羅針盤戦争〜提督を撃破せよ!
羅針盤戦争がはじまり、グリモアベースはいつに増して慌ただしかった。
戦いに赴く者、依頼の説明をする者、戦いから戻り新たな戦いに向かう者。
海老名・轟(轟く流星・f13159)はグリモアベースの空いたスペースで依頼に参加する猟兵達へと今回の戦争について大まかな説明を行っていた。
「今回の依頼は七大海嘯『舵輪』ネルソン提督の撃破が目的だ」
言いながら猟兵達へと視線を向けつつ轟は更に話す。
自然豊かな島とその周辺海域を制圧したネルソン提督だが、その攻撃方法はなんと飛行能力の阻害される海上にある『クレマンソー級空母』から、カタパルト加速により阻害効果を無効化された天使の群れを飛ばし、攻撃の届かない高高度から爆雷を投下するとうものなのだ。
「ちょっとまった、攻撃の届かない高高度からの爆雷投下だって?」
「こっちは飛行できないのに敵は飛べるって、どうすればいいんだよ」
さすがに説明を聞く猟兵達はざわつき疑問を投げかけるが、轟は全く心配していなかった。
「お前達には今まで積み重ねてきた経験がある。これくらい難なくこなせるだろう」
と、あっさり言いきった。
空母に近づかなければ攻撃する事もできないが、近づいてしまえば勝ったも同然である。
「七大海嘯中、最も指揮に優れた『提督』らしいが、他の七大海嘯に比べれば比較的与しやすい相手だ。先制攻撃をくらうだろうが、お前達ならできる」
そう話す轟は既にグリモアキューブを展開しており、その背には豊な森と綺麗な砂浜、そして透き通る海の先――見えるのは提督が指揮するクレマンソー級航空母艦。
「さて時間だな」
潮風と共に緩やかな波の満ち引きの音がここまで聞こえてくる。
「準備はできてるか? できてるな? それじゃさっさと行ってさっさと片付けるぞ!」
転送された猟兵達は空母が待ち構える島へと足を踏み入れたのだった。
カンナミユ
カンナミユです。
ついに羅針盤戦争がはじまりましたね!
目指すは飛行能力の阻害される海上にあるクレマンソー級空母、そして七大海嘯『舵輪』ネルソン提督。
今回のシナリオにはプレイングボーナスがあります。
プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。
それではよろしくお願いします。
第1章 ボス戦
『七大海嘯『舵輪』ネルソン提督』
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POW : 天使の行軍
【カタパルトで加速射出された天使の】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【他の天使】の協力があれば威力が倍増する。
SPD : 天使による高高度爆撃
【天使達が投下する爆雷】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【位置と予測される移動範囲】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ : 武装天使隊
召喚したレベル×1体の【透き通った体を持つ天使】に【機関砲や投下用の爆雷】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
イラスト:シャル
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ベルベナ・ラウンドディー
一方的な攻撃を切り抜けろ、か
偵察の仕事とはこうでなくてはね
●念動力・ジャミング・範囲攻撃
●衝撃波
爆弾を念動力で空中散布で固定、対爆撃用の機雷とする
爆炎爆風の盾は宛ら空中に結界を隔てるが如く
音で熱で此方の位置の特定を回避しつつ、
バッタかトビウオか地面海面を衝撃波で蹴とばし進行する
●索敵・戦闘知識・読心力
●元気・砲撃・衝撃波
ユーベルコードで索敵能力を強化
布陣や配列から傾向を読み、カバーの薄い方角に展開
同行や後続する他猟兵に情報提供をしつつ空母に近づき
生命波動による砲撃をブチ当てる
一撃離脱、これに尽きます
見敵必殺、単純明快で実に結構
だがその単純さが通用しない故に偵察と言う兵種が存在するのですよ
オーガスト・メルト
有利な戦場で相手に何もさせずに攻撃する…確かに有効な戦術だ。
俺たちが相手じゃなければ、だがな。
【POW】連携・アドリブ歓迎
デイズ、ナイツ、【竜鱗飛甲】を召喚しろ。『うきゅ!』『うにゃ!』
ナイツの竜鱗飛甲をサーフボード代わりにして海上を滑って移動する。
デイズの竜鱗飛甲は敵の突進攻撃を【盾受け】で受け流せ。
天使の射出から着弾までにかかる時間があれば充分に【見切り】可能だ。
俺を艦に近づけなければ勝てると思ったか?
俺は仲間を攻撃に巻き込まない場所へ移動したかっただけでな…最初からお前は射程内にいるんだよ。
UC【赤光竜牙星断剣】の水平斬りで敵空母を斬り裂く!
長距離攻撃の手段はこちらにもあるのさ。
マユラ・エリアル
天使を連れたイケメン提督か
…厄介な奴だな
天使の対処に空母までの道のりか…
さてどうしたもんか
ま、当たって砕くだけだな
●
まるで天使の弾丸だな
厄介ではあるが逆に言えば、突進してくるだけだ
ならばまあ、対処は可能だな
突進してくる天使を見定めて、右手の鉤爪で「武器受け」して捕まえる
「怪力」で無理矢理押さえつけて首を掴み無理矢理言う事をきかせ、背中に乗り「操縦」して空母を目指す
空母に着いたら宝珠解放を発動
鉤爪の力を全力解放、威力を最大まで引き上げる
天使から飛び降りて鉤爪による一撃を与える
ネルソン提督、一発殴りに来たぞ
接近してしまえば此方のものだ
さて、決闘の心得はあるかな提督?
渾身の一撃、喰らわせてやる
「天使を連れたイケメン提督か……厄介な奴だな」
吹き流れる潮風にマユラ・エリアル(氷刃の行方・f01439)の銀糸が大きくなびく。
マユラをはじめ猟兵達が見つめる先には蒼き水平線があり、この周辺海域を制圧した空母――クレマンソー級空母がその存在感を見せつけていた。
空母を指揮するのは七大海嘯『舵輪』ネルソン提督。依頼を受けた際の説明によれば、提督はカタパルト加速により阻害効果を無効化された天使の群れを飛ばし攻撃をしてくるとの事。
ほどなくして空母から天使たちが射出されたのを確認したベルベナ・ラウンドディー(berbenah·∂・f07708)は爆弾を念動力で空中散布を行い固定する。
射出された天使たちは恐ろしいほど速く、数も数え切れない程だ。おそらく幾重にも畳みかけるようにして攻撃を仕掛けてくるに違いない。
波状攻撃をかけてくるだろう天使たちの攻撃を果たして耐えきれるだろうか。
――ド、ズドドドドドドドドド!!
猟兵達の頭上で数多の爆発の花が咲き誇る。
ベルベナが設置した爆弾が対爆撃用の機雷となって天使たちの行く手を遮ったのだ。もちろん運よくそれを潜り抜けたとしても爆炎と黒煙の中である。視界が聞かない状態ではこちらに突進するのも難しいだろう。
「一方的な攻撃を切り抜けろ、か。偵察の仕事とはこうでなくてはね」
新たな機雷を設置しつつ目標へ向かって駆けだしたベルベナは砂を蹴り、その足は砂から海面に触れ――沈むことなく水面を走っていく。
「天使の対処に空母までの道のりか……さてどうしたもんか」
「有利な戦場で相手に何もさせずに攻撃する……確かに有効な戦術だ。俺たちが相手じゃなければ、だがな」
飛行できないという状況下、海面を衝撃波で蹴飛ばし進んでいくベルベナの背を目にマユラはオーガスト・メルト(竜喰らいの末裔・f03147)と言葉を交わすが、
「ま、当たって砕くだけだな」
策の一つもなしにここに来るようでは猟兵の名折れというものだ。
「そっち行ったぞ!」
オーガストの鋭い声に見上げると、ベルベナの機雷を抜けた天使がマユラめがけて突っ込んでくる。
これは好都合である。
「こっちだ!」
突進してくる天使の攻撃を鉤爪で受けると、すかさず押さえつけて首を掴む。ばたばたと激しく暴れるが、それをもマユラは押さえつけた。
「殺されたくなければ私を提督のところまで連れていけ!」
「……! …………!!」
射抜かんばかりの鋭い眼光に天使は答えない。だが、その体は大きく跳ね上がるとばさりと上空に舞い上がりはじめた。
振り落とされないようにしっかり掴むと、うまくコントロールし天使を空母へ向けて進めていった。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫だ、私は天使に乗って空母まで行く」
海上からのベルベナの声に応えたマユラは天使を操作し空母へと向かっていった。
突破口は色々なところにあるものだと感心するオーガストが移動に使うのは頼れる相棒。
「デイズ、ナイツ、『竜鱗飛甲』を召喚しろ」
『うきゅ!』
『うにゃ!』
まんまる白黒饅頭大福もとい竜王と竜帝が召喚した夫婦盾の一つにひょいと飛び乗ると、サーフボードのように勢いよく滑り出した。ざっと水しぶきを上げながら天使の攻撃をばっと飛び避け、デイズが召喚した盾で受けいなす。
「子供の頃は散々練習させられたものですがね……」
強化した索敵能力を駆使するベルベナの情報により提督がいるであろう場所、布陣や配列から傾向を読みとり、天使の射出からの着弾予定をオーガストは割り出していく。上空には展開した機雷もある。難なく攻撃を躱すことができるだろう。
「向こうのほうが敵のカバーが手薄です。気づかれないうちに空母に接近しましょう」
新たな天使たちの攻撃に備えつつも猟兵達は空母へと向かっていった。
「右だ! っ、言うことを聞け!」
操る天使に少々苦戦するマユラだが、標的は目前に迫っている。もう天使に頼る必要はない。
「ここで十分だ」
掴んでいた手をぱっと離したマユラの身体は空母めがけて一直線。このままでは衝突のダメージで大怪我を負ってしまう。
だが、猟兵であるマユラならば問題はない。
――我が手に満ちよ、氷の力。
が、ぎいぃ、いいん!!
宝珠解放により威力を最大限に引き上げられた理想世界の名を冠した武器は倒すべき相手がいるであろう場所をたった一撃で抉り取った。
「ネルソン提督、一発殴りに来たぞ」
天使を連れたイケメン提督ことネルソン提督は突然現れた襲撃者を前にしても表情一つ変えなかった。
銃を手にする提督よりも先に動いたのはマユラだった。
「さて、決闘の心得はあるかな提督? 渾身の一撃、喰らわせてやる」
「っ、ぐ!」
渾身の一撃を正面から受けた提督は壁に叩きつけられるも、まだ動くことはできるようだ。ごぶりと血を吐きながらも軍服の袖でぬぐうとよろめき立ち上がる。
「おのれ、よくも……っ! なんだ!?」
続けて何か言いかけたが大きな揺れに言葉はさえぎられてしまった。
「見敵必殺、単純明快で実に結構。だがその単純さが通用しない故に偵察と言う兵種が存在するのですよ」
一撃離脱。海上にて生命波動による砲撃を打ち込んだベルベナが続く仲間の攻撃に巻き込まれないよう遠ざかるべく海面を蹴って空母から離れていった。
そのスタがを視界に収め、オーガストはにっと不敵な笑みと共に空母をひと睨み。
「俺を艦に近づけなければ勝てると思ったか? 俺は仲間を攻撃に巻き込まない場所へ移動したかっただけでな……最初からお前は射程内にいるんだよ」
竜鱗飛甲と竜王、竜帝揃いて刃となれば、この一太刀は常識を超えたものとなる。
「竜の牙は全てを穿つ……我らの剣に断てぬものなし!」
ざ、んっ!!
長大な星断剣によって断ち切られた空母は爆炎を上げ、轟音を響かせた。
「長距離攻撃の手段はこちらにもあるのさ」
必殺の一撃が決まり、オーガストは竜鱗飛甲を操り天使たちの攻撃をかいくぐり戻っていく。
こうして空母へと一撃を放った猟兵達は残る仲間達の元へと戻っていったが、この攻撃は敵にとって甚大なダメージとなり見過ごせないものとなった。
提督、そして空母が沈むのは時間の問題である。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
マリア・ルート
なるほどね、空母に近づければ…と。
なら、【指定UC】でその空母まで続く鋼鉄の階段を作ろうじゃない。
これを使っている間は私は無敵。どんだけ突撃されようと私に影響はないわ。ダメージなければさしてノックバックされないでしょうし。可能なら剣で軽くいなしてみせようかしら。
創造しながら最上段付近を進んで、もしコードの限界量まできたら一番下の段を消してその分でさらに上の段を。これを繰り返せば悠々と空母に辿り着けると思うわ。
空母にたどり着いたらネルソン提督を探して攻撃。
あんた、ぶっ飛んでる天使たちがどんな思いなのか考えたことある!?
1発殴らせなさい!(ガントレット装備して攻撃)
ビスマス・テルマール
空が飛べないなら、海を行けば良い
その為の『オーマグロ』ですから
●POW(対策込み)
『第六感』で『見切り』
『水中戦&水上戦&水中機動&水泳』で掛けつつ『属性攻撃(鳥もち)』と『オーラ防御』を込めた『弾幕』を『早業』で『範囲攻撃&一斉発射』して
天使達に対するバリケードを用意し『盾受け&ジャストガード』で凌ぎ
その隙に『早業』でUCを攻撃力重視で発動
そのままバリケードに使った技能群で
やり過ごしつつ『水中戦&水中機動&推力移動』で駆け抜け〈蒼鉛式ご当地ビーム(クロマグロ)砲&ジュリンプル・グレネドフォート〉を『誘導弾&鎧無視攻撃&貫通攻撃』込め、ネルソンに『一斉発射』ですっ!
※アドリブ絡み掛け合い大歓迎
司・千尋
連携、アドリブ可
空を制するだけじゃ勝てない、と言う事を教えてやるよ
圧倒的に有利な立場で負けたって痛感しろ
近接や投擲等の武器も使いつつ
攻防は基本的に『翠色冷光』を使用
回避されても弾道をある程度操作して追尾させる
鳥威を足場代わりにし
徐々に距離を詰め『翠色冷光』の範囲内に提督が入るよう位置調整
先制含む敵の攻撃は細かく分割した鳥威を複数展開し防ぐ
割れてもすぐ次を展開
オーラ防御も鳥威に重ねて使用し耐久力を強化
回避や迎撃する時間を稼ぐ
間に合わない時は双睛を使用
カタパルト射出なら位置がわかっていれば防ぐのは容易いはず
射出する瞬間を見極め対応
カタパルトでの加速射出なら
複雑な対応は出来ないはず
速いだけの的だな
ヘスティア・イクテュス
くっ…わたしから空を奪うとはやるじゃない……
けれど空が飛べなくても経験はこっちが上!海賊としての格を分からせてくれるわ!
S.F.Oを海面に浮かべその上に、飛ばなければ問題ないわよね!
アベル、操作は任せたわ!敵攻撃を回避しながら接近よろしくね!
わたしはその上に乗って落ちてくる爆雷をミスティルテインで迎撃!【武器落とし】
ついでに爆雷の落下位置から『情報収集』、アベルで動体反応を『索敵』し
大雑把に狙ってみて【スナイパー】天使も落とせたら良好ね
さぁ!これだけ近ければ爆雷も落とせないわよね!
船側面にマイクロミサイルの【一斉発射】!
敵機撃墜!それじゃあ、帰投しましょうか
ざざーん……ざざーん……。
白いしぶきとともに波が迫り、引いていくと再び潮は足元へと寄せてくる。
「くっ……わたしから空を奪うとはやるじゃない……」
潮の満ち引きの優しさとは対照的にヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)の心は穏やかではなかった。
グリードオーシャンは異常気象のせいか、島間の飛行が阻害されている。当然、今回の依頼で飛行する事は叶わない。
母から受け継いだ妖精の羽を象った白いジェットパックを使えないのだ。
猟兵達の視線の先には七大海嘯『舵輪』ネルソン提督が指揮するクレマンソー級空母があり、当然これを撃破するには空母まで近づかねばならない。
――と、戦闘が行われている空母のカタパルトから何かが射出されるモノが見えた。
ああ、あれは、阻害を受けぬ天使の大群。
標的をこちらへと定めた天使の大群は速度を上げてやってくる。接敵までのんびり待ち構える猟兵達は一人もいない。
考えた策と共に一人、また一人と空母めがけて猟兵達は進行を開始した。
「来たわよ!」
迫る天使の大群を目にマリア・ルート(千年の王国から堕ちのびた姫・f15057)は仲間達へと声を上げた。
マリアの身体は海上の上にある。飛行できないのならば足場を作ってしまえばいいとばかりに創造した足場――鋼鉄の階段を進んでいく。
「空が飛べなくても経験はこっちが上! 海賊としての格を分からせてくれるわ!」
「空を制するだけじゃ勝てない、と言う事を教えてやるよ。圧倒的に有利な立場で負けたって痛感しろ」
浮かべたUFOに乗ったヘスティアに司・千尋(ヤドリガミの人形遣い・f01891)も頷くと展開させている鳥威を一つ、また一つと前へ飛ばして足場を作りながら海上を進んでいると、
「Namerou Heart Omaguro! 海と沖膾の鮪の覇者は今此処に、オーマグロ転送!」
起動音と共にオーマグロ転送時の鎧装を完了させたビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)もまた天使の大群を目に海中を進んでいた。
空が飛べないなら、海を行けば良い。そう、その為の『オーマグロ』なのだから。
階段を駆けるマリアの青い双眸にはビスマスが展開した天使達に対するバリケードが飛び込んできた。鳥もちとオーラの弾丸によって作られたそれに天使達は攻撃を妨害され、
「アベル、操作は任せたわ! 敵攻撃を回避しながら接近よろしくね!」
サポートAIによって巧みな操縦によってバリケードをくぐり抜けた天使の突進をやすやすと躱すヘスティアはビームライフルで構え――撃つ!
「そっちはお願い!」
剣で天使たちをいなすマリアにビスマスと千尋も行動に出る。
鳥威を足場に進む千尋はちらと空母を見て天使達が射出される瞬間を見極める。カタパルト射出なら位置がわかっていれば防ぐのは容易いはずだろうし、カタパルトでの加速射出なら複雑な対応は出来ないはず。
それにビスマスのバリケードにヘスティアとマリアの攻撃もある。仲間達の存在があればどんな攻撃だろうと十分持ちこたえられるだろう。
向かってくる攻撃を細かく分割した鳥威を展開させて防ぎ、仲間へ向かう敵は追尾する。
「速いだけの的だな」
海面へと落ちた天使のしぶきが跳ねたその先、マリアに複数の天使たちが襲い掛かったのだ。
「あぶない!」
「っ、間に合って!」
声を上げたビスマスとヘスティアは援護に動こうとし、千尋も鳥威を展開させるが今からでは間に合わない。直撃は避けられないだろう。
――だが、
「ありがとう、でも大丈夫よ」
仲間達の行動に返すマリアの足元に新たな階段が創造される。と、同時に吹き飛ばそうと突進してきた天使がまるで見えない壁に衝突したように弾かれてしまったのだ。
一体何が起きたのかと思考を巡らせる仲間達へと駆けるマリアは説明をした。
「これを使っている間は私は無敵。どんだけ突撃されようと私に影響はないわ」
能力の限界量まできたら一番下の段を消してその分でさらに上の段が生じていく。なるほど、これならばダメージを受ける事無く近付けるだろう。
猟兵達は駆ける、空母目指してひたすら駆ける。
「いくわよ!」
無事に階段を伸ばし続けたマリアは空母へ飛び乗るとそのまま一気に敵――ネルソン提督がいるであろう場所まで一直線。
「来たか」
「あんた、ぶっ飛んでる天使たちがどんな思いなのか考えたことある!?」
その男は敵対する存在が目前にあろうとも表情ひとつ崩さなかった。
「1発殴らせなさい!」
ご、っ!
「ぐ、うがぁっ!」
空を穿ち、魔を滅する拳は提督の顔面に直撃し、身体は離れた壁まで吹っ飛んでしまった。
ずず、ずず……ん!
ぎりっと拳を握るマリアの耳に仲間達の攻撃の音が飛び込んでくる。早々に退却せね攻撃を受ける可能性もあるだろう。
「さぁ! これだけ近ければ爆雷も落とせないわよね! マイクロミサイルを一斉発射よ!」
「蒼鉛式ご当地ビーム砲&ジュリンプル・グレネドフォート一斉発射!」
ヘスティアとビスマス二人の一斉発射に巨大な爆発と黒煙が上がり、
「消えろ」
千尋によって示し放たれる高威力の青い光弾によって空母の側面は大きく抉られる。
轟音と爆発の中、空母からはマリアの階段がにゅっと伸びた。
「それじゃあ、帰投しましょうか」
「そうですね」
ビスマスの身体はすいと海中へと消え、ヘスティアとUFO、そして千尋とマリアはそれぞれ仲間達へ引き上げの合図と共に攻撃に成功したと手を振った。
手を振る先に共に戦う仲間達の姿が見えたからだ。
大成功
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純真邪神・幼淫魔姫ピュアニカ
対空戦闘法を心がけて読心術で心を読んで催眠術で誘惑して味方に
UC発動
足下の地中から潜水艦の搭乗口が現れ飛び込むよ〜♪
発進っ♪
眷属淫魔87人に操縦を任せて〜♪
地形を利用し最大船速を保ったまま、敵が巨大な程に威力を増す螺旋錐大衝角(ドリルパイルバンカー)による邪神(ぴゅあ)の神罰を敵空母の船底目掛けランスチャージ♪
眷属
『目標発見、本艦直上!』
『推力移動最大!』
『耐衝撃オーラ防御全開です!』
『本日のおやつの祝勝プリン出来てます!』
『ピュアニカ様、私達はいつでも行けます!』
『『『『ご命令を!!!!』』』』
さあ、突撃だよ〜っ♪
『星界を穿ち破りし(ギガントラム)ーー』
『一角獣(モノケロース)ッ!!!!!』
エル・クーゴー
●SPD
●対先制
躯体番号L-95
当機は【対空戦闘】に高い適性を発揮します
・『L95式アームドフォート』から『L95式ガトリング』を、【2回攻撃】仕様、二門一対で展開
・上方目掛け【弾幕】を張り、敵先制の間、爆雷投下に対抗
●反撃
撃破目標を遠方に捕捉
これより、敵性の完全沈黙まで――ワイルドハントを開始します
・『L95式4Dプリンター』発動、その場で高射砲を超高速成型
・爆雷投下を相殺する為の弾幕から、高射砲を【操縦】し、天使各個体を狙っての対空戦闘にシフト
・高高度の天使相手に対空戦闘を継続――と見せ掛け、高射砲による【砲撃】を天使達の間隙を縫って大きな放物線で放ち、敵空母目掛けて降らせる【爆撃】とする
榊・ポポ
立ち止まったら負けってヤツだね!OKOK
バリバリ君にゲーミングドリンク投入!ニトロ代わりだよ!
これで一気に加速を付けて、水上歩行ダッシュで空母へGO!
爆撃は野生の勘と気合いで避ける!きゃーこわーい(棒)
こっちは飛べねーってのに上空からの爆撃!卑怯だと思います!この腰抜けめッ!
ミニポポちゃんズで天使どもを索敵しつつ、
レーザー射撃の一斉発射で撃ち落とせるヤツは撃ち落とす!
進路予測させる余裕なんて与えねーよ!こっちは忙しいの!!
したらば乗り込むときは一気にいくよ!
リミッター解除!
今北産業!!
ちわー!!榊不動産でーす!ド―――――ン!!!
そのまま提督轢き逃げしてやるからね!!
ずず、ぅん……!
猟兵達の活躍により空母が甚大なダメージを負っているのがこちらからでも見ることができた。
黒煙が上がり、鳴り響く警告音もしっかりと聞き取れる。
撃沈は時間の問題だろう。だが、だからといってネルソン提督に『撤退』の文字はない。
ミレナリィドール、エル・クーゴー(躯体番号L-95・f04770)が捉える視界の先には機影――いや、射出された天使の大群が飛び込んでくる。
その数――計測不能。
「うわあ、多すぎて数えきれないね~♪」
ピンクの髪が潮風で揺れる純真邪神・幼淫魔姫ピュアニカ(永遠に無垢なる幼く淫らな魔貌の姫【邪神潜水艦艦長】・f30297)もエルと共にその大群をぐるりと見渡した。
群れはぐんぐんとこちらへと近づいてくる。その姿もはっきりと見えてくると、天使達が抱えている爆雷も見えてくる。
――来る!
先制の爆撃には弾幕で対抗を。
L95式アームドフォートからL95式ガトリングを二門一対で展開させたエルの狙いは予想通りの結果となった。
「撃破目標を遠方に捕捉、これより、敵性の完全沈黙まで――ワイルドハントを開始します」
数え切れぬ敵を前にエルは反撃態勢を整え、
「新規武装、リアルタイムクラフトを開始します」
発する声と共に爆雷投下を相殺する為の高射砲を超高速で成型していくと即座に操作。天使各個体を狙っての対空戦闘にシフトし高高度の天使相手に対空戦闘を継続――と見せ掛け、狙いはもちろん本丸だ。
砲撃音が響く中、ピュアニカの足元。砂浜だというのになんと地中から潜水艦の搭乗口が現れたのだ!
ぴょんと搭乗口から飛び乗れば、潜水艦の中には心強い87人の眷属淫魔たちがいる。
「発進っ♪」
びしっと指さし命令すれば、邪神潜水艦は全速前進!
上空では天使達の攻撃が続いているも、ここは海の中。ピュアニカの催眠術に加えてエルの砲撃が爆雷を撃ち落としている。
最大船速で潜水艦はすいすいと順調に進んでいった。
『目標発見、本艦直上!』
『推力移動最大!』
『耐衝撃オーラ防御全開です!』
『本日のおやつの祝勝プリン出来てます!』
『ピュアニカ様、私達はいつでも行けます!』
眷属淫魔たちの声にピュアニカはうんうんと大きく頷き、
『『『『ご命令を!!!!』』』』
向けられた声に邪神潜水艦艦長の言葉は一つ。
「さあ、突撃だよ~っ♪」
地形を利用し最大船速を保ったまま、敵が巨大な程に威力を増す螺旋錐大衝角(ドリルパイルバンカー)による邪神(ぴゅあ)の神罰を敵空母の船底目掛けランスチャージ。
「星界を穿ち破りし(ギガントラム)――」
今だ!!
「一角獣(モノケロース)ッ!!!!!」
一角獣の如き一撃に空母が穿たる少し前。
サラダ油で給油が足りる原付バイクにニトロ代わりとばかりにゲーミングドリンクが投入されていた。
バイクにまたがる榊・ポポ(デキる事務員(鳥)・f29942)は砂を蹴散らしアクセル全開で空母めがけて全力走行!
ちょっと待った、原付バイクで海上を走るというのかね?!
「立ち止まったら負けってヤツだね! OKOK」
魔剤の加速は常人の常識をも超えた。水上歩行ダッシュで原付バイクは空母へGO!
だが榊不動産のデキる事務員の高高度には数多の天使たちの爆撃が待ち構えていた。
ずどーん! どどーん!! どがーん!
雨あられのように降り注ぐ爆雷に大きな水柱が立ち上り、ポポにばしゃばしゃと降りかかってくる。
「爆撃は野生の勘と気合いで避ける! きゃーこわーい(棒)」
とかなんとか棒読みで巧みにバイクを操縦する鳥である。もちろん立ち止まらない。
「こっちは飛べねーってのに上空からの爆撃! 卑怯だと思います! この腰抜けめッ!」
ばっしゃばっしゃと水しぶきに加えて爆撃でバイクがジャンプ! それでもポポのバイクは止まらない。飛ばしたミニポポちゃんズで天使どもを索敵しつつ、レーザー射撃の一斉発射!
爆雷を抱えた天使がレーザーの餌食になり落ちてくる。それだけではない。エルやピュアニカの攻撃によって天使たちは次々と撃破されているのだ。
「進路予測させる余裕なんて与えねーよ! こっちは忙しいの!!」
どがあんっ!!
ひときわ大きな爆発音。
「空母への爆撃を継続します」
「いっくよ~♪」
猟兵達の攻撃にエルの放つ攻撃とピュアニカの穿孔突撃が加わり被害は甚大。
さあ、今こそリミッター解除だ!
「今北産業!! ちわー!! 榊不動産でーす! ド―――――ン!!!」
「もう一回♪ 星界を穿ち破り――一角獣ッ!!!!!」
ギャリギャリギャリリリリリ……ズガーン!!!
「目標の撃破を確認、残存兵力を殲滅します」
穿孔突撃に加えて空母に突っ込んだバイクがそのまま止まれず空母を突き抜けすっ飛んでいくのを確認したエルはようやく砲撃の手を止める。なんか人型っぽいのもすっ飛んでいくのが見えたが、アレは多分きっと原付バイクの餌食になった提督だろう多分。
「空母の爆発に巻き込まれないように撤収するよ~♪」
『『『了解!』』』
ピュアニカ弾む声に眷属淫魔も潜水艦を空母から遠ざけ、ほどなくして。
ごごごごごごごごごぉぉぉぉぉぉおおおおおんんん!!!!!
クレマンソー級航空母艦は轟音と共に深い海へと沈んでいった。
こうして猟兵達の活躍により、一つの島が救われた。
この戦いは次なる戦いへと続くだろう。
猟兵達は新たな決意を胸に戻るべき場所へと戻っていくのだった。
大成功
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