羅針盤戦争〜蒼海羅針域カニハンターズ3
● 襲い来る蟹の大群みび
アシュラオオガニが一掃された海域に、再びカニの姿が浮かび上がった。
どれだけの数がいるのか。深海からやってくるカニ達は次々と海面近くまで浮かび上がってくると、目だけを出して粛々と進軍を開始する。
目指すは大渦。サムライエンパイアとグリードオーシャンを繋ぐ、重要な門。
ここを破壊すべく進むアシュラオオガニの数は、とどまることを知らないのだったーー。
● グリモアベースにて
「皆様! グリードオーシャンで大きな戦いが起きました。アカネに力をお貸しくださいませ!」
真剣な目で猟兵達を見渡したアカネ・リアーブル(ひとりでふたりのアカネと茜・f05355)は、グリードオーシャンの海図を広げるとその一角を指差した。
「先日も予知致しましたが、この海域にはまだまだカニがたくさんいる様子。是非皆様のお力をお貸しくだいませ」
アシュラオオガニは巨大な蟹で、好戦的で獰猛。次々に襲ってくる蟹を倒してもらいたい。そして、この蟹には大きな特徴がもう一つ。
「アシュラオオガニは、大変美味しいのです。カニ味噌もたっぷりで、身は濃厚かつ芳醇な味わいで。やっぱりこの時期は鍋が一番……」
思わず食レポに走るアカネは、カニすきやカニしゃぶ、焼きガニに想いを馳せた意識を戻すとコホンと一つ咳払い。
「さておきです。とにかく、アシュラオオガニを放っておくわけには参りません! 皆様、頑張ってカニハントして、美味しくいただいてしまいましょう。ごちそうさままでが依頼です!」
ピンク色の柄の菜箸をギュッと握り締めたアカネに呼応した猟兵達は、それぞれのマイ菜箸をギュッと握り締めた。
三ノ木咲紀
オープニングを読んでくださいまして、ありがとうございます。
三ノ木咲紀です。
おかげさまでカニシナリオにたくさんのご参加を頂戴しました。今後はコンスタントにカニシナリオを出し続けますので、よろしければ気長にご参加くだされば幸いです。
カニマスターに、私はなる……!
これは戦争シナリオです。
1章で完結する特殊なシナリオとなっております。
なお、このシナリオが成功すると、戦争サバイバルの🏅5000が加算されます。
早期の完結を目指しますので、必要青丸数達成+αくらいで締切とさせていただきます。
完結の目処が立ち次第、次のカニシナリオのオープニングを申請致します。
プレイングは公開後すぐの受付です。
とにかくカニを倒して、美味しく食してやってください。
プレイングボーナスは以下の通りです。海上戦を工夫して、倒して、美味しく食べる。 そんなシナリオになると思われます。
プレイングボーナス……海上戦、船上戦を工夫する(海上では飛行や転移が阻害されています)。
なお、このシナリオはカオスシナリオとなる可能性があります。カオス可の方は、プレイング冒頭に「●」とお書きください。
無ければ普通に判定されます。カオス度合いはプレイングに依ります。
あんまりカオスにならなかったら申し訳ない……! 普通にカッコよくても満足いただけるリプレイに仕上げますです。
アカネの旅団で以前使ったダイステーブル等、需要がございましたら自由に使ってやってください。
それでは、良きカニハントを。
第1章 集団戦
『アシュラオオガニ』
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POW : 阿修羅連打
【眼が赤く光る怒り状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : 剛力殺
レベル×1tまでの対象の【胴体や首】を掴んで持ち上げる。振り回しや周囲の地面への叩きつけも可能。
WIZ : 蟹泡地獄
【口】から【大量の泡】を放ち、【粘着と溶解】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:イプシロン
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アンジュ・ファンタジア
●
おいしいカニ……!(輝く瞳)
これは負けられない戦いですね!
この戦い、海戦が得意な者の力を借りましょう。
UCで「軍艦を擬人化したゲームキャラクター」を召喚して、カニ討伐艦隊を結成しましょう。
召喚中はゲームの中の人物風に【パフォーマンス】して、キャラクター達のやる気を上げます。
キャラクターの諸君!ミッションの時間だ。
今回の目標は見えているカニの怪物だ。
射程に入ったら遠距離攻撃でカニを消耗させつつ目標に接近。
装備している大砲や魚雷など自慢の武器であのカニを倒してもらいたい。
泡は服や武器防具を溶かすからからわざと当たるんじゃないぞ。
倒したら、皆でカニ汁パーティーといこうじゃないか。
では、健闘を祈る。
ヴィヴ・クロックロック
「●」
蟹だー!!!何やら何もわからんが蟹と聞いてはなんだか倒せねばならぬ。ならぬがなぜか勝てる気もしない。具体的には即死しかねん…!
しかも食べると美味しいと来た。食べてみたいがそもそも近づきたくない爆破したら食いでが減る…うーむ八方塞がり…。
しかしこの戦場地獄絵図の予感がビンビンする!ならこの混乱に乗じて私のUCで他の猟兵のいい感じの作戦とUCを丸パクりしてしれっと一緒に戦おう!こうね、いい感じに(中でろくろを回す動き)ネゴシエーションして許可を貰えばきっと許される。最悪蟹のUC使えばいいだけの話。泡吹きながら無差別に首掴んで振り回す程度の酷いことが起きるだけだ…!
(※アドリブ連携大歓迎です)
● ネゴシエーションはばっちりだ!
青く広がる海がどこまでも続き、海面近くまでやってきたアシュラオオガニ達が密度を上げながら粛々と進軍している。
鉄甲船の甲板上から拳をぶんぶん振り回したヴィヴ・クロックロック(世界を救う音(自称)・f04080)は、進む甲殻類の頑丈そうな背中を見て唸り声を上げた。
「蟹だー!!!」
アンジュの隣でその様子を見守っていたアンジュ・ファンタジア(プロバトルゲーマーは体が資本・f06790)は、進む高級食材の姿に目を輝かせた。
「おいしいカニ……! これは負けられない戦いですね!」
「そう。しかも食べると美味しいと来た。食べてみたいがそもそも近づきたくない爆破したら食いでが減る。……うーむ八方塞がり……」
目をキラキラさせるアンジュに、ヴィヴは腕を組み厳かに唸り声を上げる。ノリノリで戦意高揚しようと思っていたアンジュは、ヴィヴの様子に首を傾げた。
「ど、どうしたのヴィヴさん。空さえ飛ばなければ勝てる相手だと思うよ?」
「うむ。それはそうなのだがな。何やら何もわからんが蟹と聞いてはなんだか倒せねばならぬ。ならぬがなぜか勝てる気もしない。具体的には即死しかねん……!」
「え、そ、即死!?」
面食らったアンジュに、ヴィヴはゆっくりと頷く。何せ相手は蟹。この海域最強の甲殻類。どう対抗しようとしても、勝てる気はしない。しないのだ。腕を組んで真剣な眼差しで水平線を見つめるヴィヴに、アンジュは首を横に振った。
「即死はダメですよ! 美味しいカニが食べられなくなってしまいます!」
「うむ。……そこで、提案なのだが……」
組んでいた腕をほどき、手を組みろくろ回しネゴシエーション。やっぱりびっくりしているアンジュの前に跪いて、ヴィヴはプレゼンを始めた。
「この混乱に乗じて私のUCでアンジュのいい感じの作戦とユーベルコードを丸パクりしてしれっと一緒に戦おうではないか! いいか、決していまいちいい作戦が思いつかなかったとか、ちょっと面倒くさいから作戦を借りてしまおうとか、そういうことでは決して無い! これはれっきとした戦略で……」
「なんだ。そんなの全然いいよ」
「まあもし許可を貰えなくても? 最悪蟹のユーベルコードを使えばいいだけの話。泡吹きながら無差別に首掴んで振り回す程度の酷いことが起きるだけ……って、え?」
ノリと勢いで押し切ろうとしていたヴィヴは、あっさり頷くアンジュにむしろ拍子抜けしたように顔を上げた。その名の通り天使の笑みを浮かべたアンジュは、ネゴシエーションの呼吸をキメるヴィヴの手を取るとそっと立たせた。
「むしろ大歓迎! ……何せ戦場では、投入できる戦力量で勝敗が決まるのだよ。物量で押し切ってしまえば、例えカニの大群だろうと敵一個師団だろうと恐るるに足らず!」
「も、もしもーし」
突然雰囲気を変えたアンジュは、海軍提督の軍服を身に纏うと凛とした姿勢で鉄甲船の甲板を振り返った。
「目には目を、歯には歯を。この戦い、海戦が得意な者の力を借りようではないか! ……なあ、キャラクターの諸君!」
手にした元帥杖で鉄甲船の甲板を突いたアンジュ提督は、振り返る視線の先にいる「軍艦を擬人化したゲームキャラクター」達に檄を飛ばした。
● 地の利を生かした艦隊戦
鉄甲船の甲板上には、軍艦達が整然と並んでいた。総勢133人の軍艦を擬人化したキャラクター達は、戦闘配置につくとアンジュ提督の号令を待っていた。海軍提督の軍服に着替え、元帥杖を手にしたアンジュの隣には、同じく海軍提督の軍服に着替えて元帥杖を手にしたヴィヴの姿がある。ヴィヴはヴィヴの艦む……もとい、戦艦を擬人化したゲームキャラクター達の前に立つと、アンジュの動きを見事にトレースしていた。やがて戦闘配置を終えたゲームキャラクター達が、二人の提督に報告を上げた。
「「提督! 総員、戦闘配置に就きました!」」
「「うむ。……諸君! ミッションの時間だ」」
射程ギリギリのところを泳ぐアシュラオオガニ達の背中に視線を向けたアンジュ提督は、こちらを振り向きもしないアシュラオオガニの甲殻に口角を上げた。相手がどれほどの攻撃力を持っていようとも、今回のこの布陣と作戦ならば一網打尽にできるというものだ。
「「今回の目標は、今見えているカニの怪物だ。射程に入ったら遠距離攻撃でカニを消耗させつつ目標に接近。装備している大砲や魚雷など自慢の武器であのカニを倒してもらいたい。泡は服や武器防具を溶かすからからわざと当たるんじゃないぞ」」
「「了解!」」
アンジュ提督とヴィヴ提督の作戦指示に、バトルキャラクター全員が一斉に頷く。静かにカニの動向を見守っていたアンジュ提督は、くわっと目を見開くと手を振り上げた。
「「鉄甲船、全速前進! 目標、アシュラオオガニ! 長距離砲発射用意……てー!」」
アンジュ提督とヴィヴ提督が振り下ろす手に、鉄甲船が速度を上げる。同時に一斉発射された長距離砲が、アシュラオオガニの背中に強かな砲撃を加えた。突然の攻撃に進軍を止めたアシュラオオガニは、振り返るとカニ爪を振り上げて猛然とこちらに襲いかかってくる。
だが、レベル×1tまでの対象の胴体や首を掴んで持ち上げるアシュラオオガニの爪は、接近戦にしか効果がない。諸般の事情で泡攻撃が使えないアシュラオオガニ達は、鉄甲船の甲板の上という地の利を生かした擬人化キャラ達の絶え間ない砲撃に対抗する術はない。
「「大砲用意! 魚雷発射! ……撃てー! 右舷前方、弾幕が薄いぞ! 倒したら、皆でカニ汁パーティーといこうじゃないか!」」
「「了解!」」
ノリノリで返事を返すキャラクター達が、一斉射撃を繰り広げる。
やがて巨大な水柱と共に海域を制圧したアンジュ提督とヴィヴ提督は、得られた戦果に拳を突き合わせる。
その後、甲板で祝勝カニ汁パーティが賑やかに開かれたのは、言うまでもないことだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ミラン・アレイ
●アドリブ大歓迎!
カニ食べ放題って聞いて!
がっつり食べるぞー!おー!
船にカニさんが登ってきたら片っ端から【怪力】でぶん殴って甲羅を【鎧砕き】つつ撃破していくんだよ!パワープレイ!
カニさんの攻撃は【オーラ防御】で弾いちゃう感じで!パワープレイ!
ある程度、撃破したカニさんがたまったところでUC【轟雷竜哮】を放って、雷でほどよく焼きをいれるよ!
これでおいしく食べれるかなー!
イスラ・ピノス
●
美味しくでっかい蟹がたくさん!
困りごとだけど見返りもいっぱいなのはやる気でるよね。
がっつりごちそうさままで頑張るよ!
戦法は単純!
ソーダジャイアントを海で召喚!
水を思いっきり吸って強く大きく!
アシュラオオガニを普通の蟹くらいに扱える所まで巨大化すれば正面から十分殴り合える筈。
水の身体の利点も活かして攻撃をいなしながら、ガンガン叩いて渦に近寄らせず吹っ飛ばすよ!
そこまでそーちゃんが巨大化すれば僕だけ狙うっていうのは多分敵も難しいと思いたいけど
うっかり攻撃を受けないように高速泳法もスタンバイ。
上手くいったら倒した蟹の回収も大きさ活かして積極的にするよ。
皆で美味しくおなか一杯食べるために!
● カニを求めて沖合に
「カニ食べ放題って聞いて!」
登場早々に目を輝かせたミラン・アレイ(ドラゴンガール・f29182)は、どこまでも広がる海を前にはしゃいだ声を上げた。ここはグリードオーシャン。もうカニの海と名付けたくなるほどたくさんのアシュラオオガニ達がいる場所。カニパーティーをするにはもってこいなのだ。
同じく目をキラキラさせたイスラ・ピノス(セイレーンの冒険商人・f26522)もまた、広がる海に美食とカニ食べ放題への期待で胸を膨らませていた。
「美味しくでっかい蟹がたくさん! 困りごとだけど見返りもいっぱいなのは、やる気でるよね。がっつりごちそうさままで頑張るよ!」
「カニいっぱい食べるぞー! おー!」
カニへの期待でオラ、ワクワクが止まらねぇぞ! 状態な二人がカニを探し始めて三十分後。
海域にカニはいなかった。
「ちょっとお!? 話が違うんじゃない? カニ食べ放題は? カニ鍋は? 焼きガニは? このカニへの期待はどーすればいいのよ!」
「うーん。ほら、最近乱獲されてるし。もう少し先の海域にいるのかな? ちょっとそーちゃんで見てくるね」
ぷいぷいなミランを宥めたイスラは、海へ視線を移すと詠唱を開始した。
「そーちゃんおいで」
イスラの呼びかけに海上に現れたソーダジャイアントは最初、体長3メートルほどだった。だが水を吸うほど大きく強くなるソーダジャイアントは、海水を吸ってみるみるうちに巨大化。ついにはビルほどの体積にまで成長したのだった。
「うわぁ。またでっかくなったね!」
「アシュラオオガニを普通の蟹くらいに扱える所まで巨大化すれば、正面から十分殴り合える筈。じゃあちょっと偵察に行ってくるね! 通信入れるから」
「カニ! カニの海域見つけてきてね!」
ぶんぶん腕を振るミランに手を振ったイスラは、一路カニを求めて沖合へ出るのだった。
● 蟹カニベースボール!
沖合に出たイスラは、ほどなくアシュラオオガニの群れを発見した。どうやら臆病な群れらしく、突然現れた鉄甲船に怯えて逃げてしまったらしい。巨人の中で泳ぎながら観察したイスラは、投げ舵輪を振りかぶると最後尾のカニに投げつけた。
「ピッチャー振りかぶって第一輪……投げた!」
ソーダジャイアントが投げた巨大な舵輪は、狙い違わずアシュラオオガニを直撃。目を回して海面に浮くアシュラオオガニの姿に、先を行くカニは目を真っ赤にしてハサミを振り上げた。臆病とはいえ、元は獰猛なアシュラオオガニだ。ソーダジャイアントの巨体にも怯まず猛然と突き進むと、ハサミで攻撃を仕掛けた。
だがソーダジャイアントは海水。切っても掴んでもダメージを与えられないと見るや、巨人の足を這い上がってくる。さすがにそれは想定外だった。
「ええ!? 登るの禁止だって!」
慌てて足にひっついたカニを引き剥がして、互いをぶつけて気絶させる。目を回したカニを海に浮かべておこうと思ったが、舵輪で仕留めたカニは海中に沈んでしまった。そーちゃんの体内に保管するのもリスクは高い。パニックに陥ったイスラは、通信機の声に顔を上げた。
『カニ! カニいた?』
「いたよー! そっちに投げるから、後お願い!」
『りょーかい……って、えー!?』
驚き慌てふためくミランの声を聞きながら、イスラは大きく振りかぶった。
「ピッチャー振りかぶって第一蟹……投げた! 続けて第二蟹!」
『ちょちょおー!』
慌てた声が通信機から聞こえてくるが、さくっと無視して次のカニを掴み上げる。
一通りカニを投げきったイスラは、額に浮かんだ汗を拭うと鉄甲船へと帰還した。
● それはいわば千蟹ノック
一方その頃。
沖合へと離れる巨人の背中を見送ったミランは、鉄甲船の手すりにもたれかかるとカニへ想いを馳せていた。
「ふふーん。カニーカニー。焼きガニー。いっぱい捕まえたら轟雷竜哮(ゴウライリュウコウ)で焼きガニにしちゃおーっと」
期待に胸を膨らませたミランは、小さなブレスを吐く。予行演習はばっちりだ。立ち止まったソーダジャイアントは、何やらじっとして動かない。どうやらカニの群れを見つけたみたいだ。取ってきてくれたカニは、ミランが甲羅を砕いて食べやすくしよう。
「そして始まるカニパーティー! 轟雷竜哮で外は真っ黒中はふっくら! 絶対美味しいやつだよね!」
そう思ったらもう、思考も胃袋もカニへのスタンバイがオーケーすぎる。後は本物のカニを待つばかり。居ても立っても居られなくなったミランは、通信機のスイッチを入れた。
「カニ! カニいた?」
『いたよー! そっちに投げるから、後お願い!』
「りょーかい……って、えー!?」
『ピッチャー振りかぶって第一蟹……投げた! 続けて第二蟹!』
「ちょちょおー!」
投げるとは!? と思うが早いか。唸りを上げて飛んでくるカニの姿に、ミランは拳を振り上げた。
「ちぇすとー!」
飛んでくるカニの甲羅に、拳を突き出す。カウンターの要領でカニの甲羅を強打したミランは、続けざまに飛んでくるカニの鎧を砕いた。
「これは、千本ノックならぬ千蟹ノックねー! いいわかかってらっしゃい! イッツ、パワープレイ!」
その後も続けざまに飛んでくるカニを怪力で殴り、時には蹴りつけ甲板へと転がしていく。やがて止んだカニの千本ノックに、ミランは快哉の声を上げた。
やがて帰還したイスラと一緒に、カニのフルコースを堪能しまくったのは言うまでもない。
大成功
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