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羅針盤戦争~暴虐なる双頭巨人

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #バルバロス兄弟

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「ハイレディン、時が来たぞ!」
「ああ、オルチ兄!兄者の最後の『眼』に嵌めるべきものも見つかったようじゃねえか!?」
 異形の巨人が語らう。各々の腕に凶悪な武器を携え嬉々としながら、
「王の言っていた『グリモア』の事だな。未来予知と世界移動を可能にするエネルギー体……悪くねえな!」
 隻眼の男、オルチが喜びを隠しきれない独白を漏らせば
「そうさ!グリモアと俺の『オルキヌスの瞳』さえあればあの『鮫牙』の野郎だってぶち殺せる!俺たち兄弟は無敵になれるぜ!」
 オッドアイの白ターバン、ハイレディンはもまた歓喜を滲ませ同意する。
「さあ、行くぞ!俺達の輝かしい未来の為になあ!」かくして兄弟は進軍を開始する、これから始まる略奪と殺戮に心弾ませながら。
 二人の名は「バルバロス兄弟」
 七大海嘯『三つ目』と呼ばれる異形の双頭巨人である。


「各員、傾聴!」
 グリモアベースの一角で一人のグリモア猟兵の声が響いた。
「私は先日よりグリモア猟兵に着任したエハド・ショウヘルという。」
 巨体のウォーマシンが金髪をなびかせながら手短に用件を告げる。
「既に知っていると思うがグリードオーシャンで戦争が開始された。
 オブリビオン・フォーミュラ『カルロス・グリード』の大号令の下、七大海嘯以下コンキスタドール達が旗下の全戦力をもって進撃を開始したのだ。」
 感情を交えず淡々と状況を説明する彼女はあっさりと敵の目的を告げる。
「奴らの狙いはこちらの進出の起点である渦潮の破壊だ。これは何としても阻止せなばならない。よって貴官らには進撃してくるコンキスタドールの迎撃をしてもらう。」

「今回貴官らが相手にするのは七大海嘯が一人『三つ目』だ。」
その名を告げたと同時に周囲に緊張が走る。
「そう、大幹部直々に出陣ということだ。何度も甦るオブリビオンだからこそできる
戦法だな。」呆れを滲ませつつも敵の詳細を説明するのは忘れないのは指揮官型ウォーマシンゆえだろうか?
「この巨人の名称は『バルバロス兄弟』兄のオルチ、弟のハイレディンで構成された双頭の巨人だ。複数の武器を使ったパワー殺法だけでなく弟ハイレディンの持つ邪眼は敵対者の精神・肉体の双方を退化させる力を持つ。絡めても交えてくる油断のならない強敵だ。
何より標的のユーベルコードは必ず先手を取ってくる。その対策を練らねば敗北は必定だろう。」
言いながら彼女はグリモアから今回の戦場の立体地図を投影する。
そこには宇宙船の残骸がオブジェのように突き立った島が映し出された。
「今回の戦場はスペースシップワールドの宇宙船と思しき残骸が大量に漂着している島だ。幸い周囲に民間人はいないから避難を考慮する必要はない。敵もまずは確実に制圧できるところから己の領域を広げるつもりだろうが、それを果たさせてやる義理はこちらにはない。」
映像を切った彼女は周囲の猟兵に告げる。
「戦争初頭であるがこの戦いはこの世界の行方を占う重要な一戦だ。各員、命を懸けて任務を遂行してもらいたい。そして必ず帰還せよ!」
その言葉と共に彼女は転送ゲートを展開。
猟兵達を戦場へと誘うのだった・・・・。


紅時雨
初めまして。
マスターの紅時雨と申します。初めてのシナリオが戦争となりますが
微力を尽くさせていただきます。

今回の敵は七大海嘯が一人『三つ目』バルバロス兄弟です。
5mの巨体を誇る戦闘の達人であり凶悪な殺戮者でもあります。
 
今回の舞台になる島はスペースシップワールドの宇宙船の残骸が漂着して
廃墟のような様相を呈しておりますが、猟兵の皆様の行動には支障はありません。
また周囲に人影はありませんのでそこら辺の気遣いも無用です。

プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。となります。

OPが承認され次第受付を開始します。
ですが遅筆ですので再送をお願いすることもあるかもしれません。
予めご了承のほどお願いします。

それではよき巨人との殴り合いを
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第1章 ボス戦 『七大海嘯『三つ目』バルバロス兄弟』

POW   :    フォーアームズ・ストーム
【四腕で振るった武器】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    「オルキヌスの瞳」
【弟ハイレディン(左頭部)の凝視】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【肉体、精神の両面に及ぶ「退化」】で攻撃する。
WIZ   :    バルバロス・パワー
敵より【身体が大きい】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。

イラスト:ちーせん

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

曾場八野・熊五郎
あの瞳を見てから鱒之助がやけに騒ぐでごわす
よろしい、一丁叩きに行くでごわ!

(spd)
目に映ったらいけないなら見えないとこから行くでごわす
離れた場所から『トンネル掘り、野生の勘、追跡』で地中から匂いを追って奴の足元まで近づくでごわ

近寄ったら【ケダマックス】で鱒之助を巨大化!地中から突き上げるでごわ!
デカい鱒之助を『怪力』でぶん回して戦うでごわすが、半径85mに影響を及ぼす巨大魚を30cmもない我輩が使えば、我輩なんてほとんど見えないでごわすな?
叩き潰せるならOK、避けられても鱒之助に隠れて【騙し討ち】で首を噛み切ってやるでごわす

グリモアもその目もお主らには豚に真珠でごわ
痛い目見せてやるでごわす!


ベルベナ・ラウンドディー
●地形破壊・体勢を崩す・目立たない・地形の利用



じゃあ視界から外れるのが基本でしょう!

先制対策に、爆弾を周囲に展開、爆破する
狙いは3点、此方の身を隠すこと&聴力崩し&足場崩し
爆風と地形の破壊跡に身を隠し、視線を遮る
聴力破壊して平衡感を奪う、体勢を崩す以上は視線の方向だって限定される
目が3つ武器が5つあろうが背後は見えず、武器とて振るえまい!


ユーベルコード使用、その対象は敵の武器
適性サイズに分解後、此方の念動力で操作して残りの爆弾と一緒にブチ当てる
肉体退化も念動力なら無問題
最大脅威のその武器を封じれば退化した精神でもビビらず戦術展開が可能と言うもの


私は偵察専門、格上相手に真正面から戦うわけがない



●進撃する巨人と待つ者、追う者
悠然と進む異形の巨人「バルバロス兄弟」
彼らを待ち受ける一人の猟兵がいた。
(私は偵察専門、格上相手に真正面から戦う必要はない)
廃墟の陰に潜むのは白き鱗の竜人ベルベナ・ラウンドディー(berbenah·∂・f07708)は自身の役割をそう位置付けていた。
 今回の標的である七大海嘯の一人『三つ目』。その力を推し量り可能ならば手傷を負わせ後続に引き継ぐ事だと。
敵の進軍ルートを割り出し既に仕込みは済ませている。
彼は息を潜めただその時が来るのを待ち続けていた。

一方

 彼が待ち伏せしている場所から少し離れた地中でひたすら掘り進む一匹の犬がいた。
否、ただの犬ではない。そのつぶらな漆黒の瞳には確かな知性を感じさせ何故かその背には生きのいい鮭を背負っている。
 蕎麦屋の店長だったがどういうわけか猟兵となり蕎麦屋に帰れなくなった賢い動物
の曾場八野・熊五郎(ロードオブ首輪・f24420)とその熊五郎に捕獲された石狩鮭之助である。
(あの瞳を見てから鮭之助がやけに騒ぐでごわ。よろしい、一丁叩きに行くでごわ!)
単純に川に帰りたいだけでは?そう突っ込む者は皆無である。
 かくして彼は一心不乱に掘り進む。敵は七大海嘯、その恐ろしさは彼も聞かされている。(目に映ったらいけないなら見えないところから行くでごわす!)
彼は穴掘りに自信があった後はあの巨人兄弟の匂いを辿れば追跡は容易のはず、であったが。
(そういえばあの巨人兄弟の匂い、知らなかったでごわす。)
掘り進めば当然土の匂いが漂ってくるがそれでは意味がない。そもそも標的の匂いを覚えていないから、匂いを辿るならば予め敵の足跡などから匂いを覚えてから追跡しても十分追いついただろう。
(だが、吾輩にはこの耳がある!)
そう、地中の浅い所を掘り進んでいたが故に彼の優れた聴覚は ズシン、ズシン と地中に響く振動と足音を聞き取ったのだ。これこそが標的だと告げる自身の野生の感に従ってひたすら掘り進んだ!

「なあ、オルチ兄。猟兵共の姿が見えねえんだが?」
最初のうちこそ戦いと殺戮に期待を膨らませながら進軍していた『バルバロス兄弟』
の弟ハイレディンは一向に猟兵と遭遇しない状況にいい加減飽きがきていた。
「焦るなハイレディン、ここにいなけりゃこの島いただいて次を目指せばいいさ。
そうすれば否応なく猟兵共も出てくるだろうさ…。」
そう言って弟を宥める兄オルチの口調にも飽きと若干の失望が滲んでいた。
兄弟達は妨害もなく島の中央部、宇宙船の残骸が遺跡の如く林立する地帯に足を踏み入れた。屈強な巨人たる彼らであろうと移動に難渋しそうな起伏にとんだ地形だが
兄弟は散歩するような気軽さで突き進む。‘もうこの島に猟兵達はいない,そう判断してすっかり油断していたのだ。
 それこそが彼が狙った好機!
(今だ!)
ベルベナは一斉に仕掛けを起爆させる!

轟音と共に仕掛けた爆弾が起爆する!周囲の残骸が崩れ落ち舞い上がる土煙と破片が周囲の視界を塞ぐ、そして何より
「くっ、兄者!」
「大丈夫か、ハイレディン!?」
「だ、大丈夫だ。左耳がやられたがすぐ直るさ。
それより兄者、急いで抜け出さねとこのままじゃ猟兵共の的だぜ!」
片耳を抑える弟を気遣う兄の言葉を遮り危機的状況を告げる。
そう、ベルベナの仕掛けは彼の想像以上の効果を上げたのだ。
彼の仕掛けた爆弾は本来は地形を破壊しその際に発生する粉塵と大音響で標的の視界を遮り聴覚を破壊して接近を容易にする策であったが、爆破の際の地形の崩落と共に
兄弟の足場を崩し彼らの下半身を埋もれさせたのだ。
「・・・よし、行くぞ。」
この好機を逃す理由はないとばかりに彼は遮蔽物を駆使して標的への接近を開始したのだ。

 この好機に気づいたもう一人、いや一匹熊五郎も仕掛け時と判断した。
(この振動、吾輩以外にも馳せ参じた猟兵が!?)
 この機を逃すのは犬としてやってはならないことだと彼は理解していた。
そもそも蕎麦(すでに伸び切ってしまった)の出前を果たさねばならないのだ。
ならば善は急げ!敵はすぐそこだと野生の感が告げている。
「グリモアもその目もお主らには豚に真珠でごわ
痛い目見せてやるで」
「甘いな!」
地中から飛び出して口上を述べつつ鮭之助を巨大化させようとした熊五郎を
ハイレディンの邪眼が遮った。
「オレの視界に入らないように近づく策を考えたようだが、もしかしてその魚を壁代わりにしようとしたのか?舐められたもんだぜ!」
そう、敵のユーベルコードは必ず先制するというのは事前に与えられた情報だ。
彼は鮭之助の巨大化以外の方法を探るべきだったろう。
しかし、徐々に肉体と精神が退化しつつある彼に悔やむ暇などなかった。

 だが、『バルバロス兄弟』は失念していた。
兄は埋まった自分達が抜け出すことに集中し、弟は目の前の猟兵を邪視しながら
どう殺そうか思案していたが故にそもそも自分達を罠に嵌めた猟兵は別にいるのでは?という可能性を。
その致命的な隙を彼が付け入らない理由はなかった。
「いただきます!」
 薄れつつあった粉塵から飛び出したベルベナはバルバロス兄弟の背後から一気に肉薄する!
狙いは一つ。
それは兄弟たちが抜け出すことを優先して周囲に突き立てていた武器。
そのうち自身に最も近い巨大なカットラス!
「!?新手か!」
「なんだと!?」
駆け寄る足音に流石に気づいた兄弟は新たな敵に対処するべく動こうとするが
いまだ抜け出せず思うように動けない。
その隙に目標に到達したベルベナは
「始めます」
己がコードを発動する。
見る間に彼を両断するほどの巨大なカットラスは彼にちょうど良いサイズに適正化され作り直されていく、まるで彼の周囲が造兵廠と化したかのように。
数十本のカットラスに作り直しそれらを残りの爆弾と共に念で操作し標的へと向け
「行きますよ!」
「うぉおおおおおおおお!鮭之助!吾輩らの怒り奴らに思い知らせてやろうぞ!」
ベルベナがそれらを打ち出すのと邪眼が外れたことである程度立ち直った熊五郎が
巨大化させた鮭之助を叩きつけるのはほぼ同時だった。
「う、うぐぁああああああああああああああっ!」
身動きできない巨人は剣と爆弾の雨に晒され
ダメ押しの巨大鮭が振り下ろされたのだ!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ミニョン・エルシェ
5mの巨人、ですか。成る程、凄まじい威圧感ですね。

敵の先制攻撃は【地形の利用】と【逃げ足】で宇宙船の残骸に身を隠しながら移動を繰り返し、命中しそうな攻撃は【視力】で見切りつつ【第六感】と【幸運】で回避に専念。

反撃は【指定UC】にて。
小田原、カルカソンヌ、大阪。此処に巨人をも食い止める堀と城壁、高石垣の城を普請します。

破壊は織り込み済み。懐に引き入れた、という事です…【拠点防御】には一日の長がありますから。
死霊侍衆には散開して大鉄砲で頭…特に目を狙わせ、城からは城対龍ミサイルを【一斉発射。それを【援護射撃】として【空中戦】で巨体に飛び乗り、左頭部の眼に【捨て身の一撃】を与えてやるのです!



●理想の城
「5mの巨人、ですか。成程、凄まじい威圧感ですね。」
やっとの思いで這い出てきた巨人兄弟を見据え呟くのはミニョン・エルシェ(木菟の城普請・f03471)愛用の黒漆塗木菟形兜と白糸縅黒漆塗桶側二枚胴具足に身を固めて
決戦の覚悟を決めていた彼女は決して油断していない。
寧ろ手負いになった敵が恐ろしいことをよく理解していた。
逃げも隠れもせず身を晒す彼女に当然巨人兄弟は気づきそちらに向き直る。
「ほう、次の相手はてめえか小娘・・・。」
静かに呟くオルチ達にも油断はない。目の前にいる少女が自分たちを倒しうる猛者だと理解していた。
故に
「反撃する暇もやらねえ。挽き肉になっちまいなぁ!」
猛然と武器を振るい怒涛の攻めが始まった。
それに対して彼女は宇宙船の残骸に身を隠しながらある場所を目指しひた走る!
「おいおい嬢ちゃん、鬼ごっこのつもりかぁ!?」
「・・・・・・・・」
煽るようなハイレディンの物言いにミニョンは無言を貫く。
それが挑発だと理解しているからだ。
わざわざ自分の手を晒す必要はない、少なくとも今はまだ。

 そうして彼女が辿り着いたのは廃墟の中にできた空き地であった。
ミニョンだけでなくバルバロス兄弟が暴れるにも十分な広さを持つその場所は
周囲にある残骸も合わさって寂れた闘技場のような雰囲気があった。
「鬼ごっこは終わりかな?お嬢ちゃん?」
「ええ、ここがちょうどいい場所ですから。」
オルチの挑発に彼女は答え右掌を押し当てるように地面に置く。
「?」
「ここがちょうどよい場所だったのです。歩み、学んできた城の数々。・・・
此処に、私の理想を普請します!」
そうして彼女は自らのコードを解き放つその力は周囲の残骸を巻き込み彼女を中心に
巨大なる城を作り上げる。
小田原の堅牢なる総構えがあった。
大阪城の内堀外堀があった。
カルカソンヌの最古の城塞があった。
彼女がこれまで訪れ学びその果てに結実した最も強固な城塞が顕現した!
「フン、何をすると思えば。落ちない城は存在しないんだぜ?オレ達の前にはなぁ!」
振るうモーニングスターの一撃が城塞の脆い箇所破壊し、堀などものともせず巨人はあっさりと侵入して見せた。

 ミニョンは城の中庭を思わせる場所でただ待ち続けていた。
そこにバルバロス兄弟が姿を現す。
「もう終わりにしようぜ、お嬢ちゃん。」
「ええ、まったく同意見です。」
オルチの挑発に軽口で答えるミニョンに彼は眉を顰める。
「ほう?」
「元から貴方達に破壊されるのは織り込み済みでした。重要なのは取り逃さない状況を作り上げること。こちらの懐に引き入れ確実に仕留めることなのですから」
言いながら彼女は愛用の八卦が描かれし軍配を掲げる。
するとそれに呼応して鎧武者の亡霊達が召喚される。ただの亡霊ではない、一人一人が数多の戦場を潜り抜け、戦い、その果てに散っていった歴戦の侍達だった。
銃を構えた百を超える精兵たちに取り囲まれようやく巨人兄弟はこれまでの彼女の行動が罠であったと気づいたが時すでに遅く・・・
「放てぇ!」
軍配を振り下ろすと同時に精兵たちの一斉射撃が、更に城の無事な個所から対龍ミサイルが発射され巨人兄弟に殺到する。
「兄者、ここは引き時だ!」
「わかっている。だが、このままでは」
撤退すべきと悟った兄弟だが十字砲火とミサイル着弾の衝撃で逃げることすらままならない。
その中をミニョンは巨人目指してひた走る。激しく暴れまわる巨人に特製の鈎縄を引っ掛けリールを即座に巻き上げて一気に巨人に飛び乗る、狙いはただ一つ。
「貴方のその目、頂きます!」
愛刀「簪宗信」を抜き放ちハイレディンの碧き瞳を確かに貫いたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

七那原・望
精神と肉体両方の退化ですか。
いつかのクモの時とは敵の次元が違う。
絶対に受けてはいけませんね。

物陰に身を潜め、敵の視界に入らない様に行動を。
闇【属性】【結界術】をバルバロス兄弟両方の目を覆うように展開し目隠しを。

長くは保たないでしょうからすぐに【果実変性・ウィッシーズアリス】を発動し、ねこさん達の【多重詠唱】【全力魔法】の幻覚を兄弟共に見せましょう。

これでわたし達を『視認』できないはずだし、同じ物を見てるのだから視界の信憑性も増すでしょう。

敵に気付かれる前に【高速】【多重詠唱】【限界突破】【全力魔法】を叩き込み、仮に幻覚が解けても大丈夫なようにすぐに物陰に隠れて再度幻覚を仕掛けましょう。




 なおも激闘続く城内に潜入し崩落した城壁に隠れながら標的に近づく小柄な影。
彼女、七那原・望(封印されし果実・f04836)は今こそが好機と判断し、敢えて危険を冒して敵に近づくことを選んだ。
(精神と肉体両方の退化ですか。いつかのクモの時とは敵の次元が違う。
絶対に受けてはいけませんね。)
厳重に封じられた目隠しのせいで分かり辛いが彼女の意志は固い。
 そうして辿り着いた彼女が感じ取ったのはハイレディンの左目を貫かれ暴れ狂う『三つ目』の気配だった。
(これは、好機なのです!)
既に訪れていた絶好の機会を逃す望ではない。
「!?なんだ?闇だと!?」
「まだ日は暮れちゃいないぞ!?妖術か?」
望が発動させた闇の結界に視界を塞がれ動揺する二人。
視界が塞がれてはハイレディンの邪眼も標的を捕らえられず効果を発揮しえない。
とはいえ望は自身の術が絶対ではないと分かっていた、故に。
「わたしは望む……ウィッシーズアリス!」
不思議の国のアリスを思わせるようなドレス姿に変じ、呼び出された使い魔の猫達は
愛らしい鳴き声で詠唱を開始する。

「ようやく晴れたか・・・ううぉ!?こ、これは?」
闇が晴れた兄弟が見たのは呪文を高速詠唱する無数の望と猫達の幻覚。
これこそ彼女が打った次の一手
(これでわたし達を『視認』できないはずだし、同じ物を見てるのだから視界の信憑性も増すでしょう。)
とはいえ手あたり次第幻覚を攻撃して虚実の確認をし始めた以上バレるのは時間の問題でしかない。
「あたしの全力、受けるのですーーーー!」
望の放った魔法は過たずバルバロス兄弟を背後から焼き払い
彼らはいよいよ追い詰められてきていた・・・・。

成功 🔵​🔵​🔴​

フィランサ・ロセウス
あらあら?
体は1つだけど2人なの?
つまり…二度も楽しめるのね♥

【ドーピング】で身体能力を強化、【地形を利用】しつつ、【残像】が見える程のスピードで撹乱、
凝視される前に弟くんの視線から外れる
上手く背中を取れたら目にも留まらぬ【早業】で【目潰し】!
さらに駄目押しで【傷口をえぐる】ことで確実に【部位破壊】
UC発動のキーを潰す

あはっ、これでもう弟くんは何も見えないねぇ?かわいそう♥
でも大丈夫、すぐお兄さんもステキな姿にしてあげるからね♥

ここでこちらのUCを発動してさらに加速、【医術】の知識を元に目星をつけた急所を狙って滅多切り!
2人とも真っ赤に染めてあげる♥



●咲き誇る赤い華
-----そして、その少女は城塞から吹き飛ばされるように脱出した巨人の前に立ち塞がった。
 ビキニアーマーのようなボディスーツに身を包み様々な小道具をぶら下げ
ダメ押しにグレイブディガー、愛用の軍用シャベルを担ぐのは元はヴィランの強化人間
フィランサ・ロセウス(危険な好意・f16445)。
「あらあら?ちょっと焦げているようですけど・・・よかった♪
まだ楽しめるみたいです♪」
ーそれも2回も!ー
落胆したと思ったらいきなり恋する乙女のようにうっとりとし出すその感情の落差に
さしもの七大海嘯である兄弟すらも戦慄する。
「あ、兄者こいつは・・!」
「ああ、いかれてやがる!」
ある意味自分たち以上の輩に遭遇したことがないオルチとハイレディンは目の前の猟兵と会話するのは無駄と判断し撤退する意思を固めていた。
既に形勢は不利、ならばこの場は引いて体勢を立て直すべき、だがそのためには
目の前の猟兵が邪魔だ。
 「まあ、貴方達もわたしのことが好きなんだね❤」
兄弟が向ける殺意を感じ取り彼女は感極まった声を上げる。
実際彼女はうれしいのだ。愛はもちろん殺意も自分に向けられるそれらは彼女の感情を大いに動かす。だからこそ自分も応えよう!
「わたしもきみ達が大好きだよ!(訳:絶対殺すね?)」

告白とも取れるその言葉の裏の意味を正確に理解した否、気づかされた兄弟は
初めて闘志や殺意ではなく恐怖からこの猟兵は殺さねばならないと思った。
「殺してやるぞ、小娘!」
そういうハイレディンの邪眼が彼女を捕らえるより前にフィランサは常軌を逸した速さで残骸に身を隠しながら好きな人(敵)めがけて突き進む。
予め薬剤のドーピングを済ませていた彼女は元から尋常ではない強化を施された
肉体をさらに酷使し、あっという間に巨人に取り付き駆け上がる!
そのあまりの速さにハイレディンの邪眼も捉えきれず効果を発揮できない。
「わたしの気持ち、受け取って❤」
言いながら容赦なくグレイブディガーをハイレディンの赤き邪眼に突き立てさらにその奥の脳髄ごと破壊しつくし抉り出す!
「Gyaooooooooooooonッ!」
「ハ、ハイレディン!」
断末魔を上げる弟に言葉をかける間もなくオルチの視界を死神が遮った。
「あはっ、これでもう弟くんは何も見えないねぇ?かわいそう♥」
既にこと切れていることにすら気づかず恍惚な笑みを浮かべ死神は続ける
「でも大丈夫、すぐお兄さんもステキな姿にしてあげるからね♥」
そう言いながら死神はオルチめがけてグレイブディガーを振り下ろした!
「ーーーー!」
断末魔を上げる暇すら許されず虐殺されるオルチ
それがこの島に上陸した巨人兄弟の最後だった・・・・。


かくして戦いは終わった。
塵も残さずに躯の海に帰った巨人兄弟のいた大地に咲き誇るのは鮮血で彩られた
赤き華。
そして、その中心には全身を血に濡らした一人の少女がうっとりと笑みを浮かべて
佇んでいた。
いつまでも、いつまでも・・・・・・。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年02月04日


挿絵イラスト