羅針盤戦争〜海原に鮫降る
荒れる海。巻きあがる竜巻。飛び交う鮫。その中心で。
「荒れろ荒れろー♪」
楽しそうにはしゃぐ少女。但しタコ足。
「絶対誰も通さないんだもんねー……うわぁっ!?鮫こっち来んなって!?」
すきゅりんが慌ててしゃがむとその頭上で突っ込んできた鮫の口ががちん、と音を立てて閉じる。お前ら味方なんじゃないのか。
「ってな感じで、困ってるんだわ」
誰が聞いてもまあ、それは困るだろうなあという状況。肩を竦める樹・怜惺(Guardiano della Dea Verde・f31737)は集まった猟兵達を見回すと小首を傾げる。
「グリオーで戦争なんだけど、まず海が進めないんじゃどうにもならないじゃん?」
メガリス「電光の羽衣」をまとったコンキスタドール、すきゅりん。見た目ギャルなすきゅりんは羽衣から凄まじい「電撃の竜巻」を放ち、海域を封鎖してしまっているようだ。
「竜巻自体がびりっびりだし、めっちゃ強くて近付くと鉄甲船でもぶっ飛ばされちゃうんだってー、ヤバくね?」
すきゅりんは中心から動くことは無いらしい。そして、彼女自体には戦う力は全くないとの事。
「タコギャルはワンパンでいけるらしいんだけどー、辿り着くまでがマジヤバだって。空中なのに鮫いるしー、瓦礫とかも飛んできたりするんだってさァ」
同じく竜巻に巻き込まれた凶暴な鋼鉄人喰ザメがせめて一口、と齧りに来たり、巻き上げられた瓦礫にどつかれそうになったり、稲光に痺れそうになったりするらしい。
「瓦礫は足場にもできるし、稲光と鮫は……皆なら気合とか何とかでどうにかできるっしょ?」
任せるー、と無責任に手を振ると怜惺は転移の光を呼び出す。
「頑張ってねェ、いってらー」
真空。
見て頂き有難う御座います、真空。(まそら)です。
グリードオーシャン戦争始まりましたねえ。それはそれとして、すきゅりん気になる。そんな弱くていいのか、とか。
プレイングボーナスは【竜巻と電撃に対抗する】です。
頑張って乗り越えて下さい。とりあえず気合と根性とかでもどうにかなるかと。
1章完結戦争シナリオのため、公開後即受付し、少数採用となるかと思われます。
同行者がいる場合は【相手の名前(呼称も)とID】のご記入お願い致します。
今回のシナリオの構成上、大人数は厳しいかと思います。
皆様の参加、心よりお待ちしております。
第1章 冒険
『電撃の竜巻で封鎖された海域を突破する』
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POW : 竜巻に巻き込まれた凶暴な「鋼鉄人食い鮫」の襲撃から身を守りつつ、すきゅりんのいる中心に向かいます
SPD : 絶え間なく発生する稲光をかわして、すきゅりんのいる中心に向かいます
WIZ : 竜巻の風に逆らわず、強風の流れを見切って、すきゅりんのいる中心に向かいます
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ベルカ・スノードロップ
アドリブ◎
【瞬間思考力】で状況を判断
『こんな竜巻と雷の中に隠れるなんて……絶対に負けません!』といった
対抗心を燃やして《選択UC》発動
竜巻の風は、強風の流れを【見切り】で逆らわずに【環境耐性】で対処。
雷は【多重詠唱】で地属性魔法を展開し絶縁防御を展開して対処。
絶縁防御から漏れてきた雷は【電撃耐性】で耐え忍ぶ。
中心にいるすきゅりんに対しては、防御に使用していた
地属性魔法を【全力魔法】の【属性攻撃】に転化して
潰しにいってしまいますね
宮前・紅
【WIZ】
随分荒んでるね……俺、あんまり外好きじゃないんだけどな(インドア派なので)
(吹き荒ぶ海を見詰めて)
ふぅん、でも──これはコレでスリリングで楽しいかも?
UCを発動
上手く見極め、竜巻を避けるように、無限複製した細剣を階段状に並べて足場にするよ
そうすれば空中でも、自由に動けるから、ね
電撃や瓦礫、鮫なんかは、俺の人形三体を操って防いでもらう(ジャストガード+フェイント)
なんか、凄いことなってるけど、ふふ……楽しいなぁ
鮫も捕まえちゃえば、食べられるのかなぁ──って考えてたらお腹減ってきた
心惜しいけれど楽しむのも終わりにするか……あはっ
すきゅりんちゃん、楽しい遊戯をありがとう
また、遊ぼうね?
アリアケ・ヴィオレータ
アドリブ・連携OK
【SPD】
この海(グリードオーシャン)で戦争だぁ?
親父もお袋も昔馴染みもいるんだ。
放っちゃおけねえよなぁ!
嵐の時に荒れるのはだいたい水面近く。
海中の方が進みやすいわけだ。
つーわけで海に飛び込んでUC発動。
潮吹きを推進力にする《高速泳法》で親玉に向かっていくぜ。
こちとら深海人、息が切れることもねぇしな。
寄ってくるだろう鮫共との《水中戦》では
『不知火』を振るって《串刺し》にしていく。
親玉は一撃でぶっとばせるって話だったな。
そいつも『不知火』で《串刺し》にしてやるぜ!
●美しき夜の王、海へ
広い海を進む一隻の鉄甲船。正面に見える大きな竜巻へと近付くと次第に揺れが大きくなる。波飛沫が打ちつける甲板に揺らぐことなく立つほっそりとした姿、ベルカ・スノードロップ(少女を救済せし夜の王【中将】・f10622)は冷静に周囲の状況を確認していた。
「成程。これでは確かに、この海域は塞がれてしまう……こんな竜巻と雷の中に隠れるなんて……絶対に負けません!」
美しい緑の髪を揺らし、大きく頷くベルカ。美しく柔らかい声音で紡がれる言葉に込めた誓いが彼の力――チャンピオンシップを発動させる。
戦闘用の黒衣の裾をふわりと揺らしとん、と甲板を飛び降りると、海に浮かぶ瓦礫の上へ。風の流れを見切り、弱まった所から確実に竜巻へと近付いていく。降り注ぐ稲光は携えている聖の加護を受けた十字架を振るう事で、地の力を宿す柔らかな茶色の光を頭上に展開し、対抗する属性の力で全て防ぎ切る。
「おや、邪魔です」
途中竜巻を利用して勢いを増し向かってきた鮫がいたが、持っていた十字架を全力で横殴りに振るうと風の中へと押し戻す。再び竜巻に押し込まれてしまう鮫、暫くは同じ場所には戻れまい。
光を透かす琥珀の瞳が、竜巻の切れ目を見出す。発動した力の対象まで、後少し。
●陽光に輝く紫水晶
「この海(グリードオーシャン)で戦争だぁ?」
鉄甲船の上でアリアケ・ヴィオレータ(夜明けの漁り人・f26240)が腕を組み顔を顰める。グリードオーシャン出身の彼女からすれば、戦争など許せるものではないだろう。
「親父もお袋も昔馴染みもいるんだ。放っちゃおけねえよなぁ!」
美しい赤銅色に焼けた肌を照らす陽光が陰る。様々なものを巻き上げて黒ずんで見える竜巻が視界を覆いつくすようになると、アリアケは身を乗り出して船縁から海を覗き込んだ。紫水晶の瞳を細めて波の下の様子を窺うと表面は荒れているが全体的な濁りは薄く、予想通りの状態ににいっと笑う。
嵐といえど、水の中まで制する事は出来ない。荒れるのは水面近くまでで、潜ってしまえばむしろ進みやすくなる。アリアケは勢いよく飛び込むと、力を開放し鯨の潮を吹く能力を推進力として一気に進んでいく。
海の中は深海人である彼女の漁場であり戦場。得意の高速泳法ですきゅりんを目指していると、運良く竜巻から逃れ水中に戻れた鮫が彼女に気付く。餌を見つけた、と向かってくる鮫達へ一度進むのを止めると手にしていた銛を振りかぶる。
「あぁ?水中戦ならこっちのモンよ!」
構える鋭銛:不知火は竜さえも貫く力を持つ銛。鋼鉄の肌を持とうが所詮鮫、物の数にも入るものかと次々に串刺しにして葬っていく。
鮫を退け、更に進むと上方から光が射す。いよいよ出口、親玉と対面だ。
●傭兵は艶やかに笑う
宮前・紅(三姉妹の人形と罪人・f04970)は灰月長石の瞳で荒れる海を見つめると、僅かに眉を顰める。
「随分荒んでるね……俺、あんまり外好きじゃないんだけどな」
風に乱された襟を細い指で正し、小さく呟く。息を吐いて一度目を閉じると、薄い唇がすうっと笑みの弧を描き。
「ふぅん、でも──これはコレでスリリングで楽しいかも?」
ゆっくりと船縁まで進み、軽い身のこなしで鉄甲船を飛び出す。彼の此度の役名はLa Barbe Bleueの騎士。典雅な装飾の施された白い衣装が風にはためく。
「滑稽な筋書は、一転して叛逆の物語へ……さぁ、反転するよ」
笑みを浮かべたまま、紅が手を振るとずらりと赤い石の輝く細剣が道を作る。吹き荒れる風の中、その動きを見極めんとする彼の目線に合わせて細かく位置を整える剣の階段を、百合の名を持つ白い靴が迷いなく優雅に進む。
視界の外から、竜巻に翻弄されつつも強かに猟兵を狙う鮫が、巻き上げられた瓦礫が、走る稲光が彼の足を止めようと向かってくるが。
「さあ、出番だよ……Elsie、Lacie、Tillie。俺を守って」
呼び出された三体の可愛らしい人形が悉く撃ち落とし、払い落とし、防いでいく。風も、障害物もどれ一つとして、その歩みを止める事は出来ていない。
「ふふ……楽しいなぁ。鮫も捕まえちゃえば、食べられるのかなぁ」
おなか減ってきたなぁ、等と零せるほどに余裕たっぷりなその姿が、そろそろすきゅりんからも見えるだろう。
●そして終幕へ
「え……うっわ、マジ?!猟兵来ちゃったじゃん!」
竜巻の内側へと辿り着いた三人。その姿を目にしたすきゅりんは顔を引きつらせ慌てふためき、手にしていたカットラスを構える、が。
「さぁ、懺悔の時間といきましょうか」
ベルカの地属性の魔法が魔法が今度は槍となって。
「今更抵抗しようたって遅ぇよ!」
アリアケの不知火が唸る音を立てて。
「すきゅりんちゃん、楽しい遊戯をありがとう……また、遊ぼうね?」
紅の細剣Koncerzが赤を煌めかせて。
同時にすきゅりんを貫く。元々何の防御力も持たないすきゅりんは過剰過ぎる程の攻撃を受けてあっさりと消滅した。
彼女の姿が消えた途端竜巻は勢いを無くし、瓦礫や鮫が海に落ちる。次第に日の光が海を照らし荒れていた波が静まっていく。
羅針盤戦争の初端、この海域は猟兵の活躍によって一時の平和を取り戻したのだった。
大成功
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