レッツゴーマンションダンジョンへ!
●割とよくある日常(たぶん)。
ちゅどごおおおおぉぉぉぉぉんんん!!
ばっごおおおおおぉぉぉおおん!!!
今日も今日とてデビルキングワールドは爆発していた。
いや、正確には『マンションダンジョンに暮らす住民と家賃取立人との攻防が繰り広げられている』のだが、まあ、日常茶飯事なので爆破の一つや二つ問題ないだろう。
家賃を支払わない悪魔達と大家から雇われた取立人――ギャング達との戦いは重火器やら鈍器やらを駆使しつつ力こそパワーとばかりに押し切るギャング達によってそこそこ家賃の取り立てに成功していたのだが、ある時からそれがぷつりと途切れてしまったのだ。
「ハァ?! 雇ったギャング達が全滅?!」
家賃滞納連中のおかげで色々と迷惑を被っているのに加えて雇ったギャングも全滅とか大家さんもさすがに頭を抱えてしまう。
いや、あのギャング達が全滅とかマジありえないし。
「まさかあの滞納連中を味方につけたヤツがいるんじゃないだろうねえ……」
悩める大家さんの予想は的中している訳である。
●滞納はよくないと思います。
「家賃滞納はともかく取立人を撃退とか駄目だろ常識敵に考えて」
真顔で海老名・轟(轟く流星・f13159)は言い切ったが、デビルキングワールド的には問題ないのだろう。
なにせあの世界は悪い奴はカッコいい、欲望は素晴らしいという『悪魔の道徳』をまとめた『デビルキング法』が制定されているくらいなのだから。
とはいえ、オブリビオンが絡んでくるのなら話は別である。
「さて、今回お前達に頼みたいのはマンションダンジョンに住み着いたオブリビオン退治だ」
そう言いながら轟はぺらりとメモをめくって説明を続けた。
場所はデビルキングワールドの郊外にあるマンションダンジョン――度重なる増築で迷宮のように入り組んだ高層マンション。そこは年単位どころか数十年単位で家賃を払わないというワールド的には超素晴らしいが大家的にはありとあらゆる罵詈雑言を持ってさえ言い表せない住民達が滞納した家賃を取り立てにやってくるギャングたちと日々和気あいあいと暮らしているとの事。
「で、そのマンションの一室にオブリビオンが住み着いた、と」
「そういう事だ」
猟兵に轟は頷いてみせた。
ただでさえ厄介なマンションにオブリビオンが住み着けば厄介度は爆上がりである。
味方につけた滞納者達を統率したオブリビオンは次々とギャングを撃退し、更にはマンションを強固な要塞へと変え、最終的に大規模な虐殺に乗り出そうとしているのだ!
「そうなる前にえにマンションダンジョンへと乗り込んで、オブリビオンをキュっととっちめようって依頼だ。簡単だろ」
まるで雑巾をキュっと絞るようにしながら言う轟だが、猟兵達は配られた資料を見てしまった。
そこには『迷宮のように入り組んだマンションダンジョンの中は悪魔相手のトラップが満載されているので、例え猟兵であっても気を抜くことはできません。がんばってね!』と書いてあるのだが……。
「さて行くか!」
いい笑顔でグリモアキューブを展開させるのやめてください。
そんな訳で猟兵達はトラップと家賃滞納悪魔達がひしめくマンションダンジョンへと足を踏み入れるのだった。
カンナミユ
カンナミユです。
いや、支払いを滞納するとかマジよくない。
ちゃんと支払いましょう。
1章は迷宮のように入り組んだトラップ満載のマンションダンジョンの中を探検し、
2章でオブリビオンによって統率された『家賃滞納悪魔』達と戦い、
3章でマンションを牛耳るオブリビオンと戦います。
皆さんのご参加お待ちしております。
第1章 冒険
『悪魔のトラップタイル』
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POW : 罠を踏むことは承知の上で、最短距離を最速で進む
SPD : 危険な罠のタイルを破壊し、安全地帯を確保する
WIZ : 自分や味方は有利な効果のタイルを、敵は不利な効果のタイルを踏むよう工夫する
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ずず、ん……!
マンションダンジョンの入り口に到着した猟兵達がまず耳にしたのはマンション内からの轟音だった。
鈍く、重い轟音が収まると上空――マンションの高層階からマンションの外壁と思しきものがどずんと落ちてきた。それからぱらぱらと細かい欠片や粉じん、それに冷蔵庫から物干しざおまで落ちてくる。住民や取立人が落ちてこなかっただけでも幸いに違いない。
相変わらずマンション内からは喧騒と騒音が響いており、住民達の戦意は高いらしい。
そんなマンションを見ていた猟兵達だが、受け取っていた資料に改めて目を通す。
『情報によればこのマンションダンジョンには数え切れないトラップが仕掛けられているそうだ。そのトラップの起動にはどうやらあちこちに仕掛けられたタイルが関わっているとの事。健闘を祈る』
とりあえずトラップをかいくぐりながら上層階へと進む必要があるようだ。
覚悟を胸にバリケードを飛び越え、猟兵達はマンションの中へと入っていった。
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※1章のプレイングについて
1章は迷宮のように入り組んだマンションダンジョンの中を探検します。
ダンジョン内には悪魔相手のトラップが満載されているので、例え猟兵であっても気を抜くことはできないでしょう。
ただし、トラップの起動には『タイル』が関わっているようです。あからさまに怪しいタイルがトラップ起動となるか果たして単なる見せかけか?!
上の階を目指して頑張ってください!
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キャプテン・ハマーヘッジ
タイルはトラップ起動のスイッチか、あるいはただの見せかけか。見分けるのは困難だな。よし、ここは恥ずかしげもなく先人達の見識に頼ろうではないか。
過去の偉大なる宇宙紳士たちの経験を蓄積したAIが、私に力を与えてくれる。トラップ起動の条件を見極める分析力を!それに加えて、私には様々な世界での冒険で培った紳士的洞察力&直観力と、この『宇宙紳士回顧録』があるのだ。どんな危険な罠が待ち受けようとも、華麗に突破して見せようではないか。
まあ、私には宇宙バイクとジェットパックがあるから床のタイルを踏む心配は無いがな!ムハハハ…!
鬼頭・黎
……なんというか、オレが思っている悪のイメージとは随分違う世界ですね。まあ、滞納はよろしくないですし懲らしめに行きますか
まずは迷彩なども使って住民に見つからないように建物の様子や内部を偵察。罠がありそうな位置やタイルの位置、上層階への最短ルートを探ります
それが終わったら【クロックアップ・スピード】を発動。先ほど見つけた最短ルートを罠が発動してもすぐに駆け抜けられるようにしておきます
それと住民を見つけたらできるだけ罠の方に投げ飛ばしたり、吹き飛ばすなりして罠の餌食になってもらいましょう。卑怯?使える物があるなら使うのは当然。むしろ卑怯は褒め言葉ですよ
他の人との絡み・アドリブOK
ごうと空を切る鈍い音に見上げた鬼頭・黎(薄明に羽ばたく黒翼・f16610)は咄嗟に後方へ下がると巨大な鉄筋が落ちてきた。
ずがあん!
「君、大丈夫か?」
「気付くのが遅かったら串刺しになってましたね」
キャプテン・ハマーヘッジ(宇宙紳士・f28272)に黎は答え、二人は改めて上を見る。
ベランダは侵入を阻むように鉄板や有刺鉄線が張り巡らされ、高層マンションは住民たちの手により、もはや軍事要塞と化していた。
「これは想像以上だな」
「……なんというか、オレが思っている悪のイメージとは随分違う世界ですね」
見上げる宇宙紳士の隣ではかけ離れた悪を目の当たりにした黎が小さな呟きを零して悪について考えてみたがあまり深く考えない事にした。
まあ今回の件については家賃滞納する住民達に非があるというのに徹底抗戦するくらいならちゃんと払えばよかったのだが。
「家賃を払わないというのも、この世界では立派な『悪』なのだろうな」
キャプテンの言もあながち間違っていないのかもしれない。
とはいえ、だ。
「まあ、滞納はよろしくないですし懲らしめに行きますか」
「そうだな、マンションに住み着いたというオブリビオンも倒してしまおう!」
ここにいては狙撃されるか串刺しの危機である。二人は足早にマンションに足を踏み入れた。
うすぼんやりとした蛍光灯の明かりの中、マンションの中に入った途端に目に入ったのは様々なタイルたち。
「あれが説明に聞いたタイルだな。タイルはトラップ起動のスイッチか、あるいはただの見せかけか。見分けるのは困難だな」
キャプテンの視界には不自然にせり上がったタイルやいかにも押せそうなタイル、床や壁の色や材質とは全く異なった目立つタイルなどがそこかしこに配置されているのが見えた。果たしてあのタイルのどれがトラップなのか。
気配に視線を向けると迷彩で隠れていた黎の姿が現れた。
「お待たせしました」
「偵察感謝する」
経験を活かし行動した黎は住民に気付かれないようくまなく偵察し、フロアマップから上層階への最短の道を探り、配置されたタイルの法則らしきものも調べてきたのだ。
「恐らくこのルートを使えば最短で行けるはずです」
「では行こう! なに、トラップについては私に任せてくれ」
高速で移動する為の行動――ぱちんと指を鳴らす黎の前ではカスタムされた宇宙バイクに跨るキャプテンが胸を張ってみせる。
宇宙紳士、キャプテン・ハマーヘッジには頼るべき先人の見識、そして過去の偉大なる宇宙紳士たちの経験を蓄積したAIがあるのだ。
「ではトラップ解析はお願いします」
「ああ、任せてくれ!」
最短ルートを先導する黎とトラップ解析するキャプテン。二人は上層階へ続くエレベーターへと一直線。
だが、マンションダンジョンという名は伊達ではなかった。
マンションだというのに妙に広い謎の空間があったり、マップには存在しない住居スペースやバリケードが行く手を阻むが、それは二人にとって些細な問題でしかなかった。
「あの赤と緑のタイルはフェイクだな。右二つの小さなタイルと先の白いタイルがトラップだ。踏まないよう気を付けてくれ」
キャプテンの声に黎は応えるようにタイルを飛び越える。
二人は順調にマンション内を進んでいくが、ついに目指す場所まで目前に迫ろうとしていた。
「この通路の先に上に行くエレベーターがあります」
「ふむ、だが通路は床一面にタイルがあるな、解析しよう」
「頼みます」
スピードを落とすキャプテンと同じように黎は目の前の通路に目を向ける。視線の先は無機質なアスファルトからカラフルなタイルへと切り替わり、幾何学模様を描いていた。
黎ならば能力を駆使して発動したトラップを潜り抜ける事はできるが、これほどの量のタイルではさすがに全てを潜り抜けるのは難しいだろう。
だが、黎の隣にはキャプテンがいる。
過去の偉大なる宇宙紳士たちの経験を蓄積したAIが、キャプテンに力を与えてくれる。力――トラップ起動の条件を見極める分析力! それに加えて様々な世界での冒険で培った紳士的洞察力&直観力、そして先代から受け継いだ『宇宙紳士回顧録』があるのだ!
「どんな危険な罠が待ち受けようとも、華麗に突破して見せようではないか」
自信に満ちた笑みで解析を続けていると、どうやらこちらの気配に気付いた住民がいたようだ。
「いたぞー! 家賃は絶対に払わないからなー!!」
「帰れー!」
「オレも解析に一役買いましょう」
ぱちんと一鳴り電光石火。侵入者を排除すべく突進してくる住民をぐっと掴むと、力任せに一投!
かちっ……ばかっ!
「うわあああぁぁぁあ……!!」
タイルを踏んだ住民は哀れトラップの餌食。ばかんと開いた落とし穴に吸い込まれていってしまった。
それだけではない。音を聞きつけたその他住民達もわんさかと押し寄せてくる。これは罠の餌食もといトラップ解除にうってつけ。
掴んでは投げ、掴んでは投げ、こちらに飛んでくるトラップも住民に受け止めてもらって難なく無傷。
「卑怯者おおぉぉぉー!」
「卑怯? 使える物があるなら使うのは当然。むしろ卑怯は褒め言葉ですよ」
さらりと言い捨て、もう一人ポイ。
「なんと、この通路のタイルはほぼすべてがトラップのようだ! ……ならば考えがある、掴まれってくれ!」
アクセル全開のキャプテンの相棒に黎が捕まると迫る住民達を振り切るように宇宙バイクはタイルの通路を飛び越える!
「私には宇宙バイクとジェットパックがあるから床のタイルを踏む心配は無いがな! ムハハハ……!」
笑うキャプテンの背後では阿鼻叫喚の様子を挺していた。
「ぎゃー!」
「うわあっ!」
「助けてくれえー!!」
トラップの餌食となった住民達の悲鳴が聞こえてきたが、これも家賃滞納の自業自得という事で。
通路を超えて着地すると、エレベーター前にこれでもかと主張する七色の輝きを放つタイルがあった。
「お前で最後かな?」
怪しさマックスのタイルめがけて黎がトラップ地獄から逃れた悪運のいい住民を掴んでシュート!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
犠牲になった住民の運命はさておき、どうやらあのタイルはトラップであり、上層階へのカギであったようだ。エレベーターがポンと電子音を響かせ硬く閉じられていた扉が開く。
「まずは第一関門クリアだな」
「ですね」
二人はエレベーターの中に入ると上層――と、行っても一つ上の階までしか上がれなくなっているボタンを押す。
扉は閉じ、猟兵達は新たなるステージと上がっていくのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ソニア・シルヴァーヌ
家賃滞納も無理矢理な取り立ても悪いことですから、それならまだ良いんですけど…
無理矢理な取り立てをできなくするのはダメですね。
みんなが悪いことできるようにしてあげませんと。
というわけで、無理矢理家賃を取り立てに行きましょう。
道中のトラップは、周りのタイルに気を付けながら進行しますが…
私に罠の知識は無いので、判別は困難ですね。
ではこうしちゃいましょう(怪しいタイルを全部波動砲の【範囲攻撃】で吹き飛ばす)
事前に環境適応・自己進化で攻撃力を半分にしておくので、マンション自体を破壊することはない…とは思います。
もしトラップが発動した場合でも、攻撃力と引き換えて強化した装甲で耐えようかと。
どこからともなく爆発音が聞こえてくる。
ひとつ、ふたつ。それから悲鳴。
「家賃滞納も無理矢理な取り立ても悪いことですから、それならまだ良いんですけど……無理矢理な取り立てをできなくするのはダメですね」
そんな音を耳にソニア・シルヴァーヌ(玻璃の白百合ラスボス仕立て・f31357)はダンジョンマンションのバリケードをくぐり進んでいく。
デビルキングワールドの片隅に隠遁していたソニアである。家賃滞納も無理矢理な家賃取立もこの世界にとっては全くもって正しい事を知っている。
だからこそ。
「というわけで、無理矢理家賃を取り立てに行きましょう」
滞納された家賃の取立ができないのらば、自分が取り立てに行ってしまえばいいのだ。
頼まれてもいないのに無理矢理に家賃を取り立てるとはなんという悪!
「他にもいるかもしれないぞ」
「探せ! 生きて帰すな!」
巨大な鉄筋の傍を通り抜けてソニアは手近な入り口から入ろうとするが、ばたばたと喧騒がこちらに近づいてくる。どうやら自分以外にもこのマンションへ足を踏み入れた者がいるようだ。
「私と同じ猟兵の方かもしれませんね」
進んでみればいずれそれは分かるだろう。
見つからないよう注意しながら人の気配がなさそうな入り口からマンションの中へソニアは入っていく。
このダンジョンマンションにはタイルを使ったトラップが数多く設置されている。
どんなトラップが発動するかは分からないし、もしかすると見せかけかもしれない。要は触れてみなければわからないのだ。
壁や通路の隅などの注意すれば問題なさそうなタイルは触れないよう注意し進んでいたのだが、
「困りましたね……」
薄暗いダンジョンマンションに足を踏み入れてからしばらくして、ソニアの前に大きなタイルが一つ現れた。
通路のど真ん中にぽつんと置かれている、本来の色から遠ざかったであろう色あせたタイル。
避けようにもあの大きさは確実に踏んでしまう。
ソニアには罠の知識はない。なのであれがトラップなのか見せかけなのかの判断はつかない。
「うーん……」
首を傾げて思案する事、数秒。
「ではこうしちゃいましょう」
ちゅどごおおおぉぉおおおおおおんんん!!!!!
怪しいタイルは波動砲の一撃によって周囲ごと吹っ飛んだ。もちろん威力は調節してあるからこの攻撃でマンションが崩壊することはないのでご安心を。
「トラップじゃなかったようですね、一安心です」
こうしてソニアのダンジョンマンション探索ははじまった。
触れないで済むタイルはスルーし、踏んでしまいそうなタイルは問答無用で波動砲。最初の内はタイルも少なく住民に気を付けて進んでいたのだが、上階へ上がる階段への道はタイルが敷き詰められていた。
「おい、取立人がいるぞー!!」
「こっちだー!!」
あら大変。波動砲の音を聞きつけて住民達もやってきた。
「家賃の取立にきましたよ」
ふわりと笑む姿に住民達は押し寄せるも、ソニアとの間にはタイルがびっしり。
ソニアは優しかった。
「タイルがあるので危ないですよ、少し待っててくださいね」
どごおおぉぉおおおん!!
ずがあぁぁああぁぁんん!!!
家賃取立の為、滞納者達がタイルを踏まないようにする為、波動砲は全力で発射されたのだ。
破壊音が響き、住民達の悲鳴も聞こえたような気がするが気のせいだろう。
「さて、家賃を……おや、皆様どこへ行ってしまったのでしょうか」
砂煙も消え、いざ家賃取立を行おうとするソニアであったが、こちらに向かってきていたはずの住民達がいない。タイルと一緒に消えてしまったのだ。
「仕方がありません、上の階で取立を行いましょう」
パラパラと頭上に落ちてくる破片を払い、ソニアは上階へ続く階段に向かうと、そのまま上がっていった。
次こそは家賃の取立が行えるに違いない。
もちろん、穏便な取り立ては不可能かもしれないが。
成功
🔵🔵🔴
城田・紗希
――なるほど、わかんない。(フェイクと罠の見極めを数瞬で諦めた)
まぁ、住民も買い出しのために出かけるはずだし、安全な通路はあるはず?
という訳で…さぁ行けっ、全軍、全部隊、出撃!
道を切り開けー、落とし穴には橋をかけろー!
材料は…そこらのタイルを使っちゃえー!(クラッシュアンドビルド)
必要なら砲撃で罠を壊しちゃえー!(指揮官のはずが脳筋)
城田・紗希(人間の探索者・f01927)は困っていた。
借金取りを返り討ちにする住人達の背後にオブリビオンがいるっぽいからと送り出されたこの場所は、怒声や怒号に交じって爆破音やら砲撃の音まで聞こえてくる。
物騒極まりない場所にやってきた紗希の目の前には長い廊下が続いていた。入り口にあったマップに間違いがなければ上階へのエレベーターはこの廊下を進んだ先にあるのだが、床には綺麗なタイルが敷き詰められている。
色とりどりのタイルが綺麗な模様を描いているが、このタイルのどれかがトラップを起動させる可能性がある。もちろん、全部がトラップという事もあり得るし、すべてがフェイクの可能性だってあるのだ。
わざとらしく一つだけ大きなタイルがどんと床で何かを主張している。うっかり踏んでしまいそうな場所にちょこんと飛び出したタイルもある。規則性を持った模様に違和感を感じるタイルも視界にちらりと飛び込んでくる。
さて、どれがトラップのタイルなのか。
「――なるほど、わかんない」
紗希は数秒で諦めた。開錠が特技だからといってトラップが見抜けるという訳ではないのだ。
「まぁ、住民も買い出しのために出かけるはずだし、安全な通路はあるはず?」
こくんと首を傾げつつ考える紗希はふと閃き、
「という訳で……さぁ行けっ、全軍、全部隊、出撃!」
その一声と共におもちゃの兵隊たちがわあっと飛び出した。進むべき道をびしっと指させば、兵隊たちはちょこちょこと前進すると――あぶない!
大きなタイルを踏んだ瞬間、床にぼこんと大きな落とし穴。
「道を切り開けー、落とし穴には橋をかけろー!」
落ちそうになった兵隊をひょいと助けて号令一つ。でも橋をかける材料はどうしよう?
「材料は……そこらのタイルを使っちゃえー!」
トラップ発動で外れたタイルをおもちゃの兵隊たちが拾って橋をつくっていくけれど、橋を作るにはまだまだ足りない。
よし、こうなったら――。
「必要なら砲撃で罠を壊しちゃえー!」
なんという脳筋! これも指揮官のはずが脳筋であるが故。
どどーん! どかーん!
兵隊たちの攻撃で床のトラップはあれよあれよと破壊され、タイルを拾って橋づくり。材料もいっぱい集まると兵隊たちは橋づくりに大あらわだが、あっという間に橋は完成!
指揮官、紗希と兵隊たちは橋を渡って目的のエレベーターまで一直線。運がいい事に敵やトラップに引っかかることなく進む事が出来た。
「よし、それじゃあ次に行ってみよー!」
ぐっと拳を上げた紗希はエレベーターに乗り込むと上階へのボタンをポチっと押したのだった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『セントウイン』
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POW : ㉕セントウイン
【自身の筋肉】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
SPD : ①セントウイン
レベル×1体の、【仮面】に1と刻印された戦闘用【①セントウイン】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : ⑩セントウイン
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【厨二オーラ】から【暗黒破壊滅殺光線】を放つ。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ビーッ! ビーッ! ビーッ!
マンション内にけたたましい警報が鳴り響く。
『緊急事態発生、緊急事態発生。侵入者が第1フロアを突破し、第2フロアへ侵入しました。侵入者を撃退してください。繰り返します。侵入者が――』
警報交じりのアナウンスに住民達は殺気を纏って廊下へと飛び出した。
「家賃はビタ一文払わないゼニ!」
「踏み倒してこそジャスティス!」
「一人として生かして帰さないドルぁー!!」
住民の皆様は殺る気満々。これは穏便に進むことはできないだろう。
――そして。
チーン♪
エレベーターの到着を告げる音が鳴り響く。
住民達はエレベーター前にずずずいっと集まった。
これからが戦いの幕開けである。
====================
※2章のプレイングについて
2章は家賃取立人を追い返そうとする住民達との戦いになります。
集団戦という名の通りボスがいる場所に行かせない為、そして家賃を払いたくない為に住民達は皆さんへと襲い掛かってきます。
多分そんなに強くないと思いますが気合を入れてしばき倒しちゃいましょう。
ボスがいる上の階まであと少し! 頑張ってください!
====================
ソニア・シルヴァーヌ
家賃は意地でも払わない、その心意気は良し、です。
では、無理矢理取り立てさせて頂きますね?
エレベータの中で【エネルギー充填】を行っておき、開くと同時に波動砲での【範囲攻撃】を叩き込みましょう。
出鼻を挫いたところで讃えられざるものの歌を発動、天使達をセントウインの皆さんに纏わりつかせて、うわ言を聞かせることによる【精神攻撃】を行わせ、以て心を折りにかかろうかと。
さて、家賃を払うかこのまま心が死ぬまで耐えるか…どうなさいます?
けたたましく響くアラート音とアナウンスはエレベーターの中からでも十分に聞く事ができた。
――いや、警告として聞かせているのだろう。
十分にメンテナンスされていない狭いエレベーター内でソニアは瞳を閉じ、扉が開くのを待つ事しばし。
チーン♪
ぎぎ、と扉が開き出すと閉じていた瞼がゆっくりと開かれ、赤き双眸にはひしめく住民達が映り込む。
「「「覚悟しろ―っ!!!」」」
「家賃は意地でも払わない、その心意気は良し、です」
ズドドドドドドドドド……!!!
家賃を払いたくない住民達はやる気満々。ぎっしりとひしめく殺意と敵意の中、襲い掛かろうとする住民達へと波動砲が容赦なく牙を剥いた。
エレベーターの中で充填された先制攻撃は苛烈で慈悲など一切なく、押しかけていた住民達は逃げる事が出来ずにフルボッコ。
「ギャー!」
「これは無理ペソ!」
「た、タスケテェーン!!」
ばたばた倒れていく住民達を越えていくと、その先には運よく――いや、運悪く攻撃を受けずに済んだ住民達がいる。
「むむむ、我々は負けまセントと!」
「そうフラン!」
地鳴りを響かせ押し寄せる第二波を前に穏やかな微笑みは崩れる事無はなかった。
出鼻をくじく攻撃ははほんの挨拶のようなもの。これからが本番。
「では、無理矢理取り立てさせて頂きますね?」
LaLaLaLaLa――LaLa、La――La――
筋肉ムキムキな攻撃をさらりさらりと躱しながらの歌声に応えた赤子の天使達はソニアの声なき意思を聞くと動き出す。
「な、ナンダウォン?!」
「ちょ、来るな!!」
虚無の魔力弾を使わない、ただ纏わりつかせるというだけのシンプルな行動であったが、肝心なのはそのあとだ。
「あわわわわわわ!!!」
「や、やめろお!」
「ごめんなさいマジ許してくださいお願いですからああああぎゃああああああ!!」
纏わりついた天使達のうわ言は住民達の心をゆっくりと、だが確実に折ろうとしている。
逃げようにも天使達は大きく、住民達は攻撃さえできずに天使に纏わりつかれてしまった。
「さて、家賃を払うかこのまま心が死ぬまで耐えるか……どうなさいます?」
断末魔響くマンション内。ソニアは穏やかな笑みのまま。
天使達の声にばききと心が折られていく住民を赤き瞳に映し進んでいくのは容易であった。攻撃を一切受ける事なく、ソニアは進んでいく。
「エレベーターを使えないようにしているのですね」
壊されたエレベーターを目にフロアマップを確認し、階段へと向かう。
住民達を統率するオブリビオンはこの階段の先に違いない。
「では行きましょうか」
動かぬ住民達に一瞥をくれず、ソニアは階段を上っていった。
大成功
🔵🔵🔵
キャプテン・ハマーヘッジ
「おっと!いけないな、宇宙紳士…いや宇宙取立人の行く手を阻むのは…!」
宇宙バイクで縦横無尽に駆け抜けて撹乱!おや、先行し過ぎて敵に取り囲まれてしまったようだ。万事休す…とでも思ったかね?
「宇宙紳士は戦場を選ばない!」敵の虚を突き、背中に装備したバックパックで飛び上がって空中戦に移行!空中から射撃戦を仕掛けつつ、脳波でバイクを遠隔操作し敵を散々に掻き乱してくれよう。これぞスペース・一人両面攻撃だ…!
(アドリブ・連携歓迎)
鬼頭・黎
まあ元々家賃滞納をしていた人達ですから、穏便に済むなんて考えてませんよ。だからこそ容赦なくぶっ飛ばしますか
まずは忍び足で目立たずに先制攻撃を行う。その後は体勢を崩すことを狙いつつ戦う。時折フェイントやスライディングなどを入れて攻撃が読まれないようにする。可能なら敵の攻撃に合わせてカウンター
敵に囲まれるなどして危なくなったら敵を吹き飛ばして距離を稼ぐ。防御できそうならオーラ防御で対応
数も多そうだし、巨大化してる敵を【無法者の剛力】で掴まえて振り回して周囲の敵を巻き込んで攻撃していこうか
家賃を払わないとこうなると、滞納者に見せつけることができればありがたいが
他の人との絡み・アドリブOK
キャプテンと黎はエレベーターの中でアナウンスを聞いていた。
お前達は生かして帰さないぞという意思がありありと感じ取れるそのアナウンスを耳にエレベーターは上へ上へとのぼっていく。
「まあ元々家賃滞納をしていた人達ですから、穏便に済むなんて考えてませんよ。だからこそ容赦なくぶっ飛ばしますか」
黎はつぶやき戦闘準備を整えながら到着を待ち、
――チーン♪
ぐおおぉおっ!!
エンジンを唸らせフューチャー号が家賃滞納者の中へと飛び出した!
「ここから先へは一歩も進ませな――あぶなっ!」
「ゼニゼニゼニー!」
「おっと! いけないな、宇宙紳士……いや宇宙取立人の行く手を阻むのは……!」
宇宙バイクは縦横無尽に駆け抜けていく。それほど敵が阻もうともキャプテンとフューチャー号の行く手を阻む事は難しいだろう。
住人達もバイクの餌食はごめんだとささっと避けていくが、当然、キャプテンを全力で追いかけていった。
颯爽とバイクは走り、住民達の波をかく乱していくが――、
「おや、先行し過ぎて敵に取り囲まれてしまったようだ」
広い場所まで走りぬいたキャプテンはいつの間にか住民達にぐるりと取り囲まれてしまっていた。
「マルクマルク! ようやく捕まえたマルクよ」
「顔についたタイヤの跡の恨みを晴らせてもらうゼニ!」
ぞろぞろと増えていく住民達に囲まれるもキャプテンは焦りの色を少しも見せず余裕さえもうかがえる。
「万事休す……とでも思ったかね?」
ちらと見せる合図に仲間は応えてくれた。
「「「ギャー!!」」」
囲みの一部から悲鳴が上がると住民達は蹴散らすように吹っ飛んだのだ。
黎である。
目立たぬよう忍び足で住民達へ迫り一人、また一人と倒しながら黎は先行するキャプテンの後をちゃんと追っていたのだ。キャプテンばかりが注目されていた事と気付かれぬよう注意していた行動が敵を一掃するチャンスとなったのだ。
「宇宙紳士は戦場を選ばない!」
不意打ちに近い黎の攻撃でパニックになった中、バックパックを使い上空からの攻撃に切り替えるキャプテンは光線銃を構えて空中戦に突入し、
「っ、と!」
ムキムキ筋肉の住民達の間をすり抜け、振り上がるパンチを受け流すとスライディングで抜けていく。ガントレットが拳を打ち払い、光の短剣の一閃にムキムキ住人はずずんと大きく崩れ落ちた。
「囲まれているぞ!」
攻撃しながらのキャプテンの鋭い声に周囲を見れば、いつの間にかムキムキ住人に取り囲まれてしまっているではないか。
「くっくっく、逃がさないリラ~」
「覚悟するペセタ」
じりじり迫る住民達が一斉に襲い掛かり――!
「「「ウギャアー!!!」」」
「思っていたより軽いですね」
捕まえた住民をぶんぶん振り回す黎によってムキムキ住民達は再び吹っ飛んだ。
「そっちは頼んだぜ!」
「うむ、任せてくれたまえ」
蹴散らす黎にキャプテンは頷き、宇宙バイクは搭乗者がいないというのに意思があるかのように動き出す。
「な、なにがおきたゼニぁー?」
「勝手にバイクが動いてるウォン!」
慌てふためく住民達にバイクと光線銃が容赦なく襲い掛かる。
「これぞスペース・一人両面攻撃だ……! おっと」
黎によって吹っ飛ばされた住民がこちらへすっ飛んできたのをかわし、キャプテンは光線銃を放つと脳波で遠隔操作するフューチャー号で住民達を散々に掻き乱す。
黎とキャプテンの攻撃はさすがに大群で押し寄せた住民達も耐えきれない。ばたりばたりと倒れていった。
ほどなく戦いの喧騒も収まり、黎は反撃が来ないだろうといったん武器を収めて息をついた。
「家賃を払わないとこうなるという事が分かってもらえればありがたいのですが」
「ふむ、十分伝わったのではないかな?」
うんうんと頷くキャプテンの視界の先には二人の攻撃でボッコボコにされた住民達。改心してきっと家賃を払う事だろう。
――と、どこからか断末魔が聞こえてくる。
「他にも誰かが戦っているのでしょうか」
「そのようだな」
いずれ同じ場所にたどり着くに違いない。言葉を交わし目的の場所に続くエレベーターへと向かったが、侵入経路を絞る為かそれは故意に壊されていた。
エレベーターを諦めた二人はマップを頼りにオブリビオンがいるであろう上階に続く階段へと向かうのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アニタ・エヴァーフィールド
や、家賃滞納だけじゃなくて、踏み倒すのはいけないと思うの…!
管理人さんだけじゃなくて、取り立て人さんたちも怒るわ…
覚悟を決めて、セントウインさんたちに攻撃するの
鎧砕きで防御力を削ぎつつ、属性攻撃の2回攻撃をして、たくさん倒すよりは確実にダメージを与えられるよう頑張るわね
できるだけ敵に囲まれないように注意するけど、もし囲まれたり身動き取れなくなりそうになったら、ランスチャージで突破を試みるわ
トリニティ・エンハンスで防御力を高めながら、攻撃を受け流したり時計で受け止めるの
踏み倒す事態になる前に、ちゃんと毎月決められた日までにお金を用意しないとダメなのよ!
…そういうことじゃない、の?
…ぴえん…(泣)
ぎぎ……ぎりり……。
よくわからない不気味な音を響かせエレベーターはアニタ・エヴァーフィールド(さまよいゆくこころ・f26832)はその音が大きくなる度に、ぴゃっと声を上げびくんと体を跳ね上げた。
不気味なエレベーターの狭い空間、それに加えて外からはアナウンスと警報が聞こえてくるのでとっても怖い。
目の前の扉が開けばきっと、いや絶対に家賃滞納を重ねに重ね踏み倒している住民達がいるだろう。このマンションへやってきた自分も攻撃にさらされる。
「や、家賃滞納だけじゃなくて、踏み倒すのはいけないと思うの……! 管理人さんだけじゃなくて、取り立て人さんたちも怒るわ……」
ぎゅっと拳を握りしめ、アニタは傷と汚れだらけの扉を見つめ――、
チーン♪
古びたエレベーターとは対照的に響く音と共にエレベーターは上昇を止め、扉は開く。
「よくぞここまでたどり着いたウォン!」
「褒めちゃうけどお前の命はここまでペソよ!」
「覚悟するフラン!」
エレベーターから出ると待ち構えていた住民達はやる気満々。筋肉ムキムキ殺意満々でお出迎え。
「ぴゃっ!」
「「「いくぞー!!!」」」
襲い掛かる住民達を前に覚悟を決め、たんと床を蹴ったアニタの身体は宙を舞った。飛び掛かってきた数人を飛び越えると次の住民達がぶんと拳を振り上げたのを目に、取り出した懐中時計でがっしりと受け止めた。
「攻撃を受け止めるセント?」
「ならばこれでもくらエン!」
ずぶんと迫る攻撃をしゃがんで躱し、横にとんで避け、ばしっとアニタは受け流すと立て続けに襲いかかる攻撃も綺麗に捌いてみせ、
「反撃だよ!」
握る白銀の槍を構えなおして一直線!
「えいっ!」
「ぐわあっ!」
たくさん倒すより確実に倒す。しっかり狙った連続攻撃に住民は一人、また一人と倒れてく。
「くっ、取り囲めー!」
「そんな事はさせないんだよ」
わっと押し寄せる住民の大群を前にしても戦いの中、アニタは慌てない。槍を手に攻撃を巧みに躱し、返す手で攻撃を叩きつける。
「踏み倒す事態になる前に、ちゃんと毎月決められた日までにお金を用意しないとダメなのよ!」
ずどおぉんっ!
「うぎゃーす!!」
連撃をまともにくらった住民はきりもみ回転しながら吹っ飛ぶと頭からどしゃっと落ちた。
いつの間にか周囲を見渡せば攻撃で倒れた住民達が死屍累々。
「……そういうことじゃない、の? ……ぴえん……」
せっかく頑張って戦ったのだから、住民達も改心してちゃんと家賃を払ってくれるだろう。多分。
オブリビオンが待ち受ける最上階への階段を見つけたアニタは一人、階段を上っていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『デストロイキング』
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POW : デストロイキング軍
レベル×1体の【ビューティスパイダー】を召喚する。[ビューティスパイダー]は【女郎蜘蛛】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD : デストロイ光線
レベル分の1秒で【背中の魔力角から破壊光線】を発射できる。
WIZ : デストロイウェポン
【腹部の巨大な口に取り込んだ物体】から、対象の【全てを破壊したい】という願いを叶える【破壊兵器】を創造する。[破壊兵器]をうまく使わないと願いは叶わない。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
最上階へのエレベーターは軒並み破壊され、階段もバリケードによって通る事ができなくなっている。
――いや、ひとつだけ通れる階段がある。
意図的に用意された、ただ一つだけの階段を上っていくと、そこはマンションとは到底思えない光景が広がっていた。
あったであろう個々の部屋の壁はすべて壊され、一つになっている。ここはまるで大きなホールのよう。
そんな最上階に存在するのは、デビルマンションに住み着き滞納者達を統率したオブリビオンだ。
「よくここまでやってきたな」
だだっ広い空間にまったく不釣り合いな巨大な王座に腰掛けていたキングはぎろりとこちらを睨むとゆっくり立ち上がる。
ずん。
一歩足を踏み出せば地面が揺れ、
ずん。
もう一歩進めばみしりと地面に亀裂が走る。
「ようやく見つけた安寧の場所だ。俺はここから離れる気もなければ倒されるつもりもない」
ぎりと拳を握りキングの声は猟兵達へと向けられるとそのままこちらへと向かってくる。
「生かしては帰さん。覚悟するんだな」
猟兵達はボスとの戦いにそれぞれが武器を手にキングへと向っていくのだった。
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※3章のプレイングについて
3章ではマンションダンジョンに住み着いたオブリビオン『デストロイキング』との戦いになります。
出入りできるルートを一つに絞ったキングはマンションの部屋の壁をぶち抜き広い場所で皆さんを待ち構えています。
このオブリビオンを倒せば依頼も無事解決です。皆さん頑張ってください!
====================
ソニア・シルヴァーヌ
覚悟して頂くのは其方ですよ、遠い過去の魔王様。
光と闇の希望を発動、フロアの天井付近を飛翔しつつ戦います。
強化した触手で打ち据えての攻撃を繰り出す合間に【エネルギー充填】を行い、好機と見たら重点したエネルギーで強化した波動砲を撃ち込みます。
敵の攻撃に対しては、近接攻撃は飛翔によって距離を取り回避。遠隔攻撃は、全身を包む雲に【オーラ防御】を上乗せして防ぎます。
単純な破壊が恰好良いという時代は、もう終わったのです。
その輝かしき名は、過去という形のみにて語られるべきでしょう。
キャプテン・ハマーヘッジ
(アドリブ連携超歓迎)
お前がデストロイキングか…!なかなかの気迫の持ち主よ!だが勿体ない…それ程のオーラを持ちながら、それでも家賃を払うのを渋るかッ‼
ここまで来たら小細工は意味をなさぬ。仲間たちと共に全力で挑むのみ!
フューチャー号を全速力で走らせキングを翻弄、エンジンが焼け付いても構わぬ!狙うはデストロイ光線を放つ背中の角。一本一本、地道にでも撃ち抜いてくれる。私が止めを刺す必要などない、仲間たちの誰かが勝利を掴み取るための一歩だ!
鬼頭・黎
あそこにいるのが悪の親玉ってわけですか。そういうことなら遠慮なくやらせてもらおうか!(口調を変えて)
暗殺を使ったヒットアンドアウェイを基本にして攻撃。狙えれば体勢を崩したり、傷口を抉ったりもしていく。敵の攻撃に合わせてフェイントやカウンターも使う。敵に接近され過ぎたら吹き飛ばしで距離を稼ぐ
【黒影乱打】は攻撃回数重視で使う。配下も召喚するとなると手数はあった方がいいだろうし、可能ならだまし討ちに持っていきたい
どんなことをしても勝てばいいからな、使える手は使わせてもらう
……ところでこのマンション、結構壊れていたが、崩れたりしないよな?
他の人との絡み・アドリブOK
ずずん。
踏み出すオブリビオンの一歩が猟兵達の踏みしめる床に響き渡った。
「覚悟して頂くのは其方ですよ、遠い過去の魔王様」
「お前がデストロイキングか……! なかなかの気迫の持ち主よ! だが勿体ない……それ程のオーラを持ちながら、それでも家賃を払うのを渋るかッ!!」
柔らかいソニアの言葉に続いてキャプテンは拳を握り言い放つ。
見上げるほどの巨躯に厳めしい顔をしたオブリビオン――デストロイキングはふんと鼻をならし、更に進む。
「家賃など払う必要がどこにある。ここは俺の城なのだからなあ!」
ずしんずしんと地鳴りを響かせキングはこちらへ一直線。背中の魔力角が禍々しい輝きを灯しており、いつでも攻撃ができるようである。
「ここまで来たら小細工は意味をなさぬ。仲間たちと共に全力で挑むのみ!」
ぐおおぉおんっ!!
キャプテン跨るフューチャー号はエンジンの咆哮を轟かせ、
「あそこにいるのが悪の親玉ってわけですか。そういうことなら遠慮なくやらせてもらおうか!」
疾走するバイクが巻き上げた土煙に紛れる黎もキングへの攻撃を開始する。
「攻撃が来るぜ」
「ならばここは私に任せてもらおう!」
アクセル全開、仲間も追えぬ速さの相棒と共にキャプテンはビームの間を駆け抜ける。迫る光線を巧みに躱し、
「飛ぶぞ相棒!」
がづ、っ!
瓦礫を足場に大きくジャンプ!
「今がチャンスです」
天井付近を飛翔するソニアからの声。見れば眼下にはキングのがら空き背中が丸見えではないか。
「くらえ、デストロイキング!」
「っ、ぐうっ!」
鍛え抜かれた早撃ちは背中の角を数本撃ち抜いた。呻くキングが振り向くとキャプテンの姿は既にない。
ぎゃりぎゃりぎゃりっ!!
着地から大きくターンし、再びキャプテンはキングへと突き進む。焼き付くエンジンに相棒の悲鳴を聞くもアクセルを緩める事はない。
「未来を、無と還させるわけにはいきませんから」
放たれる光線銃の一閃を眼下にぬらりとしたソニアの下半身は漆黒の雲と化し、全身を包んでいく。その雲からぬるりぬらりと触手を垂らすと眼下にあるキングへと打ち据えた。
ばぢんっ! べちんっ!
「な、なんだ! この……!」
ぬらぬらした触手をキングは避けようとするが阻もうとするキャプテンによって敵わない。それだけではない。
闇は常に背に迫っている。
「侮っていると、痛い目を見るぜ?」
「ぐっ?!」
ざぐんっ!
鮮血がほとばしる。
仲間達の攻撃の合間を、キングの攻撃の合間を縫った黎の刃が背後から切りつけたのだ。振り返られる前に地を蹴り距離を取り、再び隙を突いての斬撃。
「どんなことをしても勝てばいいからな、使える手は使わせてもらう」
束ねた髪が勢いで跳ねあがる。
「おのれおのれ生意気な! ――来い、デストロイキング軍!!」
背後からの攻撃で苛立ちを隠さないキングの一声に召喚陣が床一面に浮かび上がると、ずず、とビューティスパイダー達が召喚されると一斉に飛び掛かってくる。
「数が多ければ勝てると思うなよ!」
こっちは3人しか――いや、3人もいるではないか。
「ならば超破壊兵器もつけてやる。耐えられるかな?」
デストロイキング軍に破壊兵器が猟兵達へと向けられるが、
「単純な破壊が恰好良いという時代は、もう終わったのです。その輝かしき名は、過去という形のみにて語られるべきでしょう」
ズズ――ズドゴオッ!!
「ぐおおぉおっ!?」
好機とみたソニアの波動砲が兵器もろともキングへと放たれたのだ。
キャプテンと黎ばかりに注意がいってしまい、宙にあるソニアの存在を失念してしまっていたのだ。
「よくも超破壊兵器を……!」
怒りに染まるキングの攻撃はソニアへと定めるも拳を届けるには難しい。それに漆黒に包まれた姿ではビームや兵器さえも防いでしまうだろう。
「ギャアッ!」
「グッ!」
そんな中、わらわらとしたビューティスパイダー達の一塊が吹っ飛んだ。ソニアの波動砲で驚いた中に潜んだ黎が一気に吹っ飛ばしたのだ。
「私が止めを刺す必要などない、仲間たちの誰かが勝利を掴み取るための一歩だ!」
胴を打つほどのエンジン音を轟かせるキャプテンは相棒と共にキングとビューティスパイダー達を翻弄し、ソニアの触手と波動砲がキングへと牙を剥き、その隙をついて黎は巨躯に深い傷跡を付けていった。
「最期だ、キング!」
「ぐあぁあっ!!」
どうっと放つ一発は残りの角を打ち砕くと、よろめく巨躯に幾度目かの波動砲が降り注ぐ。
直撃を受けたキングはまばゆさによろめき――、
「くっ、この俺が……お前達などに……」
「倒されるんだぜ、デストロイキング!」
ず、だあんっ!!!
渾身の一撃に蹴りが加わり、吹っ飛んだキングは破壊から運よく逃れた壁にぶち当たった。その壁もさすがに耐えられなかったらしく、びしりとヒビが入ると崩れ落ちるとキングを埋めてしまった。
これで戦いは終わった。
――の、だろうか。
「……ところでこのマンション、結構壊れていたが、崩れたりしないよな?」
黎の言葉に仲間達は周囲をぐるりと見渡した。
ここは壁をぶち抜き大きなフロアと化したマンションの最上階。
「ふむ、確かに可能性は否定できないな!」
顎に手を当て頷くキャプテンだが、がらりと何かが崩れる音がした。まさか天井が――?
「今のは攻撃は……効いたぞ……!」
ガラガラガラ……どおぉん!!
瓦礫の山が崩れ落ちると3人の攻撃を受け、倒れたはずのキングは飛び出た。
「先ほども言いましたが、その輝かしき名は、過去という形のみにて語られるべきです」
「フン、どうとでも言うがいい。これしきの攻撃でこの俺様が倒されるとでも思っていたか」
穏やかな笑みに応えるのは邪悪な声。
猟兵達は知っている。
与えた攻撃は確実にキングの体力を削った事を。
――戦いの決着が近い事も知っていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アニタ・エヴァーフィールド
ぴゃ…(絶句)
家賃滞納だけじゃなくて家屋損壊は絶対許されないと思うの!
覚悟はとっくに決めているわ
…でもやっぱり近づくのは怖いから、距離をとりながらミル・ラムの魔法剣で囲んで攻撃するの
鎧砕きで防御力を削ぎながら、属性を与えた魔法剣で2回攻撃をして、確実にダメージを与えられるよう頑張るわ
あともう少しなら、私でもちょっとは役に立てる…はず、よね
攻撃は時計で受け止めたり、押さえ込まれたりして身動きが取れなくなりそうになったらランスチャージで突破を試みてみるけど、難しいかしら…
…でも、少しでも頑張るわ!
…あの、でも、いいかしら?
この建物…たくさん暴れて大丈夫、なの?
上に続く階段を上っているアニタだが、ずん、どがん、と大きな音がマンション全体に響く度に思わずぴゃっと立ち止まってしまう。
大きな音は何かのエンジン音であったり、爆発音や衝突音であったり。
「家賃滞納だけじゃなくて騒音問題も起こしているのかしら……」
いったいどんなひとが待ち受けているか不安になるが、大丈夫。覚悟はとっくに――、
「ぴゃ……」
階段を上り終えた先にあった光景にアニタは思わず絶句してしまった。
壁という壁はすべて壊され、いっぱいあった筈の部屋は広々とした1部屋だけにっている。
それに、
ガラガラガラ……どおぉん!!
「ぴゃっ!」
部屋の壁際にできていた瓦礫の山が崩れ落ちると、そこからオブリビオン――デストロイキングキングが飛び出したのだ。
窓ガラスは割れ、床もところどころがヒビが入り、壁はぼこりとへこんでいる。
「家賃滞納だけじゃなくて家屋損壊は絶対許されないと思うの!」
見上げるほどの巨躯に怖くて厳つい顔。逃げたくなるのをぐっと耐え、ビシッとアニタは言い放った。
覚悟はとっくに決めているのだから。
「フン、お前も家賃を取り立てに来たのか?」
「修繕費も払わないと駄目なのよ」
ごおぉおっ!
「ぴゃっ!」
覚悟を決めていてもいきなりの攻撃はさすがにびっくりした。
破壊兵器、デストロイバズーカからのばかでかい一撃をかろうじて躱し、続く攻撃も飛び避ける。やっぱり近づくのは怖いかも。
「どうした、そんなに離れて。家賃を取り立てに来たんじゃないのか?」
にやにや笑うキングだが、頬に傷がはしり、身体のあちこちに攻撃を受けた形跡がいくつもあった。血も流れているし、よく見れば時折ふらついているではないか。
距離を取りつつバズーカをやり過ごしていたが、それだけでは事態は解決しない。
――あともう少しなら、私でもちょっとは役に立てる……はず、よね。
「くたばれっ!」
「刃よ、踊れ!」
迫る攻撃をとんと跳ね、その一声と共に数多の魔法剣は飛翔するとキングめがけて襲い掛かった。
「っ、ぐうっ!」
防御力を削ぎながらの攻撃はとても有効だった。先行した仲間達がダメージを与えていた事もあってか、受けそうになる反撃も時計でうまく受け流す事ができたし、こちらの攻撃もうまく回避できないようだった。
これなら――。
「頑張れるわ、まだ!」
「おぉぉおのれええええええ!!!!」
ごがん! ばがん! どがあんっ!
魔法剣はキングの身体を切り刻み、痛みにうめくキングは地鳴りのような咆哮を上げると所かまわずバズーカを撃ちだした。
標準を定めず、でたらめに近いその攻撃をぴょいひょいアニタはくぐって避け、
「……あの、でも、いいかしら? この建物……たくさん暴れて大丈夫、なの?」
ず……ず、ずず……ががん!!
ちっとも大丈夫ではなかった。
不吉な音がそこらじゅうから響き出すと、壁に亀裂がびしびしと走り出したのだ!
「ぴゃー!!!」
これはまずい。アニタは一目散に走りだした。大急ぎで仲間達も一緒にマンションから脱出する。
幸い、崩れたのはデストロイキングが住み着いていた最上階だけで、他の階に大きな被害はなかったようだ。
「やっぱり家屋破壊はだめ、よね」
直すのにどれぐらい費用がかかるかしら。いや、それ以前に生きているのかしら、キング。
さっきまで戦っていた場所をじーっと観察してみるが、何かが動く様子はない。多分あの崩落が致命傷になったのだろう。きっとそうだろう。
「家賃の取立ては……とりあえず、大家さんに報告してから考えるわ」
うん、それがいい、そうしよう。
こうして猟兵達はダンジョンマンションを後にする。
つんざく轟音が響いて地面を揺らし、ダンジョンマンションとその辺り一面がとんでもない事になったのは猟兵達が去ってしばらくしてからの事であるが、また別の話である。
大成功
🔵🔵🔵