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銀河帝国攻略戦⑤~蜘蛛の子を散らすように

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「ようこそお越しくださいました」
 グリモアベースに集った猟兵達を前に、キーア・エントール(完全聖・f02455)は頭を下げて礼をする。
「先の『ヘロトドスの戦い』にて戦端が開かれた銀河帝国との決戦。今回の予知は、それに関するものです」
 キーアが顔を上げると同時に、立体映像が投影される。
 映されたのは、形状、規模、想定される用途も戦闘用から居住用などと、様々なものが集った宇宙船の艦隊だ。一見纏まりのない船団が、全て同じ方向へと船首を向けているのは一種壮観な光景であった。
「この通り、決戦に参加しようと各地から宇宙船が向かってきてくれています」
 それ単体ならば喜ばしい報告だった。が、それだけで終わらかった為に、予知が成されたということ。
 立体映像に、一つの大きな変化が起こる。宇宙船の艦隊の行く手を阻むように現れたのは巨大な影。刺々しく攻撃的な形状を持つ巨体、銀河帝国の戦艦だ。
「銀河帝国も甘くはありません。戦力が集まる前、まだ分散している内に撃破を狙ってくるようです」
 帝国戦艦から、数多の影が射出される。宇宙空間を飛び船団へと襲い掛かるそれは、金属で作られた蜘蛛のような形だ。
 宇宙船団と帝国戦艦、それらがある空間を除けば、八割はその蜘蛛のような姿をした小型歩行戦車で埋め尽くされているといった圧倒的な物量戦の様相が作り出された。小型歩行戦車は宇宙船の外壁へと群がるように張り付き、備えつけられた工学兵器によって、装甲版を撃ち貫いては撃墜してゆく。
「このように、宇宙船団は圧倒的な物量によってすり潰されてしまいます。ですので皆様には、この小型歩行戦車が射出される前に殲滅することをお願いします」
 地獄絵図となった立体映像を消しながら、キーアは簡素に作戦を説明する。やられる前にやれ、先手必殺だと。
「帝国戦艦の内部へは私が案内します。皆様は役目を果たし、そして無事に帰ってきてください」
 再び頭を下げて礼をし、キーアは猟兵達を送り出さんと準備を始めた。


ももけも
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 このシナリオは『⑤帝国戦艦迎撃指令』のものとなります。

 こんばんは、こんにちは、あるいはおはようございます。
 ももけもです。そして戦争です。
 オープニングの通り、今回は小型歩行戦車の群れを殲滅していただきます。
 数を質で覆すのは英雄の特権です、思う存分見せつけてやってください。

 それでは、奮ってのご参加をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『小型歩行戦車』

POW   :    インペリアルキャノン
【機体上部に装備されたビームキャノン】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    タンクデサント
【完全武装した銀河帝国歩兵部隊】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    サイキックナパーム
【機体後部から投射する特殊焼夷弾】が命中した対象を燃やす。放たれた【搭乗者の念動力で操作できる】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

エクサ・カラーヌド
SPD

帝国歩兵部隊ナド、何人イタトコロデ変ワラン……ユクゾ、「黄金龍」(※バイク)!

「フルスロットル」ダ。弾幕ヲ躱シツツ、適度二アサルトウェポンデ撃チツツ、機ヲ見テ敵陣ノ中央二突進!残像スラ捕捉ハサセナイ。

敵陣ノ中央二ツイタトコロデ、ユーベルコード・我影掴不能ヲ放ツ。イクラ取リ巻キガイヨウガ、コイツデ本体毎纏メテ全テ「おじゃん」二シテヤロウ。。


クリューラ・センティファ
任務了解。遂行する。

宇宙バイクに騎乗して敵地に突入。他の猟兵と連携できるよう、進行速度を合わせる。
敵が現れたら【フルバースト・マキシマム】で【一斉掃射】。
弾幕で敵の進攻を阻害。前衛戦力の接敵を支援出来る様、タイミングを計る。

敵からの攻撃が味方に向かうならバイクを使って【庇う】
バイクが破壊されたらコクピットから飛び出し、黒豹の姿を模して戦闘を続行する。
勝利条件を満たした際に、少なくとも生存していれば問題は無い。淡々と砲撃を繰り返す。


松苗・知子
心情:
空が2分に船が8分ってやつかしら。
これは、結構しんどいわねえ。
っていうか、敵軍のが数も多いうえ、指揮系統がしっかりしてるのがマジきついわね。

行動:
宇宙ビックスクーターに跨って戦うわ。
バイクで思い切り加速して敵中に突っ込み、そこでユーベルコード発動!
敵の群れに穴を開けるのよ
「あさると!あーまー!ってやつよ!」
その後はいったん離脱して、敵を引き離してから再突入して同じことを繰り返す、一撃離脱戦法を取るのよ。

また、突っ込むところの選定は基本、味方が射撃とかである程度乱したところから脇を狙うわ。
離脱時はまっすぐ逃げず、味方の射線に対して角度をつけるようにして、味方が敵を狙えるようにするのよ。



「ユクゾ、黄金龍!」
 愛用の宇宙バイクを駆り、先陣を切ったのはエクサ・カラーヌド(テレビウムのスターライダー・f02365)だ。
 正確には、エクサ達だった。同じように、愛機を駆って並走する影が二つ。
 宇宙ビッグスクーターに跨る松苗・知子(天翔けるお狐・f07978)と、特にカスタマイズもされていないが、良く手入れされた機体と一体になったクリューラ・センティファ(ブラックタールの鎧装騎兵・f12129)だ。
 宙を裂く流星の如くに突撃する猟兵三人。これより目の前の宇宙船団に奇襲をかけようとしていた帝国戦艦は、立場を逆転させられ不意打ちを受けた形だ。内部への侵入者達に対してけたたましい警告音を鳴らしながら、本来射出するはずだった小型歩行戦車の軍団を艦内へと展開する。
 不揃いの金属音を鳴らしながら、駆ける三人の前へ並べられた小型戦車の群れ。それらは一斉に、上部へと備え付けられた光学兵器『インペリアルキャノン』を発射した。
 通路を埋め尽くす程の、横殴りの光線の雨。それを前にして、知子が愛機の速度を上げて他二機の前へと出る。
「あさると! あーまー! ってやつよ!」
 宇宙ビッグスクーターに仕込まれた術式、周囲に巡らされた恒常防護結界、そして、片手に構えた陰陽符。三つを瞬間的に連動させ、攻勢防御結界が構築される。知子を中心とした不可視の爆発とも言うべき力の奔流が、叩きつけられんとした光線の雨を悉く打ち払った。
「任務、遂行する」
 続いて動いたのはクリューラだ。体内へ保管していたアームドフォートを外部へ展開。形状は射撃と砲撃の系統を指定。さながら、重武装二輪車と呼ぶべき形状へ移行したような状態となる。
 防がれてはいるが、光線の雨が叩きつけられている現状。更には走行中もあり、敵に一体ずつ照準を合わせることは難しい。合理的な判断の下に、クリューラは何にも狙いを定めずに引き金を引いた。
 光線の雨に対抗するように、鋼と火薬の雨が降り注ぐ。ただ前へ当たればよいといった意思で放たれたそれは、艦内の壁面と諸共に、小型戦車を吹き飛ばした。
「フルスロットル、ダ! おじゃん、二ナレ!」
 三人への攻撃が弱まったところで、エクサが飛び出す。
 オーバーブースト。黄金龍の超加速機能を用い、一気に敵陣へと入り込む。ある程度深いところへ入り込み、前輪だけに急ブレーキ。停止した前輪を軸に、駆動し続ける後輪を動力にし、強烈な円運動を開始した。
 回転は白と黒の粒子を放出しつつ加速し続ける。やがてそれは、強大なモノクロームの砂嵐となり、周囲の小型歩行戦車を巻き込んでは崩壊させる。
 三人の連携により、現状展開されていた小型歩行戦車のほぼ全てが殲滅された。だが、彼らの現在位置は侵入地点から然程進んだ位置では無い。前に伸びる通路は未だに長く、奥から大量に補充される小型歩行戦車が目視できた。
「一旦離脱!」
「了解、ヒットアンドアウェイ戦術と認識」
 知子の提案にクリューラが返答し、エクサが頷く。三人の猟兵は機首を反転して疾走し、無傷で敵陣からの離脱を果たすことに成功した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

木霊・ウタ
心情
世界を過去の侵略から救えるかも知れないって戦いか
なら負けられないよな
宇宙船団をやらせやしないぜ!

手段
命と未来を守るという想いを込め
Wウィンドを奏で歌い皆を鼓舞
;コミュ&パフォ&演奏&歌唱&手をつなぐ&鼓舞&勇気&優しさ

今を生きる命が未来を創っていく
未来は命の重みなんだ
それを過去に消させやしない!

地獄の炎を纏う焔摩天を喰らわせ歩兵諸共薙ぎ払う
:属性攻撃&破魔&薙ぎ払い&鎧砕き&UC

武器受けの他UC使い防御
ビームは火炎による陽炎で回避
高熱でセンサーも狂わせてやるぜ

ナパームの炎に地獄の炎をぶつけて
その爆発や延焼を阻害


聖護院・カプラ
予知と転送をありがとうございます。
自由の反旗を翻した船団を宇宙の塵にせんと動く銀河帝国の行い、何としても改めさせねばなりません。

『小型歩行戦車』のルーチンを崩すにはこちらもユーベルコードを。
瞑想し座禅の体勢を取る事で心頭滅却し、インペリアルキャノンもまた涼しとなる事でしょう。
敵前で動きを止め、存在感をセンサーに叩きつけてくる私を『小型歩行戦車』を優先的に攻撃してくる筈。

耐え続ける事で攻撃の手を私に向けさせる事で、味方の攻撃の機会に繋がればと思います。


ルトルファス・ルーテルガイト
(武装を持つ、大量の機械蜘蛛に顔をしかめ)
……生命を感じとれない機械は好きになれん、特に…壊す事しか出来ない様な無機質な人工物はな。
(柄の無い剣を構えながら)

…精霊剣による「光の精霊の加護」を受けた剣で、蜘蛛を切り払いに行く。
…機械といっても心臓部となるモノがあるはずだ。
…短期間で数を破壊するため、心臓部を狙い撃つように敵を倒す。

…数の暴力なんぞ、地上で何度も経験してきた身だ。
…宇宙とはいえ、ただ敵を倒すことに変わりはない。



 同型機の残骸を踏み潰しながら、猟兵達へと迫る小型歩行戦車。それらに対し、前に出たのは聖護院・カプラ(旧式のウォーマシン・f00436)だ。
「貴方達のそれはいい行いではありません。改めなさい」
 数歩分進んで停止。座す台座は更に高く浮き、周囲に浮く宝珠と背後より出でる後光が輝き、あらゆるものを惹きつける圧倒的な存在感を放った。
 スペースシップワールドとは、科学により多くのものが解明された世界である。その明かされたものの中には、徳エネルギーも存在した。意思あるものの精神活動によって生み出される徳エネルギーは、安定感こそ低いものの、優れた動力源として認知されている。であれば当然、それを感知する技術も広まっていた。
 突如として目の前に現れた小型恒星級のエネルギー体に対し、小型歩行戦車の行動ルーチンは最大警戒時のものとなった。その場で全機が移動停止し、光学兵器、焼夷弾と全ての装備兵装を稼働させる。
 カプラ一人を破壊するには過剰と言える火力。しかして彼は座して黙し、動じない。着弾し轟音が響くも、その身体には損傷一つ無い。
 自他の行いに徳を見出すカプラは、彼が彼である限り不滅の、功徳永久機関とも例えるべき存在であった。
「救えるならばやめられない! 未来の命は消させはしない!」
 暴風のようなギターの音色、韻踏んだ歌唱とも取れる叫びが響く。
 木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)が、仲間を鼓舞しようと、愛用のギター『ワイルドウィンド』を掻き鳴らしていた。
「今を生きる! 命が創る! 未来を紡ぐ! 過去が齎す禍根が壊す! 未曽有の危機を未然に防げ!」
 演奏はやがて本物の嵐となる。詩に込められた熱意は炎となり、猟兵達に活力を分け与えた。
「精霊よ、この声に耳を傾け給え」
 自陣に満ちる力の奔流の中で、静かに刀身の無い剣を構えるのはルトルファス・ルーテルガイト(ブレード・オブ・スピリティア・f03888)だ。
 自らに加護を授けたる光の精霊に、ウタの歌声を加えて呼びかける。力強い願いは、加護を更に強める原動力となる。
「闇を裂く光を、この剣に示し給え!」
 閃光。
 爆発音を幻聴するかのような輝きと共に、太陽の如きに輝く揺らめく光の刀身が現出された。
 光剣を構え、駆け出すルトルファス。演奏を終えたウタも、断罪の炎を纏った大剣を担ぎ、負けじと追って走り出す。
「いいですね」
 黙して全ての攻撃を受け止めていたカプラが、自らを抜いて前に出た二人の輝きを見てそう呟いた。感銘を受けた心が更に徳エネルギーを生産し、増産されたそれは接敵直前の二人へと渡され、更に輝きを強める。
 まず、ルトルファスが接敵した。強大なる光剣を繊細に振るう。小型歩行戦車の一機に対し、一振り。的確に心臓部を見抜き、大熱量の一閃で装甲を蒸発させながら破壊し、停止させてゆく。
 ここにきて、小型歩行戦車はカプラ以外の脅威を認めた。凄まじい速度で殲滅を行うルトルファスに対し、味方の巻き添えをも辞さない攻撃を開始する。
「……命の無い機械は、やはり好きになれんな」
 攻撃の手を止め回避行動を取ろうとしたルトルファスだが、それがなされる前にウタの割り込みが成功する。
 大剣の一旋。焔摩天の炎は、触れた敵機を爆発させながら、更に周囲の小型歩行戦車のレーダーを狂わせる。明後日の方向に飛び交う焼夷弾、互いに装甲を貫き合う光学兵器の照射。
 危機を回避したウタは親指をグッと立て、ルトルファスはそれに口角を少し上げて答える。直後に再度散会した二人はそのまま小型歩行戦車を殲滅し、猟兵達は敵の攻勢の第二陣を無事攻略することに成功した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ステラ・アルゲン
戦が始まってしまいましたね。味方の宇宙船を守るためにも敵戦艦を討ちに行きましょう。……我が主よ、どうか見守っていてください。一度深呼吸して、気持ちを切り替える。武器としての本能を呼び覚ますために。

蜘蛛のような四足ならば、その足部分を狙って【なぎ払い】の攻撃する。足がなくなれば満足に移動ができなくなるはず。一体終わったらすぐにもう一体を狙う。【2回攻撃】と【ダッシュ】で敵を斬りながら戦場を駆けましょう。
もちろん上部に付けられたキャノンの破壊も忘れない。もし敵のビームキャノンを放たれたら星の力を宿した【オーラ防御】を刀身に纏わせ強化した上で、【流星一閃】にて斬り伏せる!
(連携・アドリブOK)


クロウ・タツガミ
【POW】

戦車とて、このサイズならば

辺りを【情報収集】し【地形を利用】して囲まれにくい狭い通路などで戦うつもりだ。武器はサカホコ(槍)、狭い場所だ突く攻撃が有効ではないかな。【戦闘知識】を用い、【怪力】による【2回攻撃】で敵を【串刺し】にだな

新手か、だがここなら

新手が来たら【力を溜め】たレプリカの【投擲】で【先制攻撃】だな、狭い場所なら新手の出現に合わせれるかもしれない。敵の攻撃はガンドレットによる【盾受け】で防ぎ、近くの猟兵への攻撃は極力【かばう】つもりだ、多少の攻撃ぐらいなら【激痛耐性】で動きが鈍ることもあるまい

ここで、避けれるか?

敵の群れに対しては纏めて黒帝九相で攻撃だな



 通路を進む猟兵達は、最奥の扉に近い場所まで進んできた。そこを潜れば、おそらくはコントロールルームであろう。制圧すれば勝ちが見える。
 同時にそれは、敵の抵抗の激しさも増すということだった。最終防衛線とばかりに並べられた大量の小型歩行戦車と、その随伴として隊列を組む歩兵部隊。
「新手か」
 前に出たのは、クロウ・タツガミ(昼行灯・f06194)だ。『サカホコ』の斧槍を構えつつ、敵の配置や武装を確認する。
 場は一本道で遮蔽物は無し。新手の歩兵部隊は近接戦用と思われる武装を所持。敵の数量が多い為、一部でも崩せば動きを制限できそうだ、といった感想を抱く。
「……我が主よ、どうか見守っていてください」
 腰を落とし、構えを取ったクロウのすぐ傍を、言葉と風が通り抜ける。
 流星の如く駆け抜け、敵の一団の眼前に現れたのはステラ・アルゲン(流星の騎士・f04503)だ。小型歩行戦車を標的として抜刀。足を止めずに間をすり抜け、脚部を斬り飛ばしてゆく。体勢を崩した小型歩行戦車に対し、今度はそれを足場とするように跳ねて戻る。
 呆気にとられた歩兵部隊を置き去りにして着地。抜き身の剣を鞘に納めれば、星の光が瞬いた。脚部に続き、兵装を切断された小型歩行戦車は、無力化をされる。
 ここで、歩兵部隊は冷静さを取り戻した。近接武装が主とはいえ、射撃装備を持たないということは無い。小型銃を取り出し、一斉にステラへと向け、発射。
 迫る熱線。ステラを撃ち抜かんとするそれを、阻んだのはクロウの肉体だった。
「少し待ってから動けなかったのか?」
 痛みを覚えた様子も無く、クロウはステラに問う。
「ええ、信用していましたので」
 静かに、確信をもって。戦友へと語り掛けるように答える。
 そうか、と振り向かずに頷くクロウに対し。歩兵部隊は更に射撃を行おうと引き金を引いた。が、熱線は放たれない。
 見れば、銃口には小さな刃が突き立っていた。会話の最中でも隙を見せず、クロウが投擲した暗器だった。
 歩兵部隊の行動が止まったことをクロウは見逃さない。腰を据え、斧槍を投擲する構えを取る。
 ただならぬ気配を感じ取り、近接武装を展開して迫ろうとする歩兵部隊。だが、散らばった小型歩行戦車の残骸が、その速度を落とす。
「滅べば皆、九相に至る」
 振り抜かれた腕、放たれた斧槍。歩兵部隊へと向かうそれは空中で禍々しい形状へと変化し、分裂。先端が分裂を繰り返し、逃げ場を全て奪う程に拡がって迫る刃となった。
 着弾、貫通。そして轟音。
 一人残らず貫かれ、身体から力が抜ける歩行部隊。敵を全滅させた刃はそのまま伸び進み、奥の扉までをも破壊していた。
「お見事。では、行きましょうか」
 斧槍を手元に戻したクロウを褒め称えつつ、ステラは歩き出す。先の流星の如きそれとは異なった、余裕を感じさせるゆったりとした動きで。
 クロウもそれに続く。前を歩くステラとはまた異なった、警戒を緩めない規則正しい歩幅のそれで。
 通路での攻防は全て終わった。残るは、コントロールルームの制圧のみだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アララギ・イチイ
さて、耐久テストを始めましょうぉ
帝国軍の戦車・戦艦がEMP(電磁パルス)対策をどれだけ真剣に取り組んでいるのかのねぇ

仲間達にも影響を及ぼすから事前に~爆弾を使用するわよぉ(はぁーと)、って注意喚起しておきましょうかぁ
侵入と同時に床面に【UC:特殊武装・小型EMP爆弾】を設置して起爆させるわぁ
電磁パルス対策が不十分なら電子部品や破壊されたり、停止するのだけどぉ……さて、効果の程はどうかしらぁ

まぁ、まだ稼動する敵は居るでしょうから、武装の単装速射砲に【鎧無視攻撃、鎧砕き】の徹甲弾を装填、左右交互撃ち【2回攻撃】で敵を攻撃するわぁ
反撃もあるでしょうから、シールドビットを展開して【盾受け】しておくわぁ


レッグ・ワート
俺が普段いる船も来かねないから船団襲うとか勘弁してくれ。とは思うが、まああちらさんも仕様っていうか仕事だから言われて止まる訳ないわな。そこはわかる。

見切りで攻撃避けたり鉄骨で武器受けたり、糸使ってそこらの戦車や歩兵盾にしながら詰めてくぜ。耐性もあるし、多少は捌けるだろ。囲まれたりしたら無敵城塞使って動く隙待つわ。狙いとしちゃ先ずはキャノンと背面叩き壊して、搭乗者のいる本体というか中の機関に衝撃でダメージいれてきたい。少しでも拉げて隙間作れたら、ハッチ周りに鉄骨噛ませて怪力任せにハッチあけて中の人ポイしてやろうか。使えそうならキャノンで他の戦車や歩兵薙ぐが、ダメそうだったら操作盤壊して次いくわ。



 突如こじ開けられた扉の方へ、射撃兵器を構える歩兵部隊。しかし暫く経っても、誰一人としてコントロールルーム内部に突入してくる者は居ない。
 警戒を解かずに構え続ける歩兵部隊。その足元から、小さな音がした。目だけで見やれば、何時の間にか設置されていたのは爆弾らしきもの。
 対処の間も無く、爆発。その影響は火力と衝撃とは別のもので訪れた。歩兵部隊の構えていた兵器は軒並み煙を吹いて故障し、装備していた全身鎧も一部機能が損傷。視界が一時的に奪われ、動きが止まる。
「起動手順が複雑で面倒だったわぁ……。おかげで少し時間かかっちゃったじゃない」
「そう言いなさんな、そういうのは簡単に誤作動しない為って理由があるんだよ」
 呑気な会話をしつつ扉の内部を覗き込んだのは、アララギ・イチイ(ドラゴニアンの少女・f05751)とレッグ・ワート(其は脚・f02517)だ。敵が一時無力化されているのを確認すると、正面から堂々と歩いて内部へと侵入する。
 猟兵達の最後の目的は、帝国戦艦の航行不能だ。その為に電子機器を破壊することができるイチイと、かつては帝国に所属しており、内部制御系に心当たりがあるレッグが、攻略班へと選ばれた。
「ねぇ、はやく弱点教えてよぉ……。ぐずぐずしてると敵が起きちゃうわぁ」
「急かすな急かすな、俺だって詳しい訳じゃあないんだ」
 果たしてその性急さは危惧と楽しみのどちらから生じたものかは判らないが、イチイはレッグを幼子がするように急かす。やれやれ、と頭を掻く人間らしい動作をしながら、レッグは自身の再起動前の記録を何とかして探る。損傷が激しく困難な作業であったが、仕事だから仕方ない。と念入りに検索し、該当すると思われるものを探り当てた。
 イチイに口頭でそれを伝え、先と同じように爆弾を設置させようとしたその時。歩兵部隊の全身鎧が再起動した。携行兵器は未だに故障中の為、自らの手足を用いた格闘で制圧せんと、レッグとイチイに迫る。
「ビット出せ! 後は受け持つから爆破急げ!」
 イチイの射出したシールドビットに接触し、自身と同一機体と認識を拡大。無敵城塞を発動し、安全領域を作り出すレッグ。
 その中から手当たり次第に小型EMP爆弾を周囲に投げて設置するイチイ。
「さて、耐久テストを始めましょうぉ。……そぉ~れ、い~ち、に~ぃ、さ~ぁん」
 間延びした台詞と共に、一斉爆破。電磁パルスの奔流に、今度こそ歩兵部隊の全身鎧は完全に停止し、コントロールルーム内の機器も異常動作を始めてアラームを鳴らす。
「こりゃあやべえな、爆発するわ」
 組みついたまた停止した歩兵を引き剥がしつつ、ぼそりとレッグが漏らす。
 興奮した表情から一転、血の気が引いたイチイは、急いでコントロールルームから脱出し、叫びながら来た道を駆け戻る。
「爆発するわぁ~! みんな逃げてぇ~!」
 一拍遅れてコントロールルームから出るレッグ。そのまま他の猟兵達ともに通路を走り抜け、最後尾として侵入地点へと到着。彼を最後として、猟兵達は無事全員、帝国戦艦からの脱出を果たした。
 程なくして、激しい爆炎と共に、音無くして宇宙空間で爆発する帝国戦艦。数度の爆発を繰り返し、最後に一際大きく発光。直後に、画像処理をするかのように一瞬で痕跡ごと消え失せた。
 決戦へ向かう宇宙船団は、何にも気付かない。平穏に旅を終え、決戦の舞台へと上がる。
 誰に知られずとも。猟兵達の戦いは、確実に人を助け、悪を挫く。伝説に謳われた英雄、解放軍のそれに等しいものであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月03日


挿絵イラスト