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羅針盤戦争〜海の嵐を超えて行け

#グリードオーシャン #羅針盤戦争

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「ついに『七大海嘯』が、大攻勢を開始したね!」
 ルビナ・ベイビーブルー(スペースノイドの電脳魔術士・f01646)が皆に向かって呼びかけを行った。
 蒼海羅針域の中心にある「サムライエンパイアに通じる渦潮」を破壊されれば、猟兵達はもうこの世界に来ることができなくなるというのだ。
 七大海嘯を探す手がかりは蒼海羅針域しかない。
「どうにかして敵の拠点を見つけないとね!」
 そのためにも一つ一つの事象を解決しようという。
「私が予知したのはメガリス『電光の羽衣』をまとったコンキスタドール『すきゅりん』だよ」
 『すきゅりん』は羽衣から凄まじい『電撃の竜巻』を放ち海域を封鎖している。
 近づくと鉄甲船でも飛ばされる程の竜巻だ。
 海域を封鎖されてしまえば自由に行き来することも難しくなる。どうにかしなければならない。そこで――。
「みんなにはその竜巻の中心を目指してほしいんだよね。その中心にいる『すきゅりん』を倒してほしいんだよ!」
 『電光の羽衣』をまとった『すきゅりん』を倒せば竜巻は消える。
 目的ははっきりしていた。
 ただその道中は容易ではないようだ。
「竜巻の中を進むのは困難なことだよ。竜巻に飛ばされた『鋼鉄人喰ザメ』が牙を向いて襲いかかってくるし、稲光は絶えず発生しているの」
 竜巻と電撃に対抗する手段を考えて挑まなければいけない。
 『鋼鉄人喰ザメ』を排除して仲間の助けになるのもよいだろう。
「とにかく竜巻を進んで中心を目指してね。中心にいる『すきゅりん』は一撃で倒せるから、特に心配はないと思うよ」
 とにかく海域を封鎖している『電撃の竜巻』を消し去るにはその中心にいる『すきゅりん』の元までたどり着き、倒せば良いようだ。
「それじゃあ、みんなよろしくね! 十分に備えて嵐を越えていこう!」
 そう締めくくり、ルビナは説明を終えた。


陵かなめ
 よろしくお願いします。
 『羅針盤戦争』のシナリオになります!
 『電撃の竜巻』の中心を目指してください。
 このシナリオのプレイングボーナスは『竜巻と電撃に対抗する』ことです。
 竜巻と電撃に対抗する手段を考えてみてください。
 それでは、プレイングお待ちしております!
 プレイングはオープニング公開と同時に受付を開始します。
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第1章 冒険 『電撃の竜巻で封鎖された海域を突破する』

POW   :    竜巻に巻き込まれた凶暴な「鋼鉄人食い鮫」の襲撃から身を守りつつ、すきゅりんのいる中心に向かいます

SPD   :    絶え間なく発生する稲光をかわして、すきゅりんのいる中心に向かいます

WIZ   :    竜巻の風に逆らわず、強風の流れを見切って、すきゅりんのいる中心に向かいます

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フィロメーラ・アステール
「うひー、こりゃスゴい風だぞ!」
しかも電撃とサメまで!
対策は欠かせないな!

まず【電撃耐性】の【オーラ防御】バリアで防御を固める!
電撃とサメを防ぎつつ、【第六感】の導きに任せて【空中浮遊】で風を乗り継いでいくぜ!

宇宙的にみればね、この程度の風は日常茶飯事さ!
この宇宙的【環境耐性】で……おえっぷ、乱気流きっつ。
でも【気合い】で乗り切る!

光妖精の【視力】を活用して、人間の肉眼では見えないような光までチェックして、敵の居所をさぐる!
見つけたら【対流圏・乱舞ノ形】の出番!

これは気流を使って攻撃する技だけど、何十本もの気流を束ねれば、風の流れを変えられるはず!
自分や仲間の進路を確保して、攻撃に繋ぐぜ!


神海・こころ
◇ 『鋼鉄人喰ザメ』を排除
荒れ狂う高波の中
甲板のロープを身体に巻き付け竜巻で飛ばされない様に工夫しながら
仁王立ち
雷撃対策の為、今回は素手で対応

空中を飛んで襲い掛かる『鋼鉄人喰ザメ』に対して
「見切り」+「怪力」任せで片手で受け止めて
全力のUC「修羅殴殺」+「気絶攻撃」の拳の一撃でぶん殴り
あらゆる防御を貫通する渾身の一撃だからね♪
ガツッン!!と甲板に沈めて行きます

ふぅ~…アタシが乗ってる船に悪さはさせない!!
あはは、なんか今の少年漫画の主人公みたいじゃなかった?
歳相応の明るい笑顔を振りまきながら、周囲の船員さんたちにVサイン
存在感をアピールしちゃいます



●道を切り開く
 猟兵たちの乗る船は嵐の海の中へ飛び込んだ。
「うひー、こりゃスゴい風だぞ!」
 フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)はオーラを身に纏いくるくると風の中を飛ぶ。
 宇宙的に見ればこの程度の風は日常茶飯事だと思う。
 だから、だいじょうぶ、きっと。
「……おえっぷ、乱気流きっつ」
 フィロメーラの目玉がぐるぐる回った。
 乱気流はキツかった……けれども!
 ここは気合で乗り切るしか無いだろう。
 フィロメーラは強力な風に翻弄されながらそれでも何とか嵐の中心地を見据えた。激しい風と激しい稲光。そして飛び交うサメたち。竜巻はますます激しく立ち上る。
 その嵐の中心、遠く彼方に電光の羽衣を着た敵の姿が小さく見えた。
 人間の肉眼では到底捉えることのできないような小さな光を見つけ出し確信する。目指すべき場所、倒すべき敵を。
「あそこだ! さあみんな、あの場所を目指そう!」
 この海域を嵐で閉ざしている者・すきゅりんは、居場所を動かない様子。
 それならと、フィロメーラはユーベルコード『対流圏・乱舞ノ形』を発動させた。
「大空に描く星の意志で!」
 幾何学模様を描き複雑に飛翔する気流を数え切れないほど操る。
 周囲で気流と風がぶつかり合い、轟々と激しい音が響き渡った。
「何十本もの気流を束ねれば、風の流れを変えられるはず!」
 両手を広げたフィロメーラの体が空中で安定する。気流が風を弾き一瞬、風が凪いだ。
 残る気流を集め束にして、目の前の風に向かって振り下ろす。
 これは気流を使って攻撃する技だが、これだけの数を束ねてぶつけたら風の流れすら変えることができるはずだ。
 気流の束が激しく渦巻く竜巻を叩く。
 竜巻が曲がり、荒れ狂う海の波に乗って跳んでいたサメが散っていった。
 その一撃が道を開いた瞬間。
「さあ進路は確保したぜ!」
 フィロメーラは仲間に声をかけた。
 これで随分踏み込みやすくなったはず。開けた道を目指して船が走り出した。

●一撃必殺
 甲板に仁王立ちしているのは神海・こころ(心海に沈む・f31901)だ。
 ロープを体に巻きつけて、竜巻に飛ばされないよう工夫している。
「よし! 動き出せるよ!」
 仲間の働きで荒れ狂う竜巻の隙間ができた。すぐに竜巻が戻ってくるだろうけれど、船を進めるには十分だ。
 こころが開けた道を指差すと、船の乗組員が威勢の良い掛け声を上げた。
 船が進む。船体に波が打ち付けられた。海は大荒れ。
 近くにいたサメは一旦吹き飛ばしたがそれも一瞬のこと。船が進めばあっという間に周囲をサメに囲まれた。
 激しい竜巻に身を任せ、飛ばされ回されサメが海域全体を泳いでいる。
 こころは船や仲間たちに牙を向けるサメを見下ろした。
「来たね!」
 今日は雷対策のため素手で挑むことにしている。
 両の拳を軽く打ち付けて力強く甲板を蹴った。
 機会を見計らっていた鋼鉄人喰ザメが突撃してくる。
 こころが拳に力を集めた。
「アタシの全てを込める!!!」
 ユーベルコード『修羅殴殺』。全身全霊をかけた重い一撃がサメの頭部へ。あらゆる防御を貫通する渾身の一撃は、当然のようにサメの頭部を打ち抜いた。
 甲板が大きく揺れる。
 サメはピクリとも動かなくなった。
 鉄鋼で体を覆った巨体もこの一撃にはなすすべがなかったようだ。
 サメの頭部から拳を引き抜きこころが息を吐き出す。
「ふぅ~」
 そして、ぶんと腕を回した。
「……アタシが乗ってる船に悪さはさせない!!」
 体に巻き付けたロープが揺れる。
 サメを倒したこころに向かって船員たちが大きな拍手を送った。そして口々に「ありがとう」「やったな!」「すげぇ!」とこころを褒める。
「あはは、なんか今の少年漫画の主人公みたいじゃなかった?」
 振り向いたこころは、声援に笑顔で応えた。
 それは年相応の明るい笑顔。Vサインを作って見せると、船内が大きく湧いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

七那原・望
うわぁ……いっぱい飛んでるのですー。
このサメ達わたし達に構う余裕あるのでしょうか。

アマービレでねこさんをたくさん呼び出して、【多重詠唱】【全力魔法】【結界術】を展開して電撃と竜巻、迫りくるサメから船を護ります。

人手はねこさん達で十分確保できましたし、わたし達は露払いに専念しましょうか。

セプテットとオラトリオの【乱れ撃ち】やねこさん達の【多重詠唱】【全力魔法】【弾幕】の【一斉発射】、そして攻撃回数重視の【Lux desire】を放ち、空を舞うたくさんのサメを撃退しましょう。

可能なら風【属性魔法】で竜巻の風の流れに少し干渉して、サメをこちらではなく明後日の方向に吹き飛ばせないかも試してみましょう。



●多重攻撃
 竜巻がまた激しさを増していく。
 七那原・望(封印されし果実・f04836)は竜巻に巻き込まれたサメたちを眺めた。
 激しい流れに翻弄され、弾かれ、ぐるぐると回っている。
「うわぁ……いっぱい飛んでるのですー」
 中には竜巻から逃れることができずに目を回している個体もあるようだ。
 あのサメたちはこちらに構う余裕があるのだろうか?
 やや疑問に感じつつも、船周辺を警戒する。
 竜巻に弾かれたサメが海域のそこかしこに降ってきているようだ。海面に叩きつけられたサメたちは、それでも逞しく海に潜り体勢を立て直してこちらを狙っている。
 望は銃奏・セプテットを宙に舞わせた。
 そしてエクルベージュ色の影オラトリオを展開する。
 手には白いタクト・アマービレ。望が獣奏器を振るうとたくさんの魔法猫が現れた。
「ねこさん達、いっしょに頑張りましょう」
 周辺でまた大きな竜巻が立ち上る。
 竜巻に巻き込まれた鋼鉄人食いサメが飛び上がり、襲いかかってきた。
 その数は多い。
「わたし達は露払いに専念しましょうか」
 望がサメの前に立つ。
 セプテットとオラトリオが攻撃を始めた。乱撃でサメの鉄鋼を撃ち抜き押し返す。怯んだサメに向かってねこさん達も魔法で攻撃を仕掛けた。一斉に放たれる魔法弾がサメの巨体に命中する。
「――ッ」
 サメの鉄鋼が砕け息絶え海に落ちていく。
 だがそれは最初の一体。
 竜巻からは次々にサメが降ってくる。
 望は数多の奇跡を引き起こす勝利の果実『真核・ユニゾン』を腕に抱いた。
 ねこさんたちが結界を展開し竜巻から船体を守っている。目の前に広がるのは竜巻の乱舞。だが結界のおかげだろうか、足場は思った以上に安定していた。
「全ての望みを束ねて……!」
 船の上に落ちてくる駄目の数を数える。
 あのサメたちをすべて近接で相手取る必要はない。
 望がユーベルコード『Lux desire』を放った。
 真核・ユニゾンから膨大な光の奔流が放たれる。それも何度も。
 数多の光が船を狙うサメたちを撃ち落として蹴散らした。

成功 🔵​🔵​🔴​

播州・クロリア
鋼鉄人喰ザメ...それは生物なのでしょうか?
もし敵の用意した兵器ならもっと適切な武器がありそうな気がします
まぁそれはさておき、雷鳴轟く嵐の中をどう突っ切るか
これはもうダンスしかありません
(目を閉じ、すっと手を真横にピンと伸ばすと{絢爛の旋律}で『ダンス』を始める)
この天候にはとても不釣り合いなリズムですが
今の私の気持ちとしてはこれが正しいのです
(UC【蠱の夢】を発動し{絢爛の旋律}で生まれた光を纏わせながら『衝撃波』を使ったダッシュで竜巻に突入する)
あはは!あぁ...なんて晴れやかな気分!
誰にも何も邪魔されずに踊れるって素晴らしい!



●晴れやかな旋律
「鋼鉄人喰ザメ……それは生物なのでしょうか?」
 播州・クロリア(リアを充足せし者・f23522)は竜巻に巻き上げられるサメを眺めた。
 もしあれが敵の用意した武器だというのなら、もうちょっと適切な武器がありそうな気もするけれども……。
「まぁそれはさておき」
 船の周囲は雷轟渦巻く嵐。竜巻の勢いは収まらず、雷光煌めき、サメが舞う。
 仲間のおかげで進路は確保されているとはいえ、とても静かなクルーズとはいかないだろう。
 この嵐の只中をどのように進むのか。
 クロリアは確信を持ってこう言った。
「これはもうダンスしかありません」
 奏でるのは絢爛の旋律。蒼天に輝く太陽と陽光に照らされ輝く大地を表現した栄華のリズムだ。
 相変わらず嵐は続いている。
 船は揺れ足場が良いとは言い難い。
 だがクロリアはピンと真横に腕を伸ばした。目を閉じ、正しい姿勢とリズムに乗った足さばきで踊り始める。
 足を踏み込んで大きく体を開けば蒼天に輝く太陽が降り注いでいるかのよう。
 腕をしなやかに伸ばし体を回転させると、そこには陽光に照らされ輝く大地が見える気がする。
 栄華のリズムが輝き出した。
 クロリアはただひたすらにダンスに没頭する。
 発動するユーベルコードは『蠱の夢』。
「誰にも何にも邪魔をされず、ただただ踊る……私の夢です」
 ダンスで生み出す旋律は光となってクロリアに集まってきた。
 その輝く光を身に纏い更に力強く美しく踊り続ける。
 激しい竜巻も、鉄鋼のサメも、クロリアを傷つけることは出いない。
「あはは! あぁ……なんて晴れやかな気分!」
 周囲に光が降り注ぐ。
 絢爛の旋律はこの海域の天候とは真逆の印象だ。だが――。
「今の私の気持ちとしてはこれが正しいのです」
 クロリアは輝くような笑顔を浮かべた。
 何と晴れやかなダンスなのだろう。
「誰にも何も邪魔されずに踊れるって素晴らしい!」
 そう言って、船体から竜巻へ。
 もはや竜巻など何の障害にもならない。
 中心部に向かう仲間を先導するようにクロリアはダッシュした。

成功 🔵​🔵​🔴​

鈴木・志乃
サメは自分でも対処するかもだけれど
出来れば他の人にお願いしたいかな。
私は先に進み、たい!

UC発動、光の思念体に変化
竜巻、稲光はこれで無効化したいところ
物理的な肉体を持たない私をサメが食えるかどうかはしらん! 食えたら困るので高速詠唱のオーラ防御を多重詠唱で展開。いやまじでこまります。頼みます食わないで下さい。

最短距離で竜巻の中を進むよ。私の仕事はとにかく早く辿り着くこと。
長期戦なんかやってられん。
ところですきゅりんって凄い名前だな。どんな敵だ。
ここまで可愛らしい名前の敵もそうそういないぞ。



●一直線に
 周囲の竜巻はますます激しさを増し稲光が襲い来る。弾かれたサメたちは仲間が一掃してくれたようだ。
 鈴木・志乃(ブラック・f12101)はユーベルコード『ホワイトアウト』を発動させた。
「だから! バカンスを!! よこせーーーーっっっ!!!」
 こんな戦争は早く終わらせるに限る。
 その精神が極限まで増大し、自身の姿を光の思念体と化した。
「私は先に進み、たい!」
 見据えるのは遠くに見える敵の姿。最短のルートも仲間が示してくれている。サメが降ってきたけれど仲間が結界で抑え込んでくれた。
 船体近くのサメを仲間に任せ、竜巻へ向かう。
「私の仕事はとにかく早く辿り着くこと」
 正直なところ、長期戦などやってられない。仲間がサメに対処してくれている間に最速で敵のもとへたどり着くことが目標だ。
 光となった志乃が竜巻を突っ切って飛ぶ。
 この体をサメが食べるかどうかは分からない。
 と思いつつも、正直なところ本当に食べられたらとても困るので、念入りにオーラ防御を展開しているのだが。
 竜巻の中をぐるぐると飛んでいる鉄鋼サメが大きく口を開けた。
 こちらを狙っているというよりも、近づくものすべて噛み砕くような勢いではあるけれども。
「いやまじでこまります。頼みます食わないで下さい」
 志乃はオーラを一層重ねて守りを固める。
 サメが勢いよく口を閉じた。
 その隙間をすり抜けるように光が走る。
 飛び散るサメの歯の破片。志乃のオーラがサメの歯を砕いたのだろう。
 なんとか食べられずに済んだようだ。
 志乃はもうサメを見ていない。
「ところですきゅりんって凄い名前だな。どんな敵だ」
 見ているのは遠くにいる敵。嵐を呼び続ける『すきゅりん』だ。
 響きだけを聞くのであればここまで可愛らしい名前の敵もそうそういないと思う。
 いちだんと竜巻と稲光が激しくなってきた。敵はすぐそこだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ライカ・ネーベルラーベ
ふーん、竜巻
いいよ。嵐はあんただけの味方じゃないってこと、教えてあげる

【マクスウェルの方程式】で自身を稲妻に変換
風も、雷光も、ついでに鮫も
これでスルーできるんだよね
まぁ核の心臓だけは風に乗るかもしれないけど
そこから伸ばした電撃が相手に届けばそれでわたしの勝ち

「何が雷光の羽衣だよ。風で吹き飛ばされて泣けばいい」
(飛んできた鋼鉄ザメを自身の雷光で弾き飛ばしながら)

……あれ?この鮫使えるかも
撃墜したのをあのタコ女めがけて射出してみよう
タコと鮫なら、鮫の方が強いでしょ……たぶん


フェルト・ユメノアール
ただでさえ海上だっていうのにその上さらに竜巻なんて
地の利がないってレベルじゃないね
でも、やらなきゃ!エンターテイナーに不可能はないんだから!

時間をかければかける程消耗するのは間違いない
なら、出来るだけ短時間ですきゅりんまでたどり着く方法は……
そうだ!
ボクは手札からUCを発動!
カモン!【SPスマイルスライム】!
フックロープの先にスライムの粘液を付着させ、それを鋼鉄人食い鮫目掛けて『投擲』
ロープを引っかけ、それを手綱のように扱いながら『動物使い』の経験を生かしてサメを操り騎乗する

そして、そのまま風に乗り、雷はトリックスターを複数上空に投擲する事で誘導、回避し
すきゅりんに接近、鮫との合体攻撃を加える


神宮時・蒼
……す、すきゅ、りん?
…不思議な、響きの、名前、ですね…
…とは、言え、此の、竜巻は、厄介、ですね…

【WIZ】
「電撃耐性」があるので、ある程度の被弾は覚悟しつつ、自身に薄く「結界術」を張っておきます
竜巻に逆らいながら行動するのは難しそうなので敢えて身を任せましょう
「属性攻撃」で風を呼んで、己が進む糧とします
風の流れも一定ではない筈、一端を感じる事が出来れば僥倖ですが…
白花繚乱ノ陣で花吹雪を呼びだして風の流れを読むのもありでしょうか
多少の傷は「激痛耐性」があります

竜巻の中央に辿り着いたなら
すきゅりんに向かって白花繚乱ノ陣を描きましょう
描けなければ、此の身に宿る呪いを、「呪殺弾」として放ちましょう



●いざ中心へ
 ある程度の進路が確保され、猟兵たちは次々に中心部へと向かった。
 ライカ・ネーベルラーベ(りゅうせいのねがい・f27508)は荒れ狂う竜巻を見上げてこう言った。
「いいよ。嵐はあんただけの味方じゃないってこと、教えてあげる」
 ライカが発動させたのはユーベルコード『マクスウェルの方程式』だ。
「わたしの逝く道を照らせ雷光――不明の闇を照らして砕く!」
 心臓を核に、それ以外の全身を稲妻に変異させ戦場を走った。
 風も、雷光も、敵が引き起こす現象をすべてやり過ごす。
 今やライカ自身が雷なのだから。

 フェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)は戦場に走る閃光を見ながら立ち上がった。
 ただでさえ海上だというのに、その上にさらに竜巻が襲い来る。
 地の利がないというレベルではないと思う。
「でも、やらなきゃ! エンターテイナーに不可能はないんだから!」
 さてどうしたものか。フェルトは考える。
 ライカのように敵が巻き起こす現象を利用する手もあるけれど……。
 とにかくこの状況では時間をかける程消耗してしまう。それならできるだけ短時間ですきゅりんまでたどり着く方法を取りたい。
「そうだ!」
 フェルトがアイデアを思いついたようだ。
「ボクは手札からスペシャルゲストをご招待! カモン! SPスマイルスライム!」
 そう言ってスマイルパペットを呼び出した。
 召喚されたスライムがまき散らす粘液をフックロープに付着させて構える。
 狙うは竜巻に弾かれて頭上を飛び交っているサメだ。

「……す、すきゅ、りん?」
 不思議な響きの名前だと神宮時・蒼(終極の花雨・f03681)は思う。
「……とは、言え、此の、竜巻は、厄介、ですね……」
 自身に薄く結界術を張りながら周辺の竜巻を見た。
 あの激しい竜巻に逆らいながら行動するのは難しそうだ。
「……敢えて、身を、任せましょう……」
 蒼はそう考え風を呼んだ。
「……ん、多少の、傷は……」
 なんとか耐えることができるだろう。
 ふわりと蒼の身体が宙に浮いた。あとは竜巻の激流に身を乗せる。
 周囲には風に翻弄されるサメの姿。
 風は強弱をつけながら渦巻いているようだ。一端を感じる事が出来れば僥倖だと思うのだが……。
 風に流されながら蒼が杖を取り出した。
「……何にも、染まらぬ、誠実なる、白。何にも、染まる、無垢なる、白……」
 そう言って静かに陣術を描いていく。
 陣術が完成したと同時に術を発動。ユーベルコード『白花繚乱ノ陣』が月花ノ吹雪を呼んだ。
 瞬間、辺り一面に花吹雪が舞う。
 最初は蒼を包み込むように待っていた花吹雪が竜巻に巻かれて散っていった。美しい花吹雪は荒れ狂う竜巻の中によく映える。鉄鋼のサメとの対比が白い花びらをより引き立たせているようだった。
 花吹雪の行末を視線で追う。
 この花吹雪の道筋こそが竜巻の流れなのだ。
「……流れを、見て、ください……」
 付近の仲間たちに見えるように流れの先を指差す。
 花吹雪がこの嵐の中心を教えてくれた。仲間たちにうまく伝わればいいのだけれど……と、蒼は自身の体もふわりふわと風に乗って進ませた。

「ありがとう! あの流れに乗れば良いんだね!」
 フェルトは花吹雪の流れを確認した。
 そして周囲に飛んでいる鉄鋼人食いサメに向けてフックロープを投擲する。
 風に乗ったロープが一体のサメに絡みついた。
 しっかり先端が引っかかったことを確認してフェルトが船体の甲板を蹴る。ふわりと身体が浮き、風に流された。
「これをこうすれば!」
 腕に力を込めロープを手繰る。すでに体は宙に浮き足場はない。
 それでも空中でくるりと回転することなどお手の物。
 上手く自分の体を制御するとそのままサメの背に乗った。
 サメは竜巻の流れに逆らえない様子だ。
「さあ向かう先はこっちだよ!」
 ロープを手綱代わりにして上手く行き先を調節する。
 花吹雪を追いかけるようにフェルトの騎乗したサメが流れに乗った。

 戦場に激しい稲光が走る。
 ライカが電撃を飛ばしたのだ。
「何が雷光の羽衣だよ。風で吹き飛ばされて泣けばいい」
 周囲のサメを雷光で吹き飛ばし、嵐の中心を感じる。
 蒼の花吹雪を見ることですでに敵への道筋は見えているのだ。
 次々に鉄鋼人食いサメが落ちていく。
 電撃で痺れ海面に叩きつけられている様子だ。
 更に稲光。
 すきゅりんが電光の羽衣を全開にさせたのだろうか。
 だが稲妻と化したライカは、うまくそれを受け流す。風に流れる心臓も、仲間とともに行けば迷いなく。
 徐々に敵との距離が近づいてきた。
 最初は点だった敵の姿が、今でははっきりと見える。
 敵の姿は可愛らしい少女のよう。だがそれは上半身だけだ。もっとも特徴的な下半身は見るからにタコだった。

「よーし! このまま仕掛けるよ!」
 サメに騎乗したフェルトが猛然と敵へ仕掛けていった。
「……白花繚乱ノ陣を、描きます」
 蒼が杖で陣術を描き始める。
 その二人の周辺にライカの稲妻が走った。
 竜巻に巻かれていたサメたちが一斉に落ちていく。二人を邪魔するものが無くなった。
 そして――。
「……あれ? この鮫使えるかも」
 ライカが海面で気を失っているサメに目をつけた。
 稲妻で叩き上げてサメを宙に飛ばす。
 気を失っていようが関係ない。
 次にサメの体を打ちつけて敵へと飛ばした。
「タコと鮫なら、鮫の方が強いでしょ……たぶん」
 痛烈な勢いで射出された鉄鋼サメがすきゅりんの身体に激突する。
 それはまさに鋼鉄の弾丸。
「ぎゃん?!」
 一撃を食らってすきゅりんが態勢を崩した。
「今だ! サメとボクの合体攻撃をくらえ!」
 ギリギリまで間合いを詰めたフェルトがサメを飛ばして体当りさせる。
「……舞え、吹き荒れろ」
 くるくると竜巻の中で回りながら蒼が花吹雪を放った。
 月花ノ吹雪がすきゅりんの身体を何度も切り裂く。
 弱りきった的に向け、ライカが特大の電撃を走らせた。
「嵐も風も、あんただけの味方じゃなかったってことだよ」
 伸ばした電撃がすきゅりんの体を撃つ。
「な……ん、で?!」
 猟兵たちの集中砲火を受け、すきゅりんが沈んで消えた。
 もう羽衣の雷も嵐もない。
 竜巻も静かに消え去った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月04日


挿絵イラスト