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羅針盤戦争〜暗き森の巫女

#グリードオーシャン #羅針盤戦争

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#羅針盤戦争


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 グリードオーシャンの海にポツンと浮かぶ島。この島には誰も住んでいない無人島だ。
 島の周りには穏やかな気性の海獣が優雅に泳ぎ、島に上陸すれば実りある木々の恩寵により多くの動植物が住まう島『だった』。

 今や島の様相はがらりと変わった。島の周りには海獣たちが咆哮を響かせながら荒々しく泳ぎ、島に上陸すればジャングルのように繁茂した木々が来る者を拒む。
 そして、島の中央にはグロテクスな肉塊のような物に祈りをささげる女たちの姿があった。
「――」
 女たちの顔は確認できない。鼻より上は生き物の頭のような肉塊に覆われているからだ。
 女たちはただただ目の前の塊に祈りを捧げ続ける。
 神の降臨、その時を待ちわびるかのように。


「グリードオーシャンで動きがあったのは知っているだろう。それと関与があると思われる島が見つかった」
 椅子の上に立ち説明するのは銀色の毛並みを持つクマのぬいぐるみ、もといエドワード・ベアトリクス(運命の王子様(くま)・f28411)。
 彼はそのまま机の上にグリードオーシャンの地図を広げ、その一角に手を乗せる。
「この島は人は住んでいないが海の周りには海獣が、島には豊富な植物類が揃っている大変興味が……失礼。とにかくいたって普通の無人島だったようだ。これが、ここ数日で様相が変わっているのだ」
 曰く、海の周りには怪物海獣――例えば、鯨のように大きくなりあらゆる物を岩で砕くラッコ。例えば、体が腐り落ち骨が見えていても優雅に泳ぎ、人を狂わせる声で鳴くマナフィ。例えば、異様に発達した鳴き声で敵影を捕捉し、体に寄生する魚雷のような生き物で先制攻撃を仕掛けるシャチ。
 ――等々の怪物海獣が島の周りを泳ぎ人を寄せ付けないようにしているという。
「島の植物の生態系も大きく変わっていてな。以前は木々が雑多に生えていたのだが、多少は光が差し込む隙間はあったというのに、今やジャングル状態で昼間でも暗く、繁茂する木々のせいでまっすぐ歩くのも難しい。これもどうやら島の中央にいる『森羅の巫女』と呼ばれる者たちの影響のようだ」
 『森羅の巫女』は怪物海獣を生み出しながら、現在島の中央に鎮座する「巨大な子宮のような塊」に祈りを捧げているという。
「猟兵諸君には怪物海獣とジャングルを潜り抜け『森羅の巫女』いや、「巨大な子宮のような塊」を撃破してきてほしい」
 なお、『森羅の巫女』には戦闘力はあまりなく、さらに「巨大な子宮のような塊」を破壊すれば怪物海獣と『森羅の巫女』はどろどろに溶けて死亡するので、島の中央に到達したら「巨大な子宮のような塊」の破壊を優先してほしいと補足する。
「『森羅の巫女』が島で何を行っているかは不明。しかし『羅針盤戦争』と共に現れたのだ、決して一連の戦いとは無関係ではないだろう。
 この島をめぐる攻防が後の戦いにどう影響するのか、それはグリモアをもってしても分からない。
 それでもこの島を制圧、もとい解放できれば今後の嵐を払う一端にはなるだろう」


遭去
 遭去(あいさり)です。今回は羅針盤戦争の依頼をお届けいたします。
 なお、この依頼は1章構成の依頼となっております。

●島の状況
 気候も穏やかで平和な無人島でしたが現在は島の周りには凶暴な怪物海獣がおり、島はまっすぐ歩き進めるのも難しいジャングル状態となっています。
 森の中央には怪物海獣を生み出している何やら怪しげな『森羅の巫女』がこれまた怪しい儀式をしているようです。ちなみに巫女は森の中央で「巨大な子宮のような塊」を使って怪物海獣を生み出しているようです。

 なお、この依頼では以下の項目を満たすとプレイングボーナスが発生します。
(書いていなければ減点対象になるというものではありません)
=============================
プレイングボーナス……ジャングルと怪物海獣に対処する。
=============================

 個人的な話で恐縮ですが遅筆なため、依頼達成に必要な最低人数(3~4人)で終了し、お客様のプレイング内容に関わらずプレイングを失効・返却とさせていただく可能性がございます。ご了承ください。

 それでは皆様の熱いプレイングお待ちしております。よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『怪物化した海獣たちの無人島』

POW   :    怪物化した海獣の脅威を打ち払って前進する

SPD   :    不気味なジャングルを探索して、目的地である島の中心を目指す

WIZ   :    ジャングルの生態や、海獣の行動・習性などから、島の中心地を割り出す

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

栗花落・澪
大きいラッコさんだけなら可愛いのに…
寄生させたり腐らせたりほんとさぁ、もうっ
これは僕への精神攻撃か…!?

可愛いもの好きとしてはぷるぷる震えつつ
逆にやる気が上がりますよこれは…

水の中なら音波が使えるよね
幸い泳ぎは得意な方
物陰に隠れつつそっと水中に潜り
★マイクを使って【催眠術】を乗せた【歌唱】の音波を広範囲に広げる
ちょっと眠ってて

すぐに島にあがったら【聞き耳】で微かな音も聞き分け
おおよその進行可能な道を割り出し隠れながら進む
暗いのは危険だけど、下手に明かり点けると居場所特定されそうだし
中央に辿り着くまでは常に警戒しつつ我慢

巫女達を見つけたら遠隔から【指定UC】
塊に照準を定め、追尾で確実に当てるよ


鈴木・志乃
アド連歓迎
あんまり探索は得意じゃ無いんだよね……。
出来る限りはやってみるけど、どうかな。

【海獣対処】
遭遇次第、UCと催眠術で高速詠唱による洗脳を試みる
私が味方に、同類に思えるように認識を変えたいな
これで堂々と観察が出来る。

【ジャングル】
一応、方位磁針が使えないか試してみるよ。東西南北を把握して、少しずつマッピングしていこう。現場でも木に傷をつけたりして、目印の確保は忘れずに。木の上に登って高いところからの視界を確保して……丈夫な蔦を念動力で引き寄せて、木から木へ飛び移り……たい!
せっかくこんなとこ来たんだからちょっとやりたくて、ね。

キマフュのアスレチックの比じゃないだろうけど
さてはて、どうなる




 ゆったりとした雰囲気の海上にラッコが顔をぴょっこりのぞかせた。 
 そのラッコが今しがたとってきた超巨大ホタテを腹に乗せ、近くにあった岩を掴む。バキィッと音を立て壊れた岩をそのまま腹の上でホタテに叩きつけ、中身を取り出していく。
 全長10mは超える体躯である以外は可愛いの言葉に溢れる光景だ。
「大きいラッコさんだけなら可愛いのに………」
 ラッコが壊した岩とは別の岩の陰で栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は小さくため息をつく。島の周辺には超巨大ラッコ以外にも精神を侵す歌を歌う体が腐ったマナフィや超特急で突っ込んでくるジュゴン等々、恐ろしい怪物海獣がいっぱいいるのだ。
「これは僕への精神攻撃か……!?」
 怪物海獣へと変化させるにももうちょっとどうにかできただろうと怪物海獣に悟られないように小さな声でもうっ!と怒る。
「えっと……大丈夫? ここは私がどうにかしようか」
 鈴木・志乃(ブラック・f12101)が心配そうに声をかける。
 しかし、澪は首を横に振った。
「いいえ、逆にやる気が上がりますよこれは……! ということで志乃さん、よろしくお願いします!」
 澪は花弁をマイクへと変えるとそのまま海へ飛び込む。
 小さな飛び込み音。小さくてもそれをかぎ取る生き物が感知すると、海の雰囲気が一気に緊張感を増した。
「――私を媒介に今一時繋がれ、世界の意志よ」
 どの海獣たちよりも早く動いたのは志乃だった。未来への願いを込めた聖なる光が周囲を照らす。
 それは敵の体を傷つけることなく、認識を味方だと思わせる力。光を浴びた怪物海獣たちの戦意はたちまち失われていく。
(「おっ、さすっがー! それじゃあ僕も! いっくよー!」)
 澪は海上の志乃に負けんとばかりにマイクを通じて歌を歌いはじめた。
 眠りへと誘う魔力と共にゆったりとしたソプラノが水中へと響き渡る。
 シャチやイルカといった水中の音波を受け取る生物を始め、多くの海獣が瞼を閉じ無力化する。
「どう? だいぶ頑張ったんだけど!」
「お疲れ様です。ええ、頑張りにあう成果ですよ」
 歌い終わり海上部へと顔をのぞかせた澪を志乃が引っ張り上げる。
 見れば海上部にいる海獣だけでも6割は眠り、残りの4割はこちらに敵意を向けることなく優雅に海を泳いでいた。
「海の中はほぼ寝てたんだけど、全部とはいかなかったか」
「ですがこれで海獣たちの生態が分かりそうです」
 襲ってこないことを確認し、海獣たちを観察しながら慎重に近づいていく。
 海獣たちは海の周りをぐるぐると周回し、たまに島の浜辺に上陸することはあっても、ほかの海域に行ったり島の中心部に向かうことは無い様だ。
 いろいろな海獣のユニークな動きも見られたがユーベルコードの力がいつ切れるか分からないため、二人は島の上陸を目指すことにした。


 上陸を果たすことができた二人を待っていたのは鬱々としたジャングルだ。
 地上の生き物の楽園だったこの場所は、光があまり入らなくて見通しが悪く、運が悪ければ怪物海獣と接触してしまう危険な場所となっている。
「木の上からだと多少は見えますが……難しいものですね」
 5Mほど伸びた木の上で周りを見渡すしながらマッピングを行う志乃。 
「待って、あっちから音がする…」
 地上ではわずかな異変を拾った澪がハンドサインで志乃に伝える。
 枝に隠れるように、あるいは茂みの中で、息を殺して待つこと数秒。木々を割り、大きな振動とともに現れたのは通常の数倍の巨躯を持つオットセイ。
 ピタリと止まって志乃と澪ががいる方向を見やるが……ふたたび海へと進んでいった。
 オットセイが姿を消して数分。二人は詰めていた息を吐きだした。
「ふぅ……! 行ったみたいだね」
「ええ、それに大きな収穫もありました」
 オットセイが今しがたきた道……木々を破壊してきた一本道。
「怪物海獣は島の中央から生まれている。つまり――」
「ここに沿って行けば中心部に到達できるってことだね?」
 偶然とはいえ島への中央部への道を見つけ喜ぶ二人。だが、ゆっくりはできない、すでにオットセイが歩いた場所には小さな植物が繁茂し始めているからだ。
「道が消えないうちに。ですね」
 志乃は念動力で蔦を手元に呼び寄せ強く握りしめ、木から木へと飛び移る。
「せっかくこんなとこに来たんだから、ね」
「あっ、いいな! 僕もやりたい!」 


「見つけた……!」
 辿り着いた先は拓けた平地。真ん中にはグロテクスな「巨大な子宮のような塊」が、その周りには『森羅の巫女』が祈りを捧げている。
 二人は顔を合わせると肉塊を破壊せんと中央へ走り出した。
『――!』
 二人の目的に気づいた巫女たちは邪魔をせんと立ち塞がる。
「……一体一体の戦闘力は無いね」
「ただちょぉーーと数が多いかな!?」
 志乃が軽く押しただけでも倒れこむ程に力もない巫女たちだが、いかんせん数が多い。
 ここは一気に行くべきと判断した澪が動いた。
「――香り高く舞い遊べ!」
 指先を肉塊へと向けると空から紫の小さな花――ヒソップの花が舞い降り、花の嵐となって肉塊を包み込んだ。
 ――これを皮切りに猟兵たちが肉塊を壊さんと飛び出してきた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
さて…探索任務は苦手ではありませんよ

丁度いいのもありますしね

UC起動

【属性攻撃・迷彩】
光属性を己とダイウルゴス達に付与
光学迷彩で存在を隠し
迷彩で更に目立たなく

では散開っ!
ダイウルゴスと共に物量作戦で探索開始

【視力・情報収集・戦闘知識】
ダイウルゴス達の動きをシーフフォンで確認して彼らが見つけた物を確認しながらマッピングも開始
島の中心への方向も見定め
己自身も進みながら必要時はダイウルゴスの発見した物を調べ
島の中央へのルートの開拓に努める

交戦はなるべく避ける

海獣に見つかった時は小型化したハルペーで【切断・二回攻撃】

ダイウルゴス
3体一組で行動
基本隠密だが海獣と接敵時は必要時は合体して【捕食】による迎撃




 浜辺では茶色い髪の少年、カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)が探索の準備を進めていく。
 医療器具、魔道具、磁石……必要な道具の確認を終えると、指を鳴らす。
 突如彼の周りの砂浜が間欠泉がごとく吹き上がる。砂嵐が収まればそこには3匹の竜の姿が。
「命ずる。ダイウルゴスよ、この島の中央へのルートを探せ」
 傅くように頭を下げる三匹の竜へカシムは自身とダイウルゴスへ光を屈折させるルーンを付与していく。
「道中の交戦はなるべく避け、相手に見つかったときのみ応戦せよ……では解散!」
 宣言とともに3匹の竜はまた砂へと潜っていき、数秒もしないうちに痕跡もなくす姿を消していった。
「さて……探索任務は苦手ではありませんよ」
 3匹の竜を見送った直後、ルーンシーフという職に就くカシムも森の中へと足を踏み入れたのだった。

 木。木。木。草。時々海獣。
 一歩踏み入れれば方向感覚を失い、出ることができくなるほどの魔境となった島。
 カシム自身の手によって改造されたスマートフォンの画面を見やれば、ダイウルゴスたちも別ルートから島の中央ルートへ向かおうとしているのが分かる。
「……っ」
 数回目の振動を察知し彼は近くの茂みへ身を隠す。
――アオオオオオオオオオッ!!
 森の向こう側から来たのは超巨大ペンギンの群れ。刃物のように鋭利な手を体へ打ち付けながら怪物海獣はカシムのギリギリ脇を通り過ぎ、彼が今来た方向へと歩を進めていく。
 群れが去ってから数分。彼はゆっくりと茂みから姿を現す。
「そろそろ、かな」
 画面を操作し海獣と遭遇した箇所へ赤いマークを付ける。
 ダイウルゴスの接敵分も含めて何回か怪物海獣たちとすれ違った。
 赤くマーキングした場所から進む方向へ直線を伸ばしてすべての線の交点を導き出す。
「ここを目標に行ってみることにしようか」
 もちろん怪物海獣たちがまっすぐ海へ行っている保証は無いが、闇雲に動くよりは効率がいいだろう。
 ダイウルゴスたちを目的地へと先行させる命令を送るとカシムは小さくため息をついた。
「彼女を呼んで攻略する手もあったかな……」
 そこまで言うも口を噤んだ。下手に連れてくると厄介なことになりそうだからだ。主に胃が。
 気をとり直すようにカシムは目的地へと歩を進めた。

 先行していたダイウルゴスが止まった場所――ぽっかりと視界が開けた場所に到達する。
 既に交戦中だったか肉塊の周りには花が舞い、一部の『森羅の森の巫女』が反対側の猟兵の元へと集まっていた。
『――』
 そして猟兵の対応に当たる巫女以外は花弁に身を切り裂かれながらも祈りを捧げ続ける。
 それに応えるかのように肉塊が脈動し始め――べしゃりと水音と共に怪物海獣が生まれ出た。
――アアアアアッ!
 産声と同時に全身から炎を上げたイタチのような海獣は立ち上がると真っ直ぐにカシムが潜む茂みへと突進してきた!
「(バレたっ!?)」
 寸でのところで身をひねり突進を避ける。先ほどまで彼がいた茂みには火が付き、ぱちぱちと乾いた音を立てる。
「……ダイウルゴス!!」
 体制を整えながら帝竜の名を呼ぶと3匹の竜が身を混じり合わせながらイタチめいた海獣の体へと食らいつく!
 身をひねり繊維が切れる嫌な音を発しながらも抜け出そうと暴れる怪物海獣。
 だが、突如時が凍り付いたかのようにピタリと動きを止めた。やがて首の周りから赤い液体を散らしながら、海獣の首が重力に従いごとりと地面に落ちる。
「生まれて早々悪いけど、死んで」
 落とされた海獣の頭の横に、三日月状の鎌剣を持つカシムの姿があった。
 
 

成功 🔵​🔵​🔴​

シェフィーネス・ダイアクロイト
アドリブ◎
連携×

島の上で肥大化した海獣を此の目で見るのは
…記憶が定かでは無いが初に近いか
無駄な事はせん
塊を破壊すれば良いのだろう
早々に片付けてこの島の捜索やメガリスや金目の物になりそうな宝を探す

密林はeillaで払い退け先に進む
罠や危険物等無いか注意怠らず
海獣と遭遇しなければ最短距離で島の中心へ向かう
メガリスの眼鏡で距離把握

海獣発見後はUC使用
密林を利用し身を隠しながら動く
二丁拳銃で制圧射撃
オウガの蒼炎を込めた呪殺弾をお見舞い
傷口を抉る様に同じ箇所を正確に狙い蹂躙

狙撃手が容易に居場所を悟られるのは
戦場ならば本来、死を意味する
此処もある種そうだが
生憎と未だ逝く気は無い
The end

最後に塊を破壊



 森の中心部にて猟兵との攻防は激しさを増していく。
 倒れる仲間に気づかないまま――否、気づいていても動かないのであろう――巫女が祈りを捧げ続ける。
 祈りに応えるかのように崇められし肉塊は何度目かの胎動を始めた。
 ――ベショリ。
 今また、肉塊が新たな命をを生み出す。四足の獣は立ち上がると体を身震いさせるると体に付着した体液を振り払うべく振り払い、咆哮する。
 ――アアアアオオオオッ!!
 振り払われた体から見えるのは白い毛。体長10Mは超えるであろうシロクマが母を害する猟兵らを殲滅せんとしていた。
 突如、怪物海獣の頭に鈍い痛みが走った。
 海獣が痛みが来た方向を見やれば銀髪の男――シェフィーネス・ダイアクロイト(孤高のアイオライト・f26369)が海賊銃から煙を登らせる。
 攻撃されたことで海獣の怒りの矛先が男の方へと向き、食い殺さんと猛スピードで迫りくる。
「無駄なことはせん。早々に片付けてこの島の捜索やメガリスや金目の物になりそうな宝を探す」
 男は不敵に笑うと連射性の高い海賊銃と小さな古銃を海獣へと向け、弾幕を展開。
 無数の弾丸が海獣と巫女を襲う。成す術もなく銃弾に倒れていく巫女。しかし熊、ましては体躯が大きい海獣は皮膚が厚く一発一発は大した脅威になっていなかった。
 あと数メートルで海獣が来る、そこでシェフィーネスは右手に持つ小さな古銃の連射を止め、海獣の方に向け発砲。
 だが蒼い炎を纏いし銃弾は海獣の頭の少し上を飛んでいった。熊が嘲笑うかのように鼻を鳴らすと、海獣は男の上へと突進の勢いのまま押し倒した。
「くっ……!」
 そのままシェフィーネスの上に覆いかぶさり、海獣はその爪でシェフィーネスを殺さんと振りかぶる。
 海獣が勝利を確信したその時。
 ぼとり。海獣の肩から何かが落ちる音がした。
 海獣が見やればそこは先ほど振りかぶっていた爪が、腕が無くなっている。
 視線を後ろにやれば振りかぶった勢いで後方へと腕が飛んでいたのだが、そんなことは今の海獣には知る由もない。
 不思議そうな海獣に今度はシェフィーネスは押し倒されながらも笑い出した。
「いつから私がお前を相手にしていると思った? 今回はあそこの塊を破壊すれば良いのだろう」
 海獣が後ろを見やれば肉塊が、母が燃えている。
 先ほど海獣の上を走っていった銃弾、それはオウガの蒼炎を込めた呪殺弾。被弾した箇所から燃え盛り、相手を喰らわんとする炎。それが肉塊へとたまたま被弾し、否、シェフィーネスが制圧射撃によって肉塊にも傷を負わせ、その時ついた傷へと正確に狙い撃ったのだ。
 最後の命の輝きとばかりに炎が激しくなる肉塊。
 自分の命も終わる、そう悟った海獣はせめて目の前の男だけでもその牙でシェフィーネスの首を嚙み千切らんとする。
「狙撃手が容易に居場所を悟られ、ましては自ら出てくるなど戦場ならば本来、死を意味する。此処もある種そうだが生憎と未だ逝く気は無い」
 The end
 シェフィーネスは口を開けた海獣へと古銃を向け、銃爪に指をかけた。




 こうしてグリードオーシャンのとある島にて肉塊を巡る戦いは幕を下ろした。
 だが、異変はこの島だけではない。否、この海の異変が島をおかしくしたのだろう。
 全ては蒼海羅針域が示したそこにある。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月12日


挿絵イラスト