羅針盤戦争〜邪神蔓延る島
●異世界にある邪神山脈
「三の王笏島の場所が判明した」
グリモアベースに作りだしたグリーフィングルームに猟兵達を呼び出した黒柳・朔良(「影の一族」の末裔・f27206)が告げたのは朗報とも言える報告だ。
しかし、それを口にした彼女の表情は優れない。
「グリードオーシャンのオブリビオンフォーミュラーの分身体のひとつである「三の王笏」がUDCアースの邪神の力を使うことは知っての通りだが、まさかその力の源がUDCアースの邪神山脈の島だとは……」
UDCアースの邪神山脈、それは非常に強力な邪神が封じられている人跡未踏の高山から成る山脈のことだ。
「いや、正確には邪神山脈を模した島と言った方が正しいか?
だが事実、邪神が多く蔓延っていることに変わりはない」
カルロス・グリードの一姿である三の王笏のUDCアースの力を具現化する能力により、その島全体が邪神蔓延る邪神山脈と化しており、カルロスもその島の邪神を操って攻撃を仕掛けてくるようだ。
「だが、やつもその力を持て余しているらしいな。
自身が具現化しているとはいえ、相手は邪神。
その強大な力を制御しきれていないようだ」
ならばそこにこそ勝機がある、と朔良続ける。
「このまま放っておけばグリードオーシャンがさらに危険な状況に陥ることは必至。
厳しい戦いになるが、必ず勝てると信じている」
朔良の手の中のグリモアが輝き、猟兵達を現地へと送り届ける。
その先には禍々しいまでの島と頂上が見えないほど高く聳え立つ山が見えていた。
綺朔
邪神山脈のシナリオは出てないですが、書かないといけないとお告げがありました。
どうも、綺朔(キサク)です。
戦争が始まって一週間でまさかUDCアースの力を使う敵の本拠地が発見されるとは思わなかったです。
さて、今回は邪神山脈と化している「三の王笏島」での決戦です。
かなり厳しい戦いとなりますため、覚悟して挑んでくださいませ。
なお、後ほど記載しますが、プレイングボーナスである「敵の先制ユーベルコードへの対処」がなされていなければ問答無用で苦戦判定とさせていただきます。
悪しからずご容赦ください。
●第1章 ボス戦『七大海嘯『三の王笏』カルロス・グリード』
グリードオーシャンのオブリビオンフォーミュラー、カルロス・グリードの形態の一つである『三の王笏』との決戦です。
邪神を操り島の地形全体で攻撃してきますが、朔良の言葉の通りその強大な力を持て余しているため制御しきれていません。
付け入る隙はそこにしかないとも言えますので、頑張って見つけてください。
プレイングボーナス(最低限必須):敵の先制ユーベルコードへの対処。
(最低限必須事項が含まれていなければ苦戦判定となります。)
●プレイング募集について
OP公開後から随時募集いたします。
なお、今回の断章追加はございません。
その他については綺朔のマスターページをご参照ください。
以上、皆さんの素敵なプレイングお待ちしています。
第1章 ボス戦
『七大海嘯『三の王笏』カルロス・グリード』
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POW : 邪神「大地を喰らうもの」
【本拠地の島の面積】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【大地を牙の生えた触手】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD : 邪神「吼えたけるもの」
【目にした者の正気を奪う、漆黒の巨人型邪神】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : 邪神「輝き惑わすもの」
【光り輝く宝石のような美しき邪神】の霊を召喚する。これは【命中した対象を宝石に変える光線】や【敵の欲望をかきたて混乱させる輝き】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:hoi
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ
【アドリブ・連係歓迎】POW
決戦?なにそれ美味しそう!
アクセントをつけようね☆
事前に「肉体改造」を施して弾力と増殖スピードを上げて噛み切れないように強化!
触手の噛み付きを防ぎつつUC【飢餓つくと肉肉しい惨劇】にて増殖し続ける肉塊に変身!
触手の食欲を匂いで(匂いは化学物質だから鼻が無くても出来るはず)増幅させて、増殖した肉塊を齧らせる!
体内に入った肉塊はなおも増殖して……どかーん!
勝利の暁には触手「料理」で「宴会」だー!
あ、代償になった島の面積は切り離した肉塊を改造して島の土壌にするよ♪
三の王笏の力により邪神山脈と化した島にも、それを象徴するかのように高く聳える山がある。
島の面積から考えるにあまりにも不釣り合いなその山の頂上に、『三の王笏』カルロス・グリードの姿はあった。
「脈動せよ、本能の赴くままに全てを喰らい尽くすがいい」
その声に応えるかのように島全体が脈打ち、至る所から牙の生えた触手が湧き出るように現れる。
「わー、美味しそうな触手たちだ!」
真っ先に島へと上陸していたラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ(ハラペコかわいいコックさん(可食・高栄養・美味)・f31483)は、ユーベルコード【飢餓つくと肉肉しい惨劇(ラ・ファミーヌ・デ・ラ・ヴィアンド)】で自身を肉塊へと変貌させて触手の海とも呼べる大地へと、時速8100kmもの高速で飛び込んでいく。
その匂いに充てられてか、はたまた動くものを捉える性質があるのか、触手は高速で動きながら増え続けるラヴィラヴァを捕食する。
「ふふ、アクセントをつけようね☆」
ラヴィラヴァがそう告げた瞬間、彼女を捕食した触手の内部からボコりと何かが蠢いた。
瞬間──凄まじい音を立ててラヴィラヴァを捕食した触手達が破裂する。
捕食してもなお内部で急速に増殖し続けるラヴィラヴァの肉塊にその質量が耐えられたくなり、内側から弾け飛んだのだ。
そうして破裂した触手の欠片とともに、ラヴィラヴァは自身の肉塊を切り離して改造し、カルロスが代償とした大地を修復していく。
「勝利の暁には触手料理で宴会だー!」
楽しみだなー、と増殖と破裂を繰り返していくラヴィラヴァにとっては、この島は食材の宝庫と言えるのかもしれない。
成功
🔵🔵🔴
黒影・兵庫
邪神山脈とは奴らとんでもないものを用意してきましたね...
(「これ以上の戦力が奴らに無ければいいんだけど」と頭の中の教導虫が話しかける)
ひとまずは目の前の敵に全力で挑みましょう!せんせー!
(「そうね!さて敵の邪神はどうする?」)
『浄化』の効果を付与した『オーラ防御』のバリアで霊を接近を拒みつつ『念動力』で操作した瓦礫などで光線と混乱の輝きをガードし『衝撃波』を使った『ダッシュ』で霊を振り切ります!
そのまま敵ボスに接敵しUC【蝗害】を発動し召喚した強襲兵の皆さんで一斉攻撃を仕掛けます!
(「いいんじゃない?作戦開始よ!」)
おーっ!
広大な邪神山脈の島の上陸場所は一つだけとは限らない。
「邪神山脈とは奴らとんでもないものを用意してきましたね……」
触手と増える肉塊との攻防とは真反対に位置する場所から上陸したのは、黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)だった。
(これ以上の戦力が彼らにないといいのだけれどね)
「ですねぇ。
でもひとまずは目の前の敵に全力で挑みましょう!せんせー!」
自身の頭の中に住まう教導虫「スクイリア」の懸念ももっともではあるが、それを確かめるためにも島に放たれている宝石の邪神の霊を突破する必要がある。
(さて、どうする兵庫?)
「うーん、まずは敵を近づかせないことですよね?
それからあの霊は直視したらダメっぽいから、見ないようにしながらカルロスを探します」
(うん、上出来!
とはいえ、カルロスがどこにいるかはある程度の予想は付いてるけどね)
問題はどうやってその場所へ行くかなのよね、とスクイリアが兵庫の頭の中でうぅむと唸るように悩む。
「うーん、場所の特定は俺も予想はしてますけど、そこに行くためのなにかがあるはずですよね?
まずはそれを探してみましょう」
(……それもそうね。
それじゃあ、作戦開始よ)
「はい!強襲兵のみなさーん!こちらでーす!」
元気よく頭の中のスクイリアに返事をして、兵庫はユーベルコード【蝗害(コウガイ)】で500匹近くもの戦闘用に特化した小型の虫を呼び出す。
戦闘用とはいえその膨大な数の虫たちは宝石の邪神の霊を諸共せずに島の各地へと広がっていく。
そうしていくつかの虫がカルロスの居場所である山頂へと至る道を見つけたようで、カルロス自身への攻撃に成功していたのだった。
成功
🔵🔵🔴
花盛・乙女
『三の王笏』…いや、既に邪神の一柱か。
過ぎたる力を求めれば如何なるものか、哀れなものだ。
羅刹女、花盛乙女。いざ尋常に。
名状しがたきその姿も「狂気耐性」にて正気は失わずにいられる。
そして大地を触手とするその異能。なるほど狂気山脈の名に相応しい。
であれば「地形の利用」を行う。
周囲の状況を判断し触手を「挑発」し引き付けつつ上空へ「ジャンプ」。
引き付けたのを見れば転身、高速で地表に降り触手の生えた大地を「怪力」で抉り取る。
抉り取った大地ごと王笏へ投げつけてやろう。「カウンター」だ。
間はおかず「2回攻撃」、【黒椿】と【乙女】を抜き斬りかかる。
一斬二打の『雀蜂』、くだらん野望ごと砕いてくれる!
所変わって、触手蠢く――否、大地が触手へと変貌している地にて、その触手を挑発しながら島の中心へと走る抜ける影が一つ。
「貴様らを召喚した『三の王笏』もその過ぎたる力を求めたあまりに身を滅ぼさんとしている。
まさに哀れなものだな!」
花盛・乙女(羅刹女・f00399)の言葉が自身の召喚主への愚弄であると知ってか知らずか、その牙で捉えようとする触手を乙女はするりと躱し続けていく。
名状しがたき邪神のその姿を見ても正気を失わずにいる乙女は、周囲の触手からなる地形を利用しながらまるで飛ぶように触手の攻撃から逃れ、時にその怪力で殴りつけながら中心へと向かっていく。
「む、ここらで良いか」
突如、触手の間を縫うように走っていた乙女が大きく飛び上がり、宙へと舞う。
触手はそんな乙女を今度こそ捕らえんと追いかけるように宙へと伸びていき、そして――
「一撃を避けぬ者には二撃が待つ、覚えておくが良い!」
乙女が空中で転身、高速で触手の海へと飲み込まれていく最中、『極悪刀【黒椿】』と『小太刀【乙女】』を抜き放ち、ユーベルコード【我流実戦術【雀蜂】(スズメバチ)】で斬撃と己の拳の二連撃を放つ。
そしてその二撃目の拳による一撃で抉り取られた触手共をそのまま中央に聳える山へと投げたのだった。
「む、今の揺れは……」
乙女の投げた触手の大地は天高く聳える山を倒すまでは行かなかった。
しかしその衝撃は揺れとなり、カルロスのいる山頂まで確実に届いていた。
「……ふはは!まさか邪神たる触手を抉り取り擲つ者が居ようとは!
大いなる神の意に反し、我が戦いに赴く意味もあったというもの」
その揺れが何たるかを瞬時に感じ取ったカルロスは、剛毅とも言える猟兵のやり方に高く笑うも邪神の制御のためにこの場から動けないことを酷く悔しがっていた。
「嗚呼、これこそが侵略……
我が必ずや猟兵共を屠り尽くし、わが麗しの姫君のために彼奴らの秘儀を――」
そのためにもまずはこの島に攻め入る猟兵共を駆逐するとしよう、と。
カルロスはその手の『三の王笏』の力を使い、新たな邪神を呼び出すのだった。
成功
🔵🔵🔴
ニィエン・バハムート
・先制対策
万物を切り裂くガントレットを地面に【怪力】で振るい【衝撃波】による土飛ばしをしながら【トンネル掘り】で地中に潜り、そのままガントレットと怪力、衝撃波で無理矢理地中を【高速泳法】で移動し光線と輝きを防ぐ。
そして地中でUC発動。大地震を引き起こし邪神山脈そのものに攻撃を仕掛ける。その力を制御しきれていないカルロスに対して少しでも嫌がらせになれば…。
どちらにしろ大地震で隙を作りつつ潜った時と同じ要領で地上に戻り、その時の土埃や石、岩などを邪神の光線、輝きへの盾にしながらカルロスに【捨て身の一撃】を仕掛け【部位破壊】。
自分の力を御しきれない海賊だなんて、とんだニュービーがいたものですわ!
「覚醒せよ、我が意に従いし黒き巨人!
――侵入者を滅殺せよ」
高らかにそう命じるカルロスに呼応するように、目にするものを狂気に陥れるかの如き漆黒の闇が巨人の姿を形取る。
ゆっくりと動き出すその闇は、何かを探すように周囲を視ていた。
「……な、に、あれ」
トンネルを掘りながら地中を移動していたニィエン・バハムート(竜王のドラゴニアン(自称)・f26511)が、自らの位置を確認するためにたまたま顔を出した先に、その漆黒の巨人がすぐ目の前に迫っていた。
あれは視てはいけないものだ、と脳が警鐘を鳴らす。
しかしそう思えば思うほどに視線をそれから逸らすことが出来なくて。
「……っ、おちつきなさい私、アレは見てはいけませんわ」
無理矢理に目を閉じて言い聞かせるように呟き、漆黒の巨人を見ないようにしながら、またニィエンは地下のトンネルへと戻っていく。
さながら地中を泳ぐ魚のように掘り進めるニィエンだったが、予想外の敵との遭遇にその心は穏やかとは程遠いものだった。
(あんなもの野放しにしてちゃ絶対ダメですわ!)
そのためには邪神山脈でもあるこの島自体をどうにかしなければいけない。
「そうです、あれを使えば……!」
はっ、と思いついたようにトンネルを掘る手を一瞬止めてニィエンは呟く。
そう、彼女はそれを為すだけの力を持っているのだ。
地上に出ればおそらくはあの巨人を目撃してしまうだろう。
現在の位置は先程地上に出たときからの距離と方角でなんとなくだが把握できる。
「最も効果的にこの島にダメージを与えられる場所は……」
島の中心、カルロス・グリードのいる山の麓付近へとトンネルを掘り進み、そして――
「……世界を揺るがす竜王の鉄槌!バハムート・デストラクション!」
ユーベルコード【ナマズのグラグラ大地震(ナマズノグラグラダイジシン)】により発生した大地震が島全体を襲う。
それは震源直上に近いカルロスにも確実に感じられる程の揺れとなり、その力の一部を削ぎ落とすには十分であった。
成功
🔵🔵🔴
リューイン・ランサード
僕、ナマコ苦手なんです<汗>。
でも、この世界を護る為に頑張ります!
敵UCに対しては自身の翼で空を飛び、第六感と見切りで触手攻撃を読んで空中戦能力で回避(飛行阻害に引っ掛からない様、島の上を程々の高度で飛行)。
避けきれない場合はビームシールド盾受けで触手を焼き切り、オーラ防御で防ぐ。
UC使用可能になれば、残像による分身を多数作って幻惑しつつ、限界突破した高速で急降下。
2回攻撃の1回目にて、多重詠唱による炎と風の属性攻撃・全力魔法・高速詠唱・範囲攻撃で敵周辺の触手を焼きつつ斬り裂いて突破口を作り出す。
2回攻撃の2回目にて、UCで作成した超振動と精神攻撃の力を右手に籠め、相手の顔面を怪力でぶん殴る。
大地震が島全体を襲ったのを感じていたのは、カルロスだけではなく。
「わわっ、今の揺れは一体……?」
地上で触手の大地と対峙していたリューイン・ランサード(竜の雛・f13950)は、突如起きた大地震に驚き思わず空へと逃げるように飛び立った。
「うぅ、触手達は牙が生えててナマコっぽいし、いきなり地震は起きるし……
邪神山脈って何でもありなんですかぁ!?」
半分涙目になりながらのリューインの訴えを聞いているのは、彼がナマコっぽいと称する触手のみ。
牙はあるものの物言わぬその触手が行く手を阻むようにリューインを追ってくるのを見て、更に涙目になりつつも「フローティング・ビームシールド」で触手を焼き切りながら飛んでいく。
そのとき、明らかに意思のあるように思える触手が勢いよくリューインへと迫ってきた。
「な……がっ!?」
「避けられはしなかったが、流石に気付いたか。
我をあの場所から動かしたことといい、やはり猟兵は侮れぬ」
あまりにも突然のことだったために、咄嗟に「フローティング・ビームシールド」を構えるが間に合わず触手の攻撃をリューインはまともに食らってしまう。
「『三の王笏』、カルロス・グリード……!」
「如何にも、我を存じていたようで光栄だ、猟兵」
では逝ね、とカルロスが短く命じる。
その手のメガリス『三の王笏』の輝きが増し、大地の触手とカルロスの背後の触手が一斉にリューインへと襲いかかってくる。
「空中戦は僕の得意分野なんですよ!」
触手の間を縫うように飛びながらカルロスへと接近するリューインを待ち受けるようにカルロスは動かない。
否、おそらくはメガリスを制御するために容易に動くことが出来ないのだろう。
その証拠に、触手達の大半はカルロスを護るように蠢いているのだから。
その壁はあまりにも厚く、一度の攻撃では到達することは不可能だった。
「だとしても!」
炎をまとう風の魔法によりリューインに纏わりつこうとする触手たちを焼き切った勢いのまま、急接近してユーベルコード【震龍波(シンリュウハ)】の乗った拳をリューインはカルロスの顔面に叩きつけようとする。
「我に達するには些か惰弱であるな」
しかし案の定、その拳は触手の壁に阻まれカルロスに到達することはなかった。
「これでダメなの!?」
思った以上に厚い触手の壁にリューインが驚きの声を上げる。
だが、一度で無理ならば何度でも試すまで、と。
そう思い直してたリューインは、態勢を立て直すために一度その場から離れることにしたのだった。
成功
🔵🔵🔴
御剣・刀也
ははは。島そのものが相手か
だが以下にでかかろうが、操っている奴が居るならそいつを倒せば終わる
この位で俺が止まると思うな
邪神「大地を喰らうもの」で大地を代えられても、勇気で被弾を恐れず、第六感、見切り、残像で避けながら、ダッシュでカルロス・グリードの居るところまで一直線に懸けていき、捨て身の一撃で斬り捨てる
「島一つを武器に変える。その力はすげぇが、俺を止めるには足りねぇ。俺はただ、斬り捨てるだけだ」
たとえ島そのものが相手であろうとも、それを操っているものを倒してしまえば終いだろう。
その考えで触手の大地へと変貌した地を駆け抜けていた御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)もまた、なんの前触れもなく非常に大きな地震に襲われた。
「おおっと、これを起こしてるのはどっちなのかね」
猟兵であればその意図はこの島の弱体化を図るものだろうが、邪神であるならば――と考えたところで触手の動きが明らかに鈍くなったのに気付いて、前者の仕業であろうと結論がみえた。
「さて、カルロス・グリードはどこにいるかねぇ」
嫌がらせのごとく猟兵達が散々動き回っているのだ。
そろそろ姿を表してもおかしくはないはず。
周囲を探るように見回していると、目の端に周りの触手とは違う動きをする触手を捕らえた。
刀也に真っ直ぐに伸びてくる、先端を尖らせたその触手を「獅子吼」で咄嗟に切り落として、刀也はその先を鋭い視線で見つめる。
「先程の少年とは違い反応は良いようだな
だがまだ我には遠く及ばぬ」
そこには刀也の探していたカルロス・グリードが触手に囲まれて立っていた。
「そっちから来てくれたなんてありがたいねぇ。
探す手間が省けた」
「それはよかった。
しかし逝ねと言われて素直には聞かぬだろう」
どれ、手を貸してやろう、と。
カルロスの立つ地面が残る大地が触手へと変貌していき、背中の触手と共に刀也へと襲いかかってくる。
「はっ、さっきの地震のおかげでこの島は相当な打撃を受けてるはずだ。
それだから直接で向いてきたんじゃないのか?」
「猟兵というものは存外よく囀る」
「そりゃあどう、も!」
無駄のない動きで触手を躱しながら刀也はカルロスに一直線に駆けていく。
そしてそのままの勢いでユーベルコード【雲耀の太刀(ウンヨウノタチ)】の一閃を浴びせ、カルロスの『三の王笏』を持つ手を切り落とした。
「島一つを武器に変える。
その力はすげぇが、俺を止めるには足りねえなぁ」
ニヤリと刀也は不敵に笑ってそう勝利を確信して、カルロスにそう宣言する。
「……くく、やはり侮れぬ。
だがこれで終わりと思うでないぞ、猟兵」
「何がおかし……っ!?」
瞬間、刀也は驚きの光景を目にする。
切り落とされたはずのカルロス腕から触手が這い出て、そのまま傷口へと戻っていったのだ。
「おいおい、再生するとか聞いてねぇぞ」
「切り札はここぞという時に切ってこそであろう?」
戻った腕の感触を確かめるように動かしながら、くくっと、今度はカルロスが不敵な笑みを浮かべる。
「ああ、そうかもなぁ。
だが切り札を切らせたってことはもう後がねぇってこった」
次は確実に息の根止めてやるよ、と。
仕留めるまでには至らなかったが、自身のその攻撃に確かな手応えを刀也が感じていたのもまた事実であった。
大成功
🔵🔵🔵
ナイ・デス
群竜大陸の財宝、黒い宝石製の彫像を変形合体させた「ダイウルゴス」
その彫像の塊内部に入って視界はゼロ【第六感】で敵を知覚する
邪神山脈、邪神、そしてフォーミュラ……これほど強い気配、間違えはしません
【念動力】で動かして
隙間は後ろ側だけにして、そこから光を噴いて【推力移動ダッシュ】
宝石に変える光線も「ダイウルゴス」は元から宝石
普通の宝石になるとしても、形は変わらないから分離しないし元から私が動かしてるので動きも変わらない
輝きも届いていない
届いても、勇者のパートナーとしてありたい、つまり敵を倒したいということで変わらない
【覚悟激痛耐性継戦無視】通常攻撃にも怯まず止まらず
近付いて【零距離レーザー射撃】!
かつて、こことは違う世界において起こった戦争「帝竜大戦」にて、彼の地に領土を得たナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)が操るのは、彼が治める地の財宝である黒い宝石製の彫像を変形合体させた「ダイウルゴス」だ。
その彫像の塊の内部に入ってしまえば視界は無く、故に欲望を掻き立て混乱させるという宝石の邪神の霊が放つ輝きをその目に入れることはない。
「邪神山脈、邪神、そしてフォーミュラ……
これほど強い気配、間違えはしません」
カルロスや邪神を気配打で察知するナイが彫像を念動力によって動かす。
「宝石の彫像、その力見せてみよ」
カルロスが邪神の力を行使しようとも、「ダイウルゴス」はもとより宝石でできているためにその性質は変わらず。
彫像の隙間は背後のみだが、その隙間を塞ぐようにユーベルコード【いつか壊れるその日まで(リジェネレイター)】の光が内側より噴き出しているために光線や輝きが内部に侵入することはない。
それゆえ、ナイの意識が変わることはなく、暗い視界の中でカルロスの気配のみを追っていた。
もっとも、輝きが内側に侵入したところで微々たるものであるならば影響は限りなく少ないために何も変わらないのかもしれない。
しかしそれ以上にナイが思うのは、『勇者のパートナーとしてありたい』という強い思いだ。
その思いは『敵を倒す』という欲へと変換されるため、結果の行動として変わることはない。
「ここから消えてください、『三の王笏』カルロス・グリード……!」
ナイの聖なる光が「ダイウルゴス」から発せられ、カルロスを守るように間に入る宝石の邪神の霊もろとも貫く。
「ぐっ、ここらが潮時か……見事であったぞ、猟兵共よ!
しかし忘れるな、次なる航海の時は近いということを」
カルロスの消滅と同時に『三の王笏』が音を立てて砕け散り、邪神達もまた何処かへと消え去っていったのだった。
猟兵達の活躍により、『三の王笏』カルロス・グリードは倒された。
しかしこれは彼の王、カルロス・グリードの分身体の一つに過ぎない。
この世界のオブリビオン・フォーミュラーたる『王笏』との戦いは、まだ始まったばかりなのだから――
成功
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