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羅針盤戦争〜七大海嘯『舵輪』ネルソン提督〜

作者：ライラ.hack

●グリードオーシャン・ノルマンディー島
　コンキスタドールの王たる七大海嘯の号令の元、ついに猟兵達との戦端が切られた。各地で激しい戦いが繰り広げられる中、強大な力を持つ七大海嘯自身も動き出す。
「帆船だろうが、空母だろうが、海戦の基本は変わらん」
　自身の艦船であるクレマンソー級空母の甲板から大海を見下ろす男こそ、七大海嘯の一人「舵輪」ネルソン提督である。その絶対的自信を滲ませる表情は、己に敗北などあり得ないという実力の表れでもある。
「見敵必殺（サーチ＆デストロイ）。それが全てだ」
　すでに猟兵に対する備えも完了しつつある。その提督の傍に控えるのは天使の大群。
「準備せよ、天使共」
　そう冷淡に指示するもネルソン提督は天使達に期待はしない。ありきたりな奇跡など信用するに値しない。
　ネルソン提督は天使達の最大の武器は、その翼と、魔法による推進力と考えている。空母の甲板によってそれを最大まで加速すれば、飛行を阻害されたこの海で、天使達のみが枷から解き放たれる。戦場において、もし空飛ぶ兵器が一般化するような時代があるならば、より速く、より高く飛べる戦力を保有した側が勝利すると結論だけだからだ。

「さあ行け天使共よ。科学と魔術と戦略で、敵を撃滅するのだ」
　ネルソン提督率いる天使隊はノルマンディー島に近づく敵性存在を撃滅する。それこそが自分達コンキスタドールの勝利に繋がるとただ勝利を目指して邁進する。思考はそれのみ集中していた。

●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「グリードオーシャンで決戦が始まるよ！」
　そう言って元気一杯に説明を始めるグリモア猟兵見習いエィミー・ロストリンク（再臨せし絆の乙女・f26184）。グリードオーシャン世界は彼女にとっても生まれ故郷でもあるのだから気合いも入るというものだ。
「今回は七大海嘯の一人でもあるネルソン提督がノルマンディー島を解放する作戦だよ！」
　「舵輪」ネルソン提督はノルマンディー島近海にてクレマンソー級空母を指揮し海上封鎖を敢行している。解放の為には艦隊戦にてネルソン提督を打ち破る他ない。
　ただ飛行能力の阻害される海上にあるクレマンソー級空母から、カタパルト加速により阻害効果を無効化された天使の群れを飛ばし、攻撃の届かない高高度から爆雷を投下してくる。常に先手を取られた状態での戦いとなるので、その対処も重要となる。
　また今回は鉄甲船「失絆号」も出陣しているので、艦船を持たない猟兵もそちらから戦うことも可能だ。その上でエィミーはお願いする。
「初戦が重要になるけど、気を付けてね！　七大海嘯なんてぶっ飛ばしてきてね！」
　激励の言葉と共に鉄甲船への転移を開始するエィミー。七大海嘯の一人との激戦、この大戦の趨勢を占う戦いが始まる。

第1章 ボス戦 『七大海嘯『舵輪』ネルソン提督』

POW   :    天使の行軍 【カタパルトで加速射出された天使の】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【他の天使】の協力があれば威力が倍増する。 SPD   :    天使による高高度爆撃 【天使達が投下する爆雷】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【位置と予測される移動範囲】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。 WIZ   :    武装天使隊 召喚したレベル×1体の【透き通った体を持つ天使】に【機関砲や投下用の爆雷】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。 イラスト：シャル 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　ついに開戦となったコンキスタドール達との一大決戦。七大海嘯を叩き、グリードオーシャンの崩壊を防ぐという負けられない戦い。
　その中で七大海嘯の一人、「舵輪」ネルソン提督は速やかに前線基地となりうるノルマンディー島を占拠。そこを拠点として周辺海域に睨みをきかせる。
「猟兵共、来るならば来い。海の藻屑としてやる」
　そう言って旗艦であるクレマンソー級空母は敵を撃滅戦と待ち構えている。その中で最初に姿を現した鉄甲船「失絆号」。これまでグリードオーシャンでいくつもの島を解放してきた船だ。
「爆撃・・・。絨毯爆撃で逃げ場を奪い住人を生きたまま焼いて、その上昇気流は、炎の竜巻をいくつも起こしたと聞きます。ノル（略島）で同じ事象とか、させられませんね」
　正義感からそう呟くのは天星・雲雀（妖狐のシャーマン・f27361）。可愛らしい姿をしながらも100年近くを生きる半妖・狐憑きは暴虐を許さないと言わんばかりにクレマンソー級空母を見つめる。
　さらに東方妖怪である麒・嵐（東方妖怪の冒険商人・f29276）はすでに水中仕様のキャバリアに搭乗して出撃する気満々である。自信がありげに敵旗艦を睨みつける。
「なるほど、天の御使いを爆撃機に見立てた特攻作戦ね。けど……果たして海底にまでその爆雷、届くかな？」
「天使を操る艦船とかカオスですねえ。他人の事言えないとかは聞こえません」
　そしてその嵐のキャバリア隣ではシズホ・トヒソズマ（因果応報マスクドM・f04564）が準備体操をしている。カオスを引き起こす自覚はあるようで、抗議は受け付けないようだ。
　そんな雲雀・シズホが動く前に嵐のキャバリアが水中に飛び込んだ瞬間に、ネルソン提督は素早く動く。天使達が舞い上がり高高度爆撃を敢行する模様だ。
「お前達を侮りはしない。動き出す前に仕掛けさせて貰う」
　ネルソン提督に慢心などない。ただ猟兵を撃滅する為に天使達による爆撃を無慈悲に行うのみだ。そして失絆号が爆撃に晒される前に雲雀やシズホも船から出撃し、船も天使達に対して回避行動をとる。
　海遊装備を装着した雲雀が海へと潜り、シズホは逆に空中へ飛び上がる。となれば、天使達の狙いは自然とシズホに向かうのが道理である。シズホの思念に従い動く触手「マインドテンタクル」を展開し、複数の人形を操縦する。
「さあ皆、いきますよ！」
　その掛け声と共にシズホは重力制御/重力攻撃人形『シュヴェラ』に乗り、重力変化によって浮遊することによって海に落ちるのを防ぐ。さらに陰陽師型催眠人形『大帝巫』による耐水耐炎加工符を海にばら撒いて布石を打つ。
　そして天使の爆雷が降り注ぐ中で、シズホはデザイア・キメラ（三欲の獣）の防御バリアの中で爆撃を耐え凌ぐ。爆発が上がる度に水しぶきと水塵が舞い、天使が爆散することによる煙も撒きあがる。
「海中に逃げた者も逃がすな。強烈な爆撃をくれてやれ」
　そして水中に逃げた雲雀や嵐も逃す気はないとネルソン提督は天使達に命令を下す。浅く潜っているのであれば避けようがない爆撃がさらに降り注いでいく。
　だがシズホはすでに海上にはいなかった。すでに大帝巫の認識阻害の催眠術を周辺領域に発動させ、殺人鬼亡霊内蔵高機動武装人形『六六六』から射出した刃翼をシズホだと思わせることに成功していたのだ。亡霊にも操作させた欺瞞行動は見事に成功し、それを囮にシズホは五英雄再現戦闘人形『マジェス』の風によるジェット噴射で船の真下へ移動していた。
「科学の力は文明侵略の餌食！」
　そして満を持して能力「幻影装身（アームドオブリビオン・ミラージュ）」を発動させ、かつての帝竜台売る御須の文明侵略の能力をクレマンソー級空母に浴びせる。放たれた波動は空母をダイウルゴスへと変化させ動きが鈍化する。
　それを見たシズホが水中から六六六による砲撃武装による零距離射撃によって船体に大きな損傷を与え、振動がネルソン提督に襲い掛かる。
「囮だったか。だがその程度では……」
「何度もやってればいつかは当たるかもしれないけど、さすがに一発目で海中深くに潜ってる相手にぶち当てるのは難しいでしょう」
「空襲爆撃とか、UDCアースの世界大戦経験者の縁者でしょうか？でも、地上ならいざ知らず、海上では海面を弾くだけ。水中対策は不十分でしたね」
　だがクレマンソー級空母が傾くのを水中潜行していた嵐と雲雀が見逃すはずもなかった。天使による爆雷は確かに水中まで影響を及ぼしたが、雲雀はキャバリア「絶無」の海遊装備によって事なきを得ていた。
　さらに嵐は深く潜航した後に初撃を防いだ後は能力「継承者の印（シュリーバトサ）」の神器の加護によって、爆雷の衝撃を避けるようにクレマンソー級空母へと突き進んだのだ。
「空の覇者を気取ってるみたいだけど。ここはグリードオーシャン、海の世界だよ？　いくらより速く、より高く飛ぼうと関係ないね」
　そして天使達の爆雷が届く前に嵐はキャバリア専用武装の招宝短剣を構えて、クレマンソー級空母へと迫る。狙うはネルソン提督のいる艦橋。
「さあ、文字通り足元をすくってあげるとしましょうか」
　突きたてられる宝剣。ネルソン提督の足元から巨大な刃が現れて咄嗟に回避行動を取るが、多少なりとも傷を負う。舌打ちをする中で自身の力でもあるクレマンソー級空母に回避行動を促し、天使の爆雷で凌ごうとする。
　しかしシズホの文明侵略による破壊と、嵐の招宝短剣による突破口は雲雀にとっては好都合であった。能力「嵐の投入部隊（アラシノトウニュウブタイ）」による絶無のキャバリア部隊が艦内に侵入する機会を得ることができたのだから。
「原子力空母もしくはそれに相当する魔力動力なら、一発で海の藻屑になりますね。沈みなさい！」
　その号令と共にキャバリア部隊が艦内に進撃し、一気に推進機関と動力機関を破壊していく。それによる大爆発によってクレマンソー級空母は艦体を大きく傾けて沈んでいく。

「この艦は駄目か……、力を使うがやむを得まい」
　そう言ってネルソン提督はクレマンソー級空母を放棄して天使達と共に退避していく。そして沈んだ空母とは別に、ネルソン提督がかざした場所からは新たなるクレマンソー級空母が現れる。
　だがネルソン提督の力は空母そのもの。これらが連続して撃沈されればネルソン提督とて無事というわけではない。まずはネルソン提督のクレマンソー級空母の一つが撃沈していくのが、猟兵達の海戦の合図となった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　七大海嘯『舵輪』ネルソン提督。クレマンソー級空母を撃沈させたにも関わらず、また新しい空母がその姿を現している。これこそ七大海嘯の力の一端というべきだろうか。
　だが如何にネルソン提督であっても無限に船を湧き出せるわけではない。確実に力を削るわけではあるし、戦いで負傷を負うのは間違いない。
　なればこそ今はクレマンソー級空母を撃破し続け、ネルソン提督が新しい空母を生み出せる余力もなくなるまで追い詰めるのが得策だ。
「空母攻略…か？　スペースシップワールドみたいな感覚かな…まぁ良いか…規模やら強度を考えたらまぁマシではあるのかもしれん…」
　そう言って死之宮・謡（存在悪：狂魔王・f13193）は眼前の戦力を分析する。グリードオーシャンに似つかわしくない空母であっても、まだ宇宙の海の艦よりかはマシかという感覚である。
　だがこの海で唯一の飛行能力を持つという天使達の爆撃能力は決して侮れるものではない。透き通った体を持つ天使は武装を施し、搭乗する鉄甲船「失絆号」へと迫りくる。
「さて、其れじゃあ行こうか…戦争を始めよう」
　突撃してくるのは機関砲や投下用の爆雷を生やした天使達。失絆号を巻き込んではたまらないとばかりに、呪術で己の姿を隠して海上を突き進む謡。摩訶不思議な力ではあるが、呪詛の力はメガリスが渦巻くこの世界では嫌というほど馴染む。
　それでも数が多い爆雷の天使に対しては避けようがない時もあるが、そこは穢煌葎弓クレイアスターによって近くで爆裂する前に撃ち落としていく。その様子を追従するように同じく突き進む須藤・莉亜（メランコリッパー・f00277）が気怠そうに呟く。
「天使の血が飲み放題って感じかねぇ。あ、敵さんの血も忘れずに飲んどかないと」
　派手に爆裂したり、旗艦銃を乱射しながら突っ込んでくる天使達だけではなく、ネルソン提督もその狙いでもある。ダンピールで敵の血を啜る莉亜らしいといえばらしいのかもしれない。
　物騒な天使達がこちらを狙ってくるのは想定済み。ならば暴食外套に爆雷やら機関砲の弾やらを食わせながら、動き回って逃げるという戦法を取る莉亜。勿論、すべてを喰いつくせることはなく、肉体損傷もあるが気にはしない。
「死ななきゃ良いしね」
　そうあっけからんな莉亜に対して、丁寧に天使達を撃墜していく謡。そんな二人の海上を突き破るように突き進む一体の車両。メンカル・プルモーサ（トリニティ・ウィッチ・f08301）の改造装甲車【エンバール】である。
　マインドミナBVA装甲により、陸上水上水中空中等あらゆる状況を走破出来る装甲車であるエンバールはこのグリードオーシャンでも有効であった。そしてメンカルは天使達を分析しながら、車内で敵影を捉える。
「…飛べないなら空母から弾き飛ばせば良い…うーん、盲点ではあるね…」
　その戦略だけはメンカルが認めるところではあった。ネルソン提督の着眼点を褒めるべきであろう。さらに天使は透き通った体、見えづらいだけで存在はしているというのも冷静に分析する。
　その上で備え付けのレーダーで位置を確認しながら自慢のマインドミナBVA装甲で耐久するだけではなく、魔術障壁を張ることで爆雷や機関砲を防ぐメンカル。その強力な盾と連携して謡と莉亜も天使武装隊を撃墜していく。
「天使共を凌ぐとは、さすがというべきか。だがまだ第二波もあるぞ」
　第一波の天使武装隊が壊滅したことを受けて、ネルソンは次なる第二波を発艦させるべく準備を進める。だがそれを謡は発艦前に能力「虚空より降りし星の雨（トゥルー・アナイアレイション）」を発動させる。
「災害トハ、唯ノ生命体程度ニ抗エルモノジャ無イ、過ギ去ルノヲ祈リ乍震エルシカナインダ…例エバホラ、今此ノ瞬間ノ様ニネ？」
　彼女がクレマンソー級空母に左手の人指し指を向けた瞬間、虚空から流星群を降り注ぐ。これにはさすがのネルソン提督も対処ができずに流星群を直撃することになる。
　艦体に多大なるダメージを与え、さらに天使武装隊も撃滅していく一石二鳥の策。そして後はクレマンソー級空母へと乗り込むべく、メンカルのエンバールが動くことになる。
「見えざる腕よ、投げろ、放て。汝は剛力、汝は投擲。魔女が望むは大山投じる巨神の手」
　発動するは術式「投じられしは空裂く巨岩（タイタンズ・スロウ）」。攻撃意識を向けている相手に装備が触れている物体を射出する事ができる。今回メンカルが投擲として選んだのは、この装甲車エンバールその物だ。
　超高速で一気にクレマンソー級空母へと飛翔するエンバール。メンカルも耐ショック姿勢を取って海面ぎりぎりの水平方向に飛び、空母に激突する形で見事に乗り込むことに成功する。
「さあ、遊ぼうか。どっちが先に死ぬのかな？」
　そしてエンバールに取り付く形でクレマンソー級空母に乗り込んだ莉亜は能力「不死者の血統（イモータル・ブラッド）」を発動させて、吸血鬼化していく。今まで爆雷と機関銃で受けた傷はそれでみるみる回復していく。
　だがまだ血と生命力が足りない。そう判断した莉亜は発艦前の武装天使隊へと狙いを定める。他者の生命力を奪うオーラで容赦なく天使達の生命力を奪い尽くしていく。
「見えなくてもいるんなら生命力を奪えるしね」
　そう言って奪った生命力で自身を強化し、負ったダメージも即座に回復していく。クレマンソー級空母の甲板はもはや発艦することもできずに天使達は莉亜の栄養分となっていく。
　血を浴びるように飲み干す莉亜だが、さすがに天使武装隊の相手でネルソン提督に近づくことはできない。そのネルソン提督はこの現状に舌打ちをする。
「猟兵め、何という方法を……！」
「おや、悲観する余裕があるのか？」
　だが流星群の混乱とエンバールに莉亜と同じく便乗してきた謡がネルソン提督の思考を断ち切る。哀想旋刃イレンアトラで連撃を食らわせ、ネルソン提督の身体を引き裂くと、呪殺神槍レ・フィドラの穂先がその喉元へと迫る。
　しかしそれが到達する前に武装天使隊の一人を潜り込ませて盾として九死に一生を得るネルソン提督。その後は爆雷と機関銃の雨を食らわせて謡に距離を取らせることに成功するも、猟兵の追撃は続く。
「…ネルソン、見つけた」
　そして飛んできたのはもう一度高速で射出したメンカルのエンバールであった。武装天使隊を吹き飛ばし、ネルソン提督ごと轢き殺そうという算段であった。
　事ここに到り、ネルソン提督はこの状況の不利を判断。クレマンソー級空母を放棄して、天使と共に空高く自身ごと射出することで難を逃れる。そして流星群がさらに降り注ぎ、クレマンソー級空母が撃沈していく。

「残念、逃がしたか」
　そう言いながら莉亜は最後の天使の血を啜り、空高く逃げたネルソン提督を目で追う。また同じ海域でクレマンソー級空母を生み出すも、その負傷と力の損耗まではカバーしきれるものではない。
　爆発しながら沈みゆくクレマンソー級空母がネルソン提督の末路だということを認識して莉亜はメンカルや謡と共に船から脱出をする。確実にネルソン提督を追い詰めている、その手ごたえと共に。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　ネルソン提督は天使達に自分の負った傷の手当を行わせながらも爆撃準備を整える。クレマンソー級空母の甲板で天使達がカタパルトで射出される準備は万全ともいえる。
　それでも七大海嘯一の提督であるネルソンの予想を上回る力を見せつけてきた猟兵達。それゆえに評価を改める必要はあると判断する。
「やはり少しは驕りがあったか。だが天使共も使い潰す覚悟もできた。ならばあとは私の心積もりだけだ」
　そして猟兵達が出陣している鉄甲船「失絆号」へと目を向けるネルソン提督。回避行動に集中しているが為にあの船自体を撃沈するのは難しいともいえる。
　だが今回は失絆号よりからは出陣せずに独自にその海へと至る者達の出陣であった。
「あっはははっ！　空母と来たか！　面白いわね！」
　そう高笑いするのはアルダワ学園が誇る歴戦工作員である才堂・紅葉（お嬢・f08859）。紅葉が哄笑するのはアルダワメカニックの粋を籠めた蒸気王マリンモードの背中の上だ。
　その姿は赤い髪を翻し、龍を衣装した中華装束を身に纏っている。真の姿である力を解放した姿であり、その新衣装のお披露目でもある。
「ネルソン提督！　相手にとって不足なし！」
　手にする蛇矛は神器“天蛇王”。紋章の力に呼応して水気を操る力を持つ。ただしテンションが豪傑寄りになるのが玉に瑕だが、戦争という特殊環境ではそれも気になりはしない。
　だがネルソン提督はそんな紅葉の様子を気にすることもなく、天使達に指示を出す。カタパルトで射出された天使の突撃が容赦なく紅葉の蒸気王に迫り来る。
「こんにちは“舵輪”！　あんたを倒して、七海無双の名の始めにしてあげるわ！！」
　だがそれでも紅葉が怯むことはない。心は燃えていても精神は冷たくあり、カタパルトで飛んでくる天使に対しても冷静に対処する。着弾すれば爆裂する天使砲弾に軌道を見切り、薙ぎの水刃でカウンターを合わせる。
　まさしく神業ではあるが、紅葉にとってはそれは必然。天使達のその連携は脅威だが、極論すれば神速の早業で一体ずつ確実に仕留めれば全て一対一である。
「後はまぁ気合よ！」
　そう言いながら天使カタパルトを凌いでいく紅葉。その様子にネルソン提督はさすがに賛辞を贈らなければならないだろう。そしてその意識は深海より進む一人の猟兵の存在に気付かせることを遅らせる。
『任務了解。ではこちらは攻撃の届かない海中より強襲し空母クレマンソーを破壊します』
　深海装備でエコーがかかる声を出しているのはダビング・レコーズ（RS01・f12341）。ウォーマシンであり深海であっても難なく作戦行動を可能とするそのボディは今、紅葉とクレマンソー級空母が激戦を繰り広げる海上より遥か深海を潜航していた。
　深度はダビングが作戦行動が可能な範囲の最大限。その水の抵抗で天使の突撃を大幅に減速及び威力を減衰させることも期待できたであろう。
『メタルステークの防楯も用意しましたが、紅葉さんのおかげで助かりましたね』
　派手な作戦行動をする紅葉のおかげで、ダビングは気づかれずに作戦行動に移れる。もしかすると攻撃がくるかもしれないが、海中での作戦行動を徹底し、深度を維持し水上には上がらなければ回避も容易い環境だ。
『DDユニット換装開始……完了』
　さらに適応能力を上げる為に能力「DDU（ディープダイバーユニット）」を起動し、水中戦闘適性と水上・水中目標への攻撃能力増強作用を受けるのを確認し、クレマンソー級空母へと接近する。
　そして発見されると同義の一点集中攻撃が始まる。まずは防楯搭載対物大型射突槍「AMPB5メタルステーク」を艦底部の一点に連続射突する。海底に衝撃と遅れて破裂音が響き渡る。
「何、これは……！　艦底か、猟兵一人ではないとは思っていたが」
　ネルソン提督はそう舌打ちする。海底から来るとは思っていたが、ここまで静かに深度の高いところから接近されるとは想定外だったのだろう。それほどダビングの潜航深度が上だったということか。
　そしてダビングの追撃は続く。装甲を穿ったその穴へ誘導魚雷「HT9マリンネイル」を全弾発射する。至近距離からの破損箇所への的確なる攻撃、内部爆発による被害拡大と浸水と圧壊でクレマンソー級空母が大きく傾く。
「今がチャンスということね！」
　そう言って紅葉の乗ったマリン蒸気王が傾くクレマンソー級空母へと急接近する。あの状態では満足に天使達をカタパルト射出することもできない。
　そして放つは能力「天蛇王・流刃一穿（リュウジンイッセン）」の超高圧の水刃の一撃だ。紅葉が満を持して振りかぶる。
「断ち穿ちなさい、天蛇王！！」
　天蛇の蛇矛の突き薙ぎはクレマンソー級空母の甲板に大きな切断を齎し、艦体を真っ二つにするほどの一撃であった。それによりクレマンソー級空母の各所から誘爆が起こり、ダビングのマリンネイルの爆破が合わさってクレマンソー級空母が崩壊していく。
「くっ……この空母もここまでか」
「大航海時代程度のこの世界で航空戦力による爆撃は趣きに欠けるとは思わないかね？　ハハハ、まあ、私を含め猟兵達も人のことは言えないがね」
　そんな気安く喋る口調が聞こえてネルソン提督が銃を構えながら振り向くが、その男は優雅に斬撃を繰り出す。ネルソン提督の銃身と共に胴体が斬り裂かれ、派手に吐血する。
　その男こそ、赤き公爵シーザー・ゴールドマン（赤公爵・f00256）。余裕の表情を崩さずにその手のオーラセイバーはネルソン提督の血を浴びて、さらに赤く染まる。
「貴様、どうやってこの距離まで……！」
「……ふむ、君のユーベルコードは懐に入り込まれると対応が難しいようだね。至近距離でも有用な戦い方を修めておくことを勧めるよ」
　そう言って肩をすくめるシーザー。実際、シーザーは紅葉のように海上からマシンで乗り込んだのでも、ダビングのように海底から突入したのでもない。
　能力「ハーデースの兜（デウス・アーエール）」。肉体のすべてを目に見えず、触れられもしない魔力に変質し、そのまま優雅に海を渡って来たというわけだ。そしてちょうどいいタイミングで実体化し、オーラセイバーで斬撃を繰り出したというわけだ。

「そのようだ。その反省を生かし、次は殺してみせようぞ」
　そう言ってネルソン提督はカタパルトに待機していた天使達をシーザーにけしかけて、自身は脱出を図る。益体もない話をしながら自然体で天使達を屠るシーザーではあったが、あの一撃で殺し切れなかった時点でまだネルソン提督に余力があると感じていた。
　だからこそ力の源であるクレマンソー級空母を徹底的に破壊し、その力を削ぐことに決めたのだった。すでに紅葉の超高圧の水刃が艦体を切り刻み、海底からはダビングが魚雷を持って破壊を続けている。
「それでは私は天使を殺し尽くそうか。楽しませてくれたまえ」
　そういってシーザーは戦力となる天使達を葬り去っていく。ここにきてクレマンソー級空母の一隻と多くの天使達をネルソン提督は失うことになったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　クレマンソー級空母は七大海嘯の一人であり、『舵輪』の称号まで得ているネルソン提督であれば可能である。その空母を力を解放することで生み出す力はまさしく脅威ともいえるだろう。
　だが自身が指揮するのは一艦のみであり、それを即時生み出すにも力を使うことになる。それ故にネルソン提督自身も消耗していくことになる。
　その判断力に影響が出るかは疲労度合いにもよるが、天使達の数も無限ではない。故に失絆号から出ていく猟兵の攻撃力がこちらの力の余力を上回る前に決着を付けなくてはならない。
「なってないですね。カタパルトっていうのはもっと夢とロマンがあるべきものなのです。風と一体化する感覚を楽しむためにあるべきものなのです」
「あんなでかい上に上空からの攻撃てずるくない？」
　そう言って失絆号の甲板にてクレマンソー級空母を見つめる七那原・望（封印されし果実・f04836）と杼糸・絡新婦（繰るモノ・f01494）。望の方はネルソン提督の天使カタパルトの運用に憤慨しているようだった。
　その激昂気味の望より絡新婦は至って冷静に見つめている。むしろその攻撃方法に若干の不公平すらも感じているが、それを対処してこその猟兵だと思っている。
「いやまあ、敵の得意分野でもあるんやからしゃあないけど。天使に頼りすぎるのもどうかと思うで」
「そうか。ならば見事に捌いてみせろ猟兵！」
　絡新婦の指摘にも問答無用に天使による高高度爆撃を指示を下すネルソン提督。空からのアドバンテージは確かに有利ではある。制空権を持っている者が戦場を制すというのはあながち当然の論理でもある。
「ではお見せしましょう。猫さん達！」
　そう言って目隠ししていても天使達が発進したのがわかるのか、望は白いタクト「共達・アマービレ」を振るって、大量の魔法猫を空へと出現させる。浮遊は無理ではあるが、召喚する分には空中で散開できる。
　そしてその魔法猫達が魔法結界を展開することで、天使の爆雷と相殺されて失絆号への攻撃を阻止する。それと同時に望と絡新婦も海上へと飛び出す。
「やるなあ、お嬢ちゃん」
　そう言いながらも絡新婦は「鋼糸・絡新婦」によって天使の残骸に括りつけて海上を進む。望もまた爆雷と魔法猫の激突で位置を特定しにくい箇所を進みながらクレマンソー級空母を目指す。
　それをさせじとネルソン提督も高高度爆撃の範囲を絞って集中攻撃を敢行する。だが爆撃をされる前に展開している魔法猫や「銃奏・セプテット」の分離した銃による面で制圧する弾幕射撃で、空中で爆裂させていく。
「援護するで！」
　そして絡新婦も負けていない。天使が爆雷を投下する瞬間に脱力する。能力「オペラツィオン・マカブル」によって能力が無効化されて爆雷が不発に終わると同時に、からくり人形が排出される。
　そしてそのまま操る狩衣を着た狐人の姿をした戦闘用人形「サイギョウ」が天使へと襲い掛かる。その牙は天使を斬り裂く。
「排し、返せサイギョウ」
　望と魔法猫、絡新婦とサイギョウと天使達の爆雷の宴は続く。だがその下では着実にもう一人の猟兵の作戦が実行中であった。

「ノルマンディー島…ね。なんだか絶対上陸したくない名前の島ね」
　そう言いながら強襲揚陸艦「ワダツミ」の艦橋で救出予定の島の名前に不吉を覚える桐嶋・水之江（機巧の魔女・f15226）。その魔女は現在の状況に細く笑む。
　実は今は海底潜航を実施中なのだが、ここに到るまでにさきほどの爆雷を派手に受けた。さすがにこれだけの船が海底に沈むとなれば挙動がわかるからだ。
「身を晒していれば良い的ね。けれど四方は広大な海で逃げ場無し…あるじゃない、海の中が」
　そう思いさきほどの爆雷で失絆号の代わりを受け持つように爆雷の対処を担当。実際は対空機関砲「CIWS」と多連装ランチャーシステム「MLRS」によって爆雷を撃墜していたのだが、そのままワダツミを急速潜航させる。
　ド派手な水柱と共に姿を消して轟沈したと思わせて、そのままクレマンソー級空母へと接近しているのだ。幸い、海上では望と絡新婦がやりあっているので作戦行動はやりやすかった。
「さて、それじゃ機械はもっと強く、便利に、快適に……ちょちょいと弄ってはい完成！」
　そして魚雷範囲内に突入したと同時に、能力「機巧の魔女の祝福（エンハンスド・マシーナリー）」を発動させて魚雷の射程範囲を向上させる。そして敢行するのは長距離からの飽和攻撃だ。
　海の底を静かに進んでいたが、派手な魚雷の爆裂と共に振動が響き渡る。ネルソン提督のクレマンソー級空母が大きく揺れて、またしても海底攻撃を許したことを悟る。
「さきほどの戦艦、撃沈ではなく進んでいたか！」
「まだ終わりじゃないわ」
　ネルソン提督の驚愕を待つまでもなく、水之江の攻勢は続く。ワダツミを自動操艦モードにしてキャバリア「ウバザメ」に搭乗。そのままクレマンソー級空母の甲板に乗艦する。
　そして高周波ダガーと海月型支援ユニット「ジェリーちゃん」と一緒になって甲板にいる天使達を破壊、さらに施設も攻撃していく。
「くっ、乗艦を許したか……！」
「爆雷を落としてくれてもいいのよ？　やったら空母ごとズドンでしょうけれどね」
　水之江の発言は的確であった。このまま天使の爆雷を使えばクレマンソー級空母自体が沈む。さらにワダツミからの海底からの魚雷攻撃も続いている。このままではまずいとネルソン提督は空母の放棄を考える。
　だがそうなる前に天使の爆雷に隙ができた絡新婦が「鋼糸・絡新婦」を空母の管制塔に括りつけて道を作る。そしてそこにさらに鋼糸を絡めて足場を確保していく。わざわざ天使の残骸まで補強した道がそこに出来ていた。
　それに乗るように望が乗り、疾駆する。狙うは逃げようとするネルソン提督だ。咄嗟に逃げようとするネルソン提督を惑わす為に能力「果実変性・ウィッシーズアリス（トランス・ウィッシーズアリス）」を発動させる。
「なっ！」
　ネルソン提督が動揺したのも無理はない。クレマンソー級空母を囲むように大量の鉄甲船「失絆号」が出現したのだから。だがこれは幻影・幻覚の類である。強力な魔法猫のあってのものであるが、動きを鈍らせるには十分だ。
　そして動きの止まったネルソン提督を強力な魔法攻撃が襲い掛かる。魔弾が散弾銃のように飛び交い、ネルソン提督の身体を抉り取る。望と魔法猫が籠められるだけの魔法攻撃にさすがのネルソン提督も苦悶の表情を浮かべる。
「ここまでだな。クレマンソー級空母よ、自爆しろ！」
　このまま鋼糸を操る絡新婦まで乗艦させれば逃げられなくなると察したネルソン提督は、力を使ってクレマンソー級空母を派手に爆発させる。自身は天使と共に上空へと逃げだして無事であったが、望と水之江の乗ったワダツミが巻き込まれそうになる。
　幸い、絡新婦の糸の道が生きていたのと、急浮上したワダツミに避難することで望も水之江も難を逃れることに成功する。しかし派手に爆裂したクレマンソー級空母はネルソン提督の力の一端。
　それを破壊できたことでさらに勝利に近づいたことを確信する。海に大きな花火が上がるように爆裂する空母を見て、三人はそう思ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　すでに複数のクレマンソー級空母の残骸がノルマンディー島近海に散らばっている。七大海嘯の空母がこれほど撃沈されるなど、猟兵の力は凄まじいと『舵輪』ネルソン提督も感じざるを得ない。
「それに私の力も無限ではない。だが制空権を握ってここまでやるか、猟兵」
　そうカタパルト射出する天使達によって、空を飛べない猟兵に対してはアドバンテージを得ているのはネルソン提督だ。だがそれを覆すほどの奮戦を見せているのが猟兵である。
　それは今も爆発煙を上げるクレマンソー級空母が物語っている。そして新しいクレマンソー空母に狙いを定めるのは鉄甲船「失絆号」の猟兵達。ならばと武装天使隊を飛ばし、攻撃の及ばないほどの物量で叩き潰すのみとネルソン提督は指揮する。
「天使に対して攻撃は届かない。なら、攻撃じゃない効果ならどうだろう？」
　そう言って操舵室で失絆号に対して全速前進を指示するのはフェルト・ユメノアール（夢と笑顔の道化師・f04735）。その表情は破れかぶれではなく、しっかりとした自信に満ち溢れていた。
　一直線に空母に向かう鉄甲船に対して、天使武装隊が襲い掛かる。だが機関砲や投下用の爆雷と攻撃手段がこちらを狙ってくるのならば対処は簡略化される。
「船は傷つけはしないよ！　だから船に集中してね！」
　クルーに指示を出して甲板に出たフェルト。投擲用のダガー「トリックスター」を迫り来る爆雷に対して的確に投擲していき、空中で爆発四散させる。さらに着色された煙を瞬時に発生させる「ワンダースモーク」を使うことで広範囲の煙幕を発生させる。
　それによって全速で進んでいる失絆号を捉えるのが難しくなる武装天使隊。そしてその天使達の頭が急に弾け飛ぶ。
「えーっと、飛んできたシュールな天使は…撃ち落として数を減らします」
　頭を見事に狙い撃った狙撃手こそ、安里・真優（巨人の冒険商人・f26177）。巨人であるが故に目立ちやすく失絆号では的になりかねないので、自身のサーフボードである「蒼穹の剣号」に乗って海を疾駆する。
　持前の波乗り感覚と高速サーフィン術でこのグリードオーシャンの海でも安定した姿勢を保ち、捉えきれない動きをする。そして狙い撃ったのは自身の雷攻撃魔法＜エネルギーボルト＞で、天使の顔もある雷弾で撃ち落としていく。

「くっ、接近出来ないとなると俺は無力だ……。射撃の届かない高高度となるともはや手立てはない」
　そんなフェルトと真優の奮闘を尻目にウィルトス・ユビキタス（戦場の荒らし屋・f01772）は自身の無力感を感じていた。実際に接近しきれば何とか対処ができるが、それをすると爆雷を誘爆してしまうかもだし、フェルトが見事な投擲術で撃ち落としている。
　もはやできることは乗っている失絆号が無事にクレマンソー級空母に到達することを祈るのみかと思ったりもしている。煙に包まれながら進む船を見て、雲に覆われた海を思うウィルトス。
「ん？　祈る……？」
　そう思い立ってウィルトスは魔力を込めて天に祈りを捧げる。その魔力を媒介にして天候に干渉を行い、空を荒れ狂う突風の空中へと変化させる。
　どうやら思惑は成功したようだ。ウィルトスは自身にマジックナイトの素質だけではなく、天候操作の技術もあったことに望外の喜びを感じる。今ままで実感していなかったことをできることに高揚感を覚える。
「俺はやるぜ、俺はやるぜ、俺はやるぜ！」
　そして突風にあおられて高度を下げてきた武装天使隊に向けて能力「ルーメン・イグニス」を発動させ、火炎のホーミングレーザーで天使達を焼き尽くしていく。さらにその炎が爆雷にも引火して派手に誘爆を起こす者も現れる。
　それに便乗するのは蒼穹の剣号に乗った真優だ。高度が下がって武装天使隊を能力「深淵からの呼び墨（シンエンカラノヨビスミ）」に捉えたことを確認して発動する。
「こんな手はどうでしょう？　そこはもう空ではありません。深海です！」
　ダコタンのちょっと怪しいタコ墨を浴びせることで、グリードオーシャンの深海に環境変化させる能力。空を飛ぶ天使達に深海に対する環境に適応できる能力はなく、動きが鈍る。
　だが真優は違う。グリードオーシャンの巨人は伊達ではなく、深海でも全く臆することなく動くことができる。
「巨人の肉体を舐めないでください。反撃開始です！」
　身体の魔力を循環させてチャージさせてからの、全力解放の魔力放出。攻撃魔法マジックバスターが射線上の天使達をもろとも吹き飛ばす。
　そして射線の先にいたクレマンソー級空母にも突き刺さり、爆発と装甲が弾け飛ぶのをネルソン提督が確認する。そしてその天使武装隊を斬り裂いた空間を失絆号が突撃して来る。
「舐めるな、猟兵！　むしろ恰好の的だ！」
「ここからがボクのとっておきだ！　千客万来の大勝負、食べ物の恨みを思い知れ！　現れろ！　SPゴーストン！」
　わざわざ近づいてきた猟兵の本船に対して空母に残った武装天使隊を差し向けるネルソン提督。それに対してフェルトは満を持して「＜ユニットカード＞SPゴーストン（スマイルパペット・ゴーストン）」を発動させる。
　失絆号を覆うほどナイフとフォークで武装した豚の亡霊ゴーストン達。機関銃や爆雷で倒されるたびに能力低下の呪いを齎し火力が落ちていく。それによって攻撃が弱まり、ゴーストンを倒す前に失絆号は空母に接舷を果たす。
「援護するぜ！」
　フェルトの乗船を援護するべく、ウィルトスの火炎のホーミングレーザー群が放たれる。狙うは真優が風穴を開けたマジックバスターの破損箇所。さらに爆裂を起こすことによって機関部などの誘爆を誘い、艦体を傾けさせる。
　それによって体勢を崩すネルソン提督。そこを飛翔してきたフェルトは軽やかな動きで接近し、トリックスターの一閃を食らわせる。首への致命傷を避ける為に腕でガードしたが、抜け目なく脇腹を抉った傷はかなりの手傷となってネルソン提督を苦しめる。
「……くっ、この空母も放棄せねばならないとは！」
　だが真優がサーフィンで接近を果たしウィルトスが乗り込んでくれば、接近戦の不利があるネルソン提督では対処ができなくなる。そうなる前に自爆覚悟で天使達の爆雷をフェルトにけしかけ、ネルソン提督はその間に空中退避する。

　フェルトは爆撃を避けた後に悔しそうにその姿を見送る。だが滴り落ちるネルソン提督の血が、決して軽いものではないことを物語っている。
　力の消耗も激しく、手傷も深くなってきた。多くの空母を生み出すことも望めないだろう。そう確信しながらフェルトはウィルトスと真優の援護の中で、撃沈するクレマンソー級空母を脱出するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　ネルソン提督はかつて大英帝国の艦隊を率いた時もこれほどの屈辱を味わったことがなかった。眼前に広がるクレマンソー級空母が撃沈していき、残骸を晒す光景に歯軋りすら覚える。
　コンキスタドール達の統率者たる七大海嘯『舵輪』に就任した後も、これほどの敗北を味わうことはなかった。それほどに強大な力を見せつけてくる猟兵。
「七大海嘯の力をもってしてもこれか。部下では歯が立たんはずだ」
　そう言いながらも新たなるクレマンソー級空母を生み出して、その甲板へと降り立つネルソン提督。あの巨大な空母をいくつも生み出せる力はまさしく破格。なれども猟兵は諦めない。
「失絆号の一番高い所へ案内してくだされ」
　そんな闘志に満ちている猟兵とは別にエドゥアルト・ルーデル（黒ヒゲ・f10354）はマイペースを崩さない。鉄甲船「失絆号」の艦首頂上へクルーに案内させるとそこにどっかりとあぐらをかいて周りを見渡しながらのんびりと海を満喫している。
　まるで航海を楽しんでいるかのようなエドゥアルト。だがそんなことは一切考慮しないネルソン提督指揮の天使達による高高度爆撃が敢行される。投下する爆雷に焦る失絆号のクルー達。
「でぇじょぶだ爆撃は拙者がなんとかする、こんなふうになぁ！」
　頂上から爆雷を視認した瞬間を狙ってマークスマンライフルからグラビティ弾を撃ち込んで爆裂させる。まさしく的確な爆弾の爆破処理は、投下した瞬間を狙うからこそ爆発しても影響のない空で処理できるというものだ。
　それに加えて迎撃のために能力「サイコフォース」を使っている為に着弾したとの爆破が広範囲に及び、それによって投下している天使も処理できるという優れものだ。
「これぞ人力イージスシステム！　9604m…大体10km弱圏内は安全地帯だと思ってくだされ！」
　そうやってドヤ顔を決めるエドゥアルト。彼がこうやって張り切っているのは訳があった。それは綺麗どころの天使を侍らしているネルソン提督にあった。
「燃料は周りに天使を侍らせて見せつけやがるライミー野郎への怒り…でござるかね…！　ヤル気が無限に湧いてくる！！！」
「オー、すごい嫉妬力を感じるネ」
　そうやってすさまじい勢いでグラビティを放ち続けるエドゥアルトに驚きを隠せないチトセ・シロガネ（チトセ・ザ・スターライト・f01698）。だが彼女も天使達の爆撃に臆することはない。
　賞金稼ぎにとってコンキスタドールを狩るのは本能ともいえる。故にそのトップである七大海嘯を逃す手はないとチトセも張り切っている。
「空飛ぶ兵器があるならそれを落とす技術だってあるものサ」
　チトセの特性は驚異的な瞬間思考力にある。落ちてくる爆雷の軌道を計算し、誘爆を狙いやすい爆雷にレーザー射撃の乱れ撃ちで撃ち抜く。
　その所作は一瞬であり、撃ち抜いた瞬間に連鎖的な爆発を起こすことによって上空にド派手な花火の打ち上げるかような現象が咲き誇る。さらにエドゥアルトとチトセが起こした派手な爆発と硝煙がばら撒かれることによってネルソン提督からの視認が難しくなっていく。
「アタシらの位置は見つけるのはハードネ」
「チッ、これが狙いか」
　だがそれでも天使達の上空展開を進めれば広範囲の爆撃も可能となる。二人の猟兵の狙撃を上回る飽和攻撃を敢行しようと、カタパルトで発艦させるネルソン提督。
　しかしその天使達が次々と思わぬ方向からの攻撃によって撃墜されていく。それは失絆号の方向でもなく、他の海の方向ではない。
「これは、ノルマンディー島の方向か！」

「気づいたか。だが遅い」
　寺内・美月（霊軍統べし黒衣の帥・f02790）は地面に霊兵統帥杖を突きさし、亡霊将兵による高射部隊をすでに展開している。別動隊としてノルマンディー島へと上陸した美月は密かに海岸部に上陸に成功していた。
　これも失絆号の陽動があってこそだが、ネルソン提督が海底にも警戒網を張っていたおかげでノルマンディー島への注意が落ちたのも原因であったともいえる。とはいえ、美月は油断せずに高射部隊に指示を下す。
「高射部隊は弾幕を張り、爆雷を落とそうとする天使を狙え。煙幕による位置観測を阻害も忘れるな」
　その的確な指示により、クレマンソー級空母から発艦する天使達を徹底的に狙い、さらに上空に煙幕を張ることによって失絆号の攻撃精度を落とすことも忘れない。
　こちらに天使戦力を傾けることも考えられるが、現状戦力の分散をネルソン提督がするとは思えない。とはいえ、『VADS、LPWS』等の爆弾や接近する天使等を打ち落とす近接装備、大口径高射砲・対空ミサイルによる高度防空装備等、考えつく限りの防空手段を講じているが故にいつ来ても問題はない。
「……やはり本船を落とす気か。ならばこちらにも考えはある」
　双眼鏡で戦況を見定めていた美月は、ネルソン提督が失絆号を集中攻撃していることを見抜く。ならばと能力「霊軍隷下《打撃戦力》亡霊将兵投入（ジゴクアメ）」を発動させる。
　地獄から召喚された対艦ミサイル部隊達が整列し、狙いをクレマンソー級空母に定める。美月の号令と共に砲撃地獄を展開する。
「全打撃部隊に発令…『地獄雨』発動！」
　そして全部隊による面制圧砲撃が敢行される。上空に展開する天使達を吹き飛ばし、クレマンソー級空母の艦体に爆撃と破壊が巻き起こる。目標を撃砕までやめる気は部隊にはない。
　さらに美月もトドメと言わんばかりにサイキックキャバリアによる迎撃用ホーミングレーザーや特殊電磁投射器による『対空核攻撃』を撃ち出し、失絆号上空にいる天使部隊を吹き飛ばしていく。
「援護はここまでだ。行け！」

「道が開いたネ！　行くヨ！」
　美月の殲滅対空攻撃によって天使が吹き飛んだのを見てチトセは能力「オービタル・ダンサー」を発動する。音すらも置いていく加速で船から飛び、一気に加速、推力移動で落下していく天使達の残骸を足場に源義経もびっくりな空中八艘飛びを展開する。
　そしてそのままクレマンソー級空母まで到達し天使を両断しまくりながら、ついに発射台たるカタパルトをも両断する。そして地面につくと同時にさらにもう一つのカタパルトも真っ二つに卸していく。
「おのれ……！」
「空母が見えたぞ！　全力で爆破だ！！　目標ライミー野郎の首！！」
　チトセが甲板で高速で破壊の限りを尽くすのをネルソン提督が忌々しくみるが、もっと呪いの籠った視線を投げかけるエドゥアルトが空母へ接近に成功する。
　特大のグラビティを生み出し、すでに発射態勢は万全。すべての非リア充の怒りを背負って、特大の怒りを貯めて空母のどてっ腹に向けて発射する。
「いざ！　ご唱和ください！！　リア充爆発しろ！！」
　そして特大グラビティはクレマンソー級空母の横腹に命中し、大爆発を起こす。艦体には亀裂が走り、さらに機関部などにも誘爆が起こり、天使の爆雷も巻き込んでいく。
　そこに美月の対艦ミサイルが飛んでくるのだ。いかに頑丈といえるクレマンソー級空母でももはや持たない。チトセも天使達の壁がなくなればネルソン提督の首を狙ってくるだろう。
「もはやわずかな力か。こうなれば、あの鉄甲船だけでも……」
　そういってネルソン提督は爆発して沈没していくクレマンソー級空母を捨てて、わずかな天使達と共に空へと退避していく。もはや空母を生み出す力も残りわずかとなり、逆転の目も少ない。
　ならば最後の一擲として失絆号撃沈へと目標を変える。あれさえ失えば猟兵の進撃にも影響が出ると思い最後の決戦へと挑む。ついにノルマンディー島海戦も佳境を迎えようとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　七大海嘯の一人、『舵輪』ネルソン提督として制空権を確保した時点で勝利は手にしたと思っていた。だが猟兵はその空の支配をものともせずに次々と自身のクレマンソー級空母を撃沈していった。
　そして恐らく力の残量からしても最後のクレマンソー級空母を生み出した時点で察する。このノルマンディー島での海戦は恐らく敗北するであろうと。
　だが敗北にも種類はある。あの猟兵達の機動戦力の一つである鉄甲船「失絆号」を道連れにすることができれば、猟兵の勝利に傷をつけることができるだろう。今後の戦争の趨勢にも左右するこになるかもしれない。
「ここが落ち着くわねー」
　そう言って鉄甲船「失絆号」に舳先に陣取って風を感じている緋奈森・鈴音（火に願う華・f03767）。悪戯っぽく笑いながらもネルソン提督の強烈なる殺意は敏感に感じている。
　実際にカタパルト射出した天使達が集中的に失絆号目掛けて飛んできており、戦略目標を変えた節がある。この船に所縁がある鈴音としてもこれは許容できることではない。
「船は落とさせはしないわよー？」
　そう言いながら風の魔力を使って防御を重視した風の槍を相手のカタパルトの進路上に展開する鈴音。ふと下を見ていると二人の猟兵がクレマンソー級空母を見て悩んでいる様子だ。
　高砂・オリフィス（南の園のなんのその・f24667）とイスラ・ピノス（セイレーンの冒険商人・f26522）。二人はどうやってネルソン提督を叩くかを相談していたのだ。
「キャバリアは……うーん、泳いで、いやぁ……どーしよ。うーんうーん、この爆雷の降り注ぐ……」
「難しいこと？　敵の動きを見る感じ、単純に思い切り深く潜って進んじゃダメなのかな？」
「ムッ！　唐突に閃いたぞ」
　オリフィスとイスラは顔を見合わせて同じ方向性を確認したようだ。この調子でいけばクレマンソー級空母を叩くのは二人に任せてもよさそうだと鈴音は思う。
　そして鈴音はカタパルトで飛んでくる天使達に集中する。加速して飛んでくる天使に対し、カウンター気味に風の槍を進路上に突き刺し絆失号に到達できないようにする。
「勿論避けるのも想定内よねー？」
　さらにその風の槍を回避行動しようにも加速した状態ではどうしても限定的な動きになる。そこを狙いすましたように忍者手裏剣で叩き落していくのだ。これには天使もたまったものではないだろう。
　だが天使達の突進を鈴音は侮ったりはしない。念のため、上空にも風の壁と乱気流を作って空からの攻撃にも対処して、失絆号の回避運動のアシストもこなしていく。まさしく彼女は船の守護女神となっていた。

　一方天使の突進が始まると同時にオリフィスとイスラは海へ飛び込んでいた。二人が選んだ戦法は海からクレマンソー級空母に迫るものだった。
　だが二人が選んだ進路は同じようで違う道であった。まずはオリフィスは海中までは潜らない。
「名付けて水中サブマリン強行軍！」
　オリフィスは背中のブースターを吹かして、水面から水中あたりぎりぎりをダッシュで進む。爆風や水飛沫を掻い潜って体を隠して進めることで、本体であるオリフィスを狙いにくくする効果もある。
　勿論天使も突進で狙い撃つが高速で動くオリフィスに当てるのは至難の業だ。そしてそのオリフィスよりさらに深い所を潜っているのは、セイレーンたるイスラだ。
「どのみち空飛ぶ相手に海の中で負ける気はないもの」
　対策をしてこようとも海の友たる自身が海中で天使に負ける道理はない。さらに鈴音が多くを引き付け、オリフィスが派手に上の水中で動き回っている以上、イスラとしてもやりやすい環境である。
　そして能力「ソーダジャイアント」を発動させ、自身の2倍はあるであろうソーダ水の巨人を召喚する。愛らしい自身の巨人の頭を撫でて微笑むイスラ。
「おいでそーちゃん。一緒に行こ」
　水を吸う程強く大きくなるソーダ水の巨人を従え、イスラは海中を高速泳法する。たっぷりを吸い込んでいく巨人は進むたびにどんどん強化されていく。
　できるだけ敵と遭遇することのないルートを選び、深く潜ってクレマンソー級空母へと近づいていく。敵空母の動き・距離関係はしっかり覚えていたからこそできる芸当だった。
　
　そしてネルソン提督は天使達にカタパルト突撃を決行しているが、失絆号をいまだ沈み切れていない。だが数の飽和攻撃ならば行けるとも思っている。このまま続けば、という前提ではあるが。
　その戦況を撃ち破るようにクレマンソー級空母に一撃を食らわせたのはブースター推進していたオリフィスだった。船底から一気に侵入、艦壁をぶち破って活路を開く。
「奇襲も立派な作戦さ！」
　能力「因果は回る現在（インガハメグルゲンザイ）」を発動し、真の姿に変身して一気に艦内を破壊する為に暴れまわる。空中であろうと水中であろうと、声援ある限りはそこはオリフィスのステージだ。
　さらに遅れてイスラが巨大化したソーダ水の巨人「そーちゃん」と共に空母に接近し、一気に浮上してその姿を現す。
「そーちゃん、いっけーーー！」
　そしてクレマンソー級空母を折るような強大な一撃を叩き込む。それによって大きく空母が揺れ、艦体に亀裂が走る。破壊された破片が海に飛び散る中でも、天使を迎撃に向かわせるネルソン提督。
　だがイスラも迎撃に対応する。意志ある「空飛ぶ金貨」の大群「クリーピングコイン」や自身のソーダオーラを駆使して、ソーダ水の巨人の破壊を止めさせないように天使を撃ち落としていく。その巨人の中を遊泳しながら、一気にクレマンソー級空母の撃沈を狙うイスラ。
「空中戦に自信有るみたいだけどー、そっちだけ見てたらダメよー？」
　内にオリフィス、外のイスラの攻撃の内に接近を果たした失絆号。さらに能力「トリニティ・エンハンス」で魔力を増強した鈴音は水の魔力で攻撃力を強化した巨大な手甲「彼岸花」を海中から向かわせて、艦船の壁を撃ち破ってネルソン提督に突入させる。
　そして挨拶の一撃と共にその強烈なる拳撃を食らわせる。咄嗟に天使を盾にしようとしたが、もはや攻撃に集中させてカタパルトに注力していた故にその戦力もなかった。
「ぐっ！」
「さあ決着よー。やっちゃって♪」
　鈴音が失絆号からウィンクした先には甲板をブースターで撃ち破って来たオリフィス。熱気を込めたは両腕と両足は打ち上げられたネルソン提督を捉える。
　それと同時に爆発を起こすクレマンソー級空母を両腕を振り上げたイスラのソーダ水の巨人が叩き割ろうととしていた。両方とも七大海嘯『舵輪』たる力の象徴。それが破られる瞬間―――
「全力全開フルスピードっ！　ノックアウトだーー！」
「これで、終わりよ！」
　オリフィスの高速の脚技とパンチの連携コンビネーションがネルソン提督の身体を撃ち砕く。それと同時にソーダ水の巨人の振り下ろしがクレマンソー級空母を完全に真っ二つに叩き割る。
　全身の骨と内臓を粉砕され、吐血するネルソン提督。さらに力の象徴たるクレマンソー級空母も海の藻屑と化していく。
「海戦で私が、負けるか。だが、これも悪くは、ない……」
　そして海に着水すると同時にネルソン提督の身体は消滅していく。もはやクレマンソー級空母を作る力もなく、七大海嘯『舵輪』はノルマンディー海上にて散っていった。

　こうして七大海嘯との壮大なる海戦は幕を閉じた。ネルソン提督の制空権を取る選択肢は正しかったが、それを上回る猟兵の攻勢とアイデアが勝利を呼び込んだと言っても過言ではない。
　だがまだ他の七大海嘯も残っており、本拠地を割り出さなければ七大海嘯は復活を果たす。その領域を侵攻するべく、猟兵の戦いは続く。まだ大いなる海戦は始まったばかりなのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2021年02月04日