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銀河帝国攻略戦④~直れよこのポンコツ、と色男は言った

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #グレイテスト号の"色男"

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●スペースシップワールド
「オイオイオイ、オイオイオイオイ!」
 けばけばしい色使いの洋装に、大仰なシルクハット。
 見た目ばかりは立派な40がらみのこの男、名をジャックというスペースノイドだ。
 人呼んで、"色男(ヒューマン)"ジャック。まあ自称である。
「ヤバイヤバイヤバイ、なんだってこんなことになったんだ!」
 そしてここは〈グレイテスト号〉。
 ジャック所有のオンボロ……もといアンティーク宇宙船だ。

 もともとへんてこな博物館を営んでいたこの船は、今は空っぽ。
 彼は以前、帝国エージェントの策略にハメられ、そこを猟兵に救われたのである。
 借金もチャラになったことで心機一転という矢先、宇宙全域に轟いた報せ。

 解放軍の再来。銀河帝国への逆襲!

 多くの人々がこれに沸き立った。
 猟兵に命を救われた彼もまた、ろくでなしなりに決起しようとした。
 ……の、だが……。

「おいドリー、何がどうなってやがる! おいドリー!!」
 ブガー! ブガー! ブガー!
 ここで時系列はもとに戻る。
 船内を赤く染めるレッドアラート。船の女性人格AI『ドロレス』は反応しない。
『エラーガ発生シマシタタタタタタ、メンテナンスヲヲヲヲヲシシシ011011』
「ああもう、いいとこ見せようって時によ! 直れよ、このポンコツ!!」
 怒鳴り散らすジャックだが、素人の彼にわかろうはずもなかった。
 いまや相棒たるAIは、恐るべき帝国製電脳生命体に侵略されていることを……!

●グリモアベース
 グリモア猟兵、白鐘・耀はいつになく真剣な顔つきだった。
 それもそのはず、いよいよ銀河皇帝討滅のための大規模戦線が構築されたのだ。
 黒い髪をかきあげ、眼鏡の位置を直し、耀は言った。
「ヘロドトスの戦いを勝利したおかげで、いよいよ決戦の時が訪れたわ」
 猟兵、そしてミディア・スターゲイザーに同調し、我も戦わんとする人々がいる。
 だが帝国がそれを見逃すはずはない。奴らは恐るべき手に打って出たのだという。
「ヤツらにとってそうであるように、私たちの切り札は"ワープドライヴ"よ。
 そしてそれは、コアマシンなしでは発動できない……ならそれを壊せばいい、ってね」
 無辜の宇宙船に対するテロ行為! 許されざる暴挙だ。

 耀が予知したのは他でもない〈グレイテスト号〉である。
「借金まみれの貧乏宇宙船だったんだけど、帝国のヤツが悪さするのが視えてね。
 その時は力を貸してくれた猟兵の皆のおかげで、なんとかなったんだけど……」
 今や再び船は危機に陥っている。戦力は一隻たりとて惜しい状況だ。
 ましてや、一度猟兵によって救われた命を、ここで見捨てる理由があろうか?

「どうやら敵は、船のAIに潜り込んで制御を乗っ取ろうとしているみたいね」
 彼女の背後、グリモアベースの虚空に形なき電脳生命体の姿が浮かび上がる。
 餓狼無道。
 AIそのものにすら察知されることなく忍び込み、その機能を奪う恐るべき敵だ。
 当然船への突入は妨害が予想されるが、それ自体は問題ではない。
 ……なにせ目的の船は貧乏船である。ろくな装備がない、鎧袖一触できるだろう。
「相手もそれはわかってる。だから敵は、最優先でコアマシンを直接破壊するはずよ」
 つまり、向かうべきは船の動力室。決戦はそこで繰り広げられる。

「ワープドライヴを装着するには、例のミディアって人の存在が必要不可欠なのよね」
 ゆえに、突入はミディアとともに行うことになる。
 当然、転移先も彼女の船だ。共に突入し、そして敵を倒す。
「餓狼無道さえ倒せれば、あとはコアマシンにワープドライヴを装着するだけよ」
 無事にテロを未然に防げれば、オンボロと言えど頼もしい味方になってくれるだろう。
 ……ちなみに、船の主であるジャックという男も船内にいるようだが。
「まあ、しぶといみたいだしほっといていいんじゃない? 目的は敵よ、敵」
 彼のズボラな人となりを知っているだけに、耀の台詞は微妙に辛辣だった。

 ともあれ説明を終えると、耀は火打ち石を取り出す。
「わかってると思うけど、迅速確実な行動が鍵よ。あとはお願いね」
 普段の戦いよりもシンプルではあるが、それゆえに苦戦は免れないだろう。
 真剣な表情のまま、カッカッと石を鳴らす。
 それが、転移の合図となった。


唐揚げ
 貧乏宇宙船、数日ぶりにふたたび。唐揚げです。
 OP、いかがでしたか? エッ、読んでない?
 では一応まとめ……の前に大事なことを。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 はいOKです。では改めてまとめを。

●目的
 オブリビオンの撃破。

●敵戦力
 電脳生命体『餓狼無道』 1体(つよつよ)

●NPC
 ミディア・スターゲイザー(転移直後から同行。重要人物のため後方支援に徹する)
 "色男"ジャック(目的の船の持ち主。現地にいるが役には立たない)
 ドロレス(グレイテスト号の女性AI。オブリビオンのハッキングを受けている)

●備考
 船への突入は章開幕時点で完了するため考慮不要。
 コアマシンのある船内中枢にて、実体化した敵と遭遇するところから開始。

 とまあこんな感じです。サッと行ってバーン! ですね。
 なおこのシナリオは当作『あるいは借金で一杯の船』の設定を踏襲しています。
 未読でも問題ありませんが、知っているとちょっと楽しいかもしれません。
 逆に前作参加者様が優先採用されるわけでもないので、その点ご了承くださいませ。

 では前置きはここまでにして。
 皆さん、サッと行ってバーンとォ! よろしくお願いします。
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第1章 ボス戦 『餓狼無道』

POW   :    ライクアヒュドラ
自身の身体部位ひとつを【ドラゴン】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
SPD   :    キリングイカロス
【高速演算による正確な未来予測】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【急所を撃ち抜くレーザー】で攻撃する。
WIZ   :    デウス・エクス・マキナ
見えない【遠隔操作型ナノマシン】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はエクサ・カラーヌドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●戦闘宙域X-27033
 なにもない虚空に、突如として船が現れた。
 それはまさしく、SF小説で描かれる荒唐無稽な移動手段……つまり、ワープそのものだ。
 現れた宇宙船のすぐそば、いくつか差し押さえ札が貼られたままのオンボロ船。

「ワープドライヴ、完了です! さあ行きましょう!」
 転移した猟兵たちを笑顔で出迎えた美女、ミディア・スターゲイザーが溌剌とした声で言った。
 コアマシンにワープドライヴを装着するには、彼女自身がその場へ赴かなければならない。
 ゆえに船への突入は、彼女の護衛を前提とする。
 だが。
「不思議ですね。これから危険な戦いに赴くというのに、まったく怖くありません」
 青髪の淑女は、莞爾と笑って告げた。
 そこには、猟兵たちへの信頼と、戦いへの意欲が溢れている。

 そして、事実そのとおりに……猟兵たちは、破竹の勢いで妨害を突破した。
 まあ妨害と言っても、ハッキングされたAIによる隔壁の閉鎖だとか、ボロっちいガードマシンぐらいしかなかったのだが。
 以前この船で繰り広げられた戦いで、当時の猟兵たちがそこら中ふっ飛ばしたおかげとも言える。
 不幸中の幸いというべきか否か。ともあれ……。

『……来たか』
 グレイテスト号中枢、コアマシンの存在する制御室。
 像のぼやけたレプティリアンめいた敵が、猟兵たちを振り返り呟いた。
 餓狼無道! 奴の目の前には、コアマシン。そして……。
「お、おお!? やった、助かった! 早くこいつなんとかしてくれぇ!!」
 へっぴり腰で奴の前に立ちはだかっていた"色男"ジャック。泣きそうな顔だ。
 一応は船の持ち主として、身を挺してコアマシンを守ろうとしていたということか。

『皇帝陛下に楯突く反逆者共。ここで消せるならばまさに重畳よ』
 尊大な物言いとともに、餓狼無道が振り返る。
 ミディアは猟兵たちの顔を見やり、一歩退いた。彼女は殿だ。
 倒すべきは前に。守るべきモノはそのさらに背後。
『愚か者とともに消えろ、天敵よ!』
 過去の化身が咆える。待ったなしの戦いだ!
 ※※※連絡※※※

 2/2(土)夜あたりまで、できるだけ頑張って採用します。

 ※※※連絡※※※
カチュア・バグースノウ
SF、はて?って感じだわ
とりあえず負けたら滅亡するんでしょ?それは止めてあげなきゃ!

素早く動くわ
えーあいってことは、操縦席とかにいるのかしら?
そこまでは、
せきゅりてぃーとかそういうのは、アックスソードブレイクでぼこぼこにしていく
「見切り」を発動しつつ、雑魚がいるようなら「だまし討ち」で叩く
奇襲されたら「武器受け」で回避するわ

無事にたどり着けたらオブリビオンをアックスソードブレイクで攻撃!
んん、詳しい人がいればえーあいと隔離とか考えられただろうけど、あたしにはその力はないわ
残念だけど相棒は諦めることね


尾守・夜野
はん!AIとはいえ、女性への扱いがなってねぇな!
名前の通り獣ってか?

泥沼の戦いがお好みか?
こちらに噛みついて、回復するなら俺も噛みついて生命力吸収、吸血する。
どうタイプとはやりあったことがねぇのかよ!犬っころ!

まぁ、ドラゴンだが名前的にな?

後は、ちょいちょい恐怖や、殺気で動きを止めて、毒や呪詛を放ってじわじわ追い詰める


神威・くるる
敵はんの撃退は他の強い猟兵はんらにお任せして
万が一に備えてミディアはんと色男はんを守っとこかな

サボりやあれへんえ?
ましてやあわよくば色男はんからお礼に血ぃもらえへんかなーなんて、そんな。そんな。
……ふふ

二人を背に庇いながら戦闘を観戦
手慰みに猫じゃらしとかフリフリしてみたりして
……これも一応強ぉい武器なんえ?
ホンマどすえ?

もし戦闘の破片や攻撃がこっち来たら
【第六感】とUCで呼び出した猫ちゃんらで躱したり
二人に逃げるよう誘導したりします

もしこっちに襲いかかってきたら……
しゃーないなぁ
そんときは二人を逃がす為にちょっとだけ気張ろかな

……猫ちゃんが


ロク・ザイオン
…弱い方。また会ったな。
(ミディアと隠れててほしい。
弱いものは、隠れるの得意だろう)

(ドリーへのハッキングの対処は得意な者に任せる。彼女が船の力を取り戻せば、きっと力になる。
こちらは、船が耐えているうちにさっさと終わらせるのが仕事。
【先制攻撃】【早業】で「咎力封じ」を。船を病ませる病原を拘束。
仲間の攻撃の隙を作る。

もしミディアへの攻撃があるなら庇い、万一傷を負うなら「生まれながらの光」で治癒。
森番は、キミを守る)

これから。
カッコいいとこ見せてもらう。弱い方のジャック。


シーザー・ゴールドマン
【POW】
やあ、ジャック君、数日ぶりだね。元気そうで何よりだ。
まあ、用があるのはそこの電脳生命体でね。
怪我をしない様に隠れていたまえ。
戦術
他の猟兵との連携を重視。
「オーラセイバー」に『ラハブの割断』を纏わせて振るう。
([2回攻撃][鎧無視攻撃][怪力][見切り][オーラ防御]等を活用)
>ライクアヒュドラに対してはドラゴンの頭部の断頭を狙います。
>キリングイカロスに対しては発動の前兆が見えたら防御を固めて引き付け敵の視認外の猟兵の攻撃に期待です。
>デウス・エクス・マキナ>とりあえず、近接で白兵戦に持ち込んで混戦状態にして使用を躊躇わせたい。


メイスン・ドットハック
【SPD】
まったく、また騒動を起こすとは何事かのー
ドリーを害されるのは気に喰わんし、助けてやるとするかのー

電脳生命体ということで、電脳魔術で干渉
ジャマーや行動阻害を試みて、敵の動きを鈍らせる

キリングイカロスの未来予知対策として、ユーベルコード「木を隠すなら森の中」で自身の複製を作りだし、それを盾にして撃ち抜かせる
レーザーで攻撃されると、電脳生命体に有効な神経ガスを発生させるトラップで、思考と神経にダメージを与える作戦

その中で味方と戦っている間にワイヤートラップを仕掛ける
起動すると足元から吹き飛ぶ爆発系トラップ
味方には引っかからないように巧妙に誘う(罠使い、おびき寄せ、地形の利用)


ユウカ・セレナイト
大切なものを身を挺して守るその心意気、とても素敵だわ
安心して、お兄さん
あなたもあなたの大切なものも、私たちが救ってあげる

私にできることはそう多くはないけど
大丈夫よ、支えるのだけは得意なの

【すべての夢見る者たちへの賛歌】で皆の負傷を癒すわ
歌に込めるのはきっと遠くない未来
銀河帝国の脅威を払った先にある宇宙の光景

人々はもう空の彼方から砲火が降り注ぐのも
帰るべき場所を喪うことも考えなくていい
船窓から見上げる星たちはきっと綺麗で
誰もに、笑顔が戻ることだわ

ねえ、そんな未来を見てみたくはない?
それをもたらすための力が私たちにはあるはずよ
最後まで支えてみせるから、どうか、負けないで
ともに、世界を救いましょう!


神元・眞白
【WIZ/アドリブOK/絡みOK】
宇宙。中々面白い場所。終わったらちゃんと覚えておく様にしよう。
覚えられる様にならないと駄目だけど。……後は流れで、なんとか。

船に入る前から、符雨と私は役柄入れ替わり。変装して目立たない様に。
戦いは符雨が先導して、飛威がサポート。私は後ろから援護…ぐらい。
初めての場所と相手だから念には念を。狙われる符雨には後で何かお返し。

相手が強いっていうし必要なら魅医の投入も検討…?
使わない様にするのが一番(操者がばれるし)だけど、符雨に攻撃が来る
時に合わせて始めれば少しはカモフラージュになりそう。フェイク。


竹城・落葉
 成程、貴様がジャックか。猟兵達の恩義に報いろうと奮闘したその姿、元武将である我は深く感動した。なら、そいつを討ち取るのは任せておけ!
 我は名物竹城を手に『支柱一閃』で奴を切り伏せる。戦闘中は冷酷な雰囲気を醸し出し、無表情で攻撃を仕掛けるぞ。しかし、奴は強敵に見える。なら、【早業】と【フェイント】で隙を突いて素早く攻撃し、【2回攻撃】で駄目押しの一撃を加えるぞ!
 ところで、こいつは一見すると竜のような外見をしているのだが、食べられるのだろうか。今は戦争中だが、腹が減っては戦はできぬという。もし食べる事が可能であれば食してみるぞ。その場合、味はマスター殿に一任する。


ジャガーノート・ジャック
(ザザッ)
――全く、奇妙な縁もあるものだ。
ミッション受諾。〈グレイテスト号〉を救援、オブリビオンを討伐する。
――助けに来たぞ、もう一人のジャック。

(ザザッ)
SPD選択。
『ゲパルト』召喚、接続。

ターゲットシステム起動。
レーザーとミサイルを用いた二種の射撃を展開、友軍を火力支援する。
(使用技能:スナイパー+クイックドロウ+誘導弾+二回攻撃+援護射撃)

敵の攻撃は『"砂嵐"』を一時的に使用、電脳体を一時的に拡散させ回避。
(使用技能:フェイント+残像)
仮にミディア若しくはジャックへ被害が及ぶ様なら、"砂嵐"の相殺技能で敵の攻撃を打ち消し護衛する。

本機の行動指針は以上。実行に移る。
オーヴァ。
(ザザッ)


アンシェ・ローム
わたくしもミディアさんと一緒に後方で支援を務めさせていただきますわ!
って、わわわ!?危なーい!ミディアさんー!

【オペラツィオンマカブル】使用でミディアさんをかばいます。
上手くいったら、わたくしの6匹の小さなネズミ型人形達から、分割されども同じ威力でお返しいたしますわ!四方八方から飛んでくる攻撃をクールな敵さんは全部避けきれるかしら!大きく隙がつければ他の猟兵さんに連携攻撃してもらいましょう!


一郷・亞衿
やあやあお久しぶりです色男さん!あの時は災難でしたね!帝国エージェントのせいでね!
……余談はさておき、知らぬ人では無いし見捨てる訳にはいきません。
レプティリアンの実物(?)を見るのは初めてだけど……正直、あんまりありがたみも無いかな。普通に殺そう。

正確な未来予測が武器なら、予測できない攻撃はどうかな?『キャプテン・スーパーマーケット』を使用!
これは空中に発生させた四次元空間へ腕を突っ込み【ホームセンターで買える範疇の日用品】をランダムに取り出す技なんですが、何が出てくるかあたしにもわからないということがその特徴です。
なので、武器が出てくることを信じて何も考えず突撃!大当たりならチェーンソーだ!


ユーザリア・シン
【壁】
【WIZ】
ほお、そなた、この可愛らしい船でいくさに馳せ参じようというのか色男よ。ははは、見上げた心意気ではないか。そう、その意気地ぐらいは認めてやってもよかろうな。
うむ。
興が乗った。
踊るか。
ユベコで踊ってあの見えぬナノマシンを芸術バトルに引きずり込むぞ。なあにこちらには友がおるゆえな、踊り負けるということはあるまいよ。
骸の過去を狩る姿、ミディアにもよくよく見せてやらねばなるまいし、そちらの護衛もせなばならんかのお。よし、皆、踊るぞ。


生浦・栴
【壁】
女王に食われそうな感じの船長だな…と眺めつつ
前々から思うておったが女王は懐が広いな
さて群舞に合わせUCで踊り手を喚び出すか
お前たちの得意な剣舞と蛇踊りでも合わせてやれ

可視も 不可視も 問題ない
隙間が無ければ 微塵切り

死霊共が見えぬ相手を巻き込んでおる間に
味方内にはオーラで防御を張りながら
本体に衝撃魔法を叩き込んで置こう
詠唱というものは魂に響かせるものであるからな
早すぎて意味が分からずとも
韻とリズムが貴様らの耳朶を打てば踊りにも拍車がかかろう

尽きぬ無念 永遠の怨念
溢れ零るは 貴様の周辺 

俺の呪詛の素材としても十分だ
狙いを定めて全力を以ち連続で撃ち込んで呉れよう
女王はその娘を宜しく頼む


桜田・鳥獣戯画
【壁】
サッと行ってバァーンと!!
また会ったなヒューマン・ジャック!
しかもまた面倒なことになっておるし貴様の船は本当に!

【POW】
UC弱肉狂喰を使用し力を増強
ミディアを護る位置の最前に陣取り、攻撃する盾となろう
レプティリアンもどきのドラゴン変形なぞ…

そこで突然踊り始める女王(ユーザリア:f03153)、突然韻を踏み始める栴(f00276)

ええ…

仕方ないので攻撃の手は緩めず、空いている方の手で口の前を覆い、ボイスパーカッションで二人のリズムにフューチャーしてバイブスを上げていく
U UU UUUユーベルコードでバトルする↑
GA GAGA GAGAGA餓狼無道↑ 問答無用↑ ライクアヒュドラを焼肉定食


三鷹・一成
悪いね爬虫類
レディにゃもっと相応しい誘い方ってもんがあるだろ?
ま、引っ込めってことさ

まずは牽制の銃弾入れて、接近する味方の援護をしながらチャンス待ち(援護射撃)
向こうが頭生やして噛み付いてくるっつーなら、口開いたとこにワイヤーフックブチ込んでやれないかね
なんならとびきりの「エサ」でも付けて(早業+投擲+スナイパー)

これがホントの入れ食いってか?

あるいはヤバそうな味方を引っ張ってやって、噛み付きをスカしてやるとか

全部終わったらさすがに今度はお片付けといきたいが、これがあいにく立て込んでるもんで
お早い再会だったが、またいつかきっとってな

けど根性見せたな色男
それでこそ船長(キャプテン)ってやつだ



●緒戦
 まず最初に飛び出したのは赤い髪の少年めいた森番――すなわちロク・ザイオン。
 咎人封じによる敵の拘束が目的だ。だが餓狼無道はそれを未来予測によって把握済み!
『見え見えだぞ、その程度の先制攻撃は!』
「そうかしら、だったらこっちはどうっ!?」
 ロクを追い越すようにして跳躍し、頭上アドバンテージを得たカチュア・バグースノウ。
 彼女の振るう強力な斧剣が、その膂力と重量をもって振り下ろされた。
 餓狼無道は片腕を竜頭に変じさせこれを受ける。牙と刃が金属音を以て衝突!
『ちい……ッ!!』
 急所を狙ったレーザー攻撃は、苦し紛れのなぎ払いに留まる。
 ロクは枷による拘束を一時諦め、烙印刀によってこれを回避。
 餓狼無道は彼女を追撃したいところだが、カチュアの連撃がそれを許さない!
「女の扱いがなってねえなクソAI、泥沼の戦いが好みならオレも相手してやるよ!」
 自らの黒剣を恐るべき殺戮捕食態に変じさせ、尾守・夜野が鮫のように笑う。
 斧剣を弾き、カチュアを飲み込まんと大口を開けた龍の頭。
 異形化した黒い刃がその大顎にかじりつき、敵は苦悶した!
『ちょこざいな、私を食らうつもりかッ!?』
 呪いによる生命力吸収の気配。もう一方の腕を竜頭に変じさせんとする餓狼無道。
 だが奴は意識をそらすべきでなかった。攻め込んだのは彼らだけではないのだ。
「その暴威、すべてを断ち切るッ!」
 赤服の紳士、シーザー・ゴールドマンのオーラセイバーが唸りを上げた。
 変幻の軌道を以て振るわれた氣剣は、変じかけていたその片腕を根本から断ち割ったのである。

 白兵戦第一陣によって餓狼無道の動きが押し込まれる一方、コアマシン周辺では。
「やあやあお久しぶりです色男さん! あの時は災難でしたね~、帝国のせいで! 帝国の! せいで!!」
 一郷・亞衿は妙に"帝国エージェントのせい"を強調しながらカバーのために駆け込んできた。
 この船で起きた騒動のけっこうな部分が彼女の仕業だったりするのだが、まあそれは過ぎたことだ。
「根性見せたな"色男"、それでこそキャプテンってやつだ。シーザーの旦那も発奮してるしよ」
 リボルバーをリロードしながら、三鷹・一成が笑う。見知った顔にジャックは喜色を浮かべた。
 いかにも、彼らは先の〈グレイテスト号〉での戦いに関与した猟兵たちである。
《――奮起しているのはロクも同様だ、そして無論本機も同じく。まったく奇妙な縁といえる》
 右腕に恐るべき浮遊戦車大砲を接続融合させ、ジャガーノート・ジャックが駆けつける。
 砂嵐を纏うかのような黒き電影もまた、この船には思い入れがあるのだろう。
 今まさに餓狼無道を封じ込めているロク、そしてシーザーもその一員である。
「まったく、銀河帝国の連中は次から次へと……めんどーじゃが気に食わんけんのー」
「そうぼやくな、サッと来てバーンと! だろう? 面倒なのは確かであるがな!」
 ぶつくさと文句を言いながら、AIドロレスへの逆ハッキングを試みるメイスン・ドットハック。
 そんな彼女をなだめ、あとは任せたと別働隊に合流した桜田・鳥獣戯画もまた同様だ。

 そして面識のあるなしを問わず、この危機に駆けつけた猟兵たちも多数存在する。
 前線で戦うカチュアや夜野もそうだが、むしろそちらのほうが多いくらいだ。
「成程、貴様が噂の"色男"とやらか。うむ、いいぞ。恩義に報いんと奮起する姿、我は気に入った」
 竹城・落葉は名物竹城――まるで刀のように佩いているがバールのようなものである――を握り、言った。
 そして冷酷な視線が敵陣へと向けられれば、その姿は霞と消える。前線に加勢しにいったのだ。
「まったく見上げた心意気よな。よし、興が乗った。我らも行くぞ」
「いまさらな話だが、女王は懐が広いな。いやおおらかというか……まあよいが」
 ユーザリア・シン、そして生浦・栴は軽口を叩き合いつつ、鳥獣戯画……もとい、ギガと合流。
 そして颯爽と前線に加わるため、その場を離れた。どうやら知己であるらしい。
「……あの、いまの猟兵さんたち、どうして"踊る"とか"リズムが大事"とか話していたんでしょうか」
「気にしないほうがいい気がしますわ、頭痛が痛くなってしまう気がしますもの!」
 ミディアの無垢な疑問を、ケットシーであるアンシェ・ロームはやんわりと流した。
 猟兵は常識に囚われない存在なのである。うん。なので彼女の護衛のことだけ考えよう。
「まあまあ、誰か踊りをするの? だったら私が演奏してあげなくっちゃね!」
「スペースシップワールドでは、ダンスが流行? 面白い場所」
 ヴィオラを携えた美女、ユウカ・セレナイトと、神元・眞白の会話はいかにもツッコミ不在らしい。
 なお、眞白は事前に変装を行い、自らの戦術器=からくり人形とその姿を入れ替わらせている。
 その判断が吉と出るか凶と出るか。誰かしらが訂正する前に、彼女は人形を従え参戦していった。
「ほ、ほんとに大丈夫なのかよ……?」
「心配いらへんよ、戦いは強い人らに任せてうちらはのんびりするのがよろしおす」
 だんだん不安になってきたジャックに対し、神威・くるるはのんびりとした声で言った。
 猫じゃらしなんぞをふりふり、見物モードに回るつもり満々である。
 とはいえ、彼女のような後衛の存在によって、コアマシンとミディアらの防御は万全な状態だ。

 総勢16名。銀河帝国との緒戦を決するため、ここに集った猟兵の数である。
 並のオブリビオンであれば完封を余儀なくされるだろう。圧倒的な戦力差と言えた。
 ――そう、並のオブリビオンならば。

●膠着
 左翼から迫るのはシーザー。右翼、アックスソードを構えたカチュア。
 その影、背後に周り烙印刀を逆手に構えたロク。中距離から飛び込みを画策する夜野。
 彼の反対側、タイミングを伺う落葉の殺気。加えて後方からの支援気配。
 己の向けられる攻撃そして害意を、餓狼無道は全て察知していた。
 なぜか? 答えは明白だ。いまや船の演算能力は奴の支配下にある!
「……しぶとい」
「こうも攻めあぐねると、業腹ね……これだからSFはわけがわからないのよ!」
 幾度目かの拘束をレーザーによって焼き切られ、思わず悪態を吐き捨てるロク。
 床を砕くほどの一撃を龍頭に遮られたカチュアもまた、苦みばしった顔をしていた。
「切っても切ってもまた生えてきやがる。こっちは腹が減らずに助かるけどよ」
「ならば次は両腕を同時に断ち切る。合わせられるな?」
「同じ結果になりそうだがね。やるしかあるまい」
 シーザー、落葉、夜野は顔を見合わせ、厳しい表情で頷きあった。
 彼らによる切断攻撃、そして噛みつきは命中している。してはいるのだ。
 だが根本的に電脳存在である餓狼無道は、そのたびに欠損した腕や足を再生している!
『どうした? 攻め手がおとなしくなってきているぞ。もう諦めたか?』
 敵はそんな彼らを嗤笑し、断ち切られた両腕と斧剣による斬撃痕を見る間に再生させる。
 無論、だからといって無限の活力を有するわけではない。
 だがAIドロレスを支配した今、奴の有する電子的エネルギーはこの船そのものに等しいのだ。

『ならば後ろの連中にも遊んでもらおうか、こんなふうにな!』
 奴は虚空に手を伸ばす。すると……おお! 微細なナノマシンが可視化するほどの密度で集合。
 戦闘によって破壊されたあちこちの瓦礫や残骸を吸収し、巨人めいたフォルムを二体も形成!
「げっ、何あれ!? 仕方ない、あいつを相手にするしかなさそうだねっ」
「支援する。符雨、飛威、お願い」
 亞衿、そして変装した眞白および人形二体が共同戦線を張る。
「ではもう一方は妾らが務めよう。ダンスパートナーにはちょうどよい」
「可視も不可視も仔細なし、隙間なければ微塵切り。うむ」
「ええ……なんで韻まで踏んでおるんだ貴様ら……」
 もう一方はユーザリア、栴、そしてギガ。素っ頓狂なことを言い出しているが問題はない。

「錯綜してきたわね、私の音楽でみんなを支えてあげなきゃ……!」
 ヴィオラを構え、癒やしの旋律を弾くユウカ。彼女らが殿なのだ。
《――ユウカ、我々も火砲支援を行う。気負いすぎるな。一成、行けるな?》
「ま、男としてああいう乱暴な手合はご退場願わんとね。任せときな。それより……」
 ジャガーノートと一成は頷き合い、そして視線をメイスンのほうへ向けた。
 この場にいる電脳魔術士は彼女一人。AIへの干渉は彼女にしか行えない。
「やれることはやるがのー、罠を仕掛けられんのがストレスじゃ、ぐぬぬ」
「手伝えることがありますの? それならわたくしが代わりに動きますわ!」
「あやや、ほんならうちの猫ちゃんもついていかせよか。猫同士やしね、ふふ」
 アンシェの周囲にちゅうちゅう、にゃあにゃあと小さなネズミと黒猫の軍団が現れた。
 なお、召喚したくるる本人は相変わらず見の姿勢だ。サボりではないと言いたげに手を振る。
「私も、可能な限りで支援します!」
「お、俺は……あー、応援するぜ! 頑張れ!!」
 守られる側のミディアとジャックはあまりにも対称的すぎたが。
 ともあれかくして、戦場は三分四分の状況と相成った。砲火と光線、そして刃と拳が荒れ狂う!


 そんな混迷の戦場を、全く別の視点から見るものがいた。
 彼女の名はドロレス。この〈グレイテスト号〉のAIであり、いまや虜囚となった電脳人格である。
 抗おうとしていた。だが帝国製プログラム生命体の支配は強大であった。
 思うがままに演算能力を奪われ、利用され、電子の悲鳴すら上げることはできない。

 カチュアが滅多打ちにも似た猛攻を仕掛ける。斧剣が餓狼無道の体を叩き潰す。
 その端から再生を始め、大きく開かれた竜の顎。シーザーのオーラセイバーがこれを真っ二つに。
 そんな彼を狙って放たれるレーザー。間に入った落葉は光線を切り払うという絶技を見せた。
 続けざまの斬撃。切り裂かれた傷口に殺戮捕食態の黒剣が食い込み、夜野の活力となる。
 餓狼無道は怯みながらも再生を続ける。彼女はそれをなんとか止めたいと願った。
 それに応え、後押ししたのは、ロクである。
 ドロレスによる起死回生の反抗と、咎人封じはまさにタイミングが一致したのだ。
 餓狼無道は驚愕し、彼女からさらなる演算能力を吸い上げようとした。だが。
『よし、ようやくじゃな! さあここから反撃じゃけん!』
 どこかから黒髪の少女の声が聞こえた。それは童話の魔法使いめいていた。
 電脳魔術士の御業が、彼女の枷を払う。餓狼無道の支配が揺らぐ。
 ――そして現実世界で、潮目が訪れた!

●転機
 不可視であるはずのナノマシンが凝縮し、瓦礫を結合させて生み出した巨人の電影。
 その恐るべき攻撃をからくり人形たちの支援によってかいくぐり、亞衿は走る。
「何が出てくるかわからないでしょ? あたしにもわからないもん!」
 虚空に生まれた四次元空間に手を突っ込み、おもいきり引き抜く。
 ドルン、ドルルルン……ヴィイイィイイイ!!
 耳障りな音を立て、回転するチェーンソーだ。亞衿の目元が不敵に綻んだ。
「これは……やるしかない。魅医、あの子に灯をつけて」
 敵攻勢に、眞白もまた覚悟を決めた。変装を自らかなぐり捨て、第三の戦術器を招来。
 ユーベルコードによって強化された人形・魅医は、亞衿めがけて振るわれた拳の前に立つ!
「おわっ!? やば……!」
「大丈夫。魅医なら、受け止められる」
 ――ゴォオオンッ!!
 眞白の言葉は真実だった。
 巨人の振り下ろした瓦礫の拳を受け止める戦術器。亞衿は顔を引き締め、その脇を疾駆。
 咆哮するチェーンソーを両手に構え……密集したナノマシンの群れを食い破っていく!

 ところでもう一方の巨人はというと、踊っていた。
 ……踊っていた? いやまあ実際ユーザリアと召喚されたバックダンサー軍団は踊っている。
「機械生命体であろうがなんだろうが、妾に踊らされるのは必定よな」
 ブンブンブンツクブンブスブン。ノリノリのBGMは? 誰だ? 鳥獣戯画 a.k.a サクラダだ!
「U・UU・UUU・ユーベルコードでバトルする! GA・GAGA・GAGAGA・餓狼無道!」
 ボイスパーカッションを一体どこで習得したのか是非とも聞いてみたいがその暇がない。
 踊り狂うユーザリアを空気を読まずに粉砕しようとする巨人の拳は彼女が防ぎ切る!
 ちなみに、踊っているのはなにもユーザリアのバックダンサー軍団だけではない。
 そう、栴の召喚した死霊騎士と蛇龍もだ。ノリノリで巨人を抑え込む!
「尽きぬ無念、永遠の怨念、溢れ零るは貴様の周辺。俺の呪術もノッてきたぞ!」
 やっていることは無茶苦茶だが、ようは本人らのテンションが戦いを左右する。
 戦闘の流れを滅茶苦茶な方法で握った三人の攻撃は、たちまちナノマシン群を霧散させた。
「さあ踊れ! 戦いを盛り上げるのは我らの役目ぞパーリナイ!」
「モン・モンモン・問答無用! 竜頭バラして焼肉定食、ヨー!」
「変わる趨勢食らう姿勢、飛び込む加勢我らが優勢! さあ征くぞ!」
 完全に浮かれた集団であった。だが不可思議なことにその熱は戦場に伝搬していく!

「なあジャック、あれってスペースシップワールドの風習かなんかなのか?」
《――本機は回答に窮する。支援に集中することを推……ユウカ、演奏は不要だ。……不要だ!》
「えっそうかしら? いいじゃない、ああいうのも!」
 絶え間ない火砲支援を並び立って行うジャガーノートと一成。
 そんな彼らと白兵陣をサポートするユウカは、むしろユーザリアたちの妙なリズムにノッた。
 トンチキボイパとダンスにヴィオラの旋律が混じり、戦場の軍楽と絡み合ってもうとんでもないことになる。
「だって皆笑顔になっているもの。ともに世界を救うための序曲というところね!」
 まったく悪い夢みたいな光景であるはずが、一流の奏者によって鼓舞の楽へと昇華されていく。
 すべての夢見る者たちへの賛歌、その音が応援する相手に貴賎はないのだ!
「っははは、こりゃいいや! 毎度飽きねえな、猟兵と一緒に戦うのはよ!」
《――……それは同意する。いいだろう、ならば本機も敵撃滅に向け最終攻撃を行う。オーヴァ!》
 リボルバーと大型砲の銃口が、ともに敵を捉えた。
 その射線を遮るナノマシン体はなし。荒れ狂うかのようにレーザーの雨が彼らを襲う。が!
「そんな危ないことはさせませんわー! ミディアさんも、他の猟兵さんたちにも!」
 小さな体で飛び出したのはアンシェ。彼女に従うのはネズミ型人形と子猫の群れだ。
「あやや、最後の苦し紛れってとこやろか。猫ちゃんたち、気張ってくれやす~」
「だからってそんなところでサボってるのはずるいですわー!?」
 ZZZZZAAAAAPPPP!! 降り注ぐレーザーの雨嵐を、黒猫たちはときに壁となりときにそらす。
 アンシェはあえてそのレーザーをその身で食らう。だが無傷!
「サボりやあらへんよぉ? ほーら、みんな攻め時ですえ?」
 くるるの号令のもと、子猫たちが一気に反転。怒涛の群をなして突撃する!
 アンシェを伝い、レーザー攻撃のエネルギーを秘めたネズミ人形たちがその背に乗る。ちょっとファンシーだ。
「ここは私も頑張らないといけませんね!」
「ああ畜生、仕方ねえなあもう!」
 フォースブレイドを構えたミディア、そして護身用の熱線銃を握るジャック。
 彼らもまた、猟兵たちの援護と防御の庇護下で、一斉に火砲と剣閃を解き放った!

『バカな……!?』
 そんな中、唯一困惑し、狂乱するのはただ一人。すなわち餓狼無道である。
 AIの支配は完璧だった。なんらゆるぎはないはずだった。ただ一瞬、一瞬その動きを防がれただけだ。
 赤髪の少女。いびつな山刀を握る鋭き森番。奴の、くだらないユーベルコードのせいで!
 その揺らぎをメイスンに突かれ、オブリビオンはAIの支配権を失ってしまったのだ。
「……やっぱり、力になってくれた」
 ドロレスを解き放つことが趨勢に繋がる。そう信じていたロクは、薄く笑い。
 しかしぞっとするようなざらついた声で、敵に囁く。
「病源は、断つ。おれが……」
「――オレたちが、なァ!!」
 かぶさる声は夜野! 赫眼がぎらりと瞬き、忌まわしき黒剣の牙を抉り込ませる!
『ぐうう、おおおおっ!?』
 喰われる。無限であるはずの己の論理体が、皇帝陛下から賜ったこの電子の体が!
 喪失の恐怖と怒りに、餓狼無道はレーザー攻撃を全方位に薙ぎ払う。
 未来予測も狙いもあったものではない、猟兵たちを追い払うあがきのような乱舞だ。
 だがそう、おわかりの通りそれは届かない。返す刀のごとく、その身に集中する砲撃と応報の光条!
「ッハ! どうした、偉そうな面がずいぶん情けなく歪んでるじゃねえか!」
 ぎらぎらとした笑みを浮かべ、飢えたる死鬼が恐怖を煽る。呪いを投げかける。
 餓狼無道は……食いつかれた体を自ら切り裂き、パージ。そしてコアマシンへと突っ込まんとした。
 ただでは散らぬ。この身をもってしても任務を――KBAM!!
『なっ!?』
 足元で爆発。それはアンシェ、そしてくるるの猫たちが仕掛けたトラップである。
 体勢が崩れた瞬間、ダメ押しのワイヤーが傷口に突き刺さり、動けぬようその場に縛り付けた。一成のものだ。
 なんだこの連携は。なんだこの罠は!? 誰が、どこの誰が――。
『ま、引っかかった方が間抜けという奴じゃけー』
 困惑する電脳生命体に、囁く声あり。視線がその主を捉える。にやりと笑う電脳魔術士を!
『僕に気ぃ取られててええんかのー。ほれ、お前の相手は後ろじゃぞ』
 せせら笑うようなメイスンの言葉に、餓狼無道は血走った眼で背後を仰ぐ。
 振り向きざま、残る片腕を龍の頭に変じさせ――喰らおうとしたそれは、圧倒的威力に叩き潰された。
「いい加減見え見えなのよね、それ! よいっしょお!!」
 白き髪をたなびかせ、エルフの戦士は笑う。その笑みはまさにドラゴンのそれめいていた。
 アックスソードによる連撃。ひとつ、ふたつ、みっつ! 龍腕は無残に潰れ砕け散る!
「ほーら、守りが崩れちゃった。もう頭もないわねえ?」
 再生が。追いつかない!

「となれば、仕上げだな」
「ああ。手こずらされたからね」
 冷徹な声、ひとつ。応じた声は明るく、ゆえにこそ恐ろしい。
 かたや剣豪。かたや紳士。落葉とシーザーの纏う殺気は凄絶無比の一語。
 再生を負担するための演算能力はもはやない。迎撃するための龍の顎も失われた。
 苦し紛れの光線乱舞はことごとくを防がれ、砂嵐に呑まれた。
 それどころか応報の弾丸が、光条がその身を貫き。
 いまや猟兵たちは旋律と熱狂に後押しされ、我が身に迫りつつある。
『なぜだ』
「わからんかね? 君ははじめから負けていたのだよ」
 紳士はせせら笑った。オーラの刃が処刑ギロチンめいてぎらつく。
「ここに我らが来た。それだけのことさ」
 無表情の剣客は端的に言った。そして、ただ何度も繰り返してきたように、手を振った。
 剣閃は二つ、斬撃は一瞬。二人の剣士の繰り出した刹那の双撃は、ついに敵の首を刎ねた。
 胴体に至っては微塵切りの状態である。再生が追いつかない。すがるべき苗床が、ない。
『皇帝陛下! 皇帝、陛下……此奴らは……危険……危……』
 嘆きの断末魔はどこへも届かない。
 悪鬼たる電脳生物は、その残滓をもって終わりを告げた。

●そして次なる戦いへ
「……これで作業完了です。いつでもワープできます」
 敵を退けたのち、ミディアの手によってコアマシンに光が灯された。
 ワープドライヴ。帝国に抗うための力、希望の灯火。
「それにしても散らかっちゃったね」
 誰かが言った。制御室は散々な有様だ。
「片付けたいが、さすがに暇がな」
 誰かが応えた。そうとも、戦いはまだ始まったばかり。
 猟兵たちは船の持ち主を見やる。
 シルクハットの色男は困ったように肩をすくめ、そしてちらりと天井を見上げた。
『……ザ……機能、修復。オ待タセシマシタ。皆サン、アリガトウゴザイマス』
 慣れ親しんだ相棒の声。ジャックがついた安堵のため息は、猟兵たちの聞き違いではあるまい。
「これで貸しがまた増えちまったか。オーケイ、オンボロ船なりに働かせてもらうぜ!」
 男が笑う。猟兵たちも同じように笑った。ミディアが頷く。
「ここからが本番、ですね。……グレイテスト号、ワープドライヴを開始します!」
 虚空に浮かぶオンボロ船が光り輝き、そして姿を消す。
 かくして解放軍に新たな仲間。その力は小さくとも、救われた命と想いは、必ず――。

 ……必ず、悪しき帝国を打ち砕く矢となるだろう!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月03日
宿敵 『餓狼無道』 を撃破!


挿絵イラスト