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羅針盤戦争〜 Angel Attack!

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #ネルソン提督

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●天気晴朗なれど波高し
 グリードオーシャンを航行するクレマンソー級空母の戦闘指揮所にある椅子に腰掛け、ネルソン提督は作戦開始の時を今か今かと待ち望んでいた。空母にはめぼしい武装はないが、天使の群れを射出できれば高高度から一方的に攻撃が出来るのだ。しかも、猟兵たちが来ても飛行能力は阻害されているので、確実に先手を取れることはわかっているのだ。
 そのことを知ってか知らずか、ネルソンは勝利の青写真を脳裏に描いているのだった。
「さあ、勝利の時は来た! 各員がその義務を尽くすことを期待する!」
 ネルソンは士気を鼓舞すると、カタパルトのスイッチを押し天使たちを出撃させるのであった。

●天使、襲来!
「……グリードオーシャンで戦争か。さあ、猟兵諸君、出撃の時間だ!」
 アメリア・ツァオ(心はいつも十七歳・f09854)は海図を睨みながら、次の戦場における戦い方を考えているようだ。
「敵将ネルソン提督はクレマンソー級空母に坐乗し、天使の群れをカタパルトから発射して高高度から爆雷を落とさせる作戦のようだ」
 しかもこの海域では猟兵側は飛行を阻害されてしまうが、天使はそんな制限も無しに飛んでくるのである。だが、この爆雷の雨をくぐり抜けられれば敵艦、そして敵将ネルソンを撃破することはたやすいだろう。何せ、相手は手薄な空母なのだから。
「天使による先制攻撃をくぐり抜け、敵艦に接近できれば我々も勝機がある。勝利の女神はきっと我々に微笑むさ。健闘を祈るよ!」
 アメリアは猟兵たちをねぎらうと、笑顔で戦場に送り出すのであった。


ヨーシャ
 みなさんこんにちは、ヨーシャです。

 とうとう戦争が始まってしまいましたね。このシナリオはグリードオーシャンでネルソン提督と戦うシナリオです。敵の先制攻撃ユーベルコードに対処出来れば、有利に戦いを進められるかもしれません。

 なお、プレイングは断章が投下され次第受け付けます。締め切りは特にありませんので、ゆっくり考えていただければ幸いです。

 では、血湧き肉躍る素敵なプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『七大海嘯『舵輪』ネルソン提督』

POW   :    天使の行軍
【カタパルトで加速射出された天使の】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【他の天使】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    天使による高高度爆撃
【天使達が投下する爆雷】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【位置と予測される移動範囲】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ   :    武装天使隊
召喚したレベル×1体の【透き通った体を持つ天使】に【機関砲や投下用の爆雷】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。

イラスト:シャル

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●開戦の時、来たる!
 空母の飛行甲板には、射出の時を待つ天使たち。
 もうすでに攻撃準備は出来ている。何せ、空母の弱点となる空からの攻撃に関しては封じている。それに、猟兵が水中から来ることはまず無いだろう。水上の目標は天使が捕捉して爆雷を投げ込んでくれるだろう。その戦略に、間違いなどあるだろうか。もしもという言葉は許されない。我々はきっと勝つ。必ず勝つ。まちがいなく成功する。ネルソンはそう自分に言い聞かせていた。
 そして、天使たちに発艦命令を下すネルソン。その目に、もはや迷いはない。すべきことは、猟兵をこの海に沈めることなのだ。
レモン・セノサキ
アドリブ・連携◎

いいだろう、お望み通り沈んでやるさ
但し――最初から、ね

音立てないように生身で海に入り、素潜り
海中でサイキックキャバリア「BASTET」を召喚
自分を操縦席へ転送

ずぶ濡れなのは一先ず置いて、深く潜行して海中を移動
天使の落とした水中の爆雷に触れないように慎重に
水中戦特化じゃないからね、無理はいけない

クレマンソー級空母の真下に陣取って、UC【機兵迎撃砲】を発動
74基、全てを一つに束ねる
銀塊を電線のように変形させ、砲とBASTETを繋ぎ
キャバリアの動力を砲へと[エネルギー充填]
海底から空母の船底へ最大火力で砲撃を叩き込む
キャバリアの装甲を木端にして余りある威力、空母に耐えられるかな?



●天の使いを使役するもの
「この大きな船から空を飛ぶものを飛ばす時代になったのか。そもそも、人が空を飛ぶのは夢物語に思っていたが……」
 ネルソンは空母の戦闘指揮所からモニター越しに天使たちが発信するのを見つめていた。そもそも、ネルソンの時代には人が空を飛ぶなんて考えられなかったのだ。海戦といえば艦砲の撃ちあいの後に接舷しての斬り込むという時代である。だが、空母という軍艦を知った彼は時代に追いついたのだ。この新しい軍艦から空を飛ぶ者を飛ばして爆弾を落とせそうだということに気がついたわけである。確かに猟兵には空を飛べるものも確かにいるが、空を飛べないようにしてしまえば一方的に攻撃できるわけだ。まさか、水中から来ることなんて、ありえないだろう。ネルソンはそう考えながら、勝利は確実だと確信するのだった。

●水中に潜む餓狼
 そんな猟兵たちに容赦なく爆雷の雨を降らす天使たち。だが、常識の裏をかいてくるのが猟兵なのである。
 レモン・セノサキ(金瞳の"偽"魔弾術士・f29870)もまた、音を立てないように海に飛び込んだ一人だった。そのまま素潜りする彼女は、大胆にネルソンの裏をかくつもりなのだ。レモンが召喚したのは「BASTET」というサイキックキャバリアだったのだ。そのまま「BASTET」の操縦席に入ると、彼女は愛機を深く潜行させる。天使の落とす爆雷に触れないように深く潜行する「BASTET」。水中戦特化じゃないから無理はいけないとわかっているのだが、そんなこともお構いなく「BASTET」は空母の真下を目指して水中を移動していった。

●星を射抜く神槍、空母を貫く
「水面下に反応あり、ということか。だが、猟兵であっても水面下から来るとは思えないが……」
 ネルソンはソナーに現れた反応に気付いていた。何か大きなものが、この艦の真下にいると。だが、彼はこのような大きな影はクジラだろうと思い込んでいたし、猟兵だったとしても自艦の真下に陣取る敵を攻撃する手段がないのだ。
「まさか……な。念のため、衝撃には備えておいた方がよさそうだ」
 ネルソンが天使たちに衝撃に備えるよう命令したその時だった。クレマンソー級空母を大きな衝撃が襲ったのだ。
 そう、水面下から「BASTET」は79基の巨大な砲身をひとつに束ねた機兵迎撃砲を発射したのだ。キャバリアのエネルギーをも使って最大火力で発射した一撃は空母に直撃したのだ。
「キャバリアの装甲を木端にして余りある威力、空母に耐えられるかな?」
 ずぶ濡れのまま「BASTET」の操縦席に座るレモンは、一撃が空母に命中したことを確認するとガッツポーズで喜ぶのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エィミー・ロストリンク
【絆】
七大海嘯なんかにグリードオーシャンは好きにさせないよー!
メイスンお義姉ちゃん、防御は任せてね!

ロストリンクの甲板にキャバリア・アカハガネに搭乗して参戦
ラクチェの要石の効果で海水を鉄水のように変化させ、対空防御膜を張る
それでも突破したりすり抜けたりする爆雷は、アカハガネのガトリングキャノンで落としていく

凌いだらメイスンの清盛にアカハガネのアンカーを括りつけて一緒に飛ぶように仕向け、発射前は一緒に加速する
そして敵空母近くになったらもう一方のアンカーを撃ち込んで着艦し、UC「失われた絆を繋ぐ姫君」を発動させて装備しているガトリングキャノンの性能を引き上げて攻撃する

一気に風穴を開けてあげるよー!


メイスン・ドットハック
【絆】
天使達の爆撃とは穏やかではないのー
それでもエィミーが気合を入れている以上、僕も頑張らなくてはならんのー

揚陸艦ロストリンクに搭乗して参戦
エィミーが張る防御膜の間を補強するように、艦に搭載した電脳ミサイルで爆雷に対応
それでも逃すようであればAIアメジストちゃん主導の操縦で回避行動をとる

爆雷を回避したらKIYOMORIが変形したオブリビオンマシン清盛に搭乗し、艦の甲板で加速
そこからUC「帝竜を纏いし機竜よ、稲妻となれ」を発動してジェットパックで加速してカタパルト気味に飛び、一気に敵艦に迫ってレーザークローで斬り裂く

そっちの攻撃方法をパクリじゃけど、戦法は有効活用してこそじゃけーのー!



●海水よ鋼へと変われ
「七大海嘯なんかにグリードオーシャンは好きにさせないよー!」
 グリードオーシャンの海を行く揚陸艦ロストリンクの甲板に立つエィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)は、愛機であるキャバリア・アカハガネに意気揚々と乗り込んでいった。
「メイスンお義姉ちゃん、防御は任せてね!」
 その手には、海水を鉄のような硬度の水に変えるラクチェの要石が握られている。揚陸艦ロストリンクに張られる対空防護膜は、天使たちが落とす爆雷をものの見事にはじき返していく。
「天使達の爆撃とは穏やかではないのー。それでもエィミーが気合を入れている以上、僕も頑張らなくてはならんのー」
 その様子を隣で見ているのはエィミーの義姉、メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)。彼女はAIアメジストちゃんに爆雷を回避するための操艦を任せつつ、艦に搭載した電脳ミサイルで爆雷を撃ち落としていく。それでもすり抜ける爆雷に向けてアカハガネのガトリングキャノンが火を噴く。そのおかげか天使たちは揚陸艦ロストリンク号にはダメージを与えることができなかったのだ。

●満身創痍の敵艦
「ダメージコントロールが重要だ。総員、浸水対応に当たれ!」
 ネルソンが坐乗するクレマンソー級空母の中では必死のダメージコントロールが行われていた。艦底に開いた穴より浸水しているのだが、適切に指示を出すネルソンの指揮により天使を発進させられるほどの戦闘力は取り戻していたのだった。着艦する天使たちは新たに爆雷を受け取ると、次の標的である揚陸艦ロストリンク目指して発艦していくのだった。

●稲妻機竜よ空を舞え
 その一方、揚陸艦ロストリンクの甲板ではメイスンの乗るオブリビオンマシン清盛とエィミーの乗るアカハガネの発進準備が続いていた。この二体のキャバリアはアンカーでつながれており、発進するときにはそのまま発進できるというわけだ。二体のキャバリアは甲板上で加速する。
「帝雷を纏いし機竜よ、稲妻となれ。こうなったらもう誰も止められんけーのー!」
 ジェットパックとユーベルコードの力により二体のキャバリアはクレマンソー級空母めがけて飛翔する。そして、アカハガネは空母にアンカーを使って見事に着艦すると失われた絆を繋ぐ姫君の力で強化されたガトリングガン型メガリス、オルトロスが火を噴いていく。
「一気に風穴を開けてあげるよー!」
 エィミーはノリノリで艦上に風穴を開けていく。その様子を見届けると、清盛もその竜雷を纏ったレーザークローで飛行甲板に斬撃を加える。今まさに着艦しようとする天使たちごと甲板を切り裂くレーザークローに、ネルソンは己の作戦の裏をかかれたと気がついたのであった。
「そっちの攻撃方法をパクリじゃけど、戦法は有効活用してこそじゃけーのー!」
 清盛の操縦席でぐっとガッツポーズをするメイスン。その様子をモニター越しに見つめながら、エィミーは作戦の成功を喜ぶのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

緋翠・華乃音
天使の射出、確かに優秀な戦術だ。
……相手が猟兵でなければ、だけどな。

グリモアの予知というのはつくづく規格外の代物だ。
敵に回せば限りなく勝機が薄くなる。

なにせ敵の“先制攻撃”という優位性を覆す、先制攻撃の詳細という“情報”をこちらは既に得ている。

後は戦術を組み立てるのみだ。
この戦いは後手の方が強い。――俺はそう読んでいる。

狙撃をしよう。対空迎撃だ。

たかが1万mの高高度まで飛翔すれば安全と思ったか?
俺の瞳はそれを捉えることが出来る。

投下まで先制されようとも弾着は話が別だ。
片端から爆雷と天使を墜としていこう。

戦術をアップデートした方が良いぞネルソン提督。
兵器は常に進化するものだ。


寺内・美月
アドリブ・連携歓迎
・当初、霊兵統帥杖の効果により、出来うる限りの高射部隊を島全体に早期に展開。
・高射部隊は展開しつつ段幕を形成し、落下する爆弾の迎撃を行う。この際、煙幕等により位置観測を阻害するなど徹底的に妨害を行う。
※使う兵器として『VADS、LPWS』等の爆弾や接近する天使等を打ち落とす近接装備、大口径高射砲・対空ミサイルによる高度防空装備等、考えつく限りの防空手段を使用。
・頃合いを見て指定UCを発動。対艦ミサイル部隊による総攻撃を行い目標を撃砕する。
・最悪の場合、サイキックキャバリアによる迎撃用ホーミングレーザーや特殊電磁投射器による核攻撃も発動。


花盛・乙女
天の使いを砲弾にするとは罰当たりなことだ。
海の男は縁起を担ぐのが常だと聞くが…まぁいい。
羅刹女、花盛乙女。いざ尋常に。

陸から【嶽掻】と【乙女】の二刀を構え迎え撃とう。
重量自在の豪刀と切れ味鋭い小太刀の「武器受け」で天使の砲撃を切り捨てる。
その際は裸足となり「怪力」で地面を掴み一切の後退をする気はないぞ。
如何なる速度とて射出されれば所詮は弾丸と変わらない。
重量を重くすれば嶽掻は弾かれず、乙女の切れ味は相手の速度もあれば無二となる。
策に溺れている事をとくと知らしめよう。

砲撃が止めば腹から息を吐き、吸い、止めて集中。
瞬歩に距離を無きにする我が『雨燕』、狙うは舵輪のその首。
乗船と共に落としてくれよう。



●必死のダメージコントロール
 ネルソンは天使たちに爆雷を渡しながら空母のダメージコントロールを行っていた。思ったより損傷は大きく、天使が飛び立つスピードも若干落ちているが、それでも多くの天使たちが空を舞うのだった。
「思った以上に損傷が大きいが、このまま戦わざるを得ないな……」
 勝利を確信していたはずのネルソンの表情は曇っていたが、的確に指示を出すのだった。
「天使たちに告ぐ。この先の島に猟兵たちが拠点を作っている。その島を爆撃するのだ!」

●必死の対空陣地構築作戦
 その一方、猟兵たちが拠点を作っている島では対空陣地が構築されていた。寺内・美月(霊軍統べし黒衣の帥・f02790)が霊兵統帥杖の効果により亡霊の高射部隊を召喚し島全体に配備しているため、天使たちは高高度からの水平爆撃を取るしか無くなってしまったのである。
「対空警戒を厳となせ。砲火を切らせば接近されるぞ!」
 美月は煙幕による妨害もしながら高射部隊に砲火を切らすなと命令したのだった。その隣で緋翠・華乃音(終奏の蝶・f03169)が高射部隊の対空砲火に混じって星辰の瞳による狙撃を行っていたのだった。その瞳は高高度にいる天使をとらえ、手にしたライフルで曳光弾を撃ち込んでいく。その曳光弾のおかげで、高射部隊は労せずに天使や爆雷を撃ち落とすことができるようになったのである。
「天使の射出、確かに優秀な戦術だ。……相手が猟兵でなければ、だけどな」
 美月に向け語りかける華乃音。
「全くその通りです。私たちが猟兵でなければ一方的にやられていたでしょうね……」
 美月も頷きながら言葉を返す。
「グリモアの予知というのはつくづく規格外の代物だ。敵に回せば限りなく勝機が薄くなる。なにせ敵の『先制攻撃』という優位性を覆す、先制攻撃の詳細という『情報』をこちらは既に得ている。後は戦術を組み立てるのみだ。この戦いは後手の方が強い。――俺はそう読んでいる」
 華乃音の言に美月は再び頷いて同意を示す。
「その通りでしょうな。あとは、いつ仕掛けるか、ですな……」
 美月は「嶽掻」と「乙女」の二振りの刀で天使の落とす爆雷を受け流す花盛・乙女(羅刹女・f00399)にサインを送る。そんな乙女は自らの名を冠した小太刀を振るいながら答える。
「承知した。あとは、タイミングを合わせて一撃、というわけでよいのだな?」
 こくりと頷く二人。目配せをする三人は同じことを考えていた。乙女の突撃に合わせて華乃音と美月が援護射撃を仕掛ける形で一斉攻撃をする……という作戦だ。

●羅刹、海を駆ける
 一瞬、天使たちの爆撃が止まった。その隙を見て腹から息を吐き、吸い、止めて集中する。
「天の使いを砲弾にするとは罰当たりなことだ。海の男は縁起を担ぐのが常だと聞くが……」
 乙女は疑問を感じつつも、ネルソンの乗るクレマンソー級空母めがけて海上を駆けだしたのだった。
「……まぁいい。羅刹女、花盛乙女。いざ尋常に!」
 駆け出す乙女を見た美月は霊軍隷下《打撃戦力》亡霊将兵投入の名を下す。霊兵たちの発射する対艦ミサイルも乙女に続く形で海上を駆け出していた。再び現れた天使が乙女の駆ける先を塞ぐように爆雷を落とそうとするが、その前に華乃音のライフルで撃ち落とされていくのだった。
「戦術をアップデートした方が良いぞネルソン提督。兵器は常に進化するものだ!」
 乙女の駆ける姿とその後を追う対艦ミサイルを見ながら華乃音は吐き捨てるように言葉を紡ぐ。それに頷く美月。近代兵器を操る二人の猟兵を後ろに、乙女は頼もしいこと限り無しと思うのだった。そんな彼女を追い越して対艦ミサイルがクレマンソー級空母に命中する。被害は……甚大だ!
 乙女は傾きつつある空母に乗り込むと、真っ先に戦闘指揮所めがけて駆けていた。戦闘指揮所のドアを勢いよく開けると、乙女の眼にネルソンの姿が映る。レイピアを抜くネルソンに斬りかかる乙女。豪刀がレイピアを叩き割り、小太刀がネルソンの顔に一筋の赤い線を描く。だが、一瞬の隙を突いてネルソンは戦闘指揮所から逃げ出してしまったのだ。
 このままでは艦もろともに沈むことになるだろうと乙女は確信したのか、甲板に逃げるネルソンを追うのをあきらめ脱出するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エミリィ・ジゼル
【芋W】
制空権を確保した状態での一方的な長距離爆撃。
なるほど確かに堅実な攻撃法です。しかし万能な戦術ではありません
どれだけ強力な空母だろうと、弱点がないわけではありません

具体的に言うならば、そう、海の中です

上空と海上が行けぬのならば、海底を進んでいきましょう
幸いわたくしはバーチャルキャラ。呼吸も不要ですし

高速泳法・水中機動・深海適応の各技能で、目視不可能な深海を
更に移動中のダメージ軽減に『サメ子』も使って短時間で進行

そして空母の近くまで近づいたらUCを使ってかじできないロボに変身
仲間の攻撃とタイミングを合わせ、ありったけの魚雷を艦底目掛けて発射します

「酸素魚雷、百連射!いっきまーす!」


ヴィヴ・クロックロック
【芋W】
天使が爆弾を落としてくるだなんて実に世も末じゃないか?

天使や敵船に届かなくても機雷は降ってくるのだからタイミングを第六感と野生の勘で合わせて『ギースバッハ』でダイナマイトを発射しこっちに来る前に誘爆させる!
そしてその隙に『アンナトラ』を出航。飛んでる?いえいえとんでもない、これは光の上に浮いているだけだが?そして船は浮けば進める。

召喚した幽霊たちが必死に降り注ぐ爆弾を防ぐ船団を傘にして私は水面歩行でサクッと敵船に乗り込みしこたま爆薬を仕掛けて離脱
そしてそのまま相手に突っ込ませる爆薬を満載した我が船団!!
サクッと丸ごと吹き飛んでしまえ!!


エドゥアルト・ルーデル
【芋W】

こっちも飛びてェってのに好き勝手飛びやがって!
自由に飛べなくしてやる!

他の船に便乗しますぞ
上空の天使が厄介でござるねェ…アレを呼ぶか!派手にやれば陽動にもなるでござるな!
これより召喚の儀をおこなう!腕につけた戦闘ツールに特殊を行いますぞ!とっておきのコマンドは!上上下下左右左右BA!!
来るでござるよ…【物理演算の神】が!【お戯れのバグ】が来るぞォ!
よし!天使の空中挙動が狂って【機関砲や爆雷】の狙いがガタガタだ!今のうちに進むでござるよ!

空母に接近し次第マストの上からネルソン目掛けて狙撃ですぞ!トラファルガーを再現してやる!いやしたらいかんか?
最も本命は拙者ではなく別でござるがね


レイン・レーニア
【芋W】
ほーう?僕、いや僕らの前で空を掌握したつもりでいるとはいい度胸じゃないか。

発射音や落ちる爆雷が空気を震わせる音から『ピオッジャ』の聴覚強化と<第六感>を以て攻撃予測、
飛ぶのはできなくても跳ぶならできそうかな!
『ヒュエトス・ヴロヒ』で自身にかかる重力を小さくして大きく跳躍、
攻撃範囲から離脱ついでに母艦に向かってかっとぶぞ!

爆雷等で起こった水柱や飛沫を凍らせ<弾幕>にして、迎撃に使いながら突撃だ!
氷塊を<足場習熟>で足がかりに、爆弾とバグの嵐の勢いに乗って跳躍すればネルソンくんはすぐそこだ。
何も目に映る敵全てを殺す必要はない、将の首ひとつ刈ればいいのだからね!
さあ【降り注げ、氷の雨よ】!



●時代に遅れし者の宿命
「認められるものか……私が、負けるなど……」
 ネルソンは空母の甲板に立ち、海の彼方を見つめていた。その頬には先ほどの斬り合いで受けた一筋の傷がついていた。この空母とて、そうは持つまい。その時に艦内の戦闘指揮所にいれば確実に海の藻屑になってしまうだろう。しかも、艦の電気系統も損傷が激しい。戦闘指揮所のモニターの映りも悪くなっており、状況判断をするための情報も得がたくなっている。なら、甲板で戦おうと彼が考えるのも納得がいくのだ。甲板に立つネルソンの横を、爆雷を持った天使たちが通り過ぎていく。
「まだ、諦めない。最後まで、戦ってみせる!」

●神はお戯れに大波乱を呼ぶ
「制空権を確保した状態での一方的な長距離爆撃。なるほど確かに堅実な攻撃法です」
 天使の爆撃を見ていたエミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)はバーチャルキャラクターであるという特徴を生かして海中に飛び込んだのだ。エミリィ曰く、どれだけ強力な空母だろうと、弱点がないわけではないのだと。それは海中からの攻撃だ。そのままエミリィは騎乗用のサメ、サメ子にまたがると爆撃を気にせず海中を進むのだった。
「天使が爆弾を落としてくるだなんて実に世も末じゃないか?」
 天使の落とす爆雷をかわしながら、ヴィヴ・クロックロック(世界を救う音(自称)・f04080)は手持ちの中折れ銃、ギースバッハにダイナマイトを装填して撃ち出した。天使や空母には届きそうもないが、落下してくる爆雷はこれで誘爆できる、という策だ。
「こっちも飛びてェってのに好き勝手飛びやがって……自由に飛べなくしてやる!」
 エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)もそんな天使たちに怒り心頭だ。そんな彼は手に着けた謎の戦闘ツールに由緒正しきコマンドを入力しはじめたのである。
「上上下下左右左右BA……そしてスタート——来るでござるよ、神が!!」
 突如謎の光と共に海面が荒立ち、8bitな音楽が鳴り出すと共に空中にはなぜか謎の紙幣が舞い踊る。そう、エドゥアルトは「物理演算の神」を召喚してしまったのだ。お戯れのバグにより宇宙の法則が乱れる!
 それを見ていたヴィヴは鬼宿船団・アンナトラを呼び出すと幽霊船団は光の上に乗って進み出すのだ。そこにちゃっかりエドゥアルトも同乗している。その後ろを水上歩行で歩き出すヴィヴ。
「ほーう? 僕、いや僕らの前で空を掌握したつもりでいるとはいい度胸じゃないか!」
 レイン・レーニア(雨は雲に、雲は雨に・f26412)も爆撃を前に「ピオッジャ」という紅き宝石の秘宝を着けた耳で発射音や落ちる爆雷が空気を震わせる音を聞き分け、第六感で攻撃を予測していた。飛ぶのはできなくても跳ぶならできそうだと踏んだレインは「ヒュエトス・ヴロヒ」で重力を操り一気に跳ぶと、「物理演算の神」が呼びだしたバグの効果もあってかたちまち空母の甲板に飛び移ることに成功したのだった。

●トラファルガー、ふたたび
「遂に来たか、猟兵よ……さあ、この私と一騎打ちだ!」
 甲板に立つネルソンはレインの姿を見つけるとレイピアを抜きレインに斬りかかった。だが、レインもそう簡単にやられてはたまるかとレイピアをかわす。
「何も目に映る敵全てを殺す必要はない、将の首ひとつ刈ればいいのだからね!」
 レインは全ての意識を集中させると、水柱や飛沫を凍らせ無数の氷矢にしてネルソンに投げつける。だがそう簡単にやられるネルソンではなかった。
「これで、爆薬は仕掛け終わったな……」
 レインとネルソンの死闘が続く中、こっそり空母に爆薬を仕掛け終わったヴィヴはレインにサインを送る。このまま戦っていては危ないと……。ネルソンに背を向け、海中に飛び込むレイン。
「待て、逃げるな!!」
 ネルソンは叫ぶが、こうなってはあとの祭り。迫り来る幽霊船の群れに何か不吉な動きを感じたその時だった。
「トラファルガーを再現してやる!」
 幽霊船のマストの上からエドゥアルトの撃った銃弾が、ネルソンの胸を貫いたのだ。刹那、倒れるネルソン。まさか、トラファルガーのときと同じか……。薄れ行く意識の中でネルソンは己の負けを悟ったのだ。

●空母、沈む
 その一方、かじできないロボに変身したエミリィは突入のときを待ちわびていた。ヴィヴの召喚した、爆薬を満載した幽霊船団が空母に突っ込むその時が攻撃の合図だ。果たして水上から爆発音が聞こえてくる。幽霊船団が空母に衝突し、先に仕掛けた爆薬と幽霊船団の爆薬で爆発を起こしたのだ。その時を待って、エミリィは最後の一撃をお見舞いする。
「酸素魚雷、百連射! いっきまーす!」
 エミリィは装備したありったけの魚雷を艦底に向けて叩き込む。魚雷が命中した空母はネルソンごと、その巨体を海に沈めていったのだ。
 時代と共に戦い方は変わっていくが、それに適応できなければ滅ぶのみなのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月12日


挿絵イラスト