9
妖怪石像祭り!

#カクリヨファンタズム

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#カクリヨファンタズム


0




●ある森のお祭り
 大きな森の真ん中で開催されたお祭り……何のためにあるのか分からない祭り……。
 しかし……出店もあり、古びた神社もある。
 その森へと周囲の妖怪達は惹かれて行き……二度と戻らなかった……。

●調査依頼
「みなさん、お集まりいただきありがとうございます」
 ミネラル・トーリア(蝋成分100%のブラックタール・f25607)がこほんと咳をしつつも真剣な表情に変わる。
「今回はカクリヨファンタズムにて妖怪達が行方不明になる事件が起きています」
 予知によると、皆何かに惹かれるように大きな森の中へ入っていく。
 その森には木の枝や蔦が触手のように蠢いており、妖怪達に襲い掛かっていく。
 さらに捕らわれた者は奇妙な事に自らポーズを取って、樹木から噴き出す樹液を浴びせられ石化してしまうのだ。
「その森の先には古びた神社を中心に縁日が開催されているようです」
 奇妙な行動を繰り返した末に骸魂に飲み込まれてオブリビオン化した妖怪達が惹かれてやってきた妖怪を襲っていく。
 そこもまた自らポーズを取るという行動を起こし、石化されるか骸魂に飲み込まれてオブリビオン化してしまうようだ。
「どうやら妖怪達の奇妙な行動には『自らポーズを取り石化を望む』事にあります」
 ここまで来れば大体は察しが付くだろう……しかし、実際に起こっているために止めなければならない。
 尚、この現象を起こしている黒幕については予知でも分からなかったようなので、実際に行って確かめてみるしかない。
「オブリビオン化した妖怪達を救出し、この現象を止めなければなりません」
 そうでなければ石像やオブリビオン化した妖怪で溢れかえってしまう。
 結果、この世界が滅びる可能性もあるかもしれない……非常にアレであるが……。
「石化尽くしでアレですが……この世界の妖怪達を救うためにご協力をお願いします!」
 ぺこりとお辞儀をするトーリアは転送の準備に入った……。


もちもち大福
 おはこんばんちは!今日ももちもち!もちもち大福です。
 え?もうカクリヨ戦争なの……?

 カクリヨファンタズムのとある大きな森の中で開催されている謎のお祭りに囚われた妖怪達を助け出すシナリオです!石化増し増し!
 1章は怪しい森を突破しますが、触手のように蠢く枝や蔓が襲い掛かってきます。
 さらに樹液には石化効果があるため捕まらないようにしましょう!
 道中には石化された、されそうになっている妖怪達もいるため助けてあげましょう。
 2章は集団戦『石の守護者『キンバーライト』』(テフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)の宿敵)との戦い。
 こちらは『ガーゴイル』の骸魂に飲み込まれた西洋妖怪『狼男』で、狼男のパワーとガーゴイルの石化能力が併せ持っており厄介な相手となります。
 3章はボス戦ですが、断章にて明かされます。

●プレイングボーナスについて
 1章は『奇妙な行動』を繰り返す妖怪達の救出すること。
 2章と3章ではその『奇妙な行動』をしながら戦闘を行うこと。
 上記の行動を行うことによってプレイングボーナスとなります。
 上記の『奇妙の行動』については『自らポーズを取り石化を望む』というものです。

 いつもの通りやられ前提のプレイングも問題なく採用します!
(仮に石化しまっても特にプレイングに記載が無くても次章・終了時にはなんやかんやで戻ります)
 それでは、みなさまのプレイングをお待ちしております!
49




第1章 冒険 『触手の森?』

POW   :    絡みつく枝や蔓を力づくで引きちぎって突破する

SPD   :    枝や蔓に絡みつかれる前に避けまくって突破する

WIZ   :    斬ったり焼いたりと枝や蔓に対処しつつ突破する

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 転送された猟兵達の目の前には大きな森が佇んでいた。
 その先には妖気が感じられており、今でも妖怪達はその森の中へ惹かれるように歩いていく。
 入り口には蔓や枝がおいでおいでと誘っているような動きをしており、普通ならば入りたくもない雰囲気だ。
 しかしこの先には捕らわれた妖怪達が助けを求めている、猟兵達は勇気を出して一歩森の中へと入っていった。
御堂・俊輔

ナイフで枝や蔦を切って、襲われてる妖怪たちを助けていくよー
でもその内淫気に当てられて気付いたら自分が身包みを全部剥がれた状態で枝や蔦に絡め捕られてるかもしれないー
一瞬正気を取り戻して抵抗したりするかもしれないけど、責められている内に段々それがいつもオレを使ってる人達に錯覚してきて、自分から口やお尻を使って奉仕し始めちゃうかもー
そうしているうちに中にたっぷり樹液を出されて、外はたっぷりかけられて、内からも外からもゆっくり石化していって、恍惚な表情と淫らなポーズをした石像となって、森で新たなお客様のお出迎え状態になるかもー



 怪しげな森の中……妖狐の少年、御堂・俊輔(妖狐のシーフ・f31053)はナイフを片手に触手のように枝や蔓を切っていきながらも襲われている妖怪を救助していく。
「あ……ありがとう!」
 俊輔と同じ年のような少年妖怪はお礼を言って森の外へと走り去っていく。
「よしよし……何人かは助け出せたねー」
 これまでも何人かの襲われかけた妖怪達を助け出せている。
 流石に石化された者は戻す方法を持ち合わせていないので放置ではあるが……。
 ともあれ、一息つき歩き出そうとした彼はふらっと意識が飛びかける。
「おっ……と……」
 妖怪達を助ける事に集中しており、長い間淫気に当てられていたために意識も朦朧としていた。
 その隙を逃さないかの如く、枝や蔓が彼の身体を捕らわれる。
「わわわっ……!?」
 手始めに身包みをごとことく剥がれていき、その身包みをその場に投げ捨てられる。
 しかし、俊輔はまるでそれを望むかのように全く抵抗する事なく、あっという間に全裸に剥がれてしまった。
「……はっ!?」
 一瞬正気を取り戻した彼は手に持っていたナイフで抵抗する。
 だが、手足は拘束されており、ナイフさえも取り上げられて捨ててしまった。
「やっ……やめっ……んんぅ!」
 口に枝が入り込み、草木独特の苦みが口の中に広がる。
 その……枝から出す液体の影響なのか、淫気の影響なのか、目の前にある木がいつも俊輔を『使っている』人達に錯覚する。
 彼はとある犯罪都市の廃社に済んでおり、そこで宿泊者を泊めたり、犯罪者集団から金品を盗み貧困に喘ぐ人々にバラまく義賊的な活動をしていた。
 が、犯罪者集団に囚われてしまい、その代償を身体で支払わされている。
 そんな奴らの姿が……彼の目の前にいたのだ。
「ふあ……ぁぁ……♥」
 虚ろな目で自ら枝を掴み自ら奉仕し始め、さらに尻からも蔓が侵入し、見るに堪えない凌辱が始まった。
「んんぅ……んぅ……♥」
 何度も何度も激しい動きをし……枝や蔓からは樹液が噴き出していく。
 枝からは口の中の奥へと流し込み……蔓はお尻から引く抜き、全身に樹液を浴びせていった。
「ふあぁぁ……♥」
 俊輔はビクンビクンと痙攣したと同時に、身体に異変が起きる。
 枝や蔓から離れた彼の全身が段々灰色に……石へと変化していくのだ。
「あぁ……オレ……のから……だ……♥」
 自身が石化していることに気づいても恍惚な表情を浮かべ、淫らなポーズを取ったまま石の侵食を受け入れていく。
 手足は既に石に変わり果てており、枝を掴んだと思われる手の形を作った形で固まっている。
「ふぁ……ぁ……ぁ……♥」
 目の前を見ると恐らくこの森に入ったであろう犠牲者である彼と同い年と思しき少年少女の妖怪達を象ったが淫らな裸婦像達が見えた。
 その姿を見た彼自身も同じ末路を辿ると想像し、興奮しながらも残った頭も石化の侵食に飲まれていき、完全な石像へと変わり果てた。
 枝や蔓は目的を果たして木の元へと戻り、また次なる犠牲者を待ち受けている。
「…………」
 身体の芯まで石へと変化してしまった俊輔、柔らかい肌やもふもふの狐耳と尻尾でさえも硬い石になっている。
 樹液まみれの淫らな石像へと化した妖狐少年の姿しか残されていなかった。
 こうして新たに犠牲者という名のお客をお出迎えする石像がこの森の中に一体増えることとなった……。

成功 🔵​🔵​🔴​

御園・桜花
○△

「ポーズをとらされると言うことは…それまでに某かの影響を受けて、操られていると言うことですよね?聴覚・嗅覚・皮膚接触…うーん。接触を最低限にして、後は毒耐性狂気耐性呪詛耐性に賭けるしかなさそうです…」
音波・花粉・精神汚染辺りを理由と考え、UCの全身を覆う桜吹雪と短時間での通り抜けで自分への影響を極力減らそうと考えた

石化させられそうな人や蔓等に絡まれた人を発見したら飛行で近づきそのまま両腕で抱え込んで飛行で逃走するという、スリや強盗紛いの方法で被害者を確保する

ある程度離れたら被害者に種なり何なりつけられていないか確認

「大丈夫ですか。此処さえ抜ければ何とかなると思いますから。頑張って下さい」



「ポーズをとらされると言うことは……それまでに某かの影響を受けて、操られていると言うことですよね?」
 御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)は森の入り口で考察をしている。
「聴覚・嗅覚・皮膚接触……うーん……接触を最低限にして、後は毒耐性狂気耐性呪詛耐性に賭けるしかなさそうです…」
 様々な予想を立てながらも、音波・花粉・精神汚染辺りを理由と考え、ユーベルコード【精霊覚醒・桜】による桜吹雪を纏う。
 短時間での通り抜けによる地震への影響を極力減らそうとしていた。
「これは……酷いです……」
 森に入ってから数分……目の前に広がるのは石像へと変わり果てた妖怪達がそこらに見えた。
 とりあえずユーベルコードの効果が切れる前にすぐさま歩いていく。
「助けてっ……!」
 途中声が聞こえてきた方向へと駆け寄ると、そこには枝や蔓に絡まれた少女の妖怪が助けを求めていた。
 このままでは石化されてしまう……桜花はすぐさま飛行で近づき、両腕で抱え込んで飛行で逃走していく。
 その姿はスリや強盗紛いのように、枝や蔓が反応する前に離れていった。
 ある程度の距離から離すと、妖怪を下ろして種などといった不純物が付けられていないか確認していく。
「お……お姉さん……?」
「大丈夫ですか?此処さえ抜ければ何とかなると思いますから、頑張って下さい」
 少女の妖怪はぺこりとお辞儀をしてから出入り口まで走り去っていった。
 桜花は再度ユーベルコードを発動させて、森の中を駆け抜けていく。
 道中、同様に枝や蔓に囚われた妖怪達を救出しては、進行を再開していく。
「どれぐらい助け出したのでしょうか……?」
 何度も繰り返していくうちに妖気に当てられたのか、少し眩暈を感じた。
「くっ……早くここを通り抜けなければなりません……!」
 急いでその場から動き出し、ようやく出口だと思われる古びた鳥居の前へとたどり着いた。
 桜花が進んでいる間には捕らわれた妖怪達は見つけることはなかったので、自身に影響が出る前に通り抜ける事ができた。
 とはいえ、既に石化されて手遅れだった者も何人かは見つかったが……この事件が解決すれば彼らも元に戻るようなので、そこはぐっと我慢しつつ一歩……鳥居の奥へと歩き出す。
 鳥居の向こうには賑やかな音楽や声が聞こえてくる……そう、ここから先が本番である。
 その奥には骸魂に飲み込まれてオブリビオン化した妖怪達が待ち受けているだろう……その妖怪達を助けるために覚悟しつつも彼女は奥へと進んでいく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

狐裘・爛

んんー、気の毒だけど自分からポーズをとってるのはシュールね。とりあえず手当たり次第ばんばん燃やして、妖怪たちを助けていきましょ。

燃やしてくだけじゃ芸がないって? そういうと思ったわ。見ている人を飽きさせないのが私の炎なんだから! 見て見て妖怪たち! 燃やした炎が結晶化! ついでに助けた妖怪たちも結晶化! 大丈夫大丈夫、私の炎は肉体は傷つけないから。みーんな私の虜になりなさい! 綺麗でしょ?

なーんて調子に乗ってたら、触手溜まり、もとい枝や蔓の塊に突っ込んじゃうかも
うぐ…絡み付いて…うぇぇ口の中までべちゃべちゃ…服も……

宙吊りでそのまま石化させられていく私……こんなデビュー、綺麗じゃないよぉ!



「んんー、気の毒だけど自分からポーズをとってるのはシュールね」
 と、続けて怪しげな森に入ってきたのは初めて依頼に参戦する狐裘・爛(榾火・f33271)だ。
 宙を舞う炎によって手当たり次第に燃やしつつも妖怪達を助けようとしていた。
 が、見ている人を飽きさせないのが彼女の炎、燃やしていくだけでは芸がないと考えていた。
「見て見て妖怪たち!燃やした炎が結晶化!」
 ユーベルコード【炎戯・魂魄奉納改】によって捕らわれていた妖怪達に絡む枝や蔓が燃えたと同時に結晶化し動かなくなる。
 ついでにその本体の気も結晶に包まれ、綺麗な結晶樹木と化す。
「わぁ……綺麗……」
「す……すごい……」
 その美しさに妖怪達は見とれていたが……。
「ついでに助けた妖怪たちも結晶化!」
「え……?」
 瞬時に炎が捕らわれていた妖怪にも包まれ、そのまま結晶化してしまう。
「う……うそ!?助けてくれるんじゃ―――」
 言い終わる前に他の妖怪も次々と結晶化していく。
「大丈夫大丈夫、私の炎は肉体は傷つけないから」
 それどころじゃない気がするが、妖怪達の身体が結晶化によって枝や蔓からの一時的な保護をしているため安心……ではあるようだ?
「みーんな私の虜になりなさい! 綺麗でしょ?」
 草木も蔦も枝もついでに囚われた妖怪達も……進む先の全てが結晶化していき爛はさらに調子に乗っていく。

 だが、彼女の快進撃は唐突に終わりを告げた。
 草木に隠れていた触手溜まり……もとい枝や蔓の塊に片足を突っ込んでしまい、そのまま宙吊りにされてしまった。
「やだっ……脚が……きゃぁ!?」
 炎で焼き尽くそうとするが、宙吊りにされているため巫女服のスカート部分がめくれかけており、自身の羞恥を優先して両手で何とか抑え、これ以上捲れることはなかった。
 が、状況は最悪、さらに追い討ちのごとく目の前に差し出された枝からは樹液が噴き出した。
「うぷっ……うぇぇ……口の中までべちゃべちゃ……服も……」
 拘束されたまま全身にまんべんなく樹液を浴びせられていき、ベトベトの樹液まみれになってしまう。
「もぅ……台無しじゃないぃ~~……」
 口に入った樹液を何とか吐き出しながらも文句を垂れる彼女の身体に変化が起きる。
 そう……樹液を浴びた身体が石化していくのだ、宙吊りしたままという無様な姿を晒される形で。
「や……やだっ……私が……石に……!?」
 石化の侵食を止めることはできず、スカートを抑えた両手も石化、彼女の周りに漂う炎も次第に弱まっていく。
 その時には残った頭までも石化しつつあった。
「宙吊りでそのまま石化させられていく私……こんなデビュー、綺麗じゃないよぉ!」
 文句を吐き出す口も石化し涙目のまま表情も固定されていき、完全石化と化した彼女は動かなくなってしまい、宙吊りのまま揺れていた。
 そんな爛のデビュー戦は見るからに散々なものであった……。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニクロム・チタノ
うん大惨事だね?
勇敢な妖怪達のためにもなんとか助けてあげないとね
まずは周りの蔦を斬り進みながら捜索
石になってる妖怪達の周りの蔓や蔦に重力波を放って動きを封じて蒼焔で燃やす
石像は焔じゃ燃えないと思うけど熱かったらごめんね?



「うん、大惨事だね?」
 ニクロム・チタノ(反抗者・f32208)は目の前に広がる森の異様な姿に言葉が漏れた。
 ちらほらと犠牲者の証である石像が立ち並んでおり、それらに近づく獲物を待ち構えているかのように蔓や蔦が怪しげに蠢いていた。
 尚……猟兵が被害に遭ったり、森の一部が結晶化したりと別の意味で大惨事が怒ってはいるが……。
「勇敢な妖怪達のためにもなんとか助けてあげないとね」
 ともあれ、ニクロムはまず周りの蔦を斬り進みながら捜索を開始した。
 目視で確認した一体の石像……もとい石化した妖怪を見つけて近づいていく。
 身体中が蔓や蔦に絡まれており、苔などが付着していない以外はまるで年月が経った忘れられた石像のようにも見えた。
 ニクロムを見つけると石像から離れ、彼女を新たな石像に変えようと襲い掛かってくる。
 彼女はユーベルコード【キミの明日に反抗を】を発動、自身に宿るチタノの霊を召喚。
 そして襲い掛かる蔓や蔦に向けて重力波を放って動きを封じていく。
 簡単に捕らえたそれらを蒼焔で焼却していく。
「石像は焔じゃ燃えないと思うけど熱かったらごめんね?」
 その際には石像にも蒼焔に巻き込まれていくが、本体自体無傷であるため大丈夫のようだ(熱いかどうかは話は別として)
 が、石化自体を治療できる手段は持ち合わせていないため、この事件が終わるまでそのまま放置するしかないようだ。
 救出後、また捜索をしつつ次の捕らわれた妖怪の石像の元へと駆け寄っていき、ユーベルコードによって蔓や蔦を処理し、また進んでいく……。

 数十分後のニクロムが今いる場所……そこは森の出口でもあり聳え立つ鳥居の前にいた。
 その間にも彼女は何体かの石化した妖怪達を救助していった。
 途中自身に襲い掛かってくる蔓や蔦があったが、難なく重力波と蒼焔によって焼き尽くして無力化していた。
「きっとこの奥に元凶がいるのね……」
 奥からオブリビオンがいるとは思えない賑やかな音楽が聞こえてくる。
 まるでお祭りのようでもあり……何かを誘い込んでいるようにも聞こえる。
「罠……だとしても進んでいくしかないわね」
 気配も森に入る前からかなり強くなっており、
 捕らわれし妖怪を助けるためにニクロムは一歩足を踏み入れた……。

 その頃……お祭り会場である神社近くでは、多数の妖怪達を象った石像達が立ち並んでいた。
 それらとは異なり、石畳の両隣に規則正しく並べられている石像の一部が動いていた。
「んんぅ?ザコ妖怪共とは違ったやつらが来たようだな?」
「誰だろうと知ったこっちゃねぇ……誰だろうと石にするのがオレ達の使命だからな」
 そう言い合うと、並べられている石像と同じポーズを取り微動だにしなくなった。
 猟兵達を待ち受ける動く石像は、今か今かと待ち続けていた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『石の守護者『キンバーライト』』

POW   :    空中強襲
【空中】から【地上への強襲】を放ち、【力強い拘束】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    石群像罠
合計でレベル㎥までの、実物を模した偽物を作る。造りは荒いが【石化ガスが噴き出す石像】を作った場合のみ極めて精巧になる。
WIZ   :    石化鋭爪
【石化効果のある鋭い爪】が命中した対象に対し、高威力高命中の【石化の呪い】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 鳥居をくぐったその先には……
 誰一人いない縁日が賑やか(?)に開催されていた。
 どこからともなく聞こえてくる音楽……店員のいない露店達……
 見るからに異常を感じるこの光景に拍車をかけるように妖怪を象った石像……もちろんこの縁日に誘い込まれた石化された犠牲者達が立ち並んでいた。
 そしてその奥、神社へ向かう道を進む途中には犠牲者達とは異なった石像が石畳の両隣を規則正しく並べられている。
 少し不気味ながらも進もうとすると……。
「おう、ここを進むんなら石像になってもらうぜ?」
 声の方向を見ると石像だったはずのそれが動いていた。
 そう、『ガーゴイル』の骸魂に飲み込まれた西洋妖怪『狼男』である『石の守護者『キンバーライト』』が襲い掛かってきたのだ!
御堂・俊輔

妖怪達助けてたとこまでは記憶あるんだけどー
気付いたら服も武器も無くなってるし、腰は抜けてるしー、(樹液で)お腹たぷんたぷんだしー、これがこの森の力?

妖しそうな石群を適当に拾った石で当てずっぽうに攻撃してみるかなー
そんな後ろから突然押し倒されて、前の森ですっかり解されきったお尻を掘られちゃうかもー
口もお尻も物を扱う様に激しくされたら相手が満足する頃にはオレは力尽きてるかもだねー
そしたら石像にM字開脚状態で犯される様に組み込まれた後、爪でお臍を刺されてグリグリされながら、内側からゆっくり石にされて、石化ガスを吹き付ける卑猥な石像の一つになっちゃうかもー?



「妖怪達助けてたとこまでは記憶あるんだけどー」
 いつの間にか石化から解放された俊輔は樹液を飲まされ続けて妊婦のように膨らんだお腹を手で支え腰を抜かしつつも、何とか鳥居の前まで歩いてきた。
「気付いたら服も武器も無くなってるし、腰は抜けてるしー、お腹たぷんたぷんだしー、これがこの森の力?」
 森の力かどうかは別として……今の彼はかなり不利な状況にはなっている。
 ここにオブリビオンに襲われてしまえば……今度こそ助かるかどうかも分からないかもしれない。
 それでも彼は鳥居の奥へと進んでいく……。

 誰もいない石像だらけの縁日を歩き回りつつ、さらにその先の神社へ向かう道の前で足を止める。
 目の前には整列した怪しそうな石群を見つける。
「うーん?怪しい……?当てずっぽうに攻撃してみるかなー」
 適当に拾った石を手に、その石群に向かって投げようとした。
「オイオイ?罰当たりな事するじゃねぇか?」
 声がした背後を振り向こうとしたが、突然衝撃と共に地面に倒れてしまう。
「グハハ……全裸で歩き回ってるとか……マジで命知らずじゃねぇか」
 無理矢理体勢を変えられて仰向けにされてしまう。
 目の前には押し倒した犯人である 『石の守護者『キンバーライト』』だったのだ!
 しかし、俊輔のある『一点』を見て驚く。
「なんだよ……テメェ男のガキかよ!?」
「うぅ……」
 必死にもがく彼をキンバーライトは女の子かと思っていたのだ。
「しかも……なんだぁコレ?なんで腹が膨れてるんだ?」
 樹液を飲まされ続けて膨らんだお腹を見る、その間にも俊輔は抵抗するが、キンバーライトの力強いパワーには成す術もなかった。
 涙目で何かを求めるような目で見られるほど、動く石像は何かを感じた。
「うっ……ゴクリ……」
 この子を無茶苦茶にしたい……本来男に対して持ち合わせていない感情が膨れ上がったのだ。

 数分後……草葉の陰で葉同士が擦れ揺れる音がする。
「ハァ……ハァ……」
「んっ……んんぅ……♥」
 陰にはキンバーライトの姿と外側からはよく見えないが俊輔もいた。
 そう……彼にとっては犯罪者集団に囚われてからはいつもの事ではある。
 オブリビオンもまた理性の箍が外れており、最早本能のまま従っていた。
 木の枝や蔓の影響もあってか彼の身体の一部は解されきっていた。
「オ……オイ……サボってなにやってるんだ?」
 別のキンバーライトが様子を見に来たが、俊輔をかわいがる事に夢中であった。
「……」
 様子を見に来た方は草葉の陰へと入っていき……しばらくするとさらに激しくなり、一人と二匹の息づかいも荒くなっていく。
 その行為は俊輔が力尽きるまで何度も……何度も……。

 数十分が過ぎた頃……。
 整列した石像群の中にキンバーライトにM字開脚の状態で組み込まれ、お臍を爪で刺されたまま石化した俊輔がいた。
 それは特段不気味でもあり、異種族との交わりという背徳感を感じる一体となっていた。
 彼は既に内側から石化されており意識すらもなく、その石像からは一定の間隔で石化ガスを噴き出している。
 通り掛かる者をそのガスで石像へと変えていくのだ……彼はそんなトラップの一部となってしまった……。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニクロム・チタノ
キミ達が妖怪達を石にしていたの?
いやまだ奥に何か居るね?
キミ達は門番だね、こんなひどいことするヒト達には容赦しないよ!
ゴツいね、あれじゃ蒼焔で焼いてもそんなにダメージはないかな、だったら目を焼いてあげる言ったよね?容赦しないって
目を炙られる気分はどう
ついでに重力も掛けて動けなくしてから反抗の妖刀で斬り裂くよ!
容赦も油断もしない、さあ骸の海に帰りなよ!



 大きな森を突破したニクロムは石像だらけの縁日を抜け、神社へと通じる道を進もうとしていた。
 その先には既に動いているキンバーライトが彼女を発見する。
「キミ達が妖怪達を石にしていたの?いやまだ奥に何か居るね?」
 キンバーライトの他にも、奥の神社にも何者かが存在していることに気づいた。
「だからなんだァ?テメェもあの妖怪達と仲良く石像にしてやるぜ!」
 続々と集まっていくオブリビオン達、少なくとも石像に変えているのは彼らもであるだろう。
「キミ達は門番だね、こんなひどいことするヒト達には容赦しないよ!」
「ヒトじゃねぇし!妖怪だぜ?酷いも何もあったもんじゃねぇぜ?」
 こうしてキンバーライト達はニクロムに向かって飛び掛かってきた。
 ユーベルコード【反抗の半面】によって蒼焔で焼き尽くそうと思っていたが、相手はごつい石の塊であるためそれほどダメージに期待はできなさそうだ。
 ならばと蒼焔を集中的に目に向けて放った。
「ぐあぁぁーーー!目が……目がァ……!」
 目を抑えて暴れまわる一匹、その様子に戦慄するキンバーライト達。
「言ったよね?容赦しないって、目を炙られる気分はどう」
「この……アマッ……!!」
 一匹が強靭な爪で切り裂こうとするが、突然地面に叩き伏せられる。
「ナァァ……!?なんだァ……!?」
「うっ……動けねェ……!!」
 ユーベルコード【反抗の半面】のもう一つの力……超重力によってキンバーライト達の所を重くしたのだ。
 このままでは攻撃どころか飛ぶことすらもできない。
「今までやりたい放題した分、この妖刀で……!」
 さらに追い討ちにニクロムは【反抗の妖刀】で斬り裂いていく。
「グアァァァーーー!!」
 動けない石の魔物の中に巣食う骸魂を一匹一匹骸の海に帰していく。
 相手が動けないだからと言って容赦も油断も一切せず、内なる骸魂を討ち、飲み込まれた妖怪を助けていく。

「クソッ……引け……こんな奴相手とかやってられねぇ!」
 倒し損ねたキンバーライト達が不機嫌ながらも去っていくき、残るはニクロムと助け出した狼男たちだ。
「くっ……オレ達は……」
「大丈夫でしょうか?」
 倒れた狼男達は次々と起き上がる、キンバーライトの時とは異なり敵意は全くなかった。
「お嬢ちゃん?あぁ……俺達は平気だぞ」
 狼男達は特段異常がない事を示しており、ニクロムは一安心した。
 そして、彼らがここにいる理由を聞いてみる。
「そういえば……ここに来たのはどうしてでしょうか?」
「うーん……この場所まで意識が朦朧としたまま来たのは覚えているんだけど……」
 どうやら奇妙な行動をし、骸魂に飲み込まれた後は覚えていないようだ。
「ありがとう、みなさん達はこの森から脱出した方がいいですよ」
「あぁ……ここに居ると頭がぼうっとしてしまうからこれ以上はいたくはないな……」
 こうして助け出した狼男達はこの場から去っていき、残ったニクロムは神社の方向を見る。
「やはり……あの場所が怪しいですね……」
 いかにも怪しい雰囲気を醸し出す神社に向け、ニクロムは歩き出していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルミナ・セシール
動く石像の群れね。いいわ皆打ち砕いてあける!
それにしてもなんなのこの胸のざわめきは……

それはともかくUC【コード・フィフス:マックススピード】を発動、高速戦闘で一気に攻めかかるわ。

押してたのはいいけど急に周囲を石像で囲まれてしまったようね、これは敵のUC?

石像が吹き出す石化ガスを見てようやくさっきから感じてたざわめきの正体に気づく。
そうそれはポーズを決めて石化したいって欲望。
それは段々高まってついには自分からポーズを取って石化を望んでしまうの。ポーズは胸周りを腕で囲むことによって、胸を強調し目立たせるようなポーズ。

周囲の石像から石化ガスを
浴びせられると喜びを隠しきれずに段々石化していくわ……



 猟兵達それぞれが行動している中、森を瞬く間に突破してきた女性が現れる。
 アルミナ・セシール(タイプ・フィフス・f31124)は『最良の機体』である事に執着するレプリカントである。
 目の前には彼女を待ち受けていたキンバーライト達が舌なめずりをしながら獲物を見る目で襲い掛かろうとしている。
「動く石像の群れね、いいわ皆打ち砕いてあける!」
「ヒャッハァー!その自信をへし折ってやるぜェ!」
 待ってましたかとばかりにアルミナに飛び込んでいく。
(それにしてもなんなのこの胸のざわめきは……)
 しかし、彼女自身謎の感覚に見舞われていたが、直ぐに振り払いユーベルコード【コード・フィフス:マックススピード】を発動させ、高速戦闘に持ちこんでいく。
「クソッ!早すぎて狙えねぇ……!」
「大人しくしやがれ……グアァ……!」
 そんな文句も無視し、目にも留まらぬ高速戦闘によってキンバーライト一体一体打ち砕いて撃破する。
「このままじゃ突破される……アレをやるしかねぇか……」
 全滅される事を恐れ、力押しの集団攻めから作戦を変更していく。

「あ……あら?」
 何か異常に気が付いて、高速戦闘を一旦止める。
 周囲が同じような石像に囲まれていた、一瞬全てがキンバーライトだと思ったが微動だにもしない。
「くっ……これは敵のユーベルコード?」
 さらにその石像から灰色のガスが噴き出していき、充満していく……。
 アルミナによって骸魂から解放された狼男達は気絶から回復したものの、そのガスに巻き込まれ次々と物言わぬ石像と化してしまう石化ガスだった。
 早く本物を見つけなければ、幾ら高速戦闘といえども、ガスの効果でいずれは自分自身も石化してしまう。
 辛うじて石化ガスを吐かない作りが荒いものは偽者と判断できる、しかし石化ガスを吐き出す石像だ。
 どちらも本物か偽物なのかが判断がつかない、高速戦闘で破壊しようとしても、運が悪いと石化ガスが直撃してしまう。
 さらに追い討ちのごとく、アルミナの身体にも石化とは異なる異常が起こった。
「この気持ち……まさか……」
 謎の感覚の正体、それは妖怪達も起こしていた奇妙な行動……つまり『自らポーズを取り石化を望む』事……。
 その気持ちが段々高まってしまい、戦闘に集中できなくなってしまう。
「うっ……あぁ……」
 必死に抵抗しようとするアルミナだったが、石化ガスによって少しずつ石化していく彼女の目は虚ろになっており、堕ちてしまった事を意味する。
 そして武器を放り投げ、そのままポーズを取っていき、石化ガスを受け入れていく……。
 ミシミシと音を立てつつ身体はあっと言う間に灰色に染まりつくし、あれだけ優勢だった彼女は物言わぬ敗者の石像と化してしまった。
 大きな胸周りを腕で囲む事によって、胸を強調し目立たせるような色っぽいポーズだ。
 石像トラップを解除し、アルミナが完全に石化したことを確認するキンバーライト。
「グヘヘヘ……いい石像になったじゃねぇか……オレ好みだぜ……」
 悪しき動く石像の手によって物言わぬ石像と化したレプリカントは同じように石像と化した狼男達と同じ末路を辿ってしまった……。

成功 🔵​🔵​🔴​

狐裘・爛
酷い目にあったわ……気を取り直していくわよ。んん……あなた何よ! やる気なのかしら? 身の程知らずね。

とはいえ石化を自分から望まないといけないのよね。さっきは美しくもなんともないポーズだったから……ええと、こう?! どうよ?
ピース、尻尾もピンと伸ばして、ちょっと可愛らしく、これならどこから石化されても可愛くて綺麗な私ね!
どこからでも……かかってきなさい! あ痛ッ?!

瞳が石化する前に炎帝狐を召喚! 憑依合体! さあ反撃開始よ



 初っ端から酷い目に遭うという初陣を果たした爛は、石化から戻りつつも気を取り直して鳥居を抜け、石像だらけの縁日を抜け、神社への道の途中に動く石像……キンバーライトが待ち受けていた。
「今度は狐の嬢ちゃんか……いい石像になってくれるよなぁ?」
「んん……あなた何よ!やる気なのかしら?身の程知らずね」
 と、爛は妖怪達の行う奇妙な行動に倣って、かわいらいしくポーズを取っていく。
「さっきは美しくもなんともないポーズだったから……ええと、こう?!どうよ?」
「おっ……おう……これはこれでいいなぁ……?」
 ピースサインに尻尾はピンと伸ばし、ちょっと可愛らしいポーズとなっている。
「これならどこから石化されても可愛くて綺麗な私ね!」
 と、ドヤ顔をかます彼女に、キンバーライトは困惑しつつも、彼女を石化させようと攻撃準備をする。
「どこからでも……かかってきなさい!あ痛ッ?!」
「あっ……いけね……石化ガスの方がよかったか……?」
 しかし時既に遅く、爛の衣服は爪によってボロボロになりながらも石化が進行していく。
「ちょ……ちょっとぉ……」
 ちょっと恥ずかしい姿となった彼女は必死に身体を動かそうとするも石化はほとんど進行しており、既に動けなくなってしまっている。
 瞬く間に衣服ごと身体が石化しきっていき、顔も石化していく……。
「あっ……あぁ……」
「お?その顔いいじゃねぇか……」
 少し情けないような表情を浮かべつつも、最後に残った瞳が石化する前にユーベルコード【大炎戯・魂魄昇華】を召喚させる。
 何個かの狐火の炎を放ち、石化しかけの瞳から劫火の術を操る悪魔『炎帝狐』を召喚し、さらにそこへ爛が憑依していく。
「憑依合体!さあ反撃開始よ」
「何だァ!?新手か……!?」
 狐火の炎をエネルギーに劫火の術を操っていく、その劫火はキンバーライトに襲い掛かる。
「燃えるのよ!燃えて燃えて、命を燃焼し続ける!」
「グアァーー!!熱ィィィーーー!?」
 ただの炎ではなく石でさえも燃やし尽くす劫火……キンバーライトは耐えきれず、次々と力尽きていく。
「ふぅ……大したことはないわね!」
「クソォ……」
 焼き尽くされ黒焦げなキンバーライトから骸魂が引きはがされ、消滅した後には元の狼男に戻っていた。
 幸い、その時には黒焦げ状態から戻ってはいたが……気絶しているようなのでしばらくは起きないだろう。
「そのまま放っておいても大丈夫かな?骸魂も倒しちゃったし……」
 そう言いつつも爛は事件の大元であろう神社へと足を運ぼうとしたが……。
「あっ……そういえば私の身体どうしよう……」
 よくよく考えれば炎帝狐に憑依したままであるため、爛本体はかわいらしいポーズの上、服がボロボロのまま石化してしまっている。
 無論、このまま放置するのもまずいので、元に戻るまで地道に待ち続けていた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御園・桜花
「…石の守護者。貴方が守りたい方を、私達は倒しに行きます…ごめんなさい」

高速・多重詠唱で炎の精霊と氷の精霊を召喚
銃弾に炎の属性与え制圧射撃
UCには氷の属性与え敵を攻撃
足止めと石像自体の破壊を狙う
敵の攻撃は第六感や見切りで躱すが、躱せないと判断した場合のみ盾受けする

「貴方が守護者であり続けることに未練を持つなら。骸の海に還ってからも、転生を願い続けて下さい。例え世界を違えようと、骸の海は全ての世界と繋がっていますもの。願いは叶いますとも」
小さく鎮魂歌歌い送る

ガーゴイルの骸魂が離れたら狼男の状態確認
無理せず木陰で休んでいるよう伝える
話せる状態なら狼男がガーゴイルに共鳴する想いを抱いていたか確認する



「……石の守護者。貴方が守りたい方を、私達は倒しに行きます……ごめんなさい」
「ガハハ!なかなかいい嬢ちゃんじゃねぇか……石像にしたらさぞ美しいだろうなァ?」
 神社への通り道を塞ぐキンバーライトに向かっていく桜花。
 彼女は【高速詠唱】と【多重詠唱】によって炎の精霊と氷の精霊を召喚していく。
「それはお断りです!……おいで精霊、数多の精霊、お前の力を貸しておくれ」
 銃弾に炎の属性を与え【制圧射撃】を加えていく。
「ググッ……!なかなかやるじゃねぇか!」
 炎の銃弾の雨を身に受けながらも向かってくる相手に、ユーベルコード【召喚・精霊乱舞】に氷の属性を与え攻撃をしていく。
 銃弾の足止めとユーベルコードによる破壊を狙っていく。
「グアアァー!?」
「チッ……調子に乗ってんじゃねぇぞ!」
 キンバーライトの強靭な爪が桜花に襲い掛かるが、【第六感】や【見切り】によって躱していく。
「ハッハッハ!いいじゃねぇか!だがな、これはどうだ?」
 もう一匹加勢しての攻撃が襲ってくる、彼女は躱せないと判断して盾受けによる回避をする。
「なに……?グアァ!?」
 一体、また一体と倒れていく、彼女のペースに相手は完全に嵌ってしまっているのだ。
「クソッタレェ……」
 数十分経ったかの時……最後の一体も撃破し、周りは静かになる……遠くで縁日の音楽が聞こえてくるだけだ。
「貴方が守護者であり続けることに未練を持つなら、骸の海に還ってからも、転生を願い続けて下さい」
 撃破したキンバーライト達から次々と骸魂が離れ消滅、元々である狼男へと戻っていく。
「例え世界を違えようと、骸の海は全ての世界と繋がっていますもの、願いは叶いますとも」
 小さく鎮魂歌歌い送る桜花、それに応えるかのように葉の揺らぐ音も聞こえてくる。
 狼男が次々と起き上がると、彼女は全員の状態を確認していく。
「大丈夫ですか……?」
「んぁ……あれ?嬢ちゃん?オレ達……?」
 どうやらオブリビオンになっていた時の記憶はなかったようだ。
「あまり無理せずそこの木陰で休んでいてください」
「あ……あぁ……何だか身体中が痛いし……そうさせてもらうよ」
 仕方がないとはいえ桜花がやった事については黙っておくとして……皆それぞれ木陰に休んでいく。
 その中で話せる状態の狼男にある事を聞く。
「一つお聞きしてもよろしいでしょうか?あなたはここに来た時に何かを感じましたか?」
 狼男がガーゴイルに共鳴する想いを抱いていたか、間接的ではあるが確認していく。
「う~ん……ここにどうして来たのかも分からないし……何だか頭が朦朧としててよく分からないね……」
「そうですか……ここは危ないので、動ければすぐに森から出て行った方が良いですよ」
 彼らもこれ以上長居するのも危険と判断しているだろう、大人しく頷いた。
「やはり……あの神社に……」
 異様な雰囲気を醸し出す神社へと足を進める桜花……そこへ行けば恐らくこの事件の黒幕がわかるだろう……。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『石化の惑い手『メデュレーン』』

POW   :    強靭な尻尾
【尻尾】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    土下座の歌
【呪われた歌】を披露した指定の全対象に【土下座したまま石化したいという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
WIZ   :    石化の魔眼
【両目】から【石化の魔眼】を放ち、【石化】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠テフラ・カルデラです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 門番ともいえる石像達を突破し、ついにたどりついた古びた神社……。
 その場所は異様な雰囲気が漂っており、まさにこの事件の元凶を感じさせるようだ。
 目の前の障子扉が開く……そこには蛇の髪と下半身、天使の翼が生えた者が現れる。
「あれ?あの石像どこいったのかしら?」
 どうやら今回の事件の首謀者といったところか?神社への道を見て異変が起きている事に気づいていた。
「まさか……あなた達、あの道を突破したって事?面白いわ!それじゃあ私が相手してあげる♪」
 一変して空気が変わっていく、暗かった神社の室内奥の暗闇に目が慣れてきた頃にはおびただしい数の石像が並べられているのを発見する。
「も・ち・ろ・ん、あなた達が負けたら石の家具にしてあげる……」
 よく見れば彼女の座っている椅子は……土下座した妖怪が石化した変わり果てた姿だった。
「何にしよっかなー?服かけも良いし、テーブルもいいわね……シンプルに椅子も捨てがたいわ♪」
 黒幕である石化の惑い手『メデュレーン』』との戦いが始まった……。

※『石化の惑い手『メデュレーン』』はテフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)の宿敵です
アルミナ・セシール

石化は回復したのにあの感情は収まるどころかより一層強くなってるのを感じる……
神社へとたどり着きメデュレーンを見て悟ったわ。

「今やっと分かりました…… 私がなぜここへ来たのか…… 全てはメデュレーン様の贄になるために。」

ポーズを取って石化を望むけどもお叱りを受けてしまうの。
全ては主の思いのままに、勝手な行動をしたことをひたすら謝るわ。ご機嫌を損ねて石化されなかったと思うと……

後はもう主の命令のままに土下座をして敗北宣言を言って石化を懇願するの。
石化が始まると今までに感じたことのないほどの喜びで張り裂けそうになりながら主を称える声を上げつつ椅子になっていくのよ。



 無事(?)キンバーライト達は元の狼男に戻り、その影響で今まで石化された猟兵や妖怪達も元に戻っていく。
 そんな中で無様な姿を晒していたアルミナも戻ってはいたが……さっきまで感じていた感情は収まるどころかより一層強くなっていた。
「はやく……行かなきゃ……」
 彼女は本来の目的である黒幕が待ち受ける神社へとふらふら歩いていく。
 しかし、それは元凶を叩くためではなく、何かに導かれるように虚ろな目でそこへ向かっていく。

 そして神社の敷地内に現れたメデュレーンを前にアルミナは彼女にひれ伏していく。
「今やっと分かりました……私がなぜここへ来たのか……全てはメデュレーン様の贄になるために」
 と、自らポーズを取って石化を望むが……。
「何を勝手に話を進めてるのかしら?」
 少々御立腹なメデュレーンに恐れおののくアルミナは怯える。
「石像になりたいのは良いとして……こちらの意見を無視するなんて失礼しちゃうわ?」
「ひっ……失礼しました……メデュレーン様のご命令のままに……」
 機嫌を損ねて石化されなかったことを思ってビクビクと震える彼女ににっこりと笑顔を浮かべていく。
「ふふふ……いい子ね……それじゃあ土下座して自ら敗北を認めなさい?」
 主の命令のままに土下座をし、そのまま敗北宣言と同時に懇願する。
「私は無様な負け犬です……どうかその姿を石に変えて永遠の晒す上げてください……」
 その言葉にメデュレーンの眼が光り出し……。
「よくできました♪じゃあ石になりなさい♪」
 石の呪いが込められた魔眼を浴びたアルミナは土下座の姿のまま石化が始まる。
 同時に今までに感じたことの無い喜びが張り裂けそうになる。
「あぁ……ありがとうございます……ありがとうございます……」
 虚ろな目で主を称える声を上げていく間にも下半身は石化によって支配され、立つことができなくなる。
 続けて上半身にも石化が侵食し、両手も灰色に染まり、首まで石へと変換される。
「とても素晴らしいです……メデュレーンさ……ま……」
 喜びの言葉を最後まで紡ぐことなく……口が石化し動かなくなり、目の前も暗くなり瞳も石の玉になる。
 残った頭も石に変わり果て、髪の毛一本も残らず石塊と化した。
「ふぅ……また新しい椅子ができたわね♪」
 土下座した幸せそうなレプリカントの成れの果てに腰掛け、座り心地を確かめているメデュレーン。
「うん、上出来♪また誰か来ないかなー?」
 次なる犠牲者を期待をして、石の椅子に座って待ち続ける……。

成功 🔵​🔵​🔴​

御堂・俊輔

道中の結果で息も絶え絶えの穢れ切った状態で、自分の惨状を隠すなんて思考も無くてぼーっと何も考えられないまま、ただ見えない力に引き寄せられる様に神社に辿り着くかもー?
既にそんな消耗状態ならもう相手の言動に抵抗なんてできないよねー
無自覚にメデュレーンのSっ気を刺激しちゃって乱暴に色々されたりで完全屈服させられちゃったら、言われるがままのポーズで石の家具にされちゃうかもー

石にされるときは身体に力が入らないから相手の満足いく形にならないかもだけど、その時は気に入らない所を折られたり砕かれたり成形されたりしながら並ぶ石の家具の一つだったり一部にされちゃうかもー?



 石化されていた俊輔もまた元に戻ったが、息も絶え絶えで尚且つ穢れ切った状態である。
 身体中弄ばれた傷跡は未だに戻ることなく、自身の惨状を隠す思考すらできないレベルで何も考えられなかった。
 それでも神社から感じる『何かの力』に引き寄せられるようにおぼつかない足で進んでいく。

「次のお客は……へぇ……これはまた無様な姿ねぇ……?」
 骸魂に飲み込まれた姿であるメデュレーンを前にしても俊輔は抵抗も無く佇んでいるだけだった。
「なーにー?何も言えないのかしら?まぁ……そんな姿に変わり果てているんだから仕方がないけどね……♪」
 彼女の言う通り、相手の言動に抵抗の素振りすらない状態であるため、実質好き放題やってくださいと言っているようなものだ。 
 そんな彼は無自覚にもメデュレーンのSっ気を刺激してしまうのである。
「ふっ……ふふふふ……そんな顔してると……虐めたくなっちゃうじゃないの……?」
 助けを求めたとしても誰も来ない、存在するのは悪しき融合されし妖怪と彼女によって変わり果てた石像達だけ。
 彼女の蛇の胴体を俊輔の脚に、胴体に、首に巻き付けていく……。
「うっ……くっ……」
 あまりの苦しさに声が出る、彼女が力を入れれば身体中が締まる。
「あぁ……素敵……こうやって素材を慣らしていかなきゃね……♥」
 気絶しない程度に締め付けてた上にメデュレーンは彼に接吻をする。
「んっ……んんぅ……」
「んんっ……んぅ……♥」
 その間にも俊輔の下半身に彼女の手が入り、上も下も弄ばれていく……。

「よし!それじゃあ四つん這いになってテーブルになってもらおうかしら?」
 何度も可愛がられた俊輔はついに家具にされる事になった。
 一言も言葉が出ることなく彼女の指示通りに四つん這いになるが、膨らんだお腹が邪魔をしつつも何とか四つん這いの格好を取った。
「それじゃあいくわよ……?」
 魔眼が光り……これからテーブルとなる彼の身体は石化を始める。
 しかし今までの事もあってか中々力が入らずポーズが崩れかける。
「あら?ダメよ?ちゃんとポーズ取らなきゃ?わざわざ砕くなんて勿体ない事したくないしね?」
 メデュレーンに支えられる形で無理矢理ポーズを強要されてしまう。
 力の入らない手足は完全に石化し、俊輔本体を支えるただの石棒に成り果てる。
 彼女はこれ以上支える必要はないと判断して手を放す。
「そうそう……あとは流れに身を任せて……」
 膨らんだお腹も石の塊と化し、虚ろな目をした表情も石化の侵食に呑まれ……。
 そう長い時間もかからず、俊輔は完全石化を果たした。
 メデュレーンはその上に手ごろな大きさの木の板を彼の上に乗せる。
「丁度良いバランスね?膨らんだお腹もチャームポイントよ♪」
 彼女は俊輔を誉めるが、当の本人は完全に石の家具と化しているため、聞こえる事は一切なかった……。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニクロム・チタノ
アナタが騒ぎの元凶だね?こんなひどいことして許さないよ!
ボクの真名、紅明日香の名を以てチタノヤタテを降臨させる
尻尾も石化の光線も八つの蒼焔の盾で防ぎながら八つの重力槍を他方向から撃ち出して攻撃するよ
隙を見て接近反抗の妖刀の一撃をお見舞いするよ
チタノの導きのままに反抗を開始する


御園・桜花
○△

一瞬顔顰め

石化防御は各種耐性で何とかなることを期待
一応視線の飛んで来る先は第六感や見切りで察知し躱す予定
高速・多重詠唱で銃弾に破魔の属性攻撃乗せ制圧射撃
敵の行動を阻害し他の仲間の攻撃が少しでも通りやすくなるよう補助する
石化し掛かった仲間が出た場合、UC「花見御膳」使用
状態異常回復(石化)効果のおやつを作り、該当者の口の中に放り込む

「貴女は随分と嗜虐性のある方のようですから。此のまま骸の海に還られても、共存の可能性は低そうです。可能ならば、もう少し穏やかな夢を持って、彫刻家に転生してお戻りになるのを期待します」
戦闘後は鎮魂歌口遊みつつ石像化した人の介護手伝い

「石化中は食べられませんね…」
呆然


狐裘・爛
石の椅子! ん、んんー、いいね。そのセンスはなかなか悪くないわ。美しいものを永遠に美しいままに……ふふふ。
服も破れちゃったし、こんな作用で無理やり石化を望ませてなければなおいいんだけどね。見なさい! 私の完璧な土下座を! 尻尾まで振ってあげるわ

でも残念、私の「綺麗なものを愛でていたい」という欲を上回るほどの、心を強く震わせる歌声ではなかったようね。代わりにあなたをここで結晶化してあげる。どちらが綺麗な家具になるか、素敵な勝負になりそうね。



 神社にたどり着いた桜花は一瞬顔顰める。
 目の前には元凶であるメデュレーンが、そして周りには石像や石の家具と化した犠牲者が神社の屋内や屋外にも置かれていた。
 そのような光景に不愉快な感情を抱いていた。
「アナタが騒ぎの元凶だね?こんなひどいことして許さないよ!」
「あら?また新しい素材が来たわね?」
 ニクロムも駆けつけ、更にその後にも爛が到着した。
「石の椅子!ん、んんー、いいね。そのセンスはなかなか悪くないわ」
「むしろ悪趣味のような気が……」
 興奮気味な彼女に突っ込みを入れる桜花を他所にニクロムはユーベルコード【其の真名を以て反抗せよ】を発動させる。
「……ともあれ、ボクの真名、紅明日香の名を以てチタノヤタテを降臨させる」
「まずはあなたね?覚悟しなさい♪」
 メデュレーンもニクロムに正面に向かい、瞳が光り出す……石化の魔眼だ。
「それは……無駄ですよ!」
 チタノヤタテの霊の能力である八つの蒼焔の盾で魔眼を防いでいく。
 石化の魔眼が防がれたことで追撃に尻尾による重い一撃がニクロムに襲い掛かるも、そちらも八つの蒼焔の盾によって防いでいく。
「くっ……これも効かない……!?」
 追撃も防がれつつも、彼女の死角から八つの重力槍が撃ち出される。
 後方にいた桜花も【高速詠唱】と【多重詠唱】によって銃弾に【破魔】の【属性攻撃】乗せて【制圧射撃】を行う。
 敵の行動を阻害し味方の攻撃を通りやすくするように補助をしていく。
 メデュレーンもこれに気づいて、蛇のようにしなやかな動きで寸でのところで回避していく。
 いつまでも進まない攻防に苛立ちが募るメデュレーンは攻撃をあえて受けながら突撃をする。
 そのまま突撃して近距離で魔眼を受けさせるようだ。
「チタノの導きのままに反抗を開始する!」
 しかし相手の隙を伺っていたニクロムは【反抗の妖刀】を持ち、彼女も正面突撃を掛ける。
 メデュレーンもその行動に驚くも急停止はできなかった。
「そこっ……!」
 妖刀の一撃が彼女を斬り裂くと同時に悲鳴が上がる。
「ああぁぁぁ……よくも……よくもこの身体に傷を……!」
 身体に傷をつけられ怒り狂ったメデュレーンは魔眼を最高出力でニクロムに浴びせていく。
 彼女もギリギリのところで盾で防ぐが、身体の一部が石化してしまう。
「くっ……」
 片手と片足が石化してしまった彼女は大きく後ろに引いていく。
「まだよ……泣き叫びながら無様な石像に変えるまでは気が収まらないわ!」
 更に追い討ちの魔眼が彼女に襲い掛かる、盾を出す暇もないくらいに光を浴びてしまい石化が早まっていく。
 その様子に焦った桜花は彼女が完全に石化する前にメデュレーンの前を遮る。
 魔眼の光を直撃した彼女のは各種耐性によって石化することなく何とかなった。
 すぐさまニクロムを救出し、メデュレーンから距離を取っていく。
 急いで桜花はユーベルコード【花見御膳】によって状態異常回復(石化)効果のおやつを作っていく。
「これで治療できるはずです……」
 そのおやつをニクロムの口に放り込むと、冷たく硬い石となった身体は元に戻る。
「もぐもぐ……ありがとうございます!」
「くっ……これじゃあ埒が明かないわ……それなら……!」
 メデュレーンは攻撃を止め、歌を歌い始める。
 多くの者を魅了してきた魔の歌に耳を塞いだりして必死に耐えようとする桜花とニクロム。
 少しでも隙を見せたら神社内の石像達の仲間入りを果たしてしまう。
 と、そんな中で思い切りその歌を聞いている者がいた。
「見なさい!私の完璧な土下座を!尻尾まで振ってあげるわ」
 見事なまでの土下座(+尻尾振り)をやってのける(やらされている?)爛の姿が二人を目に飛び込んできた。
 メデュレーンはもまた、彼女をそのまま石化してやろう目を光らせる。
 が、その土下座をすぐさま止めて立ち上がる、残念ながら彼女の魅了の歌は爛の『綺麗なものを愛でていたい』という欲には勝てなかった。
「心を強く震わせる歌声ではなかったようね」
「す……すごい……ある意味……」
 桜花は彼女のタフな精神力に感服する中、続けて爛はニヤリと笑みを浮かべる。
「代わりにあなたをここで結晶化してあげる」
「あら?面白いこと言うじゃない?」
 今までの怒りもどこかへいったメデュレーンは彼女に対しての興味が湧いてきた。
「気に入ったわ!あなたは素敵な石像に変えてあげるわ!」
「どちらが綺麗な家具になるか、素敵な勝負になりそうね」
 爛はユーベルコード【炎戯・魂魄奉納改】を発動、メデュレーンも石化の魔眼を全力でぶつけるつもりだった。
 その様子に二人は息を飲み見守っている。

 二人ともほぼ同時に相手に攻撃をし……。

 互いの力が交差し……。

 互いに命中し……。

 動く者は見守る者二人しかいなかった……。

 爛はユーベルコードを放ったポーズのまま石化してしまい。
 メデュレーンは相手に向けて視線を合わせたまま結晶化してしまっていた。
 しばらくの間、静寂が包まれていたが……。
「っあぁーーー!!!流石にヤバかったわね……」
 結晶化から自力で脱出したメデュレーンの二人は再び身構える。
 あの時、爛が放ったユーベルコードは先に自分自身が相手の魔眼によって完全石化してしまったようで、完全結晶化には至らなかったようだ……。
「でも……ふふ……いい勝負だったわ♪」
 石像と化した彼女に近づこうとした瞬間、妖刀を持ったニクロムが彼女の目に入ってきた。
「近づかせません……!」
 折角の戦利品を手放す羽目になったメデュレーンに桜花による更なる追撃支援が襲い掛かる。
「くっ……こうなったら二人纏めて……きゃぁ!?」
 石化の魔眼を発動させようとしてもニクロムの妨害が入ってくる。
 その間に石化してしまった爛を治療しようと桜花は【花見御膳】で作ったおやつを口に放り込もうとするが……。
「石化中は食べられませんね…」
 呆然とする彼女、残念ながら完全石化した彼女の口には入らなかった。
 後で食べるだろうとお供えするように目の前に置きつつ、すぐさまニクロムの支援に回っていく。

 その頃、メデュレーンはニクロムの持つ妖刀の連撃に苦戦していた。
 それもそのはず……爛のユーベルコードが完全ではないとはいえ、かなりのダメージを与えたのだ。
 疲労も溜まり、攻撃どころか回避する事が精いっぱいだった。
「くぅぅ……何度も何度も邪魔して……」
 言葉は強がりとも聞こえ、息もかなり重苦しい吐息が混じっていた。
 桜花も再び参戦し、支援追撃によって追い込まれていく。
「まだ……まだいっぱい……石像を……」
「ここまでです……!」
 隙を見せたメデュレーンに妖刀の一撃が身体を斬り裂いた。
「あああぁぁぁーーー!!!」
 断末魔をあげた彼女の身体から黒い靄のようなオーラが空へと放たれていき……四散していった。
 それは、飲み込んでいた骸魂から妖怪が解放された証拠だった。
 目の前のメデュレーンだった彼女は、元のセイレーンへと戻っていた。
「貴女は随分と嗜虐性のある方のようですから、此のまま骸の海に還られても共存の可能性は低そうです」
 空を見上げる桜花は散った骸魂に思いを馳せる。
「可能ならばもう少し穏やかな夢を持って、彫刻家に転生してお戻りになるのを期待します」
 次はせめても……と鎮魂歌口遊んでいく。
「石化されていた方々も戻っていきますね」
 気絶しているセイレーンを抱きかかえつつもニクロムは神社や来た道を見て次々と元に戻っていく猟兵や妖怪達の様子を見ていた。
「なんだかよく分からないけど勝ったのね?もぐもぐ……」
 そんな爛は元に戻った際に目の前にあった桜花の作ったおやつを食べていた。

 こうして妖怪達を引き寄せる神社と縁日の事件は無事に幕を閉じた……。
 余談だが、セイレーン自身も今回の事に対して覚えていたようで性格上なのか、かなり平謝りしていたようだが、誰にも咎められることなく大事にはならなかった。
 そんな彼女はカクリヨファンタズムのある海にて美しい歌を奏でていた。
 魅了し引き寄せる魔の歌ではなく、聞く者の心を癒す美しい歌を……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月25日


挿絵イラスト