3
花散る島、矜持の結末

#グリードオーシャン #お色気

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#グリードオーシャン
#お色気


0




 その島は、波間に可憐な花びらが漂う島だった。そんな美しい島の浜辺で繰り広げられる異様な光景。それは原始的な檻に入れられたむくつけき男たち。海賊だった。
 その檻の外には斧を片手にした巨大な蓬髪の男が一人。
「お前を責任もって眠らせてやれなかった俺の責任だ。その責任を取るのは俺一人で十分だろうエリク。他の奴らは許してやってくれねえか」
「おかしら!」
「おかしら! こいつに試練を受けさせようって言ったのは俺だ! おかしらは死んだらダメだ!」
 檻の中の壮年の男が蓬髪の男をキリと見据えて話す。おそらく海賊団の船長なのだろう。周りでは団員たちが口々に叫ぶ。
「あー、なんだ。めんどくせえなお前ら」
 エリクと呼ばれた蓬髪の男は頭をボリボリと掻く。
「よく覚えてねえけど見た顔だから檻に入れてみたが、いろいろ言われてもわかんねえ。俺は今眠いんだよ。全員俺がぶっ殺すのもめんどくせえからあいつらに喰われて死ねや」
 エリクがちらと目をやった藪の中から、女の形の植物がぬるぬると近づいてきていた。
 エリクはあくびを一つすると反対方向に離れた。

●「メガリスの試練で死んでコンキスタドールになった部下に返り討ちに遭う海賊団を予知したヨ」
 集まった猟兵達を見回したロバート・ウォン(東方妖怪の猟奇探偵・f30564)は語りだした。
 事が起きるのはどこかサクラミラージュを思わせる島、美しい花咲き乱れる光景に似合わず大柄な男で構成される海賊団が根城にしている『花鬼島』であるという。
「あの世界ではオブリビオンはコンキスタドールと呼ばれているケド、ユーベルコードを得るためのメガリスの試験で命を落としてコンキスタドールになってしまった部下は責任を持ってそこの海賊団が始末をつけるのが掟ネ。最近コンキスタドールも強大化しているカラ、こういううまくいかない例も出てくるアル」
 コンキスタドールになってしまった団員は救えないが、殺されそうになっている海賊団はまだ救うことができる。
「花鬼島は植物の多い島で、中には危険な植物もいるヨ。まずは海賊団が植物たちに殺されてしまう前に助けてあげて、その後にコンキスタドールを倒すのが順番としてはいいだろうネ。海賊たちに矜持があるなら、倒すのを手伝ってくれると思うヨ」
 そう言うと、ロバートは転移の準備を始める。
「殺し合う羽目になったとしても、かつては仲間だったヨ。終わった後は彼らのやり方で偲ぶだろうから、一緒に騒いできチャイナ」


星野ユキヒロ
 星野ユキヒロです。島が作れるなんて!

 今回のシナリオは三章構成です。

●一章
 集団戦です。檻に入れられて手も足も出ない海賊団が全滅させられないうちにラフレシア型敵性植物群を倒してください。

●二章
 ボス戦です。コンキスタドールになってしまった剛腕のエリクを倒しましょう。一章で助けた海賊団も猟兵たちに感謝して力になってくれます。

●三章
 日常です。水平線に沈んでいく夕焼けを眺めながら、海賊の掟を果たした海賊団と彼らなりの葬送(大宴会)をしましょう。

 皆さまのプレイングをお待ちしております。
33




第1章 集団戦 『ラフレシア型『敵性植物群』』

POW   :    花に引き摺り込む、必殺の「捕食形態」
【広範囲に広がる花粉による「引き寄せ」と、】【魅了と束縛効果を持つ「抱きしめ攻撃」と、】【接近した場合は接吻による「体力吸収攻撃」】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
SPD   :    素早く対象を束縛する「のびるツルクサリ」
【早業とマヒ効果を持つ「蔓草で出来た鎖」】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    衣服を溶かす、不可視の「緑触手の招来」
【防御力減少効果を持つ「おぞましき触手」】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。

イラスト:れんげ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シホ・イオア
「輝石解放、ゴールド! おいでませ、妖精のお宿!」
海賊団と敵性植物群の間に障害の壁となるものを作っちゃいましょう。
要塞だろうが城壁だろうが何でも構いません。
残像と空中戦で回避優先で立ち回りつつ
ガトリングで面制圧の牽制射撃。
他の猟兵が来るまでの時間稼ぎですね。

海賊っていうと人を襲ってるイメージがあるけど
彼らはどうなんだろう?
オブリビオンに襲われてるから助けることにイヤはないけどね。

アドリブ連携歓迎。



うふふ、うふふふ、と女の笑い声のような音を立てながらラフレシア型敵性植物群が檻にじわじわと迫る。
「輝石解放、ゴールド! おいでませ、妖精のお宿!」
 そこに響いた声はシホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)の物。檻と植物群の間に城壁の形をした障害を作り上げ、植物群の侵攻を阻んだ。
 突如現れた愛らしく光り輝くフェアリープリンセスの助けに海賊たちは歓声をあげる。
 邪魔をされた植物群たちは蔓でできた鎖をシホに向かって伸ばす。当たれば麻痺毒の効果のあるツルクサリだが、シホはすいすいと飛び回り巧みに避けていく。
「そんなの当たらないよ!」
 死角から飛んできたツルクサリがシホに当たったように見えたが、ヒットの瞬間シホの姿が掻き消える。残像なのだ。
「他の人がくるまで……シホが相手してあげる!」
 くるりくるりと回避しながらも、羽の生えた可愛い形のブーツに仕込んだマジカルガトリング砲で面制圧の牽制射撃。そんなシホをやいやいと応援する海賊たち。
(海賊っていうと人を襲ってるイメージがあるけど、あの人たちはどうなんだろう?
 オブリビオンに襲われてるから助けることにイヤはないけどね!)
 思うところはあれど、人を助ける心に変わりはないシホだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

純真邪神・幼淫魔姫ピュアニカ
百合の花を咲き乱れさせちゃお〜♡

まず島全体の支配権を奪ってぴゅあの国の領土にするね〜♪

れっつ侵略♡

抵抗出来ないように魅了&吸魂して弱らせて〜♪
先制攻撃で肉体改造して触手を封印〜♪
ぴゅあ+【眷属】淫魔85人の団体行動に神罰の力をエネルギー充填して集団戦術で誘惑しおびき寄せ、抱きしめ&接吻で捕縛して逃亡阻止〜♪
情熱的過ぎて暴力的な生命力吸収の掠奪継続ダメージで蹂躙して捕食しちゃえ〜♡
この程度でまだへばってちゃダメだよ♪だって2回戦目もヤるんだもん〜♡(2回攻撃)
ぴゅあ達はまだまだ【元気】だからね〜♡(逃亡阻止で逃げられない)

殺しちゃわないように生捕にして、ぴゅあの淫魔王国で栽培しよ〜♪



「百合の花を咲き乱れさせちゃお〜♡ れっつ侵略♡」
 突然響くピンク色の声に触手を出して反応しようとする植物群。しかし純真邪神・幼淫魔姫ピュアニカ(永遠に無垢なる幼く淫らな魔貌の邪神姫【百合神淫魔】・f30297)の肉体改造ですかさず触手を封印されてしまう。現れた尋常ならざる美貌と蠱惑的な魅力の持ち主に、植物であるはずの植物群も魅了されてしまった。
「皆の信仰がぴゅあの力になるんだよ〜♪ これから毎日拝んでね〜♡」
 ピュアニカの祈りに応え、魂や感情を捕食し魅了を放つ黄金邪神像が召喚されると、植物群たちはさらに動きが鈍くなった。そして現れる85人の眷属淫魔たち! 集団戦術でおびき寄せ、抱きしめて接吻を浴びせて捕縛!
「ん~、ちゅ、ちゅっ、ちゅっ♡」
 情熱的かつ暴力的な生命力吸収の掠奪継続ダメージで蹂躙して捕食する! この程度でまだへばってちゃダメだよ♪ だって2回戦目もヤるんだもん〜♡ ぴゅあ達はまだまだ元気だからね〜♡」
(この子たち可愛い~♡ 殺しちゃわないように生捕りにして、ぴゅあの淫魔王国で栽培した~い♪)
「なんだこのエロエロな声は!」
「壁の向こうで何が起こってんだ! くぅ~混ざりてえ!!」
 壁で隔たれて見えないが、酒池肉林が展開されている気配に興奮する海賊たち。しかしそんなことは淫魔たちには関係ないのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

久遠・翔
アドリブ絡みエロ歓迎
純潔死守


何か島の様子がおかしいような…?
気のせいっすかね…?

そう思っているとツルクサリに足を取られマヒして引き寄せられます
くっ…この状態じゃまともなUCが使えない…と歯噛みしながらも敵の中心に引きずり込まれ捕食形態で接吻され半ば骨抜き状態に
しかも複数から引っ張りだこで唾液と樹液?がそこら中に滴る
ただ、ツルクサリが外れて貪られた為に選択UCだけが復活し元々あった誘惑160の効果で相手を魅了し最終的には攻守逆転します
相手を快楽で屈服させたらUC無自覚の使役術で使役獣に変え暴走状態が終わった後に気づきます

あれ?俺何やってたん?
しかも周囲から敵が消えているし…何か口の中甘いんだけど



「何か島の様子がおかしいような……? 気のせいっすかね……?」
 少し離れた地点に上陸した久遠・翔(性別迷子・f00042)は異様な雰囲気を察知し、戦いが行われているであろう浜辺に移動中だった。どこからか甘い匂いもして、不穏である。
 うふ、うふふふ、うふ。
「え? 何この声……わっ!」
 人の声を模した妖しげな音に顔を向けると、足を取られて転んだ。しゅるしゅるとツルクサリが巻き付き、身動きが取れなくなる。
「くっ……この状態じゃまともに抵抗できない……」
 歯噛みしながら引きずり込まれたのは敵性植物群の真っただ中。ぬるぬるとした液体の滴る腕のような部分で抱きしめられ、翔は次々と接吻を受ける。
「んっ!? んむっ、んふ、んん……っ」
 こじ開けた歯列の間を舌を模した部分でこじ開けられ、たっぷりと蜜を注ぎ込まれながら体力を吸収されると、下腹部にきゅんとむずがゆいような快感を得て力が抜けてしまう。とろんと目を蕩かせて無抵抗のまま甘く啼く翔がもう逃れようとしないのを確認するかのように、敵性植物群は拘束を解いて獲物を貪った。
 そのとき。鎖が解かれたことで翔の常時発動、無自覚の誘惑術が蘇る。半覚醒でゆらりと身を起こす翔。下剋上の始まりである。あたりに響き渡る嬌声のような音。植物を研究している学者がもしここに居れば、ラフレシア型の植物群の観測されていない発音だ! と大喜びしたに違いなかった。
 それからどれくらいたったのか。寄せては返す波の音の中、全身ぬとぬとの翔一人が横たわったまま目を覚ました。
「あれ? 俺何やってたん? しかも敵がみんな消えているし……何か口の中甘いんだけど」

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳶沢・成美
さて、どうしようかな
まあ植物なら寒さ系にはあまり強くないだろうと踏んで
【氷雪竜巻】で”範囲攻撃”でいきましょう
少なくとも”マヒ攻撃”にはなるでしょう、寒いとかじかみますからね
後はじっくりと、とどめを刺していけばいいでしょう
花粉は吹き飛ばせばいいし、接近しなければ抱きしめ攻撃とか関係ないからね
一応、念には念を入れて”2回攻撃”して、きちんと倒さないといけませんね

アドリブ・絡み・可 ””内技能


星河・成海
かつての仲間だけど倒さないといけないのは辛そうね……。でもまだ助けられる人がいるなら、手を差し伸べないと

それはそうと、あの植物を見てるとイラッとするな……(自身の胸と植物の胸を見比べながら)

高速詠唱や2回攻撃も使った炎の属性攻撃をメインに使って攻撃していくよ。戦闘は出来る限り観察して距離を置いて戦う。敵の攻撃は第六感や野生の勘も利用して回避で、危なくなったら咄嗟の一撃や衝撃波で切り抜ける

【フレイム・ペタルス】は状況を見て攻撃と防御の両方で使用。攻撃の際には四方八方から敵を包囲する形で、防御の際はわたしの周囲に漂わせて盾のような形にするよ

アドリブ・他の人との絡みOK



 同族たちの危機を察知してきたのか、戦いの現場の浜辺から遠いところにいた敵性植物群たちもぞくぞくと押し寄せ、ひしめき合っていた。その光景を壁の上から眺めている猟兵が二人。鳶沢・成美(探索者の陰陽師・f03142)と星河・成海(風にそよぐ深緑の樹・f03570)だ。のんびりとした雰囲気の二人だが、話している内容はこの悍ましい植物群をどう倒すかだった。
「さて、どうしようかな。まあ植物なら寒さ系にはあまり強くないだろうし、氷雪竜巻で範囲攻撃でいきましょう。少なくともマヒ攻撃にはなるんじゃないでしょうか、寒いとかじかみますからね。後はじっくりと、とどめを刺していけばいいでしょう」
「かつての仲間だけど倒さないといけないのは辛そうね……。でもまだ助けられる人がいるなら、手を差し伸べないと。それはそうと、あの植物を見てるとイラッとするな……なんで植物があんな形してる必要があるの……?」
 成海は植物たちの豊満な女体を模した形に引っかかるところがあるらしい。大丈夫。彼女の儚げな佇まいだって負けない魅力だ。
「ともかく、ではわたしのほうは動きが止まったら炎の属性攻撃をメインに使って攻撃していこうかしら」
「決まりだね。では行きましょう!」
 ぽんと軽く壁を蹴って植物群の中に降下していく二人。
「舞え、氷の竜よ。アイストルネード……なんちゃって」
 成美の飛び降りながらの範囲攻撃。無数の氷の粒は漂っている花粉を吸着させ、それすら凍らせて落としてしまう。放たれた氷の勢いで群れの真ん中に空間が開き、二人はそこに着地した。
「花粉は吹き飛ばせばいいし、接近しなければ抱きしめ攻撃とか関係ないからね」
「そうね、ではこれ以上近づけないように! 炎の花びらが舞うところ、見てみる?」
 成海の呼び出した炎の花びらが集まって、盾を模した形になり、二人を防御するように囲んで漂う。そのまま、風上に向かって走る二人。炎を嫌い、植物群がざざっと割れた。無鉄砲な個体の攻撃は成海の衝撃波で切り抜ける。
「一応、念には念を入れて、きちんと倒さないといけませんね」
「群れからは抜けたし、囲んで一網打尽にしちゃうから!」
 二人の放つ氷と炎が植物の群れを嘗め尽くした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『巨人海賊『豪腕のエリク』』

POW   :    戦いは豪快にやるものだぜ!
【吠え、筋肉を見せびらかすポージング】を使用する事で、【筋肉が更に肥大化するよう内部に筋繊維】を生やした、自身の身長の3倍の【ビームや弾丸すら耐え凌ぐ巨人】に変身する。
SPD   :    賢い奴は嫌いなんだ。死ねや!
【賢しい人間への恨みを爆発させる】事で【足の筋肉を肥大化させた巨人】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    俺のやり方に文句をつけてんじゃねえよ!
無敵の【理想の筋肉】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。

イラスト:Moi

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はサジー・パルザンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「なんだぁ? 女の草どもは使えねえなあ?」
 ちゃんと事が済んでいるか気になったのか戻ってきた豪腕のエリクは、死屍累々と散らばる植物群の残骸を見て、めんどくさそうに耳をほじった。
「めんどうだが仕方ねえ、俺がしっかり殺しきるしかねえな! 邪魔する奴は全員道連れだからな!」
 エリクは斧を振り上げ、檻に向かって走り出した。
鳶沢・成美
なるほど巨体だ……巨体ではあるけれど人間離れした骨格ではないみたいですね

【火雷神道真】を”誘導弾”の様に敵を”追跡”命中させる
”医術”知識があるから、身体のどこにあてれば腕が痺れさせて
物を取り落として”武器落とし”になるか、なんて事はよくわかります
理想の筋肉だろうと身体のしくみは変わらない
電気ビリビリだけが”マヒ攻撃”のやり方じゃないのですよ……電気も流れるんですけどね
馬鹿正直にあてるだけでは対処されてしまうかもしれないので
弾道を曲げたりわざと外したりする様な
”フェイント”を織り交ぜつつ攻撃していきましょう

アドリブ・絡み・可 ””内技能



「なるほど巨体だ……巨体ではあるけれど人間離れした骨格ではないみたいですね」
 現れたエリクの肉体を目視で分析する成美。医術知識の賜物だ。
「なんだぁ? 俺の体に文句つけてんじゃねえぞ? 見せてやるよ、理想の筋肉を!」
 成美の所見を文句と受け取ったのか、エリクは自分の理想の筋肉を想像から作り上げ、自らの体に投影する。ボコボコと盛り上がる体が斧を振りかぶり、襲い掛かってきた。
「理想の筋肉だろうと人の体の仕組みは変わらない……! 道真さんよろしくー」
 成美の呼びかけに呼応するように現れる雷属性の礫。ひゅんひゅんとトリッキーな動きをして飛び回り、エリクを翻弄する。
「わけのわかんねえ虫使いやがって!」
 周りを飛び回る礫を払い落とそうとするエリクだが、体の泣き所に的確に撃ち込まれる礫に斧を取り落としたりと大わらわだ。
「身体のどこにあてれば腕が痺れて、物を取り落とすか、なんて事はよくわかります。電気ビリビリだけがマヒ攻撃のやり方じゃないのですよ……電気も流れるんですけどね」
 エリクと火雷神道真の遊戯はしばらく続き、成美はエリクを檻に近づけないことに成功していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サエ・キルフィバオム(サポート)
猫かぶりな妖狐で、直接的な戦闘というよりも、情報を集めたり、不意打ちやだまし討ちのような奇襲を得意とします

猫をかぶってる時は「あたし」と自身を呼び、語尾に「~」が入るような間延びしたしゃべり方をします
真剣な時は「私」呼びになり、口数は少なくなり、語尾の間延びは消え、気に食わない相手には結構キツめの口調になります

「ごめんなさい、あたし道に迷っちゃってぇ~……」
子供らしく振舞って油断を誘う、色気を出して魅力で釣るなど、あの手この手を使います

「は?私がそんな事許すと思った?」
本性を現し後ろから絞殺糸を巻き付けるようなイメージです

基本的に行動はおまかせします
アドリブや絡み歓迎です
よろしくお願いします



「ごめんなさい、あたし道に迷っちゃってぇ~……この島、植物がいっぱい生えてて歩きづらいからぁ~、逞しい男の人に案内してほしいなってぇ~」
遠くに離されたエリクに急にしなだれかかってきたのはサエ・キルフィバオム(突撃!社会の裏事情特派員・f01091)。
「お? 逞しさなら俺に並ぶものはいねえぜ?」
「わーっすごぉい! 大胸筋がぴくぴくしてる~!」
 逞しいと言ってもらったことが嬉しいのか、自分のしていたことを忘れてポージングをするエリク。サエは盛り上がる筋肉を見てきゃっきゃきゃっきゃとほめたたえながらさらに浜辺から遠い方に誘導しようとした。
「ねえちゃんのそれもすげえ大胸筋じゃねえか。おっと、大胸筋じゃあねえのかな? 触って確かめて見ねえとわからねえなぁ」
 エリクの指がサエの豊満なバストに触れようとした瞬間。
「いい夢見れたかな? もう覚めるけどね♪」
 エリクはいつの間にか背後に移動していたサエの不意打ちを受けた!

成功 🔵​🔵​🔴​

髪塚・鍬丸(サポート)
「御下命如何にしても果たすべし
死して屍拾う者無し」

【人物】
時代劇に出て来る遊び人の兄さん風の、飄々とした言動の人物です。
正体は抜け忍です。基本的には任務の為なら手段を選びませんが、そういう殺伐とした生き方を嫌って逃亡した為、残虐非道な行動だけは避けます。

【行動】
情報収集時は、出来るだけ状況を楽しみつつ、忍者時代の技術を活かして行動。
戦闘時は、忍装束を纏い忍者として気を引き締めて戦います。
【早業】の技能を活かし、手持ちのユーベルコードから、適切な能力で行動します。
連携、アドリブ感激です。



「女の体に気安く触ろうとするからそんなことになるんだよ。もっと洒脱にやらないとなぁ」
 エリクの行動を見ていた髪塚・鍬丸(一介の猟兵・f10718)は桜の木に腰かけて笑う。
「いきなり出てきてなんだおめえは! 誰だ!」
「俺はどこにでもいる平凡な猟兵さ。おまえさんよりは賢く口説く自身はあるけど、会話の仕方でも教えてやろうか?」
「賢い奴は嫌いなんだ。死ねや!」
 激高したエリクと鍬丸のおいかけっこが始まった。エリクは足の筋肉を肥大化させた巨人に変身し、鍬丸を追いかけまわす。そこそこ大きな島の外周をぐるりと回るように二人の追いかけっこは続いた。ひらひら舞い散る花びらの中の追いかけっこは、割と青春っぽく見えないこともない。
「おっと、このまま走り続けたら元の地点に戻りそうだな」
 鍬丸は走るのをやめるとエリクに対峙する。寿命を削りながら走っていたエリクは息を切らしている。
「……そこか」
 巨人の急所めがけて、鍬丸の素早い一撃が加速した。

 

成功 🔵​🔵​🔴​

シホ・イオア
海賊さんたちまだ檻の中だったんだね。
とりあえず出して自由にしてあげないと。
「はい、壺に入ってね。檻から出してあげるから」
彼らも戦力になってくれるのかな?
まあ、閉じ込められて何もできないよりはマシだよね。

理想の筋肉ねー。
どんな筋肉なの?
赤い筋肉とか白い筋肉とかあるらしいけど……。
凄い筋肉?堅いだけだと動きが鈍くなっちゃうけど。
骨とか体力とか筋肉を使いこなすのに必要な物揃ってる?

【精神攻撃】【神罰】【鎧無視攻撃】を用いて攻撃。
【残像】【空中戦】で的を絞らせない戦い方をする。

アドリブ連携歓迎。


紬雁・紅葉
ぅふふ♪
さながら駄々っ子…
御鎮めしましょう

羅刹紋を顕わに戦笑み
先制UC発動

光と空の魔力を攻撃力、状態異常力に付与

九曜、巴、鳳翔を適宜使い分け

最初に破魔光雷属性衝撃波UCを以てスナイプ目潰し

残像忍び足で正面からゆるゆると接敵

射程に入り次第破魔光雷属性衝撃波UCを以て回数に任せ範囲を薙ぎ払う

敵の攻撃は躱せるか見切り
躱せるなら残像などで躱し
さもなくば破魔衝撃波オーラ防御武器受け等で防ぐ
何れもカウンター破魔空雷属性衝撃波を以て薙ぎ払い吹き飛ばす

ねんねんころり
ねんころり♪

悪い童は波の底
鬼の箱にしまわれる…

悪い童はお眠の時間
床に潜って

去り罷りませ♪

※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※



「海賊さんたちまだ檻の中だったんだね。とりあえず出して自由にしてあげないと。はい、壺に入ってね。檻から出してあげるから」
 他の猟兵たちがエリクを誘導して時間を稼いでいる間、シホは捕まった海賊たちを壷の中に存在するフェアリーランドを経由して助けていた。海賊たちは最初は入って大丈夫なのか? と警戒していたが、最終的にはおとなしく入ってくれた。
「あら……戻ってきたみたいですよ」
 紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)が砂煙を上げながら走ってくるエリクの姿を認め、シホに声をかけた。
「あああああ! おまえら! 奴らを逃がしやがったな!!」
「そりゃ、助けるよ。かわいそうだもん」
「邪魔しやがって! 許さねえぞ!」
 ひとしきり怒ったエリクは、相手が可憐な美少女たちであるのに気が付き、筋肉で威嚇し始めた。
「俺の理想の凄い筋肉に恐れおののきな!」
「理想の筋肉ねー。どんな筋肉なの? 赤い筋肉とか白い筋肉とかあるらしいけど……。凄い筋肉? 堅いだけだと動きが鈍くなっちゃうけど。骨とか体力とか筋肉を使いこなすのに必要な物揃ってる?」
「俺のやり方に文句をつけてんじゃねえよ!」
「ぅふふ♪ さながら駄々っ子……御鎮めしましょう。零の式……来たれ」
紅葉の羅刹紋顕わな戦笑みが戦いの合図だった。発した衝撃波でまず目を狙う。
「ぐあっ、目がっ!」
「あーあ、目をやられちゃって。シホ素早いのに、余計避けられなくなっちゃうね!」
「くそっ、ちょこまかと!」
 顔を抑えてもがく巨人を次々と攻撃するシホ。
「シホさん、離れて。少々大きいの行きますよ」
「はぁい」
 紅葉の宣言にステップで下がるシホ。何事かとエリクが顔を向けるがまだ目は見えない。
「ねんねんころりねんころり♪ 悪い童は波の底、鬼の箱にしまわれる……悪い童はお眠の時間、床に潜って……去り罷りませ♪」
 謳いながらゆるゆると歩いて近づいた紅葉の衝撃波が、エリクごと砂浜を広範囲に薙ぎ払った。
「終わったのか?」
「エリク……」
「これが、猟兵か……」
 やがて、壷の中から這い出てきた海賊たちが目にしたのは、えぐれた砂浜だけだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『沈む陽のもとで』

POW   :    雰囲気を盛り上げる

SPD   :    ちょっとした芸を披露する

WIZ   :    島での生活に役立つ知識を披露する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


桜散る島の戦いが終わり、日が暮れ始めていた。助かった海賊たちは、助けられなかった巨人を偲んで杯をあげる。
 海賊の葬式は、できるだけ盛大に。そいつがそこにいたら楽しんでくれるように。
 しめやかに、しかし賑やかに。海賊たちによるエリクの葬儀が始まった。
鳶沢・成美
海賊の葬送は大宴会ですか、それもなんだからしい気がしてきますね
とはいえ、僕は宴会とか苦手なんですよね

ふむ、花火代わりに【火雷神道真】を空に打ち上げてみましょうか
礫と礫をぶつけてはじけさせたりして、ちょっとでも派手になるようにやってみますか
鳴り物じゃないけど、音や光で盛り上げられるといいですね



「海賊の葬送は大宴会ですか、それもなんだからしい気がしてきますね。とはいえ、僕は宴会とか苦手なんですよね」
 今回海賊たちを救うために尽力した成美は一人で高台に腰かけ、杯を傾けていた。中身はこの島の特産の桜のジュースだ。倒すしか仕方なかったとはいえ、こうやって送ってもらえるということはかつてはエリクも彼らに愛されていたのだろう。自分も何かできないだろうか。
「ふむ」
 成美は戦闘中にも使った火雷神道真を空に向かって打ち上げる。礫と礫が撃ち合って、少しでも派手になるように工夫して。
「おお、なんだぁ? 誰か花火でも用意してたのかよ」
「それにしちゃ音が静かだけど……葬式用の花火でもあるんかね?」
「花火なんか用意してねえよお、大砲撃とうと思ってたからよお」
「ああ、見ろよ。あそこの猟兵さんが上げてくれてんだ」
「旦那ァ! ありがとよお! エリクも喜んでるにちげえねえや!」
 空に走る火花を見て、首をかしげる海賊たちだが、見上げた先に成美の姿を認めて遠くから礼を言った。
 夕暮れの空がピカピカ光って、エリクの魂を送り出すはなむけの光になるだろう。成美は再び静かに杯をあおった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月山・カムイ(サポート)
すいません、少々遅れましたが援護に参りました

既に戦いに入っている猟兵達の援護に入る形で参戦
集団戦なら攻撃のきっかけになるように、縦横無尽に切り結び
ボス戦なら他の猟兵がトドメを刺す為のサポートを行う
武器を切り裂く、受け止めたり逃がすべき相手を空を跳んで抱えて逃したり
上記の様な行動で現在戦っている猟兵が活躍出来るよう動かしていただければありがたいです

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


大豪傑・麗刃(サポート)
基本的には超絶はしゃぐ。22歳児だし。
楽しい事があればハイテンションの赴くままに動き回り、思う存分暴れまわる。

そしてたぶん調子に乗って痛い目見る。



「海賊の葬式は誰でも参加していいんだ! 兄さんたちも食ってってくれ! あいつが好きだった桜チップの燻製肉、あるだけ出しちまうぜ。なあにまた作ればいいんだ!」
 浜辺では肉の焼ける匂いが漂い、宴たけなわといった風情だ。まるで誕生日ケーキのように存在感のある巨大な枝肉がまるまる燻製にされて焙られ、簡易的なテーブルに供されている。
「私が切りわけるのを手伝いましょう。少々遅れたのでせめてものはなむけです」
「切り分けなら霊刃ちゃんの右にも左にも上にも下にも出る者は居ないぞ!」
 月山・カムイ(絶影・f01363)と大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)は巨大な燻製肉の前に抜刀してたちはだかり、えいやとばかりに一閃。あまりに見事な切り口に海賊たちのおお、という歓声が響く。そのまま剣戟は肉を細かく切り裂いていき……、一人分がホタテの貝殻に乗せられるくらいの大きさに切り分けられた。
「よし、皆さん食べてください!」
「霊刃ちゃんなどはもう食べ始めてしまうのだ! いただきます! うまっ!」
「いいモン見せてもらったぜ、兄さんたち、酒もあるぞ」
「いや、私は未成年なので――」
「麗刃ちゃんは22歳児なので大手を振って飲めてしまうのだ! いい子にはジュースが振舞われるのはお行儀良いコンテンツの証拠だが、今回はどうかな?」
「兄さん、どこを向いて話してるんだ? まあ、あるぜ桜ジュース。」
「ありがとう、いただきます」
「海賊のような豪快な男たちの中では酒が飲めないと馬鹿にされそうと霊刃ちゃんは思っていたのだが、この海賊団はそうではないのか?」
「ああ、今の船長の前の船長が酒が飲めない人でなぁ、酒なんか飲めねえことを馬鹿にする奴は許さねえってかんじで、ここでは酒が飲めないことは別になんも恥ずかしいことじゃねえんだよ」
「居心地のよさそうな海賊団ですね」
「人には人のいいところがたくさんあるのだ! お酒おかわり!」
「麗刃さんはそんなに飲んでも大丈夫なんですか?」
「今日くらいいいのだ! 月山くんも乾杯するのだ!」
「次の肉焼けたぞ!」
「じゃあ、また切りましょうか」
「どんどん持ってくるのだ!」
「おっ! いいぞ兄さんたち!」
 浜辺に刀のひらめく音と男たちの歓声が響くのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シホ・イオア
亡くなった人も笑顔になれるようにっていう
海賊さん流のお別れの仕方なのかな?

分身を呼び出して料理とか配膳とか宴会のお手伝い。
エリクがどんな人だったのか
どんな冒険をしてきたのかも聞いておこう。

落ち着いたら祈ります
貴方を思う人がいることを
貴方を覚えている人がいることを
どうか、笑顔で。


雲母坂・絢瀬(サポート)
ややおっとりめ、マイペース系関西弁女子ね。
臨機応変な柔軟さがモットーなんよ。
言葉遊びやマイペースな会話運びを好む感じ。
スキルやUCは使い時にはしっかり使うていく方針や。
あと、公序良俗は大事やね。

基本お任せのアドリブ大歓迎でよろしゅうお願いします。



「一切を殲くせ! ふう、また切れたでぇ、もうお皿もらってない人、おらんやろか?」
「すごい大宴会、亡くなった人も笑顔になれるようにっていう海賊さん流のお別れの仕方なのかな? だったらどんどんもってくよ! 輝石解放、ガーネット。影よ、シホの身を映して群れと成せ」
 雲母坂・絢瀬(花散る刃・f23235)とシホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)は配膳をかって出ていた。シホは分身を作り出し、絢瀬が切り分けた燻製肉をホタテ貝の食器に乗せてせっせと運んでいく。
「うお、みんな同じ顔してるな。それがユーベルコードか。エリクが生きてたら腕に捕まらせてぐるぐる回るとかそういうことやりたがりそうだな」
「ちげえねえな」
「エリクさん、筋肉をすごく自慢してたね。どんな人だったの?」
「ああ、それうちも聞きたいわぁ」
「嬢ちゃん、奴の最期を見てくれてた猟兵か……エリクはなあ、案外子供が好きでよ。体に登らせて走り回ったり、そういうことをやって島の子供には好かれてたんだよ。この島の子供たちが海賊になりたいって言いだしても守れりながら一緒に航海に出られるようにユーベルコードを欲しがってたんだ。だから試練を勧めたんだが……頭の回転はあんまり早くないほうだったからな。失敗して、あんなになっちまった」
 話をしてくれた海賊はしんみりと杯を空にした。
「あんまり気ぃ落とさんといて……仲間がこうやって思い出して話すだけでも供養になるんよ。それに、あなた、エリクさんの夢叶えさせてやろう思て試練勧めたんやろ? 結果はどうあれ、そん時はエリクさん嬉しかったと思うし」
 慰めの言葉をかけながら、杯に酒をそそいでやる絢瀬。
「そうか、そうだな。嬢ちゃんたちも運んでばっかりいないで食べてくれ。あいつはあんたらみたいな子供が腹いっぱい食ってうめえうめえって言ってるのが好きだったんだよ」
「なら、シホも食べるね! いただきます! おいしい!」
「あら本当。おつな味やねえ」
 ひとしきり食べて騒いで、太陽はとっぷり沈み空には星。シホと絢瀬はとりあえずのエリクの墓にやってきた。海賊たちは遺体を大体は海に流してしまうし、エリクの遺体は残らなかった。だから島の端っこに、名前を書いた空き瓶だけが並んでいるのだ。
「エリクさん、貴方を思う人がいることを、貴方を覚えている人がいることを。どうか、笑顔で」
「また子供と遊べる日がきますように」
 二人は、エリクの冥福を祈るのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年02月09日


挿絵イラスト