3
銀河帝国攻略戦⑥~講和の道は?

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#スペースシップワールド
🔒
#戦争
🔒
#銀河帝国攻略戦


0




「猟兵の皆々様、至急お集まりくだされ」
 ヤクモ・カンナビ(スペースノイドのサイキッカー・f00100)の表情は深刻さを帯びていた。
 先日の『ヘロドトスの戦い』を発端として、人々は銀河帝国への反攻の機会を手に入れた。今、銀河帝国と反乱軍は、銀河を二分する戦いを開始せんとしていたのだ。

 けれども多くの人々が希望に沸き上がる中、そうでない者たちもいた。
「待て! 今まで銀河帝国に勝てたことなどない! 戦えば勝てるなど、本当に思っているのか!?」
「大人しく支配を受け入れれば、皇帝も我々を赦してくれるはずだ!」
 そういった人々が帝国への恐怖に駆られることを、何人も批判はできないだろう。誰もが勝利を信じて慢心すれば、足元を掬われるのだから。
 だが……今回の戦いは、そうも言ってはいられぬのだった。もしもこの機会に銀河皇帝を討ち滅ぼせねば、銀河はオブリビオンによる終焉を迎えてしまう。
「しかも、その厭戦機運を高めんとしておるのが……当の銀河帝国に内応する工作員じゃとすればの」
 ヤクモが猟兵たちに望むのは、この工作員に協調してしまった人々の目を覚ませることなのだ。

 工作員は、二大政党制の議会制を敷いているスペースシップ『‎オリヴィエ』の、野党の幹部議員、エドワードソン氏と見られている。彼の支持者たちの集会に参加したり、議員が出演する公開討論番組に乗り込んだりして反論することで、彼の支持者たちに間違いを気付かせなければならないだろう。
 その際、エドワードソン氏の秘密――銀河帝国に協力する代わり、多くの選挙資金の支援を受けている――を暴くことができれば、必ずや人々の心は彼から離れるはずだ。
「その上で、矢張り『オリヴィエ』が反戦に傾くのであれば、それは致し方の無い事じゃろうて」
 ヤクモは人々自身が出した結論にまで異を唱えるつもりはない。が――誤った情報を元にその結果が出るのであれば、それはもはや民主主義ではありえないのだ。


あっと。
 あっと。でございます。
 本シナリオは、「戦争シナリオ」です。1フラグメントで完結し、『銀河帝国攻略戦』の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 なお、本シナリオの対応戦場は⑥となります。

 本シナリオでは皆様には、反戦を主張する野党幹部エドワードソン氏の支持率を下げるためにご活動いただきます。エドワードソン氏や彼の支持者たちの主張はオープニングに書いたとおりです。
 彼の主張を崩す方法は、オープニングの本文に書いた以外にも、あるかもしれません。皆様の、あっと驚くようなプレイングをお待ちしています!
49




第1章 冒険 『⑥裏切者を暴け!』

POW   :    多くの市民の集まるイベントに乗り込み、情熱的な演説等で『解放軍』参加への機運を盛り上げます。

SPD   :    銀河帝国派の政治家の事務所などを捜索し、汚職や銀河帝国との内通に関する証拠を見つけ出し、公開します。

WIZ   :    反戦集会や公開討論等に乗り込み、銀河帝国の息を受けた反戦派政治家の意見を論破します。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

メイスン・ドットハック
【SPD】
こういう隠すのを暴くのは大好きじゃのー
さっさと秘密を暴くとするかのー

ユーベルコード「名前のない宝石」で銀河帝国派閥の政治家の本拠に潜入(忍び足)
データが集まる事務室、秘書室辺りに当たりを付けて捜索する
データベースにはハッキングを仕掛けて、汚職や帝国との繋がり、他の政治家の協力者などの情報を徹底的に暴いていく(ハッキング、情報収集、鍵開け)
なお、このパソコンや他の協力者パソコンに、ウィルスプログラム感染を試みる
機密情報をネットの海に自動的にばら撒くウィルスなので、裏切りは真実として裏付けされるだろう


仁上・獅郎
裏切り者ですか。
拙い言葉ですが、[言いくるめ]てみましょうか。

エドワードソン氏でしたね。僕は仁上と申します。
厭戦は結構、平時でまともな主張なら僕も諸手を挙げて賛成しましょう。

されど、この戦争は今までの小競り合いとはまるで違う。
一人の女性を殺すために大軍を投入する気合の入れよう。
支配を受け入れます、で赦されるでしょうか?
仮に「支配してもらった」後には、今の人民に圧政を敷くことは目に見えている。

ならば抵抗するほかないでしょう。
勝てたことがないと仰いましたが、今は僕達猟兵がいます。
そう、かのミディア・スターゲイザーさんを救出した人達と同じ力を持つ人が大量に。
それでも勝てないと仰るなら、反論をどうぞ?


マルコ・ディロク
※協調希望(可能ならWIZ判定の方と)

SPD判定

・「ご注文のピザお届けに上がりましたーっ!」

エドワードソン氏の事務所にピザを届けに行く
中へ入り込みハッキングによる情報収集をして不正の証拠を集める
(ハッキング1、情報収集5)


・「証拠なら有るぜ!
こいつが帝国にシッポを振ってもらっていた裏金の帳簿だ。」

公開討論の会場へバイクで乗り付け
エドワードソンが他の参加者等に論破されたところへ
とどめの証拠を突きつける
(勇気6、存在感2、パフォーマンス4)

「俺はピザ以外は配達しないんだがな、今回は特別だ
てめぇみたいな奴にはこいつで十分だろう(バサッと書類を投げ出す)」


セラフィール・キュベルト
反戦派の方々にも戦いを呼びかけるべく、演説を行おうと思います。
放送局の方にもご協力願い、可能な限り多くの方に言葉届ける手段を確保。

戦いを避ければ、命は守れるでしょう。しかし、それだけです。
自由、平穏、何より未来。降伏とは即ち、その全てを帝国へ差し出す行為に他なりません。
次代の人々へ繋ぐ世界は、帝国のものでない、皆様自身のものであるべき…そうですよね?
そのためには、戦わねばなりません。皆様の世界を、未来を守るために。
心配は無用です、私も、この身全てを以て助力致しますし、何より、全銀河から人々が解放軍のもとに集まってきております。
さあ、共に戦いましょう。全ての銀河の未来のために!



 各所で戦争反対派と賛成派が集会を繰り広げるスペースシップ『‎オリヴィエ』にて。
 その中の政治系テレビ局内にあるひとつのスタジオでは、今まさに戦争か講和かの討論会が行なわれていた。抗戦派の代表は与党のメルヴィル氏、反戦派の代表は件のエドワードソン氏である。両者が討論を交わす度、視聴者たちのオンライン投票の結果は画面の下部のチャートを動かしてゆく。
 状況は抗戦派が半数を越えていた。が……7~8割を行ったりきたりでは、おそらく開戦するには心許なかろう。数を頼りに市民に負担を強いれば、その先は市民同士の分裂なのだから。
 ゆえに反戦派席のエドワードソン氏は、ほくほく顔を崩さなかった。この数字なら、いざという時に帝国に泣きつけば、どうにでも力で逆転できる。無論……そうして帝国が勝利した暁には、この『オリヴィエ』の首相はエドワードソンだ。
 両者とも主張は出しあった。それでこの数値だということは、これ以上は大きな材料ない限り、細かい支持率変化しかないということだ。確かに、帝国は恐ろしい敵だ……だからこそ、人々は決めかねている。

「……それでは両者の意見が揃ったところで」
 カメラは番組の司会にズームインした。彼女は始終深刻そうな表情を崩さずに、議論するテーブルの脇へと水を向ける。
「この度の戦いの発端となった戦いをご存知の、猟兵の仁上・獅郎(片青眼の小夜啼鳥・f03866)氏をアドバイザーとしてお呼びしました。メルヴィル氏エドワードソン氏はこのように主張していらっしゃいますが、仁上さんはいかがお考えですか?」
「そうですね……」
 獅郎は顎に手を当てて語り始めた。
「厭戦は結構。平時であれば僕も諸手を挙げて賛成したでしょう」
 されど、と獅郎は見てきたことを続ける。
「この戦争は、今までの小競り合いとはまるで違う。帝国は、たった1人の女性を殺すために大軍を投入する気合の入れようでした」
 そんな帝国を相手にした時、支配を受け入れます、で赦されるだろろうか……否、獅郎の首が静かに振られる。
「仮に『支配してもらう』ことが叶ったとして、その先はどのような圧制になるのでしょうか?」
 其の瞬間、視聴者たちによる支持率チャートが、大きく戦争賛成の側へと揺れた。確かにエドワードソンの主張するとおり、命は助かるかもしれない。が……仮に命が残ったところで、その先は人間牧場とでも呼ぶべき世界だ。
 ならば、抵抗するほかはない。
「エドワードソン氏は勝てたことがないと仰いましたが、今は僕たち猟兵がいます」
 そう。猟兵たちは彼らに打ち勝ってきた。かのミディア・スターゲイザーさんを救出した人たちと同じ力を持つ者が、彼のみではなく大量にいる。
「それでも勝てないと仰るのなら、反論をどうぞ?」

 勝利を確信したエドワードソン氏が歯軋りをしていたその頃……メイスン・ドットハック(引きこもり志望ハッカー・f03092)はエドワードソン氏の政治事務所にいた。
 政治家の、しかも党幹部という立場ゆえの厳重な警備も、カメラにもセンサーにも映らなければ何の意味もない。今のメイスンの宝石の体は、吸収率0、屈折率1に限りなく近い……つまり透明だ。
 事務室に人影は閑散としていた。事務員たちも運動員たちも、今は『‎オリヴィエ』各地での集会に引っ張り蛸……残る数人もそんな彼らの支援事務のため忙殺されている様子。しかもそんな最中に限って、妙な来客が来るものなのだ。

「ご注文のピザお届けに上がりましたーっ!」
 デリバリーピザ『ディロク』の店長、マルコ・ディロク(銀河最速の宅配ピザドライバー・f10295)は、苛立たしげに扉を開けた事務員に向かって片目を瞑り、眩しい笑顔を作ってみせた。その手にはもちろん自慢のピザ。
「いえ、注文した覚えはありませんが……」
 不快さを隠そうともしない事務員に対し、けれどもマルコは驚いてみせる。
「おかしな話だね。俺は確かに支持者さんから、忙しくて疲れてるだろう皆さんにってピザを頼まれたんだが……」
「……そういう事でしたら受け取りましょう」
 持ち前の大胆さで押し通ったならば、ピザの特徴や食べ方についてレクチャーを始めるマルコ。事務員の眉間が険しくなるが、マルコの舌はより饒舌になるばかり!
 だからマルコに注目していた事務員たちは、中途半端に開いたままのメイスンが扉を通っていったのを、気付けるはずもないのだった。もちろんその後、彼女がコンピューターの端子にデータ端末を差し込んだのも、だ。
(「こういう隠すのを暴くのは大好きじゃのー、さっさと秘密を暴くとするかのー」)
 誰にも見えぬ表情で可笑しそうに笑ってみせた彼女の前で、データコピーの進捗バーが進んでゆく。50……80……90……94……95…………99……。
 たとえ見つかっていないとわかっていても、最後の1%がはらはらする時間だ。いまだ透明なままのメイスンの表情は、きっと不安と興奮とに彩られていたことだろう……そして!
(「100!」)

 この瞬間……エドワードソンとその支持者たちが保管していた情報――党との遣り取り、経理情報、支持者への対応指示……そしてもちろん、銀河帝国との交渉内容も。それらはたった今全て、『オリヴィエ』内のネットワーク全員から読み取りできる公開情報となったのだ。

 そのデータの所在を確かめたなら、マルコは「おっと、長話してたらピザが冷めちまう!」などと唐突に話を切り上げ立ち去ってゆく。次の配達先は討論中のテレビスタジオ、こちらも遅れるわけにゃいかない!

「俺はピザ以外は配達しないんだがな、今回は特別だ……てめぇみたいな奴にはこいつで十分だろう」
 制止するテレビ局員を振り切ってマルコが叩きつけたのは……まさに流出したデータを印刷した銀河帝国エージェントとの接触と裏金の書類!

 その内容が『‎オリヴィエ』内の各所に伝えられるのと同時……反戦派だった人々の纏う雰囲気が困惑に変わった様子が、セラフィール・キュベルト(癒し願う聖女・f00816)には肌で感じられた。
「まさか!? 反戦を呼びかけていたエドワードソン議員が!」
「もしかしてあの議員さんが、私たちを生贄にして自分だけ至福を肥やそうとしてただなんて!」
 呆然とする者も怒りだす者もいた。彼らの衝撃はいかほどのことか? 彼らの心の内を慮る度、セラフィールの胸は締めつけるように痛む。
 けれども、そんな時に彼らに何をしてやればいいのか、セラフィールにはよく解っている。勝てぬ、という絶望が彼らを逃避に向かわせたのならば、彼らに希望を与えてやらなければいけない。
「次代の人々へ繋ぐ世界は、帝国のものでない、皆様自身のものであるべき……そうですよね?」
 そのとおりだ。反戦と服従を選んだ人々だって、自分の未来を誰かに明け渡したいわけじゃない。屈辱の未来でも死ぬよりはマシ……ただ、そう願っただけなのだ。
 だが違う。彼らが戦いを選ぶ限り、彼は決して死にはしない。
 それはセラフィールも戦うからだ。そして……他の猟兵たちも。
「心配は無用です、私も、この身全てを以て助力致しますし、何より、全銀河から人々が解放軍のもとに集まってきております」
 必死に呼びかけ、セラフィールの姿は祈りを捧げる天使のようで、どんな人々もそれを無碍にはできない。
「君のような子が戦うっていうのか? だったら俺だって戦ってやる!」
「『解放軍』……そうよ! そういえば彼らは帝国を滅ぼしたんだわ!」

 勇気と自由への渇望の輪が、『‎オリヴィエ』の各所へと広がってゆく……討論番組の下部チャートの動きは今や止まらない。全ては、銀河の未来のために。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月02日


挿絵イラスト