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羅針盤戦争〜荒くれ者は海へと漕ぎ出す~

#グリードオーシャン #羅針盤戦争

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#羅針盤戦争


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●海原の戦場
「戦争です。此度も勝利を掴むべく、お力添えを頂けますと幸いです」
 深く礼をして、ソフィア・エーデルシュタイン(煌珠・f14358)は海図を開く。
 現在猟兵達が開放するに至った数々の島。その海域を蒼海羅針域と呼ぶこととなったのは周知のことだろう。
 そしてその蒼海羅針域の中心にある、サムライエンパイアと通じる渦潮が、この世界と繋がる唯一の道であることも。
「これを破壊されては、わたくし達はこの世界に来ることもできなくなります。そして敵は、それを狙って、大艦隊を差し向けてきたのですわ」
 この艦隊の数を少しでも減らすことが、此度の仕事である。
 敵はかつて商船の護衛をしていた海賊の一団。
 自由奔放で好き勝手に動く協調性のない連中は、メガリスを奪い合って命を落とし、コンキスタドールとなった者達だ。
 誰も彼もが「誰よりも強い」存在でありたいという願いを持ち、それなりに腕の立つ男達。
 協調性はないながらも、好き勝手に動くその銃撃が、意図せず連携を生むこともあると言う。
「ならず者集団と思って油断すると厄介ですわ。どうぞ気を引き締めて望んでくださいまし」
 あと、これは大事なことですが、と。ソフィアは神妙な顔をする。
「ご存知の通り、グリードオーシャンの海は異常気象により飛行、転移が阻害されておりますわ。皆様には鉄甲船にてあちらの海賊船と接触して頂き、そのまま船上での戦闘となります」
 あちらも船、こちらも船。船から船へ移る程度の跳躍などは問題ないだろうが、超速で空を突っ切って攻め入る、高い位置で浮遊しながら攻撃を仕掛ける、など飛行や転移を伴う行動は十分な効果を発揮できないだろう。
 逆に、海の中ならば問題なく移動できる。もし泳ぎに長けた者が居るならば、海を移動して敵の虚を突くなどは可能かもしれない。
「少し工夫をして頂く必要はありますが、敵も条件は同じですわ。であるならば、猟兵の皆さまが負ける道理はございませんわね」
 信じておりますわ、と微笑んで、ソフィアは再び深く頭を垂れる。
「どうぞ、ご武運を」


里音
 集団敵をびしばし蹴散らしていきましょう。

 今回のシナリオでは海上戦、船上戦を工夫する(海上では飛行や転移が阻害されています)ことでプレイングボーナスが得られます。
 当シナリオでは敵が陸上戦闘に特化した人型であるため、主な戦場は船の上となりますが、海上、海中を移動しての不意打ち等も問題なく対象です。

  当シナリオは人数控えめでスピード重視の運営となる可能性が高いです。(先に出ているボス戦を優先しているため締切一杯おまたせする場合もあります)
 多くを採用できない場合がありますので、予めご了承くださいませ。

 皆様のプレイングをお待ちしております!
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第1章 集団戦 『武装商船団・雇われ船員』

POW   :    姑息なる武装「商品使用」
装備中のアイテム「【湾曲刀(商品)】」の効果・威力・射程を3倍に増幅する。
SPD   :    偶然なる連携「十字砲火」
【好き勝手に動く船員達が銃撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    強欲なる叫び「士気高揚」
【誰よりも強い】という願いを【船員達】に呼びかけ、「賛同人数÷願いの荒唐無稽さ」の度合いに応じた範囲で実現する。

イラスト:Re;9

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

灰神楽・綾
【不死蝶】
向かってくるならず者を
ひたすら斬り倒すだけのお仕事か
いいねぇ、こういう難しいこと考えなくて済む戦い大好き
やだなぁ、俺はいつだって全力で楽しんでいるよ?

まずは自分の手を斬りつけてUC発動
敵の船に乗り込んだら
両手にDuoを構えて一目散に敵の群れの中へ
Duoを高速で大きく振り回して範囲攻撃
派手に動き回って敵の注目を俺に集めれば
梓のドラゴンたちの不意打ちが成功しやすくなるはず
海を警戒し過ぎれば俺に殺されるしね

梓の合図が出たら身構えておき
ドラゴンたちによって船が揺らされた時には
ジャンプでやり過ごしながら即座に体勢を立て直す
転んでしまった哀れなならず者たちを
起き上がる暇も与えずお片付けしていくよ


乱獅子・梓
【不死蝶】
おい綾、遠足に行くような気分になっているが
ならず者集団と思って油断するなと
来る前に言われたばかりだろうが
…あー、うん、お前はそうだったな…

空は使えないが海は使える、か
ならばこいつらの出番だ
UC発動し、シーサペントのような形状の
水属性のドラゴンを最大数召喚
敵の船を取り囲むように高速で泳ぎ回りながら
ランダムに海上に飛び出して
ブレス攻撃を喰らわせる!

更に、俺の合図に合わせて
複数体で一斉に渾身の力で(怪力
船の真下から頭突きを喰らわせる
船は転覆こそしないだろうが
少なからず揺れたり傾いたりはするだろう
不意にそんなことをされれば
敵は体勢を崩してしまうはず
その隙を狙って綾やドラゴンたちで一斉攻撃だ




 それでは本日のお仕事内容です。
 向かってくるならず者をひたすら斬り倒すだけ。以上。
「いいねぇ、こういう難しいこと考えなくて済む戦い大好き」
「おい綾、遠足に行くような気分になっているが、ならず者集団と思って油断するなと来る前に言われたばかりだろうが」
 普段どおりの緩やかな調子で告げる灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)に、乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)は一瞬苦い顔をした。
 しかし、綾は変わらぬ調子でにっこりと笑む。
「やだなぁ、俺はいつだって全力で楽しんでいるよ?」
「……あー、うん、お前はそうだったな……」
 敵に対しても情を持つ一面も持つが、綾という男は、血腥い戦闘を愛する性質だ。それを、梓はよく知っていた。
 いらぬ心配だったと思い直し、そんな綾に遅れを取らぬよう、己の気を引き締める梓。
 ――この世界の空は、飛ぶには適さない。普段連れている竜達に活躍させてやることは、難しそうだ。
 けれど、海は使える。
「ならばこいつらの出番だ」
 海に向かい、梓は幾つもの竜を呼び寄せる。
 それは、その戦場に適した姿――シーサーペントの形を取る、水属性の竜だ。
「集え、そして思うが侭に舞え!」
 ざぁっ、と飛沫を上げながら敵艦隊へと向かう竜の群れを見送りながら、梓もまた、鉄甲船で思い切り突っ込んだ敵の船へと飛び込む。
 両手には黒の目立つ赤、赤の映える黒。一対の大鎌を握る綾の手は、己で傷つけた血が、滴っている。
 じくりとした痛みも、ぬるりとした血の感覚も、どちらもしっかりと確かめるように、今一度強く、握って。
「ちゃんとついてきてね」
 サングラスの下の瞳をうっそりと細め、口角を上げて笑う綾の血を吸った一対は、まるで羽飾りを振り回すかのように、軽く、軽やかに振るわれる。
 海賊の群れのど真ん中へ突貫した綾の大立ち回りはすぐさま海賊達を混乱させ、彼らは銃を乱射し始めた。
「おっと……流石に数が多いと下手でも当たるか」
 銃口の向きを見ては銃弾を躱す綾だが、包囲されて一斉に放たれれば、流れ弾の一つくらいは頬を掠める。
 頬に伝う温かな感覚は、より鋭利に笑みを深めるだけだけれど。
「だから油断するなと……まぁ、おかげであいつらは動きやすいだろうがな」
 血を流す綾の姿に眉をひそめる梓だが、苦い呟きのとおり、綾が敵の意識を引いているからこそ、海に放った竜達は動きやすい。
 ぐるぐると高速で旋回しながら、時折飛び出しては甲板めがけてブレスを放つ竜を追うように海へ銃を向ければ、がら空きの背中は綾にとって格好の獲物。
 あっという間に船上を制圧した彼らだが、どこから湧くのか、敵は次から次へと現れてくる。
「無限湧きかよ。――綾!」
 響く梓の声は、案じるものではない。合図だ。
 振り向きざまに一つ頷いた綾は、敵の銃弾から逃れながら、転がる木箱や張られた縄の上を、ひょい、と飛び歩く。
 それと、ほぼ同時だ。梓の号令に従って、海中の竜達が、渾身の力で船へと頭突きを食らわせたのは。
 竜の群れに突き上げられては、船が安定を保てるわけがない。当然、船上の者達も大きく揺れる船に揺さぶられ、ひっくり返り、運の悪い者は海へと放り出されて行った。
「な、なんだ一体!?」
「竜だ! 海に竜がいやがるんだよ!」
「いやがるんだじゃねぇだろ! なんでさっさと仕留めねぇ!!」
「お前こそあの野郎をとっとと……」
 阿鼻叫喚に混ざる罵り合いを、綾は「壮観だねぇ」と笑って見つめる。
 そうやって揺れがある程度収まるまで足場を探してやり過ごしていた綾は、そんな海賊達へと刃を向けた。
 大混乱で大変そうなさまには哀れみくらいは覚えるけれど、それはそれ、これはこれ。
 大仕事を終えて再びブレス攻撃を放つ竜達と共に、起き上がる暇など与えないまま、お片付けを。
「はは、楽しそうで何よりだよ」
 血しぶきと、それを洗い流すような竜達のブレスとを見守りながら、呟く梓の表情も、どことなく楽しげに、笑んでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリエ・イヴ
アドリブ◎
海《この世界》から離れるつもりも更々ないが
自由をひとつ潰されるのも業腹だ
奪おうとした対価は払って貰おうか

ぶんと錨を振り回し敵船のマストへ突き立てる
相手の船上なら加減も必要ないだろう?
錨を頼りに跳びうつったら
着地と同時に深く踏み込み切りつけて
体勢を崩したところで海へ蹴落とす
敵の最期まで俺が面倒をみてやる理由もない
ここは海で、海には海の脅威がある
怪我をしてなおそれをこえてこれるなら
その時は存分に愛し合おうぜハニー?

派手に暴れて惹き付けて
あえて乱戦に持ち込もう
海がもたらす小さな揺れ
安定しない足場で
敵味方入り乱れる戦場で
正確に俺だけを射てるのか
海に愛されてるのはどちらか勝負といこうじゃねぇか


ガイ・アンカー
アドリブ◎

奪い奪われ奪い返す、海賊の基本だ
強くなりてえと思うのは当然だろうな
…さて、お前らの願いはどれ程強いか
見せてもらうぜ

俺は鉄甲船から敵船へ乗り込みやすくする為に足止めしてやろう
【波濤の号砲】で派手に砲撃し水柱を上げさせたり敵を慌てさせてやる
敵に当たらなくても構わねえさ
その隙に結びの鎖を敵船に伸ばして乗り込んでやろう

乗り込んだら船上戦だ
錨を片手に切り込み、なぎ払い
敵の攻撃は錨で受け止める
中々な刀を持ってるな
だが、と死角から鎖を飛ばし捕縛しよう
俺のも悪くねえだろ。宝だからな
捕縛できたら味方を巻き込まねえように海側にぶん投げる
今度は食らってもらうぜ
ぶん投げた敵目掛け…空間に砲門展開
一斉砲撃だ!




 敵が狙うは猟兵達の要である渦潮。それはサムライエンパイアに繋がる道で、破壊されれば二世界観の行き来ができなくなると、言う。
 アリエ・イヴ(Le miel est sucré・f26383)にとって、この愛する海から引き離される状況でないのならば、目くじら立てて躍起になることではない。
 けれど、繋がる道を破壊されるということは、そこへ向かう自由を奪われることと同義。
 海賊たる彼が、それを許容できるはずがなかった。
「奪おうとした対価は払って貰おうか」
「ハ、そうだな、奪い奪われ奪い返す、海賊の基本だ」
 呟くアリエに同意するようにガイ・アンカー(Weigh Anchor!・f26515)がからりと笑う。
 船上に群がる海賊達が、誰よりも強くありたいと願う彼らの気持ちは、海賊船を支えてきた錨たる彼にとって、わからないものでもない。
 その気持ち同士がぶつかり合ってきたところだって、見てきたのだ。
「……さて、あいつらの願いはどれ程強いか」
「俺に適うほどだとでも?」
「さあな。そいつはこれから見せてもらおうぜ」
 互いの勝利を一つも疑っていない顔で視線を交わし、ガイは鉄甲船の先端に立つと、まずはと言わんばかりに自身の前に砲門を召喚する。
 船と船の戦の基本。飛び交う砲弾が幾つもの水柱を立て、あるいは敵の船を抉り揺さぶった。
 それで沈められるとは思っていない。あくまでそれは、あちらの動揺を誘い、己が船に乗り込みやすくするための策。
 右往左往する海賊達を尻目に、ガイは鎖を敵船へと飛ばす。短く笑って、アリエもまた敵船のマストめがけて錨を振り回し、突き立てた。
「数でも競うか?」
「馬鹿言え。俺の勝ちに決まってる」
 それぞれの道へと駆ける一瞬に交わされた言葉に、相変わらずだと笑って。
 敵船へと、軽やかに乗り込んでいった。
 マストへ登ったアリエは、足元で銃を掲げて見上げてくる海賊へ、躊躇なく飛び降りて踏みつける。
 ぐえ、と汚い悲鳴が足元から聞こえてきたが、それより構うべきは自身へ向けられる幾つもの銃口。
 船上の乱戦は、アリエにとって望むところ。お互い海賊ならば、ここでの戦い方は熟知していて然るべきだろうと威勢良く笑う。
 銃声が幾つも響く。それを背中で聞き止めて、ガイは錨を力強く薙ぎ、相対した海賊を吹き飛ばしてやった。
 豪快な戦いぶりに怯むことなく武器を突きつけてくる辺りは評価してもいいだろう。海賊たるもの、それくらいの度量は持っていなくてはならない。
 素早い切り込みに、錨を掲げて対峙する。金属同士がぶつかり合う音は、耳に心地良いものだと聞き止めながら。
「中々な刀を持ってるな。だが――」
 ガイが操る鎖は、メガリスだ。その意志によって自在に動く手足も同然。
「俺のも悪くねえだろ。宝だからな」
 死角から伸ばされた鎖に気付かず絡め取られた海賊は、そのまま海へと放り投げられた。
 広く青い海には味方の姿はない。
「今度は食らってもらうぜ」
 巻き込む味方はいない。開かれた砲門は、敵だけを狙いすます。
 ――撃て!!
 派手な音は、びりびりと空気を震わせて、アリエの心を昂ぶらせた。
「あいつは、優しいな」
 敵の最期まで面倒を見てやるなんて。
 斬りつけた敵がもんどり打って転がるのを足蹴にして、アリエは足元の船が揺れる感覚に身を任せてわずかに体を傾ぐ。
 その脇を、銃弾がすり抜けていくのを見届け、振り返る。
「なぁおい、もっとよく狙え」
 ここはどこだ? 船の上だ。逐一揺れる足場で、そんな適当な撃ち方で、海に愛されたこの俺に当てられるとでも?
 己こそが一番でありたいと願う彼らは協調性どころか仲間意識すら無いのだろう。アリエが躱した銃弾が味方に当たろうとお構いなしの顔をしていて。ああ、それだからいつまで立っても上手くなれないのだと、素早く肉薄して、斬り伏せた。
「ここはどこだ? 船の上だ。そして、周りは海だ」
 海には海の脅威がある。それを、海賊ならばよく知っているだろうと笑って。アリエは手負いの敵を海へと蹴り落とした。
 傷を負ってなお、海の脅威を乗り越えて再び対峙してくるというのなら。
「その時は存分に愛し合おうぜハニー?」
 榛色が鋭利に笑うのを見た海賊が、落ちる間際に最期に突きつけた銃は――やはり、波が揺さぶる力に阻まれ、彼を捉えることなど出来なかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アルデルク・イドルド
アドリブ連携歓迎

なんて言うか分かりやすい三下共だな。
粋がるのはかまわねぇが協力しねえとやってけないこともあるだろうに…まぁ、それが出来てりゃこうはなってないか。

大事な大渦を取られるわけにはいかないんでね。
その為なら協力なんて喜んでするぜ?

俺も海賊【船上戦】は慣れてるんでね。
偶然頼りの十字砲火に撃たれるつもりはないぜ?
敵集団にブラスターバスで【制圧射撃】【範囲攻撃】
怯んだ所で相手の船に乗り込み
UC【雷雲招来】
それでも倒れない敵にはカットラスで切り付け。


レムリア・ザラタン
なるほど、確かに数は多いようだが…航海でも集団戦でも最も重要な協調性が欠けていては元も子もあるまい
ここは手早く片付けるとしよう

まずは接舷前に敵の数を減らす
鉄甲船の1番高い位置を陣取り、戦闘領域の敵の配置を【情報収集】
敵船の数や位置、捕捉と同時にレーザー砲を迎撃形態で展開し、【範囲攻撃】の【レーザー射撃】で一気に火力を叩き込む
これで殲滅出来れば言う事はないのだが…まあ、それはさすがに甘く見過ぎというものか

弾幕を掻い潜って接舷してくる船があれば、そちらは船上の他の猟兵に任せる
私は後続で接近してくる他の船がいないか警戒、そちらの迎撃に注力しよう
連携を軽視すれば各個撃破されるだけだという事を教えてやる




「なるほど、確かに数は多いようだが……」
「なんて言うか分かりやすい三下共だな」
 船の甲板から身を乗り出して、かかってこいなどと品のない煽りをしている海賊達を見た感想は、呆れだった。
 レムリア・ザラタン(Stargazer・f28070)とアルデルク・イドルド(海賊商人・f26179)は、互いにチラと視線を合わせて、それぞれに短く息を吐く。
「航海でも集団戦でも最も重要な協調性が欠けていては元も子もあるまい」
「全くだ。粋がるのはかまわねぇが協力しねえとやってけないこともあるだろうに……」
 それが出来ていたなかった結末が、争い合ってのコンキスタドール化、と言うことだろう。
 アルデルクの言葉に、確かにそうだと頷いて。それならば、とレムリアは鉄甲船の内の最も高い場所を見上げた。
「ここは手早く片付けるとしよう」
 言うや、とん、と軽やかに跳んで先程見ていた場所まで移動すると、敵の船の端から端まで見やる。
 甲板に居る敵の数。船全体の大きさから予想できる総員。それから、彼らが持つ武器の種類など。
 幾つもの情報を集め、なるほど、と一つ呟いたレムリアは、自身の周囲を多数の対空レーザー砲で囲む。
「IFF再確認、友軍以外の動く物は全て撃ち落せ。――Hedgehog,Ready to Fire!」
 放たれる一斉放射は、敵艦隊を貫き、船上や船内の人や物をことごとく蹴散らしていく。
 無論、その一撃で殲滅できるなどという甘い考えはないが、あちらの艦隊に甚大なダメージを与えられた手応えはあった。
 自身も散弾銃を構え、敵の威勢を削ぐべく制圧射撃をお見舞いしてやろうと構えていたアルデルクだが、放たれる圧倒的な砲撃に昂揚を誘われたように笑って、途方も無いなと彼女を見上げる。
 視線が合ったのを確かめて。レムリアは声を張り上げた
「迎撃態勢に入った状態では、私は動くことは出来ない! だがその代わり、増援があれば対処しよう!」
「固定砲台ってことか。それなら残党は任された!」
 あちらの船は阿鼻叫喚の大混乱だ。アルデルクは颯爽と敵船へと乗り込むと、不安定な足場を確かめるように、二度三度跳ねる。
「大事な大渦を取られるわけにはいかないんでね」
 それに己も海賊だ。海の上、船の上での戦に遅れをとるなどあってはならない。
 アルデルクの接近に気付いた海賊が銃を放ってくるが、崩れた態勢に乏しい狙いでは、頬を掠めるにも至らなかった。
 だが、それも混乱の最中で向けられる銃口が少ない内であるからこそだ。あちらに態勢を建て直される前に、一気に制圧してしまうに限る。
「航海で恐ろしいものは自然の脅威だ。それはあんたらも身にしみてるだろ?」
 ――嵐が来るぞ!
 破損した船で、さぁ、耐えてみせろ!
 アルデルクが呼び寄せたのは雷を孕んだ暗雲。
 上空から一斉に落とされる雷が、甲板に立つ海賊達を次々と穿っていく。
 無差別に落とされる雷の間をなんとか這いずって逃げ回る敵へは、カトラスを構えて斬りかかった。
 ドォン! とひときわ大きな音を立てて落ちた雷がマストをへし折るのを見て、レムリアは感嘆の声を漏らす。
(後方から三隻……だがこの船から見れば小さいな。あれを見てたどり着く気になるか?)
 局所的な嵐に見舞われている船へ、応援に駆けつけるような意気が、果たして小舟の彼らにあるのだろうか。
 あろうとも、なかろうとも、レムリアには知ったことではないが。
 増援があれば対処する。約束通り、アルデルクが立ち回る船に敵を近づけさせないのが、レムリアが負った役割だ。
「多少なりとも連携する意志があったなら、ここまで簡単には落とされなかっただろうに」
 軽視したがゆえの末路だと。放つレーザーで身を持ってわからせてやる――。
「――綺麗だな」
 迸る稲光と、激しく貫く雷の間を、真っ直ぐに駆け抜けていくレーザーの光。
 その光景を見上げられるこの場所は特等席だろうと口角を上げてアルデルクは笑う。
 足元に転がった海賊だったものの成れの果ては、同意をしてくれはしなかったけれど。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ビードット・ワイワイ
海を越えよ敵を討てというならば今の我らこそ最良最適である
我が身に宿りし太古の魂。いまここにて荒れ狂おう

人型の範疇抜けられぬ船操りし者どもよ。我が巨体こそを恐れるがよい
我が身が暴れれば味方にも被害が出よう
少し離れた位置にて行動開始。深くまでもぐりて雷撃発射
船底を攻撃しながら船底目掛けて浮上し船を顎で挟みながら
飛び上がる。そのままかみ砕くもよし海に引きずり込むもよし
我が理性を放棄しながら楽しもう。これが捕食者と獲物の関係よ


兎乃・零時
アドリブ絡み歓迎

今回は艦隊の数を減らせばいいんだよな?

しかし誰よりも強い存在…
ふっふーん、ならなおのこと俺様は負けてられねぇ!
俺様の夢は全世界最強最高の魔術師になる事!お前らにだって負けないんだからな!!

まずはUCで自身を光に変える
飛ぶのが厳しいなら地を光の速さで駆け抜けりゃいい!
地形の利用しつつ時にジャンプしたりダッシュしつつ縦横無尽に駆け巡り
敵に向けて薙ぎ払う様に光属性攻撃の光線の魔術を放ちつつぶっ飛ばす!
刀で斬られそうになっても光魔力でオーラ防御を張りつつ防いだり避けたり!

最後はまとめて魔力を込めて一気に蹴りの衝撃波で船ごと吹き飛ばしてやる!

踏みつけ×衝撃波×怪力×限界突破!

輝光踏脚ッ!




 大渦目掛けて攻めてくる大艦隊。その数を、減らせばいいと。
 なるほど、と兎乃・零時(其は断崖を駆けあがるもの・f00283)は大きく頷いた。
 相対する集団は、ならず者の海賊団。頭領を持たぬ烏合の衆でもあるが、志だけは高く、誰もが、誰よりも強い存在でありたいと願う者達だという。
「ふっふーん、ならなおのこと俺様は負けてられねぇ!」
 零時はびっしと指先を敵艦隊に突きつけ、宣言する。
「俺様の夢は全世界最強最高の魔術師になる事! お前らにだって負けないんだからな!!」
 そうだ、全世界最強となるならば、このような集団に遅れを取っているわけには行かない。
 鉄甲船がいよいよ敵艦隊に接触すると言うその瞬間、零時は己の体を、光そのものへと変えた。
「天に見えるは我が輝き、勝利照らす意志の灯り! 今、此処に我が輝光は限界を超え、望む果てまで加速する……ッ!」
 少年大の大きさの光の塊は、甲板に身を乗り出していた海賊達の目を眩ませ、反射的に目を背けさせる。
 だが、目くらましだなんて子供だましが目的ではない。
「――輝ける勝利を刻めッ!」
 タンッ。地を蹴り駆けた零時の体は、文字通り光の速さで敵船上へとたどり着く。
 目にも留まらぬ速さとはまさにこのことだろう。瞬き一度の合間に縦横無尽に駆け回る零時の動きについていくことも出来ないまま、商品である湾曲刀を構えて立ち尽くすしかできない海賊達。
 その体が、突如激しい振動によって、揺さぶられる。
「っととぉ!?」
 零時も一旦急ブレーキ。帆を広げている縄に捕まり体勢を整えた直後、海面に巨大な影を見つけた。
 ゆらり、蠢くのは何かの生き物――姿形的にはクジラに近く見えるけれど、その大きさが圧倒的に異なる存在だった。
 ――ほんの少し、時を遡る。
「海を越えよ敵を討てというならば今の我らこそ最良最適である。我が身に宿りし太古の魂。いまここにて荒れ狂おう」
 大渦をめぐる乱戦が勃発している海域。その海に、ビードット・ワイワイ(絶対唯一メカモササウルス・f02622)は真っ直ぐ飛び込んだ。
 同時に、彼の姿は陸上での形態とは異なる、海での戦闘に特化した姿へと変形する。
「古代に滅びし海龍よ。海は其方を忘れたぞ。絶対なりし海の王。機械の体に魂宿せ。古代と最新今こそ合わされ。我らこそがモササウルスだ」
 かつて存在したもの。海を制した王たる龍。その姿を取り戻すかのように、ビードットの体は尾を持ち、鰭を持ち、巨大に膨れ上がっていく。
 ――モササウルス。古代生物に詳しいものなら、即座にその名を思い出せただろう。
 しかし学の乏しい海賊達には、全長三百メートルにまで至ったその姿は、ただの、怪物でしかなかった。
 ビードットが海中で暴れまわる度、船は大きく揺れる。鋭い牙が船底に食い込み、放たれた雷撃が船体を破壊していくその上で、海賊達が自由に動き回ることなど、最早不可能だ。
 ガッ、と強く噛み付いたビードットが、そのまま海面へと尾を跳ね飛び上がれば、噛みつかれた船は持ち上がり、ミシミシと軋む音を立てて、崩れていく。
 あまりに圧倒的な破壊の光景に、海賊達からは悲鳴しか聞こえてこなかった。
「でっっっけぇー!!」
 機械艦隊を始め、ウォーマシンなどが幾つも存在するスペースシップワールドを故郷に持つ零時にとっては、浪漫、の一言で片付くものだったけれど。
 あまりの揺れに一度鉄甲船へと舞い戻った零時は、その巨体に瞳を輝かせて見つめていたが、ビードットの目的が船の破壊にあると気がつけば、再び光の速さで飛び上がる。
 傾いた船体の、それでも一番高いところ――マストを駆け上り、そのまま中空へ身を投げた零時に、魔力が収束する。
「輝光踏脚ッ!」
 光が落ちる。その一瞬の煌めきを見つけられた海賊は、どれほど居ただろう。
 刹那の後には、さながら隕石のごとく、勢いと、あらゆる力を込めた蹴りが、甲板へと叩きつけられた。
 海から、空から。とてつもない力に攻め立てられた船は、その衝撃に呆気なく崩れ去り、乗っていた全ての海賊達は、海へと投げ出される。
「う、うわあああぁっ!?」
 悲鳴は、そのまま断末魔へと変わる。崩れる衝撃に巻き込まれずに済んだとて、海には怪物が――海中戦闘に特化したがために、理性を手放したビードットが、居るのだから。
 捕食者と獲物。それが似つかわしい光景は、波が穏やかに落ち着いて、敵の船だった残骸が浮かぶだけの静けさを取り戻すまで、続くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月04日


挿絵イラスト