針盤戦争〜血戦、邪神と三の王笏
開戦から早くも、この三の王笏島が発見された。猟兵どもは恐れなど知らぬとここに攻め込んでくるだろう。
「だが、それも想定内のこと」
この猛攻をしのぎ切れば、我らの勝利に間違いはあらず。一人呟きながら、背後にそびえる邪神山脈を感じる。
未だ不完全ではあるが、短期間ならば邪神を操ることに問題ない。反撃の隙を与えず鏖殺、それをなせばよいだけのこと。
来るがよい、猟兵。汝らの希望を、狂気を持って飲みつくしてくれよう。
「みんな聞いて、ついに三の王笏島が発見されたよ!」
そう猟兵全員に語り掛けるのはクトゥルティア・ドラグノフ。三の王笏島発見を報告しつつ個人船の準備をしているが、先に何がいるのかは猟兵一同は既に理解している。
「カルロス・グリードの一形態、これを制圧しない限り、私たちに勝利はない。だけど、オブリビオンフォーミュラなだけあって、滅茶苦茶なんだよね……」
そういうクトゥルティアの表情は重い。
実際カルロスの一形態が発見されたこの島はUDCアースの邪神山脈化しており、カルロスは島全体に蔓延る邪神達を操り、地形全体で攻撃してくるのだから。その出鱈目さがいかほどか、語るまでもないだろう。
だが、邪神の大いなる力はカルロスといえども完全制御出来てはいないようで、短期間しか安定しないという。そこをつけば反撃につながるだろうが、まず最初に安定した状態から繰り出される、理不尽ともいえる凶悪な先制攻撃を防げなければ厳しい。
「だけど、今までどんな敵でも倒してきた皆なら、今回もきっと勝てると信じてる。信じるしかない」
個人船の準備が終えたことを確認しつつ、心配そうな表情でクトゥルティアは皆に告げた。
「必ず勝って、生きて帰ってきて。皆、待ってるから」
しじる
※このシナリオは戦争シナリオです。一章で完結し、羅針盤戦争に影響を与えます。
初めましての方は初めまして。そうでない方はお世話になっております。しじるです。
羅針盤戦争三本目はボス戦をやらせていただきます。
このシナリオでは下記のプレイングボーナスが発生が発生しております。非常に強力な敵ではありますが、プレイングボーナスなども絡め、皆さまの素敵なプレイングが勝利を呼ぶことを願っております。
皆さまのご参加、お待ちしております!
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プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。
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第1章 ボス戦
『七大海嘯『三の王笏』カルロス・グリード』
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POW : 邪神「大地を喰らうもの」
【本拠地の島の面積】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【大地を牙の生えた触手】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD : 邪神「吼えたけるもの」
【目にした者の正気を奪う、漆黒の巨人型邪神】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : 邪神「輝き惑わすもの」
【光り輝く宝石のような美しき邪神】の霊を召喚する。これは【命中した対象を宝石に変える光線】や【敵の欲望をかきたて混乱させる輝き】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:hoi
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ニィエン・バハムート
・先制対策
アンドヴァリの首飾りとバハムート・オーラで強化された電気【属性攻撃】、電撃による【マヒ攻撃】を邪神の攻撃に【カウンター】する形で広範囲に放ちます。※【範囲攻撃】
電撃による電光で自分の目を眩ませ邪神の姿をハッキリとは視認しないようにします。電撃の効果で邪神の動きが少しでも鈍れば深海人の種族特性である【空中浮遊】からの翼を使った【空中戦】(あくまで低空)で邪神の先制攻撃を躱します。(かすったりしても【激痛耐性】で耐える)
そして先制攻撃を防いだらUCを発動し【封印を解く】。【限界突破】した【怪力】の【グラップル】で邪神を振り回しカルロスに叩きつけます。
どっっこいしょーっ!!!!ですわ!!!
猟兵の中には、このグリードオーシャンを故郷とする者もいるだろう。【ニィエン・バハムート】もそのうちの一人である。メガリスの力でドラゴニアンの姿になっているため忘れがちだが、彼女はれっきとした鯰の深海人である。
「故郷をやらせたりはしませんわ!」
向かってくるニィエンに対し、カルロスの方はあくまで冷静。不安定な邪神操作といえども、初撃で落としてしまえば何ら脅威ではないと判断しているためだ。
「来たれ、吼えたけるもの」
呼び出したのは、見るものの正気を奪う漆黒の巨人型邪神。その存在自体が精神汚染攻撃として作用してくる。ニィエンはそれを見ないようにするが、当然それを見逃すほどカルロスには操作余裕はない。
「潰せ。微塵も残さず」
邪神が拳を振りかぶり、ニィエンを殴り潰そうとするが、深海人の本能が告げるタイミングでニィエンは電撃を放った。
持主を死後地獄に送る代わりに、持主のメガリス全ての効果・威力・射程を3倍にするメガリス【アンドヴァリの首飾り】の効果によって強化された【バハムート・オーラ】が、さらにニィエンの発電能力を高め、強力な電撃を起こす。
それは放っているニィエンの視界を奪うほど。このデメリットにも思える視界剝奪こそがニィエンのねらい。これによって邪神はもはやぼんやりとしか見えない。
ダメージは全く与えられてはなくとも、電流による強制筋収縮は邪神にも起こるようで、かの邪神の動きが若干鈍化している。
「今ですわ!」
その隙をついてニィエンが低空で飛ぶ。発電はいまだ続けているため、あまりの閃光にカルロスも彼女を直視できない。
「っち、邪神よ……やはりダメか。暴れ馬め……」
すぐさま邪神に迎撃を命じたカルロスであったが、邪神の制御を上手くできない。邪神はカルロスなど知ったことかと呆然としている。
そうなればカルロス自身の反撃の手段は限られるわけであり、迫りくるニィエンを止めることはできない。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!」
絶叫と共にニィエンのユーベルコード【真なる世界魚(ニィエン・バハムート)】が発動。そっぽを向いて何もする気がない邪神の脚を掴み、暫しの硬直の後根っこから引き上げる。
小山に近いサイズの邪神を、身長162センチ強のニィエンが持ち上げるさまは何とも摩訶不思議の常識外れの光景である。
その邪神を、ニィエンはハンマー投げでもするかのようにスイングした後、力いっぱいカルロス目掛けてぶん投げたのである。
「どっっこいしょーっ!!!! ですわ!!!」
「見た目こそ馬鹿馬鹿しいが、実に効果的な攻撃だっ!」
忌々しそうにしつつも、回避手段はなく。カルロスはそのまま邪神に潰された。
が、直後邪神が暗い光に包まれて消えた。カルロスの制御が上手くいったのだろう。完全に潰される前にユーベルコードを解除して、カルロスは生き延びていた。
「なるほど、やはり脅威だな……猟兵」
忌々しそうに、しかしどこか楽し気に、カルロスは撤退していくニィエンをみて呟いた。
成功
🔵🔵🔴
パトリシア・パープル
島全体を武器にするとか、チートもいいとこね
まあ、それならこっちもチートを使うまでっしょ
敵がUCを使った瞬間、『如意フォーク』を大地へ突き立てて真上に伸ばすことで、自分の身体を天に向けて上昇させ逃げる
触手の追撃は『バリアパラソル』で【盾受け】
全部避けられずとも、とりあえず生き残れればOK
邪神の制御が安定しなくなったところで反撃開始
UCを使用して肉体を量子化し、物理的に不確定な存在になることで物理攻撃を全て無効化
自分に触れた触手は侵食して存在を『伝播』させ情報を上書き
自らの肉体の一部と同等の存在に書き換えてカルロスを攻撃させる
「触手の制御はこっちがもらったわよ! 全部まとめて返してあげる!
島全体が自身の武装。はっきり言って滅茶苦茶もいいところである。これがオブリビオンフォーミュラの力の一部というのだから、今一度かの存在が出鱈目かよくわかるだろう。
ならば目には目を歯には歯を、チート存在にはチート存在を。【パトリシア・パープル】はそう考えたならば行動は早い。
「次の猟兵か。ならば……」
カルロスがパトリシアを視認したならば、即座に自身のユーベルコードを発動させてくる。暫しの地鳴りが鳴り響き、島のどこかが崩壊する音に合わせて、パトリシアの足元から無数の牙が生えた触手が生まれ飛び出す。
しかしパトリシアはそれを既に知っている。触手より素早く伸びる武装【如意フォーク】を大地に突き立て天高く伸びる。触手もパトリシアを追って凄まじい速度で天へ昇っていく。
触手の方がやや早いか。パトリシアは【バリアパラソル】を咄嗟に展開する。展開された特殊なフィールドへと、耳がおかしくなるような異様な音を立てて触手がぶち当たっていく。
特殊フィールドの向こう側は触手で埋め尽くされ、見るだけで精神を侵されてしまいそうであるが、それ以上にオブリビオンフォーミュラの攻撃だからか、それとも使役する邪神の力だからかはわからないが、フィールドに罅がいくつか入り始める。
フィールドを破壊されてしまえば、この触手はあっという間にパトリシアの肢体を解体して鮮血の花へと変えてしまうだろう。最早これまでかと思われたその時である。
「っ!?」
カルロスの腕に痺れが走る。同時に触手の攻撃が緩まる。制御可能時間を超えたのだ。
気づけばパトリシアと触手のいる位置は、地上からかなり離れており、遠目でもパトリシアの姿を視認できるほどであった。
「伸ばしすぎたかっ!」
「悪いけど、お触りは厳禁なのよね!」
この機を逃さない。パトリシアはユーベルコード【MOF式接触禁止令(イエス・モフモフ・ノータッチ)】を発動させながらフィールドを解除。触手の元へと飛び込みつつ量子的存在へと変容する。
それは触れたものを侵食する。既にカルロスの命令を聞かなくなった触手は、容易くパトリシアのユーベルコードで侵食される。そのことはカルロスにも伝わっており、不味いと解除へ移るがパトリシアの侵食が早い。
「触手の制御はこっちがもらったわよ! 全部まとめて返してあげる!」
天高くまでそびえた触手、そのほとんどが、今度はカルロス目掛けて殺到する。自身に向けられるその光景は、さしもオブリビオンフォーミュラといえ肝が凍り付く。
「ぐっ、おおおおおぉ!?」
触手の牙の波。それはカルロスの肉体に相当のダメージを与える暴力となった。
成功
🔵🔵🔴
リーヴァルディ・カーライル
…他世界の邪神や紋章を操る能力は確かに脅威的だけど、
どうやらまだ完全に操れる訳では無いみたいね
敵の精神属性攻撃を狂気耐性と闘争心を燃やす事で気合いで耐え、
第六感を頼りに光線の射線を暗視して攻撃を見切りUCを発動
…っ。まだよ、まだ…っ
…よくも、私の心を操ろうとしたわね
…返礼よ、受け取りなさい
"写し身の呪詛"の残像を囮に攻撃を受け流しつつ切り込み、
右掌に限界突破した闇属性攻撃の魔力を溜め、
怪力任せに"闇の重力"球を叩きこみ、
分子結合が切断される超重力のオーラで防御ごと邪神を圧し潰し、
降霊し強化された大鎌をなぎ払う2回攻撃を行う
…この重力の檻からは逃れられない
この世界から、その存在ごと消え去るが良い
凶悪なこと極まりない、邪神を操るその力は流石オブリビオンフォーミュラである。だがそれが完全でなければ隙をつけることは、先の猟兵たちによって証明されている。
【リーヴァルディ・カーライル】もまた戦場に現れ、カルロスを討ちに来た猟兵である。
「傷を癒させてはくれないか。輝き惑わすものよ」
それに対抗するように、カルロスがユーベルコードを発動させれば、光り輝く宝石のような美しき邪神を召喚する。
かの者が放つ光線に当たれば、色とりどりの美しい宝石となって霧散させられてしまうだろう。
放たれるそれを、リーヴァルディは六感で回避していく。掠ったとしても危険なそれを、辛うじてと言えるレベルでも確実に避けれるのは、彼女の技量のなせる業だろう。
「…っ。まだよ、まだ…っ」
直接当てるのが厳しいならば、カルロスはまだ言うことの聞く邪神へ指示をだす。
「輝きを」
その指示を聞きいれた邪神は、怪しげな輝きを全体へと放つ。それは対象の欲望を急に湧き立て、混乱へと陥れるもの。戦闘の最中、それも命がけで集中が切れれば危険という場面で放たれるそれは、字面以上に危険で凶悪な業である。
無論リーヴァルディの精神にそれは作用する。唐突に愛しい者へと向ける欲望が、眼前の邪神へ向けられれば、誰だって困惑する。それを、リーヴァルディは根性と狂気への強い耐性で、辛うじて崩されることなく耐えて見せた。
「耐えるのか、ならばもう一度……時間か」
あと一押しすれば、流石にその気合い崩せるだろうと考察したカルロスだったが、時間である。邪神は指示を聞かないで光線を撃ち始めた。
「…よくも、私の心を操ろうとしたわね」
強烈な欲望に耐えきったリーヴァルディに最初に訪れた感情は、怒りである。
愛しき人へ向ける無垢で純粋な感情を、土足で踏み込み捻じ曲げられたとなれば、恋する乙女が激昂するのも無理はないこと。
怒り故に思考が返って冴え渡り、ユーベルコード【限定解放・血の教義(リミテッド・ブラッドドグマ)】を発動させながら、先ほどよりも鋭く速く迷いなく光線を避け、残像を幾つも残しながら邪神へとたどり着く。
「…返礼よ、受け取りなさい」
その右手には、闇と重力を合成して生み出した『闇の重力球』が作られており、それを怒りのままに突きねじ込む。
分子結合が切断されるほどの超重力は、それでも凶悪な邪神を屠るに至らなくとも、離れた位置にいたカルロスを引き寄せることは実に容易い。
「っ!? しまっ!」
「…この重力の檻からは逃れられない」
後ろへと下がろうとしたカルロスだったが、それは叶うことなく、足が地から浮いて急速に邪神の元へ、過去を刻み未来を閉ざす大鎌を構えたリーヴァルディの元へ。
「この世界から、その存在ごと消え去るが良い」
そして振るわれるグリムリーパー。流れるように、華が咲くように、二度の円を形作り、鮮血の輪を散らす。
その血の輪さえも、生み出された重力に吸われて直ぐに散っていく。
「ぐっ、ぬぉおおおおおお!!」
邪神が耐えられるから自分も、とはいかない。このままでは重力に擦り潰されて肉塊になる未来が見えたカルロスは、体に血の線が刻まれようとも、これ以上先に引きずられないことだけを考え踏みとどまり続ける。
結果的に多量の血を失うこととなったが、カルロスは生きている。少なくない損傷ではある。だがそれでもまだカルロスは生きていた。
「やってくれるな、猟兵」
まだまだ、戦いは続く。
成功
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水鏡・怜悧
詠唱:改変、省略可
人格:ロキ
魔銃を光属性にし、邪神を直視しないようスクリーンを作ります。懐に忍ばせた日記帳のオーラ防御で狂気を軽減します。それでも、狂気にさらされ、好奇をむき出しにします
「あは、はははは!邪神山脈!巨大な邪神!異世界の力を操る存在!興味深い!構造を!中身を!早く!」
UDC触手をロープのようにし、邪神へ縛り付けて近づきます。自身への攻撃は、頭部と胸部以外は無視します
「神経構造は?脳波は?細胞は?遺伝子は?」
邪神も王笏も対等に、興味と好奇にさらしましょう。呼び出した手術台へ縛り付け、手術道具で解剖を。UDC液体金属を相手の体内に注ぎ込み解析を試みます。
「あぁ、壊れて、しまいました」
狂気と欲望を普段押さえつけて暮らしている猟兵もいる。その狂気を解放するよう施すことは、パンドラかアーク、どちらにしても触れてはならぬものを触れるどころか叩き壊すに同等の行いである。
【水鏡・怜悧】は、まさにそのパンドラの箱である。それを知らない故に、カルロスが無力化目的で吼えたけるものを召喚したのは、致し方ないとはいえ愚手であった。
怜悧は【オムニバス】を光属性にしてスクリーンを作り、さらにオーラで防御を試みたが、その狂気に呑まれてしまった。が、彼の場合はこれでいいのだ。狂気が、彼が隠すロキを引きずり出すのだから。
唐突に、なんの予兆もなく大声で嗤いだす怜悧、否、今はロキ。しかし人格交代を知らぬカルロスからすれば、発狂したようにしか見えず。まだコントロールの効く邪神で押しつぶそうとした時であった。
「あは、はははは! 邪神山脈! 巨大な邪神! 異世界の力を操る存在! 興味深い! 構造を! 中身を! 早く!」
気が付けば、カルロスも邪神も、謎の手術台に拘束されていた。認識する事すらできなかった。
「っ! いつのま……ぬぐぉ!?」
「神経構造は? 脳波は? 細胞は? 遺伝子は?」
カルロスの質問なんて知ったことではない。そんな様子でロキの解剖が始まる。邪神もカルロスも、ほぼ同スペースで麻酔なくバラしていく様はまさしく狂人のそれである。
「こんなことをして何になるっ!」
しかしオブリビオンフォーミュラであるカルロスは、流石にそう長く拘束できない。UDC液体金属を打ち込む前にカルロスは脱出してしまうが、それでも腸が多少出かかるほど解剖されたことによるダメージはバカにならないだろう。
「あぁ、壊れて、しまいました」
それは拘束器具と邪神、両方に向けたものであった。邪神は非常に頑丈で、メスも通らなかったが、同じUDCには適性が良かったのかすんなりと入った。そこから解析を狙ったロキであったが、カルロスがユーベルコード解除したため消えてしまったのだ。
残念そうな表情するロキに、流石のカルロスも眉をひそめる。最大の侮蔑を込めた視線に、ロキはなんの感情も籠ってない声で答えた。
「答えなんてどうでもイイんですよ。知的好奇心を埋めたい、ただそれだけですよ。学者に学の価値を問うようなどうでもいいことより……さァ、貴方の中身を教えてください」
「狂人め……」
オブリビオンフォーミュラである自身が逆に退く。そうせざるを得ないほど、ロキは狂っていた。
はたから見ればどちらがオブリビオンかわからない状況であるが、ロキの狂気の行動は、カルロスに相当のダメージを与えるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
七那原・望
邪神の島?触手だらけの島とか悍ましいのです。
幸い見なければ正気は奪われない。わたしにとってあの邪神はただの巨人です。
スケルツァンドに【騎乗】し【念動力】で飛行能力を付与。
【第六感】と【野生の勘】で邪神とカルロスの行動、攻撃を【見切り】、その機動力を活かして回避を。
場合によっては【浄化】【属性】【呪詛耐性】【結界術】で攻撃を防ぎます。
タイミングを見て【世界】を邪神に放って邪魔者の排除。
その後スケルツァンドの【リミッターを解除】してカルロスへ【騎乗突撃】、【零距離】【クイックドロウ】【全力魔法】を叩き込み、そのままカルロスにも【世界】を放ちましょう。
答えられるなら、こんな侵略はしてないでしょうね。
カルロスの召喚する吼えたけるものは、見たものを狂気に落とすもの。故に極論視覚に頼らなければ巨体以外は何の脅威もない。だが視覚を一切使わないなど、一長一短でできるものではなく、非常に困難なことである。
だが【七那原・望】はそもそも視覚を使わないで戦ってきた猟兵だ。きっとこれからもそうなのだろう。
「わたしにとってあの邪神はただの巨人です」
触手だらけの悍ましい島の中、見えてなくとも感じるカルロスという邪悪へと一直線に進む望。折角召喚した邪神も、見られていないならば巨人でしかない。
「これは面妖な……」
厄介だという表情になるカルロスだが、最早手の打ちようがない。二体も邪神を同時召喚できるほど、カルロスの操作は安定していない。
巨人でしかないならば、流石の邪神の攻撃も容易く捌かれ届きはしない。視覚という本来ならば無ければならない存在を必要としないのが、どれだけ脅威かを見せつけるように望がカルロスに迫り、ユーベルコード【世界(レ・ミゼラブル)】を発動させる。
「お前に問います。世界に希望はあるか。それは、どのような物か。答えられる物なら、答えてみなさい!」
「なん……ぬぉおおおおおお!?」
邪神とカルロスを襲う膨大な悪意の渦。それは如何にオブリビオンフォーミュラといえども耐え続けるのは至難。苦痛に歪むカルロスへ攻撃の手は緩めず、望はそのまま宇宙バイクの奏空・スケルツァンドのリミッターを解放。
突撃、轢き、さらに全力の魔法を瞬時に幾つも叩き込み、その姿を海岸へと吹き飛ばすのであった。
大成功
🔵🔵🔵
マユラ・エリアル
やっとこさ見つけた玉葱島
折角なので殴りこませてもらおうか
出迎えの品は玉葱料理で良いぞ?
●
邪神を操るか
だが相手が霊なら、どうとでもなる
右手の鉤爪in vitro worldと左手のロッドShadow of the Earthに「破魔」の力を込め殴り付け霊を成仏させていくとしよう
強制成仏!というやつだな…昔習った事がある
光線は「ダッシュ」で回避
欲望?ふふん知らんのか、私は自分の欲望の為にしか動かんぞ?
つまり常に混乱状態というわけか、マジか
どういう事だカルロース!!
まあいいさ、後はぶん殴るのみ
『氷刃展開』
ぶん殴ると言っておきながら遠距離からチマチマ
920本、全てくれてやる
氷刃、全方位展開
放射開始!
「やっとこさ見つけた玉葱島。折角なので殴りこませてもらおうか……出迎えの品は玉葱料理で良いぞ?」
「帰れ猟兵」
カルロスさえそう突っ込んでしまうようなインパクトのある登場をしたのは【マユラ・エリアル】である。
邪神と一言で表せば凶悪な存在ではあるが、根幹は霊である。この宝石のような邪神は、本体はよほど凶悪なのかカルロスでも霊が限界なのだろう。そこをマユラは突くのである。霊ならば如何に屈強な邪神でも、破魔で祓えると考えたのだ。
「強制成仏! というやつだな……昔習った事がある。後はぶん殴るのみ」
どこで、とはここでは無用。カルロスを倒せるならばそれでよい。ガントレット【in vitro world】とロッド【Shadow of the Earthに】を手に邪神へと向かう。
無論カルロスもただ見てるわけなどなく、邪神に命令を下してマユラを排除しようとする。
最初は輝きで足を止めさせて、その後光線で宝石化させる戦法を取ったカルロスであったが、なんとマユラ、輝きによる欲望発露が通用していない。というのも、彼女は自身の欲望に実に忠実で、常に理性が蒸発していると言われてもおかしくない。この場においては、所謂『常時混乱状態』ということになったのだ。
「どういう事だカルロース!!」
「知らぬ」
無慈悲にも冷たくあしらうカルロス。輝きが効かないなら光線を使うまで。こちらの方は流石に当たれない。
マユラはダッシュで潜り抜けようとするが、そこは邪神。理不尽とも言える範囲を薙いでくるため、完全には避けきれずに装飾品のいくつかが宝石化。だが死ぬことなく動けるならば、猟兵は戦えるものである。
振るわれる二つの異なる破魔の力が、邪神に当てられて大きくその力を削いだ。ここまでダメージを受ければ制御は困難だろう。あとはカルロスのみ。
「ぶん殴ると言ったな。あれは嘘だ。920本、全てくれてやる。氷刃、全方位展開」
ユーベルコード【氷刃展開(コール・アイスエッジ)】を発動させ、生み出されるは920本の美しき氷の刃。いくらオブリビオンフォーミュラといえど、この数は捌き切れない。
「放射開始!」
マユラの一声で一斉に放たれたそれは、間違いなくカルロスへと降り注ぎ、その身に幾つもの傷跡を残したのであった。
成功
🔵🔵🔴
御剣・刀也
ははは。島そのものが相手か
だが以下にでかかろうが、操っている奴が居るならそいつを倒せば終わる
この位で俺が止まると思うな
邪神「大地を喰らうもの」で大地を代えられても、勇気で被弾を恐れず、第六感、見切り、残像で避けながら、ダッシュでカルロス・グリードの居るところまで一直線に懸けていき、捨て身の一撃で斬り捨てる
「島一つを武器に変える。その力はすげぇが、俺を止めるには足りねぇ。俺はただ、斬り捨てるだけだ」
島そのものが相手といっても過言ではない、カルロスとの戦いは当然非常に危険を伴う。だが、結局のところ邪神はカルロスを経由して降臨している以上、カルロスを討てばその猛攻も止まる。
【御剣・刀也】は、ただまっすぐ迷いなく、カルロス目掛けて突っ切っていく。その心は捨て身の覚悟。立ち止まれば命はないと、ただまっすぐ走り駆ける。
「愚かな」
対するカルロスは大地を喰らうものを召喚し、無数の触手で刀也を引き裂こうと襲わせる。
大地をうねり波打ち削りながら殺到する触手の群れ。それを無傷で掻い潜るのは至難の業。いくら猟兵でも手傷を追わざるを得ない。
残像を残し、六感で見切ったとしても、それがどうしたとばかりに押し寄せる数の暴力。皮膚が削られ、少なくない負傷を負う。だが、それでも止まらない。
刀也がもし覚悟の足りない状態だったのならば、痛みで怯み鏖殺されていたかもしれない。だがカルロスは彼の覚悟を見誤った。三途渡りの六文銭を握り続けるその覚悟を軽んじた代償を、すぐさま払わされる。
「島一つを武器に変える。その力はすげぇが、俺を止めるには足りねぇ」
例え肉を抉られようとも、刀也の覚悟に揺るぎはない。まっすぐ迷いなく、ブレることなく。カルロスはそのことに気づくのが遅かった。
「俺はただ、斬り捨てるだけだ」
踏み込み含めた射程内。その銘の通り、獅子が気高く吠えるような勇ましい風切り音と共に獅子吼が振り下ろされた。ユーベルコード【雲耀の太刀(ウンヨウノタチ)】。
「捉えたぜ……この切っ先に一擲をなして乾坤を賭せん!!」
稲妻、そう例えるに相応しき速度で下ろされた刃が紅に染まる。刀也の背後には鮮血を噴き上げ片膝をつくカルロスがおり、それを確認できた彼は、安心してグリモアベースへと撤退した。
カルロスが今負わされた傷はかなり深い。戦いの終わりが近いのを示すように、カルロスが大地に血を吐いた。
成功
🔵🔵🔴
ビッグ・サン
「やれやれ、オリュンポスの名をあげるのに賞金首になってこいとは、沢木ちゃんも怖いこと言いますね~」
秘密結社オリュンポスは秘密結社なのだから、名を上げる必要はないと思うがまあいいだろう
賞金首はどうあれ、邪神が出る依頼というのは気になった
錬金術の素材に邪神を使いたいと思っていたところである
見た者の正気を奪う邪神だというが、ビッグは研究の為に自らの魂を刻んで魂に映すような男だ。すでに正気ではない
用意したウッドゴーレムで巨人を殴りましょう
神木と呼ばれてあがめられてるような木を材料にしたウッドゴーレムですよ
邪神にはやはり神聖なもので対抗しないと駄目ですよね
「さあ、丸太のような蹴りをぶちかますのですよ」
秘密組織が名を上げるのは、果たして良いことなのだろうか。名が上がってしまうと秘密ではなくなってしまうのでは。そんな疑問を抱きつつも、同僚に言われた以上やらざるを得ないのは【ビッグ・サン】だ。
「やれやれ、オリュンポスの名をあげるのに賞金首になってこいとは、沢木ちゃんも怖いこと言いますね~」
そう言いつつも、相手が邪神という興味を惹かれる存在なため、割と乗り気なビッグはユーベルコード【クリエイト・ゴーレム(クリエイト・ゴーレム)】を発動させる。
生み出されたゴーレムは、今回は木製。しかしすぐにそれがただの木でなく、神木をふんだんに使って作られた破魔特化であることはカルロスには理解できた。
ならばと対するカルロスも吼えたけるものを召喚し、ビッグを狂気の世界へ引きずり込もうとする。術者を叩けばゴーレムなど木偶の坊でしかないからだ。
「……どういうことだ」
しかし邪神を直視しているはずのビッグに変化が見えない。それもそうだ、何故ならビッグは既に正気ではない。不死研究のためとはいえ、自身の魂を引き裂くような狂人に正気など一欠けらも残っているわけなどない。
「私にそれは無意味ですよカルロスさん。さあ、丸太のような蹴りをぶちかますのですよゴーレム」
ビッグの指示を受けたゴーレムが大地を割りながら走りだす。カルロスの邪神も少し遅れて走り出す。両者が一歩大地を踏みしめるたびに軽い地鳴りが起こり、これから起こるであろう力の衝突の凄まじさを物語る。
そして予想通り、激突の衝撃は空気を振動させて海を振るわせる。力を受けきれなかった両者の地が抉れ、だがこれで勝負は決まらず殴り蹴り合いへと発展する。
邪神が見た目に合わず思った以上に俊敏な動きをし、対するゴーレムは予想通りのパワフルな一撃で打撃を与えていく。だが邪神側にはカルロスの限界という制約があある以上、時間が経つほど邪神が押されていく。
「くっ……暴れてくれるな」
「そろそろ、KOですかね」
ついにはカルロスの縛りが外れてしまう邪神。先ほどまでの知的かつ卓越した戦闘技術は消え失せ、本能に従った動きでゴーレムを襲う。だが属性相性が完全に負けている以上。パワー比べをすると負けるのは当然で、さしもの邪神もゴーレムのヤクザキックに腹をくの字に折った。
「では錬金術の素材収集といきますか」
ビッグの手には剣・ソウルイーターが握られており、いつの間にかゴーレムの手の甲に乗っていた。怯み、それでも闘争心が収まらない邪神はゴーレム目掛けてまっすぐ拳を突き出す。
対するゴーレムも、下から腹へと追撃するように、ビッグの乗った拳を繰り出した。
果たして、邪神の拳はゴーレムの頭上を抜けていき、ゴーレムの拳が邪神の腹を抉った。それだけにならず、ビッグのソウルイーターも、ゴーレムの拳と同時に邪神へと突き刺していた。
「肉は残らないでしょうからね」
ビッグの言葉に合わせて、ゴーレムの拳が放たれたことによるインパクトで邪神が飛ぶ。その先は猟兵たちの度重なる猛攻によって、最早逃げることすら出来なくなったカルロスの真上。
「……負けか。だが、次こそは」
ただそれだけ、カルロスはその言葉を残して、飛来した邪神の巨体に圧し潰された。
間もなく邪神が消滅する。カルロスの残機の一体を減らせたことの証明であった。
「やはり残りませんか……まあいいでしょう」
そう言いつつ、ソウルイーターに入った邪神の生命力という素材が入ったビッグは、そのままその場を後にするのであった。
こうしてカルロスの残機は減った。だがオブリビオンフォーミュラである彼の力は健在である。猟兵たちに休みはまだない。
勝利へ向かって、彼らは次の戦場へと向かうのであった。
大成功
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