羅針盤戦争〜真珠乙女攻撃
●グリモアベースに集った猟兵たちを、一人のメイドが一瞥する。
ある程度集まったのを見て、メイドの少年、九重・白亜(オルタウィザード・f27782)はさっそく概要の説明に入る。
「皆さまは既にご存知でしょうが、グリードオーシャンにて、戦争が勃発しました」
その名も『羅針盤戦争』。戦争勃発の数日前に、グリードオーシャンを支配する、"七大海嘯"の手がかりを示唆する予兆が来たのをきっかけに、強欲な海を征さんとするフォーミュラが動き出したのだ。
これまで猟兵たちが探索してきた海域を記録した、"蒼海羅針域(コンキスタ・ブルー)"。それらを広げ先述の手がかりを見つけることが、予兆をもたらした者からのヒントだ。猟兵たちはさっそくこれらの探索、もしくは既に出現している"七大海嘯"の一員にアタックをかけなければならない。
「ですので、オレたちも早速──といいたいところですが、今回は防衛任務となります」
どこを守るのか。それは、"蒼海羅針域"そのもの。より詳細に言うなれば、中心にある渦潮だ。サムライエンパイアとの入り口となっている唯一の門を、コンキスタドールが破壊すべく動いているのだ。
「あなた方には、船上で彼女らの迎撃をしてもらいます。海上では飛行や転移といった系統の行動が阻害されているので、うまく立ち回る必要があります」
彼女ら──"海のコレクター『パールマーメイド』"らの乗る大艦隊に、各々が用意した船を接舷。海上戦、もしくは船上戦をする。それがこの作戦の大まかな概要だ。
「『パールマーメイド』は、相手を誘惑し自らの貝殻の中へと閉じ込め、真珠に固めてしまうコンキスタドールです。見ての通り全身が溶けており、獲物を待ち伏せるホタテ貝のような生態をしているので、遠距離からの攻撃を推奨します」
コレクターの名の通り、普段なら固めたものを素敵なオブジェとして愛でる彼女ら。だが、戦争の影響か闘志が強くなっており、真珠で固められた者は即座に海に投げ捨てられるようだ。コレクトするどころでない辺り、彼女らも本気なのだろう。
つまるところ、攻撃を受けなければオーケー。いつも通りである。
「荒れ狂う波の影響か、船の上はかなり揺れやすくなっております。なので、気を付けてください」
あとはそのいつも通りを、どのように発揮するかが肝だ。
白亜はグリモアを権限させ、門を開く。その先には予め用意された船があり、甲板を出ればすぐにコンキスタドールとの戦闘になるだろう。
船を持っているのであれば、そこへ鞍替えするのもよし。あとは猟兵たちの力と、戦争に打ち勝つ意志が、勝利への鍵となる。
「──いってらっしゃいませ」
天味
天味です。
今年初のシナリオは、戦争シナリオとなりました。
今シナリオは羅針盤戦争のシナリオの内の一つ、『グリードオーシャン大海戦』。一章で完結する特殊なものとなっています。
こちらの戦争シナリオは、シナリオ成功一つにつき、戦争サバイバルの🏅5000を加算されます。
なお、以下のプレイングボーナスが設定されています。
『海上戦、船上戦を工夫する(海上では飛行や転移が阻害されています)。』
ユーべルコードは指定されたものを一つのみ。技能に関しては、『』や【】などで囲む必要はありません。文字数制限にかからない程度に、自由なプレイングをよろしくお願いします。
プレイング募集はOP開始からになりますので、ふるってご参加ください。
ついでですが、今回はギャグ、シリアス、どちらでもオッケーです。
簡単なオプション。
◎:なんでもあり。アドリブもギャグもやる。
〇:アドリブを入れる。ギャグは控えめ。
●:アドリブ控えめ。ギャグもなし。
上記三つのマークがない場合は、プレイング通りに行います。
第1章 集団戦
『海のコレクター『パールマーメイド』』
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POW : 真珠の鉄壁
全身を【巨大貝に引きこもりモード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD : 真珠の誘惑
【巨大貝への閉じ込め】が命中した対象に対し、高威力高命中の【真珠化粘液】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ : 真珠の歌声
【真珠のように透き通った歌】を披露した指定の全対象に【巨大貝へ入りたいという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
イラスト:スダチ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ビードット・ワイワイ
◎
貝に引きこもるなるほど
古来より硬いものを壊す方法は2つだ
硬いものぶつけるそして叩き落とす
では実践といこう
メカモササウルスは絶対唯一海の王!
ならば引きこもりが勝てる道理など皆無!
雷撃にて壊れるならそれで良し
壊れなけばメカモササウルスが魅せる究極の余興
これが恐らく世界最大!世界初!
貝で行うリフティング
咥えて投げて尾で撃ち返し!
咥えて投げて尾で撃ち返し!
一つ教えてやろう
モササウルスの前では海の生物は大体餌よ
真の捕食者を知るが良い
ネフラ・ノーヴァ
◎
ほう、真珠の人魚か。美しいものではないか。クリスタリアンとして興味深い性質でもある。
ではそちらの誘惑とこちらの催眠、どちらが上か勝負といこうじゃないか。
UC聖晶血界で溶けるような眠りへと誘おう。
向こうの誘惑が強ければ刺剣で自身の手のひらを刺し正気を保つ。
勝てばキスのひとつでも奪わせてもらおうかな。フフ。
鳳凰院・ひりょ
◎
海上戦か…初めてだな、こういうのは
ん~…海って事は相手の周囲を凍らせたりとかも可能なのかな?
船で出発する際に持ち込んできた石ころを媒体にして固有結界・黄昏の間を発動
水の疑似精霊を召喚し相手の周囲を凍結、相手の身動きを封じれないか試みる
その上で光陣の呪札での乱れ撃ちでガンガン畳み掛けてみよう
もし相手から接近してきそうなら多重詠唱で風の疑似精霊も召喚
突風を吹かせ、こちらの船へ近づけさせない
あぁ…でも、突風が吹けば自分の船も揺れるわけで…うぅ…気持ち悪い、なんか酔ったかも(
風はいかんかったかな…うん
俺結構船酔いする方なのかね
全くの想定外だったから酔い止めなんて飲んできていないよ
早く終わらせよう
青空広がる海の上。そこには、一隻の貨物船と、それを囲むように海賊船がいくつも並んでいた。貨物船は猟兵たちが乗る船だが、それ以外は全てコンキスタドールが用意したものだ。
船上にはびっしりと大きすぎるホタテ貝が並んでおり、猟兵を感知するとそれらは皆中身を開いた。
「あらぁ、獲物が来たのね♪」
ドロリと溶けたピンク色の液体でできた、人魚のコンキスタドール。『海のコレクター『パールマーメイド』』は新しい石像の候補に歓喜する。一隻につき三十は見えるそれらだが、海賊船の数も合わせると数百は超えるだろう。
「ほう、真珠の人魚か」
美しいではないか。クリスタリアンの女性、ネフラ・ノーヴァ(羊脂玉のクリスタリアン・f04313)はピンク色の人魚の姿に感嘆を漏らす。
彼女らは溶けた真珠でできている。さながらスライム、もしくはゴーレムのような性質を持つ人魚らに、クリスタリアンとしてネフラは興味を抱いた。真珠も、ある種の宝石。であれば、彼女らは同族なのか、それとも。
「余裕そうですね……うわ、ぐらぐらする」
その隣、人間の男、鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)は細心の注意を払いながら船の上を歩いていた。海上戦が初めてな彼は、ゆっくりと甲板を踏みしめる。コンテナも載せることができる貨物船の上とはいえ、揺れが全くないわけではない。しかも強風がついているのだ。落ちないように気を付けるのが精いっぱいだった。
「おや、大丈夫か?」
「微妙なところです。ところで、もう一人一緒に来ていたような気がするんですけど」
「……そういれば」
二人は、同じタイミングで門をくぐったはずのウォーマシンの男を探す。が、居ない。だが確かに入った時には姿があったはずなのだ。
「……もしかして海に落ちた?」
「……いや、ここは"先に攻撃しにいった”と考えよう」
「もう!無視しないでっ!」
軽くスルーされていた人魚の声に、二人は意識を切り替えた。
海賊船の一隻が、こちらへ接舷しようと近づいてきている。人魚の群れは一斉にこちらに顔を向け、大きく深呼吸をした。
「──Ahhhh-----……!!」
真珠のように透き通った歌声だ。輪唱によって歌声は瞬く間に大きくなり、海賊船から貨物船、ひいては周辺の海域にまでそれは響く。当然、ただの歌声ではない。マーメイド、セイレーン、ウンディーネ……水にまつわる魔物の声は、揃って"呪い”がかけられている。
『パールマーメイド』の場合、彼女らが持つ巨大貝の中へ入りたいという呪いだ。内側の殻は常にドロドロに溶けた真珠がたっぷりと詰まっており、入ればプレスされ、真珠の溶液へと変えられる。
正気であれば、入ろうとしないのが当たり前だ。しかしこの歌声は、それを覆す誘惑の歌声。耳を塞いでも届くそれに、二人は。
「わかった。では勝負しよう──そちらの誘惑と、こちらの催眠。どちらが上か!」
「"場よ変われ”!励起できるか……!」
ネフラは手に持っていた"凝血結晶”に生じた聖片を励起、そこから神性を含む結界を放つ。さながら真空派の如く歌声を薙ぎ払い、結界はネフラを中心に広がり、歌う人魚たちを結界で包んだ。『聖晶血界(ブラッディ・サンクチュアリ)』。本来は回復系のUCを、彼女は抑圧のために使う。
結界が海賊船を通り抜けた頃には、人魚の歌声は止まっており、皆ホタテ貝の上で眠りについていた。魔物の歌声と、神聖なる結界の波動。どちらが上かは、明白だった。
ひりょはというと、あらかじめ持ち込んだ石ころを媒体に、『固有結界・黄昏の間』を発動した。無機物を四大元素の疑似精霊に変換するUCだ。
召喚したのは水の疑似精霊。ひりょは精霊に周辺の海を凍結させることを望んだが、精霊はなぜか首を横に振った。それはできない、と。
「えっ、なんで!?……海賊船を揺らすことなら可能、か。わかった、それで頼む!」
数秒の交渉の末、水の疑似精霊は人魚らが乗る海賊船を浮かばせる海を操る。ぐらりと波が立ち、接舷するかしないかの距離まで近づいていた海賊船は距離を離していく。
ひりょは"光陣の呪札”を取り出し、二本指で拳銃を持つように構えた。
「眠っている相手に狙い撃ちか。けど、相手が相手だ」
札を作用点に、光の束が放たれた。ポッドから放たれたミサイルの如く、複数の光のビームが弧を描きながら海賊船に着弾する。精確に一発が人魚の一体を破壊し、甲板上にいたホタテ貝は砕けていった。
これでいい。ひりょは札を下げ、ふぅっと深呼吸する。
「……なんだろう、喉がつっかえているような気がする」
「お疲れ様だ。喉、となると船酔いではないか。早めに戻った方がいい」
「そう、なんですかね?船酔いしやすいのかなぁ」
「まあ、仕方ないだろう。さて、一隻これで沈めれただろう。できればコンキスタドールではなく、普通に逢いたい相手ではあったが……」
ネフラとひりょが話している間。彼女らの後ろで、こっそりと近づく海賊船が一隻あった。こちらも『パールマーメイド』らが乗る船なのだが、先ほどの戦闘を見て、奇襲をかけることにしたらしい。今はまだ二人しかいない貨物船に、アタックをかけようとしていた。
こっそりと、しかし全速力で。貨物船に船で直撃をかける──はずだった。
「メカモササウルスは絶対唯一海の王!!」
ゴォオンッ!!と、鉄の塊が海賊船を下から貫通した。
全長三百メートル。"猛者”の名を関する機械の怪獣が、海賊船を破壊したのだ。『実行仮想破滅・七海征する最新にして古代の龍(アクセス・イマジナリールーイン・メカモササウルス)』による変身で"メカモササウルス”になっていたビードット・ワイワイ(絶対唯一メカモササウルス・f02622)だが、実は海に落っこちていた。
「いやいや、自ら入ったのだ」
『パールマーメイド』は、自らの貝殻にこもると無敵になる性質がある。そうすれば、いくら力押しをしても攻撃が通らない。
しかし彼には一つの突破方法があった。古来より硬いものを壊す方法は二つ。硬いものをぶつける、そして叩き落とす。──"メカモササウルス”ならば、これらを実行可能。
ティラノサウルスの頭に、クジラの胴体。それら全てが鉄でできており、それらを構成する分子は全て細胞として機能している。今のビードットはウォーマシンを超えて、鋼鉄の生命体へと昇華していた。
そんな巨大機械生命体を見たマーメイドたちは慄く。「捕食される」という原始的な恐怖を感じ取った彼女らは、殻に籠るか、自ら海へ落ちる以外の選択肢がなかった。
「あむ」
突き上げた際、たまたま口に入ってきた殻籠りのマーメイドを、思い切り噛みしめる。鮫の歯はこういった硬いものを砕くのに適していない、鋭利な歯なのだが、メカモササウルスには関係なし。ボギュッ、と生き物から鳴ってはいけない音と共に、真珠の溶液が口内に流れる。
人であれば容赦なく真珠に浸食させるこの汁が、今のビードットにとっては甘美なもの。「うまい」と舌鼓みを打った時には、次の獲物へと狙いを定めていた。
「──良い餌だ」
「なこと、言っている場合かッ!!」
「ゆれっ、転覆するぅっ!」
なお、ビードットが暴れるのに比例し、海は大きく波を荒立てる。海賊船はともかく、猟兵が足場にしている貨物船までグラグラと揺れるのだ。
もしかして転覆するのでは?と貨物船に残された二人だが、その予感は的中する。
「真の捕食者を知るがいい。もっと寄越せ!!」
「待て!待てといって……引き返すぞ!本当に」
「…………あ、出る」
「出すな出すな!グリモアに帰ってからにするんだ!」
ハイテンションモササウルスはさらなる獲物を求めて海を揺らし、二人は緊急帰投を始める。
──貨物船が、大きく横倒しになり始めた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
桐府田・丈華
人間のバトルゲーマー×スカイダンサー、12歳の女です。
普段の口調は「男の子(ボク、~くん、~さん、だ、だね、だろう、だよね?)」、戦闘中は「テンション高め(ボク、キミ、だね、だよ、~かい?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
船上・海上の対策は
バトルキャラクターズを召喚し、
前後左右に配置して敵の攻撃を警戒・防御しつつ相手に接近して攻撃!
オプション【◎】
兎乃・零時
◎
今回は防衛任務だっけ…
真珠になる可能性あるの!?
まぁ船が荒れやすいってんなら俺様自身が光になりゃ天候の影響も船の負担も少ねぇだろうし…
固い殻か…よしっ!
UC!
装甲を半分
攻撃回数を五倍
指定属性は光…輝光!
グリッター
物体変質〖輝光〗!
念の為
全身の光〖魔力溜め×オーラ防御〗を固める事で攻撃を防げるようにしつつ
「ほぼ」効かない…なら何度だって殴ればおお!
自身の周りに光線の魔術広げ、一斉発射×貫通攻撃!
更に零距離で敵を殴り続け殻を魔力に変質させ(生命力吸収)
そんで最後に全力を至近距離でぶつけりゃ問題ねぇ…!
光〖属性攻撃×全力魔法×鎧無視攻撃〗!
ぶっ貫け!
グリッターレイ
―――輝光閃!
足場の貨物船が転覆した。
その一報を受けてから、転移場所が少し変更された。大破し無人になった海賊船の上になったのである。
崩れかかった足場と、より酷くなった揺れる環境。強風……その中で戦うことになった人間の少女、桐府田・丈華(カードバトルゲーマー・f01937)と、クリスタリアンの少年、兎乃・零時(其は断崖を駆けあがるもの・f00283)は各々の配置についた。
「近づかなければいいって聞いたけど、近接攻撃しか持ち合わせていないや」
「ありゃ、それは大変そうだ」
丈華は"デバイス「マイデッキ」”を手に準備を始め、零時もまた己の魔力を練り上げ、UCを発動させる。
彼女はデッキから額に数字がついた『バトルキャラクターズ』を召喚。五人のゲームキャラクターが彼女を囲うように出現し、即席の精鋭部隊を作り上げる。
彼はアクアマリンの肉体を再構築、硬度を下げる代わりに素早さを底上げし、宝石に宿る属性を光、否──"輝光(グリッター)”へと変質させる。『物体変質(マテリアルモデュヘケイション)』で肉体はほぼ光と同化し、零時はふわりと浮き始めた。
「けど、負ける気はないね!」
「俺様もだぜ──グリッター!」
ビュンッ!!と光速で最寄りの海賊船へとジャンプした零時を見送り、丈華もまた近くの海賊船へと飛び移る。
先の戦闘で船にダメージが入っていたのだろう。真珠を補強材として流し作業していた人魚たちが、やってきた丈華にギョッと目を向ける。
「なっ、もう次の猟兵が!?」
「先手必勝!」
ゲームキャラクターの内の一人、剣士に指示を送る。動揺していたマーメイドの体に一閃を放ち、殻の下を蹴り上げてひっくり返す。
左右に配置した弓使い、魔法使いにもそれぞれ攻撃指示を送り、丈華は甲板を踏みしめ走る。
「自ら飛び込んでくるなんて、っ!」
「そら次だッ!」
背面を忍者と重戦士に任せ、勢いをそのままにマーメイドの一体に向かって突撃する。このまま突っ込めば、殻に閉じ込められて真珠の原液を浴びるだろう。彼女は素早く履いているレガリアスシューズに触れ、魔力を渦動させる。
突っ込んできたところを捕らえる。そう覚悟を決めたマーメイドに対し、彼女は寸前で脚による横払いを放つ。
「ぶっ飛べ!!」
レガリアスシューズが吸引した大気と魔力が混ざり、蹴りによって放出されたそれは、真空波となってマーメイドに直撃した。海賊船の船室を貫通し、文字通り、星になるまでぶっ飛ぶ。軽やかな蹴りから放たれた一撃とは到底思えない、重いものだった。
一方、零時もまた海賊船に乗ってマーメイドらと対峙していた。ただし、自ら追いつめられるような形で。
船首の上に立ち、海に落ちるか、マーメイドに捕まって真珠になるか。その二択を迫られていたのだ。
「ふふ、眩しい光……でもこちらに来たら、もっと美しい光になるわ」
「そりゃどうも」
だが、これは零時の狙い通りだ。
殻付きのマーメイドというものだから動かないものだと思っていたが、どうやら殻自体、原理はわからないが歩くことができるらしい。それを利用し、引き付ける。限界まで引き寄せる。
海か、真珠か。──彼はどちらも選ばない。
「原液を放て!」
司令塔のマーメイドの声で、殻から一斉に真珠の原液が彼に放たれた。べちょりと泥じみたピンク色の液体が、零時に降りかかる。瞬く間に全身をピンク色で覆いつくされ、後に残ったのは塊だけ、ではなかった。
突如、ピンク色の液体が爆散する。
「っ、はぁぁぁぁぁぁ──!!」
真珠になるはずだった零時の姿は、輝いていた。目を向けることすらできなくなるほどの、太陽の如き眩しさ。自らを"輝光(グリッター)”と名乗るほどの煌めきを、マーメイドらに見せつける。
「ほぼ、効かねぇな……確かに何かが固まった感触はある。けど、俺様はバリバリ動けるぜッ!!」
むしろ、攻撃に使える。ほんの少しピンク色に染まった両手を握りしめ、反撃と言わんばかりに近くの一体を殴り飛ばした。真珠化した拳ならば、真珠の原液を気にせず殴ることができる。
液体の体であるはずの人魚。しかし殴られた時の感触は、同胞にビンタされた時と同じ。しっかりと痛みを感じてぶっ飛んだ。
「おらッ!おらァッ!!」
さらにもう一体、もう二体と暴れるように殴りつつ、全身から放つ光を強化。魔術の光線も交え、周囲の人魚に手を出させない。
真珠の原液は効かない。物理的に殴り飛ばすことができる。光線のせいで下手に攻撃できない。眩しすぎてそもそも見えない。零時はまさに、海上で輝く"太陽”と化していた。
「さァ、トドメだ」
そして船上のマーメイドを全員叩き潰した後、彼は彼方を見つめる。援軍の海賊船だ。帆を上げてこちらに向かってきているそれに、両腕を構える。今持ちうる最大の光を収束させ、叫んだ。
「──”輝光閃(グリッダーレイ)”ッ!!」
海上に、一筋の光が撃ち出された。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
四王天・燦
〇
接舷すりゃジャンプで吶喊
大声あげて歌声をかき消し、聞こえる分も狂気耐性で流しながら距離を詰めるぜ
揺れが酷かろうと至近距離に入れば外さない…フォックスファイア・伍式で葬る
女の子相手だ、痛いことはしたくないのさ
貝に閉じこもろうと零距離から百発ほど打ち込めば砕けるっしょ
敵船に時限爆弾・カウントダウンを仕掛けたら離脱に掛かる
流石に喉が枯れ始め疲労も見え、歌声に屈っして目が虚ろになる
正気を失い、貝の中が心地よさげに見えて服を脱いで入る
不気味に蠢く生温かい貝肉に真珠液を揉み込まれながら、海より深い真珠の夢に堕ちて往く
怖い、生温かくて臭い…柔らかい、温かい…ここから出たくない
(綺麗にお願いします)
「Aaaaaa────!!」
大声を放ち、かき消す。耳障りなマーメイドの歌声を声で潰し、慈悲ある炎の矢、『フォックスファイア・伍式(フォックスファイア・フィフス)』で一撃で仕留める。
そんな野蛮な戦い方をしていた妖狐の女性、四王天・燦(月夜の翼・f04448)の体力は消耗しつつあった。
「っ、はぁ……はぁ……!」
既に数十体。火の矢で人魚を仕留めたが、まだ数がいる。海賊船も多く、このままでは撃退に至らない。
大声でかき消したところで、耳には歌声が入り込む。それを自らの精神で耐えていたが、体力的にも、精神的にも限界は近づいていた。
「Ahhh──」
「黙れ、っく!」
それでも鳴りやまない歌声に、燦は咄嗟に音のなる方へ矢を放つ。ボジュッ!!と蒸発した音が聞こえて鳴りやんだはいいが、遠くではまだ歌声が聞こえる。ぐらりと体が揺れ、片足を滑らせこけてしまう。敵がいなかったから良かったものの、これではもう戦いにならないだろう。
撤退しよう。そう決めて、燦は甲板の穴の空いた箇所へ、時限爆弾を投げた。
「……一隻潰したなら、上等か」
グリモアが繋がれている海賊船へ向けて、燦は大きくジャンプした。
──瞬間、燦がいた海賊船が爆発した。大半が木造だった船は爆発の衝撃とダメージで自壊し始め、海へと沈んでゆく。
「はぁ……やっと、帰れる」
ぼんやりとした意識のまま、燦はふらふらと歩く。
両腕を広げて待つ、マーメイドの元へ。
「ふふ、安心して。私たちは待っていたのよ?」
「うぁ、ぁ……」
燦が飛び乗った海賊船は、グリモアが繋がれている大破した船ではない。まだ新しい、援軍が乗った船だった。気づかぬ間に精神が汚染されてしまい、彼女は敵の巣窟に帰ろうとしてしまったのだ。
「Ahhh……さあ、おいで」
「ぁ……ぅ」
眠たげに、邪魔な衣服を投げ捨てながら燦はマーメイドへと近づく。母親にすがる子供のように、彼女は極上のウォーターベッドの上へと飛び込んだ。ぐじゅりと生温かい真珠の泥に浸かり、マーメイドに抱かれて目を閉じる。
心地いい。柔らかくて温かい。ここから出たくない。
ふわふわとした思考に包まれ、ドロドロの真珠に覆われ、燦はマーメイドに身を委ねた。──その末路は、もはや言うまでもないだろう。
「いいなぁ♪その獲物、あとで私にも味見させて?」
「今はそれどころじゃないでしょ……この子、離れたくないみたい。私ごと落としてくれる?」
「はぁい」
燦と共に殻に閉じこもったマーメイドは、仲間の手によって海に落とされた。回収されるまでずっと、彼女はマーメイドの求愛を受けるだろう。それが彼女たちの"捕食”であると知らないまま。
大成功
🔵🔵🔵
純真邪神・幼淫魔姫ピュアニカ
ぴゅあはこういう娘とイチャイチャゆりゆりする為【だけ】に、このUCを作ったんだよ〜♡(瞳に百合の文字が浮かび)
三種の状態異常耐性を付与した結界術とオーラ防御でUCを受けても元気〜♪
読心術と催眠術と誘惑で魅了して、よろこんでぴょ〜んと貝の中へ飛び込むよ〜♪
いただきまぁ〜す♡
舌を絡め合う濃厚な百合キスでお口の中を蹂躙して〜♡
暴力的な生命力吸収掠奪で捕食神罰してあげる〜♡
死んじゃわない程度に弱らせたら隷属の鎖で逃亡阻止する為に捕縛してぴゅあの眷属にしよっと〜♪
テフラ・カルデラ
※絡み可
◎
グリードオーシャン戦争の初陣!がんばるのですっ!
ユーベルコードでウサギのケモショタに変身して身体強化しましょう!
飛行はダメでも跳躍はダメとは言ってませんよね…?
艦隊に侵入して【氷結の指輪】による氷の魔力で凍らせて撃退していきましょう!こうすれば迂闊に襲われる心配はないですね(特大フラグ
大体凍らせつくしたら次の艦に飛び移ろうとしたら…って、出待ちは卑怯で―――
貝の中に閉じ込められて、本体の人魚さんが抱き着いてきてます…
さらには身体中が粘液に包まれて…どうせこのまま固まるのなら指輪の魔力を暴発させて―――
(突然氷漬けになった貝の中には凍った真珠人魚とどろり真珠オブジェと化したテフラが…)
シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
何か特定の層に需要がありそうな敵だよね
でも、海賊はひるまないっ!
ウィーリィくんと一緒に海賊らしく敵船に乗り込んで【船上戦】を挑む
貝に閉じ込められないようにアウトレンジから熱線銃の【スナイパー】+【クイックドロウ】で貝の隙間を撃ち抜いて内側の本体を攻撃
近づいて巨大貝に閉じ込めようとしてきたらビーム銃の【範囲攻撃】+【制圧射撃】で退ける
ウィーリィくんとお互いの死角をカバーし合いながら呑み込まれないように戦うよ!
◎
ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
◎
貝は貝でも人型のを料理する気にはなれないな。
ま、敵なんだけどさ。
シャーリーと一緒に敵船に飛び移り、船上の敵を掃討する。
【足場習熟】で揺れる船上でもバランスを取り、お互いの死角を補い合いながら貝に閉じ込められない様に動き回って【飢龍炎牙】で攻撃。
引きこもりモードになった敵には【ダッシュ】で一気に間合いを詰め、そのままよいしょと押して船のへり越しに海に投げ落とす。
空気読んでない戦い方なのは自覚してる。
一方その頃。
別の海賊船では、辺りが一面氷まみれになっていた。キマイラの少女──ではなく少年、テフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)によるものだ。彼は『もふもふ☆ケモショタチェンジ!(モフモフケモショタカワイイ)』で一時的にキマイラらしいケモノの姿へと変身しており、海上を渡れるほどの跳躍力と魔法の強化を行っていた。
やっていることは簡単。飛び乗っては"氷結の指輪”を使って敵を凍らせる。その繰り返しだ。
「よしよし、こうすれば迂闊に襲われる心配はないですね!」
さながらネズミ──ではなくウサギの如く船内を駆け、人魚を一人ずつ凍らせる作業。盛大なフラグを立てつつも、もう一隻を無力化し終えた彼は、次の船へと狙いを定める。
「ここから行けそうなのは、あっち!」
跳躍力を鑑みて、最寄りの海賊船へと飛翔する。
今の気分は最高だ。羅針盤戦争の初陣で、これほど活躍できているのだから。テフラの気分は最高だった。
──だからこそ、着地地点に殻を開いてガン構えしていたマーメイドを見つけた時、「あ、終わった」と思ってしまった。
「んぶぐぅっ!」
「はーい♡一名様ごあんなーい♪」
ばぐんっとそのまま殻に捕食され、テフラの活躍はこれにて終了した。
偶然にも、テフラが着地硬直狩りをされた海賊船には、二人の猟兵が戦闘していた。
スペースノイドの少女、シャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)と、人間の少年、ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)。二人ペアでやってきた彼女らは、お互いをアシストするようにマーメイドらと対峙していた。
「そらっ!」
「いよっと」
シャーリーは閉じこもろうとしたマーメイドに対し、『クイックドロウ』で無敵になる前に撃破。ウィーリィはというと『飢龍炎牙(グリード・ブレイズ)』を用い、紅蓮の炎で火あぶりにして敵を倒していた。
彼女がウィーリィが捕食されないよう彼の死角を潰し、彼がシャーリーに襲い掛かろうとする貝を調理する。一蓮托生の戦い。しかしこれがマーメイドらに強く効いていた。
「ウィーリィ!一体籠っちゃった!」
「わかった!とっとと落ちろ!」
なお、閉じこもってしまったマーメイドには、ウィーリィが蹴りを入れて海に落とすという戦法を使っていた。これで無力化はできているのだから、彼はかわいそうだなと思いつつも、無慈悲に火であぶる。
「そういや、さっき悲鳴が聞こえなかったか?」
「いや?あたしは聞こえなかったけど」
「そうか……ん?待て、なにかおかしい」
グラグラと揺れ始める甲板。明らかに波によるものじゃないと判断したウィーリィは、シャーリーに気を付けるよう声をかける。マーメイドらも、謎の揺れに辺りを見渡した。
瞬間、甲板を貫通するように巨大な氷山が突き出した。
「はぁぁぁっ!?」
「なんだぁっ!?」
突如生えたそれに、驚愕する二人。しかしそれだけではない。突き出した氷山の先端、そこにいびつな二つの塊があった。
一つは氷漬けになり、割れたホタテ貝から体を出したまま凍結したマーメイド。もう一つは、ピンク色のドロドロに覆われ、なぜかうっとりとした表情のまま固まっているテフラがいた。
「……なんかいるんだけど」
「アレ、確か……テフラか?」
どうしてそうなった。二人して茫然とそれを見て、どうやって助けようかと手を止めていた。
その隙を、狡いマーメイドが見逃さなかった。
「ひにゃっ!?」
「あっ!?」
「二名様ごあんなーい♡」
そして、二人仲良くマーメイドのベッドへと招かれた。
だが、そこに乱入者が現る。
「ちょーっと待ったぁーっ!」
船上に残ったマーメイドたち(内捕食中の一体、凍結中一体、真珠一名は除く)が一斉に振り向く。
制止を叫ぶ声を出した者は、船首の上に立っていた。
「ぴゅあも混ぜなさい!」
「えっ」
訪れたのは一人の猟兵。神の幼女、純真邪神・幼淫魔姫ピュアニカ(永遠に無垢なる幼く淫らな魔貌の姫【邪神潜水艦艦長】・f30297)のまさかの願望に、マーメイドの一体が思わず疑問の声を上げる。
ピュアニカの瞳には百合の二文字が浮かび上がっており、両手を頬に当てて恍惚の表情を浮かべていた。
これから食われる側になると言っていたのに、その顔は明らかに"食う側”であった。
「A,Ahhh──!」
「あ、あぁ♡そうそう、これこれ!これを待っていたのぉーーっ!」
困惑しつつも、マーメイドらは一斉に歌声を放つ。聞く者全てに貝殻の中へと帰巣本能を植え付ける呪いの歌声に、ピュアニカは歓喜しながら殻を開いた一体へと飛び込んだ。
その身に『精神防壁(メンタルバリア)』を仕込みながら。
「Ahh…Aあぁっ!?」
「いただきまーす!」
ばぐんっ!と殻が閉じ、ピュアニカと人魚の姿が見えなくなる。数秒ほどそのまま動かなくなり、しばらくするとまるで中で暴れているかのようにゴトゴトと動き出した。
事実、ピュアニカは中で暴れていた。
真珠化せず、固まることもなく、マーメイドの巣の中で美味しい"獲物”を貪る。濃厚な百合百合キスで蹂躙し、ドロドロの真珠と貝肉を全身で味わいながら生命力を啜る。巣の持ち主であるマーメイドにとって、たまったものではない。
やがてゆっくりと殻が開いた頃には、全身をピンク色の泥で覆われたピュアニカが、人魚を抱えたまま殻の外へと出てきた。生命力が枯れて、マーメイドが使い物にならなくなったのだ。
「…………次は、もっと体力多そうなの選ぼ♡」
「はぁ~おいしかっ……えっ、何あなたは……」
ウィーリィとシャーリーを真珠の彫像に変え、二人分の栄養補給をしてしまったマーメイド。しかし運が悪いことに、ピュアニカにロックオンされてしまう。
真珠の原液を浴びていながらも動いている。その光景に、「やばい」と思ったが既に遅い。
「君に決めた」
「きゃあああああああッッ!!?」
彫像になった二人ごとピュアニカはマーメイドへ向かって突っ走り、そして閉じようとしないホタテ貝を自らの手でこじ閉める。
ピュアニカはこのまま追い求めるだろう。自身の”眷属(ペット)”相応しい、マーメイドを。その厳選が終わるまで、彼女の捕食は続く。
「ぷはぁっ♡第一候補はこの娘かなぁ?ねー、マーメイドちゃん……♡」
大成功
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ニーヤ・カト
【心情】おー、セクシーな姉ちゃんにゃ!…なーんて騙されないにゃよ!おいらはお姉ちゃんは好きだけど、オブリビオンは倒させてもらうにゃ!
【作戦】船が揺れて落ちそうになったら装備のフック付きワイヤーを船にひっかけてなんとかやりすごすにゃ!そしてパールマーメイドには2回攻撃のキャットボムをお見舞いするにゃー!歌が来て入りたいと思うようなことになったら即放つにゃよ!「船が爆弾で壊れたらごめんにゃー!」◎
海賊船の数は続々と減り、ついに数隻ほどが撤退を始め引き返す。だが、まだ数隻は海上に残り、なんとか猟兵の数を減らせないかと粘る。
拮抗していた戦いに、終止符が打たれ始めた。
「ヒャーッホーーーーゥ!」
ケットシーの男性、ニーヤ・カト(猫の冒険家・f17782)はそんな中、船との間をワイヤーで移動していた。さながらターザンの如く、慣性に従って海を渡る。強風と耳をこする風音のおかげか、輪唱はそれほどカトに届かない。
「セクシーな姉ちゃん、オブリビオンじゃなきゃ飛び込んでにゃね」
”フック付きワイヤー”の牽引を解除し、カトはスタイリッシュに船に降り立つ。輪唱していたマーメイドたちは一斉に歌うのを止め、彼に真珠の原液を浴びせようと構える。
いくら風音で耳を塞いでいたとはいえ、呪いはカトに浸食しつつある。それもそのはず、彼はマーメイドに抱かれるかのギリギリの場所に、無意識に降り立っていた。
「うーむむむ!ぽいっと!」
理性と欲望のギリギリを走る彼は、悩みながらもマーメイドに代わりのものを投げた。猫の顔の形をした小さなぬいぐるみ──『キャットボム』を。
あとは自慢の逃げ足で、カトは船から飛び降りた。
「船が爆弾で壊れたらごめんにゃぁぁぁぁぁ!!」
瞬間、とてつもない爆発が起きた。船一隻を包むほどの爆炎が放たれ、衝撃波と熱が海を震撼させる。
小型故に超強力、そんな爆弾を送ったカトだが、吹っ飛んでいた。『キャットボム』は経験に比例して威力が上がるユーべルコード。ある程度の冒険と討伐を繰り返したカトが放ったソレは、もはや戦術核レベルの代物だ。
「結構飛ぶっ!飛んでるにゃぶぅっ!」
幸いにも、彼が飛んで行った方向は、グリモアが繋がれている海賊船がある場所だった。
大成功
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栗花落・澪
【澪結】◎
サポートは任せて、音海さん
飛べなくても問題無い
ダンスの要領でバランスを取りながら
揺れさえも回避に利用して船上いっぱいを自由に使って
どんな攻撃も回避するつもりで距離を取りながら
高速詠唱で放つ氷魔法の属性攻撃で貝を狙い
凍結させる事で閉じないように出来るか狙ってみるね
本人もまとめて凍らせられたらラッキーだけど
え、なに?
この僕相手に歌勝負挑むつもり?
確かに綺麗だけど、僕だって負けないよ!
別に対抗されてるわけじゃないのはわかってるけど
音楽好きとしては勝負した方が楽しいもんね
誘惑と催眠術も上乗せした歌唱で
音海さんに効果が及ぶ前に歌い負かしてあげる
歌ついでに破魔を宿した指定UC
花弁の斬撃で追撃
音海・心結
【澪結】◎
ええ、頼みましたよ
いつも通りやればよいだけですから
今回も頑張りましょうっ
揺れに揺れる足許に相手は海上
飛ぶことも海上に足許を作ることも厳しい
黒剣を鞭モードに変化
えへ、これでぺちっとしちゃいますよー♪
狙いを定めてスナイパー攻撃する前に、UC使用
マイくん部隊に楽器演奏の指示
澪の歌に合わせて楽器を演奏してもらうのです
まるでここを海上コンサートのように
みんなに合わせて、鼓舞をするように
踊りながら鞭で攻撃してあげましょうっ
えへへ、結構楽しいですねぇ
ここならお前たちの勝ちだと思いました?
歌を歌っても掻き消される
逃げようとしても、みゆたちに倒される
……勝ちは明白ですね
最後にこの海域を訪れたのは、二人の猟兵。オラトリオの少年、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)と、ダンピールの少女、音海・心結(瞳に移るは・f04636)は海上に残る海賊船に乗り込む。
「Ahhh──なんとしてでも、突破するのよ!」
うろたえながらも、歌声で誘惑をしようとするマーメイド。そんな焦る姿に、澪は一呼吸置いて胸を張った。
シンフォニアとして、音楽の血が騒ぐのだ。特に歌であるのならば、勝負をした方が楽しいと。
「サポートは任せて、音海さん」
「ええ、頼みましたよ」
二人が交わした言葉はたったそれだけ。しかしこれだけに、あらん限りの信頼が託されている。
甲板を歩みマーメイドらに近づく澪を見送り、心結はユーべルコードを発動する。これから大切な人が歌声を披露するのだ。それに合わせた音楽も必要だろう──『マイくん's パレード!(ニゲラレナイヨ)』を、彼女は呼び出した。
マイくんと名付けられた、テディベアの部隊。本来なら剣や盾といったものを持つ彼らだが、今回は各々の楽器を持って構える。さながらオーケストラ部隊のように整列し、マイくんたちは演奏を始めた。
「来た……La──……!!」
意識を切り替え、澪はテノールボイスの歌声を放つ。
荒れ狂う海と、びゅうびゅうと吹く風。それに伴って海賊船は大きく揺れるが、澪はこれさえも利用する。胸に手を当て、踊るように足を巧みに動かし歩く。
地響きを起こすような、荘厳で勇ましい歌声。海さえも震撼するほどの声量と迫力。しかしそれもオーケストラの一部であるかのように、マイくんの演奏にぴったりと合っている。
演奏に使った音楽はクラシック。貴族の子守歌として使われていた記録もあるその一篇を、澪は歌う。マーメイドの欲にまみれた歌声を上塗りし、心地よい音色と眠たくなるほど安らぐ低音の歌声で海上を包む。
「こらっ、起きなさい♪」
澪の迫力ある歌声に圧倒されているにも関わらず、マーメイドの瞼は重く閉じかけていた。しかしそれを許さないと言わんばかりに、心結は無慈悲な一撃を与える。"Seret”と名付けられた黒剣を鞭へと変形させ、しなりを利用して遠距離から打撃を与えたのだ。
バチィンッ!!と小気味のいい音が響き、打たれたマーメイドは強制的に起こされる。それでも、眠気が襲い掛かる。どうやっても起き上がれない。抵抗しなければと考えれば考えるほど思考は泥濘の中へと沈み、やがてまた鞭で打たれる。
マーメイドたちは、行動すら許されなかった。
「えへへ、結構楽しいですねぇ」
「あぁ。けど、観客はお疲れみたいだ──終幕と行こう」
澪と心結はお互いの手を取り、船の揺れを利用し踊り始める。
彼の歌声はまだまだ響く。マイくんらが奏でる音楽も佳境に入り、そこに彼はユーべルコードを発動する。
歌声に破魔の魔力を乗せ、それらは風になびく花弁へと変わる。歌で作り出した楽園は、微睡みを誘い、幻想に溺れさせる──『誘幻の楽園(エデン・オブ・ネニア)』が完成した頃には、船上は美しい花々に囲まれ、花園と化していた。
「幸せのままに眠れ」
マーメイドたちは眠り、自らの海賊船が花園になったことにも気づかぬまま、無数の花弁によって全身を切り刻まれた。
二人が海賊船を花園に変えたその後、残るマーメイドたちが乗る艦隊が撤退を始めた。結果は、五割の撃沈。殲滅したことで、猟兵たちが海域を勝ち取った。
渦潮は守られ、防衛は成功したのであった。
大成功
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