羅針盤戦争〜大島蟹の御通り~
●昔々の御伽話
昔々、あるところに大きな島がありました。その島は静かに海から浮き上がって、海賊の船を、海賊を、財宝を、何もかもを奪っていくのだと言います。
「そんな噂話あるわけないだろ!」
海の戦士であり、盗賊でもある海賊たちはそんな話をこれっぽちも信じちゃいませんでした。だってそんなものを恐れていたら、海賊の名が廃る。だからこの島によくある、よく伝わった御伽話だと信じて笑い飛ばしていたのです。
ある日、その島を退治しに行こうじゃないかと勇敢な海賊たちが立ち上がり、退治しに行こうという話になりました。
ところが――。還って来たのは数十の船、百人近い海賊たちが還って来たのはたった一艇と十数人。砂浜にあがった海賊の一人ががくりと膝をつきました。
「畜生! あの野郎、島なんかじゃなかった!」
還って来た海賊は、片腕で亡き友の三角帽を抱えたまま拳を地面に叩きつけます。何度も何度も。拳から血が出る前に周りにいた人々は止せ、と止めてあげました。
「島じゃないってなら、何だよ」
「まさか幽霊とかの類じゃねえだろうなあ? この島、出るって言うぜ」
「幽霊なんかじゃない! 本当にいたんだ!」
項垂れていた海賊が顔を上げると、その顔は青ざめており、その言葉に嘘が混ざっていない事を周りは理解しました。
――大きな蟹だった。全部を飲み込んじまうくらいの。
「冗談だろ?」
「お前さん疲れているんだ、大方嵐にでも巻き込まれたんだろう」
笑い飛ばそうとした周りの人達に本当に、いたんだ! そう語りかけるも皆は聞いてくれず。
その時でした。
遠くでざばあと音がする。島だ。つい先程まで見えなかった島が、何故此処にある。――いいや、あれは蟹だ。大きな蟹。その大きな蟹が何故此処に?
すうっとこの島にいる人々を見た気がする。その蟹はその島を素通りして、何処かに去って行きました。
「なあいただろ!本当にいただろ!」
人々はこの島には“本当にいる”のだと確信し、海賊の言う言葉にただ頷きました。
――サクラミラージュの一端から落ちてきた『浪漫島』に纏わる、御伽話。
●とてもつよいかに
んー、と口元に人差し指を当てて一年・彩(エイプリルラビット・f16169)は口を開いた。
「その蟹、食べられるのかなあ」
いや何でもない、と首を横に振って頭のツインテールが左右に揺れる。
「今さ、グリードオーシャンで戦争中じゃない? そのグリードオーシャンのある島で大きな蟹が出るんだって!」
小さなホワイトボードを取り出して、書いたのは『浪漫島』の文字。ご丁寧に『ろまんとう』の振り仮名付きである。
――浪漫島。サクラミラージュの一端から落ちてきたというその島は、噂話はあれど比較的平和に暮らしていたらしい。
「蟹がねー、どうも邪魔をしてくるんだって。仕方がないかなー。七大海嘯の部下だからなー。とっても強いかも」
大丈夫かなあと彩は唸りながら腕を組みながらうんうん頷き、顔を上げると両手をぱんと叩いた。
「でもね、蟹を退治しようと現地の海賊さん達と協力し合えば行けると思う!」
にこにこと笑う顔は猟兵たちを信用している証拠。
「大丈夫、皆ならできるって彩信じてるから!」
彼女の大好きなうさぎ型のグリモアがくるりと回って、光りが包み込んでいく。
さけもり
OPをご覧くださって有難うございます。
さけもりです。
心情、ネタ、どちらに寄っても大丈夫です。
断章の追加はございません。公開からプレイングを募集致します。
詳細はMSページ及びタグをご確認ください。
戦争シナリオのため人数を絞ってのご案内になる場合がございます。
予めご了承の程お願い致します。
プレイングボーナス:海賊達と協力する。
海賊たちはやる気ではあるものの、御伽話である事から一歩踏み出せずにいるようです。
それでは皆様の参加をお待ちしております。
第1章 ボス戦
『大島蟹『カルキノス・タイラント』』
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POW : アイランド・ブレイズ
【背中の火山を噴火させ、炎を纏う岩石の雨 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : ハサミスマッシュ
単純で重い【両鋏 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
WIZ : ゴースト・パレード
【カトラスとラッパ銃 】で武装した【海賊】の幽霊をレベル×5体乗せた【今までに喰らった海賊船を元にした幽霊船】を召喚する。
イラスト:もりさわともひろ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「安室・玲華」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
空桐・清導
POWで挑む
巨大なハサミが叩き潰さんと島に迫る
それを[ジャンプ]したうえで、全力で殴りつける
[気合い]の入った声と共に[限界突破]した
[怪力]で押し返して殻を[鎧のように砕く]
待たせちまったな、海賊達!
オレは空桐清導!
あのデカ蟹をぶっ飛ばしに来た男だ!
と言っても、流石に人手が足りねえ
そこで、手を貸してほしいんだ
あれは御伽噺の怪物だって?
そいつは最高じゃねえか!
要は伝説を作れるってことだろ
男なら!最高に燃える状況だろうが!!
海賊達と協力関係になれたら大砲での迎撃をお願いする
岩石の雨はサンライザーの[誘導弾]で粉砕
トドメは悪いが貰うぜ!
UCで炎の巨槍を創造して投擲
巨大な口を通して内部で大爆発させる
●英雄は此処に来たり
「あんな大きな奴、どうすりゃいいんだよ……」
カトラス。ピストル。大砲。武器は用意できるだけ砂浜に用意してきた。かの巨大だと噂される御伽話に太刀打ちできるように。けれど海賊たちの目の前にはそれらではどうしようもないできないであろう巨大な蟹、大島蟹『カルキノス・タイラント』の姿が海面から姿を覗かせたのだった。
空想上の御伽噺だと思われていたそれは、今目の前にある。空想ではない、現実だ。幾度となく困難に立ち向かってきた海賊たちも青ざめた顔で御伽話だった筈のカルキノス・タイラントを見上げる。
巨大な鋏が島に向かって振り上げられる。あれをまともに食らってしまっては、もうおしまいだ。島だって割れてしまいそう。誰もがそう思った。
「行っくぜぇ!!」
空に熱気の籠った声が響き渡る。何かの影が空高く跳び上がり、カルキノス・タイラントの硬い殻を力強い拳が砕いていく。その影の正体――空桐・清導(ブレイザイン・f28542)は砂浜へと降り立ち、マントを翻しながら海賊たちの方へと体を向けた。
「待たせちまったな、海賊達! 俺は空桐清導! あのデカ蟹をぶっ飛ばしに来た男だ!」
とは言っても流石に人手が足りねえ。だから彼等の協力が必要だ。清導はすっと片手を差し出した。
「そこで、手を貸してほしいだ」
「お前さんができなきゃ俺たちなんて虫けらみてえなもんだ! 力になれるかどうかは……」
「あれは御伽噺の怪物だって?」
「あぁ」
ぷ、と噴出した清導は腹を抱えて笑った。こんな状況では笑えるなんてどうかしている。海賊たちはそう思ったぐらいなのに。
「そいつは最高じゃねえか! 要は伝説を作れるってことだろ。男なら! 最高に燃える状況だろうが!!」
言われてみればそうだ。自分たちは海賊。海賊の中に僅かな女子供もいれど、男が大半を占めている。――時には雨の日でも、嵐の日でも、雪の日でも。どんな時でも海賊としてやってきた。
「目の前の強敵がいればいる程、燃え上がるだろ?」
清導の真っ直ぐな眼差し。傷ついても尚進んできたであろう傷の残ったその拳を海賊たちは音を鳴らして手に取った。
「兄ちゃん! 蟹野郎の目潰しは任せてくれェ!」
陽気な返事が清導の耳に届いた。確と頷くと海賊たちは親指を立てて任せてくれと大砲を構え、カルキノス・タイラントの目を狙う。小さなものだったら狙いにくいだろうが、相手は大きな蟹。加えて大砲の扱いは得手な狙撃手が狙えば当たるのだ。
砲弾がカルキノス・タイラントの目に当たり、巨大な爆発が引き起こされる。しかしカルキノス・タイラントはびくともせず、それに激昂するかのように背中の火山から炎を纏った岩石の雨が降る。
「危ねえ!」
咄嗟のに清導のブレイザインに搭載されたサンライザーが炎を感知し撃ち落としていった。
「サンキュー兄ちゃん!」
「トドメは悪いが貰うぜ!」
「頼んだぜ兄ちゃん!」
海賊達の応援を背に腕に炎が集い、ごう、と音を鳴らして集った炎は巨大な槍の姿に形を変える。熱くなれ。もっともっと。清導の気持ちに呼応して槍は大島蟹を焼き討つ槍となった。
「ブレイザイン・バーニングモード!!さあ、いつもより燃えていくぜぇええ!!!」
清導の熱意。海賊達の応援。それらを乗せた巨槍はカルキノス・タイラントの口の中に放たれ、炎か、それとも出血か、爆発か。定かではないが赤く爆ぜて崩れていった。
大成功
🔵🔵🔵
久遠寺・遥翔
アドリブ歓迎
うろたえるな野郎ども!
と未だ一歩踏み出せない海賊を一喝し、こちらに注意を向けたところでキャバリアに【騎乗】
相手がでかいからなんだ! ここにはこうやって鉄の巨人に乗り込んで自在に操る人間だっているんだ!
全ては現実。相手はおとぎ話の存在じゃない。でかいだけのただの蟹だ!
なら海の男がやることは?
そう、獲って焼いて食う! それだけだ!
てな感じで煽って野郎どもと連携して蟹を狩るぜ
相手の鋏には注意を払い、【第六感】と【視力】による心眼で【見切り】回避する
島の上なら【空中戦】も可能だろうか? 検証しながらUCで高速で何度も敵を斬り抜け翻弄しながら一気に狩るぜ
●イグニシオンは此処に来たり
「うろたえるな野郎ども!」
武器を抱えて狼狽える姿に久遠寺・遥翔(焔黒転身フレアライザー/『黒鋼』の騎士・f01190)は巨大なキャバリアと島に共に降り立つ。
「相手がでかいからなんだ! ここにはこうやって鉄の巨人に乗り込んで自在に操る人間だっているんだ!」
その声と遥翔の姿に海賊たちは目を奪われる。大島蟹『カルキノス・タイラント』よりはその機体は小さいけれど、でもあの巨体が自分たちに協力してくれたとしたら。――できるかもしれない。やれるかもしれない。自分たちは非力でも、こんなに巨大な味方がいるのなら。
「いいぜ! やってやろうじゃねえか!」
海賊の一人が声を上げ、カトラスを掲げる。それに釣られるかのように次々と海賊たちは拳を上げ、声を上げ、やる気を遥翔に示した。
その姿を見て遥翔はイグニシオンへと乗り込み、マイクを通して彼等へと言葉を伝える。
「相手はおとぎ話の存在じゃない。でかいだけのただの蟹だ!」
全ては現実。噂であったおとぎ話の逸話であるカルキノス・タイラントに負けるわけがないと奮い立たせた。幾度もそのおとぎ話に心を打ち砕かれてきた事だろう。本当に命を失った仲間たちもいることだろう。
「蟹がなんだ! こちとら海の男だ!」
「なら海の男がやることは? ――獲って焼いて食う! それだけだ!」
「蟹鍋にしてやらァ!」
オォー!、と海賊達の咆哮が空に、海に響いた。その咆哮に反応するかのようにカルキノス・タイラントの両鋏は島に振り落される。地面に両鋏が食い込み、地面を割って行った。幸い、海賊たちは各々逃げ回ってはいたので被害は無かったことに遥翔は安堵した。
両鋏が再び振り下ろされる先は遥翔の騎乗したキャバリア・イグニシオン。しかしイグニシオンはただの巨体ではない。燃料を糧として動く、機動力を誇る最先鋭機のキャバリアなのだからその鋏の矛先を眼で観察しながらその動きを見切った。
けれどそれをいつまでもしているわけにはいかない。相手は蟹。海や陸地でなら空にその鋏は届かない。――ならば、空に飛んでしまえば?
「こっちだぜ、蟹野郎」
速さなら蟹よりも遥翔のイグニシオンの方が早かった。カルキノス・タイラントが右往左往している間にもイグニシオンは空を飛び、焔の剣を構える。
「行くぜ相棒! 今はただ全霊を以てこの空を翔ける――ラグナレク・キャリバーッ!!」
空高く飛びあがったイグニシオンの剣はカルキノス・タイラントの体をじわじわと焼き、切り裂いていく。その傷痕も、焔なのか、切り傷なのか、焼き痕なのか分からず、カルキノス・タイラントの体は赤く染まっていった。
大成功
🔵🔵🔵
パトリシア・パープル
巨大なカニ?
こういうのって、砦で待ち構えて大砲とか槍でバーッとやっつけるんじゃないの?
まあ、冗談は置いておいて、そのままじゃ海賊達と一緒に戦っても一蹴されるだけよね
とりあえず遠距離から大砲か何かで援護してもらって、その間に私は相手の側面から回り込むわ
ヨーヨーを投げてワイヤーを絡ませたら、相手の足に登って甲羅にメダルをペタリ
「よし! さあ、みんな! 一斉攻撃よ!!
メダルの効果で、カニは何やっても嘘……つまり、行動が強制キャンセルされるから、攻撃も防御も全部失敗になるはず
あ、メダル自分で剥がそうとしても、それも嘘になるから無意味よ
後は、カニの口の中にありったけの『スカンクガス爆弾』投げ込んでやるわ
●あぎょうさん、さぎょうごは此処に来たり
目の前の巨大な蟹を間の辺りにして、パトリシア・パープル(スカンクガール・f03038)は目を丸くした。
「こういうのって、砦で待ち構えて大砲とか槍でバーッとやっつけるんじゃないの?」
きょとんとした表情で海賊達の装備を見ると大砲や槍はあれど砦は無い。――冗談はさておき。そのままでは海賊達と自分が一蹴されてしまう。
「海賊さん達、カニが足元に気が向かない様に遠くから射撃や大砲で援護してくれる?」
「そ、そいつは構わねえけどよ。嬢ちゃんはどうするんだい」
「私にはこれがあるから!」
パトリシアの手に握られたのはスチーム・ヨーヨーと『あぎょうさん』のメダル。一度ワイヤーを伸ばし、くるんと手に収めて頬を寄せて海賊たちに見せつけた後に再びワイヤーを伸ばした。海賊たちがカルキノス・タイラントの顔、背中の島に狙いを定めいる間にパトリシアはカルキノス・タイラントの足元にくるりとワイヤーをくくりつけて、きゅっと外れないようにワイヤーを引っ張り、強度を確かめる。
「よし、大丈夫そう!」
一人頷いて、ワイヤーを伝ってパトリシアはカルキノス・タイラントの甲羅に『あぎょうさん』のメダルをぺたりと貼り付けた。
「よし! さあ、みんな! 一斉攻撃よ!!」
「で、でもあれが何かしてくるんじゃ……」
「大丈夫よ、全部『嘘』になっちゃうから」
あぎょうさん。パトリシアがかつて面白いと思って拾ったメダルにはやる事がすべて『嘘』になるものである。あぎょうさん、さぎょうご。それが導かれる答えは『嘘』でしかない。
――カルキノス・タイラントは鋏を振り上げようとした時だった。その振り上げ方は中途半端な高さで上がっては下がり、上がっては下がり。つまり行動を『あぎょうさん』によって行動を強制的に『嘘』に塗り替えられていた。
「大丈夫だったでしょ?」
ね。と笑いながら首を傾げるパトリシアに海賊たちは半ば唖然としながらも銃を、大砲を構え直した。
海賊達の猛攻とパトリシアの『あぎょうさん』メダルによる行動の嘘に翻弄されたカルキノス・タイラントは口から泡を吹く。どうしたら良いのかわからない、という様子だった。かといってメダルを剥がそうとしようにも『嘘』が邪魔をして剥がせない。
口を開いた、その瞬間。チャンスだと言わんばかりの行動に目を光らせていたパトリシアは懐から小さな小瓶を取り出した。
「此処ね!」
スカンクガス爆弾の入った小瓶をヨーヨーに括り付け、カルキノス・タイラントの口の中へと放り込む。
邪悪な毒素を口から取り込んだカルキノス・タイラントは更に口から泡を吹きだしながらゆっくりと崩れ落ちて行った。
大成功
🔵🔵🔵
叢雲・雅
貴様らは御伽噺になりたくはないのか?
貴様らの屯する猥雑な酒場、家族の居る暖かい暖炉の前、そして名も知らぬ者の寄り合いで。御伽噺のような怪物を斃した海賊たちが居たと語られたくはないのか? 七つの海を股に掛けお宝目指して暴れまわる陽気な海の男たちの御伽噺に新たな一章を書き加えたくはないのか?
…書き加えたいのならば、共に来い。戦いだ。征くぞ。
さて。煽った身としては確実に蟹を屠らなくてはいけないわけだが…大きいな。これは【咎力封じ】で敵を封じた後に海賊の援護を受けつつ頭まで駆け上り、【鎧無視攻撃】の【2回攻撃】で目から潰して行くのが有効か。
さて…新たな御伽噺、書き加えるとしようか。
●語られる英雄の娘は此処に来たり
御伽噺だって悪くない。自身が英雄に育てられ、それを語り聞いて育ってきた叢雲・雅(刻死蝶・f04306)はそう思う。――時に御伽噺の塵芥になるかもしれないと慄く海賊達に向かって背筋を真っ直ぐ正しながら処刑道具「逆流レ道満」の鎖を引く。
「貴様らは御伽噺になりたくないのか?」
誰もが憧れるのは英雄譚の様に優れたものでなくとも、伝説、逸話、噂とされて自分の名を遺せたらそれが海賊達にとって光栄な宝物。それになれるものならなってみたいさ! 海賊たちは雅に唆され始めていた。
「猥雑な酒場で酒瓶を高く掲げ、湯水のように浴びる」
「ああ、酒は俺たちにとっての命の水みたいなもんだ」
「家族のいる暖かい暖炉の前で語られる気分はどうだ?」
「海は時に冷たくてな、あったけぇのが欲しくなっちまうんだよな……」
「知らぬ者の寄り合いで――御伽噺のような怪物を斃した海賊たちが居たと語られたくはないのか?」
「なりてえ! やろうぜ野郎ども!」
オォー!!! 雄叫びと共に海賊たちは武器を掲げると、雅は口許に笑みを浮かべる。
――海賊たちを煽ったからには確実に蟹を屠らねばならない。とはいえ相手は巨大な蟹。
雅の手にはあるのは人よりも大きな逆流レ道満ではあるが、巨大な蟹の前では鋏同然にも等しいだろう。しかし、やってみなければ分からない。
カルキノス・タイラントの鋏に向けられて雅の手から手枷、猿轡、拘束ロープが放たれる。鋏を封じるための手枷はがっちりと嵌り、カルキノス・タイラントの鋏は大きな手となった。猿轡はかっちりと口に宛がわれ、拘束ロープは巨体を縛り上げよう
とするがそのロープは巨大な手になった鋏に振り下ろされた。
「なっ……!」
「おっと嬢ちゃん! 此処は任せなァ!」
「海賊にとってロープなんて手足みてぇなもんだ!」
拘束ロープの振り下ろされた先にいた海賊たちは雅の手の代わりにロープを引き取り、それを思い切りカルキノス・タイラントへと振り投げ、ぐるぐると巨体を縛り上げる。
「行け! 嬢ちゃん!」
海賊の掛け声と援護を受けた雅はそのロープを伝い、走り出す。逆流レ道満を引っ張り、その頭まで走り抜ける。――咎人を狩るための道具である逆流レ道満が鎧すら砕けぬはずがないとその刃は装甲を、本体を二度切り裂き、カルキノス・タイラントの体を脆弱にした。
「さて……新たな御伽噺、書き加えるとしようか」
昔々、あるところにから始まる御伽噺にまたひとつ、噺が紡がれていく。
大成功
🔵🔵🔵
トリテレイア・ゼロナイン
(この世界の存亡が掛かる戦いの中でも…やはりこうした御伽噺のような存在との相対では心が少し浮き立ちますね)
この島の平穏を取り戻す為、共に戦いましょう
私が先導します、続いて下さい
火山弾の落下軌道をセンサーの情報収集と瞬間思考力で計測し●見切り、格納銃器での乱れ撃ちスナイパー射撃で武器落とし
剣と盾の盾受け武器受けで海賊達を背後に●かばいながら大蟹に接近
皆様は各自で攻撃し、少しでも脆い箇所を発見出来たらお知らせを
私がそこへ一撃を繰り出します
発見の報を受ければ接近までに充填していたUCを解放
…御伽噺の騎士が振るうには少々無骨に過ぎますが…
この島の為、この世界の為、討ち取らせて頂きます
巨大光剣振り下ろし
●機械仕掛けの騎士は此処に来たり
世界の存亡が掛かっている戦いでも、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)の心は少し浮き立っていた。子供のたちの物語・御伽噺を由来として生まれ変わったトリテレイアが、その御伽噺同様の存在であるカルキノス・タイラントと相対できるなどと。子供たちが見る物語であればトリテレイアの姿はさながら怪物を退治する騎士の姿に見えるだろうか。そうであれば近くにいる海賊たちは、かつてこの島に辿り着いた時に出会った敵が味方になったと言えば敵も味方も関係なく、強敵に立ち向かう物語の始まりにすぎない。
「この島の平穏を取り戻す為、共に戦いましょう」
長剣を携え、構える姿を視認したカルキノス・タイラントは背中の火山を赤く染め上げ、火山口から炎の纏った溶岩の雨を降らす。
――目のセンサーはそれを見逃さなかった。その目は視覚だけに頼らずとも熱を感知し、頭部の格納銃器は雨を一つ一つ撃ち落としていく。だが、それでもトリテレイアの周りにあるものなら届くが、近くにいないものは取り零してしまいそうになる。大地を蹴飛ばし、海賊の元へと急いで駆け付ける。その手に持つのは長剣ではなく、人を護るための盾。何度も人を護って、傷つきながらも溶岩の熱に耐えきれず内側から崩れ落ちて壊れてしまった。
「た、助かったぜ機械の兄さんよ」
「貴方がたが無事で何よりです」
考えなしにトリテレイアは動いていたわけでは無い。確実に、一歩一歩カルキノス・タイラントに近付いていた。それに気づいたカルキノス・タイラントは再び背中の火山口から溶岩の雨を降らせようとしたが――突如、カルキノス・タイラントの火山口は爆発した。
「機械の兄ちゃァん! あの蟹野郎怯んでる内に!」
トドメを! やっちまえ! 各々がやってしまえと叫ぶ声が聞こえる。品が無い言葉遣いだが、その気持ち自体は温かいものだ。機械であるトリテレイアにその温度は確と伝わる。
格納スペースから刃の無い柄を引き出した。今まで貰った、溜めていたものをすべて解放すると覚悟を決める。――胴体のケーブルに接続。刀身、準備完了。
「……充填中断、刀身解放!」
白い粒子が柄に集い、それは巨大な白熱の刃へと至った。その大きさはカルキノス・タイラントと互角程度か。
御伽噺の騎士が振るうには少々無骨に過ぎる。けれどこの海賊たちが御伽噺を紡いだという浪漫溢れるこの島の為、この世界の為に振るうと決めた。
「討ち取らせていただきます」
大きく振りかざしたトリテレイアの剣は、カルキノス・タイラントの鎧を融かし、本体を切り裂き、足を崩させたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
安室・玲華
・心情
噂に聞こえし大島蟹、生きてる内に出会えるとは思わなかったわ!
地元の島でも伝説扱いだったけど、立ち塞がるなら容赦はしない!
琉鳴戦姫、いざ参る!
・戦闘
WIZを選択
そらそらそらそら、海賊達!
御伽噺に怯んでる場合じゃないよ!
幽霊船のお出ましさ!
あいつに喰われてお仲間になりたくなきゃ、戦って勝つしかないね!
……とまぁこんな感じで海賊達に喝を入れつつ、こっちは琉鳴獣魂撃で攻撃するわ!
目には目を、歯には歯を、幽霊には魂をってね!
大島蟹は、【鎧砕き】の要領でその殻を砕いて、【気合】で勝つ!!!!!
・その他
アドリブ等は大歓迎よ!!!
●運命は此処に来たり
――かつてそれは本当に御伽噺のような、伝説のような、逸話のような。ただの噂だった。安室・玲華(二代目琉鳴戦姫:アームドメール・f27292)の地元の島でも伝説扱いだったカルキノス・タイラントは今目の前にいる。
「噂に聞こえし大島蟹、生きてる内に出会えるとは思わなかったわ!」
そんな蟹なんているわけがない。そんな大島あるわけがない。そう言われていたからそれは本当に御伽噺だったのかもしれない。けれどこうして玲華の前にいるのだから、これは間違いなく現実なのだ。
「立ち塞がるなら容赦はしない! 琉鳴戦姫、いざ参る!」
己の琉撃槍・参式を手に持ち、振りかぶってカルキノス・タイラントへ矛先を向けて構える。今お前を捕えようと、退治するのはこの手だと言わんばかりに。
ざぱあん。海面が音を立てて揺れる。カルキノス・タイラントの目の前に突如現れたのはボロ船。ただのボロ船だと思うだろうか。その船の上を海賊たちは見た。
「ギャア! なんだありゃあ!」
「幽霊だ! 幽霊がおるぞ!」
カトラス。ラッパ銃。自分たちが持っているものと同様か、一昔前のモデルの武器を手にした幽霊たちがいた。いくら海賊とは言えども、人だ。そこに生きていないものを目の前にする海賊は多くない。中には青ざめた表情だったり、泡を吹いて膝を付いて気絶するものなどもいた。
「そらそらそらそら、海賊達! 御伽噺に怯んでる場合じゃないよ! 幽霊船のお出ましさ!」
――あれだって御伽噺のひとつ。今自分たちはそんな御伽噺に立ち向かおうとしていたではないか。
「べ、別に怖くねえやい!」
「幽霊がなんでえい! こちとら欲しい物は命も奪う海賊だぞ!」
「元気があるなら何よりよ! あいつに喰われてお仲間になりたくなきゃ、戦って勝つしかないね!」
膝を震わせながらも立ち上がる海賊達の背中を叩き、玲華は幽霊船へ乗り込んだ。幽霊船に居るのはおよそ三百四十体の幽霊たち。近づいてくる幽霊たちを薙ぎ払い、一定間隔の距離を保つ。それらを一人で退治できるとは思ってはいない。だが、玲華には強力な仲間たちがいる!
「湧き立つ力が獣となりて、敵を滅する力となる!」
海からは水色のオーラを水の様に纏った鯱。船には黄金のオーラを雷の様に纏った虎。空には緑のオーラを宝玉の様に纏った龍。どこに逃げても無駄だと言わんばかりに玲華の友は追い掛ける。
「俺たちも行くぞ!」
「応!」
「女の子にだけカッコイイところを取られてたまるかよ!」
当初幽霊に慄いていた海賊達も玲華の勢いに釣られてボロ船へと駆け上がり、追い詰めていく。
「後は頼んだよ」
微笑みながら玲華はボロ船から降り立ち、カルキノス・タイラントの背に乗り上げた。島が一つできている。この大きな巨体は他の島、人、生き物でできたもの。それらを全部呑み込んでできたもの。
「随分と大きくなったね」
本来の姿なんて知らない。いつだってその話を耳にしていた時はただ大きい事しか知らなかったのだから。
「でもその姿ももう終わりよ!」
幾度と重なったダメージと戦いにより、カルキノス・タイラントの殻と呼ばれる島は脆く消耗していた。ひび割れた部分に琉撃槍・参式を突き立て、強く深く差し込む。
「此処、っだ!!」
いくら強い殻でも、弱いところがあればそこを突けば壊れる。ばき、と小さなひびが、大きなひびへ。大きなひびが、大きな傷に変わっていく。
「いっけえ!」
琉撃槍・参式の矛先は下へ、下へ、貫くように。その槍の矛は錨のように引っ掛かって離れない。
――槍から手を離すもんか。こいつから目を離すもんか。貫いて、貫いて。貫いた!
「気、合い、だー!!!」
カルキノス・タイラントの背は貫かれ、足は静かに崩れ落ちて、その姿は海にゆっくりと沈んで行った。
「い、」
海賊の一人がその姿を目を丸くしながら見た。
「いやったあ~!!!」
ウオオと咆哮が空に、島に、海に響き渡る。玲華はその様子を海から陸に上がって、誇らしげにピースサインを海賊達に向けた。
――そうして大島蟹『カルキノス・タイラント』の伝説はおしまい。めでたしめでたし。
大成功
🔵🔵🔵
ミラン・アレイ
アドリブ大歓迎!
でっかいカニ?
海賊さんちょっといっしょになんとかしよっか!
だいじょうぶだいじょうぶ!
御伽噺は御伽噺!目の前にいるのはただのおっきいカニだよー!
みんなで力を合わせればなんとかなる!
海賊さんを奮い立たせるために、先陣を切って、【怪力】でぶん殴って甲羅を【鎧砕き】していくよ!攻撃が通じるとわかれば、きっと海賊さんたちだって重い腰を上げてくれると思うんだー!百聞は一見にしかず!
カニさんの攻撃は【オーラ防御】で受け止めたり、【第六感】でかわしたり!
ある程度、ダメージをあたえたら、とどめとばかりに全力でUC【天破竜撃】の拳の強烈な一撃を大亀に打ち込んで、内部を雷でがっつり灼き尽くすんだよ!
●竜の娘は此処に来たり
「でっかいカニ?」
確かにミラン・アレイ(ドラゴンガール・f29182)の前には大きな蟹がいた。大島蟹『カルキノス・タイラント』は大きな島と一体化した蟹である。ミランがおぉ、と声を漏らしながら見上げると自分よりも大きく、海賊達よりも大きいその姿は確かに強敵。けれど協力してくれる海賊達がいる。いっしょになんとかすれば、きっとこの巨大な敵にも力が届く筈。
「だいじょうぶだいじょうぶ! 御伽噺は御伽噺!」
目の前にいるのはただのカニだよー! ミランは海賊達を安心させようと手を振り、握り拳を作って勇気づけるも海賊達の顔は暗い。
「けどよう……」
「もう元気ないなあ、わたし先に行っちゃうよ!」
みんなで力を合わせばなんとかなる! 今は目の前の大きな蟹に向かってミランは駆け出し、カルキノス・タイラントの足元から登って行く。
「だから見てて私のこと! 百聞は一見にしかず!」
――時に竜は、御伽噺の上では悪役としてその巨大な力を持つ。だがミランは竜神であれど悪役ではない。強い力を持って、伝説の悪しきものを倒す竜神の勇者である。
腕を引き、竜神の力を込めた怪力で幾度も傷ついた背を割る。
「!? 割れた!?」
「あの嬢ちゃんとなら……もしかして!」
――できるかもしれない。この娘となら。それに気づいた海賊たちは各々持っていたカトラスの柄を持ち直し、銃のトリガーに指をかけた。
背を割られ、カルキノス・タイラントは烈火の怒り如く背の火山口から炎を纏った溶岩を吐き出す。それは、ミラン自身だけでなく海賊達にも火が及ぶかもしれないととミランは気づく。
「おっと危ないー!」
自分に近付いたものは戦いの経験で避ければいい。けれど、海賊達に降りかかる大きすぎる火の粉は? ――普段勇者たる自分が持つのは剣。しかし今だけはオーラを盾にして、海賊達の身を守り切った。
「た、助かったぜ嬢ちゃん!」
「大丈夫ー!」
彼等の身を守りきれば、盾を捨て、自分の拳という剣を持ち直す。海賊達も背を狙い、カルキノス・タイラントは弱り果てていた。
「打ち砕け――」
拳を握りしめ、親指をしまいこむ。己が傷つかないために。周りが傷つかないために。そしてこの一撃で仕留める為に。
竜の一撃は大島の大地を割り、その欠片は海へ、地面に飛び交い、海賊たちはその様子に咆哮をあげる。勝利の第一歩に至ったのだと。
大成功
🔵🔵🔵
ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ
【アドリブ・連係歓迎】POW
でっかいカニって事は、食材だね♪
頑張って獲って食べて料理しないと☆
UC【膨張せし肉肉しい宇宙】で宇宙牛へと変身・巨大化し、噴火に伴う岩石の雨を「ジャストガード」しつつ接敵!
受けたダメージは再度変身・巨大化する事で回復出来るので大丈夫!
そのまま巨体で圧し潰して「捕食」!
倒したら(部位をもぎ取ったら)「料理」して海賊達に振舞おう!
身を挺して庇ったりすれば海賊達も協力してくれるのでは?
後、美味しいご飯も大事だよ!
●かにりょうり
何もかもが食材に見えるけれど、ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ(いつもはらぺこ系ラスボス(可食・高栄養・美味)の前には目の前には特大の、食べれそうな食材が見える。くぅ、とお腹が空いたからこのお腹を満たしたくなる。丁度目の前の食材をどう調理しようかとにやりと口元を釣り上げた。
「頑張って獲って食べて料理しないと☆」
――料理を作る前には食材の味をきちんと見極めないといけないのだから。但し、その食材が確と残っているかどうかはまた別とする。
「嗚呼、世界はかくも美味しいのか!さぁどうぞ召し上がれ♪」
桃色のゲル状の体であったラヴィラヴァの体は、無数の目・鼻・耳・口・下・脚・角を持った宇宙牛に成った。ラスボスの名に相応しい悍ましい姿は大島蟹『カルキノス・タイラント』すら包み込んでしまいそうだった。だがカルキノス・タイラントとて『大島蟹』と名乗るだけあって、その巨体はラヴィラヴァには劣らない。
目の前の大きな敵に威嚇するようにカルキノス・タイラントは炎を纏った岩石の雨をラヴィラヴァと海賊達に向けて降らすも、その雨はラヴィラヴァによって防がれ、呑みこまれる。
「熱い! う~ん、これはいまいちの味!」
悍ましい姿をしているが無敵というわけではない。けれど、ラヴィラヴァのこの姿は変身すればする程大きくなる。桃色のゲルをかき混ぜるようにぐるぐると混ざり合って、ラヴィラヴァの姿は更に巨大な宇宙牛の悍ましい姿と成った。
「お、おいありゃあなんだ……」
「海獣の戦いでも見てるみてえだ」
「でも俺たちを守ってくれたんだよ、な……?」
「敵の敵は味方って奴だ! 行くぞお前ら!」
ラヴィラヴァの身を挺した防御にやる気を取り戻した海賊たちは武器を構えてカルキノス・タイラントにも向かう勇気を手に入れた。
「うんうん、やる気も元気も食い気もありそうだね♪ じゃあおいらもやる気を出さないとね☆」
幾度も吐き出された溶岩を呑みこんでは渦巻いて変身を繰り返したラヴィラヴァの姿はカルキノス・タイラントの姿と並び、やがてカルキノス・タイラントよりも上回る大きさと成った。
「それじゃあ、いただきます☆」
カルキノス・タイラントの抵抗も虚しく、宇宙牛姿のラヴィラヴァは大島蟹『カルキノス・タイラント』を桃色のゲルによって包み込んで押し潰した。
最後までこのゲルから逃れようとした大島蟹の鋏はゲルから逃れようと突き破ったが、それもラヴィラヴァに毟り取られてしまう。その抵抗も虚しくラヴィラヴァに呑まれていった。
「さあさ海賊くんたち! 蟹料理だよ!」
大島蟹の甲羅を聖剣シェフスカリバーで砕いて、鍋リウスの中にすべて入れて煮出して濾せば出汁の完成。身も聖剣シェフスカリバーで余すことなく取り出し、一口サイズに切って鍋リウスの中に入れて、一緒に味噌も入れてしまえば。
「こいつは蟹汁じゃねえか!」
「そう! キミたちの舌にも合うかと思ってね!」
「はあ~ハイカラなもんもいいが、こういうのも落ち着くなあ」
「戦いの後の一杯は体に染みるぜ!」
即席の簡素な料理ではあったが、ラヴィラヴァの料理によって戦いの傷を癒した海賊たちは顔を綻ばせて蟹汁片手に一夜を過ごしたと言う。
「晩餐会っていうよりかは晩餐蟹って感じだったね」
――かくして御伽噺に新たなお話が加えられたのでした。
めでたし、めでたし。
大成功
🔵🔵🔵
最終結果:成功
完成日:2021年02月05日
宿敵
『大島蟹『カルキノス・タイラント』』
を撃破!
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